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融雪ゆうせつざい

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道路どうろもうけられた塩化えんかカルシウムの貯蔵ちょぞう容器ようき

融雪ゆうせつざい(ゆうせつざい)とは、液体えきたいみず分子ぶんし一般いっぱんてきにはみず)がこおりになることを防止ぼうしする(凍結とうけつ防止ぼうし)とともにすでかたまっているこおりかしてみずにする(とおるごおり)ための化学かがく材料ざいりょう[1]。このような機能きのうをもつ化学かがく材料ざいりょうは、凍結とうけつ防止ぼうしざい[1]ぼうごおりざい[1]とおるこおりざい[1]凍結とうけつ抑制よくせいざいなどともばれているが用途ようとわせているだけで明確めいかくちがいはい。

一般いっぱんてきには塩化えんかナトリウム塩化えんかカルシウムなどさんとアルカリの化合かごうぶつみず融解ゆうかいして電解でんかいえきになるしお(えん)が利用りようされている[1]。なお、凍結とうけつ防止ぼうしざいはもっぱら液体えきたいみずこおりにならないよう凍結とうけつ温度おんどげる(モル降下こうか)ための化学かがく材料ざいりょうをいうこともあり、エチレングリコールグリセリンなどがあるが、これらは電解でんかいえきにならないため解氷かいひょうには利用りようできない[1]

原理げんり種類しゅるい

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融雪ゆうせつざい散布さんぷによって、塩化えんかカルシウムなどの成分せいぶんみずけて凝固ぎょうこてん降下こうかこり、融点ゆうてん低下ていかする。これによって、融点ゆうてん気温きおん下回したまわればゆきみずへと変化へんかする。くわえて塩化えんかカルシウムがみずけるときに発生はっせいする溶解ようかいねつも、融雪ゆうせつ寄与きよする。なおこれらによって低下ていかする融点ゆうてんすうからじゅうすう程度ていどであるため、極端きょくたんひく温度おんどなかでは効果こうかられない。

無機むきしお

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無機むきしお塩素えんそ化合かごうぶつ塩化えんかぶつしおで、よこ方向ほうこう溶解ようかいするためこおり表面ひょうめんからけてウェットシャーベットになる[1]

有機ゆうきしお

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有機ゆうきしおみず融解ゆうかいするカルボンさんしおで、こおりばん貫入かんにゅうして道路どうろ舗装ほそうめんなどに到達とうたつしてからよこ方向ほうこう拡散かくさんする性質せいしつがありドライシャーベットになる[1]

しお混合こんごうぶつ

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性能せいのうとう改善かいぜんするため無機むきしお無機むきしおまたは有機ゆうきしお無機むきしお、あるいはぼうごおりざいすべりとめざい混合こんごうぶつ主成分しゅせいぶんとする融雪ゆうせつざいである[1]

発熱はつねつせいのある塩化えんかカルシウムとは混合こんごうせず吸熱せいのあるもの同士どうし混合こんごうされる。

尿素にょうそ×塩化えんかナトリウム 塩化えんかナトリウム×塩化えんかマグネシウム ひとし

塩化えんかカルシウムはすべりとめざいすな混合こんごうして使用しようされる場合ばあいがある。

有機ゆうき化合かごうぶつ

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規格きかく

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各国かっこく日本工業規格にほんこうぎょうきかく(JIS)、米国べいこく試験しけん材料ざいりょう協会きょうかい規格きかく(ASTM)、航空こうくう宇宙うちゅう材料ざいりょう規格きかく(AMS)などに材料ざいりょう規格きかく性能せいのう規格きかくさだめられている[1]。ヨーロッパではさらにきびしい性能せいのう規格きかく適用てきようされている[1]

塩害えんがい

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電離でんり作用さようおおきい塩素えんそイオンなどを利用りようした化学かがく材料ざいりょう使用しようする場合ばあい鋼材こうざい腐食ふしょく土壌どじょう固化こかなど環境かんきょうへの影響えいきょう考慮こうりょする必要ひつようがある[1]とく鉄筋てっきんコンクリート構造こうぞうぶつでは、融雪ゆうせつざいがコンクリートのから浸透しんとうし、鉄骨てっこつ鉄筋てっきんさびにより腐食ふしょく劣化れっかさせ、強度きょうど減少げんしょう発生はっせいし、構造こうぞうぶつ安全あんぜんせいたもてなくなってしまう。また植物しょくぶつかんしては、生化学せいかがくてき性質せいしつ食塩しょくえん類似るいじしているため、塩化えんかカルシウムとう塩害えんがいにより、海岸かいがんのように草木くさきえなくなってしまう(植物しょくぶつえてもれてしまう)。このような事態じたいふせぐために、塩化えんかカルシウムとうわる『代替だいたいひん』にえる対策たいさく模索もさくされている。

無機むきしおくらべると、有機ゆうきしお環境かんきょうやさしいが費用ひようたかくなる[1]。また、有機ゆうきしおのカルボンさんしおぼうごおりざいでも、製造せいぞう方法ほうほうによって組成そせい成分せいぶんにはちがいがあり、塩素えんそ硫黄いおうわずかにふくんだだけで、金属きんぞく腐食ふしょくおおきくあらわれる場合ばあいがある[1]

有機ゆうきしお無機むきしおしお混合こんごうぶつ利用りようする場合ばあいもあり、無機むきしお有機ゆうきしおを25%以上いじょう混合こんごうすると、金属きんぞく腐食ふしょくが75%程度ていど削減さくげんされるがとおるごおり性能せいのうひくくくなる[1]

なお、日本にっぽんでは道路どうろ散布さんぷされたものが河川かせんにも流失りゅうしつすることから、水質すいしつ汚濁おだく防止ぼうしほう排水はいすい基準きじゅん遵守じゅんしゅする必要ひつようがある[1]

着色ちゃくしょくによる融雪ゆうせつ

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着色ちゃくしょくによる融雪ゆうせつは、ゆきこおり表面ひょうめん黒色こくしょく粉末ふんまつカーボンブラックなどの炭素たんそ粒子りゅうし)を散布さんぷすることにより、太陽たいようねつエネルギーを吸収きゅうしゅうしやすくすることで融雪ゆうせつする。この方法ほうほうは、融雪ゆうせつ太陽光たいようあきら利用りようするため、夜間やかん融雪ゆうせつにはてきさない。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p ぼうごおりざい特性とくせいについて 国土こくど交通省こうつうしょう 北海道ほっかいどう開発かいはつきょく、2020ねん1がつ4にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

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