許斐このみ氏し

許斐このみ氏し
	柏かしわ?
本姓ほんせい	宗像むなかた朝臣あそん宗像むなかた庶流; 称しょう・源みなもと朝臣あそん（宇多うた源はじめ氏し）
家いえ祖そ	称しょう・宗形むなかた氏し章あきら; （宗像むねかた清きよし氏しの次男じなん）
種別しゅべつ	社家しゃけ; 武家ぶけ
出身しゅっしん地ち	筑前ちくぜん国こく宗像むなかた郡ぐん許斐このみ邑
主おもな根拠地こんきょち	筑前ちくぜん国こく宗像むなかた郡ぐん許斐このみ城じょう
	凡例はんれい / Category:日本にっぽんの氏族しぞく

許斐このみ氏し（このみし）は日本にっぽんの氏族しぞくのひとつ。

概要がいよう[編集へんしゅう]

許斐このみ（このみ）姓せいの読よみ方かたは、現代げんだい漢字かんじの解釈かいしゃくでいうと、音読おんどく外来がいらい語ごの読よみであり、姓せいの由来ゆらいに関かんしては諸説しょせつある。

祖そは人皇じんのう59代だい宇多天皇うだてんのうの皇子おうじ清きよし氏し親王しんのうである初代しょだい宗像むなかた大宮おおみや司つかさ清きよし氏しの次男じなん氏し章あきら、または第だい15代だい氏し平ひらめ、あるいは第だい24氏し俊しゅんの甥おい・氏し元もとと言いわれる^[3]。由来ゆらいは鎮国寺てら（福岡ふくおか県けん宗像むなかた市し）に安置あんちされる「許斐このみ権現ごんげん」(福岡ふくおか県けん指定してい文化財ぶんかざい）の彫像ちょうぞうであると考かんがえられ、同おなじく宗像むなかた市し大穂おおぶにある宗そう生なま寺てら(曹洞宗そうとうしゅう)は中世ちゅうせい許斐このみ家かの菩提寺ぼだいじで、許斐このみ城主じょうしゅ一族いちぞく及および小早川こばやかわ隆景たかかげの墓所はかしょ（遺髪いはつ塚づか）がある。

神社じんじゃ本庁ほんちょうや宗像むなかた大社たいしゃに納おさめられている社しゃの「許斐このみ」の氏し性せいの由来ゆらいについての一説いっせつに　宗像むなかた本家ほんけに「許ゆるし斐ざる(かざる)」と説とかれている^{[要よう出典しゅってん]}。これは、常つねに本家ほんけと供きょうにあることを希望きぼうした意志いしの形かたちではないかと項こうでは説とかれていた^{[要よう出典しゅってん]}。

その意いを継ついでなのか、許斐このみ氏しは戦国せんごく時代じだいまで宗像むなかた家かの第だい一いちの庶流、重臣じゅうしんとして活躍かつやくし、また宗像むなかた家かの後嗣こうしが絶たえた時ときには、宗像むなかた家かへ養子ようしを出だして大だい宮司ぐうじを継承けいしょうし宗像むなかた家かを存続そんぞくするという重要じゅうような役目やくめを担になっていた^{[要よう出典しゅってん]}。

歴史れきし[編集へんしゅう]

古ふるくは平たいら氏し政権せいけん全盛ぜんせいの頃ころ、主家しゅか宗像むなかた家かも平家ひらか武士たけし団だんに組くみし、許斐このみ家かも平重盛たいらのしげもりに仕つかえ水軍すいぐんを司つかさどる^[4]。

1551年ねん、宗像むねかた氏しの主家しゅかであった周防すおう国こくの守護しゅご大名だいみょう大内おおうち義隆よしたかが、家臣かしんの陶とう晴賢はるかたに討うち取とられると、宗像むなかた家かはそのまま陶とう晴賢はるかたの勢力せいりょく下かに入はいった。だが家中いえじゅうでは主君しゅくんであった大内おおうち家かが下克上げこくじょうにより陶すえ家かへ変かわったことで、不満ふまんを抱いだく者ものもあり、次第しだいに一門いちもん同士どうしでの争あらそいに発展はってんしていった。当時とうじ　許斐このみ本家ほんけの当主とうしゅ氏し任にんもその急先鋒きゅうせんぽうとして宗像むなかた本家ほんけに離反りはんし陰謀いんぼうを企くわだてるが、本家ほんけに事前じぜんに知しられることとなり、あえなく戦死せんしした。

天正てんしょう14年ねん（1586年ねん）、陶とう晴賢はるかたの後見こうけんで当主とうしゅとなった宗像むねかた氏し貞さだが病やまいのために亡なくなると、嗣子ししのいなかった宗像むなかた家かでは、その年とし豊臣とよとみ秀吉ひでよしが九州きゅうしゅうへ進攻しんこうしてくると、九州きゅうしゅう平定へいてい策さくとして秀吉ひでよしから宗像むなかた家か宗像むなかた才ざい鶴づる（当時とうじおよそ5万まん石せき）に一時いちじ所領しょりょうの安堵あんどをい渡いわたされたが、その後ご改易かいえきされ所領しょりょうは没収ぼっしゅうされた。

有史ゆうし以来いらい続つづいた宗像むねかた（許斐このみ）家かの歴史れきしはここに潰ついえることとなった。

その後ご、他たの許斐このみ一族いちぞくを含ふくむ宗像むなかた一門いちもんも離散りさんし、氏し任にんの子こ氏し備は戦国せんごく大名だいみょうの秋月あきづき氏し、同おなじ大内おおうち氏しを主家しゅかにした縁えんで筑後ちくご国こく上妻あがつま郡ぐん領主りょうしゅ（現げん・福岡ふくおか県けん八女やめ市し）の筑紫つくし広ひろ門もんに匿かくまわれた肥前ひぜん許斐このみ家かからは筑紫つくし家臣かしん団だんに入はいる者ものや、福岡ふくおか藩はん黒田くろだ家かに仕官しかんする者ものたちもいた^{[要よう出典しゅってん]}。