試験しけん艦かん

試験しけん艦かん（しけんかん、英えい: Experimental Ship）とは、軍艦ぐんかんの種類しゅるいの一種いっしゅである。

概要がいよう

艦艇かんていに新あらたな技術ぎじゅつを取とり入いれる過程かていで、実際じっさいの艦艇かんていに試験しけん的てきに設備せつびを搭載とうさいし、洋上ようじょうで実証じっしょうすることがある。運用うんよう中ちゅうの艦艇かんていに搭載とうさいして試験しけんを行おこなうこともあるが、通常つうじょうの運用うんようと並行へいこうしての試験しけんは制約せいやくが厳きびしく、開発かいはつスケジュールの調整ちょうせいに手間てまがかかったり、大だい規模きぼな改装かいそうが必要ひつようだったりする。そこで、新しん技術ぎじゅつの試験しけんのための専用せんようの艦かんが試験しけん艦かんである。

そのため、同型どうけい艦かんが存在そんざいする場合ばあいは少すくない。新規しんきに建造けんぞうされることもあるが、既存きそんの艦艇かんていを改装かいそうし、艦かん種しゅを変更へんこうして運用うんようすることもある。

世界せかいの試験しけん艦かん

アメリカ

グローバー

• スピュトン・ダイビル - アメリカ連合れんごう国こく海軍かいぐんが建造けんぞうした魚雷ぎょらい艇てい。スクリュープロペラ推進すいしんの試験しけんに建造けんぞうされた。
• グローバー - 建造けんぞう時じにダクテッドプロペラを搭載とうさいし、実証じっしょう試験しけんに用もちいられた。
• ディケーター - 退役たいえき後ご、自衛じえいテスト艦かん (Self Defense Test Ship, SDTS)として運用うんようされた。
• ノートン・サウンド - ミサイル実験じっけん艦かんとしてテリアミサイルやターターの発射はっしゃ試験しけん、ヴァイキングの発射はっしゃ母艦ぼかん、タイフォン・システム、イージスシステムの試験しけんを行おこなった。
• シー・シャドウ - ステルス性せいの実証じっしょう用ように建造けんぞうされた。
• ジョイントベンチャー - アメリカ陸軍りくぐんが高速こうそく輸送ゆそう艦かんとして試験しけん的てきに運用うんようした。退役たいえき後ご、民間みんかんの高速こうそくフェリーとして運用うんよう中ちゅう。

イギリス

• SS アルキメデス - アルキメディアン・スクリューを用もちいた推進すいしんの試験しけんに建造けんぞうされた。
• ドワーフ - スクリュープロペラ推進すいしんの試験しけんに建造けんぞうされた。
• スリンジャー - カタパルトの実験じっけんのために建造けんぞうされた。1917年ねんに竣工しゅんこうし、カタパルトの試験しけん終了しゅうりょう後ごの1919年ねんに貨物かもつ船せんとして売却ばいきゃくされた。
• エクスマス - 14型がたフリゲートの1隻せき。1966年ねんから1968年ねんまで、ガスタービンエンジンを搭載とうさいしたCOGOG推進すいしんの試験しけんに用もちいられた。
• パトリック・ブラケット

スウェーデン

• Smyge - ステルス性せいの実証じっしょう用ように建造けんぞうされた。2014年ねん以降いこうは練習れんしゅう艦かんとして運用うんよう中ちゅう。

ソビエト連邦れんぽう

• ジェルジンスキー - スヴェルドロフ級きゅう巡洋艦じゅんようかんの1隻せき。就役しゅうえき後ごにS-75（SA-2）地ち対空たいくうミサイルの艦載かんさい型がたであるS-75M（SA-2C）を搭載とうさいし、防空ぼうくう艦かんとしての機能きのうを試験しけんされた。
• モスクワ - モスクワ級きゅうヘリコプター巡洋艦じゅんようかんの1隻せき。就役しゅうえき後ご、飛行ひこう甲板かんぱんに耐たい熱ねつ加工かこうを施ほどこされ、Yak-36M（量産りょうさん機きはYak-38と改称かいしょう）による垂直すいちょく離着陸りちゃくりく機き（VTOL機き）の着ちゃく艦かん試験しけんが行おこなわれた。

日本にっぽん

試験しけん艦かんあすか

• くりはま - 海上かいじょう自衛隊じえいたい初はつの試験しけん専用せんようの艦艇かんてい。退役たいえき済ずみ。
• あすか