VESA ローカルバス

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VESA ローカルバスは、VLバスともばれ、当時とうじ乱立らんりつしていたグラフィックアクセラレータ接続せつぞくようローカルバス統一とういつすべく、パソコンけグラフィックス機器ききメーカーの業界ぎょうかい団体だんたいVESAによって1992ねん8がつ策定さくていされたローカルバス規格きかくである。

概要がいよう[編集へんしゅう]

ISAコネクタのさきMCAコネクタを設置せっちし、そこにi486のメモリバスを直結ちょっけつする構造こうぞうで、ISA部分ぶぶん通常つうじょうI/OポートマップドI/O)とを、MCAコネクタ部分ぶぶんメモリマップドI/ODMA担当たんとうする。

VGAカード、SCSIカード、マルチI/Oカードとう商品しょうひんされていた。

VLバスは、ISAの後継こうけいたる汎用はんよう高速こうそくバス出現しゅつげんまでのつなぎとして設計せっけいされたもので、i486につよ依存いぞんした構造こうぞうであるため以下いか制限せいげんっており、PCIバス登場とうじょうはその普及ふきゅうとも姿すがたしていった。

欠点けってん[編集へんしゅう]

i486依存いぞん
前述ぜんじゅつとおり、i486のメモリバスをそのまま利用りようしているため、アーキテクチャ直接ちょくせつ実装じっそうすることはほとん不可能ふかのうである。下記かきのように一部いちぶPentiumにも搭載とうさいされているが、あいだバス変換へんかんブリッジはいっているため本来ほんらい性能せいのう発揮はっきできない。
当時とうじ日本にっぽんでは世界せかいくらべてPCがてい性能せいのう割高わりだか傾向けいこうがあり、PCIの登場とうじょうまで486おお使つかわれた結果けっか、VLバスをそなえたPentiumはごく一部いちぶ高級こうきゅうかぎられた。しかしPentiumが早期そうきから普及ふきゅうしていたアメリカにおいてはそのあいだもVLバスを使つかわざるをえなかったため、PCIが充分じゅうぶん普及ふきゅうするまでの一時期いちじきは、意外いがいにもVLバスをそなえたPentium主流しゅりゅうにな事態じたいとなっていた。
利用りよう可能かのうなスロットすうすくない
i486のメモリバスそのものであるため、あまり配線はいせんばすことができない。そのため、ベースクロックが25MHz場合ばあいは3ほん、33MHzの場合ばあい2ほん、50MHzの場合ばあいは1ほん使用しよう可能かのうとされている。
信頼しんらいせいひく
本来ほんらい短距離たんきょりであるがゆえ信頼しんらいせいたか伝送でんそうとして想定そうていされているメモリバスをそのまました構造こうぞうであるため、エラー検出けんしゅつ機能きのう、エラー訂正ていせい機能きのう再送さいそう機能きのうなどが存在そんざいしない。そのため、ノイズ対策たいさくなどが充分じゅうぶんおこなわれていない安価あんかマザーボードのVLバスにハードディスクコントローラとう接続せつぞくした場合ばあいだい規模きぼなデータけが発生はっせいする可能かのうせいがある。
またコネクタそのものがながく、カードの装着そうちゃく困難こんなん基板きばん物理ぶつりてき破壊はかいしてしまうことがある。一部いちぶで『Very Long Busりゃく』と揶揄やゆされるのは、このコネクタのながさからである。

類似るいじバスについて[編集へんしゅう]

PC-9821A-Mate98ローカルバスもこれにじゅんずるものとしてあつかわれることがおおいが、こちらはNESAバスのサブセットにちか構造こうぞうで、もとのNESA同様どうよう電源でんげん信号しんごう特性とくせいはVLバスと比較ひかくにならないほど良好りょうこうである。ただしi486に依存いぞんし、Pentiumでは性能せいのう充分じゅうぶん発揮はっきできないてんおなじである。

関連かんれん項目こうもく[編集へんしゅう]

外部がいぶリンク[編集へんしゅう]