(Translated by https://www.hiragana.jp/)
立岩真也:連載29〜35・資料
HOME > Tateiwa >

連載れんさい29〜35・資料しりょう

立岩たていわ しん 2008 『現代げんだい思想しそう


※「有限ゆうげんでもあるからひかえることについて」は、れたのち以下いかほんだいしょうになりました。
立岩たていわ しん也 20090325 ただせい筑摩書房ちくましょぼう,424p. ISBN-10: 4480867201 ISBN-13: 978-4480867209 3360 [amazon][kinokuniya] ※ et.

◆2008/02/01 「有限ゆうげんでもあるからひかえることについて――家族かぞくせい市場いちば 29」
 現代げんだい思想しそう』36-2(2008-2):48-60(特集とくしゅう医療いりょう崩壊ほうかい――生命せいめいをめぐるエコノミー)
◆2008/03/01 「有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・2――家族かぞくせい市場いちば 30」
 現代げんだい思想しそう』36-3(2008-3):20-31
◆2008/04/01 「有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・3――家族かぞくせい市場いちば 31」
 『現代げんだい思想しそう』36-4(2008-4):-
◆2008/05/01 「有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・4――家族かぞくせい市場いちば 32」
 『現代げんだい思想しそう』36-(2008-5):-
◆2008/06/01 「有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・5――家族かぞくせい市場いちば 33」
 『現代げんだい思想しそう』36-(2008-6):-
◆2008/07/01 「有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・6――家族かぞくせい市場いちば 34」
 『現代げんだい思想しそう』36-(2008-7):-
◆2008/08/01 「有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・7――家族かぞくせい市場いちば 35」
 『現代げんだい思想しそう』36-(2008-8):-


■■有限ゆうげんでもあるからひかえることについて――家族かぞくせい市場いちば 29
 20080201 『現代げんだい思想しそう』36-2(2008-2):
■はっきりしたはやくよくわからない変化へんか
短絡たんらく
老人ろうじん病院びょういん批判ひはん
たきり老人ろうじんがいないくに
■もうひとつの発見はっけん

■■有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・2――家族かぞくせい市場いちば 30
 20080301 『現代げんだい思想しそう』36-3(2008-3):
前回ぜんかい要約ようやく
■なおす/とどまる:本人ほんにんにおいて
■なおす/とどめる:援助えんじょしゃにおいて
たきり/自立じりつ

■■有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・3――家族かぞくせい市場いちば 31
 20080401 『現代げんだい思想しそう』36-4(2008-4):
復習ふくしゅう予告よこく
ひかえる本人ほんにんひかえさせない家族かぞくという
■「福祉ふくしのターミナルケア」 cf.『「福祉ふくしのターミナルケア」にかんする調査ちょうさ研究けんきゅう事業じぎょう報告ほうこくしょ』(1997)
集会しゅうかい番組ばんぐみ国会こっかい

■■有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・4――家族かぞくせい市場いちば 32
 20080501 『現代げんだい思想しそう』36-5(2008-5):
批判ひはんしたひとたち
医療いりょう経済けいざい
結果けっかしょうずること
あらかじかぎられている福祉ふくしへの移行いこう
結果けっかしょうずること

■■有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・5――家族かぞくせい市場いちば 33
 20080601 『現代げんだい思想しそう』36-(2008-6):

■「後期こうき高齢こうれいしゃ云々うんぬん
改革かいかく親和しんわする認識にんしき
調査ちょうさ
■「たんなる延命えんめい

■■有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・6――家族かぞくせい市場いちば 34
 20080701 『現代げんだい思想しそう』36-(2008-7):

概要がいよう
苦痛くつう
ひょう
職業しょくぎょうじんたち
家族かぞく市民しみん
人間にんげんがく

■■有限ゆうげんでもあるからひかえることについて・7――家族かぞくせい市場いちば 35
 20080801 『現代げんだい思想しそう』36-(2008-8):

経済けいざいてきでない人々ひとびと賛同さんどう
無駄むだ無駄むだであることを承諾しょうだくしたこと
■それを仕事しごととするひとたち
改革かいかく節約せつやくになるとってしまうこと
保険ほけんとして主張しゅちょう実現じつげんされることの制約せいやく
■やはり基本きほんをはっきりさせる
■ここななかい概略がいりゃく



だい29かい・註

★01 いちきゅうはち年代ねんだいからいちきゅうきゅう年代ねんだいいまきているひとたちのおおくがきてきた時代じだいである。ただそうであっても、もう記憶きおく曖昧あいまいになってしまっている部分ぶぶんがある。また、のちになってなにこったのかがわかるということもある。当時とうじ言説げんせつについて、天田あまだしろかいからおおくを教示きょうししていただいた。また今後こんご研究けんきゅうをCOE生存せいぞんがく創成そうせい拠点きょてん研究けんきゅう一環いっかんとして、天田あまだ指導しどうする「研究けんきゅうかい」が展開てんかいすることになる。これまでの成果せいかとしてなかこう有吉ありよし堀田ほった[2007]、田島たじま坂下さかした伊藤いとう野崎のさき[2007]。またHPに資料しりょう――http://www.arsvi.com「うち」をい」検索けんさくしていただくとつかる――を掲載けいさいしている。
★02 近年きんねんのことについて多田ただ富雄とみお『わたしのリハビリ闘争とうそう――さい弱者じゃくしゃ生存せいぞんけんまもられたか』(多田ただ[2007])。
★03 横塚よこつか晃一こういちははよ!ころすな』(横塚よこつか[1975→2007])。このところ頻繁ひんぱんにこのほん言及げんきゅうしてきた。
★04 なおらないのになおるとわれて様々さまざまされたひとたちがいた。だから医療いりょう批判ひはんてきだった。ではなおるのであればそのことはどうかんがえたらよいのか。本号ほんごう収録しゅうろくされる山田やまだしんへのインタビューのなかにもそのことがてくる。本誌ほんしでは、〇〇さんねんじゅういちがつごう特集とくしゅうそうてんとしての生命せいめい収録しゅうろくされた古井ふるいとおる「リハビリテーションの誤算ごさん」(古井ふるい[2003])、うえみのりせいつよし医療いりょう論理ろんり言語げんご論理ろんり――聴覚ちょうかく障害しょうがいにとってのベネフィットとはなにか」(うえみのり[2003])。わたしいたものはべつかい紹介しょうかいする。
★05 かいのHPない資料しりょう老人ろうじん専門せんもん医療いりょうかんがえるかい[2007])によれば、発足ほっそくいちきゅうはちさんねんいちきゅうはちねんにはだいいちかいのシンポジウムが開催かいさいされている。
★06 「『この特別とくべつ養護ようご老人ろうじんホームというのは、なんでしょうか』/『ネタキリ老人ろうじんとか、人格じんかく欠損けっそんのあるほう収容しゅうようする施設しせつです』/たきり老人ろうじんというのはひとつの熟語じゅくごとして専門せんもん用語ようごになっているらしいとかったが、人格じんかく欠損けっそんからない。質問しつもんしてみると」(有吉ありよし[1972→2003:308])。

だい30かい・註

★01 医療いりょう経済けいざいがく)にかかわるほん様々さまざまあり、よいほんもあり、らないことをしるしてくれているほんもある。それでもまだいくらも調しらべておいてよいことがある。たとえば高価こうか人工じんこう透析とうせき費用ひよう負担ふたんできずおおくのひとくなっていた時期じきがあり、その自己じこ負担ふたんをなくそうという運動うんどうがあり、それが実現じつげんしたことがあった。いちきゅうななねん前後ぜんこうのことだ。有吉ありよし[2008]でその歴史れきし収集しゅうしゅう叙述じょじゅつはじめられている。いまやすくはないその装置そうち価格かかくのことをどうかんがえたらよいのかといったこともふくめ、様々さまざま調しらかんがえるべきことがある。あたらしいものをってなにごとかをおうというのもわるくはない。ただ、現在げんざいにつながる様々さまざまなことのおおくはすでこっている。
★02 植村うえむら[2008]は、歯根しこん)をし、そこにあなをあけてレンズをとりつけ、それを眼球がんきゅうとしてむという手術しゅじゅつけたスティーブ・ジョンソン症候群しょうこうぐんひと医師いしはなしいてかれた。このたしかにびっくりする手術しゅじゅつけて、そしてたしかに成功せいこうしたひとがいる。ながいあいだえていたひとえなくなって、そしてまた、様々さまざま制約せいやくきではあるが、えるようになった。それはおおむねよいことであった。ただそれは、おおおむねそうだということで、様々さまざまなことはあった。ではその様々さまざまあらし、かぞげて整理せいりすると、そのひと手術しゅじゅつをやめただろうか。たぶんやはりけただろう。ではかぞげることには意味いみがないか。そうでもないはずだ。なかなかすっきりしたはなしにはならないとしても、様々さまざまおこないの、様々さまざまひとにとっての得失とくしつについて調しらべて、かんがえることはなされてよい。
 そして、なおらないこと、もうこってしまったよくないこと、それをどうしたらよいのか。十分じゅうぶんこたえなどというものがあらかじめないことがわかったうえで、このことにかかわるわたしたちの営為えいいについてをるということはなされてよい。(そう簡単かんたんに)もとにはもどらない、ることのできないことがあったときひとはどんなことをするのか。それにしたって一様いちようではない。もちろん自分じぶんのこの状態じょうたいは、あるいは過去かここったことは、わるくはないのだとおもえたほうがよいこと、そしておもえることもあるにはある。しかしむろんそんなことばかりではない。そのときひとなにをするか。自分じぶんのせいにしたり、ひとのせいにしたり、妖怪ようかいのせいにしたりする、等々とうとう。それはどのようによく、どのようにうまくいかないところをのこすのか。山口やまぐち[2008]がかんがえてみている。
★03 こうしたことをとらえたつぎのような文章ぶんしょうもある。引用いんよう文中ぶんちゅう青梅おうめけいとも病院びょういん院長いんちょう本文ほんぶんでその著書ちょしょ引用いんようする大塚おおつか宣夫のりおである。次回じかい二木ふたき著作ちょさくからは、「無駄むだ延命えんめい治療ちりょう」がかれ国々くにぐにでなされていないことについての基本きほんてきには肯定こうていてき言及げんきゅうと、「福祉ふくしのターミナルケア」論争ろんそうにおける石井いしいらの主張しゅちょう擁護ようごしている部分ぶぶん引用いんよう紹介しょうかいする予定よてい。やはりなかなかに事態じたい複雑ふくざつなのでもあるし、また整理せいりすればそれほどでもない。
 「たとえ早期そうきからリハビリテーションを徹底てっていしてっても、歩行ほこう自立じりつする老人ろうじん、つまり狭義きょうぎの「たきり」状態じょうたいだっする老人ろうじんさんぶんいちしからせないというのが、冷厳れいげん事実じじつである[…]。
 もうひとつの評価ひょうか視点してんは、他人たにん介助かいじょければ、最大限さいだいげんどこまでの動作どうさができるかということである。[…]わたし自身じしん脳卒中のうそっちゅう早期そうきリハビリテーションの経験けいけんでも、発症はっしょう早期そうきの「たきり老人ろうじん」のうちやくきゅうわり介助かいじょをすればこしたり、すわらせたり、あるかせることができる。それにたいして、じゅうあつし心臓しんぞう疾患しっかんはい疾患しっかんなどがあり、全身ぜんしん状態じょうたい不安定ふあんていなために医学いがくてき理由りゆうから絶対ぜったい安静あんせい必要ひつようとする老人ろうじんは、いちわりにすぎない。
 『たきりゼロをめざして』という、厚生省こうせいしょう特別とくべつ研究けんきゅう報告ほうこくしょなかでも、老人ろうじん医療いりょう有名ゆうめい東京とうきょう青梅おうめけいとも病院びょういん実践じっせんれいとして、自力じりきではきたり、あるけない慢性まんせい疾患しっかん障害しょうがい老人ろうじんのうち、介助かいじょをすればきたり、あるける老人ろうじんきゅうわりだと報告ほうこくされている[…]
 大熊おおくま由紀子ゆきこ朝日新聞あさひしんぶん)が先駆せんくてきあきらかにしてきたように、北欧ほくおう諸国しょこくには、「介護かいご必要ひつようなお年寄としより」はいるが、「たきり老人ろうじん」がほとんどいないというのは、この意味いみにおいてなのである。[…]
 そのために、自力じりきではきたり、あるけない、という意味いみでの「たきり老人ろうじん」を「たきり老人ろうじん」にしないためには、これらの老人ろうじん介助かいじょによってこしたり、あるかせるという援助えんじょ不可欠ふかけつである。そして、これを徹底的てっていてきおこなうためには、大量たいりょうのマンパワーの投入とうにゅう不可欠ふかけつで、ゴールドプランとは桁違けたちがいの費用ひようがかかる。」(二木ふたき[1991:136-138])
★04 田島たじま[2006]が、十全じゅうぜんに、というわけではないにしても、こうした仕組しくみについて、調査ちょうさ考察こうさつしている。たとえばそこでは、「障害しょうがい受容じゅよう」という言葉ことば本文ほんぶんしるしたように供給きょうきゅうがわにとって都合つごうよく使つかえてしまう言葉ことばであるがゆえに、かえってみずからはこのかたり使つかわないようにしているといった作業さぎょう療法りょうほう言葉ことばがとりあげられてもいる。
 ちなみに「障害しょうがい受容じゅよう」の「概念がいねん」には、そこにしょうじている不利益ふりえき不便ふべんみずからにはっするものとおもって悲観ひかんすることをやめ、それを社会しゃかい問題もんだいとしてとらえようという障害しょうがいがくうところの「社会しゃかいモデル」てき視点してんはきちんとはいっている。このように、これらの様々さまざまなものは、なかなかによくできたものなのである。問題もんだいは、それがどのようなかれたときにどのような使つかわれかたをするのかである。
 吉村よしむら[2008]では、精神せいしん保健ほけん福祉ふくし領域りょういきにおいて近年きんねん使つかわれるようになった様々さまざまなツール(たとえばそのひと状態じょうたいについて質問しつもんしながら記入きにゅうしていってそのひと状態じょうたい把握はあくしようというアセスメント道具どうぐ一式いっしき)の使用しようほうについての調査ちょうさ考察こうさつがなされている。吉村よしむら現今げんこん状況じょうきょう批判ひはんてきだが、ではかつてのそのそのでの出来事できごととしてあり個人こじんげいとしてなされたソーシャルワークを回顧かいこ礼賛らいさんしているかというとそういうわけでもない。そんな道具どうぐがあってはいけないとはっていない。ただ、それがどのようなでどのように使つかわれてしまうのか、どのような効果こうかしょうじさせるのか、それは冷静れいせいておこうというのである。
★05 関係かんけいしゃ各々おのおのにあることなった傾向けいこう利害りがいならべたうえでものをかんがえるべきであることは立岩たていわ[2000a]でべ、いくらかの記述きじゅつおこなってみている。福祉ふくし医療いりょう直接ちょくせつ供給きょうきゅうしゃ利用りようしゃとその費用ひよう支払しはらがわと、各々おのおのし、各々おのおの利害りがい共通きょうつうせい差異さいとをふまえてかんがえるべきことをい、かんがえるとどうなるかをべた。そうした当然とうぜんのことがあまりなされず、それをふまえてものがわれることがあまりないことはよくないことだとおもう。
★06 なな年代ねんだいからほんていることを前回ぜんかい紹介しょうかいはしたが、おおくの書籍しょせき刊行かんこうされるのはいちきゅうきゅう年代ねんだいになる。『たきりゼロをめざして――たきり老人ろうじん現状げんじょう分析ぶんせきならびにしょ外国がいこくとの比較ひかくかんする研究けんきゅう だいはん』(厚生省こうせいしょう大臣だいじん官房かんぼう老人ろうじん保健ほけん福祉ふくし老人ろうじん保健ほけん[1990])、『「たきり」老人ろうじんはつくられる――たきり大国たいこくからの"だつ"処方箋しょほうせん』(青木あおき信雄のぶお橋本はしもと美知子みちこへん[1991])、『たきり老人ろうじんゼロ作戦さくせん』(山口やまぐちのぼる[1992])、『「たきり」をつくらない福祉ふくし――福祉ふくしとはなにかをいつづけて』(児島こじま美都子みつこ[1993]、講演こうえんしゅうでとくにこの主題しゅだいろんじたほんというわけではない)、『医療いりょう福祉ふくししん時代じだい――「たきり老人ろうじん」はゼロにできる』(岡本おかもと祐三ゆうぞう[1993])、等々とうとう関連かんれんする厚生省こうせいしょう通知つうちあつめたものとして厚生省こうせいしょう老人ろうじん保健ほけん福祉ふくしきょく老人ろうじん保健ほけん[1998]。近年きんねんもおびただしいかずほんている。そのほとんどはたきり予防よぼう介護かいご予防よぼうについてのほんである。それらとはずいぶんちがほんとして『たきり少女しょうじょの喘嗚(こえ)がこえる』(山口やまぐちヒロミ[1995])といったほんもある。
★07 いくつかの事典じてん執筆しっぴつした「自立じりつ」「自立じりつ生活せいかつ」のかたり解説かいせつはホームページでむことができる。すこしなが文章ぶんしょうとして立岩たていわ[1999]がある。
★08 三好みよし春樹はるき講演こうえん記録きろく以下いかのような部分ぶぶんがある。
 「わたしたきり老人ろうじん日本にっぽんおおいっていうのは、けっしてわるいことではない、いや、それ自体じたいわるいことなんだけど、マイナスだけでとらえる必要ひつようはないとおもいます。というのは、まずたきりになっても栄養えいようとどくっていうゆたかさがないと、たきり老人ろうじんなんていな<いんですよ。脳卒中になって生き長られえる国っていうのは、世界で数えるくらいしかないんですからね。[…]さらにその上、他人に依存しても生きてゆけるという文化を持っているところでなければならない。これ西洋じゃ無理なんです。[…]
 このふたつの条件じょうけんたしているくに日本にっぽんだけなんです。[…]老人ろうじんたきりをいかに克服こくふくしていくのかっていう方法ほうほうろんも、このふたつを武器ぶきにするほかない。ひとつはゆたかさ、もうひとつは相互そうご依存いぞんです。[…]
 年取としとったときというのは、長生ながいきしたもの特権とっけんですから、援助えんじょしてもらってありがとうとえばいいんです。そういう文化ぶんかをいまだにっているんですからね。これを使つかってたきりの問題もんだいなにとか解決かいけつしていこうということです。ですから、外国がいこくたいしてずかしいからたきりをらそうなんていう発想はっそうではこまるんです。」(三好みよし[1994:9-11])
 こののちにはいつものように『朝日新聞あさひしんぶんてきなものの批判ひはんつづくのだが、それはそれとして、そして(本文ほんぶんしるしたように、西洋せいようたい日本にっぽんという)はなしがおおざっぱだといったいがかりをつけられなくはないとしても、ここでおうとしていることはれてよいことだ。三好みよしは、よくられているように、たきり(たせきり)をこすための知恵ちえいてまわっているひとだが、みずからのおこないにたいする距離きょりのとりかた心得こころえている。

だい31かい・註

★01 竹中たけなか日本にっぽん赤十字せきじゅうじ病院びょういん外科げか部長ぶちょうみずからががんの手術しゅじゅつけたその体験たいけんを『医者いしゃがんにかかったとき』(竹中たけなか[1991])、『がんにかかった医者いしゃ選択せんたく――のこりのいのちは自分じぶんめる』(竹中たけなか[1992])、『ぞく医者いしゃがんにかかったとき』(竹中たけなか[1995])、『がんの常識じょうしき』(竹内たけうち[1997b])とういた。引用いんようしたのはその3さつ著書ちょしょから。
★02 たとえばわたしには記憶きおくがない。このたねのこと全般ぜんぱんについてできることならりたくないとおもっていることもあるかもしれない。しばらくってから、きゅうはちねんあるいはきゅうきゅうねんに、だれかから報告ほうこくしょと『社会しゃかい保険ほけん旬報じゅんぽう』のコピーをおくっていただいたのではないかとおもう。その向井むかい[2003]での記述きじゅつうしろ引用いんよう)もんで、にはなっていたのだが、すこし調しらべてみたのはそれからずいぶんのことだ。
★03 海外かいがい調査ちょうさについては『週刊しゅうかん医学いがくかい新聞しんぶん』が本文ほんぶんにあげた記事きじ続報ぞくほうとして連載れんさい、また広井ひろいの『看護かんごがく雑誌ざっし』での連載れんさい紹介しょうかいされた。海外かいがい調査ちょうさについては報告ほうこくしょ参考さんこう資料しりょう2(白石しらいし[1997])。そして竹内たけうち[1997a][1997b]でその感想かんそうべられている。一部いちぶ引用いんようする。
 「[ききて先生せんせいは、厚生省こうせいしょう外郭がいかく団体だんたいである長寿ちょうじゅ社会しゃかい開発かいはつセンターの「福祉ふくしのターミナルケア研究けんきゅうかい」に参加さんかされているそうですが、どういう活動かつどうをされているのですか。
 [竹中たけなか][…]帯広おびひろの「とよころそう」という養護ようご老人ろうじんホームをケア訪問ほうもんしたのですが、ここは、老人ろうじんホームでありながら、入所にゅうしょしゃががんの末期まっきになったり、死期しきせまったりしても、病院びょういんおくったりせず、嘱託しょくたく協力きょうりょくながら、そのままターミナルケアをおこなっているのです。いままで医師いしがやっていた最期さいご看取みとりに、過度かど医師いし関与かんよするのではなく、あるところまできたら、医師いしは、なおるかなおらないかの見極みきわめだけをきちんとして、あとはそれほど医療いりょうがタッチせずに自然しぜんまかせるのがいいのではないかとわたしおもいました。個人こじんかんがかたにもよりますが、はち〇すぎたひといち〇%くらいしかなお可能かのうせいのない治療ちりょういてやる必要ひつようはないでしょう。公的こうてき介護かいご保険ほけんなど、医療いりょうよりも介護かいごほうでみるという方向ほうこうなかうごいていますので、老人ろうじんホームでのターミナルケアのみは重要じゅうようだとおもいます。
 […]おな研究けんきゅうかいで、今年ことしいちがつには、イギリスとスウェーデンのターミナル事情じじょう視察しさつしてきましたが、ここでも「医療いりょうでの」から「自然しぜん」への方向ほうこう転換てんかん実感じっかんできました。末期まっきがん患者かんじゃでは苦痛くつうあたえる治療ちりょう行為こういおこなわず、自然しぜんりゆきにまかせているのです。
 わたしは、なおせないがんがつかったときが人間にんげん天寿てんじゅだとおもっています。」(竹中たけなか[1997a])
 「イギリスで見学けんがくしたセントオズワルド・ホスピスは、日本にっぽんのホスピスとおなじくがん患者かんじゃおも対象たいしょうであるが、日本にっぽんのホスピスとは基本きほんてきなところで相違そういてんがいくつかかんじられた。[…]
 このホスピスは「場所ばしょ」というより、これ以上いじょう治療ちりょうのぞめないほど理想りそうてきな「在宅ざいたくささえる患者かんじゃのための施設しせつ」であり、日本にっぽんのホスピスがにできないでいる終末しゅうまつ医療いりょうのシステムをみごとに機能きのうさせていた。
 もうひとつのちがいは末期まっきがん患者かんじゃたいする医療いりょう態度たいどだ。[…]イギリスのホスピスでの末期まっきがん患者かんじゃたいする緩和かんわケアのノウハウをると、日本にっぽんよりはるかに医学いがくてき考察こうさつおこなわれている。」(竹中たけなか[1997b:204-206])
★04 著書ちょしょ滝上たきのうえ[1995])に横内よこうちとの対談たいだん収録しゅうろくされている。
 「ねんまえにデンマークにったときに、わたし大変たいへんなカルチャー・ショックをけました。「延命えんめい治療ちりょう国民こくみんのコンセンサスのなかにない」という説明せつめいけたことです。ではかり延命えんめい治療ちりょうねが患者かんじゃ家族かぞくたいしては医療いりょう反応はんのう如何いかかというわたし質問しつもんたいして、「延命えんめい治療ちりょうはしない方向ほうこうはなう」という返事へんじがかえってきたことです。/そのわりに、福祉ふくし手厚てあつい。」(滝上たきのうえ発言はつげん横内よこうち滝上たきのうえ[1995:249])
 「デンマークでは、医師いしほうから積極せっきょくてき延命えんめい治療ちりょうをしない方向ほうこうはなうようですが、延命えんめい治療ちりょうをしないことに国民こくみんてき合意ごうい成立せいりつしているのであれば、それでよいでしょう。ただ、現在げんざい日本にっぽんでそれとおなじことをするとすれば、かなり問題もんだいです。延命えんめい治療ちりょうをしないことが、かならずしも国民こくみんのコンセンサスがられているとはかんがえにくいし、日本人にっぽんじん倫理りんりかんでは、延命えんめい治療ちりょう希望きぼうする患者かんじゃ家族かぞくに、それをおもいとどまらせるように説得せっとくすることがゆるされる、とはおもえません。」(滝上たきのうえ発言はつげん横内よこうち滝上たきのうえ[1995:250])
 「ヨーロッパ諸国しょこくでは高齢こうれいともな医療いりょう高騰こうとうから、医療いりょうサービスの制限せいげん強化きょうかしていますが、とりわけ末期まっき顕著けんちょです。ヨーロッパのあるくに医師いしから、ヒトが末期まっきにあるかかは判別はんべつできるし、末期まっきならば治療ちりょうひかえるといたことがあります。わたしは、治療ちりょうしてなおらなかったばあいに、すなわちヒトののちでしか、末期まっきであったのかかは判別はんべつできないとおもうのですが。」(滝上たきのうえ発言はつげん横内よこうち滝上たきのうえ[1995:254])
 「北欧ほくおう諸国しょこく痴呆ちほう高齢こうれいしゃのためのグループホームはよく情報じょうほうはいりますが、そこでめなくなった高齢こうれいしゃはどこにくのかはらされていない。また、グループホームでの医療いりょうがどうなっているかも日本にっぽん情報じょうほうはいりませんね。痴呆ちほう高齢こうれいしゃ急性きゅうせい疾患しっかんにかからない、ということはありませんからね。
 北欧ほくおう福祉ふくし日本にっぽん紹介しょうかいしてくる人々ひとびとなかには、意図いとてき情報じょうほう操作そうさがあるのではないでしょうか。」(滝上たきのうえ発言はつげん横内よこうち滝上たきのうえ[1995:260-261])
★05 いちがつのフォーラムでも「横内よこうちの「みなし末期まっき批判ひはん基調きちょう講演こうえん横内よこうち[1998a]とどう趣旨しゅし)とし、開催かいさいのよびかけぶんにおいても、「終末しゅうまつでない状態じょうたいにまで終末しゅうまつ拡大かくだい解釈かいしゃくし」と、我々われわれ批判ひはん基軸きじくあきらかにしている。わたし論文ろんぶん横内よこうちの「みなし末期まっきろん基礎きそにしながら論理ろんり展開てんかいした。もし本気ほんきで「医療いりょう否定ひていしていない」というのなら、誤解ごかい曲解きょっかいまえに、広井ひろいは「みなし末期まっき」を明確めいかく肯定こうていしている共著きょうちょしゃ竹中たけなか見解けんかいおなじであるのかどうか、末期まっき定義ていぎ改変かいへんする意図いとがあるかかをあきらかにすべきである」(石井いしい[1998b(うえ):14])
 「みなし末期まっき」というかたりよこない言葉ことばであり、いちきゅうきゅうねん滝上たきのうえとの対談たいだん横内よこうち滝上たきのうえ[1995]→註(4))、横内よこうち[1996][1997]とう説明せつめいされている。また著書ちょしょ『「顧客こきゃく」としての高齢こうれいしゃケア』でも高齢こうれいしゃへの医療いりょうり・開始かいし尊厳そんげんについての記述きじゅつがある(横内よこうち[2001:4-5,101-102 etc.])。
★06 報告ほうこくしょの「冒頭ぼうとう論文ろんぶんが「医療いりょうのものか?」との見出みだしではじまる。そして、これまでの「メディカル・タームでかたられるターミナルケア」から「ノン・メディカルな、つまり医学いがくてき介入かいにゅう必要ひつようせいうすい……長期ちょうきケアないし『生活せいかつモデル』の延長線えんちょうせんじょうにあるような、いわば『福祉ふくしのターミナルケア』が非常ひじょうおおきな位置いちめる」と問題もんだい提起ていきをしてから、「『政策せいさくとしてのターミナルケア』の課題かだい」の検討けんとうはいっていく。[…]これまで医療いりょう用語ようごだけでかたられてきたとの指摘してきはもっともである。むのもぬのも病院びょういんまかせの現代げんだいじんは、自分じぶん生死せいし演出えんしゅつなどとうのむかしてているから、老人ろうじん病院びょういん悲惨ひさん現実げんじつはききあきるほどっているのに、ではどうしたらいいのかわからないのでこまっているのである。せいぜい、「ぼっくりとにたいねえ」と井戸端いどばた会議かいぎでいいあ程度ていどでは解決かいけつ糸口いとぐちにならない。一般いっぱん市民しみんはそのレベルで、でも以前いぜんよりはすこしぶつぶつ不安ふあんくちにし、悲鳴ひめいをあげながらどうしたら政策せいさく参加さんかできるかなやはじめたところなのだが、報告ほうこくしょほう一気いっきに「ターミナルケアの経済けいざい評価ひょうか」へとんでき、どうしたら終末しゅうまつ医療いりょうにかけるおかねらせるかという方向ほうこうづけをこころみる。
 ガン末期まっき父親ちちおや退院たいいんすすめるために使つかわれたことばがふとよみがえった。
 「おとうさんはそろそろたたみうえだい往生おうじょう時期じきですよ。しあわせにかせてあげてください」
 しんけて退院たいいんさせたとたん、だい往生おうじょう直前ちょくぜん憔悴しょうすいったひとはよみがえってあるきだしてしまったのは余談よだんだが、をどこでどうむかえるのか、自分じぶん家族かぞく意思いし保障ほしょうするにはどうしたら・u桙「いのか。そちらはつかずのまま、ひとのいい現場げんば職員しょくいんをコマンドに仕立したててあげながら進行しんこうさせていく「政治せいじてき事態じたい」はしっかり見据みすえる必要ひつようがあるだろう。」(向井むかい[2003:67-68])
★07 山本やまもと孝史たかしは、〇〇ななねん議員ぎいん立法りっぽう制定せいていされた「がん対策たいさく基本きほんほう」の成立せいりつなどにかかわり、著書ちょしょに『議員ぎいん立法りっぽう』(山本やまもと[1998])『すくえる「いのち」のために――日本にっぽんのがん医療いりょうへの提言ていげん』(山本やまもと[2008])とうがあり、〇〇ななねんにがんでくなった。山本やまもとのメールマガジンに尊厳そんげん立法りっぽううごきとこのとき論争ろんそうにごくみじか言及げんきゅうした文章ぶんしょう山本やまもと[2006])がある。

だい32かい・註

★01 わりあいこのことをはっきりと率直そっちょくかたっているのは、山崎やまざき摩耶まや日本にっぽん看護かんご協会きょうかい理事りじ当時とうじ)である。
 「今日きょう福祉ふくし関係かんけいほうもおえですか?べつ福祉ふくし関係かんけいほう苦言くげんていするつもりはないのですが、わたし医療いりょう看護かんご介入かいにゅうしないターミナルケアというのはありえないとおもっております。昨今さっこんは「福祉ふくしのターミナルケア」とかという論文ろんぶんをおきのほうもいまして、「おいおいおい、ちょっとってよ」といたいかんじがあります。
 とくやしなえ全国ぜんこく調査ちょうさをいろいろますと、半数はんすう自分じぶんのところでターミナルを看取みとれます、とこたえていますが、半数はんすう最後さいご病院びょういんはこぶとこたえています。
 さきほどもうしましたように、とくやしなえのナースの配置はいちすう非常ひじょうすくないのではないでしょうか。そうするととくやしなえで、よんあいだ看護かんごがいないところで、どうやってだれがターミナルケアをるのでしょうか。福祉ふくしだけでターミナルケアが出来できるのでしょうか。
 ですから、とくやしなえ訪問ほうもん看護かんごよんあいだターミナルケアにそとから看護かんご提供ていきょうしにく、という仕組しくみどうですか?わたし真面目まじめかんがえておりまして、これは施設しせつあいだ相対そうたい契約けいやくをすればいいはなしですし、介護かいご保険ほけんでは特定とくてい施設しせつですから、有料ゆうりょう老人ろうじんホーム、ケア住宅じゅうたく、ケアハウスとうはそういう仕組しくみがすで出来できております。」(山崎やまざき[2001])
★02 「平成へいせいはちねんわたし当時とうじ橋本はしもと内閣ないかくろくだい行政ぎょうせい改革かいかくおこなったときに、経済けいざい審議しんぎかいの「医療いりょう福祉ふくし作業さぎょう部会ぶかい」の座長ざちょう選出せんしゅつされました。そしていちがつきゅうにち医療いりょう福祉ふくしにおけるいち項目こうもく聖域せいいきおおきくんだ抜本ばっぽんてき改善かいぜんあん建議けんぎいたしました。
 医療いりょうについては、だいいち番目ばんめ重大じゅうだい課題かだいとして、中央ちゅうおう社会しゃかい保険ほけん医療いりょう協議きょうぎかい中医協ちゅういきょう)のメンバー構成こうせい日本にっぽん医師いしかいかたよっていることの是正ぜせいもとめました。[…]
 福祉ふくしについては、だいいち番目ばんめ重大じゅうだい課題かだいとして、日本にっぽん医療いりょう制度せいど福祉ふくし制度せいど双方そうほうゆがめている「社会しゃかいてき入院にゅういん」の解消かいしょう指摘してきしました。また、介護かいご保険ほけん制度せいどがスタートして以来いらいおおくの民間みんかん事業じぎょうしゃ活躍かつやくしていますが、一方いっぽう不祥事ふしょうじ多発たはつしていることも事実じじつです。総理そうりへの建議けんぎしょ最後さいごでは、福祉ふくし民営みんえいにあたり消費しょうひしゃ保護ほご方針ほうしんつようったえました。[…]
 総理そうり改善かいぜんしょ提出ていしゅつしてから、いちねんちました。当時とうじ厚生こうせい労働省ろうどうしょう当時とうじ厚生省こうせいしょう)は自分じぶんらの既得きとく権益けんえき侵害しんがいされたとしか理解りかいせず、まったくうごいてくれませんでし。それが今日きょうとなって、そのほとんどが実践じっせんうつされていることは、わたしにとってふか感慨かんがいがあります。」(滝上たきのうえ[2006:252-253])
★03 保険ほけんであれば、一般いっぱん会計かいけいとはべつ予算よさんまれることになるから、財務省ざいむしょうからの制約せいやくはいくらかよわい。だから制度せいど安定あんていせい担保たんぽできる、だから保険ほけんがよいとも主張しゅちょうされるのだが、そこには官庁かんちょう利害りがい関係かんけいし、権益けんえき云々うんぬんされるのでもある。とくによいことがないとしても、毎年まいとし財務省ざいむしょううかがいを折衝せっしょうするのはつらいことではある。こうした官庁かんちょう官庁かんちょうはたらひとたちを支持しじするのか批判ひはんてきであるのかで、立場たちばかれることもある。
★04 「いまも「終末しゅうまつ儀式ぎしき」はおおくの病院びょういんかえされているはずだ。医療いりょう経済けいざいからっても、旧弊きゅうへいな「延命えんめい至上しじょう主義しゅぎ」からることが必要ひつようだ。」(和田わだ[2005:135])
 和田わだが、デンマークについて、そこに「たきり老人ろうじん」がいないことを肯定こうていてきしるしていることについてはだい29かい・2がつごう紹介しょうかいした。そのほんには、「痴呆ちほうのような自立じりつできないひとだけが施設しせつケアの対象たいしょうになるようだ。」(和田わだ[1991:246])と、比較的ひかくてきあっさりとした記述きじゅつもある。
★05 「わたし自身じしんも、いちきゅうきゅうねんに、「これからのあるべき在宅ざいたくケアをかんがえる場合ばあい」には「広義こうぎ文化ぶんかてき問題もんだい、あるいは価値かちかんぞくする問題もんだいさい検討けんとうしなければならない」と問題もんだい提起ていきし、そのひとつとして「たんなる延命えんめい治療ちりょうさい検討けんとうをあげたことがある。/しかし」(二木ふたき[2000:160])
 本文ほんぶんかかげたのはここにつづ部分ぶぶんである。ここで二木ふたき自身じしん言及げんきゅうしているのは、大塚おおつか[1990]、坂井さかい[1991]を参照さんしょうしてかれている以下いか文章ぶんしょう
 「だいは、在宅ざいたく障害しょうがい老人ろうじんたいするたんなる「延命えんめい」のための医療いりょうさい検討けんとうである。
 わがくに世界せかいかんたる「延命えんめい医療いりょう」のくにであるから、在宅ざいたくたきり老人ろうじん状態じょうたい悪化あっかした場合ばあいには、病院びょういんのICU(集中しゅうちゅう治療ちりょうしつ)にれられることもすくなくない。このことの「さい検討けんとう」とか「制限せいげん」などというと、「医療いりょう抑制よくせい」とか「患者かんじゃ人権じんけん無視むし」といった非難ひなんをたちどころにびせられる可能かのうせいがある。
 しかし、ここでかんがえなければらならないことは、おおくの医療いりょう福祉ふくし関係かんけいしゃ理想りそうしている北欧ほくおう諸国しょこく西欧せいおう諸国しょこく在宅ざいたくケアや施設しせつケアでは、原則げんそくとして延命えんめい医療いりょうおこなわれていないことである。
 このてんかんしては、有名ゆうめい老人ろうじん病院びょういんである青梅おうめけいとも病院びょういん院長いんちょう大塚おおつか宣夫のりお先生せんせい著書ちょしょ老後ろうご昨日きのう今日きょう明日あした』[…]がもっとも参考さんこうになる。同書どうしょによると、大塚おおつか先生せんせいはヨーロッパ諸国しょこくたずねて「つぎてん真偽しんぎ」をたしかめたかったそうである。「だいいちは、ヨーロッパの老人ろうじん施設しせつにはわがくにでいういわゆる『たきり老人ろうじん』がきわめてすくないこと、だいは、ヨーロッパの国々くにぐにでは高齢こうれいしゃ延命えんめいのための医療いりょう行為こういがほとんどなされていないということ」(いちいちよんぺーじ)。そして結論けつろんは、ふたつともそのとおりであったとのことである。
 あるいは、ドイツの老人ろうじんホームを実地じっち調査ちょうさした『ドイツじん老後ろうご』(坂井さかいしゅうちょ[…])によると、ドイツでは人々ひとびとがホームにはい時期じきおくらせ、死期しきちかづいた状態じょうたいになってはじめてはいひとえてきたため、「さん〇〇にん収容しゅうよう老人ろうじんホームでいち年間ねんかんさん〇〇にんくなった」れいさえあるという(いちはちぺーじ)。わがくにでこんなホームがあったら、たちどころに「悪徳あくとくホーム」と批判ひはんされるであろう。
 […]わがくにでは、ヨーロッパ諸国しょこく在国ざいこくケアや施設しせつケアという、なぜか「かせきり」老人ろうじんがいないことに象徴しょうちょうされるケアの水準すいじゅんたかさのみが強調きょうちょうされる。しかし、たんなる延命えんめいのための医療いりょうおこなっていないという選択せんたくもきちんと理解りかいすべきである。
 誤解ごかいのないようにいうと、わたし障害しょうがい老人ろうじんたいするたんなる延命えんめいのための医療いりょう一律いちりつ禁止きんしすべきだ、といっているのではない。しかし、事実じじつとして、延命えんめい治療ちりょうよりもそれ以前いぜんのケアを優先ゆうせん選択せんたくする「価値かちかん」「文化ぶんか」をっているくにがあることを見落みおとすべきではない。
 そして、わがくにでも、今後こんごおなじような「選択せんたく」が必要ひつようになるであろう。デンマークの福祉ふくしくわしい有名ゆうめい有料ゆうりょう老人ろうじんホーム経営けいえいしゃは、「わがくにで、一方いっぽうではデンマークやスウェーデンみのケア、他方たほう効果こうか非常ひじょう疑問ぎもん末期まっき延命えんめい医療いりょう無制限むせいげんおこなうとなると、どんな立場たちば政府せいふでも、その財政ざいせい負担ふたんえられない」といわれている。」(二木ふたき[1992:142-144])
 医師いしであり医療いりょう機関きかん内情ないじょうをよく二木ふたきは、となえられる改革かいかくあん、なされる改革かいかく様々さまざま現実げんじつてきであることを実証じっしょうてき指摘してきしてきたひとだ。急激きゅうげき改革かいかくがよい結果けっかをもたらさないことをうことは、とくに「現場げんば」で苦労くろうしているひとたちに支持しじされてきた。
★06 それが実現じつげんするにいた過程かていについては、この制度せいど推進すいしんするがわにいた大熊おおくま由紀子ゆきこ回顧かいこしていているなが連載れんさい大熊おおくま[2004-])とうがあるが、それらも資料しりょう史料しりょうとして、きちんとした記述きじゅつ分析ぶんせきがなされるとよいとおもう。
★07 他方たほう、デンマークで人工じんこう呼吸こきゅうをつけてらすひとたちやそのひとたちをささえる仕組しくみについて大熊おおくま由紀子ゆきこはいくつも記事きじき、デンマークのきんジストロフィーのひといたほん(Krog[1993=1994])の訳書やくしょ監修かんしゅうもしている。そうしてひときていることと、きるためのことがおこなわれないことと、両方りょうほうともが事実じじつであるとして、そのことが当地とうちにおいてどのように辻褄つじつまがあっているのか、わからない。きんジストロフィーのひとたちは「衰弱すいじゃく」していないということが関係かんけいしているのだろうか。
★08 横内よこうちはずっとこのことをべてきた。
 「北欧ほくおう諸国しょこくでは延命えんめい治療ちりょうはやらないということですが、それはたん延命えんめい治療ちりょう放棄ほうきということにまりません。疾患しっかん治癒ちゆ可能かのうせいまでも放棄ほうきしているのではないでしょうか。
 よく北欧ほくおう高齢こうれいしゃ事情じじょう紹介しょうかいしたほんでは、老人ろうじんホームにおいて、徐々じょじょ衰弱すいじゃくし、食事しょくじもとれなくなり、みずもとれなくなり、しずかにいきをひきとります。これが「みなし末期まっき」です。一見いっけん老衰ろうすいていますが、まったちがいます。衰弱すいじゃく食事しょくじみずもとれなくなった原因げんいんは、おお脱水だっすい急性きゅうせい疾患しっかんにありますから、その原因げんいんのぞけば元気げんき姿すがたもどります。実際じっさい点滴てんてきいちほんだけで回復かいふくする場合ばあいもよくみられるはずです。けっして、老衰ろうすいではありません。
 つまり、北欧ほくおうでは、食事しょくじをとれなくなった状態じょうたい意図いとてき末期まっきとみなして治療ちりょうしないという、国民こくみん合意ごうい成立せいりつしているのです。わたしは、末期まっきにはみっつあるといいましたが、だいいちの「老化ろうか末期まっき」、だいの「生命せいめい末期まっき」にたいして、これをだいさんの「みなし末期まっき」とんでいます。日本にっぽんでは、「生命せいめいにとっての末期まっき」にどのような医療いりょうをとるかという問題もんだいでさえも社会しゃかいてき合意ごういられていません。まして、「みなし末期まっき」については、議論ぎろんさえはじまっていない。北欧ほくおう日本にっぽんとの、老人ろうじん医療いりょうたいする価値かちかん落差らくさは、我々われわれ予想よそうをはるかにえているのです。」(横内よこうち発言はつげん横内よこうち滝上たきのうえ[1995:264])
 おな対談たいだんにおけるたきない発言はつげん前回ぜんかい引用いんようした。滝上たきのうえは さんさつたんちょ『「おわりのすみか」は有料ゆうりょう老人ろうじんホーム』では、介護かいご保険ほけん懐疑かいぎてき記述きじゅつをしつつ、北欧ほくおう福祉ふくしとそれを支持しじするひとたちについて肯定こうていてきかたってもいる。
 「わたしが、北欧ほくおう諸国しょこく介護かいごと、そこに高齢こうれいしゃを、この自分じぶんでみたくて現地げんちおとずれたのは、平成へいせいねんのことです。訪問ほうもん強力きょうりょく支援しえんしてくれたのは、大熊おおくま由紀子ゆきこさんと現在げんざい神戸こうべ看護かんご大学だいがく教授きょうじゅをしている医師いし岡本おかもと祐三ゆうぞうさんでした。」(滝上たきのうえ[1998:77])
 だが、公的こうてき介護かいご保険ほけん開始かいし〇〇いちねんに『週刊しゅうかん東洋とうよう経済けいざい』に掲載けいさいされた文章ぶんしょう滝上たきのうえ[2001])、またよんさつのそして最後さいごの――滝上たきのうえ〇〇ななねんくなった――著書ちょしょ滝上たきのうえ[2006])では、厚生こうせい労働省ろうどうしょう官僚かんりょうたいする辛辣しんらつ言葉ことば随所ずいしょにあり、「北欧ほくおう」にたいする批判ひはんがある。
 「朝日新聞あさひしんぶん社説しゃせつは、長年ながねんにわたりくようなデンマーク神話しんわ増幅ぞうふくさせながら、介護かいご保険ほけん推進すいしん世論せろんをリードしてきた。訪問ほうもん介護かいご混乱こんらんだれにもえてきた昨年さくねんきゅうがついちにち敬老けいろうには、デンマークでは施設しせつをなくしてしまい、多数たすう在宅ざいたくでケアスタッフによって「食事しょくじ介助かいじょ」をけている。国際こくさいてきには、デンマークのような方向ほうこうたりまえ、と訪問ほうもん介護かいご一段いちだん強調きょうちょうした。
 これでは、だれもがデンマークでは手厚てあつ医療いりょう介護かいごがあるために家族かぞく同居どうきょしていなくてもいえねる、とおもむのも無理むりはない。しかし、事実じじつはそうではない。」(滝上たきのうえ[2001])
 「なぜ厚生こうせい労働省ろうどうしょうは、市場いちば規模きぼ予測よそく極端きょくたんひく見積みつもるというあやまちをおかしたのか。
 […]高根たかねはなえる北欧ほくおう福祉ふくし日本にっぽんでも実現じつげんできるとかし、デンマーク神話しんわ端緒たんしょひらいた『デンマークにまなゆたかな老後ろうご』(岡本おかもと祐三ゆうぞうちょきゅうねん朝日新聞社あさひしんぶんしゃ)はこうかたる。
 「訪問ほうもん看護かんご、ホームヘルパー、補助ほじょ器具きぐ支給しきゅうなどの各種かくしゅ社会しゃかい資源しげんについて、その項目こうもくだけみて、日本にっぽんで「デンマークなみ」の老人ろうじんケアを実現じつげんしようとしたら、いわば「最低さいてい限度げんど」の必要ひつようぶんとして、「よんちょうえんきょうかかるだろう」という結果けっかになった。」
 すなわち、よんちょうえんきょうから施設しせつ介護かいご費用ひようのぞくと、在宅ざいたくケアはおなじく年間ねんかんやくちょうえんとなる。そして「わずかな金額きんがくではありませんか」とくわえた。理想りそう福祉ふくしこくがわずかな金額きんがく維持いじできるはずはない、という矛盾むじゅんにはまったくづかなかったようである。筆者ひっしゃ前作ぜんさく指摘してきしたように、実際じっさいはデンマークのヘルパーは家事かじ援助えんじょ主体しゅたいであり、医療いりょう不完全ふかんぜんであるために高齢こうれいしゃよう介護かいごである期間きかん相当そうとうみじかいから、「わずかな金額きんがく」ですむのである。」(滝上たきのうえ[2001]、ここでの前作ぜんさく滝上たきのうえ[1998])
 そして公的こうてき介護かいご保険ほけん失敗しっぱいしたとだんずる。滝上たきのうえ批判ひはん対案たいあんをここに紹介しょうかいすることはできないが、基本きほんてきには保険ほけんかたち批判ひはんぜい財源ざいげんとすることを主張しゅちょうする。定額ていがく徴収ちょうしゅう所得しょとく格差かくさかんがえるとよくないとし、消費しょうひぜい財源ざいげんとすることを主張しゅちょうする。(わたしは、批判ひはんについてはれ、代案だいあんにはあまり賛成さんせいしない。)
 そして訪問ほうもん介護かいご充実じゅうじつはかるのには限界げんかいがあり、費用ひようがかかるわりに、その労働ろうどう細切こまぎれになるために労働ろうどうしゃわたらないことをう。そして、滝上たきのうえ有料ゆうりょう老人ろうじんホームの経営けいえいしゃでもあったのだが、施設しせつがやはり必要ひつようであるという(滝上たきのうえ[2006:72-74])。(ここでもわたしは、指摘してきされている問題もんだいはそのとおりであることをみとめたうえで、どうしたものかとかんがえる。)
だい33かい・註

■註
★01 このことについて、報道ほうどうをいくらかHPに掲載けいさいしている。http://www.arsvi.com「うち検索けんさく」でい」など。
★02 国会こっかいでこのほんげられ、そのことが以下いかのように報道ほうどうされた。
 「後期こうき高齢こうれいしゃ長寿ちょうじゅ医療いりょう制度せいど担当たんとうする厚生こうせい労働省ろうどうしょう職員しょくいんが、みずか執筆しっぴつした解説かいせつしょなかで、死期しきちかづいたお年寄としよりの医療いりょう非常ひじょう高額こうがくとして終末しゅうまつ医療いりょうを「抑制よくせいする仕組しくみ」が重要じゅうようしるしていたことがかった。さんにち衆院しゅういん厚生こうせい労働ろうどう委員いいんかいちょうつまあきら議員ぎいん民主みんしゅ)が指摘してきした。制度せいど導入どうにゅう本音ほんね一端いったんかんだかたちだ。
 解説かいせつしょいたのは高齢こうれいしゃ医療いりょう企画きかく室長しつちょう補佐ほさ今年ことしがつ刊行かんこうの「高齢こうれいしゃ医療いりょう確保かくほかんする法律ほうりつ解説かいせつ」(法研ほうけん)で、ななさい以上いじょうへの医療いりょうが「三日みっか〇〇まんえんもかかるケースがある」としたうえで、「後期こうき高齢こうれいしゃくなりそうになり、家族かぞく一時いちじあいだでもいちふんでもかしてほしいといろいろ治療ちりょうがされる」「家族かぞく感情かんじょうから発生はっせいした医療いりょうをあまねく若人わこうど負担ふたんしなければならないと、若人わこうど負担ふたん意欲いよくうすらぐ可能かのうせいがある」などと記述きじゅつ医療いりょう抑制よくせいうったえている。
 また、補佐ほさ今年ことしいちがつ金沢かなざわ市内しないひらかれた一般いっぱんけフォーラムで講演こうえんし、独立どくりつがた保険ほけんとした理由りゆうについて「医療いりょう際限さいげんなくがっていくいたみを後期こうき高齢こうれいしゃみずか自分じぶん感覚かんかくかんっていただくことにした」とも発言はつげんしていた。」(「後期こうき高齢こうれいしゃ医療いりょう制度せいど――終末しゅうまつの「抑制よくせい重要じゅうよう 厚労省こうろうしょう本音ほんね」(『毎日新聞まいにちしんぶん〇〇はちねんよんがつよんにち記事きじいたのは野倉のぐらめぐみ
 言及げんきゅうされている箇所かしょ、「Wあたらしい高齢こうれいしゃ医療いりょう制度せいど」「29後期こうき高齢こうれいしゃ医療いりょう制度せいど給付きゅうふ」「(10)後期こうき高齢こうれいしゃ診療しんりょう報酬ほうしゅう体系たいけい」「A後期こうき高齢こうれいしゃ診療しんりょう報酬ほうしゅう体系たいけい必要ひつようせい」の全文ぜんぶん引用いんようする。
 「年齢ねんれいべつると、一番いちばん医療いりょうがかかっているのが後期こうき高齢こうれいしゃであるから、この部分ぶぶん医療いりょう適正てきせいしていかなければならない。とくに、終末しゅうまつ医療いりょう評価ひょうかとホスピスケアの普及ふきゅう大切たいせつである。実際じっさい高額こうがく医療いりょう給付きゅうふると、たとえば、三日みっか〇〇まんえんいち週間しゅうかんいち〇〇〇まんえんもかかっているケースがある。
 そうしたケースは、終末しゅうまつ医療いりょうおおくある。後期こうき高齢こうれいしゃくなりそうになり、家族かぞく一時いちじあいだでも、いちふんでもかしてほしいと要望ようぼうして、いろいろな治療ちりょうがされる。それが、かさむと〇〇まんえんとかいち〇〇〇まんえん金額きんがくになってしまう。その金額きんがくは、税金ぜいきんである公費こうひ保険ほけんしゃからの負担ふたんきん負担ふたんする。どちらも若人わこうど中心ちゅうしんになって負担ふたんしているものである。
 家族かぞく感情かんじょうから発生はっせいした医療いりょうをあまねく若人わこうど支援しえんきんとして負担ふたんしなければならないということになると、若人わこうど負担ふたん意欲いよくうすらぐ可能かのうせいがある。それを抑制よくせいする仕組しくみを検討けんとうするのが終末しゅうまつ医療いりょう評価ひょうか問題もんだいである。
 また、後期こうき高齢こうれいしゃ場合ばあいは、高額こうがく医療いりょう使つかってもくなられる事例じれいおお状況じょうきょうがある。がんくるしまれているほうふくめてホスピスケアで、できるだけしんゆたかにくなるまでの期間きかんごしてもらう仕組しくみが必要ひつようである。単純たんじゅん医療いりょうだけの側面そくめんだけではなく、そのほうしあわせの側面そくめんからもかんがえていく必要ひつようがある。」(土佐とさ編著へんちょ[318-319])
★03 人口じんこうめる高齢こうれいしゃ割合わりあいが、どれだけたかかろうと一定いっていであれば、ある年齢ねんれい以上いじょう支払しはらいを無料むりょうにしようと、ぜん世代せだいからもとめようと、一人ひとりあたりの負担ふたんは――はやくにくなるひととそうでないひととのあいだ負担ふたんしょうじるとして――おおまかにはおなじであり、そしておなじでしかない。ただ、多産たさん時代じだいからしょうさん時代じだいへといういちだけの変動へんどうともなって、費用ひようを「現役げんえき世代せだい」からの徴収ちょうしゅうでまかなう場合ばあいに、その負担ふたん時期じきによってことなるということはある。つまり、いま高齢こうれいしゃであるひとたち(がかつてった)負担ふたんよりもいまあるいはこれからはらひとたちの負担ふたんほうがずっとおおくなり、それは公平こうへいでないから、べつ負担ふたんほうがよいとえる場合ばあいがある。これは簡単かんたん計算けいさんでわかることだ。そしてそもそも、年齢ねんれいによって負担ふたんもとめるもとめないの区別くべつをすることは正当せいとうなことではない。そしてこの立場たちばから、年齢ねんれいによってべつての制度せいど設定せっていすることの正当せいとうせいもまたみとめられないことになる。
 次回じかいくけれども、どうすればよいかの基本きほんはまったく単純たんじゅんである。この社会しゃかいにおいておおくをひとたちがおおくをはらい、すくなくひとたちがすくなくはらえばよいのである。すると所得しょとくさい分配ぶんぱい問題もんだい医療いりょう福祉ふくしといった社会しゃかいサービスの供給きょうきゅう問題もんだいとはべつであるなどとわれることがあるのだが、べつのものだとかんがえるほう間違まちがっている。このことを――十全じゅうぜん説明せつめいしているのではないが――しるしたこのころ文章ぶんしょうとして立岩たていわ[2008a][2000b]。
★04 その報告ほうこくしょ末期まっき医療いりょうかんするケアのかた検討けんとうかい[1988]。これら調査ちょうさについての情報じょうほうはhttp://www.arsvi.com→「「終末しゅうまつ関係かんけい調査ちょうさ研究けんきゅう
★05 その報告ほうこくしょ末期まっき医療いりょうかんする意識いしき調査ちょうさとう検討けんとうかい[1998]。最初さいしょ意識いしき調査ちょうさについての報告ほうこくしょとうがあるのか、いまのところわからない。だいかい調査ちょうさ報告ほうこくしょなかでこのときの調査ちょうさ結果けっか紹介しょうかいされてはいる。
★06 その報告ほうこくしょ終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい[2004]。これら調査ちょうさについての言及げんきゅうとして、たとえば以下いか。  「厚生こうせい労働省ろうどうしょうのパンフレットでは、「たんなる延命えんめい治療ちりょうのぞまないひとやくななわり」といてありますが、これはただしい表現ひょうげんではないことです。質問しつもん内容ないようは「いたみをともない、なお見込みこみがないだけでな<133<く、死期が追っていると告げられた場合、単なる延命だけのための治療をどう考えますか」というものです。高齢者の場合、痛みが伴わない末期も少なくありませんし、慢性の病気の場合、死期が追っているかどうかの判断も難しいのです。どこからを末期というのかということも問題ですが、はなはだしい研究では、死亡一年前からを末期とみなすようなひどいものもありました。」(今井[2002:136])  「日本では、厚生省が一九九三年に全国の成人男女三〇〇〇人に対し「末期医療に対するアンケート調査」を行っています。その結果は、単に延命を図る治療は希望しない者が多く、また、「積極的安楽死」を希望する者は少ない、ということでした。  時代と共に医学・医療の発展や進歩だけでなく、医療全体を取り巻く環境が大きく変化していることから、国民の医療に対する意識が変化していくであろうことが考えられます。  末期医療に関しては、幾度か同様の調査が行われました。しかし、結果は九三年のものと大きくは変わらず、日本においては「積極的安楽死」はなじまない状況が確認されています。」(真部[2007:123-124])

 
>TOP

文献ぶんけん

 *◆はだい29・30・31・32・33・34かい文献ぶんけんひょうにあげたもの

天田あまだ しろかい 20080301 「贈与ぞうよのエコノミーと犠牲ぎせい構造こうぞう――おとろえゆくひとびとの生存せいぞんという戦術せんじゅつ」,現代げんだい思想しそう』36-3(2008-3):82-101
天本あまもと ひろし 1999 「高齢こうれいしゃにとってよい医療いりょうとは」,みね天本あまもと木下きのしたへん[1999:89-102]*
◆――――― 2004 「在宅ざいたく重視じゅうしよんあいだ体制たいせいコミュニティケア」,新福しんぷく監修かんしゅう[2004],
青木あおき 信雄のぶお橋本はしもと 美知子みちこ へん 19910710 『「たきり」老人ろうじんはつくられる――たきり大国たいこくからの"だつ"処方箋しょほうせん中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,284p. ISBN-10: 4805808616 ISBN-13:978-4805808610 2000 [amazon] ※ a06
有吉ありよし 玲子れいこ 2007- 「人工じんこう透析とうせき」,http://www.arsvi.com/d/a03.htm 2008b1
◆――――― 2008 「人工じんこう腎臓じんぞうをめぐる分配ぶんぱい選択せんたく」,立命館大学りつめいかんだいがく大学院だいがくいん先端せんたん総合そうごう学術がくじゅつ研究けんきゅう2007年度ねんど博士はかせ予備よび論文ろんぶん 2008b1
有吉ありよし 佐和子さわこ 19720610 恍惚こうこつひと新潮社しんちょうしゃ,312p. ASIN: B000J95OE4 690 [amazon] ※→2003 『恍惚こうこつひと』(改版かいはん新潮社しんちょうしゃ新潮しんちょう文庫ぶんこ,437p. ISBN:9784101132181(4101132186).\629(税込ぜいこみ\660) [amazon]
朝日新聞社あさひしんぶんしゃ へん 19731015 荒廃こうはいをつくる構造こうぞう朝日新聞社あさひしんぶんしゃ朝日あさひ市民しみん教室きょうしつ日本にっぽん医療いりょう5,254p. ASIN: B000J9NNZG 500 [amazon] ※ b,
◇Callahan, Daniel 2000 The Troubled Dream of Life: In Searh of a Peaceful Death, Gerogetown University Press.=20061001 岡村おかむら 二郎じろう やく自分じぶんらしくぬ――延命えんめい治療ちりょうがゆがめるもの』,ぎょうせい,282p. ASIN: 4324080410 3000 [amazon][kinokuniya] ※ d01.
長寿ちょうじゅ社会しゃかい開発かいはつセンター 199711 『「福祉ふくしのターミナルケア」にかんする調査ちょうさ研究けんきゅう事業じぎょう報告ほうこくしょ長寿ちょうじゅ社会しゃかい開発かいはつセンター,110p.
古井ふるい とおる 20031101 「リハビリテーションの誤算ごさん」,『現代げんだい思想しそう』31-13(2003-11):136-148
広井ひろい 良典よしのり 19971120 『ケアをいなおす――「深層しんそう時間じかん」と高齢こうれい社会しゃかい』,筑摩書房ちくましょぼう,ちくま新書しんしょ,236p. ISBN:9784480057327 (4480057323) 756 [amazon][kinokuniya] ※ c04
◆――――― 1998a 「タ−ミナルケア議論ぎろんにおいてしんもとめられる視点してんなにか――「医療いりょう」へのふか疑問ぎもんについて」、『社会しゃかい保険ほけん旬報じゅんぽう』1975(1998-2-21):13-17
◆――――― 1998b 「これからのターミナルケアにもとめられる視点してん」、『社会しゃかい保険ほけん旬報じゅんぽう』1994(1998-8-21):12-20
◇――――― 20000915 『ケアがく――越境えっきょうするケアへ』医学書院いがくしょいん,268p. ISBN:426033087X 2,415 [amazon][kinokuniya][kinokuniya] ※ c04
池見いけみ とり次郎じろう永田ながた 勝太郎かつたろう へん 19820910 臨床りんしょう――わがくににおける末期まっき患者かんじゃケアの実際じっさいまことしん書房しょぼう,286p. ISBN-10: 441480101X ISBN-13: 978-4414801019 2500 [amazon] d01.t01
◆――――― 19841210 日本にっぽんのターミナル・ケア――末期まっき医療いりょうがく実践じっせんまことしん書房しょぼう,7+316p. ISBN-10: 4414801028 ISBN-13: 978-4414801026 3000 [amazon][kinokuniya] ※ d01.t02.
今井いまい きよし 20020405 理想りそう医療いりょうかたれますか――患者かんじゃのための制度せいど改革かいかくを』東洋経済新報社とうようけいざいしんぽうしゃ,275p. ISBN-10: 4492700811 ISBN-13: 978-4492700815 [amazon] ※ a06
医療いりょう経済けいざい研究けんきゅう機構きこう 1999 『「終末しゅうまつにおけるケアにかかわる制度せいどおよ政策せいさくかんする研究けんきゅう報告ほうこくしょ』 http://www.ihep.jp/publish/report/past/h11/h11-3.htm#1-3-3
石井いしい 暎禧 19980201 「老人ろうじんへの医療いりょう無意味むいみか――痴呆ちほう老人ろうじん生存せいぞんけん否定ひていする「竹中たけなか広井ひろい報告ほうこくしょ」」,『社会しゃかい保険ほけん旬報じゅんぽう』1973ごう(1998.2.1) http://www.sekishinkai.or.jp/ishii/opinion_tc01.htm
◆――――― 19980501 「みなし末期まっきという現実げんじつ――広井ひろいへの回答かいとう,『社会しゃかい保険ほけん旬報じゅんぽう』1983(1998.5.1):14-19,1984(1998.5.11):36-29,1985(1998.5.21):32-35 http://www.sekishinkai.org/ishii/opinion_tc02.htm
◆――――― 20010121 終末しゅうまつ医療いりょう医療いりょう危機ききをもたらすか――「終末しゅうまつにおけるケアにかかわる制度せいどおよ政策せいさくかんする研究けんきゅう報告ほうこくしょ」のただしいかた,『社会しゃかい保険ほけん旬報じゅんぽう』2086 http://www.sekishinkai.or.jp/ishii/opinion_tc03.htm
◇――――― 200103 「医療いりょう保険ほけん改革かいかくと「老人ろうじん終末しゅうまつ医療いりょう」――事実じじつもとづいた改革かいかくを」,日本にっぽん病院びょういんかい医療いりょう経済けいざい税制ぜいせい委員いいんかい報告ほうこくしょ制度せいど政策せいさく変革へんかく目指めざして』 http://www.sekishinkai.org/ishii/opinion_tc04.htm
◆――――― 20080201 「「医療いりょう崩壊ほうかい」 の真実しんじつ――戦後せんご医療いりょう制度せいど疲労ひろう」,現代げんだい思想しそう』36-2(2008-2):88-100(特集とくしゅう医療いりょう崩壊ほうかい――生命せいめいをめぐるエコノミー)
石井いしい 暎禧横内よこうち 正利まさとし滝上たきのうえ 宗次郎そうじろう 20000405 『『課題かだい視点してん』をどうむか――ただしい高齢こうれいしゃ医療いりょう改革かいかくけて』(鼎談ていだん),非売品ひばいひん
 http://www.sekishinkai.org/ishii/3mantalk_01.html
石川いしかわ じゅん倉本くらもと 智明ともあき へん 20021031 障害しょうがいがく主張しゅちょう明石書店あかししょてん,294p. 2730 ISBN:4-7503-1635-0 [amazon][kinokuniya][bk1] ※ ds
石川いしかわ じゅん長瀬ながせ おさむ へん 19990331 障害しょうがいがくへの招待しょうたい――社会しゃかい文化ぶんか、ディスアビリティ』明石書店あかししょてん,321p. ISBN:4-7503-1138-3 2940 [amazon][kinokuniya][bk1] ※ ds
小泉こいずみ 義之よしゆき 20080301 「病苦びょうくのエコノミーへけて」,現代げんだい思想しそう』36-3(2008-3):68-81
厚生省こうせいしょう大臣だいじん官房かんぼう老人ろうじん保健ほけん福祉ふくし老人ろうじん保健ほけん 19900331 たきりゼロをめざして――たきり老人ろうじん現状げんじょう分析ぶんせきならびにしょ外国がいこくとの比較ひかくかんする研究けんきゅう だいはん中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,160p. ASIN:4805806818 1100 [amazon][kinokuniya] ※, b a06
たきり老人ろうじん現状げんじょう分析ぶんせきならびにしょ外国がいこくとの比較ひかくかんする研究けんきゅう 001-054
厚生省こうせいしょう老人ろうじん保健ほけん福祉ふくしきょく老人ろうじん保健ほけん 199812 しんたきり老人ろうじんゼロ作戦さくせん関係かんけい通知つうちしゅう――各種かくしゅ保健ほけん福祉ふくしサービスの概要がいよう日本法令にほんほうれい,452p. ISBN-10: 453971614X ISBN-13: 978-4539716144 2900 [amazon][kinokuniya] ※ b a06
厚生省こうせいしょう へん 19910401 『厚生こうせい白書はくしょ平成へいせい2年版ねんばん〉――しんゆたかさにかっての社会しゃかいシステムのさい構築こうちくゆたかさのコスト・廃棄はいきぶつ問題もんだいかんがえる』,厚生こうせい問題もんだい研究けんきゅうかい,402p. ASIN: 4324026173 1500 [amazon][kinokuniya] ※ b a06 ts2008a
厚生省こうせいしょう健康けんこう政策せいさくきょく総務そうむ 監修かんしゅう 20000610 『21世紀せいき末期まっき医療いりょう中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,225p. ISBN:4-8058-4249-0 2100 [amazon][kinokuniya][kinokuniya][BK1] d01 et※
厚生省こうせいしょう日本にっぽん医師いしかい へん 19890925 末期まっき医療いりょうのケア――その検討けんとう報告ほうこく中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,207p. ISBN-10: 4805806648 ISBN-13: 978-4805806647 2039 [amazon][amazon] ※ d01.
厚生こうせい労働省ろうどうしょう高齢こうれいしゃ医療いりょう制度せいどとう改革かいかく推進すいしん本部ほんぶ 2000 『医療いりょう制度せいど改革かいかく課題かだい視点してん
厚生こうせい労働省ろうどうしょう高齢こうれいしゃ医療いりょう制度せいどとう改革かいかく推進すいしん本部ほんぶ事務じむきょく 2001 『医療いりょう制度せいど改革かいかく課題かだい視点してんhttp://www.mhlw.go.jp/houdou/0103/h0306-1/h0306-1.html
厚生省こうせいしょう健康けんこう政策せいさくきょく総務そうむ監修かんしゅう 20000610 『21世紀せいき末期まっき医療いりょう中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,225p. ISBN:4-8058-4249-0 2100 [amazon][kinokuniya][kinokuniya][BK1] ※ d01 et
厚生省こうせいしょう日本にっぽん医師いしかい へん 19890925 末期まっき医療いりょうのケア――その検討けんとう報告ほうこく中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,207p. ISBN-10: 4805806648 ISBN-13: 978-4805806647 2039 [amazon][amazon] ※ d01.
児島こじま 美都子みつこ 19930130 『「たきり」をつくらない福祉ふくし――福祉ふくしとはなにかをいつづけて』ミネルみねるァ書房ぁしょぼう,251p. ASIN: 4623022579 1937 [amazon][kinokuniya] ※
◆Krog, Evald 1993=1994 大熊おおくま由紀子ゆきこ監修かんしゅう片岡かたおかゆたかやく,『クローさんの愉快ゆかい苦労くろうばなし――デンマークしき自立じりつ生活せいかつはこうして誕生たんじょうした』,ぶどうしゃ,150p. 1600
黒川くろかわ 由紀子ゆきこ へん 20020820 老人ろうじん病院びょういん――青梅おうめけいとも病院びょういんのこころとからだのトータルケア』昭和堂しょうわどう,243p. ASIN: 4812202256 1575 [amazon][kinokuniya] ※
町野まちの さく西村にしむら 秀二しゅうじ山本やまもと 輝之てるゆき秋葉あきば 悦子えつこ丸山まるやま 雅夫まさお安村やすむら つとむ清水しみず 一成いっせい臼木うすき ゆたか へん 19970420 安楽あんらく尊厳そんげん末期まっき医療いりょう――資料しりょう生命せいめい倫理りんりほうII』しんやましゃ,333p. ISBN:4-7972-5506-4 3150 [kinokuniya][amazon] ※ d01.
末期まっき医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい 2008 「だいいちかい終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとう会議かいぎごとろくhttp://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/01/txt/s0124-3.txt
末期まっき医療いりょうかんする意識いしき調査ちょうさとう検討けんとうかい 19980626 「末期まっき医療いりょうかんする意識いしき調査ちょうさとう検討けんとうかい報告ほうこくしょ」,厚生省こうせいしょう健康けんこう政策せいさくきょく総務そうむ監修かんしゅう[2000]
末期まっき医療いりょうかんするケアのかた検討けんとうかい 19880616 「末期まっき医療いりょうかんするケアのかた検討けんとうかい報告ほうこくしょ」,厚生省こうせいしょう日本にっぽん医師いしかいへん[1989:3-16]*,町野まちのさくへん[1997:277-283] *
真部まなべ 昌子まさこ 20070711 わたしたちのわりかた――延命えんめい治療ちりょう尊厳そんげんのはざまで』学習研究社がくしゅうけんきゅうしゃ学研がっけん新書しんしょ12,226p. ISBN-10: 4054034756 ISBN-13: 978-4054034754 756 [amazon][kinokuniya] ※ d01 et
みね まなぶ天本あまもと ひろし木下きのした 安子やすこ へん 19991115 高齢こうれいしゃのコミュニティケア――医療いりょうようする在宅ざいたく療養りょうようしゃ生活せいかつしつ向上こうじょう目指めざして』御茶おちゃみず書房しょぼう法政大学ほうせいだいがく多摩たま地域ちいき研究けんきゅうセンター叢書そうしょ3,249p. ISBN-10: 4275017900 ISBN-13: 978-4275017901 3990 [amazon] ※ a02 a06
三好みよし 春樹はるき 19940306 『なぜ"たきりゼロ"なのか――あたらしいケアがはじまっている』,ライフケア浜松はままつ,77p. SBN-10: 4887201249 800 ISBN-13: 978-4887201248 [amazon] ※ b a02 a06 ts2008
毛利もうり 子来こらい 1972 『現代げんだい日本にっぽん小児しょうに保健ほけん』,ドメス出版しゅっぱん,381p. ASIN: B000J9OWY2 [amazon],
向井むかい うけたまわ 20030825 患者かんじゃ追放ついほう――うしな老人ろうじんたち』筑摩書房ちくましょぼう,250p. ISBN:4-480-86349-4 1500 [amazon][kinokuniya][bk1] ※, b d01
◆――――― 20080201 「ちょう高齢こうれい社会しゃかい誘惑ゆうわく」,現代げんだい思想しそう』36-2(2008-2):101-109
武藤むとう 香織かおり 20080301 「「ピンピンコロリ」 をめぐる物語ものがたり――わたしたちがしいものはこれなのか?」,『現代げんだい思想しそう』36-3(2008-3):116-125
武藤むとう 正樹まさき 20050723 「少子しょうし高齢こうれいと「ぴんぴんころり」(PPK) 」,大久保おおくぼ武藤むとう菅原すがわら和田わだ[2005:77-109]
内閣ないかく政府せいふ広報こうほうしつ 1990 「医療いりょうにおける倫理りんりかんする世論せろん調査ちょうさhttp://www8.cao.go.jp/survey/h02/H02-10-02-17.html
内藤ないとう いづみ・鎌田かまた みのる高橋たかはし 卓志たかし 19970606 『ホスピス最期さいごかがやきのために――Choice is yours』, オフィス・エム, 277p. ISBN-10:4900918091 ISBN-13: 978-4900918092 1600 [amazon][kinokuniya] ※ d01.t02.
なかこう 路子みちこ有吉ありよし 玲子れいこ堀田ほった 義太郎よしたろう 2007 「1990年代ねんだいの「たきり老人ろうじん」をめぐるしょ制度せいど言説げんせつ」、障害しょうがい学会がっかいだいかい大会たいかい http://www.arsvi.com/2000/0709nm1.htm
日本にっぽん病院びょういんかい医療いりょう経済けいざい税制ぜいせい委員いいんかい 2001 『報告ほうこくしょ 制度せいど政策せいさく変革へんかく目指めざして』
日本にっぽん老年ろうねん学会がっかい 20010613 「「高齢こうれいしゃ終末しゅうまつ医療いりょうおよびケア」にかんする日本にっぽん老年ろうねん学会がっかいの「立場たちば表明ひょうめい」」,http://www.jpn-geriat-soc.or.jp/tachiba/index.html
日本にっぽん老年ろうねん学会がっかい へん 20031220 老年ろうねん医療いりょうあゆみと展望てんぼう――養生ようじょうくんから現代げんだい医療いりょう最先端さいせんたんまで』日本にっぽん老年ろうねん学会がっかい発売はつばい:メジカルビューしゃ,329p. ISBN-10: 4758302677 ISBN-13:978-4758302678 8400 [amazon] ※
二木ふたき りつ 19921015 『90年代ねんだい医療いりょう診療しんりょう報酬ほうしゅう,勁草書房しょぼう,251p. ASIN: 4326798815 [amazon][kinokuniya] ※, b m/e01 ts2007a
◆――――― 19941125 『「世界一せかいいち」の医療いりょう抑制よくせい政策せいさく見直みなお時期じき,勁草書房しょぼう,237p. ASIN: 4326798939 2625 [amazon][amazon] ※, b m/e01 07a
◆――――― 20000420 介護かいご保険ほけん医療いりょう保険ほけん改革かいかく,勁草書房しょぼう,272p. ASIN: 4326750448 2940 [amazon][kinokuniya] ※, me
◆――――― 20011120 『21世紀せいき初頭しょとう医療いりょう介護かいご――幻想げんそうの「抜本ばっぽん改革かいかく」をえて』,勁草書房しょぼう,308p. ASIN: 4326750456 3360 [amazon][kinokuniya] ※, me
西村にしむら 周三しゅうぞう 19970620 医療いりょう福祉ふくし経済けいざいシステム』筑摩書房ちくましょぼう,ちくま新書しんしょ,218p. ASIN: 4480057110 735 [amazon][kinokuniya] ※
◆――――― 20030410 「保険ほけん年金ねんきん医療いりょう介護かいご制度せいど」,田尾たお西村にしむら藤田ふじたへん[2003:168-188]
野口のぐち 裕二ゆうじ大村おおむら 英昭ひであき へん 20010730 臨床りんしょう社会しゃかいがく実践じっせん有斐閣ゆうひかく選書せんしょ1646,318+ivp. ISBN:4-641-28054-1 2100 [amazon][kinokuniya][bk1] ※ b sm
岡本おかもと ただし高橋たかはし あきらただし毛利もうり 子来こらい大熊おおくま 由紀子ゆきこ司会しかい) 19731015 「日本にっぽん医師いしかいのタテマエとホンネ」,朝日新聞社あさひしんぶんしゃへん[19731015:161-217],
岡本おかもと 祐三ゆうぞう 19900510 『デンマ−クにまなゆたかな老後ろうご朝日新聞社あさひしんぶんしゃ,226p. ISBN-10: 4022561408 ISBN-13: 978-4022561404 1550 [amazon] ※ a02 a06
◆――――― 19931210 医療いりょう福祉ふくししん時代じだい――「たきり老人ろうじん」はゼロにできる』日本にっぽん評論ひょうろんしゃ,272p. ASIN: 453558141X 2100 [amazon][kinokuniya] ※, b a02 a06
大久保おおくぼ 一郎いちろう武藤むとう 正樹まさき菅原すがわら 民枝たみえ和田わだ つとむ 20050723 『これからの高齢こうれいしゃ医療いりょう――団塊だんかい世代せだいいるとき』同友どうゆうかん,184p. ISBN-10: 4496039923 ISBN-13: 978-4496039928 2100 [amazon] ※ b a06
大熊おおくま 一夫かずお 1973 『ルポ・精神病せいしんびょうとう』,朝日新聞社あさひしんぶんしゃ→1981 朝日あさひ文庫ぶんこ,241p. 480えん <262> ※ m,
◆――――― 19860531 『あなたの「い」をだれがみる』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ朝日あさひノンフィクション,261p. ISBN-10: 4022555408 ISBN-13: 978-4022555403 1100 [amazon][kinokuniya]→199003 朝日新聞社あさひしんぶんしゃ朝日あさひ文庫ぶんこ,307p. ISBN-10: 4022605898 ISBN-13: 978-4022605894 480.[amazon][kinokuniya] ※,
◆――――― 19880131 『ルポ 老人ろうじん病棟びょうとう朝日新聞社あさひしんぶんしゃ,322p. ISBN-10: 4022558164 ISBN-13: 978-4022558169 1200 [amazon][kinokuniya] ※ b a02 a06→19920301 朝日新聞社あさひしんぶんしゃ朝日あさひ文庫ぶんこ,384p. ISBN-10: 4022606967 ISBN-13: 978-4022606969 612 [amazon][kinokuniya] ※,
大熊おおくま 由紀子ゆきこ 19900920 『「たきり老人ろうじん」のいるこくいないくに――しんゆたかさへの挑戦ちょうせん,ぶどうしゃ,171p. ASIN: 4892400955 1500 [amazon][kinokuniya] ※ a06,
◆――――― 2004- 「物語ものがたり介護かいご保険ほけん」、『月刊げっかん介護かいご保険ほけん情報じょうほう』 http://www.yuki-enishi.com/kaiho/,
・200406「「日本にっぽんがた福祉ふくし」がんだ「日本にっぽんがた悲劇ひげき」――物語ものがたり介護かいご保険ほけん・4」、『月刊げっかん介護かいご保険ほけん情報じょうほう』2004ねん6がつごう
http://www.yuki-enishi.com/kaiho/kaiho-04.html
・200503 「「悪徳あくとく老人ろうじん病院びょういんからの脱出だっしゅつ――物語ものがたり介護かいご保険ほけん・12」、『月刊げっかん介護かいご保険ほけん情報じょうほう』2005ねん3がつごうhttp://www.yuki-enishi.com/kaiho/kaiho-12.html
太田おおた 典礼てんれい 19730615 安楽あんらくのすすめ』さんいち書房しょぼうさんいち新書しんしょ,223p. ISBN: 4380730077 683(400) [amazon][kinokuniya] ※ d01.et.
大津おおつ 秀一ひでかず 20070110 『「がく」――やすらかな終末しゅうまつを、緩和かんわ医療いりょうのすすめ』小学館しょうがくかん,320p. ISBN-10: 4093876118 ISBN-13: 978-4093876117 1575 [amazon][kinokuniya] ※ b d01.t02
大塚おおつか 宣夫のりお 19900928 老後ろうご昨日きのう今日きょう明日あした――家族かぞくとお年寄としよりのための老人ろうじん病院びょういん案内あんない主婦しゅふ友社ともしゃ,225p. ASIN: 4079340109 1400 [amazon][kinokuniya] ※ a06,
◆――――― 2004 「だい往生おうじょうおわりいの住処すみかとしての施設しせつ」,新福しんぷく監修かんしゅう[2004]
大塚おおつか 宣夫のりお黒川くろかわ 由紀子ゆきこ桑田くわた 美代子みよこ草壁くさかべ 孝治こうじ 20020820 「座談ざだんかい」,黒川くろかわへん[2002:207-239]
老人ろうじん専門せんもん医療いりょうかんがえるかい 2007 「老人ろうじん専門せんもん医療いりょうかんがえるかい 四半世紀しはんせいきあゆみ」http://ro-sen.jp/tokai/nenpyo.html、『老人ろうじん専門せんもん医療いりょうかんがえるかいhttp://ro-sen.jp/
◇Rothman, David J. 1991 Strangers at the Bedside: A History of How Law and Bioehtics Transformed, Basic Books=20000310 酒井さかい忠昭ただあき監訳かんやく,『医療いりょう倫理りんり夜明よあけ――臓器ぞうき移植いしょく延命えんめい治療ちりょう権利けんりをめぐって』,晶文社しょうぶんしゃ,371+46p. ISBN:4-7949-6432-3 [kinokuniya][amazon][bk1] ※
坂井さかい しゅう 19911010 『ドイツじん老後ろうご法政大学ほうせいだいがく出版しゅっぱんきょく,291p. ASIN: 4588050745 2415 [amazon][kinokuniya] ※ a06
澤田さわだ 愛子あいこ 19960410 末期まっき医療いりょうからみたいのち――希望きぼう人間にんげんがく朱鷺とき書房しょぼう,269p. ISBN-10: 4886025110 ISBN-13: 978-4886025111 1800 [amazon][kinokuniya] ※ d01
新福しんぷく 尚武しょうぶ 監修かんしゅう 20040521 いときる――老人ろうじん病院びょういん医師いしへのインタビュー』老人ろうじん病院びょういん情報じょうほうセンター ,223p. ISBN-10: 4990198301 ISBN-13: 978-4990198305 2100 [amazon][kinokuniya] b a06
白石しらいし 正明まさあき 197711 「福祉ふくしのターミナルケア」にかんする海外かいがい調査ちょうさ」,長寿ちょうじゅ社会しゃかい開発かいはつセンター[1997:71-77]
白木しらき 克典かつのりあらおか しげる石井いしい 暎禧 20020601 「死亡しぼう高齢こうれいしゃ医療いりょう本当ほんとうたかいのか――入院にゅういん医療いりょう年齢ねんれい階層かいそう分析ぶんせき・1〜2」,『病院びょういん』61-6別冊べっさつ(2002.6.1), 61-7別冊べっさつ(2002.7.1) http://www.sekishinkai.org/ishii/hp617-1.htm http://www.sekishinkai.org/ishii/hp617-2.htm 『病院びょういん』61-7:http://www.igaku-shoin.co.jp/prd/00118/0011849.html
終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい 20040703 「終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい報告ほうこくしょ――今後こんご終末しゅうまつ医療いりょうかたについて」http://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/07/s0723-8.html終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかいへん[2005:1-125]*
終末しゅうまつ医療いりょうかんする調査ちょうさとう検討けんとうかい へん 20050115 今後こんご終末しゅうまつ医療いりょうかた中央ちゅうおう法規ほうき出版しゅっぱん,229p. ISBN-10: 4805845775 ISBN-13: 978-4805845776 2310 [amazon] ※ b d01 t02
多田ただ 富雄とみお 20071210 『わたしのリハビリ闘争とうそう――さい弱者じゃくしゃ生存せいぞんけんまもられたか』青土おうづちしゃ,172p. ISBN-10: 4791763629 ISBN-13: 978-4791763627 1260 [amazon] ※ b r02
田島たじま 明子あきこ 200608 障害しょうがい受容じゅよう――リハビリテーションにおける使用しようほう,<分配ぶんぱい支援しえん未来みらい刊行かんこう委員いいんかい,1000
田島たじま 明子あきこ坂下さかした 正幸まさゆき伊藤いとう みのる知子ともこ野崎のさき 泰伸やすのぶ 20070916-17 「1970年代ねんだいのリハビリテーション雑誌ざっしのなかの「たきり老人ろうじん言説げんせつ
障害しょうがい学会がっかいだいかい大会たいかい 於:立命館大学りつめいかんだいがく http://www.arsvi.com/2000/0709ta2.htm
竹中たけなか ぶんりょう 19910325 医者いしゃがんにかかったとき』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう,293p. ASIN: 4163450602 1400 [amazon][kinokuniya][kinokuniya] ※ c09→19940510 文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう文春ぶんしゅん文庫ぶんこ,333p. ASIN: 4167343029 500 [amazon][kinokuniya][kinokuniya] ※,
◆――――― 19920825 『がんにかかった医者いしゃ選択せんたく――のこりのいのちは自分じぶんめる』,法研ほうけん,225p. ASIN: 4879540072 1600 [amazon][kinokuniya][kinokuniya] ※, c09
◆――――― 19951030 ぞく医者いしゃがんにかかったとき』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう,267p. ASIN: 4163507701 1500 [amazon][kinokuniya] ※, c09
◆――――― 1997a(199703) 「『』と『』――21世紀せいきの「」をかんがえる・3」(インタビュー),『てつもんだより』(5521)1997ねん3がつごう
◆――――― 1997b(19970520) 『がんの常識じょうしき講談社こうだんしゃ新書しんしょ,221p. ASIN: 4061493566 693 [amazon][kinokuniya] ※, b c09 ts2008
◆――――― 1997c(199711) 「「福祉ふくしのターミナルケア」の課題かだい展望てんぼう」,長寿ちょうじゅ社会しゃかい開発かいはつセンター[1997:1-3]
竹中たけなか おさむ研究けんきゅう班長はんちょう 1989 『昭和しょうわ63年度ねんど厚生こうせい科学かがく研究けんきゅう特別とくべつ研究けんきゅう事業じぎょうたきり老人ろうじん現状げんじょう分析ぶんせきならびにしょ外国がいこくとの比較ひかくかんする研究けんきゅう研究けんきゅう報告ほうこくしょ』、厚生省こうせいしょう大臣だいじん官房かんぼう老人ろうじん保健ほけん福祉ふくし老人ろうじん保健ほけん[1990]
滝上たきのうえ 宗次郎そうじろう 19950625 福祉ふくし経済けいざいかす――ちょう高齢こうれい社会しゃかいへの展望てんぼう,勁草書房しょぼう,289p. ISBN-10: 4326798955 ISBN-13: 978-4326798957 [amazon][kinokuniya] ※ a06
◆――――― 19981201 『「おわりのすみか」は有料ゆうりょう老人ろうじんホーム』講談社こうだんしゃ,278p. ISBN-10: 4062093308 ISBN-13: 978-4062093309 [amazon] ※ b a06
◆――――― 20010210 「(つづけ介護かいご保険ほけんはなぜ失敗しっぱいしたか――21世紀せいき社会しゃかい保障ほしょう制度せいどとは」,『週刊しゅうかん東洋とうよう経済けいざい』5677:78-81
◆――――― 20060608 『やっぱり「おわりのすみか」は有料ゆうりょう老人ろうじんホーム』講談社こうだんしゃ,253p. ISBN-10: 4062824043 ISBN-13: 978-4062824040 1680 [amazon][kinokuniya] ※ a02 a06
田中たなか 多聞たもん 19760120『たきり老人ろうじんがれる――自立じりつ看護かんご実際じっさい』,社会しゃかい保険ほけん出版しゅっぱんしゃ 204p 1200 http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/db1970/7601tt.htm
田尾たお 雅夫まさお西村にしむら 周三しゅうぞう藤田ふじた 綾子あやこ へん 20030410 ちょう高齢こうれい社会しゃかいう』名古屋大学出版会なごやだいがくしゅっぱんかい,236p. ASIN: 4815804621 2940 [amazon][kinokuniya] ※, b a06
立岩たていわ しん也 1999 「自己じこ決定けっていする自立じりつ――なにより、でないが、とても、大切たいせつなもの」、石川いしかわ長瀬ながせへん[1999:79-107]
◆――――― 2000a 「とおはなれ遭遇そうぐう――介助かいじょについて」,『現代げんだい思想しそう』28-4(2000-3):155-179,28-5(2000-4):28-38,28-6(2000-5):231-243,28-7(2000-6):252-277→立岩たていわ[2000b:221-354]
◆――――― 2000b よわくある自由じゆうへ――自己じこ決定けってい介護かいご生死せいし技術ぎじゅつ青土おうづちしゃ
◆――――― 20010730 「なおすことについて」,野口のぐち大村おおむらへん[2001:171-196]
◆――――― 20020201- 「生存せいぞんあらそい――医療いりょう現代げんだいのために」,現代げんだい思想しそう30-02(2002-02):150-170 ※資料しりょう
◆――――― 2002 「ないにこしたことはない、か・1」,石川いしかわ倉本くらもとへん[2002:47-87]
◆――――― 20030300 障害しょうがいしゃ運動うんどうたい介護かいご保険ほけん――2000〜2002」平岡ひらおか公一こういち研究けんきゅう代表だいひょうしゃ)『高齢こうれいしゃ福祉ふくしにおける自治体じちたい行政ぎょうせい公私こうし関係かんけい変容へんようかんする社会しゃかいがくてき研究けんきゅう』,文部もんぶ科学かがくしょう科学かがく研究けんきゅう補助ほじょきん研究けんきゅう成果せいか報告ほうこくしょ研究けんきゅう課題かだい番号ばんごう12410050):79-88
◆――――― 20040000 「障害しょうがいしゃ運動うんどうたい介護かいご保険ほけん――2000〜2003」http://www.arsvi.com0w/ts02/2004021.htm
◆――――― 20041101 「より苦痛くつうせい苦痛くつうせい安楽あんらく」、『現代げんだい思想しそう』32-14:85-97(特集とくしゅう生存せいぞんあらそい) ◆――――― 20050531 書評しょひょう広井ひろい良典よしのり生命せいめい政治せいじがく――福祉ふくし国家こっか・エコロジー・生命せいめい倫理りんり』」,『福祉ふくし社会しゃかいがく研究けんきゅう』2
◆――――― 20050710 「障害しょうがいしゃ自立じりつ支援しえんほう、やりなおすべし――にあたり、遠回とおまわりで即効そっこうせいのないこといくつか」,『精神せいしん医療いりょう』39:26-33→20060210 岡崎おかざき 伸郎のぶお岩尾いわお 俊一郎しゅんいちろう へん 20060210 『「障害しょうがいしゃ自立じりつ支援しえんほう時代じだいくために』批評社ひひょうしゃ,メンタルヘルス・ライブラリー15,176p. 1900+ ISBN4-8265-0436-5 C3047 pp.43-54 [amazon][kinokuniya] ※,
◆――――― 20080410 有限ゆうげんせいという常套句じょうとうくをどうけるか」上野うえの大熊おおくま大沢おおさわ神野かみの副田そえだへん[2008:163-180]
◆――――― 2008**** 楽観らっかんしてよいはずだ」上野うえの中西なかにしへん[2008]
◆――――― 2008a 『』、筑摩書房ちくましょぼう近刊きんかん
◆――――― 2008b 『ただせい』、筑摩書房ちくましょぼう近刊きんかん
土佐とさ 和男かずお 編著へんちょ 20080200 高齢こうれいしゃ医療いりょう確保かくほかんする法律ほうりつ解説かいせつ――づけ高齢こうれいしゃ医療いりょう確保かくほかんする法律ほうりつ法研ほうけん,461p. ISBN-10: 487954714X ISBN-13: 978-4879547149 4725 [amazon][kinokuniya] ※ d01.a06.,
植村うえむら かなめ 2008 「改良かいりょうがた歯根しこん利用りよう人工じんこう角膜かくまく――手術しゅじゅつけたひと手術しゅじゅつをした医師いし技術ぎじゅつ開発かいはつみっつの歴史れきし交点こうてんとして」、立命館大学りつめいかんだいがく大学院だいがくいん先端せんたん総合そうごう学術がくじゅつ研究けんきゅう博士はかせ予備よび論文ろんぶん
植村うえむら 和正かずまさ 20031220 「終末しゅうまつ医療いりょう」,日本にっぽん老年ろうねん学会がっかいへん[2003:222-225]
◆――――― 2004 「高齢こうれいしゃ終末しゅうまつ医療いりょうおよびケア」にかんする日本にっぽん老年ろうねん学会がっかいの「立場たちば表明ひょうめい」」,『日本にっぽん老年ろうねん学会がっかい雑誌ざっし』41-1:45-47
◆――――― 200606 「高齢こうれいしゃ終末しゅうまつ医療いりょう」,『学術がくじゅつ動向どうこう』2006ねん06がつごう日本にっぽん学術がくじゅつ会議かいぎ特集とくしゅう 終末しゅうまつ医療いりょう――医療いりょう倫理りんりほうげん段階だんかい
 http://www.h4.dion.ne.jp/~jssf/text/doukousp/pdf/200606/0606_2733.pdf
上野うえの 千鶴子ちづこ中西なかにし 正司しょうじ へん 2008 『ニーズ中心ちゅうしん福祉ふくし社会しゃかいへ――当事とうじしゃ主権しゅけん次世代じせだい福祉ふくし戦略せんりゃく』、医学書院いがくしょいん近刊きんかん
上野うえの 千鶴子ちづこ大熊おおくま 由紀子ゆきこ大沢おおさわ 真理まり神野かみの 直彦なおひこ副田そえだ 義也よしや へん 20080410 『ケアという思想しそう岩波書店いわなみしょてん,ケアその思想しそう実践じっせん1,249p. ISBN-10: 4000281216 ISBN-13: 978-4000281218 2310 [amazon][kinokuniya] ※ c04.
うえみのり せいつよし 20031101 「医療いりょう論理ろんり言語げんご論理ろんり――聴覚ちょうかく障害しょうがいにとってのベネフィットとはなにか」,『現代げんだい思想しそう』31-13(2003-11):166-179
和田わだ つとむ 198208 『老人ろうじんもうける悪徳あくとく病院びょういん』,エール出版しゅっぱんしゃ,187p. ASIN:B000J7FAQS [amazon] ※,
◆――――― 19910901 老人ろうじん医療いりょう現場げんば――明日あした高齢こうれいしゃ福祉ふくしかんがえる』ひがしりん出版しゅっぱんしゃ,288p. ISBN-10: 4795235627 ISBN-13: 978-4795235625 1800 [amazon] ※,
◆――――― 2004 「わたしはどんな活動かつどうをしてきたか?」http://wadajournal.com/profile/katsudo.htm,『医療いりょうジャーナリスト和田わだつとむの「医療いりょう健康けんこう福祉ふくし」をかんがえる CONSUMER HEALTH』http://wadajournal.com/index.htm,
◆――――― 20050723 「高齢こうれいしゃ医療いりょうかんがえる」,大久保おおくぼ武藤むとう菅原すがわら和田わだ[2005:129-141]
山田やまだ しん立岩たていわ しん(ききて) 20080201 「告発こくはつ流儀りゅうぎ――医療いりょう患者かんじゃあいだ」(インタビュー),『現代げんだい思想しそう』36-2(2008-2):120-142
山口やまぐち ヒロミ 1995 『たきり少女しょうじょの喘嗚(こえ)がこえる』、自然しぜんしょく通信つうしんしゃ
山口やまぐち 真紀まき 200803 「「きず」とともにあること――事後じごの「きず」をめぐる実践じっせん議論ぎろん考察こうさつ」,立命館大学りつめいかんだいがく大学院だいがくいん先端せんたん総合そうごう学術がくじゅつ研究けんきゅう博士はかせ予備よび論文ろんぶん
山口やまぐち のぼる 19920501 たきり老人ろうじんゼロ作戦さくせんいえ光協会ひかりきょうかい,222p. ISBN-10: 4259543954 ISBN-13: 978-4259543952 1325 [amazon][kinokuniya] ※ b a06
山井やまい 和則かずのり 1991a 『体験たいけんルポ 世界せかい高齢こうれいしゃ福祉ふくし』、岩波いわなみ新書しんしょ
◆――――― 19910710 「北欧ほくおう現状げんじょうから対策たいさくかんがえる」,青木あおき橋本はしもとへん[1991:121-143] ts2007a
山井やまい 和則かずのり斉藤さいとう 弥生やよい 19940920 体験たいけんルポ 日本にっぽん高齢こうれいしゃ福祉ふくし岩波いわなみ新書しんしょ,240p. 780 ※
山本やまもと 茂夫しげお 198210 『あたらしい老後ろうご創造そうぞう――武蔵野むさしの福祉ふくし公社こうしゃ挑戦ちょうせん』,ミネルみねるァ書房ぁしょぼう,240p. ASIN: B000J7K3GA.→2000 『あたらしい老後ろうご創造そうぞう――武蔵野むさしの福祉ふくし公社こうしゃ挑戦ちょうせんミネルみねるァ書房ぁしょぼう,247p. ISBN-10: 4623014398 ISBN-13: 978-4623014392 [amazon],
◆――――― 199503 福祉ふくし部長ぶちょう 山本やまもと茂夫しげお挑戦ちょうせん朝日あさひカルチャーセンター,226p. ISBN-10: 4900722146 ISBN-13: 978-4900722149.\1,456(税込ぜいこみ\1,529) [amazon][kinokuniya] a06,
山本やまもと 孝史たかし 1998 『議員ぎいん立法りっぽう――日本にっぽん政治せいじ活性かっせいへのみち』,だいいち書林しょりん
◆――――― 2006 「尊厳そんげん法制ほうせい独立どくりつがた高齢こうれいしゃ医療いりょう制度せいどとの関連かんれん」,『蝸牛かぎゅうのつぶやき』2006/03/05ごう
◆――――― 2008 『すくえる「いのち」のために――日本にっぽんのがん医療いりょうへの提言ていげん』,朝日新聞社あさひしんぶんしゃ
山崎やまざき 摩耶まや 20010407 講演こうえん http://homepage2.nifty.com/netmatsudo/yamakouen.htm 主催しゅさい地域ちいきネット松戸まつど
横内よこうち 正利まさとし 199609 「高齢こうれいしゃ終末しゅうまつ医療いりょうとはなにか」,『imago』1996-9 特集とくしゅう:ターミナルケア
◆――――― 19970515 「高齢こうれいしゃ末期まっきとはなにか――高齢こうれいしゃ医療いりょうへの提言ていげん・2」,『Medical Tribune』30-20:47
 http://www.medical-tribune.co.jp/mtbackno/3020/20hp/M3020471.htm
◆――――― 1998a(19980301) 「高齢こうれいしゃ終末しゅうまつとその周辺しゅうへん――みなし末期まっき国民こくみんれられるか」,『社会しゃかい保険ほけん旬報じゅんぽう』1976:13-19
◆――――― 1998b(19980721) 「高齢こうれいしゃ自己じこ決定けっていけんとみなし末期まっき――自己じこ決定けっていけんとしあな」,『社会しゃかい保険ほけん旬報じゅんぽう』1991(1998-7-21):12-16,1992(1998-8-1):30-34
◆――――― 1998c(19981201) 「高齢こうれいしゃ自己じこ決定けっていけんとみなし末期まっき続報ぞくほう〉」,『社会しゃかい保険ほけん旬報じゅんぽう』2004(1998-12-1):12-16
◆――――― 20001202 「北欧ほくおう高齢こうれいしゃ医療いりょうはなぜ日本にっぽんまさしくつたえられないか」,『週刊しゅうかん東洋とうよう経済けいざい』2000-12-2
◆――――― 20010215 「日本にっぽん老年ろうねん学会がっかい立場たちば表明ひょうめい』は時期じき尚早しょうそう」,『Medical Tribune』(メディカル・トリビューンしゃ
◆――――― 20011004 「再論さいろん日本にっぽん老年ろうねん学会がっかい立場たちば表明ひょうめい』――高齢こうれいしゃ医療いりょうりになるおそれあり」,『Medical Tribune』(メディカル・トリビューンしゃ
◆――――― 20010720 『「顧客こきゃく」としての高齢こうれいしゃケア』日本にっぽん放送ほうそう出版しゅっぱん協会きょうかい,197p. ASIN:4140019204 914 [amazon][kinokuniya] ※.
横内よこうち 正利まさとし滝上たきのうえ 宗次郎そうじろう 19950625 「末期まっき医療いりょう尊厳そんげん老人ろうじん福祉ふくし」(対談たいだん),滝上たきのうえ[1995:243-284]
横塚よこつか 晃一こういち 1975 『ははよ!ころすな』、すずさわ書店しょてん→1981 増補ぞうほばん、すずさわ書店しょてん→20070910 ははよ!ころすな』生活せいかつ書院しょいん
読売新聞よみうりしんぶん大阪おおさか本社ほんしゃ生活せいかつ情報じょうほう へん 19981125 『いのちをつめて――終末しゅうまつ医療いりょう現場げんばから』,ブロンズしんしゃ,230p. ISBN-10: 489309159X ISBN-13: 978-4893091598 1600 [amazon] ※ d01.
吉村よしむら ゆうさと 2008 「専門せんもんしょく統制とうせいりょく――精神せいしん障害しょうがいをめぐるマクロとミクロのツール」,立命館大学りつめいかんだいがく大学院だいがくいん先端せんたん総合そうごう学術がくじゅつ研究けんきゅう2007年度ねんど博士はかせ論文ろんぶん

◆『週刊しゅうかん医学いがくかい新聞しんぶん』 1997 「医療いりょうのものか――イギリス、スウェーデンのターミナルケアにまなぶ」,『週刊しゅうかん医学いがくかい新聞しんぶん』2229(1997-2-24)http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n1997dir/n2229dir/n2229_05.htm
◆――――― 1998 「高齢こうれいしゃ終末しゅうまつ医療いりょうへの視点してん――老人ろうじん専門せんもん医療いりょうかんがえるかいシンポジウムより」,『週刊しゅうかん医学いがくかい新聞しんぶん』2299(1998-7-27)http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n1998dir/n2299dir/n2299_08.htm

 
>TOP

分量ぶんりょう制約せいやくのためにだい29かいに(ながく)引用いんようできなかった文章ぶんしょう

★「「老人ろうじん病院びょういん」の経営けいえい実態じったいおおくはやみなかでした。例外れいがいてきあかるみにたのが、埼玉さいたまけんにある三郷みさと中央ちゅうおう病院びょういんでした。
 るにかねてけん内部ないぶ告発こくはつした職員しょくいんがいたのです。
 「東京医科歯科大学とうきょういかしかだいがく出身しゅっしん院長いんちょう新潟大学にいがただいがく出身しゅっしんふく院長いんちょう、1カ月かげつまんえん完全かんぜん看護かんご」がものでした。事務じむ職員しょくいん東京とうきょう千葉ちば埼玉さいたま福祉ふくし事務所じむしょ熱心ねっしんまわ病院びょういんをPRしました。あつめられたお年寄としよりの7わり東京とうきょう千葉ちば住民じゅうみんでした。
 1980ねん75しょう開院かいいん半年はんとしには177しょうふくがりました。[…]そこでの「診療しんりょう」は、たとえば、つぎのようなものでした。
入院にゅういんしたひとにはすべて「入院にゅういん検査けんさ」としょうして31種類しゅるい検査けんさけさせ、その毎月まいつき監視かんし検査けんさ」というで21種類しゅるい検査けんさ。/検査けんさはやりっばなしで、検討けんとうされた形跡けいせきはなし/・テレメーターによる心臓しんぞう監視かんし架空かくう請求せいきゅうで1000まんえんえる収入しゅうにゅうくちからべられるひとにも点滴てんてきおこなわれ、お年寄としよりのかおはむくんでいました。
 点滴てんてき無意識むいしきいたりするとベッドのしがらみしばりつけられました。写真しゃしんAのようなしとねかさ尿にょう感染かんせん肺炎はいえん、……そして、平均へいきん87にち死亡しぼう退院たいいん。」(大熊おおくま[2004])

 「埼玉さいたまけん三郷みさとに「三郷みさと中央ちゅうおう病院びょういん」がありました。この病院びょういん老人ろうじんものにする悪徳あくとく病院びょういんでした。丹念たんねん取材しゅざいして、はいいんみました。この事件じけん国会こっかい問題もんだいにもなり、厚生省こうせいしょう老人ろうじん医療いりょう見直みなおしするきっかけになった事件じけんでした。わたしとしてはおも出深でぶかいスクープです。」(和田わだ[……]○)

 「月刊げっかん宝石ほうせき』(昭和しょうわ57ねん3がつごう)で、NHKディレクターであった和田わだつとむ三郷みさと中央ちゅうおう病院びょういん告発こくはつしたのが、老人ろうじん病院びょういん非情ひじょう処遇しょぐうげた最初さいしょのものであった。/和田わだ病院びょういん関係かんけいしゃ研究けんきゅうかい席上せきじょう私立しりつ病院びょういん管理かんりしょくだったひとから、悪質あくしつ病院びょういんはなしき、病院びょういんつとめて職員しょくいん退職たいしょくしたひと家族かぞくなどから困難こんなん事情じじょう聴取ちょうしゅかさね、埼玉さいたま三郷みさと中央ちゅうおう病院びょういん典型てんけいてき悪質あくしつ病院びょういんであることに確信かくしんち、病院びょういん名前なまえ明記めいきして実態じったい公表こうひょうすることを決意けついし、記事きじにした。それに先立さきだって、和田わだは、病院びょういん院長いんちょうから「名誉めいよ毀損きそんうったえるぞ」などのいやがらせをけながら、さらに『老人ろうじんでもうける悪徳あくとく病院びょういん』(エール出版しゅっぱん)で、くすりづけ検査けんさづけの実態じったいやお年寄としよりをベッドにしばける看護かんご姿すがた詳細しょうさいつたえている。
 […]和田わだ告発こくはつ契機けいきに、厚生省こうせいしょう検査けんさづけ点滴てんてきづけの老人ろうじん医療いりょう改善かいぜんするために、昭和しょうわ58ねん老人ろうじん保健ほけんほう制定せいていした。いちジャーナリストのたした社会しゃかいてき意義いぎおおきい。」(山本やまもと[1995])

 大熊おおくま一夫かずおもこの病院びょういん取材しゅざいしている。「本書ほんしょは、『週刊しゅうかん朝日あさひ昭和しょうわ60ねん(1985ねん)3がつ22にちごう同年どうねん7がつ19にちごうからどう12月20にちごう、および昭和しょうわ61ねん(1986ねん)1がつ31にちごう掲載けいさいされた『ルポ 老人ろうじん病棟びょうとう・あなたの「い」をだれがる』をまとめたものである。」(大熊おおくま[1986:6])
 「閉鎖へいさせいつよ精神せいしん病院びょういんめられている人々ひとびとは、このでももっとしいたげられた階層かいそうである。そんな病棟びょうとうなかでさらにさい下層かそうにおかれているのが、いわゆる「ボケ老人ろうじん」たちであることを、わたしはじめてった。人生じんせい最終さいしゅう楽章がくしょうをこんながたおく人々ひとびとがいるのは、ひどくになった。」(大熊おおくま [1986:8])
 「小説しょうせつ楢山節考ならやまぶしこう』でおりんばあさんがてられたのは、人里ひとざとはなれた雪山ゆきやまだった、しかし、現代げんだい姥捨山うばすてやま(ルビ:うばすてやま)は、だい都会とかい周辺しゅうへんんぼのなかっていた。 首都高しゅとこうそく筑波つくばれい科学万博かがくばんぱく会場かいじょう方面ほうめんじゅうふんほどはしり、三郷みさと(ルビ:みさと)インタでりてUターンし、みなみろくななキロくだったあたり、そこに三郷みさと中央ちゅうおう病院びょういんはあった。[…]いったい、どんな診療しんりょうおこなわれていたのか。」(大熊おおくま[1986:28-29])

 「三郷みさと中央ちゅうおう病院びょういんなど悪徳あくとく病院びょういん摘発てきはつをきっかけにして、昭和しょうわじゅうはちねんがつまれた「老人ろうじん保健ほけんほう」という法律ほうりつのおかげで、お年寄としよりの患者かんじゃによかったとおもわれる診療しんりょう十分じゅうぶんにできにくい雰囲気ふんいきになってしまった、というのである。」(大熊おおくま[  ])

 「天本あまもとさんは「お年寄としよりだから」という理由りゆうで、治療ちりょうしのべないのは罪悪ざいあくだとかんがえている。/こんな事件じけんがあった。/老人ろうじん保険ほけんほう施行しこうされてよんヶ月かげつじゅうはちねんろくがつ医療いりょう請求せいきゅうがくさんせんまんえんのうちやくいちわりさんひゃくまんえんぶん保険ほけん審査しんさかいでバッサリ減額げんがくされた。「減点げんてん通知つうちしょ」にはこうかれていた。/「特定とくてい患者かんじゃ収容しゅうよう管理かんりりょう算定さんてい症例しょうれいたいする運動うんどう療法りょうほう妥当だとうみとめられません」/この患者かんじゃさんは、ひらたくいえば、たきりで全面ぜんめん介護かいご必要ひつようとする鼻腔びこう栄養えいようひとであった。たきりになったひとにはリハビリは必要ひつようだから、そんな請求せいきゅうはダメだというのである。「脳軟化症のうなんかしょうの(ひとの)腰痛ようつう運動うんどう療法りょうほうみとめられません」という通知つうちしょもあった。これにたいして、天本あまもとさんは猛然もうぜん意義いぎとなえた。」(大熊おおくま 1996:217)

分量ぶんりょう制約せいやくのためにだい30かいに(ながく)引用いんようできなかった文章ぶんしょう

★「なんでたきりはゼロにしなければいけないのか。たきり老人ろうじんがいるのは、日本にっぽんだけだなんていますね。朝日新聞あさひしんぶんあたりが主催しゅさいするセミナーなんかきますと、みんなくらかおをしてかえってくるそうです。西洋せいよう素晴すばらしくて、日本にっぽんはだめだ、一体いったいどうなるんだろう。[…]
 わたしたきり老人ろうじん日本にっぽんおおいっていうのは、けっしてわるいことではない、いや、それ自体じたいわるいことなんだけど、マイナスだけでとらえる必要ひつようはないとおもいます。というのは、まずたきりになっても栄養えいようとどくっていうゆたかさがないと、たきり老人ろうじんなんていな<0009<いんですよ。脳卒中になって生き長られえる国っていうのは、世界で数えるくらいしかないんですからね。旧共産圏だとか、発展途上国ではできないですからね。さらにその上、他人に依存しても生きてゆけるという文化を持っているところでなければならない。これ西洋じゃ無理なんです。西洋は自立してなかったら人間じゃない、っていう世界です。自立のためには必死でやりますが、一度他人に依存しちゃうと、もう生きていけないという世界ですね。依存して生きていけるというのは、東洋なんです。
 このふたつの条件じょうけんたしているくに日本にっぽんだけなんです。それでたきりがおおい。日本にっぽん悪徳あくとくみたいにわれていますが、そういう意味いみでは老人ろうじんたきりをいかに克服こくふくしていくのかっていう方法ほうほうろんも、このふたつを武器ぶきにするほかない。ひとつはゆたかさ、もうひとつは相互そうご依存いぞんです。自立じりつというのは、人間にんげんにとっては幻想げんそうみたいなものですね。自立じりつ自立じりつなんていわれていますが、自立じりつして生活せいかつしているひとなんか、どこにもいないんです。
 人間にんげん一生いっしょうに3かい他人たにんたよらなければいけ<0010<ない。子供の時、病気の時、年取った時です。最後の年取った時というのは、長生きした者の特権ですから、援助してもらってありがとうと言えばいいんです。そういう文化をいまだに持っているんですからね。これを使って寝たきりの問題を何とか解決していこうということです。ですから、外国に対して恥ずかしいから寝たきりを減らそうなんていう発想では困るんです。」(三好[1994:9-11])

分量ぶんりょう制約せいやくのためにだい31かいに(ながく)引用いんようできなかった文章ぶんしょう

★「夫妻ふさい尊厳そんげん協会きょうかいはいっておられた。病気びょうきについても過不足かふそくない知識ちしきをもち、しっかりした死生しせいかんをももっておられた。手術しゅじゅつのあとは定期ていき健診けんしんつづけ、必要ひつようおうじて入退院にゅうたいいんかえしていた。前々まえまえからの希望きぼうで、治療ちりょう手段しゅだんなにもなくなって、衰弱すいじゃくすすみ、いよいよという時点じてんたっしたなら、自宅じたくごしたい、とういのがおにん一致いっちしたかんがかただった。[…]<228<
 ところが、これだけ自分じぶんかんがえをしっかりもったひとたちでも、個人こじん主義しゅぎつらぬくことはむずかしかった。それがこのくに現状げんじょう平均へいきんということだろうか。親戚しんせき見舞みまいにきては、「この状態じょうたい医者いしゃにもみせず、病院びょういんにもれないとはなにごとか」と轟々ごうごう非難ひなん夫人ふじんびせられた。おっと夫人ふじんいちにん大切たいせつひとでない。結局けっきょくはそれらの人々ひとびと反論はんろんくっした。
 病人びょうにんは、見覚みおぼえのある個室こしつました。酸素さんそ吸入きゅうにゅうほどこされ、かれからだには点滴てんてき、フォーレ、心電図しんでんず複数ふくすうのチューブがつながれていた。
 「どうして、こういうことなってしまうのだ?」
 弱々よわよわしいながら、腹立はらだちまぎれのためいきがもれる。不本意ふほんい最期さいごはただただどくだった。
 いわば冠婚葬祭かんこんそうさい要員よういんとしての親戚しんせきられたかっこうで、時間じかんをかけ熟慮じゅくりょした二人ふたりのプランはかされなかった。納得なっとくのゆく終末しゅうまつ医療いりょうについては、個人こじん意志いしだけではでうにもならない部分ぶぶんがあるようだ。」(竹中たけなか[1995:227-228]★)

★「イギリスで見学けんがくしたセントオズワルド・ホスピスは、日本にっぽんのホスピスとおなじくがん患者かんじゃおも対象たいしょうであるが、日本にっぽんのホスピスとは基本きほんてきなところで相違そういてんがいくつかかんじられた。
 わたし直感ちょっかんだが、いくつかたイギリスのホスピスには日本にっぽんのホスピスに充満じゅうまんする緊張きんちょうかん<0204<とか使命感のような一種の「重さ」がない。[…]
 このホスピスは「場所ばしょ」というより、これ以上いじょう治療ちりょうのぞめないほど理想りそうてきな「在宅ざいたくささえる患者かんじゃのための施設しせつ」であり、日本にっぽんのホスピスがにできないでいる終末しゅうまつ医療いりょうのシステムをみごとに機能きのうさせていた。
 もうひとつのちがいは末期まっきがん患者かんじゃたいする医療いりょう態度たいどだ。<0205<
 […]イギリスのホスピスでの末期まっきがん患者かんじゃたいする緩和かんわケアのノウハウをると、日本にっぽんよりはるかに医学いがくてき考察こうさつおこなわれている。日本にっぽんでは、いたみにしても病的びょうてきまたは肉体にくたいてき疼痛とうつう精神せいしんてきいたみとかくるしみはともかく、具体ぐたいてき説明せつめいできない霊的れいてきいたみという表現ひょうげんまで出現しゅつげんする。それで患者かんじゃ苦痛くつう理解りかいできたようなになる。イギリスでの緩和かんわケアチームの行為こういると、もっと具体ぐたいてきでフィジカルな視点してんから患者かんじゃのニーズをとらえている。
 日本にっぽんでももう一度いちど医学いがくてき原点げんてんもどり、論理ろんりてき考察こうさつ必要ひつようであることを痛感つうかんした。[…]
 イギリスでかんじたことの最後さいごは、緩和かんわケアにおけるチーム医療いりょうについてである。」(竹中たけなか[1997b:204-206])

★ 「これからの時代じだいにおいては、”長期ちょうきにわたる介護かいご延長線えんちょうせんじょう”にあるような看取みとりがおおきく増加ぞうかし、そのような場合ばあいには、狭義きょうぎ医療いりょうのみならず、介護かいごなど生活せいかつめんのサービス、家族かぞくへの支援しえんふくめたソーシャル・サポートといったものの重要じゅうようせい非常ひじょうおおきくなる。したがってこれからのターミナルケアにおいては、医療いりょう福祉ふくし(+心理しんり)の連携れんけいふくめたより総合そうごうてきなアプローチがもとめられているとおもわれる。こうした問題もんだい意識いしきから、筆者ひっしゃらはすうねんまえ、「福祉ふくしのターミナルケア」とだいする国内外こくないがい調査ちょうさ研究けんきゅうをおこない、調査ちょうさ結果けっか提言ていげん報告ほうこくしょとしてまとめた。」(広井ひろい[2000:144])

★ 「日本にっぽんでも高齢こうれい進展しんてんするにつれて、なぜ北欧ほくおう諸国しょこく延命えんめい治療ちりょうがないのかを、財政ざいせい事情じじょう価値かちかん福祉ふくし国家こっか中身なかみなどのてんから歴史れきしてき検証けんしょうしていく必要ひつようがありますね。北欧ほくおうは、今後こんご日本にっぽん医療いりょうかたについておおくの示唆しさあたえてくれるとおもいます。しかし、現状げんじょうは、北欧ほくおう諸国しょこく老人ろうじん福祉ふくし情報じょうほう日本にっぽんにたくさんらされていますが、老人ろうじん医療いりょう実態じったい、ことに末期まっきについては、なにらされていないにひとしい。
 北欧ほくおう諸国しょこく痴呆ちほう高齢こうれいしゃのためのグループホームはよく情報じょうほうはいりますが、そこでめなくなった<0260<高齢者はどこに行くのかは知らされていない。また、グループホームでの医療がどうなっているかも日本に情報が入りませんね。痴呆の高齢者は急性疾患にかからない、ということはありませんからね。
 北欧ほくおう福祉ふくし日本にっぽん紹介しょうかいしてくる人々ひとびとなかには、意図いとてき情報じょうほう操作そうさがあるのではないでしょうか。」(滝上たきのうえ横内よこうち滝上たきのうえ[1995:260-261])


UP:2008 REV:20080123,27 0228 0315,29 0417,21 0514 1004 20100315, 20130928, 1003
立岩たていわ しん  ◇Shin'ya Tateiwa
TOP HOME (http://www.arsvi.com)