1934年ねんのメジャーリーグベースボール

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以下いかは、メジャーリーグベースボール（MLB）における1934年ねんのできごとを記しるす。

1934年ねん4月がつ17日にちに開幕かいまくし10月9日にちに全ぜん日程にっていを終おえ、ナショナルリーグはセントルイス・カージナルスが3年ねんぶり5度目どめのリーグ優勝ゆうしょうで、アメリカンリーグはデトロイト・タイガースが25年ねんぶり4度目どめのリーグ優勝ゆうしょうを飾かざった。

ワールドシリーズはセントルイス・カージナルスが4勝しょう3敗はいでデトロイト・タイガースを破やぶり3年ねんぶり3度目どめのシリーズ制覇せいはとなった。

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できごと

ナショナルリーグのセントルイス・カージナルスは、この年としがブランチ・リッキーGMのもとでのガスハウスギャングの最高さいこうの年としとなった。選手せんしゅはよく走はしりよく滑すべったので、ユニフォームはいつも真まっ黒くろだった。それがガス工場こうじょうの労働ろうどう者しゃの姿すがたに似にていたのでガスハウスギャングのあだ名なが付ついた。監督かんとくは1926年ねんにロジャース・ホーンスビーとの交換こうかんトレードでジャイアンツから移うつって来きて1933年ねんに選手せんしゅ兼任けんにんで監督かんとくになったフランキー・フリッシュ、これにジョー・メドウィック、レオ・ドローチャー、ペッパー・マーチン、ジャック・ロスロック、ビル・デランシー、リッパー・コリンズら機動きどう力りょくを持もった攻撃こうげき陣じんと、この年としに30勝しょうを上あげたディジー・ディーンと弟おとうとのポール・ディーンの兄弟きょうだいコンビが投手とうしゅとして活躍かつやくした。ディジー・ディーンは30勝しょう7敗はい、勝率しょうりつ.811、防御ぼうぎょ率りつ2.65、奪だつ三振さんしん195でリーグMVPを獲得かくとくした。

一方いっぽうアメリカンリーグはデトロイト・タイガースがタイ・カッブ時代じだいの1907～1909年ねんにリーグ3連覇れんぱして以来いらいの25年ねんぶりの優勝ゆうしょうとなった。この年としにアスレチックスの捕手ほしゅだったミッキー・カクレーンがトレードでタイガースに移うつり、1年ねん目めから選手せんしゅ兼任けんにん監督かんとくに就任しゅうにんして、カクレーン自身じしんの活躍かつやくに加くわえ、チャーリー・ゲーリンジャー、ハンク・グリーンバーグ、この年としにセネタースから移籍いせきしてきたグース・ゴスリン等ひとしが好成績こうせいせきを残のこし、101勝しょうをあげて久々ひさびさのリーグ優勝ゆうしょうを果はたした。リーグMVPは選手せんしゅを統率とうそつしたミッキー・カクレーンが獲得かくとくした。

ゲーリッグの三冠王さんかんおうとルースの放出ほうしゅつ

2年ねん続つづけてリーグ優勝ゆうしょうを逃のがしたヤンキースだが、ルー・ゲーリッグはこの年としに打率だりつ.363、本塁打ほんるいだ49本ほん、打点だてん165で三冠王さんかんおうとなった。一方いっぽう ベーブ・ルースは打率だりつ.288、本塁打ほんるいだ22本ほん、打点だてん84、安打あんだ105本ほんでこの年としがヤンキース最後さいごの年としとなった。この両雄りょうゆうはシーズン終了しゅうりょう後ごの秋あきに大だいリーグ選抜せんばつチームとして日本にっぽんを訪問ほうもんしたが、ルースは帰国きこく後ごにボストン・ブレーブスにトレードされた。

カール・ハッベルの快かい投とう

この年とし7月がつ14日にちに第だい2回かいオールスターゲームが行おこなわれた。会場かいじょうはジャイアンツの本拠地ほんきょちポログラウンズでジャイアンツのカール・ハッベル投手とうしゅはナショナルリーグの先発せんぱつ投手とうしゅとして出場しゅつじょうした。アメリカンリーグの先発せんぱつはレフティ・ゴメス(ゴーメッツ)だった。カール・ハッベル投手とうしゅは1回かい表ひょうにマウンドに立たったが立たち上あがりが不調ふちょうで、いきなり1・2番ばん打者だしゃを出だし無死むし1・2塁るいでピンチとなった。しかも次つぎの打者だしゃはベーブ・ルースで、ここからルースに3球きゅう続つづけてスクリューボールを投なげて三振さんしんにとり(ルースは3球きゅうとも空振からぶり）、続つづくルー・ゲーリッグも空振からぶりで三振さんしん、次つぎのジミー・フォックスも同おなじで3番ばんから5番ばんまでのクリーンアップをわずか11球きゅうで3三振さんしんとなった。そして2回かい表ひょうに6番ばんアル・シモンズ、7番ばんジョー・クローニンを三振さんしんにとり、これで5人にん連続れんぞく三振さんしんを記録きろくした。この後のちの8番ばんビル・ディッキー捕手ほしゅが四球しきゅうに出でて9番ばんゴメス投手とうしゅがまた三振さんしん。2イニングで6三振さんしんの結果けっかであった。

このオールスターゲームでのハッベルの5連続れんぞく三振さんしんの快かい投とうは長ながく記憶きおくされることとなった。その5人にんベーブ・ルース、ルー・ゲーリッグ、ジミー・フォックス、アル・シモンズ、ジョー・クローニンは全すべて殿堂でんどう入いりを果はたした打者だしゃである。

ジョー・メドウィックの立たち往生おうじょう

この年としのワールドシリーズは、ガスハウスギャングのセントルイス・カージナルスとGメン（ゲーリンジャーとグリーンバーグとゴスリンの頭文字かしらもじGから）のデトロイト・タイガースの対戦たいせんとなり3勝しょう3敗はいでデトロイトで第だい7戦せんを迎むかえた。試合しあいはカージナルスの一方いっぽう的てきな試合しあいとなったが、7-0となった6回かい表ひょう2死し2塁るいからメドウィックがレフトに猛もうライナーを放はなち3塁るいまで走はしった際さいに三塁手さんるいしゅマーブ・オーエンとの間あいだで蹴けりあいから殴なぐり合あいに発展はってんして両りょうチームの全ぜん選手せんしゅが乱闘らんとうとなった。ようやく収おさまった後のちに攻守こうしゅ交替こうたいでメドウィックがレフトの守備しゅび位置いちにつくと敵てき地ちであったので左翼さよく席せきからトマト・リンゴ・オレンジ・牛乳ぎゅうにゅう瓶びんやらが投なげ込こまれ、ジョー・メドウィックは立たち往生おうじょうしたままで 険悪けんあくな雰囲気ふんいきとなり試合しあいは15分間ふんかん中断ちゅうだんとなった。試合しあいを見みていたランディス・コミッショナーが、その場ばでメドウィックの退場たいじょうを命めいじ、代かわりの選手せんしゅをレフトに就つかせて試合しあいは再開さいかいされた。コミッショナーがルールにも無ないまま試合しあい中ちゅうに選手せんしゅの退場たいじょうを命令めいれいするという異常いじょうな事態じたいとなり、ワールドシリーズ史上しじょうに残のこる特殊とくしゅな例れいとして記憶きおくされている。

全米ぜんべい大だいリーグ選抜せんばつチームの訪日ほうにち

3年ねん前まえに実現じつげんした全米ぜんべい大だいリーグ選抜せんばつチームに続つづき、この年としに再ふたたび全米ぜんべい大だいリーグ選抜せんばつチームが日本にっぽんを訪問ほうもんし、特別とくべつ編成へんせいの全日本ぜんにほん選抜せんばつチームとの17試合しあいを17戦せん全勝ぜんしょう(15試合しあいで15戦せん全勝ぜんしょうとする資料しりょうもある)の戦績せんせきを残のこした。前回ぜんかいに当代とうだい一いちの人気にんき者しゃで日本にっぽんでも有名ゆうめいになっていたベーブ・ルースが参加さんかしなかったため主催しゅさいの読売新聞社よみうりしんぶんしゃが3年ねん前まえに外野がいや手しゅとして訪日ほうにちしたレフティ・オドールにルースを含ふくめての全米ぜんべい大だいリーグ選抜せんばつチームの来日らいにちを要請ようせいし、それが実現じつげんしたのであった。監督かんとくコニー・マック、助監督じょかんとくレフティ・オドール、投手とうしゅにレフティ・ゴメス、アール・ホワイトヒル、ジョン・カスカレラ、捕手ほしゅはチャーリー・ベリー、モー・バーグ、一塁いちるい手しゅルー・ゲーリッグ、二塁手にるいしゅ チャーリー・ゲーリンジャー 、三塁手さんるいしゅジミー・フォックス、遊撃手ゆうげきしゅエリック・マクネア、そして外野がいや手しゅでベーブ・ルース、ヘイニー・マナシュ、アール・エプリル等とうが揃そろった当時とうじのアメリカでもなかなか見みられない豪華ごうか版ばんだった。そしてベーブ・ルースは13本ほんの本塁打ほんるいだを打うち、全米ぜんべい選抜せんばつチーム全体ぜんたいで本塁打ほんるいだ47本ほんを記録きろくする猛もう打だで圧倒的あっとうてきな強つよさを見みせつけた。

一方いっぽう対戦たいせんした全日本ぜんにほん選抜せんばつには沢村さわむら栄治えいじ、ビクトル・スタルヒン、三原みはら修おさむ(三原みはら脩おさむ)、二に出川でがわ延のべ明あかりらが参加さんかして、11月20日にち、静岡しずおかの草薙くさなぎ球場きゅうじょうでの試合しあいでは弱冠じゃっかん17歳さいの沢村さわむら栄治えいじが6回かいまで2安打あんだ無得点むとくてんに抑おさえ、7回かいにゲーリッグに打うたれた本塁打ほんるいだだけの1失点しってんで完投かんとうした試合しあいは球史きゅうしに残のこる試合しあいとなった。

この時ときに全米ぜんべい選抜せんばつチームと対戦たいせんするに3年ねん前まえのように大学だいがくチーム等とうでなく、職業しょくぎょう野球やきゅうを目指めざしたチーム編成へんせいを行おこなうこととしてプロ契約けいやくをした選手せんしゅを含ふくんで全日本ぜんにほんチームを作つくり、全米ぜんべい選抜せんばつチームの帰国きこく後ごの12月26日にちにこれら全日本ぜんにほん代表だいひょうの中なかから19名めいを選えらんで大だい日本にっぽん東京とうきょう野球やきゅう倶楽部くらぶが結成けっせいされた。これが後こうの読売よみうりジャイアンツである。

記録きろく

• セントルイス・カージナルスのディジー・ディーン投手とうしゅはこの年としに30勝しょうを挙あげたが、このシーズン30勝しょう以上いじょうを記録きろくした投手とうしゅは、その後ご1968年ねんにデトロイト・タイガースのデニー・マクレインが31勝しょうを上あげただけで、ナショナルリーグでは今いままでで最後さいごの30勝しょう投手とうしゅである。

規則きそくの改訂かいてい

• アメリカン、ナショナル両りょうリーグで同おなじ製造元せいぞうもとのボールを使つかう決きまりになった。

最終さいしゅう成績せいせき

レギュラーシーズン

アメリカンリーグ 順じゅん チーム 勝利しょうり 敗戦はいせん 勝率しょうりつ G差さ 1 デトロイト・タイガース 101 53 .656 -- 2 ニューヨーク・ヤンキース 94 60 .610 7.0 3 クリーブランド・インディアンス 85 69 .552 16.0 4 ボストン・レッドソックス 76 76 .500 24.0 5 フィラデルフィア・アスレチックス 68 82 .453 31.0 6 セントルイス・ブラウンズ 67 85 .441 33.0 7 ワシントン・セネタース 66 86 .434 34.0 8 シカゴ・ホワイトソックス 53 99 .349 47.0

ナショナルリーグ 順じゅん チーム 勝利しょうり 敗戦はいせん 勝率しょうりつ G差さ 1 セントルイス・カージナルス 95 58 .621 -- 2 ニューヨーク・ジャイアンツ 93 60 .608 2.0 3 シカゴ・カブス 86 65 .570 8.0 4 ボストン・ブレーブス 78 73 .517 16.0 5 ピッツバーグ・パイレーツ 74 76 .493 19.5 6 ブルックリン・ドジャース 71 81 .467 23.5 7 フィラデルフィア・フィリーズ 56 93 .376 37.0 8 シンシナティ・レッズ 52 99 .344 42.0

オールスターゲーム

詳細しょうさいは「1934年ねんのMLBオールスターゲーム」を参照さんしょう

• アメリカンリーグ 9 - 7 ナショナルリーグ

ワールドシリーズ

詳細しょうさいは「1934年ねんのワールドシリーズ」を参照さんしょう

• タイガース 3 - 4 カージナルス

10/3 –	カージナルス	8	-	3		タイガース
10/4 –	カージナルス	2	-	3		タイガース
10/5 –	タイガース	1	-	4		カージナルス
10/6 –	タイガース	10	-	4		カージナルス
10/7 –	タイガース	3	-	1		カージナルス
10/8 –	カージナルス	4	-	3		タイガース
10/9 –	カージナルス	11	-	0		タイガース

個人こじんタイトル

アメリカンリーグ

打者だしゃ成績せいせき 項目こうもく 選手せんしゅ 記録きろく 打率だりつ ルー・ゲーリッグ (NYY) .363 本塁打ほんるいだ ルー・ゲーリッグ (NYY) 49 打点だてん ルー・ゲーリッグ (NYY) 165 安打あんだ チャーリー・ゲーリンジャー (DET) 214 盗塁とうるい ビリー・ワーバー (BOS) 40

投手とうしゅ成績せいせき 項目こうもく 選手せんしゅ 記録きろく 勝利しょうり レフティ・ゴメス (NYY) 26 敗戦はいせん ボボ・ニューサム (SLA) 20 防御ぼうぎょ率りつ レフティ・ゴメス (NYY) 2.33 奪だつ三振さんしん レフティ・ゴメス (NYY) 158 投球とうきゅう回かい レフティ・ゴメス (NYY) 281⅔ セーブ ジャック・ラッセル (WS1) 7

ナショナルリーグ

打者だしゃ成績せいせき 項目こうもく 選手せんしゅ 記録きろく 打率だりつ ポール・ウェイナー (PIT) .362 本塁打ほんるいだ リッパー・コリンズ (STL) 35 メル・オット (NYG) 打点だてん メル・オット (NYG) 135 得点とくてん ポール・ウェイナー (PIT) 122 安打あんだ ポール・ウェイナー (PIT) 217 盗塁とうるい ペッパー・マーティン (STL) 23

投手とうしゅ成績せいせき 項目こうもく 選手せんしゅ 記録きろく 勝利しょうり ディジー・ディーン (STL) 30 敗戦はいせん シイ・ジョンソン (CIN) 22 防御ぼうぎょ率りつ カール・ハッベル (NYG) 2.30 奪だつ三振さんしん ディジー・ディーン (STL) 195 投球とうきゅう回かい バン・マンゴー (BRO) 315⅓ セーブ カール・ハッベル (NYG) 8

表彰ひょうしょう

シーズンMVP

• アメリカンリーグ ： ミッキー・カクレーン （DET）
• ナショナルリーグ ： ディジー・ディーン （STL）

関連かんれん項目こうもく

• 1934年ねんの野球やきゅう

出典しゅってん

• 『アメリカ・プロ野球やきゅう史し』第だい4章しょう　栄光えいこうの日々ひびとその余韻よいん　114P参照さんしょう　鈴木すずき武たけし樹じゅ　著ちょ　1971年ねん9月がつ発行はっこう　三さん一いち書房しょぼう
• 『米べい大だいリーグ　輝かがやける1世紀せいき～その歴史れきしとスター選手せんしゅ～』≪カール・ハッベル≫　85P参照さんしょう　週刊しゅうかんベースボール　1978年ねん6月がつ25日にち増刊ぞうかん号ごう　ベースボールマガジン社しゃ
• 『米べい大だいリーグ　輝かがやける1世紀せいき～その歴史れきしとスター選手せんしゅ～』≪1934年ねん≫　87P参照さんしょう
• 『米べい大だいリーグ　輝かがやける1世紀せいき～その歴史れきしとスター選手せんしゅ～』≪メドウィックの立たち往生おうじょう≫　89P参照さんしょう
• 『米べい大だいリーグ　輝かがやける1世紀せいき～その歴史れきしとスター選手せんしゅ～』≪大だいリーグ選抜せんばつチームの訪日ほうにち≫　159P参照さんしょう
• 『メジャーリーグ　ワールドシリーズ伝説でんせつ』　1905-2000 　95P参照さんしょう　上田うえだ龍りゅう　著ちょ　95P参照さんしょう　2001年ねん10月がつ発行はっこう　ベースボールマガジン社しゃ
• 『スポーツ・スピリット21 No.11　ヤンキース最強さいきょう読本とくほん』≪レジェンド　ベーブ・ルース　ルー・ゲーリッグ≫　40-47P参照さんしょう　2003年ねん6月がつ発行はっこう　ベースボールマガジン社しゃ
• 『誇ほこり高たかき大だいリーガー』八木やぎ一郎いちろう著ちょ　98-99P参照さんしょう　「ルー・ゲーリッグ」　1997年ねん10月がつ発行はっこう　日本にっぽんスポーツ出版しゅっぱん社しゃ
• 『誇ほこり高たかき大だいリーガー』八木やぎ一郎いちろう著ちょ　159P参照さんしょう　「レフティ・ゴーメッツ」　1997年ねん10月がつ発行はっこう　日本にっぽんスポーツ出版しゅっぱん社しゃ
• 『オールタイム大だいリーグ名めい選手せんしゅ101人にん』171P参照さんしょう　「ジョー・メドウイック」池井いけい優ゆうほか著ちょ　1997年ねん10月がつ発行はっこう　　日本にっぽんスポーツ出版しゅっぱん社しゃ
• 『プロ野球やきゅうと鉄道てつどう』第だい1章しょう　黎明れいめい期きの職業しょくぎょう野球やきゅう　30-31P参照さんしょう　田中たなか正恭まさやす　著ちょ　2018年ねん2月がつ発行はっこう　交通こうつう新聞しんぶん社しゃ新書しんしょ

外部がいぶリンク

• Baseball-Reference.com
• Baseball Rule Chronology