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ImageJ

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』
ImageJ
ロゴ
ImageJ のロゴ
ImageJのスクリーンショット。
開発元かいはつもと Wayne Rasband (NIH)
初版しょはん Version 0.46 and Earlier
最新さいしんばん
1.54h / 2023ねん12月15にち (8かげつまえ) (2023-12-15)[1]
リポジトリ ウィキデータを編集
対応たいおうOS WindowsmacOSLinux
プラットフォーム クロスプラットフォームJavaベース)
サイズ

やく 7MB(JavaVMなし 展開てんかい)

やく 108MB(JavaVMあり 展開てんかい)
種別しゅべつ 画像がぞう処理しょり
ライセンス パブリックドメイン
公式こうしきサイト ImageJ ホーム
テンプレートを表示ひょうじ

ImageJオープンソースパブリックドメイン画像がぞう処理しょりソフトウェアである[2][3][4]Java仮想かそうマシンうえ動作どうさし、プラグインやマクロによる拡張かくちょうせいたか[4]科学かがく研究けんきゅうにおける画像がぞう解析かいせきひろ利用りようされ、生物せいぶつがくではデファクト・スタンダードの解析かいせきツールとなっている。

デジタルカメラ撮影さつえいした写真しゃしんなどの画像がぞう処理しょりもちいられる写真しゃしん編集へんしゅうソフトウェアでは、だれでも使つかえる直感ちょっかんてき操作性そうさせいわる重視じゅうしするため、ぎゃく内部ないぶ演算えんざんがわかりにくくなることがある。これにたいしてImageJでは、各種かくしゅ画像がぞう処理しょりもちいられる数値すうち計算けいさんのパラメータがかりやすいユーザーインターフェイスそなえており、ピクセル数値すうちもと再現さいげんせいたか計算けいさん処理しょりおこなうことが可能かのうである。ユーザーによってかれたプラグインぐんは、さまざまな画像がぞう処理しょり解析かいせき課題かだい対応たいおうしている(#拡張かくちょうせいこう参照さんしょう)。同時どうじにその拡張かくちょうせい容易たやすさゆえ、画像がぞう処理しょり教育きょういく現場げんばでもポピュラーである[5][6]。また、オープンソースであるため、処理しょり過程かていをすべて確認かくにんすることができる。計算けいさん過程かていにブラックボックスがない、というてんでも科学かがく研究けんきゅうでの使用しようてきしている。ソースコードGitHub公開こうかいされている[7]

動作どうさ環境かんきょう

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WindowsばんとLinuxばんにおいてはJava1.8のVMまれており、Javaの実行じっこう環境かんきょうがなくても作動さどうする。Mac OS Xばんにおいては、OSにおうじてことなるバージョンをダウンロードする必要ひつようがある[8]。またPlatform IndependentばんにおいてはJavaVMがはいっていないため、実行じっこうにはJava実行じっこう環境かんきょう用意よういする必要ひつようがある(そもそもPlatform IndependentばんはJava実行じっこう環境かんきょうがすでにあるデバイスけのバージョンである)[9]

ダウンロードアプリケーションとしてのほかJavaアプレットとしても動作どうさする。

開発かいはつ小史しょうし

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ImageJは、アメリカ国立こくりつ衛生えいせい研究所けんきゅうじょ (NIH) でWayne Rasbandにより開発かいはつはじめられた[4]最初さいしょのリリースは1997ねんである[4]。ImageJにはその思想しそうてき祖先そせんとしてWayne Rasbandが開発かいはつおこなったNIH Imageがある[4]。NIH Imageの最初さいしょのリリースは1987ねんはるであり、電気でんきおよげどうのゲルのバンドを定量ていりょうすることを目的もくてきとしていた。開発かいはつ言語げんごPascalであった。開発かいはつのきっかけはApple Macintosh IIであり、その拡張かくちょうせいGUI、グラフィックス、開発かいはつ言語げんごPascalのサポートに刺激しげきをうけた、とWayne Rasband自身じしんかたっている。この草創そうそうのNIH Imageでは、ドラムしきスキャナにより画像がぞう入力にゅうりょくし、ジョイスティックを使つかってROI設定せっていおこなうというインターフェイスであった。

NIHImageは動作どうさ環境かんきょうがMac OSのみという制約せいやくがあった[4]ため、サン・マイクロシステムズがJava言語げんごをリリースしたことをきっかけとし、90年代ねんだい後半こうはんにJava仮想かそうマシンじょう動作どうさするImageJが構想こうそうされその開発かいはつはじまった。メニューの外見がいけん構成こうせいはNIH Imageのおおくを継承けいしょうし、その機能きのうつづ科学かがく研究けんきゅうてきした特徴とくちょうゆうしている。NIHを退職たいしょくしたWayne Rasbandは2015ねん現在げんざいでも自宅じたくから日々ひび開発かいはつ続行ぞっこうしておりあらたな機能きのう追加ついかつづけている。

基本きほん機能きのう

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1/8/16ビット整数せいすうグレースケール、32ビット浮動ふどう小数しょうすうグレースケール、および24ビットRGB/32ビットRGBAカラー画像がぞう[10]編集へんしゅう解析かいせき画像がぞう処理しょり保存ほぞん、および印刷いんさつすることができる。同時どうじ処理しょりできる画像がぞうかずは、物理ぶつりメモリの搭載とうさいりょうおよびOSのアプリケーションメモリ空間くうかん制限せいげん依存いぞんする。

  • TIFFPNGGIFJPEGBMPDICOMAVIなどの画像がぞうフォーマット対応たいおう
  • さまざまな顕微鏡けんびきょうメーカー、カメラメーカーの特殊とくしゅ画像がぞうフォーマット (たとえばZeissの.lsm、Leicaの.lif) にも対応たいおうしている。これらの特殊とくしゅなフォーマットの対応たいおう情報じょうほうは、Loci Bioformatsのページで確認かくにんすることができる。
  • 3次元じげんスタック画像がぞう (multi-tif画像がぞう) に対応たいおう
  • マルチスレッド処理しょり実装じっそうされており、複数ふくすう処理しょり並行へいこうしておこなう。とくにスタック画像がぞうではマルチコアCPUによる並列へいれつ処理しょり威力いりょく発揮はっきする。
  • スタック画像がぞう断層だんそう可視かし
  • ImageJはマウスによるROI (Region of Interest) を実装じっそうしている。ROIの面積めんせき、ピクセル統計とうけい形態けいたいパラメータを測定そくていすることができる。
  • 電気でんきおよげどうゲル写真しゃしんのバンドの濃度のうど測定そくてい機能きのう開発かいはつ当初とうしょからの機能きのうであり、よくられた機能きのうのひとつとなっている。
  • ピクセルに閾値を設定せっていし、選択せんたく範囲はんい指定していすることができる。基本きほんてき分節ぶんせつ機能きのうである。
  • 距離きょり角度かくど測定そくてい
  • ピクセルヒストグラム表示ひょうじ
  • 任意にんい直線ちょくせんじょうのピクセル輝度きど分布ぶんぷ(プロファイル)の測定そくていとプロット。測定そくてい数値すうちデータはファイルとして取得しゅとくできる。
  • 画像がぞうあいだ論理ろんり演算えんざん
  • コントラスト増強ぞうきょう
  • たた
  • フーリエ解析かいせき
  • シャープネス
  • スムーズ処理しょり
  • エッジ検出けんしゅつ
  • メディアンフィルタ
  • スケール設定せってい
  • 回転かいてん反転はんてん
  • メモリのゆるかぎなんまいでも画像がぞう表示ひょうじすることができる。

よりくわしい解説かいせつImageJ User Guide参照さんしょうのこと。

拡張かくちょうせい

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Javaプラグインや、記録きろく可能かのうマクロによる機能きのう拡張かくちょう可能かのうである[4]。ImageJが内蔵ないぞうするJavaコンパイラもちいて、撮影さつえい解析かいせき画像がぞう処理しょりなどのさまざまな追加ついか機能きのう手軽てがる自作じさくし、プラグインかたち導入どうにゅうできる。世界中せかいじゅう研究けんきゅうしゃ各自かくじ用途ようとわせて独自どくじのプラグインを開発かいはつしており、これらのおおくがImageJホームページにて公開こうかいされ手軽てがる入手にゅうしゅできる。優秀ゆうしゅうなプラグインは正式せいしきばん機能きのうくわえられることもおおい。

ディストリビューション

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さまざまなプラグインをあらかじめどうこりしたパッケージもなに種類しゅるい配布はいふされている。なかでもメジャーなのはFiji(Fiji Is Just ImageJ)である[11][4]。ImageJのコマンドは500ほどであるが、Fijiでは900ほどになる。豊富ほうふな3次元じげん画像がぞう解析かいせき機能きのうほかに、プラグインの自動じどうアップデート機能きのうやスクリプティング機能きのうJavaScript、Jython、JRuby、BeanShell、Clojure、ImageJ Macro)とオリジナルのエディタが特徴とくちょうてきである。2018ねんからFijiはImageJの後継こうけいとなる通称つうしょうImageJ2の開発かいはつチームが融合ゆうごうし、事実じじつじょうImageJ2の配布はいふプラットフォームともなった。ImageJ2はFijiのチームが開発かいはつしてきたImglib2を中核ちゅうかくとしており、スクリプトやプラグインをくことでその多様たようでジェネリックな機能きのう使用しようすることが可能かのうである。

論文ろんぶんへの引用いんよう

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ImageJを使つかって解析かいせきした結果けっか画像がぞう論文ろんぶん掲載けいさいするさいには、論文ろんぶんつぎ引用いんようおこなうことが推奨すいしょうされている。ダウンロードは無料むりょうであるが、こうしたかたちでのクレジットが助成じょせいきん開発かいはつ続行ぞっこうするために今後こんご必要ひつようとなる。

  1. Rasband, W.S., ImageJ, U. S. National Institutes of Health, Bethesda, Maryland, USA, http://imagej.nih.gov/ij/, 1997-2012.
  2. Schneider, C.A., Rasband, W.S., Eliceiri, K.W. "NIH Image to ImageJ: 25 years of image analysis". Nature Methods 9, 671-675, 2012.[2]

文献ぶんけん脚注きゃくちゅう

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  1. ^ ·ImageJ Release Notes
  2. ^ a b Schneider CA, Rasband WS, Eliceiri KW (2012). "NIH Image to ImageJ: 25 years of image analysis". Nat Methods9 (7): 671–675. doi:10.1038/nmeth.2089PMID 22930834
  3. ^ Collins TJ (July 2007). "ImageJ for microscopy". BioTechniques43 (1 Suppl): 25–30. doi:10.2144/000112517PMID 17936939
  4. ^ a b c d e f g h くちめいなつ麿まろ画像がぞう解析かいせきツールImageJ」『映像えいぞう情報じょうほうメディア学会がっかいだい74かんだい2ごう映像えいぞう情報じょうほうメディア学会がっかい、2020ねん、346-348ぺーじdoi:10.3169/itej.74.346 
  5. ^ Burger W, Burge M (2007). Digital Image Processing: An Algorithmic Approach Using JavaSpringerISBN 1-84628-379-5.
  6. ^ Dougherty, G (2009). Digital Image Processing for Medical ApplicationsCambridge University PressISBN 978-0-521-86085-7.
  7. ^ imagej/imagej1: Wayne Rasband's ImageJ 1.x repository, updated once a night. To develop this code, use https://github.com/imagej/ImageJA.
  8. ^ macOSClassic Mac OSWindowsLinuxようのダウンロードが用意よういされている。
  9. ^ Download”. imagej.nih.gov. 2023ねん8がつ2にち閲覧えつらん
  10. ^ ImageJ User Guide - IJ 1.46r | Image Types
  11. ^ Johannes Schindelin; Ignacio Arganda-Carreras; Erwin Frise; Verena Kaynig; Mark Longair; Tobias Pietzsch; Stephan Preibisch; Curtis Rueden et al. (2012). “Fiji: an open-source platform for biological-image analysis”. Nature Methods (Springer Nature) 9: 676–682. doi:10.1038/nmeth.2019. 

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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ImageJプラグイン配付はいふサイト

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ImageJプラグイン配付はいふサイト (サードパーティー)

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以下いかのリストは比較的ひかくてきふる内容ないようである。これにかぎらず日々ひびあたらしいプラグインが公表こうひょうされているので、目的もくてきおうじて検索けんさくすることをおすすめする。