胡えびす小石こいし

胡えびす小石こいし（1888年ねん—1962年ねん3月がつ16日にち），名めい光ひかり煒，字じ小石こいし，號ごう倩尹，又また號ごう夏なつ廬いおり，齋とき名めい願ねがい夏なつ廬いおり，晚年ばんねん別べつ號ごう子こ夏なつ、沙すな公こう。江蘇こうそ南京なんきん人ひと，原籍げんせき浙江せっこう嘉よしみ興きょう，中国ちゅうごく文字もじ學がく家いえ、文學ぶんがく家いえ、史學しがく家いえ、書法しょほう家いえ、藝術げいじゅつ家いえ。於古文字もじ、聲こえ韻いん、訓詁くんこ、群ぐん經けい、史籍しせき、諸子しょし百ひゃく家いえ、佛典ぶってん、道みち藏ぞう、金石かねいし、書畫しょが之の學まなべ，以至辭じ賦ふ、詩歌しか、詞し曲きょく、小說しょうせつ、戲おどけ劇げき，無む所しょ不通ふつう，尤ゆう以古文字もじ學がく、書しょ學がく、楚すわえ辭じ、杜もり詩し、文學ぶんがく史し最さい為ため精しらげ到いた。

1888年生ねんせい於南京なんきん。少しょう承うけたまわ家學かがく。1909年ねん畢業於兩りょう江こう優ゆう級きゅう師範しはん學堂がくどう。一生いっしょう長期ちょうき執と教きょう，曾在明智あけち大學だいがく、武たけ昌あきら高等こうとう師範しはん學校がっこう、西北せいほく大學だいがく、四川しせん國立こくりつ女子じょし師範しはん學院がくいん等とう校こう任にん教きょう，歷任れきにん北京ぺきん女子じょし高等こうとう師範しはん學校がっこう教授きょうじゅ兼けん國文こくぶん部ぶ主任しゅにん，雲南うんなん大學だいがく教授きょうじゅ兼けん文學ぶんがく院いん院長いんちょう，金きむ陵りょう大學だいがく教授きょうじゅ兼けん國文こくぶん系けい主任しゅにん，國立こくりつ東南とうなん大學だいがく中ちゅう文系ぶんけい教授きょうじゅ、國立こくりつ中央大學ちゅうおうだいがく中ちゅう文系ぶんけい教授きょうじゅ兼けん系けい主任しゅにん與あずか文學ぶんがく院いん院長いんちょう、南京なんきん大學だいがく中ちゅう文系ぶんけい教授きょうじゅ兼けん系けい主任しゅにん與あずか文學ぶんがく院いん院長いんちょう，南京なんきん大學だいがく圖書館としょかん館長かんちょう。

生平おいだいら

天竺てんじく路ろ21号ごう 曾为胡えびす小石こいし寓ぐう所しょ

1888年ねん8月がつ16日にち，陰曆いんれき七なな月がつ九きゅう日にち生せい於南京なんきん。父親ちちおや胡えびす季き石せき，清きよし舉人，為ため刘熙载門人もんじん，長ちょう於古文和ふみかず書法しょほう，家藏かぞう文物ぶんぶつ、典籍てんせき甚富。 1893年ねん在家ありいえ受教于父，開始かいし誦讀《爾しか雅みやび》等とう書しょ。1899年ねん父ちち亡ほろび。家いえ貧ひん，依よ靠もたれ母親ははおや手工しゅこう勞ろう動どう收入しゅうにゅう及少量りょう房ぼう屋や租金維持いじ生活せいかつ。

1905年ねん3月がつ，考かんがえ取ど寧やすし屬ぞく師範しはん學堂がくどう簡易かんい科か，學習がくしゅう普通ふつう學がく及教育きょういく學說がくせつ。

1906年ねん6月がつ 寧やすし屬ぞく師範しはん畢業。9月，考こう兩りょう江こう師範しはん學堂がくどう預あずか科か。

1907年ねん2月がつ，考かんがえ取ど兩りょう江こう師範しはん學堂がくどう，插班入にゅう農のう博はく分類ぶんるい科か，學習がくしゅう生物せいぶつ、礦物、地質ちしつ等とう理論りろん。習《鄭てい文ぶん公おおやけ碑ひ》、《張ちょう黑くろ女おんな墓誌ぼし》。

1909年ねん12月，從したがえ兩りょう江こう師範しはん學堂がくどう畢業。

1910年ねん2月がつ，畢業後ご留とめ校こう任にん兩りょう江こう師範しはん學堂がくどう附ふ中ちゅう博物はくぶつ院いん教員きょういん。與あずか同學どうがく楊仲子こ之これ妹いもうと秀しゅう英えい結婚けっこん。

1912年ねん3月がつ，任にん江蘇ちぁんすー第だい四よん師範しはん學校がっこう博物はくぶつ教員きょういん。

1913年ねん1月がつ，由ゆかり李り梅うめ庵あん介かい紹，任にん長ちょう沙すな明德めいとく中學ちゅうがく博物はくぶつ教員きょういん。

1914年ねん4月がつ，因いん病びょう離はなれ開ひらき長ちょう沙すな回かい南京なんきん，住じゅう城南しろみなみ新橋しんばし梧桐あおぎり樹じゅ。8月，任にん江蘇ちぁんすー第だい一いち女子じょし師範しはん學校がっこう教員きょういん。教きょう博物はくぶつ，後ご兼けん教きょう國文こくぶん。

1916年ねん系統けいとう學習がくしゅう研究けんきゅう古代こだい文學ぶんがく，曾手抄しょう四よん本ほん《仲なか尚しょう雜記ざっき》。

1917年ねん8月がつ，由ゆかり李り梅うめ庵あん介かい紹，到いた上海しゃんはい任にん倉くら聖きよし明智めいち大學だいがく國文こくぶん教員きょういん。冬ふゆ，臥が病びょう在家ざいけ。

1918年ねん1月がつ，應おう李り梅うめ庵あん之これ召，到いた上海しゃんはい李すもも家か任にん家か塾じゅく塾じゅく師し。寫うつし成なり《金石かねいし蕃しげる錦にしき集しゅう》（二に冊さつ），由よし震ふるえ亞あ書しょ局きょく出版しゅっぱん石印せきいん本ほん。

1920年ねん11月，由ゆかり陳ひね中ちゅう凡推薦すいせん，受聘北京ぺきん女子じょし高等こうとう師範しはん學校がっこう，任にん教授きょうじゅ兼けん國文こくぶん部ぶ主任しゅにん，教きょう文學ぶんがく史し、修辭しゅうじ學がく、詩歌しか選せん作さく等とう。

1921年ねん致力於楚辭じ之の學まなべ，撰せん論ろん《招魂しょうこん》、論ろん《離はなれ騷》、論ろん《九きゅう歌うた》等とう文章ぶんしょう。開始かいし鑽研甲骨文字こうこつもじ。

1922年ねん7月がつ，因いん與あずか校こう當局とうきょく不ふ合ごう，離はなれ開北かいほく京女きょうおんな師し。

1923年ねん撰せん寫うつし《梧城周あまね君くん傳でん》、《論ろん治ち選せん學がく之これ派は別べつ》、《論文ろんぶん選せん之の長ちょう有ゆう五ご》、《杜もり詩し批評ひひょう》、《屈こごめ原げん賦ふ考こう講義こうぎ》、《楚すわえ辭じ辯べん名めい》、《張ちょう若わか虛きょ事蹟じせき考こう略りゃく》、《漢かん至いたり宋そう書目しょもく考こう》、《莊そう子こ天下でんか篇へん》、《荀子非ひ十じゅう二に子し篇へん》、《宋そう代だい文學ぶんがく論ろん》、《甲骨文字こうこつもじ用よう點てん例れい》等とう。另作《武たけ昌あきら雜ざつ詩し》一いち集しゅう。

1924年ねん3月がつ，任にん西北せいほく大學だいがく國文こくぶん系けい教授きょうじゅ兼けん系けい主任しゅにん。9月，任にん金きん陵りょう大學だいがく教授きょうじゅ兼けん系けい主任しゅにん。

1927年ねん8月がつ，任にん第だい四よん中山なかやま大學だいがく（原はら東南とうなん大學だいがく，次じ年ねん改あらため爲ため中央大學ちゅうおうだいがく）專せん職しょく教授きょうじゅ、系けい主任しゅにん及中文ぶん研究所けんきゅうじょ主任しゅにん，教きょう文學ぶんがく史し、甲かぶと骨こつ文ぶん、金文きんぶん、楚すわえ辭やめ、杜もり詩し、書しょ學がく史し等とう。

1928年ねん春はる，將はた自じ1921年ねん至いたり1928年間ねんかん主ぬし講こう的てき“中國ちゅうごく文學ぶんがく史し”課程かてい，取と學生がくせい蘇そ拯的筆記ひっき加か以審核かく，題名だいめい為ため《中國ちゅうごく文學ぶんがく史し講こう稿こう·上じょう編へん》，共きょう十じゅう一いち章しょう，由ゆかり上海しゃんはい人文じんぶん出版しゅっぱん社しゃ排はい印しるし出版しゅっぱん。

1929年ねん先後せんご有ゆう《真しん、草くさ二に體たい臨古四よん屏へい》、《臨王獻之おうけんし十じゅう三さん行ぎょう軸じく》等とう書作しょさく。

1930年ねん研けん習鍾繇書法ほう、北きた魏たかし造みやつこ像ぞう、劉りゅう平たいら國こく開ひらき道どう貌岸然しか記き、甲かぶと骨こつ文ぶん、金文きんぶん、秦はた詔みことのり版ばん等とう。

1931年ねん秋あき，在ざい中央ちゅうおう大學だいがく講こう授甲骨こつ文ぶん及金文きんぶん課程かてい，倡導銅器どうき上じょう文字もじ的てき變遷へんせん與あずか花はな紋もん相しょう適應てきおう之の說せつ，主張しゅちょう將はた文字もじ、花はな紋もん作さく綜合そうごう的てき研究けんきゅう。

1934年ねん9月がつ，為ため金きむ陵りょう大學だいがく成立せいりつ的てき國學こくがく研究けんきゅう班はん講こう授“書法しょほう史し”。

1935年ねん9月がつ，為ため金きん陵りょう大學だいがく國學こくがく研究けんきゅう班はん開設かいせつ“程ほど瑤よう田た考古學こうこがく”課か。

1936年ねん由ゆかり葉は楚すわえ傖介かい紹參加か中國ちゅうごく文藝ぶんげい社しゃ。

1937年ねん8月がつ，竭數すう年ねん之の精力せいりょく，鑽研聲音こわね與あずか訓詁くんこ之の關係かんけい，成なり《聲こえ統すべ表ひょう》上下じょうげ卷まき，發表はっぴょう于《金きむ陵りょう學がく報ほう》。

1938年ねん受聘為ため教育きょういく部ぶ中國ちゅうごく古代こだい文學部ぶんがくぶ聘教授きょうじゅ。

1939年ねん8月がつ，到いた昆こん明あきら兼任けんにん雲南うんなん大學だいがく教授きょうじゅ兼けん文法ぶんぽう學院がくいん院長いんちょう，教きょう詩し選せん和わ楚すわえ辭じ。先後せんご有ゆう《臨鍾繇書倦》、《臨甲骨こつ文ぶん》、《臨金文きんぶん》、《臨秦詔みことのり版ばん》等とう作さく。

1940年ねん1月がつ，離はなれ開ひらき雲南うんなん大學だいがく回かい重慶たーちん中央ちゅうおう大學だいがく。8月，再さい次つぎ到いた昆こん明あきら兼任けんにん雲南うんなん大學だいがく教授きょうじゅ兼けん文法ぶんぽう學院がくいん院長いんちょう，教きょう詩し選せん和わ楚すわえ辭じ。

1941年ねん1月がつ，離はなれ開ひらき昆こん明あきら雲南うんなん大學だいがく，回かい重慶たーちん中央ちゅうおう大學だいがく。2月，任にん白しろ沙すな女おんな師し學院がくいん教授きょうじゅ，教きょう散文さんぶん、文學ぶんがく史し和わ詩し選せん。因いん在ざい白しろ沙すな作詩さくし較多，題だい款多用よう“沙すな公こう”。

1944年ねん 56歲さい9月がつ，任にん中央ちゅうおう大學だいがく文科ぶんか研究所けんきゅうじょ中國ちゅうごく文學部ぶんがくぶ主任しゅにん。

1946年ねん春はる，在ざい重慶たーちん參加さんか中華ちゅうか全國ぜんこく美術びじゅつ協會きょうかい，任にん監事かんじ。8月，任にん金きん陵りょう大學だいがく兼職けんしょく教授きょうじゅ，教きょう文學ぶんがく史し、詩し選せん和わ楚すわえ辭じ。在ざい南京なんきん參加さんか全國ぜんこく文藝ぶんげい作家さっか協會きょうかい，任にん理事りじ。

1949年ねん1月がつ31日にち，由ゆかり於國民こくみん政府せいふ遷台，中央大學ちゅうおうだいがく教授きょうじゅ會かい投票とうひょう選せん舉產生せい“中央大ちゅうおうだい學校がっこう務つとむ維持いじ會かい”，選せん舉歐おう陽ひ翥、梁りょう希のぞみ、胡えびす小石こいし等とう11人為じんい委員いいん。8月8日にち，國立こくりつ中央ちゅうおう大學だいがく改名かいめい為ため國立こくりつ南京なんきん大學だいがく，成立せいりつ了りょう由ゆかり梁りょう希のぞみ、張ちょう江こう樹いつき、胡えびす小石こいし等とう21人にん組成そせい的てき國立こくりつ南京なんきん大だい學校がっこう務つとむ委い會員かいいん。任にん文學ぶんがく院いん院長いんちょう。1950年ねん任にん南京なんきん大學だいがく教授きょうじゅ，兼任けんにん金きん陵りょう大學だいがく教授きょうじゅ。在ざい南京なんきん中ちゅう澳文化ぶんか協會きょうかい、金きむ陵りょう大學だいがく講演こうえん《南京なんきん在ざい中國ちゅうごく文化ぶんか史上しじょう的てき地位ちい》。3月9日にち，國立こくりつ博物はくぶつ院いん籌備處しょ改あらため為ため國立こくりつ南京なんきん博物はくぶつ院いん，受聘為ため顧問こもん。

1951年ねん為ため南みなみ大中だいなか文系ぶんけい研究生けんきゅうせい講こう《說せつ文ぶん解かい字じ》部首ぶしゅ，整理せいり講こう稿こう，成なり《說せつ文ぶん部首ぶしゅ疏證》。

1952年ねん8月がつ 任にん南京なんきん大學だいがく教授きょうじゅ兼けん圖書館としょかん館長かんちょう。

1953年ねん65歲さい1月がつ16日にち，為ため南京なんきん博物はくぶつ院いん、華はな東ひがし文物ぶんぶつ工作こうさく隊たい和わ南京なんきん故こ宮みや分ぶん院いん作さく《中國ちゅうごく文字もじ與あずか書法しょほう》講座こうざ。

1954年ねん9月がつ，為ため南みなみ大中だいなか文系ぶんけい四よん年ねん級きゅう學生がくせい講こう《楚すわえ辭じ》。

1956年ねん68歲さい在ざい江蘇ちぁんすー文藝ぶんげい聯合れんごう會かい演えんじ講こう《屈こごめ原げん與あずか古こ神話しんわ》。

1958年ねん整理せいり數すう十年散見於課堂講授中研究甲骨文的心得和成果，彙集為ため《讀契劄記》。

1959年ねん開始かいし著ちょ《廣こう韻いん正せい讀》一いち書しょ。先後せんご有ゆう《續ぞく李り瑞みずほ清後せいご跋ばつ王おう鐸書卷しょかん》、《蔔運算うんざん元もと行書ぎょうしょ卷まき》、《臨中秋ちゅうしゅう帖じょう軸じく》、行書ぎょうしょ《臨米芾書軸じく》、行くだり楷書かいしょ《即そく是ぜ遠どお嗣五言ごごん聯れん》等とう書作しょさく。

1962年ねん3月がつ16日にち晨7時じ43分ふん逝世。

學術がくじゅつ

胡えびす小石こいし是ぜ甲かぶと骨こつ文學ぶんがく者もの。1924年ねん著ちょ《甲かぶと骨こつ文例ぶんれい》，開ひらき甲かぶと骨こつ文ぶん文法ぶんぽう研究けんきゅう之の先せん河かわ。1930年代ねんだい，另一著作ちょさく《临甲骨こつ文ぶん》問とい世よ。

詩し詞し

胡えびす小石こいし少年しょうねん以才氣き聞名，早年そうねん在ざい兩りょう江こう師範しはん求もとめ學がく時じ，詩文しぶん名めい噪一いち時じ；陳ちん中ちゅう凡回かい憶，一次和不輕于許人的周しゅう實みのる丹に同どう登とう清涼せいりょう山やま，品ひん茶ちゃ于掃葉は樓ろう，看み到いた牆上有ゆう署しょ胡えびす小石こいし名めい的てき詩句しく雲くも：“清きよし絲いと流りゅう管かん渾拋卻，來聽らいちょう山中さんちゅう掃葉聲ごえ”，不ふ由よし擊げき節ぶし讚歎さんたん。陳ひね散ち原はら稱しょう胡えびす小石こいし的てき七なな绝詩作しさく“仰おおせ追つい劉りゅう賓客ひんきゃく，為ため七なな百ひゃく年來ねんらい罕見。”曾昭燏評價ひょうか他た“所作しょさ絕句ぜっく，直ちょく追おい中ちゅう晚ばん唐とう。偶作ぐうさく小しょう令れい，有ゆう宋そう人じん風致ふうち。”

胡えびす小石こいし詩し詞し作品さくひん甚多，晚年ばんねん曾厘為ため六ろく卷かん，1949年ねん前まえ四よん卷かん：《磐石ばんじゃく集しゅう》、《峽かい林りん》、《無む同どう沙すな詞し》、《蜩ひぐらし樓ろう草くさ》；1949年ねん后きさき兩りょう卷まき：《東風こち堂どう集しゅう》(1949年ねん后きさき古今ここん體たい詩し)、《夏なつ廬いおり長短ちょうたん句く》(畢生ひっせい所しょ填はま小しょう令れい詞し)。其中，《無む同どう沙すな詞し》、《蜩ひぐらし樓ろう草くさ》有ゆう親筆しんぴつ定てい稿こう，《夏なつ廬いおり長短ちょうたん句く》有ゆう曾憲洛らく鈔本しょうほん，餘あまり皆みな未定みてい。1962年ねん胡えびす小石こいし去さ世よ，其在聯合れんごう國こく任にん職しょく之の長子ちょうし胡えびす令れい德とく回かい大陸たいりく治ち喪も，欲よく將すすむ其書詩集ししゅう帶たい到いた香港ほんこん影印えいいん出版しゅっぱん，因よし時任ときとう南大みなみおお校長こうちょう郭かく影かげ秋あき力ちから主ぬし在ざい內地先行せんこう出版しゅっぱん之の故こ，未み能のう帶出たいしゅつ。遂とげ后きさき胡えびす小石こいし次子じし楊白華はな（繼つぎ舅しゅうと家か改姓かいせい楊氏）廣こう為ため收おさむ羅ら，編へん為ため詩し詞し全集ぜんしゅう，寄よせ往中華はな書しょ局きょく，中華ちゅうか書しょ局きょく以當時とうじ內地出版しゅっぱん社しゃ尚なお無む印行いんこう現代げんだい人じん舊きゅう體からだ詩し詞し先例せんれい為ため由ゆかり，以政治せいじ原因げんいん退すさ稿こう胡えびす小石こいし遺著いちょ整理せいり委員いいん會かい。未み幾いく，文革ぶんかく驟起，書しょ稿こう被ひ毀。1986年ねん，在ざい南みなみ大中だいなか文系ぶんけい資料しりょう室しつ中ちゅう意外いがい發現はつげん胡えびす小石こいし遺物いぶつ一いち捆，大半たいはん為ため其論著ちょ底そこ稿こう、油あぶら印しるし授課講義こうぎ及參考さんこう資料しりょう，尚なお有ゆう民みん國こく初年しょねん所作しょさ雜ざつ鈔詩函はこ稿こう。吳ご白しろ匋等とう人ひと多おお方かた搜さがせ集しゅう增補ぞうほ，彙印《願ねがい夏なつ廬いおり詩し詞し鈔》，收入しゅうにゅう詩し251首しゅ、詞し19闋，“約やく存そん全貌ぜんぼう之の半はん。”

書法しょほう

胡えびす小石こいし師し從したがえ學院がくいん書法しょほう教育きょういく先驅せんく李り瑞みずほ清きよし，是ぜ金石かねいし書しょ派は重要じゅうよう代表だいひょう人物じんぶつ。和わ林はやし散ち之これ、蕭しょう嫻、高こう二に適てき合ごう稱しょう“金きむ陵りょう書法しょほう四よん老ろう”。

1934年ねん9月がつ，胡えびす小石こいし為ため金きん陵りょう大學だいがく國學こくがく研究けんきゅう班はん講こう授“書法しょほう史し”，這是中國ちゅうごく書法しょほう教育きょういく史上しじょう最早もはや為ため研究けんきゅう生せい開設かいせつ的てき書法しょほう史し課程かてい。

胡えびす小石こいし書法しょほう特とく點てん：用筆ようひつ以碑體たい的てき方かた筆ひつ為ため主ぬし，沉著、厚あつ實み、老ろう硬かた，並なみ於沉雄ゆう之の中有ちゅうう豪ごう邁之氣き。結ゆい體たい佈局，不ふ拘かかわ一いち格かく。字じ的てき中宮ちゅうぐう緊收，主筆しゅひつ畫が能のう放ひ則のり放ひ，神かみ縱たて、蕩とろけ漾。

逸事いつじ

胡えびす小石こいし授課，別べつ具ぐ一いち格かく。據よりどころ周しゅう勳いさお初はつ回かい憶，胡えびす小石こいし給きゅう研究けんきゅう生せい上じょう課か時じ，常常つねづね“用もちい一塊舊的包袱，包つつみ起おこり一迭厚厚的書，置おけ於座位い左ひだり前方ぜんぽう。當とう講こう到いた什麼いんも具體ぐたい問題もんだい，就打開だかい包つつみ袱，取出とりで有ゆう關せき的てき書しょ，按照預あずか先せん夾好的てき紙し條じょう檢出けんしゅつ材料ざいりょう，讓ゆずる大だい家傳かでん觀かん。” 胡えびす小石こいし講こう《楚すわえ辭じ》，有ゆう文ぶん回かい憶：東南とうなん大だい樓ろう大だい教室きょうしつ內，燈とう光明こうみょう亮あきら，座ざ無む虛きょ席せき。胡えびす小石こいし身み著ちょ長ちょう衫，手持てもち長劍ちょうけん，緩なる步ふ上臺うわだい，掌てのひら聲ごえ響ひびき成しげる一片いっぺん。先生せんせい站定，舉劍曰：“劍けん，能のう陸りく斷だん馬ば牛うし，水みず擊げき鵠くぐい雁かり，當とう敵てき力りょく斬き。自じ古名こみょう士多した愛あい劍けん，屈こごめ原はら也不例外れいがい。”言げん罷やめ，先生せんせい突然とつぜん“嗖”地ち一いち下か拔劍ばっけん出で鞘さや，劍けん鋒ほこさき寒かん光こう逼人。其時，有ゆう學生がくせい回かい首くび望もち去さ，“皓あきら月がつ當とう空そら，東南とうなん大だい樓門ろうもん廳ちょう與あずか過か道みち內，擠滿了まんりょう慕名而來的てき旁つくり聽者ちょうしゃ，門外もんがい草くさ坪つぼ上じょう，也坐滿了まんりょう手しゅ拿筆記ひっき本ほん的てき學生がくせい。” 胡えびす小石こいし講こう唐詩とうし，程ほど千帆ちほ曾回憶，有ゆう一いち次じ課か堂上どうじょう，先生せんせい讀著讀著柳やなぎ宗はじめ元もと的てき《酬むくい曹侍御ご過か象ぞう縣けん見寄みより》，便びん情じょう不ふ自じ禁きん地ち拿著書しょ唱了起おこり來らい，唱了一いち遍へん又また一いち遍へん。五ご六ろく遍へん之これ後ご，先生せんせい把わ書しょ一擲いってき，對たい諸しょ生せい說せつ：“你們走吧，我わが什麼いんも都と告訴こくそ你們了りょう。”

胡えびす小石こいし曾說自己じこ“平生ひらお有三ゆうぞう好こう，一いち好こう讀書どくしょ，二に好こう賦ふ詩し揮毫きごう，三好みよし東ひがし坡肉”，陶醉とうすい于和弟子でし、友人ゆうじん飲酒いんしゅ賦ふ詩し、縱たて論文ろんぶん史し。吳ご翠みどり芬有ゆう文ぶん追憶ついおく：“逢春秋しゅんじゅう佳日かじつ，（小石こいし師し）常つね邀弟子でし二に三さん人出ひとで遊ゆう，餘多あまた隨ずい侍さむらい。相あい與あずか攀よじ牛首うしくび，登とう棲霞，探さがせ石頭いしあたま城じょう之の故こ跡あと，攬莫愁湖之の勝景しょうけい。嘗于夏なつ日び荷に花はな開ひらけ時じ，天才てんさい微ほろ明あきら，即そく往玄武げんぶ湖こ，載の一いち葉よう扁舟へんしゅう，破やぶ迷茫之の晨霧，搖ゆら入荷にゅうか花はな深ふか處しょ，輕風けいふう拂はらい面めん，幽香ゆうこう沁人，以為斯樂南面なんめん不易ふえき。又また嘗于櫻花おうか盛もり開ひらく之これ際さい，遊ゆう孝こう陵りょう及梅花山はなやま，坐すわ花はな下か高吟こうぎん唐人とうじん絕句ぜっく，音調おんちょう清しん越えつ，回かい蕩とろけ于林木き間あいだ，其雅懷ふところ高だか致可見み矣。” 胡えびす小石こいし好こう美食びしょく，授課之の余よ，常つね邀學生せい數すう人にん，在ざい金かね陵りょう城内じょうない幾いく個こ老ろう字じ號ごう菜館さいかん品ひん嘗佳餚，金きむ陵りょう菜さい中有ちゅうう一道いちどう菜さい，名めい曰“胡えびす先生せんせい豆腐とうふ”，便びん出自しゅつじ胡えびす小石こいし。

胡えびす小石こいし好こう昆こん曲きょく。抗こう戰前せんぜん南京なんきん逢有昆こん曲きょく演出えんしゅつ，每まい場ば必到，常常つねづね是ぜ與あずか黃き侃ただし合ごう買かい票數ひょうすう十じゅう張ちょう，邀請弟子でし們一起おこり觀かん看み，每まい到いた精せい絕ぜっ處しょ，他た一いち鼓こ掌てのひら，學生がくせい就在後ご排はい回かい應おう，齊ひとし聲こえ叫さけべ好こう，向こう演えんじ員いん表示ひょうじ鼓こ勵。

胡えびす小石こいし不ふ事こと權けん貴とうと。1946年ねん時じ國民こくみん政府せいふ主席しゅせき蔣介石せき六ろく十じゅう壽ことぶき辰たつ時じ，朝野あさの各かく色いろ人じん等とう競きおい相しょう獻けんじ禮れい，或ある撰せん頌辭，或ある獻けんじ九きゅう鼎かなえ。有一ゆういち“民意みんい機構きこう”派は人じん請胡小石こいし撰せん寫うつし壽文としふみ，胡えびす小石こいし一いち口くち回かい絕ぜっ。來らい人ひと問とい道どう：“前まえ時じ美び軍ぐん將領しょうりょう史ふみ迪すすむ威たけし逝世，那な次じ公おおやけ祭さい典禮てんれい上じょう的てき祭文さいぶん，不ふ是ぜ由よし先生せんせい寫うつし作さく的てき麼？”胡えびす小石こいし答こたえ道どう：“史ふみ迪すすむ威い將軍しょうぐん來らい中國ちゅうごく幫助我わが們抗戰こうせん，所以ゆえん我わが才ざい為ため他た寫うつし祭文さいぶん。再說さいせつ，我わが只ただ會かい給きゅう死人しにん寫うつし祭文さいぶん，不ふ會かい替がえ活かつ人じん寫うつし壽文としふみ。”來らい人じん聞之變色へんしょく，悻悻而去。

其他

與あずか師長もろなが梅うめ庵あん先生せんせい

兩りょう江こう師範しはん學堂がくどう監督かんとく李り瑞みずほ清きよし（號ごう梅うめ庵あん）有ゆう一次親自出題測試學生，於答卷まき中ちゅう發現はつげん學がく農のう博はく的てき胡えびす小石こいし居然きょぜん能のう作さく《儀式ぎしき》方面ほうめん的てき文章ぶんしょう，於是青あお睞有加か，親おや自在じざい課か餘あまり授其傳統でんとう國學こくがく。胡えびす小石こいし後ご又また跟與梅うめ庵あん過か從したがえ甚密的てき沈曾植うえ、曾農髯ひげ、王おう靜しず安やす、鄭てい大鶴おおつる等とう人ひと學がく帖じょう學がく、金石かねいし文字もじ學がく及書畫が、甲きのえ骨ほね學がく等とう。

1920年ねん秋あき，梅うめ庵あん先生せんせい在ざい滬病逝，胡えびす小石こいし與あずか梅うめ庵あん同鄉どうきょう摯友曾農髯ひげ共ども理り喪も事ごと，遵其“歸き葬そう金きん陵りょう”的てき遺言ゆいごん，將はた其遺體いたい安やす葬そう于南京なんきん城じょう郊牛首山うしくびやま雪ゆき梅うめ嶺みね羅漢らかん泉いずみ，墓はか旁つくり植うえ梅うめ300株かぶ，築ちく室しつ數すう間あいだ，名めい“玉たま梅花ばいか庵あん”。

胡えびす小石こいし是ぜ梅うめ庵あん先生せんせい的てき傳つて人じん，後人こうじん評ひょう胡えびす小石こいし“近きん得とく梅うめ庵あん北きた派は之の真髓しんずい，兼けん受農髯ひげ南みなみ派は之の薰かおる沐，遠とお紹兩周しゅう金文きんぶん之の異變いへん，秦はた權けん詔みことのり版ばん之の規範きはん，漢かん簡八はち分ふん之の寬ひろし博はく。”胡えびす小石こいし一生いっしょう敬仰けいぎょう梅うめ庵あん先生せんせい，每年まいとし逢梅庵あん先生せんせい忌日きじつ，必定ひつじょう素もと食しょく；至いたり清明せいめい節ぶし必親赴牛首山うしくびやま掃墓。抗こう戰後せんご幾いく經けい戰亂せんらん，李り墓はか竟無跡あと可か尋ひろ。1949年ねん後ご，胡えびす小石こいし曾讓學生がくせい侯ほう鏡かがみ昶あきら代だい為ため尋ひろ訪おとずれ，但ただし遍あまね訪おとずれ未み果はて，直ちょく至いたり1970年代ねんだい末まつ才ざい找到李り瑞みずほ清しん墓はか園えん，益えき撰文せんぶん“清道きよみち人じん其人其墓”，記述きじゅつ李り瑞みずほ清きよし的てき生平おいだいら、功業こうぎょう及他與あずか胡えびす小石こいし之の間あいだ綿めん長ちょう的てき師長もろなが情誼じょうぎ。2002年ねん，南京なんきん大學だいがく主持しゅうもち進行しんこう了りょう李り瑞みずほ清しん墓ぼ的てき修繕しゅうぜん。

著作ちょさく

• 《甲かぶと骨こつ文例ぶんれい》（1924）
• 《遠とお遊ゆう疏證》（1926）
• 《說せつ文ぶん古文こぶん考こう》（1927）
• 《金文きんぶん釋しゃく例れい》（1928）
• 《古文こぶん變遷へんせん論ろん》（1933）
• 《齊ひとし楚すわえ古金こがね表ひょう》（1934）
• 《聲こえ統すべ表ひょう》（1937）
• 《江津ごうつ縣けん方言ほうげん志こころざし》
• 《說せつ文ぶん部首ぶしゅ疏證》
• 《楚すわえ辭じ辨べん名めい》
• 《書庫しょこ方かた二氏藏甲骨卜辭印本》
• 《金石かねいし蕃しげる錦にしき集しゅう》
• 《屈こごめ原げん賦ふ考こう講義こうぎ》
• 《中國ちゅうごく文學ぶんがく史し》
• 《願ねがい夏なつ廬いおり詩鈔ししょう》（吳ご白しろ匋）