青江あおえ派は

青江あおえ派は（あおえは）は、備中びっちゅう国こく青江あおえ（現げん・岡山おかやま県けん倉敷くらしき市し）の日本にっぽん刀がたな刀工とうこう一派いっぱ^[1]。平安へいあん末期まっきに始はじまり、鎌倉かまくら・南北なんぼく朝あさ時代じだいに栄さかえ、室町むろまち時代ときよには衰退すいたい^[2]。

概要がいよう

備中びっちゅう鍛冶たんや

吉備きび国こく（現在げんざいの岡山おかやま県けんを中心ちゅうしんとする地域ちいき）は、古来こらい鉄てつの産地さんちとして知しられ、備前びぜん国こく（おおむね岡山おかやま県けんの南東なんとう部ぶ）には多おおくの刀工とうこうが存在そんざいしたが、隣国りんごくの備中びっちゅう国こく（おおむね岡山おかやま県けんの西部せいぶ）にも刀工とうこう集団しゅうだんが存在そんざいした^[3]。古伝こでん書しょ『元もと亀かめ目め利り書しょ』によれば、備中びっちゅう鍛冶たんやは刀工とうこう・安次やすつぐ（やすつぐ）を祖そとする青江あおえ鍛冶たんやと、則のり高だか（のりたか）を祖そとする妹尾せのお（せのお）鍛冶たんやとに分わかれるという^[4]。青江あおえは高こう梁川りょうせんの下流かりゅう、現在げんざいの岡山おかやま県けん倉敷くらしき市しに位置いちする。現存げんそん刀がたなの銘めいには、刀工とうこうの居住きょじゅう地ちとして子こ位い荘そう（こいのしょう）および万寿まんす荘そう（まんじゅのしょう／ますのしょう）の地名ちめいがみられる。「備中びっちゅう国子くにこ位い東庄とうのしょう青江あおえ助次すけじ作さく／正和しょうわ元年がんねん六ろく月がつ日び」と銘めいじする太刀たちが現存げんそんし、青江あおえが子こ位い荘そうに位置いちしていたことが明あきらかである。子こ位い荘そうは墾田こんでん地ち系けい荘園しょうえん、万寿まんす荘そうは寄進きしん系けい荘園しょうえんとされるが、これらの詳くわしい沿革えんかくは不明ふめいであり、子こ位いは万寿まんす荘そうのなかの地名ちめいであったのか、子こ位い荘そうと万寿まんす荘そうは並存へいそんしていたのかどうかも不明ふめいである^[5]。なお、前述ぜんじゅつの妹尾せのおは、現在げんざいの岡山おかやま市し南みなみ区く妹尾せのおにあたる^[6]。

古こ青江あおえ・中ちゅう青江あおえ・末すえ青江あおえ

青江あおえ鍛冶たんやは、平安へいあん時代じだい末期まっきから南北なんぼく朝あさ時代じだいまで刀工とうこうを輩出はいしゅつしているが、室町むろまち時代じだい以後いごは絶たえている。青江あおえの刀工とうこうは年代ねんだいから古こ青江あおえ（こあおえ）、中ちゅう青江あおえ（ちゅうあおえ）、末すえ青江あおえ（すえあおえ）の3つに分わけられる。古こ青江あおえは鎌倉かまくら中期ちゅうき頃ごろまで、末すえ青江あおえは南北なんぼく朝あさ時代じだいの延のべ文ぶん年間ねんかん（1356 - 1360年ねん）を中心ちゅうしんとした時期じきの刀工とうこうを指さし、これら2つについてはその特色とくしょくがはっきりしている。これらの中間ちゅうかんに位置いちするものを中ちゅう青江あおえと呼称こしょうしている^[7]。

古こ青江あおえは、その作風さくふうに著いちじるしい特色とくしょくがある。太刀たち姿すがたは腰元こしもとで大おおきく反そり、為次ためじ作さくの太刀たち（号ごう狐きつねヶ崎さき）のように茎くき（なかご）にも反そりの付つくものがある^[8]。元もとから切先きっさきへ向むかうにつれて反そりは浅あさく、幅はばは細ほそくなり、切先きっさきは小しょう切先きっさきとなる。地ち鉄てつ（じがね）は備前びぜん物ぶつよりも肌はだ立たち、沸にえ（にえ）が目立めだち、澄きよし肌はだ（墨ぼく肌はだとも）と呼よばれるこの一派いっぱ独特どくとくの肌はだが見みどころとなっている^[4]。澄きよし肌はだとは青あおく澄すんだ地ち鉄てつのなかに黒くろく色いろの変かわって見みえる地ち斑まだら（じふ）が見みえるものを指さす。古伝こでん書しょには「地色じいろ底そこ黒くろにして霜しもふりたる処々しょしょに澄きよし膚はだあり」（秘伝ひでん抄しょう）、「青あおき地ちに鉄色てついろ変かわりて所々ところどころ黒目くろめに見みゆる」（本ほん阿弥あみ光こう甫はじめ秘伝ひでん書しょ）などと表現ひょうげんされている^[9]。刃は文ぶんは直ちょく刃は（すぐは）調ちょうや小しょう乱みだれを主しゅとして小しょう丁子ちょうじを交まじえた、こずみがちの刃は文ぶんとなり、帽子ぼうしは小丸こまるに返かえるものが多おおい。茎くきの鑢目（やすりめ）を大筋おおすじ違たがえ（おおすじかい）とするのもこの派はの特色とくしょくである。銘めいを切きる位置いちにも特色とくしょくがあり、太刀たちであっても刀かたな銘めい（裏うら銘めい）、すなわち、腰こしに佩はいた際さいに体からだに接せっする面めんに銘めいを切きる例れいが多おおい^[10]。刀工とうこう名めいは、守もり次じ、貞次ていじ、恒次つねつぐのように、「次つぎ」字じを通つう字じとする。伝承でんしょうによれば、後鳥羽ごとば院いんは月別つきべつに山城やましろ、備前びぜん、備中びっちゅうの各国かっこくから鍛冶たんやを召めして院内いんないで鍛きたえ刀がたなさせたというが（いわゆる後鳥羽ごとば院いん番ばん鍛冶たんや）、『観かん智さとし院本いんぽん銘めい尽つき』によると、備中びっちゅう国こくからは貞次ていじ、恒次つねじ、次つぎ家かが番ばん鍛冶たんやとして召めされたという。古こ青江あおえの代表だいひょう工こうには既すんで述じゅつの守もり次じ、貞次ていじ、恒次つねじ、次つぎ家かのほか、為次ためじ、康次やすじ、包つつみ次じ、助次すけじ、俊次しゅんじ、次じ忠ちゅう、末次すえつぐらがいる^[11]。

一方いっぽうの妹尾せのお鍛冶たんやは、則のり高だかを祖そとするというが、現存げんそん刀がたなは少すくない。作風さくふうは備前びぜん物ぶつに似にるが、同どう時期じきの備前びぜん物ぶつよりは地味じみである^[12]^[6]。妹尾せのお鍛冶たんやとされる者ものに則のり重じゅうのほか正恒まさつね、是重これしげ、安家あつからがいる^[13]。正恒まさつねは、同どう時代じだい（平安へいあん末期まっき〜鎌倉かまくら初期しょき）の古こ備前びぜん派はにも同名どうめいの刀工とうこうが存在そんざいする。備中びっちゅう正恒まさつねは鑢目（やすりめ）を大筋おおすじ違たがえとする点てんが古こ備前びぜん正恒まさつねと異ことなるが、2名めいの正恒まさつねは作風さくふう、銘めい字じともに類似るいじしており、両者りょうしゃには何なんらかの関連かんれんが想定そうていされる^[14]。

中ちゅう青江あおえは鎌倉かまくら時代じだい末期まっきから南北なんぼく朝あさ初期しょき頃ごろの青江あおえ鍛冶たんやを指さす。古こ青江あおえには銘めいに年号ねんごうを切きったものを見みないが、中ちゅう青江あおえの時代じだいから年号ねんごう入いりの銘めいがみられる。このうち最古さいこの年号ねんごうは正和しょうわ（1313 - 1316年ねん）である。また、銘めいに居住きょじゅう地ちや官かん名めいを切きるものもあらわれ、「備中びっちゅう国こく住じゅう右みぎ衛門えもん尉じょう平たいら吉次よしじ作さく」「備州万寿住右衛門尉吉次作」などと銘めいじした太刀たちが現存げんそんする。作風さくふうは前代ぜんだいに引ひき続つづき、地ち鉄てつには澄きよし肌はだがみられ、刃は文ぶんは直ちょく刃は調ちょうを主おもとするが、前代ぜんだいにはみられなかった丁子ちょうじを交まじえた乱らん刃ばの作さくもある。代表だいひょう工こうに助次すけじ、吉次よしじ、直次なおじ、恒次つねじ、貞次ていじらがいる。恒次つねつぐ、貞次ていじなどは古こ青江あおえにも同名どうめいの刀工とうこうがいる^[9]。青江あおえでは異ことなる時代じだいに同名どうめいの刀工とうこうが複数ふくすう存在そんざいする傾向けいこうがあり、たとえば恒次つねつぐという銘めいを切きる刀工とうこうは銘めい鑑かんには平安へいあん時代じだい以降いこう8名めいが記載きさいされている^[15]。

末すえ青江あおえは延のべ文ぶん年間ねんかん（1356 - 1360年ねん）を中心ちゅうしんとした南北なんぼく朝あさ時代じだいの青江あおえ鍛冶たんやを指さす。太刀たちは、この時期じきの日本にっぽん刀がたなの特色とくしょくを反映はんえいした、刃は長ちょう3尺しゃく（約やく90センチ）を超こえる大だい太刀たちがあらわれる。これらの大だい太刀たちは、幅広はばひろく、反そり浅あさく、切先きっさきが延のびて大切たいせつ先さきとなる、この時代じだい特有とくゆうの造つくり込こみを示しめす。この時代じだいには短刀たんとうの作さくもみられるが、やはり時代じだいの特色とくしょくを反映はんえいして、寸すん延のび（刃は長ちょう1尺しゃくを超こえる）で幅広はばひろく、やや反そりの付ついたものが多おおい。刃は文ぶんは伝統でんとう的てきな直ちょく刃は調ちょうの刃は文ぶんを焼やくものと、逆ぎゃく（さか）がかった大だい模様もようの丁子ちょうじ乱みだれを焼やくものがある。代表だいひょう工こうに次吉つぎよし、守もり次じ、次じ直じき、貞次ていじらがいる^[16]。刃は文ぶんが「逆ぎゃくがかる」とは、刃は文ぶんを構成こうせいする「足あし」が刃は縁えんと直角ちょっかくにならず、斜ななめに傾かたむいているものを形容けいようする用語ようごで、刃は文ぶんが「逆ぎゃくがかる」のは青江あおえ物ぶつ全般ぜんぱんの特色とくしょくである^[6]。

著名ちょめい刀工とうこう及および作品さくひん

国宝こくほう

太刀たち銘めい為次ためじ（狐きつねヶ崎さき）（鎌倉かまくら）山口やまぐち県けん・吉川よしかわ史料しりょう館かん、1933年ねん重文じゅうぶん指定してい、1951年ねん国宝こくほう指定してい。吉川よしかわ友とも兼けんが梶原かじはら景時かげとき一統いっとうを討伐とうばつした時ときの佩刀はかせと伝つたえられる。
太刀たち銘めい貞次ていじ（鎌倉かまくら）東京とうきょう都と・個人こじん蔵ぞう、1933年ねん重文じゅうぶん指定してい、1953年ねん国宝こくほう指定してい。
太刀たち銘めい康次やすじ（鎌倉かまくら）岐阜ぎふ県けん・宗教しゅうきょう法人ほうじん崇たかし教きょう真光しんこう、1931年ねん重文じゅうぶん指定してい、1955年ねん国宝こくほう指定してい。足利あしかが義昭よしあきが島津しまつ義久よしひさに送おくったものと伝つたえられる^[17]。
太刀たち銘めい正恒まさつね（鎌倉かまくら）神奈川かながわ県けん・鶴岡つるおか八幡宮はちまんぐう、1928年ねん重文じゅうぶん指定してい、1952年ねん国宝こくほう指定してい。八代やしろ将軍しょうぐん吉よし宗はじめ奉納ほうのう。
太刀たち銘めい守利もりとし（鎌倉かまくら）大阪おおさか府ふ・個人こじん蔵ぞう、1934年ねん重文じゅうぶん指定してい、1959年ねん国宝こくほう指定してい。

※同どう時代じだいに古こ備前びぜん派はにも正恒まさつねという刀工とうこうがいる。

重要じゅうよう文化財ぶんかざい

古こ青江あおえ

太刀たち銘めい守もり次じ（鎌倉かまくら）所在しょざい不明ふめい、1931年ねん指定してい
刀かたな金きん象嵌ぞうがん銘めい貞次ていじ（名物めいぶつ小しょう青江あおえ）（鎌倉かまくら）大阪おおさか府ふ・個人こじん蔵ぞう、1952年ねん指定してい。「享とおる保ほ名物めいぶつ帳ちょう」に所載しょさい。加賀かが前田まえだ家かに伝来でんらいの2振ふの青江あおえのひとつで、もう片方かたがたの「大だい青江あおえ」に比くらべ小こぶり。
刀かたな金きん象嵌ぞうがん銘めい貞次ていじ磨すり上之うえの／本ほん阿おもね（花押かおう）（名物めいぶつ大だい青江あおえ）（鎌倉かまくら）神奈川かながわ県けん・個人こじん蔵ぞう、1957年ねん指定してい。「享とおる保ほ名物めいぶつ帳ちょう」に所載しょさい。加賀かが前田まえだ家かに伝来でんらいの2振ふの青江あおえのひとつで、もう片方かたがたの「小しょう青江あおえ」に比くらべ大おおぶり。
太刀たち銘めい貞次ていじ（鎌倉かまくら）東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかん、1959年ねん指定してい
太刀たち銘めい恒次つねつぐ（鎌倉かまくら）京都きょうと府ふ・北野きたの天満てんま宮みや、1909年ねん指定してい
太刀たち銘めい恒次つねつぐ（数珠じゅず丸まる）（鎌倉かまくら）兵庫ひょうご県けん・本ほん興きょう寺てら、1922年ねん指定してい。天下てんか五ご剣けんの一ひとつ。日蓮にちれんが所持しょじしていたとされる。「享とおる保ほ名物めいぶつ帳ちょう」に所載しょさい。
太刀たち銘めい恒次つねつぐ（鎌倉かまくら）茨城いばらき県けん・土浦つちうら市立しりつ博物館はくぶつかん、1937年ねん指定してい
太刀たち銘めい康次やすじ（鎌倉かまくら）東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかん、1931年ねん指定してい
太刀たち銘めい包つつみ次じ（鎌倉かまくら）厳島いつくしま神社じんじゃ、1914年ねん指定してい
太刀たち銘めい包つつみ次じ（鎌倉かまくら）愛知あいち県けん・個人こじん蔵ぞう、1955年ねん指定してい
太刀たち銘めい包つつみ次じ（鎌倉かまくら）京都きょうと国立こくりつ博物館はくぶつかん、1956年ねん指定してい
太刀たち銘めい包つつみ次じ（鎌倉かまくら）兵庫ひょうご県けん・公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん黒川くろかわ古こ文化ぶんか研究所けんきゅうじょ、1978年ねん指定してい
太刀たち銘めい正恒まさつね（鎌倉かまくら）和歌山わかやま県けん・熊野くまの速玉はやたま大社たいしゃ、1913年ねん指定してい
太刀たち銘めい正恒まさつね（鎌倉かまくら）愛知あいち県けん・滝山たきやま東照宮とうしょうぐう、1914年ねん指定してい
太刀たち銘めい正恒まさつね（鎌倉かまくら）香川かがわ県けん・白鳥しらとり神社じんじゃ、1922年ねん指定してい
太刀たち銘めい正恒まさつね（鎌倉かまくら）東京とうきょう都と・個人こじん蔵ぞう、1935年ねん指定してい

太刀たち銘めい正恒まさつね（鎌倉かまくら）東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかん、1941年ねん指定してい
太刀たち銘めい正恒まさつね（青江あおえ）（鎌倉かまくら）岡山おかやま県けん・林原はやしばら美術館びじゅつかん、1959年ねん指定してい
太刀たち銘めい正恒まさつね（備中びっちゅう）（鎌倉かまくら）大阪おおさか府ふ・個人こじん蔵ぞう、1961年ねん指定してい
黒くろ漆うるし小太刀こだち中身なかみ銘めい有ゆう次じ（鎌倉かまくら）和歌山わかやま県けん・滝尻たきじり王子おうじ宮みや十郷そごう神社じんじゃ、1972年ねん指定してい
太刀たち銘めい次じ忠ちゅう（鎌倉かまくら）富山とやま県けん・秋水しゅうすい美術館びじゅつかん、1953年ねん指定してい
太刀たち銘めい守利もりとし（鎌倉かまくら）大阪おおさか府ふ・法人ほうじん蔵ぞう、1960年ねん指定してい
刀かたな無銘むめい伝でん守利もりとし（鎌倉かまくら）愛知あいち県けん・個人こじん蔵ぞう、1922年ねん指定してい
太刀たち銘めい次じ家か（鎌倉かまくら）三重みえ県けん・伊勢神宮いせじんぐう、1965年ねん指定してい
太刀たち銘めい俊次しゅんじ（鎌倉かまくら）福岡ふくおか県けん・太宰府天満宮だざいふてんまんぐう、1912年ねん指定してい
太刀たち銘めい弘次ひろじ（鎌倉かまくら）静岡しずおか県けん・秋葉山あきはさん本宮ほんぐう秋葉神社あきばじんじゃ、1923年ねん指定してい

中ちゅう青江あおえ

太刀たち銘めい備中びっちゅう国こく住人じゅうにん吉次よしじ（鎌倉かまくら）埼玉さいたま県けん・鷲宮わしみや神社じんじゃ、1914年ねん指定してい
太刀たち銘めい備中びっちゅう国こく住人じゅうにん吉次よしじ（鎌倉かまくら）佐賀さが県けん・田島たじま神社じんじゃ、1920年ねん指定してい
太刀たち〈銘めい備中びっちゅう国こく青江あおえ住じゅう右みぎ衛門えもん尉じょう平たいら吉次よしじ作さく／元もと徳とく弐に年ねん五ご月がつ日び（鎌倉かまくら・1330年ねん）東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかん、1949年ねん指定してい
太刀たち銘めい正中せいちゅう三さん年ねん備中びっちゅう国吉くによし次じ（鎌倉かまくら・1326年ねん）福井ふくい県けん・藤島ふじしま神社じんじゃ所有しょゆう、福井ふくい市立しりつ郷土きょうど歴史れきし博物館はくぶつかん保管ほかん、1909年ねん指定してい
太刀たち銘めい備州万寿住右衛門尉吉次作（鎌倉かまくら）東京とうきょう都と・日枝ひえ神社じんじゃ、1910年ねん指定してい
短刀たんとう銘めい備中びっちゅう国こく住じゅう平たいら忠ただし（以下いか切きり）（鎌倉かまくら）奈良なら県けん・談だん山神さんじん社しゃ、1928年ねん指定してい
太刀たち銘めい備中びっちゅう以下いか切きり（鎌倉かまくら末期まっき）所在しょざい不明ふめい、1952年ねん指定してい

末すえ青江あおえ

太刀たち銘めい備中びっちゅう国こく住人じゅうにん左ひだり兵衛ひょうえ尉じょう直次なおじ作さく／建たて武たけし二に年ねん十一月じゅういちがつ（南北なんぼく朝あさ・1335年ねん）京都きょうと国立こくりつ博物館はくぶつかん、1955年ねん指定してい
薙刀なぎなた銘めい住吉すみよし大明神だいみょうじん主ぬし（以下いか不明ふめい）八幡やはた大だい菩薩ぼさつ／暦こよみ応おう五ご年ねん（一いち字じ不明ふめい）月日つきひ備中びっちゅう国こく住じゅう直次なおじ作さく（南北なんぼく朝あさ・1342年ねん）三重みえ県けん・長ちょう盛もり寺てら、1913年ねん指定してい
太刀たち銘めい備中びっちゅう国こく住じゅう次吉つぎよし作さく貞和さだかず二に年ねん十じゅう月がつ日び（南北なんぼく朝あさ・1346年ねん）所在しょざい不明ふめい、1955年ねん指定してい
短刀たんとう銘めい備中びっちゅう国こく住じゅう守もり次じ作さく／延のべ文ぶん二に年ねん八はち月がつ日び（南北なんぼく朝あさ・1357年ねん）所在しょざい不明ふめい、1952年ねん指定してい
太刀たち銘めい備中びっちゅう国こく住じゅう守もり次じ作さく、延のべ文ぶん二に年ねん十じゅう二に月がつ日び（南北なんぼく朝あさ・1357年ねん）東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかん、1962年ねん指定してい
太刀たち銘めい守もり次じ（南北なんぼく朝あさ）文化庁ぶんかちょう保管ほかん、1955年ねん指定してい。上杉うえすぎ家かに伝来でんらいし、輪わ宝たから太刀だちと呼よばれた。
短刀たんとう銘めい備中びっちゅう国こく住じゅう次じ直作なおさく／延のべ文ぶん三さん年ねん十じゅう一いち月がつ日び（南北なんぼく朝あさ・1358年ねん）東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかん、1939年ねん指定してい
短刀たんとう銘めい備中びっちゅう国こく住じゅう次じ直作なおさく／延のべ文ぶん三さん年ねん十じゅう二に月がつ日び（南北なんぼく朝あさ・1358年ねん）愛知あいち県けん・個人こじん蔵ぞう、1939年ねん指定してい
刀かたな折おり返かえし銘めい備中びっちゅう国こく住じゅう次じ直じき（南北なんぼく朝あさ）愛知あいち県けん・徳川とくがわ美術館びじゅつかん、1954年ねん指定してい
太刀たち銘めい備中びっちゅう国こく住じゅう（以下いか不明ふめい）／延のべ文ぶん三さん年ねん六ろく月がつ日び（南北なんぼく朝あさ・1358年ねん）広島ひろしま県けん・厳島いつくしま神社じんじゃ、1926年ねん指定してい
大だい太刀たち銘めい備中びっちゅう国こく住人じゅうにん□□延のべ文ぶん六ろく年ねん二に月がつ日び（南北なんぼく朝あさ・1361年ねん）長野ながの県けん・長野ながの市し所有しょゆう、1961年ねん指定してい
薙刀なぎなた銘めい備中びっちゅう国こく住じゅう家か次じ作さく貞治さだはる六ろく年ねん八はち月がつ日び（南北なんぼく朝あさ・1367年ねん）静岡しずおか県けん・個人こじん蔵ぞう、1954年ねん指定してい
金銅かなどう柏かしわ文ぶん兵庫ひょうご鎖くさり太刀だち中身なかみ銘めい□次つぎ（南北なんぼく朝あさ）春日大社かすがたいしゃ、1964年ねん指定してい
刀かたな無銘むめい伝でん備中びっちゅう依よ真しん（南北なんぼく朝あさ）個人こじん蔵ぞう、福井ふくい県立けんりつ美術館びじゅつかん保管ほかん、1964年ねん指定してい

※「所在しょざい不明ふめい」とあるのは、2017年ねん5月がつの文化庁ぶんかちょう発表はっぴょうで「所在しょざい不明ふめい」とされている物件ぶっけんである（参照さんしょう：国くに指定してい文化財ぶんかざい（美術びじゅつ工芸こうげい品ひん）の所在しょざい確認かくにんの現況げんきょうについて（平成へいせい29年ねん5月がつ27日にち）（文化庁ぶんかちょうサイト））

その他た

にっかり青江あおえ（南北なんぼく朝あさ）香川かがわ県けん・丸亀まるがめ市立しりつ資料しりょう館かん。脇差わきざし。貞次ていじ作さくとされる。柴田しばた勝家かついえ、丹羽にわ長秀ながひで、豊臣とよとみ秀吉ひでよしらを経へて丸亀まるがめ藩はん京極きょうごく氏しに伝つたわる。重要じゅうよう美術びじゅつ品ひん。

脚注きゃくちゅう

^ 小学館しょうがくかん『デジタル大辞泉だいじせん』. “青江あおえ物ぶつ”. コトバンク. 2018年ねん2月がつ19日にち閲覧えつらん。
^ 三省堂さんせいどう『大辞林だいじりん』第だい三さん版はん. “青江あおえ物ぶつ”. コトバンク. 2018年ねん2月がつ19日にち閲覧えつらん。
^ （加島かしま、1982）、p.36
^ ^a ^b （加島かしま、1982）、p.38
^ （加島かしま、1982）、pp.36 - 37
^ ^a ^b ^c （渡辺わたなべ、1999）、p.315
^ （加島かしま、1982）、pp.37 - 38
^ （渡辺わたなべ、1999）、p.316
^ ^a ^b （加島かしま、1982）、pp.38 - 39
^ （加島かしま、1982）、p.39
^ （加島かしま、1982）、pp.37, 39
^ （渡辺わたなべ、1996）、p.32
^ （加島かしま、1982）、p 39
^ 『林原はやしばら美術館びじゅつかん名刀めいとう図譜ずふ』、p.141
^ 『林原はやしばら美術館びじゅつかん名刀めいとう図譜ずふ』、p.142
^ （加島かしま、1982）、pp.39 - 40
^ 太刀たち銘めい康次やすじ附ふ絲巻いとまき太刀だち拵こしらえ（たちめいやすつぐつけたりいとまきたちこしらえ） - 岐阜ぎふ県けん

参考さんこう文献ぶんけん

『特別とくべつ展観てんかん備中びっちゅう青江あおえの名刀めいとう』（展覧てんらん会かい図録ずろく）、東京とうきょう国立こくりつ博物館はくぶつかん、1982（解説かいせつ執筆しっぴつは加島かしま進すすむ）
『日本にっぽん刀がたな鑑賞かんしょうのしおり』（佐野さの美術館びじゅつかん蔵ぞう品ひんシリーズ1）、佐野さの美術館びじゅつかん、1996（解説かいせつ執筆しっぴつは渡辺わたなべ妙子たえこ）
『週刊しゅうかん朝日あさひ百科ひゃっか日本にっぽんの国宝こくほう』100号ごう、朝日新聞社あさひしんぶんしゃ、1999（青江あおえ刀がたなの解説かいせつ執筆しっぴつは渡辺わたなべ妙子たえこ）
『開館かいかん五ご十じゅう周年しゅうねん記念きねん林原はやしばら美術館びじゅつかん名刀めいとう図譜ずふ』、テレビせとうちクリエイト、2014