APT

APT

アップデート実行じっこう中ちゅうのターミナルの画面がめん
開発元かいはつもと	APT Development Team
初版しょはん	1998年ねん3月がつ31日にち (1998-03-31)
最新さいしん版ばん	2.6.1 / 2023年ねん5月がつ25日にち (2023-05-25)
最新さいしん評価ひょうか版ばん	2.7.10 / 2024年ねん1月がつ19日にち (2024-01-19)
リポジトリ	salsa.debian.org/apt-team/apt.git
対応たいおうOS	Linux、FreeBSD、GNU Hurd
プラットフォーム	Debian他た
ライセンス	GPLv2+
公式こうしきサイト	APT - Debian Wiki

APT（Advanced Packaging Tool、あるいは Advanced Package Tool）とは、ソフトウェアのインストールとアンインストール（削除さくじょ）を自動的じどうてきに行おこない、ソフトウェアの管理かんりを簡単かんたんに行おこなえるようにするための仕組しくみの1つ。

概要がいよう

もともと Debian用ように開発かいはつされたコマンドラインベースのパッケージ管理かんりシステムである。現在げんざいでは多数たすうの Debian系けいの Linuxディストリビューションで採用さいようされている。dpkgのフロントエンドとして作動さどうするように設計せっけいされたが、現在げんざいはRPMに対応たいおうするように移植いしょくされた apt-rpmもある。コンパイル済ずみのソフトウェアを管理かんりする機能きのうに加くわえ、ソースコードからソフトウェアをコンパイルする際さいの依存いぞん関係かんけいを解決かいけつする機能きのうも備そなえている。

フロントエンド

APT には複数ふくすうのフロントエンドが用意よういされている。コマンドラインで作動さどうする（CLI）フロントエンドとして apt や apt-get、aptitude がある。またDebian系けいやRPM系けいともに、Synaptic というグラフィカルな（GUI）フロントエンドがある。

機能きのう

APTでは、コンパイル済ずみパッケージ（バイナリパッケージと呼よぶ）同士どうしの関係かんけいを主おもに下したの4つにわけて管理かんりする。これらの関係かんけいを用もちいて、目的もくてきのパッケージをインストールするために必要ひつようなパッケージもしくは削除さくじょする必要ひつようがあるパッケージを自動じどう計算けいさんする。

依存いぞん

パッケージを導入どうにゅうするのに欠かかすことのできないパッケージ。

推奨すいしょう

無なくてもよいが、プログラムの機能きのうを利用りようするために通常つうじょうは導入どうにゅうするパッケージ。

提案ていあん

無なくてもよいが、導入どうにゅうすることによってプログラムの機能きのうを向上こうじょうさせるパッケージ。

衝突しょうとつ

パッケージを導入どうにゅうすることで、同一どういつの機能きのうを有ゆうするなどの理由りゆうで削除さくじょされるパッケージ。

代表だいひょう的てきなコマンドは次つぎのとおり。

追加ついか・ダウンロード

新あたらしいソフトウェアのインストール（root権限けんげんが必要ひつよう）

apt install パッケージ名めい [ Enter ]

ソースパッケージのダウンロード

apt source パッケージ名めい [ Enter ]

ソースパッケージをコンパイルする為ために必要ひつようなパッケージのインストール（root権限けんげんが必要ひつよう）

apt build-dep パッケージ名めい [ Enter ]

更新こうしん（アップデート）

リポジトリの更新こうしん（root権限けんげんが必要ひつよう）

apt update [ Enter ]

インストール済ずみのソフトウェアの更新こうしん（root権限けんげんが必要ひつよう）

apt upgrade [ Enter ]

ディストリビューションのアップグレード（root権限けんげんが必要ひつよう）

apt full-upgrade [ Enter ]

（ただし、apt dist-upgrade コマンドも agt-get からの移行いこう用ようとしてサポートされている。)

またこれらaptコマンドを使用しようすると、システムに必要ひつようなパッケージが存在そんざいしない場合ばあい、その不足ふそくしている依存いぞん性せいパッケージを自動的じどうてきに判別はんべつし、そのパッケージも同時どうじにインストールしてくれる。dist-upgradeを指定していした場合ばあい、更新こうしん可能かのうなすべてのパッケージに対たいして依存いぞん関係かんけいを解析かいせきし、重要じゅうようなアップデートを更新こうしんするが、依存いぞん関係かんけいの問題もんだいから重要じゅうようでないパッケージは削除さくじょされる場合ばあいもある。

検索けんさく・情報じょうほう表示ひょうじ

パッケージの検索けんさく

apt search 検索けんさくキーワード [ Enter ]

特定とくていパッケージの情報じょうほう表示ひょうじ

apt show パッケージ名めい [ Enter ]

削除さくじょ

特定とくていパッケージの削除さくじょ（root権限けんげんが必要ひつよう）

apt remove パッケージ名めい [ Enter ]

特定とくていパッケージの設定せっていファイルを含ふくめた削除さくじょ（root権限けんげんが必要ひつよう）

apt purge パッケージ名めい [ Enter ]

不要ふようなパッケージの自動じどう削除さくじょ(依存いぞんされていないライブラリ等とう)（root権限けんげんが必要ひつよう）

apt autoremove [ Enter ]

Debian系けいもRPM系けいも設定せっていファイル（大抵たいていは/etc/apt/sources.list）を書かき換かえることでダウンロード先さきの変更へんこう・パッケージリストの指定してい変更へんこうが可能かのうである。Debian GNU/LinuxやVine Linuxをはじめ、この設定せっていの変更へんこうでディストリビューションのバージョンアップを行おこなうことができるディストリビューションも存在そんざいする。

またSynapticと同様どうように、パッケージのリポジトリを変更へんこうしやすくするためのGUIフロントエンドも存在そんざいする。

新旧しんきゅうコマンド対応たいおうの概要がいよう

以下いかにおもなコマンドの新旧しんきゅう対応たいおう一覧いちらんを参考さんこうとして示しめす。関連かんれん項目こうもくの Aptitude も参照さんしょうのこと。

apt-get update             ->  apt update           ->  aptitude update

apt-get upgrade            ->  apt upgrade          ->  aptitude safe-upgrade

apt-get dist-upgrade       ->  apt full-upgrade     ->  aptitude full-upgrade

apt-get install package    ->  apt install package  ->  aptitude install package

apt-get remove package     ->  apt remove package   ->  aptitude remove package

apt-get autoremove         ->  apt autoremove       ->  N/A 

apt-cache search package   ->  apt search package   ->  aptitude search package

apt-cache policy package   ->  apt list -a package  ->  aptitude list -a package

apt-cache show package     ->  apt show package     ->  show package

apt-cache search <regex>   ->  apt search <regex>   ->  aptitude search <regex>

イースターエッグ

apt や apt-get には隠かくし機能きのうがあり、aptitudeの隠かくし機能きのうと対たいになっている。("\"は円えん記号きごうではなくバックスラッシュである)

$ apt moo
         (__) 
         (oo) 
   /------\/ 
  / |    ||   
 *  /\---/\
    ~~   ~~   
...."Have you mooed today?"...

関連かんれん項目こうもく

• dpkg
• apt-rpm（英語えいご版ばん）
• Linux Standard Base
• RPM

外部がいぶリンク

• 公式こうしきウェブサイト