MiG-3 (航空機こうくうき)

MiG-3 / МиГ-3

第だい172戦闘せんとう航空こうくう連隊れんたいに引ひき渡わたされるMiG-3
(1942年ねん2月がつ23日にち撮影さつえい)

• 用途ようと：戦闘せんとう機き、偵察ていさつ機き
• 分類ぶんるい：戦闘せんとう機き→偵察ていさつ機き
• 製造せいぞう者しゃ：ミコヤン・グレヴィッチ設計せっけい局きょく
• 運用うんよう者しゃ： ソビエト連邦れんぽう（赤色あかいろ空軍くうぐん、防空ぼうくう軍ぐん、赤色あかいろ海軍かいぐん航空こうくう隊たい）
• 初はつ飛行ひこう：1940年ねん10月29日にち (I-200 4号機ごうき)
• 生産せいさん数すう：約やく3,000機き
• 運用うんよう開始かいし：1940年ねん11月20日にち
• 運用うんよう状じょう況きょう：退役たいえき

MiG-3（ミグ3 / ロシア語ご：МиГ-3 ミーク・トリー）は、ソ連それんのミコヤン・グレヴィッチ設計せっけい局きょくが開発かいはつし、ソヴィエト連邦れんぽう赤色あかいろ空軍くうぐんで運用うんようされた戦闘せんとう機き。後のちに戦術せんじゅつ偵察ていさつ機きに任務にんむが変更へんこうされた。

概要がいよう

MiG-1を原型げんけいとして、高々たかだか度ど用ようの過か給きゅう器きを付つけた液えき冷ひやエンジンAM-35Aを搭載とうさいする、高々たかだか度ど戦闘せんとう用ようの高速こうそく戦闘せんとう機きである。

最大さいだい速度そくど640km、実用じつよう上昇じょうしょう限度げんどは12000m。

MiG-1からの改修かいしゅう点てんとして、エンジンの変更へんこうに伴ともない補助ほじょ燃料ねんりょうタンクを増設ぞうせつしていること、キャノピー形状けいじょうを変更へんこうして操縦そうじゅう席せきからの後方こうほう視界しかいを向上こうじょうさせたこと、主翼しゅよくの上反かみたん角かくを増ふやして機体きたい安定あんてい性せいを向上こうじょうさせたこと、などがあげられる。

3,000機き（3,300機きという説せつもある）が生産せいさんされたが、上記じょうきエンジンの生産せいさん中止ちゅうしに伴ともない、生産せいさんを終了しゅうりょうした。

主おもな発展はってん型がた

MiG-3（初期しょき型がた）

最初さいしょの生産せいさんモデル。高こう出力しゅつりょく液えき冷ひやエンジンAM-35Aエンジンを搭載とうさいする。1940年ねん12月がつ20日はつかに初はつ飛行ひこう(生産せいさん1号機ごうき)。

MiG-3（後期こうき型がた）

防弾ぼうだん鋼板こうはんの増ぞう厚あつ、不ふ活性かっせい化かシステムの実装じっそうによる防御ぼうぎょ力りょくの強化きょうかや、空戦くうせん性能せいのうの改善かいぜんを目的もくてきとした前ぜん縁えんスラットの実装じっそうなどが行おこなわれた。1941年ねん7月がつ10日にち以降いこう生産せいさん開始かいし。

MiG-3 AM-38

低てい高度こうどにおける性能せいのう改善かいぜんを目的もくてきとして試験しけんされたAM-38エンジン搭載とうさい型がた。1941年ねん7月がつ31日にち初はつ飛行ひこう。

I-210（MiG-9）

空冷くうれいエンジンであるM-82を搭載とうさいした試作しさく機き。前線ぜんせんにおける評価ひょうかが行おこなわれたが、性能せいのうが見込みこみより低ひくく採用さいようされなかった。この名称めいしょうは戦後せんごのジェット機じぇっときであるMiG-9で再さい利用りようされた。

I-211（MiG-9Ye）

I-210のカウルを再さい設計せっけいし、エンジンをM-82Fに換かわ装そうしたもの。性能せいのうは大幅おおはばに改善かいぜんされたが、既存きそんの生産せいさんラインを置おき換かえるほどでは無ないとし、こちらも不ふ採用さいように終おわった。

I-230（MiG-3U）

空そら力りょく洗練せんれんとして冷却れいきゃく器き周まわりなど各部かくぶの再さい設計せっけいを行おこなった改良かいりょう型がた。機首きしゅにはShVAK 20mm機関きかん砲ほうを2門もんを備そなえており、MiG-3より大おおきく強化きょうかされている。防空ぼうくう部隊ぶたいに送おくられ試験しけんが行おこなわれたが、AM-35エンジンの生産せいさん終了しゅうりょうにより量産りょうさんに入はいることは無なかった。

I-231

I-230にAM-39Aエンジン (離はなれ昇のぼり1,800hp) を搭載とうさいした強化きょうか型がた。1943年ねんに試験しけんが行おこなわれているが、AM-39A自体じたいが試作しさくに終おわった為ため量産りょうさんされなかった。

諸しょ元もと

MiG-3

出典しゅってん: MiG: Fifty Years of Secret Aircraft Design

諸しょ元もと

• 乗員じょういん: 1名めい
• 全長ぜんちょう: 8.25 m （27 ft 1 in）
• 全高ぜんこう: 3.30 m （10 ft 9 7/8 in）
• 翼つばさ幅はば: 10.20 m（33 ft 5 in）
• 翼つばさ面積めんせき: 17.44 m² （188 ft²）
• 翼つばさ型がた: クラーク YH
• 空虚くうきょ重量じゅうりょう: 2699 kg （5965 lb）
• 運用うんよう時じ重量じゅうりょう: 3355 kg （7415 lb）
• 動力どうりょく: ミクーリン AM-35A 液えき冷ひやV12気筒きとう レシプロ、993 kW （1350 hp） × 1

性能せいのう

• 最大さいだい速度そくど: 640 km/h （398 mph, 346 kt） 高度こうど 7800 m
• 航続こうぞく距離きょり: 820 km （510 mi, 443海里かいり）
• 実用じつよう上昇じょうしょう限度げんど: 12,000 m （39,400 ft）
• 上昇じょうしょう率りつ: 8000 m まで12分ふん （26,250 ft まで12分ふん）
• 翼つばさ面めん荷重かじゅう: 155 kg/m² （39.3 lb/ft²）
• 馬力ばりき荷重かじゅう（プロペラ）: 0.30 kW/kg （0.40 hp/kg, 0.18 hp/lb）

武装ぶそう

• 固定こてい武装ぶそう:
  12.7 mm UBS 機関きかん銃じゅう × 1、
  7.62 mm ShKAS 機関きかん銃じゅう × 2

• 一部いちぶの機体きたいは、上記じょうきに加くわえて 12.7 mm UBK 機関きかん銃じゅう × 2を翼下よくかに備そなえるものもある。
• 固定こてい武装ぶそうのバリエーションには、12.7 mm UBS機関きかん銃じゅう × 2、または 20mm ShVAK 機関きかん砲ほう × 2の個体こたいも存在そんざいする。

• 爆ばく弾だん: 100 kg 爆ばく弾だん × 2 あるいは 82 mm RS-82 ロケット弾だん × 6

現存げんそんする機体きたい

型名かためい	番号ばんごう	機体きたい写真しゃしん	所在地しょざいち	所有しょゆう者しゃ	公開こうかい状じょう況きょう	状態じょうたい	備考びこう
MiG-3	SEAV.02.0154		アメリカ ヴァージニア州しゅう	軍事ぐんじ航空こうくう博物館はくぶつかん[1]	公開こうかい	飛行ひこう可能かのう	[2][3]
MiG-3	3872		ロシア		公開こうかい	飛行ひこう可能かのう	[4]
MiG-3			ロシア	ルサヴィア社しゃ[5]	非公開ひこうかい	飛行ひこう可能かのう	[6]
MiG-3			ロシア	第だい49軍ぐん兵士へいし記念きねん碑ひ	公開こうかい	静態せいたい展示てんじ
MiG-3	レプリカ		ロシア モスクワ州しゅう	空軍くうぐん中央ちゅうおう博物館はくぶつかん	公開こうかい	静態せいたい展示てんじ	機首きしゅ側面そくめんにある0.732のステンシルは、機体きたいのプロペラ減速げんそく比ひを示しめしている。 [7]

参考さんこう文献ぶんけん

• 『MiG-3 Aces of World War 2』Dmitriy Khazanov and Aleksander Medved 著ちょ、Osprey publishing、2012年ねん、ISBN 978-1-84908-442-0
• 『世界せかいの傑作けっさく機き No.149 第だい二に次じ大戦たいせんミグ戦闘せんとう機き』文ぶん林堂はやしどう、2013年ねん、ISBN 978-4-89319-218-9