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DBペディア

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア（Wikipedia）』
（DBpediaから転送てんそう）
DBペディア
DBpediaのロゴ
開発元かいはつもと ライプツィヒ大学だいがく、ベルリン自由じゆう大学だいがく, オープンリンク・ソフトウェア
初版しょはん 2007年ねん1月がつ23日にち
最新さいしん版ばん
DBpedia 3.8 / 2012年ねん8月がつ6日にち[1]
リポジトリ
ウィキデータを編集
プログラミング
言語げんご		 Scala、Java、VSP
対応たいおうOS ヴィルトゥオーソ・ユニバーサル・サーバ
種別しゅべつ セマンティック・ウェブ、リンクト・データ
ライセンス GPL
公式こうしきサイト dbpedia.org
テンプレートを表示ひょうじ

DBペディア（英えい: DBpedia）は、ウィキペディアからの構造こうぞう化かコンテントの抽出ちゅうしゅつを目的もくてきとするプロジェクトである。抽出ちゅうしゅつされた構造こうぞう化か情報じょうほうは、World Wide Web上うえで利用りよう可能かのうとなる[2]。DBペディアを利用りようすると、ウィキペディアのリソースおよび外部がいぶの関連かんれんするデータセットへのリンクから、関係かんけいやプロパティを問とい合あわせることができる[3]。ティム・バーナーズ＝リーは、DBペディアはリンクト・データ・プロジェクトの中なかで有名ゆうめいなものの1つだ、と述のべている[4]。
ウィキペディア日本語にほんご版ばんの記事きじを利用りようしたDBpedia Japaneseは、国立こくりつ情報じょうほう学がく研究所けんきゅうじょによって2012年ねん5月がつ9日にちに公開こうかいされた[5]。

背景はいけい

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このプロジェクトはオープン・リンク・ソフトウェアとの協力きょうりょくの下した、ベルリン自由じゆう大学だいがくとライプツィヒ大学だいがくのメンバーによって開始かいしされ[6]、2007年ねんに最初さいしょの公開こうかい用ようデータセットが公開こうかいされた。データセットはフリー・ライセンスで提供ていきょうされ、再さい利用りようすることができる。

ウィキペディアの記事きじは概おおむねフリー・テキストから構成こうせいされているが、「インフォボックス」(infobox) テーブル、カテゴリ情報じょうほう、画像がぞう、地理ちり座標ざひょう、外部がいぶウェブページへのリンク、といった構造こうぞう化か情報じょうほうも記事きじに組くみ込こまれている。これらの構造こうぞう化か情報じょうほうが抽出ちゅうしゅつされ、問とい合あわせ可能かのうな統一とういつデータセットの中なかに保存ほぞんされる。

データセット

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2011年ねん9月がつ (2011-09)現在げんざい、DBペディアのデータセットは364万まん件けん以上いじょうの事物じぶつを扱あつかい、うち183万まん件けんが一貫いっかんしたオントロジーに分類ぶんるいされている。そこには人物じんぶつ416,000件けん、地理ちり526,000件けん、音楽おんがくアルバム106,000件けん、映画えいが60,000件けん、ビデオ・ゲーム17,500件けん, 組織そしき・団体だんたい169,000件けん、生物せいぶつ種しゅ183,000件けん、そして病気びょうき.5,400件けんが含ふくまれている。DBペディア・データセットは、これら364万まん件けんの事物じぶつの名前なまえと概要がいようを最大さいだい97言語げんごで提供ていきょうするほか、2,724,000件けんの画像がぞうへのリンクと6,300,000件けんの外部がいぶウェブ・ページへのリンク、6,200,000件けんの別べつのRDFデータセットへの外部がいぶリンク、740,000件けんのウィキペディアのカテゴリ、そして2,900,000件けんのYAGO2のカテゴリも提供ていきょうする。このデータセットから、複数ふくすうページに分散ぶんさんする情報じょうほうを抽出ちゅうしゅつすることができる。例たとえば、ある著作ちょさく者しゃの作品さくひんに関かんするページやその著作ちょさく者しゃ自身じしんに関かんするページをまとめ上あげることができる。

DBペディア・プロジェクトは、RDF (Resource Description Framework) を使用しようして情報じょうほうを抽出ちゅうしゅつする。2011年ねん9月がつ (2011-09)現在げんざい、DBペディア・データセットは10億おく件けん以上いじょうの情報じょうほう（RDFトリプル）から構成こうせいされ、うち3億おく8500万まん件けんは英語えいご版ばんウィキペディアから、6億おく6500万まん件けんは他たの言語げんご版ばんからそれぞれ抽出ちゅうしゅつされたものである[7]。

ウィキペディアから情報じょうほう抽出ちゅうしゅつする際さいの問題もんだいの1つは、例たとえば「出身しゅっしん地ち」と「出生しゅっしょう地ち」のように、同どう一いち概念がいねんが複数ふくすうのテンプレートで異ことなるプロパティとして表現ひょうげんされ得える、ということである。このため、ある人ひとが生誕せいたんした場所ばしょを問とい合あわせる場合ばあい、より完全かんぜんな結果けっかを得えるためには、それら両方りょうほうのプロパティを検索けんさくする必要ひつようがある。このため、これらのプロパティとオントロジーとのマッピングを行おこない同義語どうぎごの数かずを減へらすために、DBペディア・マッピング言語げんご (DBpedia Mapping Language) が開発かいはつされた。ウィキペディアで使用しようされているインフォボックスやプロパティは非常ひじょうに多様たようであるため、誰だれでも参加さんかできるように開発かいはつとマッピング改善かいぜんのプロセスは公開こうかいされている[8]。

例れい

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DBペディアはウィキペディアのページから情報じょうほうを抽出ちゅうしゅつする。利用りよう者しゃは、多数たすうのウィキペディアの記事きじに分散ぶんさんしている情報じょうほうに対たいして問とい合あわせを行おこなうことができる。データへのアクセスは、SPARQLというRDF用ようのSQLライクな問とい合あわせ言語げんごで行おこなう。例たとえば、日本にっぽんの少女しょうじょ漫画まんがシリーズの東京とうきょうミュウミュウに興味きょうみがあり、そのイラストレーターによる他たの作品さくひんを見みつけたい場合ばあい、DBペディアはウィキペディアの東京とうきょうミュウミュウ、征せい海うみ未み亜あ、そしてスーパードール★リカちゃんや恋こいきゅー♥といった作品さくひんに関かんする項目こうもくから情報じょうほうを抽出ちゅうしゅつし、1つにまとめる。DBペディアは情報じょうほうを単一たんいつデータベースに正規せいき化かするため、どの項目こうもくがどの情報じょうほうを持もっているか正確せいかくに知しらなくても、以下いかのクエリーで問とい合あわせし、関連かんれん情報じょうほうの一覧いちらんを得えることができる。 

 PREFIX dbprop: <http://dbpedia.org/property/>
 PREFIX db: <http://dbpedia.org/resource/>
 SELECT ?who ?work ?genre WHERE { 
  db:Tokyo_Mew_Mew dbprop:illustrator ?who .
  ?work  dbprop:author ?who .
  OPTIONAL { ?work dbprop:genre ?genre } .
 }

用途ようと

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DBペディアは人類じんるいの知識ちしきの広範こうはんな領域りょういきをカバーするため、そのコンセプトにリンク可能かのうな外部がいぶデータセットを結むすび付つけるハブとなる[9]。DBペディア・データセットは、ウェブに存在そんざいする他ほかの様々さまざまなオープン・データ・データセットと、RDFレベルでインターリンクされている。2011年ねん1月がつ (2011-01)現在げんざい、DBペディアと次つぎのような外部がいぶデータセットとの間あいだに650万まん件けん以上いじょうのインターリンクが存在そんざいしている：Freebase、OpenCyc、UMBEL、GeoNames、Musicbrainz、CIAワールド・ファクト・ブック、DBLP、プロジェクト・グーテンベルク、DBtune Jamendo、ユーロスタット、Uniprot、Bio2RDF、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国勢調査こくせいちょうさ（US Census）のデータ[10][11]。トムソン・ロイター・イニシアティブ・オープン・クラリス、ニューヨーク・タイムズのリンクド・オープン・データ・プロジェクト、Zemanta API、そしてDBペディア・スポットライトもまた、DBペディアへのリンクを持もっている[12][13][14]。BBCは、DBペディアで自社じしゃコンテンツの体系たいけい化かを行おこなっている[15][16]。Favikiは、DBペディアをセマンティック・タギングのために使用しようしている[17]。

Amazonは、Amazon Web Servicesアプリケーションとの統合とうごうが可能かのうな「パブリック・データ・セット」をDBペディアに提供ていきょうしている[18]。

脚注きゃくちゅう

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[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]
  1. ^ “DBpedia 3.8 released, including enlarged Ontology and additional localized Versions”. DBpedia Blog (August 06, 2012). 2012年ねん10月がつ31日にち閲覧えつらん。
  2. ^ Bizer, Christian; Lehmann, Jens; Kobilarov, Georgi; Auer, Soren; Becker, Christian; Cyganiak, Richard; Hellmann, Sebastian (September 2009). “DBpedia - A crystallization point for the Web of Data”. Web Semantics: Science, Services and Agents on the World Wide Web 7 (3): 154–165. ISSN 1570-8268. http://www.wiwiss.fu-berlin.de/en/institute/pwo/bizer/research/publications/Bizer-etal-DBpedia-CrystallizationPoint-JWS-Preprint.pdf. 
  3. ^ “Komplett verlinkt - Linked Data” (German). 3sat (2009年ねん6月がつ19日にち). 2009年ねん11月がつ10日とおか閲覧えつらん。
  4. ^ “Sir Tim Berners-Lee Talks with Talis about the Semantic Web”. Talis (7 February 2008). 2012年ねん10月がつ31日にち閲覧えつらん。
  5. ^ “DBpedia Japanese”. 2013年ねん6月がつ5日にち閲覧えつらん。
  6. ^ , http://wiki.dbpedia.org/Team+2009年ねん11月23日にち閲覧えつらん。 
  7. ^ “DBpedia dataset”. DBpedia. 2008年ねん9月がつ26日にち閲覧えつらん。
  8. ^ “DBpedia Mappings”. mappings.dbpedia.org. 2010年ねん4月がつ3日にち閲覧えつらん。
  9. ^ E. Curry, A. Freitas, and S. O’Riáin, “The Role of Community-Driven Data Curation for Enterprises,” in Linking Enterprise Data, D. Wood, Ed. Boston, MA: Springer US, 2010, pp. 25-47.
  10. ^ “Statistics on links between Data sets”, SWEO Community Project: Linking Open Data on the Semantic Web (W3C), http://esw.w3.org/topic/TaskForces/CommunityProjects/LinkingOpenData/DataSets/LinkStatistics 2009年ねん11月24日にち閲覧えつらん。 
  11. ^ “Statistics on Data sets”, SWEO Community Project: Linking Open Data on the Semantic Web (W3C), http://esw.w3.org/topic/TaskForces/CommunityProjects/LinkingOpenData/DataSets/Statistics 2009年ねん11月24日にち閲覧えつらん。 
  12. ^ “First 5,000 Tags Released to the Linked Data Cloud”. open.blogs.nytimes.com. (2009年ねん10月がつ29日にち). http://open.blogs.nytimes.com/2009/10/29/first-5000-tags-released-to-the-linked-data-cloud/ 2009年ねん11月がつ10日とおか閲覧えつらん。 
  13. ^ “Life in the Linked Data Cloud”. www.opencalais.com. 2009年ねん11月がつ10日とおか閲覧えつらん。 “Wikipedia has a Linked Data twin called DBpedia. DBpedia has the same structured information as Wikipedia – but translated into a machine-readable format.”
  14. ^ “Zemanta talks Linked Data with SDK and commercial API”. blogs.zdnet.com. 2009年ねん11月がつ10日とおか閲覧えつらん。 “Zemanta fully supports the Linking Open Data initiative. It is the first API that returns disambiguated entities linked to dbPedia, Freebase, MusicBrainz, and Semantic Crunchbase.”
  15. ^ “European Semantic Web Conference 2009 - Georgi Kobilarov, Tom Scott, Yves Raimond, Silver Oliver, Chris Sizemore, Michael Smethurst, Christian Bizer and Robert Lee. Media meets Semantic Web - How the BBC uses DBpedia and Linked Data to make Connections”. www.eswc2009.org. 2009年ねん11月がつ10日とおか閲覧えつらん。[リンク切きれ]
  16. ^ “BBC Learning - Open Lab - Reference”. bbc.co.uk. 2009年ねん11月がつ10日とおか閲覧えつらん。 “Dbpedia is a database version of Wikipedia. It's used in a lot of projects for a wide range of different reasons. At the BBC we are using it for tagging content.”[リンク切きれ]
  17. ^ “Semantic Tagging with Faviki”. www.readwriteweb.com. 2012年ねん10月がつ31日にち閲覧えつらん。
  18. ^ “Amazon Web Services Developer Community : DBpedia”. developer.amazonwebservices.com. 2009年ねん11月がつ10日とおか閲覧えつらん。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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