陳ちん踐誠

陳ちん踐誠
越こし南みなみ阮朝大臣だいじん
工こう部ぶ尚書しょうしょ、國史こくし館かん總裁そうさい、文明ふみあき殿どの大だい學士がくし、機密きみつ院いん大臣だいじん、輔政大臣だいじん
國家こっか	大南おおみなみ
時代じだい	阮朝
姓せい	陳ひね
名な	養やしなえ鈍どん、踐誠（賜たまもの名めい）
字じ	時敏ときとし
號ごう	遜へりくだ齋とき
出生しゅっしょう	(1813-12-14)1813年ねん12月14日にち 嘉隆よしたか十じゅう二に年ねん十じゅう一いち月がつ二に十じゅう二に日にち 阮朝廣德ひろのり營肇はじめ豐ゆたか府ふ香こう茶ちゃ縣けん明鄉あけさと社しゃ
逝世	1883年ねん11月30日にち(1883歲さい—11—30)（69歲さい） 嗣德三さん十じゅう六ろく年ねん十じゅう一いち月がつ初はつ一いち日にち 阮朝承うけたまわ天てん府ふ順化じゅんか京きょう城じょう
出身しゅっしん
進士しんし

陈践诚（越えつ南みなみ语：Trần Tiễn Thành／陳ちん踐誠；1813年ねん12月14日にち—1883年ねん11月30日にち），本名ほんみょう陳ちん養よう鈍どん（越えつ南みなみ语：Trần Dưỡng Độn／陳ちん養よう鈍どん），字じ時敏ときとし（越えつ南みなみ语：Thời Mẫn／時敏ときとし），號ごう遜へりくだ齋とき（越えつ南みなみ语：Tốn Trai／遜へりくだ齋とき），本ほん以字行ぎょう，名めい陳ちん時敏ときとし，後こう避嗣德とく帝みかど諱いみな，改名かいめい陳ちん敏さとし，嗣德帝みかど賜たまもの名めい踐誠，越こし南みなみ阮朝政治せいじ人物じんぶつ，明鄉あけさと人じん。

祖先そせん

陳ちん踐誠祖そ籍せき中國ちゅうごく福建ふっけん，其祖先さき曾出仕しゅっし明朝みんちょう。後來こうらい明朝みょうちょう被ひ清朝せいちょう攻おさむ滅ほろび，其祖不ふ願ねがい降くだ清きよし，投とう奔越南みなみ，來き到いた香こう茶ちゃ縣けん定てい居きょ。

生平おいだいら

陳ちん踐誠生せい於嘉隆たかし十じゅう二に年ねん（1813年ねん），父親ちちおや是ぜ新平しんぺい知ち府ふ陳ちん伯はく亮あきら。21歲さい入國にゅうこく子こ監かん讀書どくしょ，頗有文名ぶんめい，有ゆう“文ぶん長なが賦ふ敏さとし”之の稱しょう。明あかり命いのち十じゅう八はち年ねん（1837年ねん），陳ちん踐誠參加さんか承うけたまわ天てん場じょう鄉きょう試こころみ，考こう中ちゅう舉人。次つぎ年ねん（1838年ねん）會かい試ためし中ちゅう格かく，參加さんか殿どの試こころみ，考こう中ちゅう第だい二に甲かぶと進士しんし出身しゅっしん。初はつ授翰林院かんりんいん編修へんしゅう，充たかし機密きみつ院いん行くだり走はし。紹治初年しょねん，歷任れきにん吏部員いん外郎ういろう、兵部ひょうぶ郎ろう中ちゅう，出で為ため清きよし化か按察使し。嗣德元年がんねん（1848年ねん），升ます任にん太ふと僕ぼく寺てら卿きょう，領りょう戶部とべ辦理。次つぎ年ねん（1849年ねん），充たかし如清甲かぶと副使ふくし。但ただし未み及出使し，就改任にん吏部辦理，兼けん管かん大だい理り寺てら印しるし篆。後こう擢升嘉よしみ定じょう布ぬの政せい使し，轉任てんにん工こう部ぶ侍さむらい郎ろう，充たかし辦理閣かく務つとむ。

嗣德六ろく年ねん（1853年ねん）七なな月がつ，嗣德帝みかど賜たまもの名めい“踐誠”。嗣德八はち年ねん（1855年ねん），廣義こうぎ石壁いしかべ蠻煽動せんどう叛亂はんらん，陳ちん踐誠充たかし任にん贊さん理り軍務ぐんむ。叛亂はんらん平定へいてい後ご，升ます兵部ひょうぶ參まいり知ち，充たかし經けい筵むしろ講こう官かん。嗣德十じゅう四よん年ねん（1861年ねん），升ます任にん工こう部ぶ尚書しょうしょ兼けん順安じゅんあん汛督防ぼう，防備ぼうび法ほう軍ぐん入いれ侵おかせ。防ぼう務つとむ輕けい簡後，改あらため任にん戶部とべ尚書しょうしょ兼けん管かん欽天監かん。充たかし機密きみつ院いん大臣だいじん。後こう改あらため任にん兵部ひょうぶ尚書しょうしょ兼けん管かん集しゅう賢けん院いん。嗣德十じゅう七なな年ねん（1864年ねん），陳ちん踐誠作為さくい欽差全權ぜんけん副使ふくし的てき身み份，隨ずい潘はん清きよし簡在ざい順化じゅんか與あずか法ほう國こく代表だいひょう何なに巴ともえ理さとし簽訂和わ約やく，獲得かくとく一いち枚まい“廉平れんぺい勤つとむ幹みき”二に項こう金きむ磬かおる。隨ずい後ご領りょう命いのち持じ節ぶし前ぜん往海陽かいよう省しょう勉勵べんれい將士しょうし。陳ひね踐誠抵達海陽かいよう時じ，恰逢當地とうち爆發ばくはつ饑ひだる荒あら，他た下した令れい向こう各かく府縣ふけん發はつ放ひ三さん千方米賑濟災民，事後じご獲得かくとく嗣德帝みかど諒解りょうかい。嗣德十じゅう九きゅう年ねん（1866年ねん），升ます署しょ協きょう辦大學士がくし，改あらため領りょう工こう部ぶ尚書しょうしょ，仍兼集しゅう賢けん院いん，充たかし國史こくし館かん總裁そうさい。

嗣德二に十じゅう年ねん（1867年ねん），法ほう軍ぐん入いれ侵おかせ南みなみ圻西にし三さん省しょう，陳ちん踐誠充たかし任にん欽差大臣だいじん，前ぜん往嘉定じょう與あずか法ほう軍ぐん統帥とうすい議ぎ和わ。議ぎ和わ不ふ成なり，降くだ為ため參さん知ち，仍領工こう部ぶ尚書しょうしょ。嗣德二に十じゅう二に年ねん（1869年ねん），北きた圻軍事情じじょう急きゅう，陳ちん踐誠再任さいにん欽差，前ぜん往北きた寧やすし省しょう坐すわ鎮指揮しき。事情じじょう平ひら息いき後ご，升ます授兵部ぶ尚書しょうしょ，賞賜しょうし一いち枚まい“曰忠”大だい項こう金錢きんせん。次つぎ年ねん（1870年ねん），獲え賞しょう一いち件けん水晶すいしょう金きん幫指、一いち面めん“廉平れんぺい勤つとむ幹みき”大だい項こう金きむ磬かおる。不ふ久ひさ升ます署しょ協きょう辦大學士がくし，仍領兵部ひょうぶ尚書しょうしょ。

嗣德二に十じゅう五ご年ねん（1872年ねん），生母せいぼ去さ世よ，陳ちん踐誠請求せいきゅう回かい鄉きょう守もり制せい，嗣德帝みかど不ふ許もと，只ただ給きゅう3個月かげつ處理しょり喪も事ごと。次つぎ年ねん（1873年ねん）春はる，實じつ授協きょう辦大學士がくし。同年どうねん，河かわ內省、海陽かいよう省しょう、南みなみ定じょう省しょう、寧やすし平たいら省しょう相あい繼つぎ失しつ守もり，阮文祥さち與あずか法ほう軍ぐん和談わだん，收おさむ回かい四よん省しょう。嗣德帝みかど以阮文ぶん祥さち是ぜ陳ひね踐誠舉薦為ため由ゆかり，升ます授陳踐誠為ため署しょ文明ふみあき殿どの大だい學士がくし，稱しょう為ため陳ひね卿きょう而不直ちょく呼よび其名。嗣德三さん十じゅう一いち年ねん（1878年ねん），實じつ授文明あきら殿どの大だい學士がくし，仍領兵部ひょうぶ尚書しょうしょ。

嗣德三さん十じゅう六ろく年ねん（1883年ねん）六ろく月がつ，嗣德帝みかど在ざい臨終りんじゅう前ぜん任命にんめい陳ひね踐誠為ため輔政大臣だいじん，與あずか同どう輔政大臣だいじん尊みこと室しつ说、阮文祥さち輔佐ほさ育そだて德とく帝みかど。

阮文祥さち與あずか尊みこと室しつ說せつ不滿ふまん育そだて德とく帝みかど，脅迫きょうはく陳ひね踐誠贊同さんどう廢はい黜育德とく帝みかど，改あらため立りつ協和きょうわ帝みかど。協和きょうわ帝みかど升ます授陳踐誠為ため太ふとし保ほ、勤つとむ政まさし殿どの大だい學士がくし。陳ひね踐誠堅けん辭やめ，但ただし未み獲え准じゅん許もと。不ふ久ひさ，御ご史し黃き琨彈劾だんがい陳ひね踐誠抄しょう寫うつし遺のこ詔みことのり遺漏いろう內容，廷議定ぎてい罪ざい為ため杖つえ革かわ。協和きょうわ帝みかど認みとめ為ため陳ひね踐誠是ぜ四よん朝あさ老臣ろうしん，準じゅん降くだ二に級きゅう留任りゅうにん。自じ此，陳ちん踐誠多た次つぎ被ひ阮文祥さち二人ふたり脅迫きょうはく。八はち月がつ，辭去じきょ機密きみつ院いん大臣だいじん一いち職しょく，留とめ在京ざいきょう城じょう私わたし第だい養やしなえ病びょう。十じゅう月がつ三さん十じゅう日にち（11月29日にち），阮文祥さち、尊みこと室しつ說せつ想おもえ要よう再さい行くだり廢立はいりつ，脅迫きょうはく陳ひね踐誠參與さんよ此事，遭到陳ひね踐誠拒絕きょぜつ。這一舉動又遭二人猜疑。當夜とうや子こ時じ，陳ちん踐誠家か遭人盜ぬすめ竊，陳ちん踐誠本人ほんにん被ひ殺ころせ，享年きょうねん七なな十じゅう一いち歲さい。葬そう於香水こうすい縣けん月つき瓢ひさご坊ぼう。

建けん福ぶく帝みかど繼つぎ位い後ご，阮文祥さち二人又追究陳踐誠過失，追おい降くだ他た為ため兵部ひょうぶ尚書しょうしょ。咸宜元年がんねん（1885年ねん）九きゅう月がつ，阮有度ど、潘はん廷評為ため陳ひね踐誠陳情ちんじょう，開ひらき復ふく誥授特進とくしん榮さかえ祿ろく大夫たいふ文明ぶんめい殿どの大だい學士がくし原げん銜，諡おくりな文ぶん誼よしみ。

家庭かてい

妻妾さいしょう

陳ちん踐誠有ゆう1妻つま5妾わらわ。

• 妻つま一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し瑞みず，禮れい部ぶ尚書しょうしょ梁りょう進すすむ祥さち長女ちょうじょ，生なま2子し9女じょ
• 妾わらわ端はし人じん黃き氏し鑑かん，河かわ內明鄉社ごうしゃ黃き翁おう長女ちょうじょ，生なま3子し3女じょ
• 妾わらわ孺人阮氏卓たく，生なま3子し1女じょ
• 妾わらわ孺人陳ちん氏し體たい，生なま1女じょ
• 妾わらわ孺人黎はじむ氏し如，布ぬの政せい使し黎はじむ珽次女じじょ，生なま1女じょ
• 妾わらわ孺人尊みこと女おんな氏し嫺，尊みこと室しつ開ひらく次女じじょ

子女しじょ

陳ちん踐誠有ゆう8子し15女じょ，子女しじょ混合こんごう排はい行ぎょう。

• 長女ちょうじょ陳ちん氏し嫝，母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し
• 二女じじょ陳ちん氏し娃，母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し
• 三さん女じょ陳ちん氏し妤，母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し
• 四よん女じょ陳ちん氏し好このみ，母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し
• 五ご女じょ陳ちん氏し嬈，母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し
• 六ろく女じょ陳ちん氏し嬐，母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し
• 七なな女じょ陳ちん氏し妙みょう，母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し，嫁よめ綏盛伯はく張ちょう光ひかり榜，綏盛郡こおり公こう張ちょう登のぼり桂かつら之これ孫まご，綏盛侯こう張ちょう光ひかり柱ばしら與あずか安美やすみ公主こうしゅ徽柔長子ちょうし
• 八はち女じょ陳ちん氏し（想そう鳥とり），母はは孺人阮氏
• 九きゅう子し陳ひね懷ふところ永ひさし，又また名な陳ちん踐讜，母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し
• 十じゅう女じょ陳ちん氏し杜もり，母はは端はし人じん黃き氏し
• 十じゅう一いち子し，早はや殤，母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し
• 十じゅう二に子し陳ひね懷ふところ濬，母はは孺人阮氏
• 十じゅう三さん女じょ陳ちん氏し（免めん少しょう），母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し
• 十じゅう四よん女じょ陳ちん氏し嫻，母はは一いち品ひん夫人ふじん梁りょう氏し，初はつ嫁よめ阮露澤さわ，順慶じゅんけい總督そうとく阮青威い長子ちょうし；再嫁さいか張ちょう光悅こうえつ，綏盛郡ぐん公おおやけ張ちょう登のぼり桂かつら第だい七なな子し
• 十じゅう五ご子し陳ひね懷ふところ清きよし，又また名な陳ちん踐誡，又また名な陳ちん踐訓，仕つかまつ至いたり厚あつ祿ろく知ち縣けん
• 十じゅう六ろく子し，早はや殤，母はは端はし人じん黃き氏し
• 十じゅう七なな子し陳ひね懷ふところ瀞とろ，母はは端はし人じん黃き氏し
• 十じゅう八はち女じょ陳ちん氏し順じゅん，母はは端はし人じん黃き氏し
• 十じゅう九子陳懷瀅，母はは孺人阮氏
• 二に十じゅう女じょ陳ちん氏し進しん，母はは端はし人じん黃き氏し，嗣德三さん十じゅう二に年ねん入いれ宮みや，封ふう貴人きじん；咸宜元年がんねん回かい家か，改あらため嫁よめ廣東かんとん幫幫長ちょう侯ほう成章しげあき
• 二に十じゅう一いち陳ひね氏し姬ひめ，母はは孺人陳ちん氏し，嫁よめ秀才しゅうさい黃き有ゆう恬，協きょう辦大學士がくし黃き有ゆう常つね長子ちょうし
• 二に十じゅう二に子し陳ひね懷ふところ溥，又また名な陳ちん踐諴、陳ちん踐誨，母はは端はし人じん黃き氏し
• 二に十じゅう三さん女じょ陳ちん氏し𨮁，母はは孺人黎はじむ氏し

參考さんこう文獻ぶんけん

• 《大南おおみなみ正編せいへん列傳れつでん二に集しゅう》卷まき三さん十じゅう二に 陳ひね踐誠傳でん
• 《承うけたまわ天明てんめい鄉きょう陳ちん氏し正せい譜ふ》