長谷川はせがわ修二しゅうじ

長谷川はせがわ 修二しゅうじ（はせがわ しゅうじ、1903年ねん7月がつ27日にち - 1965年ねん12月4日にち）は、日本にっぽんの翻訳ほんやく家か。本名ほんみょう・楢なら原はら茂二しげじ （ならはらしげじ）。

来歴らいれき

東京とうきょう生うまれ。東京とうきょう府立ふりつ第だい一いち中学校ちゅうがっこうを経へて、慶應義塾けいおうぎじゅく専せん門部かとべ中退ちゅうたい。渡辺わたなべ温あつしと共ともに及川おいかわ道子みちこの父ちちが経営けいえいする喫茶店きっさてん「オアシス」に出入でいりしており、辻つじ潤じゅんとも親交しんこうが深ふかい。昭和しょうわ２年ねん頃ごろから新しん青年せいねんに映画えいがやモダンボーイ文化ぶんか関連かんれんのコラムを執筆しっぴつ。関西かんさいでは映画えいがフォックス社しゃ、ワーナー・ブラザースに勤務きんむ、その頃ころ長谷川はせがわ修二しゅうじ名義めいぎでシナリオを書かく。1930年ねん、映画えいが『モロッコ』の字幕じまくを担当たんとうする。谷崎たにざき潤一郎じゅんいちろうの知遇ちぐうを得えている。1930年ねん2月がつ10日とおか、『新しん青年せいねん』編集へんしゅう部ぶ記者きしゃとして神戸こうべ市し岡本おかもとにいた谷崎たにざきの原稿げんこうを取とりに来きた渡辺わたなべ温あつしと共ともに、深夜しんや自動車じどうしゃ（タクシー）で帰かえる途中とちゅう、西宮にしのみや市し夙川しゅくがわの踏切ふみきりで汽車きしゃと衝突しょうとつし、渡辺わたなべは死しぬが一命いちめいをとりとめ、三さん週間しゅうかん入院にゅういんをした。

その後ご、心中しんちゅうの事件じけんを起おこした中村なかむら進すすむ治郎じろうに代かわり『新しん青年せいねん』誌上しじょうのファッション記事きじを担当たんとうする。

探偵たんてい小説しょうせつ等ひとしの翻訳ほんやくを始はじめ、多おおくの海外かいがいの推理すいり小説しょうせつを紹介しょうかいした。

戦前せんぜんは『大だい日本にっぽんユニヴァーサル』『キネマ旬報きねまじゅんぽう』『映画えいが往来おうらい』『芝居しばいとキネマ』等とうの雑誌ざっしに映画えいが関連かんれん、ファッション等とうのコラムを執筆しっぴつ。楢原ならはら名義めいぎでも多おおく執筆しっぴつしている。

ユニバーサル、ワーナー、RKC等とう映画えいが会社かいしゃの宣伝せんでん、翻訳ほんやく部長ぶちょう。

『羅生門らしょうもん』『地獄じごく門もん』『雨月物語うげつものがたり』『七人しちにんの侍さむらい』『楊貴妃ようきひ』等とう日本にっぽん映画えいがの海外かいがい輸出ゆしゅつ用よう英語えいご版ばん監修かんしゅうを担当たんとうした。

著作ちょさく

• 近代きんだい恋愛れんあい術じゅつ (新しん青年せいねん叢書そうしょ ; 5)　新しん青年せいねん編輯へんしゅう部ぶ 編へん 博文ひろぶみ館かん, 1929 (戀愛れんあい術じゅつ入門にゅうもん と本格ほんかく戀愛れんあい術じゅつを聞きこうが収録しゅうろくされている）

翻訳ほんやく

• 『高架線こうかせんの戦慄せんりつ』（Strangers in Flight、ミニヨン・G・エバハート(Mignon Good Eberhart)、代々木よよぎ書房しょぼう、現代げんだい大衆たいしゅう文学ぶんがく全集ぜんしゅう） 1940
• 『玉子たまごを生うむ男おとこ』（The Reverent Wooing of Archibald、P・G・ウッドハウス、東成社とうせいしゃ） 1940
• 『劣等れっとう優良ゆうりょう児じ』（P・G・ウッドハウス、東成社とうせいしゃ、P.G.ウッドハウスユーモア長篇ちょうへん小説しょうせつ集しゅう） 1940
• 『観光かんこう団だん殺人さつじん事件じけん』（Charlie Chan Carries on、E.D.ビガーズ、雄鶏社おんどりしゃ、おんどり・みすてりい） 1950

  のち『チャーリー・張はりの活躍かつやく』（早川書房はやかわしょぼう、世界せかい探偵たんてい小説しょうせつ全集ぜんしゅう） 1955

• 『修道院しゅうどういん殺人さつじん事件じけん』（ディクソン・カー、雄鶏社おんどりしゃ、おんどりみすてりい） 1951
• 『大だい時計とけい』（The Big Clock、ケネス・フィアリング(Kenneth Fearing)、早川書房はやかわしょぼう 1954

  のちハヤカワ文庫ぶんこ

• 『孤独こどくな娘むすめ』（The Loneliest Girl in the World、ケネス・フィアリング、早川書房はやかわしょぼう、世界せかい探偵たんてい小説しょうせつ全集ぜんしゅう） 1954
• 『大だいはずれ殺人さつじん事件じけん』（The Wrong Murder 、クレイグ・ライス、早川書房はやかわしょぼう、世界せかい探偵たんてい小説しょうせつ全集ぜんしゅう） 1955
• 『大だいあたり殺人さつじん事件じけん』（The Right Murder 、クレイグ・ライス、早川書房はやかわしょぼう、世界せかい探偵たんてい小説しょうせつ全集ぜんしゅう） 1956
• 『樽たる』（フリーマン・W・クロフツ、東京とうきょう創そう元もと社しゃ） 1956

  のち創つく元もと推理すいり文庫ぶんこ

• 『フレンチ警部けいぶ最大さいだいの事件じけん』（Inspector French's Greatest Case、F・W・クロフツ、東京とうきょう創そう元もと社しゃ） 1957
• 『スイート・ホーム殺人さつじん事件じけん』（Home Sweet Homicide、クライグ・ライス、早川書房はやかわしょぼう、世界せかい探偵たんてい小説しょうせつ全集ぜんしゅう） 1957
• 『ライノクス殺人さつじん事件じけん』（Rynox、P・マクドナルド、六興ろっこう・出版しゅっぱん部ぶ、六興ろっこう推理すいり小説しょうせつ選書せんしょ） 1957
• 『毒蛇どくへび』（Fer-De-Lance、レックス・スタウト、東京とうきょう創そう元もと社しゃ、世界せかい推理すいり小説しょうせつ全集ぜんしゅう） 1958
• 『殺人さつじん者しゃと恐喝きょうかつ者しゃ』（Seeing Is Believing、カーター・ディクスン、創はじめ元もと推理すいり文庫ぶんこ） 1959
• 『ボウ町まちの怪かい事件じけん』（The Big Bow Mystery、イスレール・ザングヴィル、創はじめ元もと推理すいり文庫ぶんこ） 1959
• 『ハートの4』（The Four of Hearts、エラリー・クイーン、創はじめ元もと推理すいり文庫ぶんこ） 1959
• 『素晴すばらしき犯罪はんざい』（Having Wonderful Crime、クレイグ・ライス、早川書房はやかわしょぼう、世界せかいミステリシリーズ） 1960
• 『フローテ公園こうえんの殺人さつじん』（The Groote Park Murder、F・W・クロフツ、創はじめ元もと推理すいり文庫ぶんこ） 1960

参考さんこう文献ぶんけん

• 『 夙川しゅくがわ（しゅくがわ）事件じけん - 谷崎たにざき潤一郎じゅんいちろう余聞よぶん （小林こばやし信彦のぶひこ）『文学ぶんがく界かい』2009年ねん7月がつ号ごう（のち『四重奏しじゅうそう カルテット』に収録しゅうろく）
• 『文化ぶんか人名じんめい録ろく 昭和しょうわ31年版ねんばん(5版はん)』日本にっぽん著作ちょさく権けん協議きょうぎ会かい 編へん
• 『文化ぶんか人名じんめい録ろく 昭和しょうわ43年版ねんばん(14版はん)』日本にっぽん著作ちょさく権けん協議きょうぎ会かい 編へん
• 『大だいあたり殺人さつじん事件じけん』著者ちょしゃクレイグ・ライス　訳者やくしゃ長谷川はせがわ修二しゅうじ（早川書房はやかわしょぼう）
• 『春寒しゅんかん』（谷崎たにざき潤一郎じゅんいちろう）　『新しん青年せいねん』昭和しょうわ５年ねん４月がつ号ごう／『アンドロギュノスの裔』（渡辺わたなべ温あつし）薔薇ばら十じゅう字じ社しゃ