近藤こんどう壌太郎ろう

近藤こんどう壌太郎ろう

近藤こんどう 壌太郎ろう（こんどう じょうたろう、1894年ねん11月13日にち - 1977年ねん8月がつ15日にち）は、日本にっぽんの内務ないむ官僚かんりょう、弁護士べんごし。官選かんせん県知事けんちじ。

経歴けいれき

長野ながの県けん埴科はにしな郡ぐん屋代やしろ町まち（現げん：千せん曲きょく市し屋代やしろ）において、農業のうぎょう・旅館りょかん業ぎょう、近藤こんどう万まん五ご郎ろう・たか夫妻ふさいの長男ちょうなんとして生うまれる。4歳さいで母ははと死別しべつ。県立けんりつ長野ながの中学校ちゅうがっこう、第だい二に高等こうとう学校がっこうを経へて、1920年ねん7月がつ、東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法学部ほうがくぶ法律ほうりつ学科がっかを卒業そつぎょう。1919年ねん10月、高等こうとう試験しけん行政ぎょうせい科か試験しけんに合格ごうかく。1920年ねん8月がつ、内務省ないむしょうに入はいり鳥取とっとり県けん属ぞくとなり内務ないむ部ぶに配属はいぞく。以後いご、鳥取とっとり県けん警視けいし・警察けいさつ部ぶ勤務きんむ、奈良なら県けん警察けいさつ部ぶ保安ほあん課長かちょう、青森あおもり県けん警察けいさつ部ぶ保安ほあん課長かちょう、北海道庁ほっかいどうちょう土木どぼく部ぶ土地とち改良かいりょう課長かちょうを歴任れきにん。北海道庁ほっかいどうちょう在任ざいにん中ちゅうの1927年ねん6月がつ、文官ぶんかん分限ぶげん令れい第だい11条じょう第だい1項こう第だい4号ごうにより休職きゅうしょくを命めいぜられ帰郷ききょうした（逸話いつわを参照さんしょう）。

1928年ねん2月がつ、埼玉さいたま県けん内務ないむ部ぶ農務のうむ課長かちょう兼けん庶務しょむ課長かちょうとして復帰ふっき。以後いご、宮城みやぎ県けん庶務しょむ課長かちょう、岡山おかやま県けん学務がくむ部長ぶちょう、群馬ぐんま県けん書記官しょきかん・警察けいさつ部ぶ長ちょう、香川かがわ県けん書記官しょきかん・警察けいさつ部ぶ長ちょう、高知こうち県けん書記官しょきかん・警察けいさつ部ぶ長ちょうなどを歴任れきにん。1933年ねん4月がつ、内務省ないむしょう警保局きょく事務じむ官かんに発令はつれいされ、満州まんしゅう国こくハルビンに駐在ちゅうざい。さらに関東かんとう庁ちょう事務じむ官かんを兼務けんむした。

1935年ねん6月がつ、帰国きこくし内務省ないむしょう社会しゃかい局きょく職業しょくぎょう課長かちょうに就任しゅうにん。以後いご、兼けん内務省ないむしょう臨時りんじ軍事ぐんじ援護えんご部ぶ労務ろうむ調整ちょうせい課長かちょう、大阪おおさか府ふ経済けいざい部長ぶちょう、北海道庁ほっかいどうちょう土木どぼく部長ぶちょうを歴任れきにん。1940年ねん4月がつ、滋賀しが県けん知事ちじに任命にんめいされ、1942年ねん1月がつ、神奈川かながわ県けん知事ちじに転てんじた。1944年ねんには、都市としの児童じどう約やく4万まん人にんを県内けんないの郡部ぐんぶなどへ疎開そかいさせた。同年どうねん8月がつ1日にち、知事ちじを依願いがん免めん本官ほんかんとなり退官たいかんした。戦後せんごに公職こうしょく追放ついほうとなった。

1948年ねん3月、東京とうきょう弁護士べんごし会かいに弁護士べんごし登録とうろくを行おこなう。1951年ねん6月がつに追放ついほう解除かいじょとなった。1977年ねん8月がつ15日にち死去しきょ。享年きょうねん82。

逸話いつわ

• 1927年ねん6月がつに休職きゅうしょくが命めいぜられたが、次つぎのような事情じじょうがあった。奈良なら県けん警察けいさつ部ぶ保安ほあん課長かちょう時代じだいの1924年ねん、第だい15回かい衆議院しゅうぎいん議員ぎいん総そう選挙せんきょにおいて、故郷こきょうの長野ながの県けん第だい5区くで立憲りっけん政友せいゆう会かいから出馬しゅつばした春日かすが俊文としふみ（のちに五ご私鉄してつ疑獄ぎごく事件じけんで検挙けんきょされ有罪ゆうざい）に対たいして、その政治せいじ姿勢しせいを批判ひはんし再選さいせんを阻止そしするための檄文げきぶんを地元じもとに配布はいふし、春日しゅんじつは落選らくせんした。そのため、次つぎの第だい16回かい総そう選挙せんきょで再選さいせんを目指めざした春日しゅんじつは、田中たなか義一ぎいち内閣ないかくの与党よとうである立憲りっけん政友せいゆう会かいを動うごかし、選挙せんきょで妨害ぼうがいされないように近藤こんどうを休職きゅうしょくにするよう圧力あつりょくをかけたのである。近藤こんどうは休職きゅうしょく処分しょぶんとなった理由りゆうを、上司じょうしである沢田さわだ牛ぎゅう麿まろ北海道庁ほっかいどうちょう長官ちょうかんに確たしかめ、それに納得なっとくして郷里きょうりに帰かえり、かえって激はげしく春日しゅんじつの再選さいせん阻止そしの運動うんどうを行おこない、またも春日しゅんじつは落選らくせんとなった。

栄典えいてん

勲章くんしょう

• 1940年ねん（昭和しょうわ15年ねん）8月がつ15日にち - 紀元きげん二に千せん六ろく百ひゃく年ねん祝典しゅくてん記念きねん章あきら
• 1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）1月がつ14日にち - 勲くん三さん等とう瑞宝章ずいほうしょう

外国がいこく勲章くんしょう佩用はいよう允許いんきょ

• 1943年ねん（昭和しょうわ18年ねん）9月11日にち - ドイツ国こく：ドイツ鷲わし勲章くんしょう功労こうろう十じゅう字じ星章せいしょう

参考さんこう文献ぶんけん

• 近藤こんどう壌太郎ろう追想ついそう集しゅう編集へんしゅう委員いいん会かい編へん『追想ついそう近藤こんどう壌太郎ろう』近藤こんどう壌太郎ろう追想ついそう集しゅう編集へんしゅう委員いいん会かい、1980年ねん。
• 『日本にっぽんの歴代れきだい知事ちじ 第だい1巻かん』歴代れきだい知事ちじ編纂へんさん会かい、1980年ねん。
• 秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん官僚かんりょう制せい総合そうごう事典じてん：1868 - 2000』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2001年ねん。