黒田くろだ氏し

黒田くろだ氏し
本姓ほんせい	橘たちばな氏し
種別しゅべつ	武家ぶけ; 華族かぞく（子爵ししゃく）
主おもな根拠地こんきょち	三河みかわ国こく八名やな郡ぐん黒田くろだ郷きょう; 上総かずさ国こく
	凡例はんれい / Category:日本にっぽんの氏族しぞく

黒田くろだ氏し; （称しょう・宇多うた源はじめ氏し佐々木ささき氏し流りゅう）
	黒田くろだ藤ふじ
本姓ほんせい	称しょう・宇多うた源はじめ氏し佐々木ささき氏し流りゅう; 藤原ふじわら氏し?／赤松あかまつ氏し（宇野うの氏し流ながれ小寺こでら氏し）?
種別しゅべつ	武家ぶけ; 華族かぞく（侯爵こうしゃく）
出身しゅっしん地ち	称しょう・近江おうみ国こく伊香いか郡ぐん黒田くろだ村むら; 播磨はりま国こく多可たか郡ぐん黒田庄くろだしょう?
主おもな根拠地こんきょち	称しょう・近江おうみ国こく伊香いか郡ぐん黒田くろだ村むら; 筑前ちくぜん国こく; 東京とうきょう市し赤坂あかさか区く福吉ふくよし町まち
著名ちょめいな人物じんぶつ	黒田くろだ孝高よしたか; 黒田くろだ長政ながまさ; 黒田くろだ継つぎ高だか; 黒田くろだ長ちょう溥
支流しりゅう、分家ぶんけ	秋月あきづき黒田くろだ家か(武家ぶけ・子爵ししゃく); 直方のうがた黒田くろだ家か(武家ぶけ・男爵だんしゃく); 黒田くろだ久ひさ孝こう家いえ(武家ぶけ・男爵だんしゃく)
	凡例はんれい / Category:日本にっぽんの氏族しぞく

黒田くろだ氏し（くろだし、旧きゅう字体じたい：黑田くろだ氏し）は、武家ぶけ・華族かぞくだった日本にっぽんの氏族しぞくのひとつ。

近世きんせい大名だいみょう家いえに福岡ふくおか藩はん主しゅ黒田くろだ氏しと久留里くるり藩はん主しゅ黒田くろだ氏しがあり、維新いしん後前うしろまえ者しゃは華族かぞくの侯爵こうしゃく家いえ、後者こうしゃは子爵ししゃく家いえに列れつした^[1]。

福岡ふくおか藩主はんしゅ家か→華族かぞく侯爵こうしゃく家かの黒田くろだ氏し

黒田くろだ氏しの起源きげん

近世きんせい、黒田くろだ孝高よしたか（官兵衛かんべえ・如水じょすい）・長政ながまさ父子ふしが筑前ちくぜん国こくに福岡ふくおか藩はんを立だて藩はんした黒田くろだ氏しは、その40年ねんほど後のちに作成さくせいされた『寛永かんえい諸家しょか系図けいず伝でん』によると、戦国せんごく時代じだい後期こうきに活動かつどうした播磨はりま国こくの国人くにびと領主りょうしゅ・黒田くろだ重隆しげたかまで遡さかのぼることができる。重隆しげたかは播磨はりまの有力ゆうりょく豪族ごうぞく・小寺こでら氏しに重臣じゅうしんとして仕つかえた武将ぶしょうであり、孝こう高だかの祖父そふにあたる^[3]。『寛永かんえい諸家しょか系図けいず伝でん』によると重隆しげたか以前いぜんは「此間中絶ちゅうぜつ」となっており伝承でんしょうされていなかったようであるが、それ以前いぜんの系譜けいふとして中世ちゅうせいの間あいだ、近江おうみ国こくに勢力せいりょくを持もった佐々木ささき氏し（京極きょうごく氏し）の分家ぶんけ筋すじである黒田くろだ氏しの流ながれであると紹介しょうかいしている。

『寛永かんえい諸家しょか系図けいず伝でん』のさらに60年ねんほど後ご、福岡ふくおか藩士はんし・貝原かいばら益軒えきけんによって編纂へんさんされた『黒田くろだ家か譜ふ』によると、黒田くろだ重隆しげたかの父ちちとして近江おうみ黒田くろだ氏し出身しゅっしん者しゃの高こう政まさし（黒田くろだ重隆しげたかの父ちちとされている）が新あらたに登場とうじょうし、高こう政せいの代だいに近江おうみを離はなれたとして近江おうみ黒田くろだ氏しが福岡ふくおか藩主はんしゅ黒田くろだ氏しと同族どうぞくであることの補ほ説せつとしている^[2]。

ただし、これらの近江おうみ黒田くろだ氏しを福岡ふくおか藩主はんしゅ黒田くろだ氏しに結むすびつけるこの説せつは近世きんせいから疑問ぎもん視しする向むきもあり^{[注釈ちゅうしゃく 1]}、また初出しょしゅつ史料しりょうが一般いっぱん的てきに偽書ぎしょとされる『江こう源はじめ武鑑ぶかん』にあるものという指摘してきもあり^{[要よう出典しゅってん]}^{[注釈ちゅうしゃく 2]}、歴史れきし学者がくしゃの諏訪すわ勝則かつのりによると、現在げんざいでは福岡ふくおか黒田くろだ氏しの起源きげんを近江おうみ源はじめ氏しに求もとめる従来じゅうらいの説せつは慎重しんちょうにならざるを得えないとしている^[5]。また黒田くろだ長政ながまさが日光にっこう東照宮とうしょうぐうに寄進きしんした石いしの鳥居とりいには、「黒田くろだ筑前ちくぜん守もり藤原ふじわら長政ながまさ」と名前なまえが掘ほり込こまれていることから、長政ながまさが本姓ほんせいを藤原ふじわら氏しとしていたことが分わかり、家紋かもんが藤原ふじわら氏しの使用しようする藤ふじの紋もんを取とり入いれた黒田くろだ藤ふじ巴ともみ紋もんであることも整合せいごう性せいがとれる。この藤ふじ巴ともみの紋もんは黒田くろだ家かが播磨はりま時代じだいに仕つかえた主家しゅか、小寺こでら家かが用もちいた藤ふじ橘たちばな巴ともえ紋もんを継承けいしょうしているともされる。江戸えど時代じだい、近世きんせい大名だいみょうとなった黒田くろだ家かは主おもに石いし餅もち（白しろ餅もち、黒くろ餅もち）紋もんを表おもて紋もんとしている。

近江おうみ黒田くろだ氏し説せつ

鎌倉かまくら時代ときよ末期まっき、京極きょうごく宗はじめ氏しの弟おとうととされる宗そう満みつるが近江おうみ国こく伊香いか郡ぐん黒田くろだ村むらに住すみ、黒田くろだ氏しを称しょうしたのが始はじまりといわれる。この黒田くろだ氏しは主おもに室町むろまち幕府ばくふ将軍しょうぐんの奉公ほうこう衆しゅとしての活動かつどうの記録きろくが残のこっており、黒田くろだ高だか政せいが近江おうみを離はなれたとされるよりも後ごの時代じだいである天文てんもん年間ねんかんまで存在そんざいが確認かくにんされるという。『黒田くろだ家か譜ふ』『寛永かんえい諸家しょか系図けいず伝でん』などによると、黒田くろだ家かはこの末裔まつえいとされるが、先述せんじゅつの通とおり疑問ぎもん視しする向むきも強つよい。

明石あかし黒田くろだ氏し説せつ

近年きんねん、明石あかし藩はん士し黒田くろだ家か文書ぶんしょ、『播磨はりま鑑あきら』には、黒田くろだ官兵衛かんべえ孝こう高だかは押部庄しょう黒田くろだ村むら (現げん神戸こうべ市し西にし区く平野町黒田ひらのちょうくろだ) の出身しゅっしんとする『本朝ほんちょう通どおり紀き』長井ながい定宗さだむね説せつが出でてきた。これは播磨はりま国こく明石あかし藩はん松平まつだいら家かの家老がろう職しょくは代々だいだい黒田くろだ家かであり、同姓どうせいである。がゆえに、古文書こもんじょ等とうの由緒ゆいしょ書しょに、黒田くろだ氏しの先祖せんぞは、播磨はりま国こく明石あかし郡ぐん黒田くろだ村むらの記述きじゅつがあるという。東ひがし播磨はりまの一大いちだい土豪どごうであった明石あかし氏しと黒田くろだ氏しは、お互たがいの家いえに嫡子ちゃくしが絶たえると養子ようしを譲ゆずりあいながら家系かけいを継ついできたという。

西脇にしわき黒田庄くろだしょう説せつ

江戸えど時代じだい末期まっきに兵庫ひょうご県けん西脇にしわき市しにある荘厳寺しょうごんじに奉納ほうのうされたという伝承でんしょうの『荘厳寺しょうごんじ本ほん黒田くろだ家か略りゃく系図けいず』によると、黒田くろだ氏しは播磨はりまの守護しゅご大名だいみょう・赤松あかまつ氏しの分流ぶんりゅうであり、赤松あかまつ則村のりむらの弟おとうとの円光えんこうの子こである黒田くろだ重光しげみつという人物じんぶつを祖そとする。重光しげみつは室町むろまち時代じだい初期しょきにこの地ちを治おさめたとされ、以後いご代だい々播磨はりま国こく多可たか郡ぐん黒田くろだ城じょう（西脇にしわき市し黒田庄くろだしょう町まちとされる）の城主じょうしゅとして黒田くろだ氏しは存続そんぞくし、8代目だいめ黒田くろだ城主じょうしゅが黒田くろだ重隆しげたかになるとしている。9代目だいめに黒田くろだ治おさむ隆たかしが存在そんざいし、孝こう高だか（同どう系図けいずによると孝こう隆たかし）は治ち隆たかしの弟おとうととなっている。なお、この黒田くろだ氏しは治ち隆たかしの代だいに合戦かっせんに敗やぶれ滅亡めつぼうしたとされている。

従来じゅうらい説せつと大おおきく違ちがうこの系図けいずは、黒田くろだ孝高よしたかの祖父そふとされている黒田くろだ重隆しげたかが、祖父そふではなく実父じっぷであるとしている。また、孝こう高だかの父ちちとされている黒田くろだ職しょく隆たかしは孝こう高だかの養父ようふとなっており、黒田くろだ氏しではなく小寺こでら氏しの人物じんぶつであるように記しるされている^{[注釈ちゅうしゃく 3]}。播磨はりま国こくに近江おうみ源はじめ氏し流りゅうとは違ちがう黒田くろだ氏しが当初とうしょより存在そんざいしていたという説せつの論拠ろんきょともなりうる系図けいずだが、江戸えど時代じだい末期まっきに作成さくせいされており歴史れきし的てき史実しじつと乖離かいりする記述きじゅつも多おおく散見さんけんされるため参考さんこう資料しりょうとする程度ていどである。

黒田くろだ氏しの歴史れきし

封建ほうけん時代じだい

黒田くろだ家かの正史せいし、『黒田くろだ家か譜ふ』によると、16世紀せいき初はじめ、近江おうみ源はじめ氏しの分流ぶんりゅう佐々木ささき氏し流りゅうである黒田くろだ高だか政せいは近江おうみを出奔しゅっぽんして、同おなじ近江おうみ源はじめ氏しの流ながれである越後えちご国こくの加地かじ氏しなどを頼たよって備前びぜん国こく邑久おく郡ぐん福岡ふくおかに移うつった。そして高こう政せいの子こ・重隆しげたかの時ときに播磨はりま国こくに移うつり、同国どうこくの有力ゆうりょく豪族ごうぞくである小寺こでら氏しに仕つかえた。近世きんせいになって成立せいりつした『夢幻むげん物語ものがたり』によると、重隆しげたかは家伝かでんの目薬めぐすりを製造せいぞう・販売はんばいし、やがて土豪どごうとして成長せいちょうしたとされる。元もとから播磨はりま地域ちいきの出身しゅっしんであり赤松あかまつ氏し一族いちぞくに仕つかえた説せつなど、数すう多おおくの説せつが近年きんねんの研究けんきゅうから唱となえられている。

黒田くろだ重隆しげたかの子こ職しょく隆たかしが赤松あかまつ氏しの一族いちぞくである播磨はりまの有力ゆうりょく豪族ごうぞく・小寺こでら氏しに仕つかえ、その養女ようじょを迎むかえて自みずからも小寺こでら氏しを称しょうした。職しょく隆たかしの子こ・孝こう高だかは織田おだ信長のぶながに従したがい、その重臣じゅうしんである羽柴はしば秀吉ひでよしの麾下きかに入はいった。その際さい、小寺こでら氏しが織田おだ氏しに敵対てきたいして衰退すいたいすると孝こう高だかは氏しを黒田くろだに復ふくしている。1587年ねん（天正てんしょう15年ねん）豊前ぶぜん国こく中津なかつ城じょう主しゅ12万まん石せきとなる。1600年ねんの関ヶ原せきがはらの戦たたかいで孝高よしたか・長政ながまさ父子ふしは徳川とくがわ方かたにつき、軍功ぐんこうにより筑前ちくぜん国こく52万まん3千せん余よ石せきを与あたえられ、福岡ふくおか藩はんを立だて藩はん。長政ながまさが初代しょだい藩主はんしゅになった。以後いご黒田くろだ氏しは代々だいだい福岡ふくおか藩主はんしゅとなり国替くにがえもなく幕末ばくまつに至いたる。二に代だい忠之ただゆき以降いこうは代々だいだい松平まつだいら筑前ちくぜん守もりの名なを与あたえられた。黒田くろだ家か宗家そうけは第だい6代目だいめ藩主はんしゅ継つぎ高だかの時とき、息子むすこ二に人にんが相次あいついで早世そうせいし後継こうけい問題もんだいに見舞みまわれた。当初とうしょは継つぎ高だかの長女ちょうじょ、藤子とうこが嫁とついだ岡山おかやま藩はん池田いけだ氏しから外孫そとまご・長ちょう泰やすし（後ごの相良さがら長ちょう寛ひろし）を養子ようしに迎むかえる予定よていだったが、幕府ばくふの要請ようせいにより治之はるゆきが一いち橋きょう徳川とくがわ家かから養子ようしに入はいった。その後ごも養子ようしが続つづき、多度津たどつ藩はん京極きょうごく氏し・薩摩さつま藩はん島津しまつ氏し・伊勢いせ津つ藩はん藤堂とうどう氏しから迎むかえている。養子ようしとする際さいは、正室せいしつを先代せんだい藩主はんしゅの息女そくじょや縁類えんるいの娘むすめとし、入婿いりむことした^[7]。

なお、黒田くろだ孝高よしたかは有岡ありおか城じょうの戦たたかいから救出きゅうしゅつされた後のちに有岡ありおか城しろの土牢つちろうで世話せわを受うけた、利り仁じん流りゅう加藤かとう氏しの支流しりゅう・伊丹いたみ氏しの一族いちぞくとされる加藤かとう重徳しげのりの次男じなんを養子ようしに迎むかえ、黒田くろだ姓せいを与あたえて黒田くろだ一成いっせいと名乗なのらせている。一成いっせいは関ヶ原せきがはらの戦たたかいで功績こうせきを残のこし、福岡ふくおか藩はん立りつ藩はん後ごには藩はん大老たいろうとなり三奈木みなぎ黒田くろだ家かを起おこし、明治めいじまで代々だいだい、藩主はんしゅに仕つかえた。このほか黒田くろだ姓せいを与あたえられた家いえには立花たちばな黒田くろだ家か（初代しょだいは薦野こもの増ぞう時じ）などがある。黒田くろだ家か家臣かしん団だんは俗ぞくに黒田くろだ二に十じゅう四よん騎き、黒田くろだ八はち虎とらとして知しられる。

なお、1623年ねん（元和がんわ9年ねん）、長政ながまさの三男さんなん長ちょう興きょうは筑前ちくぜん国こく秋月しゅうげつ藩はん5万まん石せき、四男よつお高こう政まさしは筑前ちくぜん国こく東ひがし蓮はちす寺てら藩はん（直方ちょくほう藩はん）4万まん石せきが分与ぶんよされて支ささえ藩はんとなっているが、後者こうしゃは本ほん藩はんの養子ようしになったために絶家ぜっけした。

明治めいじ以降いこう

明治めいじ2年ねん（1869年ねん）に福岡ふくおか藩はん知事ちじに就任しゅうにんした黒田くろだ長ちょう知ちは、明治めいじ4（1871年ねん）に贋札にせさつ事件じけんが発覚はっかくしたことにより廃藩置県はいはんちけんに先立さきだって藩はん知事ちじを罷免ひめんされている。福岡ふくおか藩はんは有栖川宮熾仁親王ありすがわのみやたるひとしんのうが最後さいごの藩はん知事ちじに就任しゅうにんして廃藩置県はいはんちけんによる解体かいたいを迎むかえた^[8]。なお黒田くろだ家かは明治めいじ2年ねん以来いらい華族かぞくに列れつしていたが、その地位ちいには影響えいきょうは及およばなかった。長成ちょうせいの代だいの明治めいじ17年ねん（1884年ねん）に華族かぞく令れい施行しこうで華族かぞくが五ご爵制になると、同年どうねん7月がつ7日にちに旧きゅう大藩たいはん知事ちじ^{[注釈ちゅうしゃく 4]}として侯爵こうしゃく家いえに列れっせられた^[9]。長成ちょうせいは貴族きぞく院いんにおいて副ふく議長ぎちょうを多年たねんにわたり務つとめた^[10]。その息子むすこ黒田くろだ長ちょう礼れいの代だいに黒田くろだ侯爵こうしゃく家かの住居じゅうきょは東京とうきょう市し赤坂あかさか区く福吉ふくよし町まちにあった^[10]。

また元もと秋月しゅうげつ藩主はんしゅ黒田くろだ家かは長ちょう徳いさおの代だいの明治めいじ17年ねん7月がつ8日にちに子爵ししゃくに叙じょされた^[11]。その跡あとを継ついだ黒田くろだ長ちょう敬たかし子爵ししゃくは宮みや内省ないせい官僚かんりょうとなった^[12]。昭和しょうわ前期ぜんきに秋月しゅうげつ黒田くろだ子爵ししゃく家かの住居じゅうきょは東京とうきょう市し赤坂あかさか区く福吉ふくよし町まちにあった^[12]。また分家ぶんけの黒田くろだ長和おさわが直方ちょくほう黒田くろだ家かの再興さいこうという形かたちで分家ぶんけし、明治めいじ29年ねん（1896年ねん）12月3日にち付づけで男爵だんしゃくに叙じょされている^[13]。長和ながわは長期ちょうきにわたって貴族きぞく院いんの男爵だんしゃく議員ぎいんに当選とうせんし続つづけた^[14]。昭和しょうわ前期ぜんきに直方ちょくほう黒田くろだ男爵だんしゃく家かの住居じゅうきょは東京とうきょう市し赤坂あかさか区く福吉ふくよし町まちにあった^[14]。一門いちもん家老がろう家かだった三奈木みなぎ黒田くろだ家かは一義いちぎの代だいの明治めいじ33年ねん（1900年ねん）5月がつ9日にちに男爵だんしゃくに列れっせられた^[15]。昭和しょうわ前期ぜんきの三奈木みなぎ黒田くろだ男爵だんしゃく家かの住居じゅうきょは福岡ふくおか県けん朝倉あさくら郡ぐん三奈木みなぎ村むらにあった^[16]。

系譜けいふ

凡例はんれい
1) 太字ふとじは宗家そうけ（福岡ふくおか藩主はんしゅ家か）当主とうしゅ、数字すうじは代だい。1=福岡ふくおか藩主はんしゅ、秋あき1=秋月あきづき藩主はんしゅ、東ひがし1=東ひがし蓮はちす寺てら藩主はんしゅ、直ちょく1=直方のうがた藩主はんしゅ、三さん1=三奈木みなぎ黒田くろだ家か当主とうしゅ
2) 実線じっせんは実子じっし、点線てんせん（縦たて）は養子ようし、点線てんせん（横よこ）は婚姻こんいん関係かんけい。
※ 構成こうせいの都合つごうで出生しゅっしょう順じゅんより組くみ替かえ。

（高こう政まさし）

小寺こでら政まさし職しょく

重隆しげたか

岩いわ姫ひめ^{[注ちゅう 1]}

職しょく隆たかし

松井まつい重孝しげたか

孝こう高だか(如水じょすい)

［福岡ふくおか藩はん］
長政ながまさ¹

栄さかえ姫ひめ

熊之助くまのすけ

［三奈木みなぎ黒田くろだ家か］
一成いっせい^三さん1

忠之ただゆき²

久ひさ姫ひめ

［秋月しゅうげつ藩はん］
長ちょう興きょう^秋あき1

［東ひがし蓮はちす寺てら藩はん］
高こう政まさし^{東ひがし1}

一任いちにん^三さん2

女子じょし

久野くの重しげる時とき^{[注ちゅう 2]}

光之みつゆき³

之これ勝しょう^{東ひがし2}

彦子^{[注ちゅう 3]}

勝子かつこ

一貫いっかん^三さん3

一任いちにん

筑姫^{[注ちゅう 4]}

綱つな之の

長ちょう寛ひろし^{東ひがし3}→綱つな政せい⁴

［直方ちょくほう藩はん］
長ちょう清きよし^{直ちょく1}

富喜ふき

長重ながしげ^秋あき2

一春かずはる^三さん4

鶴子つるこ

野村のむら祐ゆう春はる

一利いちり^三さん5

吉之よしゆき

守山もりやま政則まさのり→宣政のぶまさ⁵

長ちょう軌^秋あき3

長貞ながさだ

幸こう

継つぎ高だか⁶

長貞ながさだ^秋あき4

豊ゆたか姫ひめ^{[注ちゅう 5]}

一誠いっせい^三さん6

藤ふじ^{[注ちゅう 6]}

為ため^{[注ちゅう 7]}

友とも^{[注ちゅう 8]}

重政しげまさ

菊きく姫ひめ^{[注ちゅう 9]}

長ちょう経けい

徳川とくがわ宗尹むねただ

屋や世よ^{[注ちゅう 10]}

正せい姫ひめ

長ちょう邦くに^秋あき5

春はる姫ひめ

秋月あきづき種美かねとみ

徳川とくがわ治済はるさだ

治之はるゆき⁷

艶つや姫ひめ^{[注ちゅう 11]}

長ちょう恵めぐみ^秋あき6

此子^{[注ちゅう 12]}

秋月あきづき種たね茂しげる(種たね穎)

上杉うえすぎ治憲はるのり(鷹山ようざん)

京極きょうごく高幸たかゆき→治ち高だか⁸^{[注ちゅう 13]}

保ほ姫ひめ

島津しまつ重豪しげひで

長ちょう堅けん

一興いっきょう^三さん7

隆りゅう庸いさお(一いち庸いさお)^三さん8

長ちょう堅けん^秋あき7

女子じょし

清せい定じょう(一定いってい)^三さん9

斉ひとし隆たかし⁹

島津しまつ斉ひとし宣せん

長ちょう舒^秋あき8

采さい子こ

秋月あきづき種たね任にん

藤堂とうどう高だか嶷^{[注ちゅう 14]}

女子じょし^{[注ちゅう 15]}

溥整(一いち整せい)^三さん10^{[注ちゅう 16]}

女子じょし^{[注ちゅう 17]}

斉清なりきよ¹⁰

長ちょう韶^秋あき9

順じゅん

野村のむら東ひがし馬ば^{[注ちゅう 18]}

一雄かずお^三さん12^{[注ちゅう 19]}

千代子ちよこ

一美かずみ^三さん11

純じゅん姫ひめ

斉ひとし溥¹¹

島津しまつ久光ひさみつ

雪子ゆきこ

秋月あきづき種たね殷いん

秋月あきづき種たね樹じゅ^{[注ちゅう 20]}

藤堂とうどう高だか猷

慶けい賛さん¹²

豊子とよこ

島津しまつ忠義ただよし

慶子けいこ

長ちょう元はじめ^秋あき10

藤堂とうどう建たて若わか

長和ながわ

静男しずお

長成ちょうせい

清子きよこ

山内やまうち豊福とよふく

織田おだ信しん民みん

長義ながよし^秋あき11

長ちょう徳いさお^秋あき12

鏸子

一義いちぎ^三さん13

長義ながよし

長ちょう礼あや

長ちょう敬たかし

一弘かずひろ

稔みのる

高こう正ただし

長久ながひさ

光子こうし^{[注ちゅう 21]}

長栄ちょうえい

長ちょう美よし

一夫かずお

美治よしはる

洋子ようこ^{[注ちゅう 22]}

長明ちょうめい

長ちょう高だか

長ちょう幹みき^{[注ちゅう 23]}

一敬かずたか

系譜けいふ注釈ちゅうしゃく

^ 明石あかし正風まさかぜの娘むすめ。小寺こでら政まさし職しょく養女ようじょ
^ 久野くの重勝しげかつの子こ
^ 清光せいこう院いん。藤堂とうどう高だか通どおり室しつ
^ 長女ちょうじょ。宝たから厳いわお院いん。酒井さかい忠ただし挙きょ室しつ
^ 上杉うえすぎ綱つな憲けんの娘むすめ
^ 長女ちょうじょ。宝たから源はじめ院いん。池田いけだ宗そう政まさし室しつ。二人ふたりの間あいだに生うまれた相良さがら長ちょう寛ひろしの後のち、相良さがら頼よりゆき徳とく ━ 相良さがら頼よりゆき之これ ━ 池田いけだ章あきら政せい ━ 池田いけだ詮かい政せい ━ 池田いけだ博子ひろこ ━ 細川ほそかわ護貞もりさだ ━ 細川ほそかわ護まもる熙と続つづいている
^ 次女じじょ。心こころ珠たま院いん。酒井さかい忠温ただよし室しつ
^ 四よん女じょ。松平まつだいら定じょう邦くに室しつ
^ 眞ま含院。島津しまつ継つぎ豊ゆたかの娘むすめ。島津しまつ重豪しげひでは甥おい（継つぎ豊ゆたか ━ 重じゅう年とし ━ 重豪しげひで）
^ 早世そうせい
^ 保科ほしな正ただし率りつ室しつ。長政ながまさ継室けいしつ栄さかえ姫ひめの兄あにである保科ほしな正ただし貞さだの後のち、保科ほしな正ただし景けい ━ 保科ほしな正ただし賢けん ━ 保科ほしな正ただし寿ことぶき ━ 保科ほしな正富まさとみ ━ 保科ほしな正ただし率りつに至いたる
^ 山崎やまざき義よし俊しゅん室しつ
^ 治ち高だかの曽そ祖父そふである京極きょうごく高こう豊ゆたかの妻つま、市子いちこは、酒井さかい忠ただし挙きょと光之みつゆき娘むすめである筑姫の間あいの子こだが、治ち高だかと筑姫との間あいだに血縁けつえん関係かんけいはない
^ 藤堂とうどう高虎たかとらの異母弟いぼてい高こう清きよしの子孫しそん。長ちょう興きょうの娘むすめ、彦子との間あいだに血縁けつえん関係かんけいはない
^ 黒田くろだ一いち修おさむ室しつ
^ はじめ、加藤かとう徳いさお裕ひろしの養子ようしとなり、加藤かとう家か10代当主とうしゅ。加藤かとう司書ししょ徳成とくなりの義兄ぎけい（姉あねの夫おっと）。加藤かとう家かの祖そは、加藤かとう重徳しげのりの長男ちょうなん吉成よしなり
^ 黒田くろだ直ただし倫りん室しつ
^ 福岡ふくおか藩はん家老がろう。慶応けいおう4年ねん、乙おつ丑うしの獄ごくでの勤王きんのう派は弾圧だんあつの責任せきにんを負おい、切腹せっぷく
^ 第だい十じゅう七なな国立こくりつ銀行ぎんこう（後ごの福岡銀行ふくおかぎんこう）の設立せつりつに携たずさわる
^ 孫まご、英子えいこの夫おっとは武見たけみ太郎たろう
^ 夫おっとは山内やまうち豊秋とよあき。山内やまうち豊ゆたか策さく ━ 山内やまうち豊ゆたか資し ━ 山内やまうち豊ゆたか静せいと続つづき、豊ゆたか静せいの子こが豊秋とよあき
^ 夫おっとは板東ばんどう英二えいじ
^ 秋月あきづき黒田くろだ家か第だい15代だい当主とうしゅ。朝倉あさくら市し秋月あきづき博物館はくぶつかん名誉めいよ館長かんちょう^[17]

系譜けいふ出典しゅってん

維新いしん史料しりょう編纂へんさん会かい編へん『現代げんだい華族かぞく譜ふ要よう』日本にっぽん史籍しせき協会きょうかい、1929年ねん1月がつ15日にち、256-261頁ぺーじ。doi:10.11501/1879484。
『新しん訂てい寛政かんせい重じゅう修おさむ諸家しょか譜ふ　第だい七なな』続ぞく群ぐん書しょ類従るいじゅう完成かんせい会かい、1965年ねん1月がつ30日にち、200-218頁ぺーじ。
国史こくし大だい辞典じてん編集へんしゅう委員いいん会かい『国史こくし大だい辞典じてん　第だい４巻かん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1984年ねん2月がつ1日にち。ISBN 4-642-00504-8。
霞かすみ会館かいかん『平成へいせい新しん修おさむ旧きゅう華族かぞく家系かけい大成たいせい　上巻じょうかん』吉川弘文館よしかわこうぶんかん、1996年ねん、563-569頁ぺーじ。
林はやし洋ひろし海うみ『福岡ふくおか藩はん』現代書館げんだいしょかん〈シリーズ藩はん物語ものがたり〉、2015年ねん7月がつ15日にち。ISBN 978-4-7684-7137-1。
企画きかく展示てんじ | 市し美び×市し博はく　黒田くろだ資料しりょう名品めいひん展てんⅣ　藩主はんしゅ夫人ふじんが愛あいした文物ぶんぶつ - 福岡ふくおか市し博物館はくぶつかん
ふるさと人物じんぶつ誌し7　秋月しゅうげつ藩はん中興ちゅうこうの祖そ　「黒田くろだ　長ちょう舒」（くろだ　ながのぶ） - 福岡ふくおか県けん朝倉あさくら市し
旧きゅう三奈木みなぎ黒田くろだ家庭かてい園えんパンフレット (PDF) - 福岡ふくおか県けん朝倉あさくら市し

播磨はりま多可たか郡ぐんの黒田くろだ氏し

赤松あかまつ則村のりむらの家臣かしん黒田くろだ宗そう信しんが、知行ちぎょう地ちの播磨はりま国こく多可たか郡ぐん黒田庄くろだしょう（兵庫ひょうご県けん西脇にしわき市し黒田庄くろだしょう町まち黒田くろだ）に黒田くろだ城じょうを築きずき、黒田くろだ氏しを称しょうした。黒田くろだ宗はじめ政せいが討うち死じにして断絶だんぜつしたが、子この黒田くろだ治おさむ宗むねが播州ばんしゅうの山中さんちゅう村むらに隠かくれ住すみ、後のちに別所べっしょ則のり治ちに従したがって家いえを再興さいこうした。その三男さんなんの山中やまなか貞幸さだゆきは出雲いずも尼子あまこ氏しに仕つかえ、貞幸さだゆきの孫まごが山中やまなか幸みゆき盛もりである。山中やまなか幸みゆき盛もりの子こで鴻池こうのいけ財閥ざいばつの祖そとなる鴻池こうのいけ直文なおふみは、当初とうしょ播州ばんしゅうの黒田くろだ氏し本家ほんけの養子ようしとなっていたという。この黒田くろだ氏しは天正てんしょう6年ねん（1578年ねん）に羽柴はしば秀吉ひでよしによって滅ほろぼされたとされる。鴻池こうのいけ直文なおふみの子この一人ひとりは、黒田くろだ氏しを名乗なのっている。

なお、前述ぜんじゅつの福岡ふくおか藩主はんしゅ・黒田くろだ氏しの西脇にしわき黒田庄くろだしょう説せつの通とおり、黒田くろだ官兵衛かんべえとその子孫しそんがあまりにも有名ゆうめいなため、当とうの西脇にしわき市しでもこの黒田くろだ氏しは官兵衛かんべえの黒田くろだ氏しであるとの伝承でんしょうが地元じもとでも古ふるくからなされている^[18]。

下野しもの黒田くろだ氏し

佐々木ささき氏し流りゅうを称しょうする黒田くろだ氏しと同おなじく、京極きょうごく宗はじめ氏しの弟おとうととされる宗そう満みつるを祖そとする。永えい禄ろく3年ねん（1560年ねん）、近江おうみ国こくの戦国せんごく大名だいみょう六角ろっかく義治よしはるの推挙すいきょによって、黒田くろだ邦くに勝かちが宇都宮うつのみや広ひろ綱つなの家臣かしんとなっている。

系譜けいふ

凡例はんれい　太線ふとせんは実子じっし、細線さいせんは養子ようし。
宗そう満みつる
 ┃
定宗さだむね
 ｜
宗そう信しん
 ┃
高こう教きょう　
 ┃
高こう宗はじめ　　　　
 ｜
高信たかのぶ　　　　　　　　　　
 ┃
清高きよたか
 ｜
政光まさみつ
 ┃
光勝こうしょう　
 ┃
信勝のぶかつ　　　　
 ┃
勝秀かつひで　　　　　　　　　　
 ┃
勝好かつよし　
 ┃
勝幸かつゆき　　　　
 ┃
邦くに勝かち　　　　　　　　　　
 ┃
信勝のぶかつ　
 ┃
定勝さだかつ　　　　
 ┃

譜代ふだい大名だいみょう→華族かぞく子爵ししゃく家かの黒田くろだ氏し

三河みかわ国こく八名やな郡ぐん黒田くろだ郷きょう（現在げんざいの愛知あいち県けん新城しんじょう市し）に住じゅうし、今川いまがわ氏しに従したがっていた。光ひかり綱つなの代だいより徳川とくがわ家康いえやすに仕つかえ、子この黒田くろだ直ただし綱つなは大坂おおさかの陣じんなどで勲功くんこうを挙あげ4千せん石せきを知行ちぎょうしたが、二に十じゅう代だい半なかばで嗣子しし無なくして没ぼっしたため、紀州きしゅう藩士はんし近藤こんどう用よう勝かちの六ろく男なんの黒田くろだ用よう綱つなを養子ようしとして家名かめいを存続そんぞくさせた。

用よう綱つなは上野うえの館林たてばやし藩はん主あるじ徳川とくがわ綱吉つなよしの付づけ家老がろうとして配属はいぞくされ、3,000石せきを領りょうした用よう綱つなには実子じっしがいたが^{[注釈ちゅうしゃく 6]}、養子ようしとして外孫そとまごに当あたる直ちょく邦くに（中山なかやま照あきら守もりの曾孫そうそん）を迎むかえた。直ちょく邦くには儒学じゅがく者しゃの荻生おぎゅう徂徠そらいの弟子でしでもあり、のちには名君めいくんと呼よばれ、その人格じんかくも高たかく評価ひょうかされた。時ときの将軍しょうぐん綱吉つなよしにも気きに入いられ、綱吉つなよしの将軍しょうぐん就任しゅうにんに伴ともない舘たて林りん藩はんが幕府ばくふに再さい吸収きゅうしゅうされた際さい、用よう綱つなも身分みぶんは幕府ばくふ直ちょく臣しん旗本はたもととなり、小納戸こなんど役やくや小姓こしょうを務つとめ、1700年ねん（元禄げんろく13年ねん）1万まん石せきを拝領はいりょうして黒田くろだ家かは大名だいみょうに列れつした。その後ごも奏者そうしゃ番ばんと寺社じしゃ奉行ぶぎょうを兼任けんにんするなどし、1703年ねん（元禄げんろく16年ねん）常陸ひたち下館しもだて藩はん主しゅ1万まん5,000石せきとなり、次ついで上野うえの国こく沼田ぬまた藩はん主しゅ2万まん5,000石せき、さらに加増かぞうを受うけて3万まん石せきの領主りょうしゅとなった。

1742年ねん（寛ひろし保ほ2年ねん）、直ちょく邦くにの養子ようしの直純なおずみの時とき、上総かずさ久留里くるり藩はん3万まん石せきに転てん封ふうとなった。黒田くろだ家かは藩はん財政ざいせいには苦くるしみながらも、以降いこう久留里くるり藩主はんしゅとして明治めいじまで存続そんぞくした。

明治維新めいじいしん後ご、黒田くろだ家かは華族かぞくに列れっし、和志かずしの代だいの明治めいじ17年ねん（1884年ねん）の華族かぞく令れい施行しこうで華族かぞくが五ご爵制になると旧きゅう小しょう藩はん知事ちじ^{[注釈ちゅうしゃく 7]}として、7月がつ8日にちに子爵ししゃくに列れっせられた^[20]。和志かずしは貴族きぞく院いんの子爵ししゃく議員ぎいんに当選とうせんして務つとめた。その孫まごの3代だい子爵ししゃく経けい志こころざしの代だいの昭和しょうわ前期ぜんきに同どう子爵ししゃく家かの住居じゅうきょは東京とうきょう市し目黒めぐろ区く下目黒しもめぐろにあった^[21]。

系譜けいふ

太線ふとせんは実子じっし、細線さいせんは養子ようし。

中山なかやま直ただし張ちょう
　 ┃
　直ちょく邦くに
　 ┝━━━┓
　直純なおずみ　　直ちょく亨とおる
　　　　　 ┣━━━┓
　　　　　直ちょく英えい　　直方のうがた
　　　　　 ┃　　　┝━━━┳━━━┓
　　　　　直ちょく温あつし　　直じき侯こう　　直ちょく静せい　　直ちょく古いにしえ
　　　　　　　　　 ┃　　　　　　　┃
　　　　　　　　　直和なおかず　　　　　　直ちょく養やしなえ

常陸ひたち国こくの黒田くろだ氏し

常陸ひたち国こくにも黒田くろだ氏しがある。多賀たが郡ぐん黒田くろだ邑より起おこっている。『梶原かじはら冬ふゆ庵あん伝でん』に黒田くろだ八はち太夫たゆう、同どう八兵衛はちべえ、八はち之の丞すすむがいる^[22]。

その他た

丸亀まるがめ藩はん京極きょうごく家か家老がろうに黒田くろだ氏し（京極きょうごく家か分家ぶんけ）がある。
戦国せんごく時代じだいの越後えちご上杉うえすぎ氏しの家臣かしんの黒田くろだ氏しがいる。黒田くろだ秀忠ひでただの代だいに主おも・長尾ながお晴はる景けいに対たいして謀反むほんを起おこしたために越後えちご守護しゅご・上杉うえすぎ定実さだざねの命いのちを受うけた晴はれ景けいの弟おとうとの長尾ながお景虎かげとら（のちの上杉うえすぎ謙信けんしん）によって滅ほろぼされた。
薩摩さつま藩はん島津しまつ氏し家臣かしんの家系かけい。首相しゅしょうを務つとめた黒田くろだ清隆きよたか（同家どうけについては「黒田くろだ家か (伯爵はくしゃく家か)」参照さんしょう）、ほかに黒田くろだ清きよし綱つなや画家がかの黒田くろだ清輝きよてるがいる。
皇族こうぞくであった黒田くろだ清子きよこが嫁とついだ黒田くろだ慶けい樹じゅやその祖父そふ黒田くろだ慶太郎けいたろうは、大阪おおさか府ふ堺さかい市しに由来ゆらいする平民へいみん実業じつぎょう家かの家系かけいである。

脚注きゃくちゅう

[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

^ 『黒田くろだ家か譜ふ』のさらに後のちに作成さくせいされた『寛政かんせい重じゅう修おさむ諸家しょか譜ふ』では「代数だいすうなをいまだ足たらざるに似にたり。よりてしばらく旧きゅうきに従したがう」としてあえて系図けいずを『寛永かんえい諸家しょか系図けいず伝でん』のまま掲載けいさいしている^[4]。
^ 『江こう源はじめ武鑑ぶかん』はその名なの通とおり近江おうみ源はじめ氏しについての俗説ぞくせつを多おおく収録しゅうろくしており、黒田くろだ高だか政せいもこの史料しりょうが初はつ見みであるという。
^ なお、職しょく隆たかしが黒田くろだ氏しと署名しょめいしている史料しりょうは存在そんざいし、(兵庫ひょうご県けん史し編集へんしゅう専門せんもん委員いいん会かい 1987)に掲載けいさいされている^[6]。
^ 旧きゅう福岡ふくおか藩はんは現げん米こめ23万まん4250石せきで現げん米こめ15万まん石せき以上いじょうの大藩たいはんに該当がいとう^[9]。
^ 黒田くろだ直ただし邦くにの実家じっかである中山なかやま氏しは武蔵むさし七なな党とう丹に党とう中山なかやま氏し流りゅう。
^ 黒田くろだ用よう綱つなの実子じっしの一人ひとりが、同僚どうりょうの牧野まきの成しげる貞さだの養子ようしに入はいり牧野まきの成しげる時ときとなっているが、若わかくして死去しきょしている。
^ 旧きゅう久留里くるり藩はんは現げん米こめ1万まん1126石せき（表高おもてだか3万まん石せき）で現げん米こめ5万まん石せき未満みまんの小しょう藩はんに該当がいとう^[19]。

出典しゅってん

^ 小田部おたべ雄次ゆうじ 2006, p. 323/331.
^ ^a ^b 太田おおた 1934, p. 2224.
^ 太田おおた 1934, p. 2225.
^ 堀田ほった 1923, pp. 200–201.
^ 諏訪すわ 2013, p. ^{[要ようページ番号ばんごう]}.
^ 兵庫ひょうご県けん史し編集へんしゅう専門せんもん委員いいん会かい 1987, p. ^{[要ようページ番号ばんごう]}.
^ 村川むらかわ 2000, p. 206.
^ 日本にっぽん大だい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)藩はん名めい・旧きゅう国名こくめいがわかる事典じてん『福岡ふくおか藩はん』 - コトバンク
^ ^a ^b 浅見あさみ雅男まさお 1994, p. 109.
^ ^a ^b 華族かぞく大鑑たいかん刊行かんこう会かい 1990, p. 51.
^ 小田部おたべ雄次ゆうじ 2006, p. 326.
^ ^a ^b 華族かぞく大鑑たいかん刊行かんこう会かい 1990, p. 225.
^ 小田部おたべ雄次ゆうじ 2006, p. 350.
^ ^a ^b 華族かぞく大鑑たいかん刊行かんこう会かい 1990, p. 474.
^ 小田部おたべ雄次ゆうじ 2006, p. 352.
^ 華族かぞく大鑑たいかん刊行かんこう会かい 1990, p. 607.
^ “秋月あきづき黒田くろだ家か当主とうしゅが名誉めいよ館長かんちょう就任しゅうにん　朝倉あさくら市しの秋月しゅうげつ博物館はくぶつかん”. 西日本にしにほん新聞しんぶん. 2022年ねん2月がつ12日にち閲覧えつらん。
^ 黒田くろだ官兵衛かんべえゆかりの里さと・西脇にしわき／西脇にしわき市しホームページ
^ 浅見あさみ雅男まさお 1994, p. 152.
^ 小田部おたべ雄次ゆうじ 2006, p. 331.
^ 華族かぞく大鑑たいかん刊行かんこう会かい 1990, p. 396.
^ 太田おおた 1934, p. 2228.

参考さんこう文献ぶんけん

浅見あさみ雅男まさお『華族かぞく誕生たんじょう名誉めいよと体面たいめんの明治めいじ』リブロポート、1994年ねん。
小田部おたべ雄次ゆうじ『華族かぞく近代きんだい日本にっぽん貴族きぞくの虚像きょぞうと実像じつぞう』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ〈中公新書ちゅうこうしんしょ1836〉、2006年ねん（平成へいせい18年ねん）。ISBN 978-4121018366。
太田おおた亮あきら「国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション黒田くろだ　クロタ　クルタ」『姓氏せいし家系かけい大だい辞典じてん』第だい2、上田うえだ萬年かずとし、三上みかみ参さん次じ監修かんしゅう、姓氏せいし家系かけい大だい辞典じてん刊行かんこう会かい、1934年ねん、2223-2229頁ぺーじ。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:47004572。
諏訪すわ勝則かつのり『黒田くろだ官兵衛かんべえ : 「天下てんかを狙ねらった軍師ぐんし」の実像じつぞう』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ〈中公新書ちゅうこうしんしょ 2241〉、2013年ねん11月。ISBN 9784121022417。
華族かぞく大鑑たいかん刊行かんこう会かい『華族かぞく大鑑たいかん』日本にっぽん図書としょセンター〈日本人にっぽんじん物ぶつ誌し叢書そうしょ7〉、1990年ねん（平成へいせい2年ねん）。ISBN 978-4820540342。
“黒田くろだ官兵衛かんべえゆかりの里さと・西脇にしわき／西脇にしわき市しホームページ”. 西脇にしわき市しホームページ. 西脇にしわき市し. 2017年ねん5月がつ25日にち閲覧えつらん。
兵庫ひょうご県けん史し編集へんしゅう専門せんもん委員いいん会かい編へん『兵庫ひょうご県けん史し』史料しりょう編へん中世ちゅうせい 2、兵庫ひょうご県けん、1987年ねん3月がつ。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:87035291。
堀田ほった正ただし敦あつし編へん『国立こくりつ国会図書館こっかいとしょかんデジタルコレクション寛政かんせい重じゅう脩おさむ諸家しょか譜ふ』第だい3輯、國民こくみん圖書としょ、1923年ねん2月がつ。全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:21329093。
村川むらかわ浩平こうへい『日本にっぽん近世きんせい武家ぶけ政権せいけん論ろん』日本にっぽん図書としょ刊行かんこう会かい、近代きんだい文芸ぶんげい社しゃ、2000年ねん6月がつ。ISBN 4823105281。

福岡ふくおか藩主はんしゅ家か→華族かぞく侯爵こうしゃく家かの黒田くろだ氏し

黒田くろだ氏しの起源きげん

近江おうみ黒田くろだ氏し説せつ

明石あかし黒田くろだ氏し説せつ

西脇にしわき黒田庄くろだしょう説せつ

黒田くろだ氏しの歴史れきし

封建ほうけん時代じだい

明治めいじ以降いこう

系譜けいふ

播磨はりま多可たか郡ぐんの黒田くろだ氏し

下野しもの黒田くろだ氏し

系譜けいふ

譜代ふだい大名だいみょう→華族かぞく子爵ししゃく家かの黒田くろだ氏し

系譜けいふ

常陸ひたち国こくの黒田くろだ氏し

その他た

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

出典しゅってん

参考さんこう文献ぶんけん

関連かんれん項目こうもく