鈴木すずき歌子うたこ

すずき うたこ 鈴木すずき 歌子うたこ
本名ほんみょう	同おなじ
生年月日せいねんがっぴ	(1880-01-30) 1880年ねん1月がつ30日にち
没ぼつ年月日ねんがっぴ	不ふ詳しょう年ねん
出生しゅっしょう地ち	日本にっぽん 東京とうきょう市し神田かんだ区く（現在げんざいの東京とうきょう都と千代田ちよだ区く神田かんだ）
職業しょくぎょう	女優じょゆう
ジャンル	新派しんぱ、劇映画げきえいが（時代じだい劇げき・現代げんだい劇げき、サイレント映画えいが・トーキー）
活動かつどう期間きかん	1907年ねん - 1938年ねん
配偶はいぐう者しゃ	水島みずしま亮あきら太郎たろう
主おもな作品さくひん
『嵐あらしまたは春はるがすみ』 『悪魔あくまの崖がけ』

鈴木すずき 歌子うたこ（すずき うたこ、1880年ねん1月がつ30日にち - 没年ぼつねん不ふ詳しょう）は、日本にっぽんの女優じょゆう。本名ほんみょう同おなじ。作品さくひんのほとんどが母親ははおや役やくであり、戦前せんぜんの日本にっぽん映画えいがを代表だいひょうする貴重きちょうな脇役わきやくとして活躍かつやくした。夫おっとは同おなじく俳優はいゆうの水島みずしま亮あきら太郎たろう。

来歴らいれき・人物じんぶつ

1880年ねん1月がつ30日にち、東京とうきょう市し神田かんだ区く（現在げんざいの東京とうきょう都と千代田ちよだ区く神田かんだ）に生うまれる。神田かんだ小学校しょうがっこう（現在げんざいの千代田ちよだ区立くりつ千代田ちよだ小学校しょうがっこう）卒業そつぎょう。

1907年ねん、27歳さいの時ときに川上かわかみ音二郎おとじろう一座いちざに入はいり、後のちに大正たいしょう初期しょきの連鎖れんさ劇げき流行りゅうこう時代じだいに浅草あさくさ・御国みくに座ざの天然色てんねんしょく活動かつどう写真しゃしんの連鎖れんさ劇げきに出演しゅつえん。実際じっさい、1915年ねん1月がつに放映ほうえいされた『嵐あらしまたは春はるがすみ』で柴田しばた善太郎ぜんたろうや中野なかの信しん近ちか、二葉ふたばかほるらと共演きょうえんしたという記録きろくが残のこっている。

1920年ねん、映画えいが製作せいさくに乗のり出だした松竹しょうちくキネマ合名ごうめい会社かいしゃへ蒲田かまた撮影さつえい所しょの開設かいせつに伴ともない、諸口しょくち十じゅう九きゅう、岩田いわた祐吉ゆうきち、勝見かつみ庸太郎ようたろう、関根せきね達いたる発はつ、三村みつむら千代子ちよこ、瀬川せかわつる子こらと前後ぜんごして入社にゅうしゃ、初期しょきの作品さくひんに大おおきく貢献こうけんする。先まず1921年ねん、賀古かこ残夢ざんむ監督かんとく映画えいが『悪魔あくまの崖がけ』で三村みつむら、岩田いわた、勝見かつみらと共演きょうえんするが、鈴木すずきは既すでに40歳さいを過すぎており、中年ちゅうねんの夫人ふじんや母親ははおやを役やくどころとする。さらに野村のむら芳かおる亭てい監督かんとく映画えいが『海うみの呼声よびごえ』では、主演しゅえん・井上いのうえ正夫まさおの妻つまで酒井さかい米子よねこの母はは役やくで共演きょうえんしている。

1922年ねん12月、日活にっかつ向島むこうじま撮影さつえい所しょから衣ころも笠りゅう貞之助ていのすけら幹部かんぶ俳優はいゆう13人にんが国際こくさい活かつ映うつに引ひき抜ぬかれて脱退だったいした際さい、酒井さかい、南みなみ光明こうめいらと共ともに迎むかえられて日活にっかつ向島むこうじまへ転てんじ、1923年ねんの若山わかやま治おさむ監督かんとく映画えいが『若草わかくさの歌うた』に出演しゅつえんして以来いらい、『慈善じぜん小屋こや』『愛欲あいよくの悩なやみ』『能狂言のうきょうげんの夜よる』『人間にんげん苦く』『肉にくの栄光えいこう』『大地だいちが揺ゆるぐ』『廃墟はいきょの中なか』など、かつて一座いちざで指導しどうを受うけ、今いまは日活にっかつの大だい幹部かんぶ・山本やまもと嘉一きいちと息いきの合あった夫婦ふうふ役やくを演えんじたりして、この年としだけで20本ほん以上いじょうの作品さくひんに出演しゅつえんした。しかし、同年どうねん9月に起おこった関東大震災かんとうだいしんさいによる日活にっかつ現代げんだい劇げき部ぶの京都きょうと移転いてんで大将軍だいしょうぐん撮影さつえい所しょに移うつり、ここでも多数たすうの作品さくひんに出演しゅつえん。中なかでも為永ためなが春水しゅんすいの作品さくひん『春色しゅんしょく梅暦うめごよみ』を現代げんだい化かした1924年ねんの細山ほそやま喜代松きよまつ監督かんとく映画えいが『柳やなぎ芽めぐむ頃ころ』では、栄さかえ屋やの芸者げいしゃ・米べい八はちに扮ふんして三桝みます豊ゆたか演えんじる円次郎えんじろうをなかにして、酒井さかい演えんじる仇名あだな屋やの芸者げいしゃ・仇かたき吉きちと猛烈もうれつな恋こいの達いたる引びきを見みせて艶つやと意地いじを競きそい、何時いつもは堅かたい夫人ふじんや地味じみな母親ははおや役やくを演えんじている鈴木すずきだが、こんな高齢こうれいで有ありながら濃こ艶つやな芸者げいしゃも出来できるのかと、そのベテラン女優じょゆうぶりを観客かんきゃくに改あらためて深ふかく印象いんしょう付つけた。

1924年ねん10月、帝国ていこくキネマのスター引ひき抜ぬきに応おうじて転てん社しゃ。芦屋あしや撮影さつえい所しょで細山ほそやま監督かんとく映画えいが『迷夢めいむ』などで、同時どうじに日活にっかつから入社にゅうしゃした葛木かつらぎ香が一いち、水島みずしま亮太りょうた郎ろうと共演きょうえんしたが、1925年ねん1月がつ、帝国ていこくキネマ三さん分裂ぶんれつで東邦とうほう映画えいがに移籍いせきしたものの、間まも無なく解散かいさん。同年どうねん末まつ、古巣ふるすの松竹しょうちく蒲田かまたに復帰ふっき。1926年ねんの蔦つた見み丈夫じょうぶ監督かんとく映画えいが『仇かたきし仇浪あだなみ』で岩田いわた、川田かわた芳子よしこと共演きょうえんして以来いらい、相変あいかわらず母親ははおや役やくや老女ろうじょ役やくを演えんじる。また、鈴木すずき傳でん明あきら、栗島くりしますみ子こ、田中たなか絹代きぬよら松竹しょうちくスター陣じんの母親ははおやに扮ふんし、「松竹しょうちくの母はは」と言いって良よいほど母親ははおや役やくで名なを売うった。

1938年ねん、58歳さいの時ときに出演しゅつえんした島津しまつ保次郎やすじろう監督かんとく映画えいが『朱しゅと緑みどり』を最後さいごに30年ねん以上いじょう続つづいた女優じょゆう業ぎょうを引退いんたいした。以後いごの消息しょうそくは明あきらかになっていない。但ただし、夫おっとの水島みずしまは1954年ねんに死去しきょしている。没年ぼつねん不ふ詳しょう。

外部がいぶリンク

• 鈴木すずき歌子うたこ - 日本にっぽん映画えいがデータベース
• 鈴木すずき歌子うたこ - KINENOTE