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XGフォーマット

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XG対応たいおうサウンドLSIのれい (YMF744)

XGフォーマット(エックスジーフォーマット)とは1994ねんヤマハ提唱ていしょうしたMIDI規格きかくである[1]

概要がいよう

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音色ねいろ配列はいれつ、エフェクト、音色ねいろエディットのパラメータとう統一とういつし、ヤマハせいほか音源おんげんモジュールシンセサイザーでも伴奏ばんそうデータをほぼ同一どういつ音色ねいろ再生さいせい可能かのうにすることを目的もくてき制定せいていされた規格きかくである。この規格きかく制定せいていにおいてはヤマハによるGM独自どくじ拡張かくちょうおこなわれている。

他社たしゃ製品せいひんだが、コルグ音源おんげんモジュールや電子でんしピアノのなかにはXGに対応たいおうしたものも発表はっぴょうされている。また非公式ひこうしきながら、ローランド音源おんげんモジュールSC-88ProにはXG互換ごかんモード搭載とうさいされている。

XGフォーマットは、480音色ねいろ以上いじょう膨大ぼうだい音色ねいろすう音色ねいろ修正しゅうせい方法ほうほう、3種類しゅるい以上いじょうのエフェクト、ダイナミックフィルター外部がいぶ入力にゅうりょく対応たいおうなどを規定きていしている。当時とうじとしては、規格きかくのハードルがたかかった。また、1997ねんにXG liteというXGの簡易かんいばん規定きていされた。XG liteがつくられた理由りゆうは、XGにくらべて規格きかく軽量けいりょうで、小型こがたモデルの電子でんしキーボードといった安価あんか製品せいひんに、XG完全かんぜん対応たいおう音源おんげんれるとXG再現さいげんのハードルがたかくなるからである。XG liteではコントロールできるパラメーターやエフェクトなどに一部いちぶ制限せいげんがあるため、「XG」のソングデータがもとのデータとことなってこえる場合ばあいがある。その2001ねんにはXGフォーマットとの親和しんわせい向上こうじょうのため、XGlite Ver2.0が規定きていされた。

「XG」の由来ゆらい公式こうしきには発表はっぴょうされていない。

XGの基本きほん思想しそう

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XGの基本きほん思想しそうは、互換ごかんせい適応てきおうせい拡張かくちょうせいげられる。

互換ごかんせいは、XG対応たいおうデータはXG対応たいおう機器きき再生さいせいすれば、ことなるモデルであっても再生さいせい可能かのうであり、GMとの上位じょうい互換ごかんせいっているため、GM対応たいおう伴奏ばんそうデータもまさしく再生さいせい可能かのうだということである。

適応てきおうせいは、XGでは音色ねいろすう音色ねいろ変更へんこう方法ほうほうとうこまかく規定きていされているが、すべての機能きのう網羅もうらする必要ひつようがなく、おな伴奏ばんそうデータを性能せいのう価格かかくたいことなるモデルで再生さいせいしても、それぞれのモデルの能力のうりょくおうじた再生さいせい可能かのうだということである。

拡張かくちょうせいは、製品せいひん開発かいはつとともにフォーマット内容ないよう柔軟じゅうなん拡張かくちょうできるということである。げんにMU80からMU90、MU100と上位じょうい機種きしゅ発表はっぴょうされると、その機種きしゅおうじたあたらしいエフェクトや音色ねいろ機能きのうえている。

MIDI音源おんげん一般いっぱんてき規格きかくであるGMとの上位じょうい互換ごかんせいてんでまずげられるのは音色ねいろすうである。GMで規定きていされた128音色ねいろがあるが、XGはバンクセレクトを利用りようして、大幅おおはば音色ねいろすうやしている。バンクセレクトLSBにより、GMの基本きほん音色ねいろたいしてバリエーションてき音色ねいろ配置はいちし、そのバンク番号ばんごうごとにバリエーションの性格せいかくたとえば、オクターブユニゾンやステレオなど)がさだめられ、検索けんさく容易よういにしている。バンクセレクトMSBを40Hにすることにより、効果こうかおんのSFXバンクにえられ、またバンクセレクトMSBを7EHまたは7FHにすることにより、そのパートをドラムパートにえられる。また、上位じょうい機種きしゅつくられたデータを下位かい機種きしゅ再生さいせいする場合ばあい再生さいせいする機種きしゅにない音色ねいろがあってもGMの基本きほん音色ねいろらすことができる(代理だいり発音はつおん)。

エフェクトもえられ、その種類しゅるい結線けっせんまで規定きていされている。そしてかくパラメータやコントロール方法ほうほう規定きていしているため、高度こうど要求ようきゅうにもこたえられるようになっている。グラフィックイコライザー搭載とうさいした機種きしゅでは、曲調きょくちょうった雰囲気ふんいきせるようにすることも可能かのうである。そして外部がいぶからの信号しんごうり、それにエフェクトをかけ、音源おんげん内部ないぶミキサー音源おんげんない音色ねいろ同様どうようにコントロールする規定きていさだめられている。これによって、XG音源おんげん使つかってカラオケをしたり、エレクトリックギターをつなげて、バンド演奏えんそうとうもできるようになっている。

XGフォーマット自体じたいは、ローランドしゃ規格きかくGSとは直接ちょくせつ互換ごかんせいはない。ただ、だい多数たすうXG対応たいおう音源おんげんモジュールやシンセサイザーにはTG300-BモードばれるGSとの互換ごかんモードが用意よういされている。GS対応たいおうのMIDIデータを再生さいせいすると、このモードにえて100%とまではかないが、違和感いわかんのない程度ていどには再生さいせいをすることも可能かのうである。現在げんざいTG300-Bモードわり、GSモード(GSフォーマットに正式せいしき対応たいおう)をそなえたXG音源おんげんモジュールも存在そんざいする。

XG対応たいおう製品せいひん

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XG対応たいおう(XGlite対応たいおう音源おんげんモジュール

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XG対応たいおうシンセサイザー

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(Stream, Ghost, Scratch 2, WindChm, Jetplane, Starship, Burst, LaserGun, FireWork以外いがいのSFX音色ねいろはXG/TG300-Bモードども発音はつおんしない)

XG対応たいおう音源おんげん内蔵ないぞうMIDIキーボード

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XG対応たいおう電子でんしオルガン

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XG対応たいおう電子でんしピアノ

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XG対応たいおうMIDIプレーヤー

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  • MDP30(GSGM2にも対応たいおう
  • MDP30S(GSGM2にも対応たいおう
  • MDP20XG
  • MDP10
  • MDP10S
  • MDP5(GSGM2にも対応たいおう
  • EMR1
  • Roland MT-90U (XGlite)

XG対応たいおう音源おんげん内蔵ないぞうシーケンサー

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XG対応たいおう音源おんげんボード

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DB50XG
YMF724E-Vチップセット搭載とうさいのPCIバスカード
DB50XG
697音色ねいろ+3ブロックエフェクト内蔵ないぞうSound Blasterなどの音源おんげんボードに装着そうちゃくすることで、XG対応たいおうになる。MU50同等どうとう性能せいのうつドータボード音源おんげん
MU50にあるDOCモード、C/Mモードおよびパフォーマンスモードは装備そうびしないため、むしろMU10にちかい。なおA/Dインプットは装備そうびしない。
Windows 95/3.1対応たいおうシーケンスソフト「Digital Orchestrator Plus」どうこり
DB51XG
697音色ねいろ+3ブロックエフェクト内蔵ないぞうコルグのNX5Rに内蔵ないぞうされている。基板きばんかたち前述ぜんじゅつのDB50XGとことなるため、型番かたばんわったとおもわれる。
DB60XG
697音色ねいろ+3ブロックエフェクト内蔵ないぞう。Super らく for PC-98どうこり音源おんげんボード。NEC PC-9800シリーズのデスクトップパソコンにけることで、通信つうしんカラオケがたのしめるボード。A/Dインプット内蔵ないぞう。ドータボード形状けいじょうをしており(基板きばんかたち前述ぜんじゅつのDB50XGに類似るいじ)、CanBeシリーズ(PC-9821Cr13には装着そうちゃく不可ふか以外いがい機種きしゅではNECせいPC-9801-118または、Sound Blasterが必要ひつよう
SW60XG
697音色ねいろ+3ブロックエフェクト内蔵ないぞう。Super らく for DOS/Vどうこり音源おんげんボード。ISAバスカードがた音源おんげんボード。IBM PC/AT互換ごかんのデスクトップパソコンにけることで、通信つうしんカラオケがたのしめるボード。A/Dインプット内蔵ないぞう
WAVEFORCE 192XG
676音色ねいろ+ドラムキット21音色ねいろ内蔵ないぞう。ソフトシンセサイザーにより最大さいだい192おと同時どうじ発音はつおん可能かのうとなっている。また、DirectSound、DirectSound 3Dに対応たいおう。「SB-Link」に対応たいおうしたケーブルが添付てんぷ。ソフトシンセサイザー「S-YXG50」、シーケンサー「XGWorks Lite」、MIDI再生さいせいソフト「MIDPLUG」、「SoundVQ」、XG音源おんげん対応たいおうしたゲームなどのソフトウェアが付属ふぞく
WAVEFORCE 192XG PLUS
上記じょうきWAVEFORCE 192XGのどうこりソフトに「ジャカジャン」「デジカメミュージックアルバム体験たいけんばん」などが追加ついかされたもの。
WAVEFORCE 192digital
WAVEFORCE 192XGの後継こうけい機種きしゅひかりデジタル出力しゅつりょく端子たんし搭載とうさい。MDやDATと直接ちょくせつ接続せつぞくすることでデジタル録音ろくおん可能かのうとなった。また、AD/DAコンバータの変更へんこうによるS/N向上こうじょう、ステレオかんす“Phatステレオエンハンスメント技術ぎじゅつ”の採用さいようおこなわれている。
SW1000XG
1267ノーマルボイス+46ドラムセット、32パート最大さいだい同時どうじ発音はつおんすう64おとModular Synthesis Plug-in Systemボードも搭載とうさい可能かのう。MU100と同等どうとうのXG音源おんげん搭載とうさいし、PCIスロットに可能かのう
SW1000XG/P
上述じょうじゅつのSW1000XGのマイナーチェンジひん。SW1000XGでは不可ふかだったPLG150-ANとPLG150-PFに対応たいおうしている。
PCC10XG
676楽器がっきおん+21ドラムセット。PCMCIA TypeII準拠じゅんきょしたPCカード音源おんげん。MU10同等どうとうのスペックを内蔵ないぞう。Hello!Music! PCC10のどうこり音源おんげんである。
PLG100-XG
XG対応たいおうのシンセサイザーをXG対応たいおうにする音源おんげんボード。音色ねいろすう最大さいだい同時どうじ発音はつおんすうはMU50とスペックはおなじだが、波形はけいえてリファインし、サウンドクオリティをMU100相当そうとうにグレードアップしている。
音源おんげん方式ほうしき AWM2音源おんげん(XGフォーマット対応たいおう最大さいだい同時どうじ発音はつおんすう 32おと パートすう 16パート 音色ねいろすう 480ノーマルボイス+12ドラムキット

XG対応たいおうサウンドLSI

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YMF724、YMF744、YMF754(DS-XG)
676楽器がっきおん+21ドラムセット、16パート最大さいだい同時どうじ発音はつおんすう64おと実際じっさいには非公式ひこうしきツールによる設定せってい変更へんこうで80おと程度ていどまで対応たいおう
各社かくしゃせいサウンドカードやパソコンで多数たすう採用さいようれいがあるほか、ヤマハ自身じしんもYMF724を使用しようするサウンドカードを発売はつばいしていた。かくチップの差異さいはPCM録音ろくおん/再生さいせいかんするものであり、MIDI再生さいせいについてはどういち性能せいのう。XGフォーマットのMIDI再生さいせいは、Windows環境かんきょうでヤマハせいドライバをインストールしたときのみ使用しよう可能かのう
Windowsどうこりマイクロソフトせいドライバでは通常つうじょう音声おんせい再生さいせいのみサポート。一部いちぶのプリインストールで、どうLSIを搭載とうさいしているにもかかわらずXGが利用りようできない場合ばあいは、ヤマハ公式こうしきの「汎用はんようドライバ」をインストールすることで利用りようできる場合ばあいがある。
なお、チップ表面ひょうめんにはXGロゴが印刷いんさつされている。

XG対応たいおう(XGlite対応たいおう)のソフトウェア音源おんげん

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S-YG20
XG liteの原型げんけいとなった音色ねいろ配列はいれつつ。XGに完全かんぜん対応たいおうしていない。
音源おんげん方式ほうしき ウエーブテーブル合成ごうせい 最大さいだい同時どうじ発音はつおんすう32おと サンプリング周波数しゅうはすう 22kHzきろへるつ / 11kHzきろへるつ XGフォーマット音色ねいろマップ対応たいおう ノーマル360音色ねいろ+11ドラムキット(2SFXバンクふくむ) エフェクト リバーブ
S-YXG50
XG対応たいおうソフトウェア音源おんげん。Ver.4はWindows XP対応たいおう。デバイスドライバとして機能きのうするソフトウェア音源おんげんであるが、シーケンサーソフトSOL2とうにバンドルされているVSTばんもある。Windows XP以前いぜんでは、パソコンにバンドルされていることもおおかった。
音源おんげん方式ほうしき AWM2(ウエーブテーブル合成ごうせい) 676音色ねいろ+21ドラム サンプリング周波数しゅうはすう 44.1kHzきろへるつ/22.05kHzきろへるつ/11.025kHzきろへるつ 最大さいだい同時どうじ発音はつおんすう 128おと(CPUの性能せいのう依存いぞん出力しゅつりょく 16ビットステレオ 演奏えんそうパートすう 16パート エフェクト 3系統けいとう(リバーブ×11タイプ、コーラス×11タイプ、バリエーション×43タイプ)
Intel MMXテクノロジ対応たいおう
またこのS-YXG50は、現在げんざいでは単独たんどくでの販売はんばいはされてはいない。ただし、Windows Update(Windows Updateカタログ)にてS-YXG50のWindows 2000/XP対応たいおうばんとして「YAMAHA XG WDM SoftSynthesizer」が公開こうかいされており、無料むりょうでダウンロードすることができる。
ただし、これにはアンインストーラーがいていないので、完全かんぜん安全あんぜんなアンインストールができない可能かのうせいがある。
YAMAHA XG WDM SoftSynthesizerには公式こうしき設定せっていツールは存在そんざいしないが、レジストリを編集へんしゅうすることで設定せってい変更へんこうすることが可能かのう
なお、MidRadio Playerのバージョン6までは、これを流用りゅうようした音源おんげん使用しようしていたとわれている。
S-YXG100plus
上記じょうきS-YXG50にVA音源おんげんとフォルマントシンギング音源おんげん付加ふかしたソフトウェア音源おんげん。Windows XP/2000対応たいおう
MidRadio Player
ヤマハが提供ていきょうしているメディアプレーヤー。独自どくじのソフトウェア音源おんげん内蔵ないぞうしている。
音楽おんがくデータショップ」(2015ねん6がつ1にちから「ヤマハミュージックデータショップ」に改称かいしょう)のMIDIデータと月額げつがくサービスの「パソカラホーダイ」「ネットでうたほん」のMIDIデータの視聴しちょう必要ひつよう

その

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サイレントアンサンブルピアノ
ドリームキャスト(XGlite対応たいおう

XG対応たいおう音源おんげん変遷へんせん

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XGフォーマットの制定せいていまえ(1994ねん

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ヤマハは1993ねんTG300というGM対応たいおう音源おんげんモジュールを発売はつばいした。TG300はGMだけではなく、ローランドしゃ規格きかくであるGSに対応たいおうした音色ねいろ配列はいれつモードをっていた。これは、この時点じてんでGSがDTMの音色ねいろ配列はいれつ規格きかくのデファクトスタンダードを確立かくりつしていたためであった(TG300が発売はつばいされていた時点じてんではGMの上位じょうい規格きかくはGSに統一とういつされていた)。しかし、TG300はライバルであったSC-55mkIIにくらべて割高わりだか値段ねだん設定せっていなどの理由りゆうで、ヒット商品しょうひんとはなりえなかった。そのため、TG300の後継こうけいMU80を発売はつばいするさいに、ライバルとして認知にんちされること、ヤマハの独自どくじせい維持いじするため、ヤマハは独自どくじ規格きかく「XG」をつくることにした。あらたに3つ音色ねいろ配列はいれつ規格きかくつくることはユーザの混乱こんらんまね可能かのうせいがあったが、XG規格きかく制定せいていした理由りゆうとしては、GSはローランドの独自どくじ規格きかくであるため、音色ねいろげん波形はけいやフィルター、エフェクトやそのかかりかたにローランドしゃ固有こゆう特性とくせいがあり、他社たしゃが100%の再現さいげんせい保証ほしょうすることは困難こんなんであったこと、そして、もしローランドのOEMけて100%再現さいげんできるように設計せっけいした場合ばあいぎゃくにヤマハの独自どくじせい維持いじできない、などがあったためとかんがえられている。また本来ほんらいMIDI音源おんげん音色ねいろ配列はいれつ規格きかく厳密げんみつ互換ごかんせい要求ようきゅうされるものではなく、ピアノならピアノ、ギターならギターとおな種類しゅるい音色ねいろればよいという程度ていどゆるやかな規格きかくであったことも、あたらしい規格きかくつくることを容易よういにした。この結果けっか独自どくじにXG規格きかくをつくる一方いっぽうで、GSをシミュレートするTG300-BモードもXG音源おんげんのこすという方法ほうほうをとったものとおもわれる。

MU80・MU5の登場とうじょう(1994ねんまつから1995ねん初頭しょとう

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1994ねんすえにXG対応たいおう音源おんげんだい1ごうとしてMU80発売はつばいされる。MU80は32パート、最大さいだい同時どうじ発音はつおんすう64おとという当時とうじのGS音源おんげん最高峰さいこうほうモデルSC-88同等どうとう以上いじょうのスペックであった。しかし、94ねん当時とうじのXG対応たいおう音源おんげんはMU80いち機種きしゅのみであり、MU80がXGのベーシックモデルなのか、それともハイエンドモデルなのか不明ふめい状況じょうきょう半年はんとしほどつづいた(MUシリーズのベーシックモデルとしてMU5発売はつばいされていたが、GMのみ対応たいおう)。

MU50の登場とうじょう(1995ねん

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1995ねんはるからなつごろにかけて、ヤマハは16パート、最大さいだい同時どうじ発音はつおんすう32おとMU50発売はつばい。ヤマハはMU80をハイエンドモデル、MU50をベーシックモデルという位置いちづけにするが、MU50全体ぜんたいると、ディスクオーケストラモードに対応たいおうした関係かんけいで、MU80よりMU50のほうが音色ねいろすうおおかったり、CHORUS4、CELESTE4といったMU80にはないエフェクトが後発こうはつのMU50にあったりして、MU80が完全かんぜんなMU50の上位じょうい互換ごかんではなかった。

MU50と互換ごかんせい機種きしゅ登場とうじょう(1995ねんから1996ねん

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この1995ねんから1996ねんにかけて、ヤマハはワークステーションタイプのシンセサイザーQS300音源おんげん内蔵ないぞうキーボードCBX-K1XGドーターボード音源おんげんDB50XG、音源おんげん内蔵ないぞうシーケンサーQY700、DTMようシンセサイザーCS1x、MU50のディスプレイ、ボタンるい省略しょうりゃくモデルMU10と、MU50互換ごかんひん多数たすう発売はつばいした。

そしてヤマハのホームページじょうからダウンロード可能かのうなデモソングもMU50準拠じゅんきょのMIDIデータとなっており、ヤマハのPCカラオケ『うたらく』のMIDIデータもMU50準拠じゅんきょとなっていた。ヤマハはハードめんだけでなくソフトめんでもMU50の標準ひょうじゅんすすめていた。 一方いっぽうで、ユーザは発音はつおんすうおおいMU80を購入こうにゅうするケースがおおく、アマチュアが作成さくせいしたXG対応たいおうのMIDIデータはMU80準拠じゅんきょ作品さくひんおお見受みうけられた。

XG音源おんげん拡張かくちょう機能きのう使用しようしたステップアップしたシステムの提唱ていしょう(1996ねん

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1996ねんなつに、ヤマハは物理ぶつりモデル音源おんげんモジュールVL70-m、ピアノサウンド音源おんげんモジュールP50-m発売はつばい前年ぜんねんれに発売はつばいのハンディーサンプラーSU10とVL70-m、P50-mをMU80またはMU50とわせて、ステップアップする方法ほうほう提示ていじする。しかし、音源おんげん1だい完結かんけつ利用りよう方法ほうほうれていたユーザからはこのステップアップ方法ほうほう十分じゅうぶんれられたとはえなかった(どう時期じきAKAIが、DTM音源おんげんモジュールとピアノ専用せんよう音源おんげんモジュール、アナログシンセおんをサンプリングした音源おんげんモジュールのわせのセッティングを提示ていじし、またローランドもピアノ専用せんよう音源おんげんモジュール、ハンディーサンプラーとのわせのセッティングを提示ていじするが、同様どうよう普及ふきゅうしなかった)。

MU90の登場とうじょう(1996ねん

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1996ねんすえに、MU80で不十分ふじゅうぶんだったMU50の上位じょうい互換ごかんせい確保かくほしたMU90発売はつばいされた。MU90ではインサーションエフェクトやEQなどエフェクトめんでMU80から大幅おおはばなバージョンアップをし、またダンスけいのドラムキットやシンセリード、シンセベース、オーケストラヒットなどのサウンドをあらたに収録しゅうろくして、当時とうじだいヒットちゅう小室こむろファミリーきょく簡単かんたん再現さいげん可能かのうにしていた。しかし、MU90の発売はつばい同時どうじに、DTM専門せんもんDTMマガジン誌上しじょうでMU90の上位じょうい機種きしゅとしてMU100R1997ねんなつ発売はつばい予定よてい掲載けいさいされたため、従来じゅうらいのMU80ユーザーがMU90へのえをひかえるようになってしまった。

MU100の登場とうじょう(1997ねん

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1997ねんなつ発売はつばいのMU100は、MU80以来いらい基本きほん音色ねいろあらたにサンプリングしなおした音色ねいろえたMU100 Nativeモードをち、また、拡張かくちょうボードで物理ぶつりモデル音源おんげんやフォルマント・シンギング音源おんげんばれるひとこえ合成ごうせいしてうたうことが可能かのう音源おんげん追加ついか可能かのうとした画期的かっきてきなモデルであった。どう時期じきのGS音源おんげんSC-88Proと熾烈しれつなシェア獲得かくとく合戦かっせんえんじ、『DTMマガジン』誌上しじょうでもこの2機種きしゅの「対決たいけつ」が掲載けいさいされていた。MU100より先行せんこうして発表はっぴょうされていた1UフルラックマウントばんMU100RはMU100が1まいのところを、2まい拡張かくちょうボード追加ついか可能かのう人気にんき機種きしゅとなった。

1997ねん当時とうじのカタログをると、ヤマハはMU90をXGのだい2世代せだいのベーシックモデル、MU100をだい2世代せだいのハイエンドモデルにしようとしていたことがうかがえる。ヤマハはMU50同様どうようMU90互換ごかんモデルを発売はつばいする。1998ねんにMU90と完全かんぜん互換ごかんのXG音源おんげんワークステーションタイプのシンセサイザーEOS B2000と、MU90からインサーションエフェクトを割愛かつあいしたシンセサイザーCS2xがそれである。しかし、前述ぜんじゅつのMU80からMU90へのえがすすまなかったせいで、実際じっさいはMU90でなくMU100だい2世代せだいのXGの標準ひょうじゅんとなる。

MU128の登場とうじょう(1998ねん

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MU90シリーズは32パート、最大さいだい同時どうじ発音はつおんすう64おとおなじくMU100シリーズも32パート、最大さいだい同時どうじ発音はつおんすう64おとであったため、音色ねいろ以外いがいのハードめんでは性能せいのう大差たいさがない。このこともMU90シリーズが普及ふきゅうしなかった理由りゆうひとつであった。1998ねん初頭しょとうにMU100シリーズの廉価れんかばんMU100B発売はつばいされ、同年どうねん7がつにMU100RをえるハイエンドモデルとしてMU128発売はつばいされたことで、MU100がXGの名実めいじつどもにベーシックモデルとなり、MU90はディスコンとなってしまった(どう時期じきおなじことをローランドがSC-88ProとSC-88VLでしようとしていたが、結局けっきょくSC-88ST ProやSK-88ProというSC-88Proの互換ごかんひんし、SC-88VLをディスコンとした)。また、1998ねん初頭しょとうに、基本きほんてきなXGフォーマットとTG300-Bモードに対応たいおうしたサウンドLSI YMF724が発表はっぴょうされ、各社かくしゃパソコンやサウンドカード採用さいようされたことで、一般いっぱんそうにもある程度ていど普及ふきゅうをみた。

MU2000・MU1000・MU500の登場とうじょう(1999ねんまつから2000ねん

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1999ねん12月にMU128のGM2に対応たいおうするなど、改良かいりょうタイプとしてMU2000発売はつばい同年どうねん11がつにMU2000に先行せんこうするかたちで、それからサンプリング機能きのうスマートメディアスロットを省略しょうりゃくしたMU1000発売はつばいよく2000ねん8がつにはMU1000からディスプレイやボタンるい省略しょうりゃくし、最大さいだい同時どうじ発音はつおんすうを128から64にしたMU500発売はつばいする。このあいだだい2世代せだいのベーシックモデルだったMU100シリーズはディスコンとなり、MU2000がハイエンドモデル、MU500がベーシックモデルというだい3世代せだいうつる。その中間ちゅうかんはさまれたMU1000はディスコンとなった(以前いぜんのMU90とMU100のケースと同様どうようおなじ64パート最大さいだい同時どうじ発音はつおんすう128の機器きき同士どうし競合きょうごうしたからとおもわれる)。

Hello!Music!Audioの登場とうじょうとその(2000ねん以後いご

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どうこりシーケンス・ソフトをSOL(のちにSOL2へとバージョンアップされた)に変更へんこうし、MU2000 Extended Edition、MU500とUSBオーディオインターフェイスUW500をどうこりしたパッケージ『Hello!Music!Audio』が発売はつばいされた。

MU2000の単体たんたいひんもMU1000につづき、生産せいさん完了かんりょうするが、MU2000はMOTIFシリーズ直系ちょっけいのエフェクト装備そうびやGS対応たいおうのExtended Editionにアップグレードされ、DTMパッケージ『Hello!Music!Audio』のどうこり音源おんげんとして販売はんばいされていた。

しかし、MU500以降いこう(マイナーチェンジをふくめるとMU2000 Extended Edition以降いこう)、MUシリーズのしん製品せいひん発表はっぴょうされていない。そのあいだに、ヤマハはプロユースのシンセサイザーヤマハ・MOTIFシリーズシリーズがヒットし、そのシリーズの製品せいひん多数たすう発表はっぴょうしている。時代じだい趨勢すうせいもDTMからデジタルオーディオワークステーション(DAW)へとわりつつある。ヤマハが主催しゅさいするXGコンテストも終了しゅうりょうし、ヤマハのXG専用せんようのホームページが2004ねん3がつ終了しゅうりょうし、シンセサイザーのホームページと統合とうごうされている。S03やMDP-5などXG対応たいおう機種きしゅ2001ねん以降いこう発売はつばいされたが、95ねんから99ねんごろまでのリリースラッシュのいきおいがない。さらに2008ねんには『Hello!Music!』シリーズの終焉しゅうえんむかえ、現行げんこう音楽おんがく制作せいさく用途ようとのXG音源おんげん搭載とうさい機種きしゅはMU500をのこすのみとなった。一方いっぽう音楽おんがく制作せいさく用途ようと以外いがい製品せいひんかんしては、XGデータ再生さいせい対応たいおうした電子でんしピアノやキーボードなどが現在げんざいでも継続けいぞくてきにリリースされている。

XG Editorは、XG音源おんげん各種かくしゅパラメーターをPCじょう操作そうさするためのエディターである。ヤマハせいDAWソフトのXGworksシリーズおよびSOLシリーズに搭載とうさいされている。MUシリーズをはじめ、PCようサウンドカード、電子でんしピアノ、ポータトーン、エレクトーン、ソフトシンセばんにいたるまで過去かこにXG音源おんげん方式ほうしき搭載とうさいした機種きしゅ相当そうとうすう対応たいおう音源おんげんとして網羅もうらしている。また、プラグインボード拡張かくちょうされた機能きのうにも対応たいおうしている。

ヤマハがサポートするDAWソフトがスタインバーグしゃCubaseシリーズに移行いこうしたことにともない、2008ねん9がつ、XG EditorのCubaseシリーズ対応たいおうばんである「XG Editor for Cubase」が公開こうかいされた。ヤマハwebサイトにて無償むしょうダウンロード可能かのう

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ "XG 楽曲がっきょくデータ制作せいさく指針ししん" (PDF). ヤマハ. 2019ねん10がつ11にち閲覧えつらん

関連かんれん記事きじ

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外部がいぶリンク

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