『オックスフォード英語 えいご 辞典 じてん 』(オックスフォードえいごじてん、英 えい : Oxford English Dictionary ) は、オックスフォ おっくすふぉ ード大学 どだいがく 出版 しゅっぱん 局 きょく が刊行 かんこう する記述 きじゅつ 的 てき 英語 えいご 辞典 じてん である[2] 。略称 りゃくしょう はOED 。『オックスフォード英語 えいご 大 だい 辞典 じてん 』とも呼 よ ばれる。世界中 せかいじゅう の多様 たよう な英語 えいご の用法 ようほう を記述 きじゅつ するだけでなく、英語 えいご の歴史 れきし 的 てき 発展 はってん をも辿 たど っており、学者 がくしゃ や学術 がくじゅつ 研究 けんきゅう 者 しゃ に対 たい して包括 ほうかつ 的 てき な情報 じょうほう 源 げん を提供 ていきょう している[3] [4] 。
2015年 ねん 現在 げんざい の最新 さいしん 版 ばん である第 だい 2版 はん (1989年 ねん 刊行 かんこう ) は本体 ほんたい 20巻 かん (累計 るいけい 21,730頁 ぺーじ ) と補遺 ほい 3巻 かん (累計 るいけい 1,022頁 ぺーじ ) から構成 こうせい され、主要 しゅよう な見出 みだ し語数 ごすう は291,500、定義 ていぎ または図説 ずせつ のある小見出 こみだ し語 ご やその他 た の項目 こうもく を含 ふく めると615,100。そのうち発音 はつおん を記載 きさい した項目 こうもく は139,900、語源 ごげん を記載 きさい した項目 こうもく は219,800、用例 ようれい の引用 いんよう を記載 きさい した項目 こうもく は2,436,600である[5] 。ボランティア 方式 ほうしき により、多 おお くの用法 ようほう 、意味 いみ などの収集 しゅうしゅう に成功 せいこう した。
この辞典 じてん は古今 ここん 東西 とうざい の英語 えいご の文献 ぶんけん に現 あらわ れたすべての語彙 ごい について、語形 ごけい とその変化 へんか ・語源 ごげん ・文献 ぶんけん 初出 しょしゅつ 年代 ねんだい ・文献 ぶんけん 上 じょう の用例 ようれい の列挙 れっきょ ・厳密 げんみつ な語義 ごぎ 区分 くぶん とその変化 へんか に関 かん する最 もっと も包括 ほうかつ 的 てき な記述 きじゅつ を行 おこな うことをその特長 とくちょう とする。ギネス・ワールド・レコーズ によれば、約 やく 600,000語 ご を収録 しゅうろく するオックスフォード英語 えいご 辞典 じてん は世界 せかい で最 もっと も包括 ほうかつ 的 てき な単一 たんいつ の言語 げんご による辞書 じしょ 刊行 かんこう 物 ぶつ である[6] 。
Open Directory Project は、World Wide Web 上 うえ のウェブディレクトリ の分野 ぶんや で、この方法 ほうほう を踏襲 とうしゅう している。
編纂 へんさん ・発行 はっこう 史 し [ 編集 へんしゅう ]
1857年 ねん 、言語 げんご 学 がく 協会 きょうかい によって編纂 へんさん が開始 かいし される[7] (pp103–4,112) 。
1884年 ねん 、未 み 製本 せいほん の分冊 ぶんさつ 版 ばん が発行 はっこう され始 はじ める。それ以降 いこう も A New English Dictionary on Historical Principles; Founded Mainly on the Materials Collected by The Philological Society (NED ) の名 な の下 した に編纂 へんさん 事業 じぎょう は継続 けいぞく された[8] (p169) 。
1895年 ねん 、The Oxford English Dictionary (OED ) の表題 ひょうだい が最初 さいしょ に使用 しよう された合冊 がっさつ 版 ばん が非公式 ひこうしき に発行 はっこう される[9] 。
1928年 ねん 、全 ぜん 10巻 かん に製本 せいほん された完全 かんぜん 版 ばん が再 さい 発行 はっこう される。
1933年 ねん 、12冊 さつ の分冊 ぶんさつ と1冊 さつ の補遺 ほい 版 ばん として増刷 ぞうさつ された際 さい 、辞典 じてん の表題 ひょうだい がすべてThe Oxford English Dictionary (OED ) に置 お き換 か えられる[9] 。以後 いご も第 だい 2版 はん 刊行 かんこう まで補遺 ほい を重 かさ ねた[9] 。
1988年 ねん 、最初 さいしょ の電子 でんし 版 ばん が製作 せいさく され、利用 りよう 可能 かのう となる。
1989年 ねん 、全 ぜん 20巻 かん から成 な る第 だい 2版 はん が刊行 かんこう される。
2000年 ねん 、オンライン版 ばん が利用 りよう 可能 かのう となる。2014年 ねん 4月 がつ 時点 じてん で、一 いち か月 げつ に200万 まん 件 けん を超 こ えるアクセス数 すう があった。
同年 どうねん 、第 だい 3版 はん の編纂 へんさん が開始 かいし される。2014年 ねん 現在 げんざい までに全 ぜん 工程 こうてい のおよそ3分 ぶん の1が完了 かんりょう している。第 だい 3版 はん はおそらく電子 でんし 媒体 ばいたい でのみ発行 はっこう されるとみられている。オックスフォ おっくすふぉ ード大学 どだいがく 出版 しゅっぱん 局 きょく の最高 さいこう 経営 けいえい 責任 せきにん 者 しゃ であるナイジェル・ポートウッドは、書籍 しょせき 印刷 いんさつ 版 ばん について「たぶん出版 しゅっぱん されないだろう」と述 の べている[10] [11] 。
歴史 れきし 的 てき 性格 せいかく [ 編集 へんしゅう ]
歴史 れきし 的 てき な辞書 じしょ としてOEDは、単 たん に単語 たんご の現在 げんざい の用法 ようほう を示 しめ すのではなく、むしろそれらの歴史 れきし 的 てき 発展 はってん を示 しめ すことにより、単語 たんご を説明 せつめい している[12] 。それゆえに、すでに使 つか われなくなった単語 たんご の意味 いみ も含 ふく めて、単語 たんご の意味 いみ の使 つか われ始 はじ めた順 じゅん に定義 ていぎ を示 しめ している。各 かく 定義 ていぎ は多 おお くの短 みじか い用例 ようれい や引用 いんよう とともに示 しめ されている。個別 こべつ にみると、最初 さいしょ の引用 いんよう は、編集 へんしゅう 者 しゃ らが知 し っている中 なか で、その単語 たんご に関 かん する最初 さいしょ に記録 きろく された例 れい を示 しめ している。現在 げんざい の用法 ようほう にはない単語 たんご や意味 いみ の実例 じつれい においては、最後 さいご の引用 いんよう が、最後 さいご に知 し られ記録 きろく された用法 ようほう であることを示 しめ している。これにより、読者 どくしゃ は現在 げんざい 使 つか われている特定 とくてい の単語 たんご のおおよその時代 じだい 的 てき 感覚 かんかく を知 し ることができる。そして、追加 ついか 的 てき な引用 いんよう により、辞書 じしょ 編集 へんしゅう 者 しゃ が提供 ていきょう できるどんな説明 せつめい よりも、その単語 たんご が文脈 ぶんみゃく の中 なか でどのように使 つか われているかについての情報 じょうほう を読者 どくしゃ が確 たし かめることを助 たす けている。
OEDの項目 こうもく の形式 けいしき は、他 た の多 おお くの辞書 じしょ 編集 へんしゅう 事業 じぎょう に影響 えいきょう を与 あた えた。グリム兄弟 きょうだい の『Deutsches Wörterbuch (英語 えいご 版 ばん ) 』の初期 しょき の巻 まき のようなOEDに対 たい する先駆 せんく 者 しゃ は、当初 とうしょ 限 かぎ られた数 かず の情報 じょうほう 源 げん からしか引用 いんよう を提供 ていきょう していなかった。OEDの編集 へんしゅう 者 しゃ らが、広範 こうはん な作家 さっか や出版 しゅっぱん 物 ぶつ などの選集 せんしゅう からのかなり短 みじか い引用 いんよう のより大 おお きなグループを好 この んで選 えら んだことは、『Deutsches Wörterbuch 』の後 のち の巻 まき や他 た の辞書 じしょ 編集 へんしゅう 法 ほう に影響 えいきょう を与 あた えた[13] 。
項目 こうもく 数 すう と相対 そうたい 的 てき 大 おお きさ[ 編集 へんしゅう ]
出版 しゅっぱん 者 しゃ らによれば、OED第 だい 2版 はん の解説 かいせつ 本文 ほんぶん を含 ふく めた5900万 まん に及 およ ぶ単語 たんご を一人 ひとり の人間 にんげん がすべてキー入力 にゅうりょく するのには120年 ねん 、さらに校正 こうせい するのに60年 ねん かかるという。また、電子 でんし データ化 か して保存 ほぞん しようとすると540メガバイト の容量 ようりょう が必要 ひつよう になる[14] 。2005年 ねん 11月30日 にち 時点 じてん で、オックスフォード英語 えいご 辞典 じてん には、約 やく 301,100の主 しゅ 項目 こうもく が収録 しゅうろく されている。これらを補 おぎな う形 かたち で、さらに157,000の太字 ふとじ で示 しめ された複合語 ふくごうご や派生 はせい 語 ご [注 ちゅう 1] 、169,000の斜 はす 字体 じたい で示 しめ された句 く や複合語 ふくごうご [16] 、 全部 ぜんぶ で616,500の語形 ごけい 、137,000の発音 はつおん 、249,300の語源 ごげん 、577,000の相互 そうご 参照 さんしょう (クロスリファレンス)、および2,412,400の語法 ごほう ・引用 いんよう が記 しる されている。OEDの最新 さいしん かつ完全 かんぜん な印刷 いんさつ 版 ばん である第 だい 2版 はん (1989年 ねん 発行 はっこう )は、全 ぜん 20巻 かん で印刷 いんさつ され、21,730ページに291,500の項目 こうもく から構成 こうせい されている。OED第 だい 2版 はん で最 もっと も記述 きじゅつ 部 ぶ の長 なが い項目 こうもく は、動詞 どうし としてのset で、430の意味 いみ を記述 きじゅつ するのに60,000語 ご を要 よう している。OED第 だい 3版 はん に向 む けて、各 かく 項目 こうもく はMから順 じゅん に改訂 かいてい され始 はじ めたことで、最 もっと も多 おお くの紙面 しめん を要 よう する項目 こうもく (単語 たんご )は変遷 へんせん しており、2000年 ねん にはmake に、2007年 ねん にはput に、そして2011年 ねん にはrun になった[17] [18] [19]
その印象 いんしょう 的 てき なサイズにもかかわらず、OEDは世界 せかい 最大 さいだい の辞典 じてん でも世界 せかい で最 もっと も早 はや くに網羅 もうら 的 てき に作 つく られた言語 げんご の辞典 じてん でもない。OEDと似 に たような目的 もくてき をもつオランダの『Woordenboek der Nederlandsche Taal (英語 えいご 版 ばん ) 』が世界 せかい 最大 さいだい で、完成 かんせい するのにOEDの2倍 ばい 以上 いじょう の時間 じかん がかかっている。このほかの初期 しょき の大型 おおがた 辞典 じてん は、グリム兄弟 きょうだい の『Deutsches Wörterbuch 』で、1838年 ねん に編纂 へんさん が始 はじ まり、1961年 ねん に完成 かんせい した。近代 きんだい のヨーロッパ言語 げんご に捧 ささ げられた最初 さいしょ の大 だい 辞典 じてん である『Vocabolario della Crusca (イタリア語 ご 版 ばん ) 』の初版 しょはん は、1612年 ねん に発行 はっこう された。『Dictionnaire de l'Académie française 』の初版 しょはん は1694年 ねん にまで遡 さかのぼ る。スペイン語 ご の公式 こうしき 辞典 じてん 『Diccionario de la lengua española (英語 えいご 版 ばん ) 』(レアル・アカデミア・エスパニョーラ により企画 きかく ・編集 へんしゅう ・出版 しゅっぱん された)の初版 しょはん は、1780年 ねん に出版 しゅっぱん されている。中国 ちゅうごく 語 ご の康 かん 熙字典 じてん は1716年 ねん に刊行 かんこう されている[20] 。
他 た のオックスフォード英語 えいご 辞書 じしょ との関係 かんけい [ 編集 へんしゅう ]
OEDの実用 じつよう 性 せい と歴史 れきし 的 てき 辞書 じしょ としての名声 めいせい は、その全 すべ てがOED自体 じたい と直接 ちょくせつ の関係 かんけい にある訳 わけ ではないにせよ、多 おお くの成果 せいか となる事業 じぎょう や他 た の「オックスフォード」と冠 かん する辞書 じしょ の数々 かずかず を生 う み出 だ した。
元々 もともと は1902年 ねん に始 はじ まり、1933年 ねん に完成 かんせい した[21] 『The Shorter Oxford English Dictionary 』は、OEDの完成 かんせい 品 ひん の簡約 かんやく 版 ばん であり、歴史 れきし 的 てき 視点 してん を保 たも っているが、シェイクスピア 、ミルトン 、スペンサー 、欽定 きんてい 訳 やく 聖書 せいしょ により用 もち いられた単語 たんご を除 のぞ いては、1700年 ねん 以前 いぜん に廃 すた れた単語 たんご は全 まった く含 ふく まれていない[22] 。完全 かんぜん な新版 しんぱん はOED第 だい 2版 はん から作 つく られ、1993年 ねん に出版 しゅっぱん された[23] ほか、さらなる改訂 かいてい 版 ばん がこれを追 お うように2002年 ねん と2007年 ねん に刊行 かんこう された。
『The Concise Oxford Dictionary 』は、これとは異 こと なる作品 さくひん で、その目的 もくてき は現代 げんだい 英語 えいご のみをカバーすることにあり、歴史 れきし 的 てき 視点 してん は取 と り入 い れていない。そのほとんどがOED第 だい 1版 はん を基 もと に編 あ まれた初版 しょはん は、フランシス・ジョージ・ファウラー (英語 えいご 版 ばん ) とヘンリー・ワトソン・ファウラー (英語 えいご 版 ばん ) により編集 へんしゅう され、主 おも な作品 さくひん が完成 かんせい する前 まえ の1911年 ねん に出版 しゅっぱん された[24] 。いくつかの改訂 かいてい 版 ばん は、20世紀 せいき を通 とお して発行 はっこう され、英語 えいご の語法 ごほう の変化 へんか に応 おう じて、更新 こうしん され続 つづ けている。
1998年 ねん 、『新 しん オックスフォード英 えい 英 えい 辞典 じてん 』 (NODE ) が出版 しゅっぱん された。NODEは現代 げんだい 英語 えいご をカバーする目的 もくてき なのだが、OEDに基 もと づかない編集 へんしゅう 作業 さぎょう が行 おこな われた。その代 かわ りに、コーパス言語 げんご 学 がく の助 たす けを借 か りた全 まった く新 あたら しい英語 えいご 辞典 じてん として生 う み出 だ された[25] 。NODE が出版 しゅっぱん されると、これに似 に た全 まった く新 あたら しい『Concise Oxford Dictionary 』が追従 ついしょう し、今度 こんど はOED よりもむしろNODE の簡略 かんりゃく 版 ばん に基 もと づいた辞典 じてん となった。NODE は(Oxford Dictionary of English ; ODE という新 あたら しい表題 ひょうだい の下 した )、『New Oxford American Dictionary 』を含 ふく めて、現在 げんざい は学問 がくもん 的 てき な歴史 れきし 的 てき 辞書 じしょ の基礎 きそ としてのみ供 きょう されるOED とともに、オックスフォードの現代 げんだい 英語 えいご 辞書 じしょ の生産 せいさん ラインにとって主要 しゅよう な源泉 げんせん であり続 つづ けている。
OEDは、見出 みだ し語 ご を(labor , center などの)異 こと なる綴 つづ りとともに、英国 えいこく 式 しき 綴 つづ りで表記 ひょうき している(例 れい : labour , centre )。接尾 せつび 辞 じ については、イギリス英語 えいご では、より一般 いっぱん 的 てき に-ise と綴 つづ られるが、オックスフォ おっくすふぉ ード大学 どだいがく 出版 しゅっぱん 局 きょく の方針 ほうしん では、-ize と綴 つづ るよう、指示 しじ されている。例 たと えば、realize とrealise 、globalization とglobalisation などである。その理論 りろん 的 てき 根拠 こんきょ は、語源 ごげん 学 がく 的 てき にこの英語 えいご の接尾 せつび 辞 じ は主 おも にギリシャ語 ご の接尾 せつび 辞 じ である-ιζειν , (-izein )、またはラテン語 らてんご の-izāre から派生 はせい している点 てん にある[26] 。-ze も時折 ときおり アメリカニズム として扱 あつか われるが、-ze の接尾 せつび 辞 じ がその単語 たんご の本来 ほんらい 属 ぞく していなかったところへ紛 まぎ れ込 こ んだ限 かぎ りで、イギリス英語 えいご ではanalyse 、そしてアメリカ英語 えいご ではanalyze と、それぞれ綴 つづ られる[27] [28] 。
^ 太字 ふとじ の複合語 ふくごうご は、単 たん なるその部分 ぶぶん の和 わ とは著 いちじる しく異 こと なる意味 いみ を持 も っている。例 たと えば、sauna-like という語 かたり は実際 じっさい のサウナとは違 ちが っている[15] 。
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