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fMRI

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
fMRI 計測けいそくによってられる画像がぞう移動いどうする視覚しかく刺激しげきているさいのう活動かつどうを、安静あんせいのう活動かつどう複数ふくすう実験じっけん参加さんかしゃ比較ひかくしたもの。fMRI 計測けいそくによってられた活動かつどうりょう (統計とうけい) は黄色おうしょくとオレンジでしめされており、灰色はいいろしめした実験じっけん参加さんかしゃ平均へいきんのう画像がぞうかさわされている。この画像がぞうではいち視覚しかくそと線条せんじょう皮質ひしつ外側そとがわひざじょうからだ活動かつどうしていることがかる。
カリフォルニア大学だいがくバークレーこうヘレン・ウィルズ神経しんけい科学かがく研究所けんきゅうじょ (Helen Wills Neuroscience Instituteのう画像がぞうセンターにある4T fMRIスキャナー(画像がぞう作成さくせい:2005ねん)
MRIの画像がぞうからつくられたアニメーション画像がぞうあたまうえからまっすぐした移動いどうしている、左上ひだりうえ頭部とうぶそとあらわれるてんは、画像がぞうみぎひだり間違まちがえないよう、ビタミンE錠剤じょうざいあたまよこにテープでっておいたもの

fMRI (functional magnetic resonance imaging) はMRIかく磁気じき共鳴きょうめい参照さんしょう)を利用りようして、ヒトおよび動物どうぶつのう脊髄せきずい活動かつどう関連かんれんしたりゅう動態どうたい反応はんのう視覚しかくする方法ほうほうひとつである。最近さいきんニューロイメージングなかでももっと発達はったつした手法しゅほうひとつである。

のうりゅう動態どうたい

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100ねん以上いじょうまえから、のうりゅう酸素さんそ程度ていど神経しんけい活動かつどうには密接みっせつ関係かんけいがあることがられていた[1]神経しんけい細胞さいぼう活動かつどうするとき、局所きょくしょ毛細血管もうさいけっかん赤血球せっけっきゅうヘモグロビンによってはこばれた酸素さんそ消費しょうひされる。酸素さんそ利用りよう局所きょくしょ反応はんのうともなりゅう増加ぞうか血液けつえきりょう流量りゅうりょう)がきることがられている。 毛細血管もうさいけっかんない酸素さんそ交換こうかんこり、酸化さんかヘモグロビンが酸素さんそ組織そしきわたすことで、一時いちじてきだつ酸化さんかヘモグロビンが増加ぞうかする。さらに時間じかんてき遅延ちえんして(1〜5びょう程度ていどのうりゅう増加ぞうかすることで、酸化さんかヘモグロビンが増加ぞうかだつ酸化さんかヘモグロビンが減少げんしょうする。この反応はんのうは6〜10びょう程度ていど最大さいだいとなる。  

原理げんり

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T2*強調きょうちょう画像がぞうほうおものうりゅう動態どうたい測定そくていする場合ばあい計測けいそく原理げんり形態けいたい画像がぞうによるMRIに、りゅう変化へんかによる信号しんごう変化へんか統計とうけい処理しょりしたマップをかさねることのう活動かつどう画像がぞうしている。T2*強調きょうちょう画像がぞうほうでは、MRIのシーケンスを使用しようして、T2*信号しんごう差違さい検出けんしゅつする。安静あんせい比較ひかくして、賦活ふかつ課題かだいちゅう静脈じょうみゃくからの信号しんごう上昇じょうしょう見込みこまれる。

毛細血管もうさいけっかん静脈じょうみゃくでは、のうりゅう変化へんかたいするT2*信号しんごう変化へんかじょことなることがわかっている。 ヘモグロビンは酸化さんかされているとはん磁性じせいたいであるが、だつ酸化さんか状態じょうたいだとつね磁性じせいたいとなる。それ血液けつえきかく磁気じき共鳴きょうめい信号しんごう静脈じょうみゃくでは、はん磁性じせいたい酸化さんかヘモグロビンの変化へんかには影響えいきょうされにくく、つね生体せいたいだつ酸化さんかヘモグロビンの変化へんか依存いぞんして変化へんかしやすい。一方いっぽう毛細血管もうさいけっかんでは、そうヘモグロビンあるいは血液けつえきりょう変化へんかにも依存いぞんし、かならずしも、つね生体せいたいだつ酸化さんかヘモグロビンの変化へんか線形せんけい比例ひれいして、信号しんごう変化へんかこらない。


これら静脈じょうみゃくこる信号しんごう増加ぞうかのソースは、inflow効果こうか血液けつえき流入りゅうにゅう)、BOLD効果こうかだつ酸化さんかヘモグロビンの減少げんしょう)など様々さまざま要因よういん関与かんよすると説明せつめいされている。信号しんごう減少げんしょうこった場合ばあいには、生理せいりてき説明せつめい複雑ふくざつし、諸説しょせつかれている。 一般いっぱんには、こう磁場じば装置そうちもちいても酸素さんそ交換こうかん現場げんばである毛細血管もうさいけっかんからの信号しんごう変化へんかはT2*強調きょうちょう画像がぞうほう検出けんしゅつしにくいとかんがえられている。

問題もんだいてん

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T2*強調きょうちょう画像がぞうほうによって計測けいそくすることで、毛細血管もうさいけっかん静脈じょうみゃくのように血管けっかんみちおおきさによって、信号しんごうことなった変化へんかをすることが、シミュレーションによっても、じつ計測けいそくによってもあきらかになっている。毛細血管もうさいけっかんからの信号しんごう静脈じょうみゃく信号しんごうよりもちいさいことは、1993ねん小川おがわ誠二せいじベル研究所けんきゅうじょミネソタ大学だいがく共同きょうどう研究けんきゅう報告ほうこくされている。

また、とき系列けいれつ情報じょうほうったT2*強調きょうちょう画像がぞうほう(A)では一般いっぱんてきにdistortionがしょうじやすく、画像がぞうほうもちいた形態けいたい画像がぞう(B)との位置いちわせのずれが指摘してきされているが、(A)自体じたい形態けいたい情報じょうほう存在そんざいしている。しかし、(A)の画像がぞうあらいため、画像がぞうほう位置いちわせをして研究けんきゅう発表はっぴょうなどにもちいることがおおい。

分解能ぶんかいのう

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一般いっぱんに、こう磁場じばのものほどたか空間くうかん分解能ぶんかいのうっている。たとえばミネソタ大学だいがく米国べいこく)の7テスラの装置そうち使つかったデータでは、のう組織そしき信号しんごうよりも、おもてざい静脈じょうみゃく信号しんごうつよ検出けんしゅつされることがしめされている。理化学研究所りかがくけんきゅうしょのう科学かがく総合そうごう研究けんきゅうセンターから、4テスラの装置そうち使つかった1mm未満みまん空間くうかん分解能ぶんかいのう可能かのうせい指摘してきするかつのう報告ほうこくもある。 また、神経しんけい活動かつどう開始かいししたのち明瞭めいりょう信号しんごう時間じかん変化へんかはじまるまでに1〜3びょう程度ていどかかることが報告ほうこくされている。すなわち、血液けつえき毛細血管もうさいけっかん通過つうか時間じかんをすぎ、静脈じょうみゃくしょう時間じかんたいでより信号しんごう変化へんかこるので、神経しんけい活動かつどうとほぼ同時どうじにおこる酸素さんそ交換こうかん反応はんのうたか時間じかん分解能ぶんかいのうるのはむずかしいとされている。

医療いりょう分野ぶんや以外いがいでの利用りよう

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神経しんけい経済けいざいがく

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行動こうどう経済けいざいがくでは合理ごうりてき経済けいざいじん実際じっさい人間にんげん乖離かいり様々さまざま実験じっけんてき手法しゅほうによりあつかうが、神経しんけい科学かがくてき人間にんげん意思いし決定けっていプロセスを定量ていりょうてきあつか神経しんけい経済けいざいがくてき手法しゅほうに fMRI がしばしばもちいられている[2][3]

れいとして、FKF Applied Researchは、カリフォルニア大学だいがくロサンゼルスこう(UCLA)のAhmanson Lovelace Brain Mapping Centerの協力きょうりょくにより、2006ねんと2007ねんスーパーボウルにおける、広告こうこく効果こうか測定そくていするために、fMRIを使用しよう視聴しちょうしゃのう活動かつどう測定そくていした[4][5]。2007ねんのスーパーボウルにおいて、人々ひとびとのう前向まえむきな感情かんじょうした最高さいこうのコマーシャルはコカ・コーラで、最低さいていのコマーシャルはGM「Robot」だと結論けつろんけた[4]

出典しゅってん

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  1. ^ Roy CS, Sherrington CS (January 1890). “On the Regulation of the Blood-supply of the Brain”. Journal of Physiology 11 (1-2): 85–158.17. 
  2. ^ 小田おだそう兵衛ひょうえ神経しんけい経済けいざいがく経済けいざいがく貢献こうけんするか? : 時間じかん選好せんこうのfMRI実験じっけんれいに(<特集とくしゅう>のう機能きのうイメージングのひろがり)」『システム/制御せいぎょ/情報じょうほう : システム制御せいぎょ情報じょうほう学会がっかいだい53かんだい4ごう、Apr 2009、131–136ぺーじISSN 09161600NAID 110007162149 
  3. ^ すぐにもらえるちいさい報酬ほうしゅう将来しょうらいにもらえるおおきい報酬ほうしゅうか—神経しんけい経済けいざいがくで「人間にんげん行動こうどう」を”. 大阪大学おおさかだいがく. 2016ねん9がつ23にち閲覧えつらん[リンク]
  4. ^ a b スーパーボウルのしん勝者しょうしゃは?--べい研究けんきゅうしゃら、fMRIで分析ぶんせき Stefanie Olsen(CNET News.com)翻訳ほんやく校正こうせい尾本おもと香里かおり編集へんしゅう) 2007ねん2がつ6にち 2009-10-22閲覧えつらん
  5. ^ スーパーボウルで視聴しちょうしゃ印象いんしょうのこった広告こうこくは?--べい研究けんきゅうしゃら、fMRIでかす Stefanie Olsen(CNET News.com)2006ねん2がつ8にち 2009-10-22閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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