年金ねんきん支給しきゅう開始かいしと定年ていねん、75歳さいへ引ひき上あげの公算こうさん…あなたは今いまの仕事しごとのままでよいですか？

　労働ろうどう時間じかんを短みじかくしたり、責任せきにんばかり負おわされている肩かたの荷にを下おろすことも60歳さい以降いこうの働はたらき方かたの選択肢せんたくしです。もちろん年収ねんしゅうは下さがりますが、長ながく働はたらかされる余力よりょくは生うまれるかもしれません。

　しかし、それだけが60歳さい以降いこうの働はたらき方かたではありません。自分じぶんが楽たのしめると思おもえる仕事しごとを見みつけ、そこそこに納得なっとくのいく年収ねんしゅうを得えて、年金ねんきん受うけ取とりまでの時間じかんを過すごせる方法ほうほうを考かんがえるほうが、より前向まえむきな働はたらき方かたになるでしょう。メンタル的てきにもよっぽど健全けんぜんであるはずです。

　そのとき重要じゅうようなのは「仕事しごとの中身なかみ」です。会社かいしゃ員いんが長ながくなると「働はたらかされる」という意識いしきが強つよくなってきますが、長ながい会社かいしゃ員いん人生じんせいの最後さいごにその固定こてい観念かんねんを打破だはしなければいけません。社会しゃかい人じん人生じんせいの最後さいごくらい、自分じぶんがやる仕事しごとは自分じぶんで決きめられるようになりたいものです。

「働はたらかされている」という固定こてい観念かんねんを壊こわすのに、早はやいに越こしたことはありません。今いまのキャリアを突つき詰つめていくなかで、その仕事しごとは70歳さいまでやる気きが出でるかを考かんがえてみてください。

　必要ひつようならジョブチェンジしたっていいと思おもいます。何なにせ75歳さいまで働はたらくのですから、40歳さいでまったく違ちがう仕事しごとについたとしてもまだ数すう十じゅう年ねんも働はたらくことになるからです。「○歳さい転職てんしょく限界げんかい説せつ」は、おそらくこれからの時代じだいに無意味むいみなものとなるでしょう。

　斜陽しゃよう業種ぎょうしゅは見切みきりをつけるようなドライな判断はんだんも、ときには必要ひつようになります。未来みらいが厳きびしい業界ぎょうかいで営業えいぎょうを続つづけるよりは、営業えいぎょうというスキルを成長せいちょう産業さんぎょうのほうで生いかすほうがやりがいも年収ねんしゅうもアップするでしょう。

　人生じんせいが100歳さいに近ちかづくということは、現役げんえき時代じだいも当然とうぜん延のびるということです。そこで愚痴ぐちを言いって過すごすのか、前向まえむきに楽たのしめるかは、長ながい100年ねんを「自分じぶんの楽たのしい100年ねん」にするか「仕方しかたなく生いかされている100年ねん」とするかの違ちがいになってくることでしょう。

　働はたらき方かたはあなたのマネープランを構成こうせいする要素ようそです。そしてメンタルにも大おおきな影響えいきょうを与あたえます。「100歳さい時代じだいの働はたらき方かた」はときどきでいいので、考かんがえてみてください。
（文ぶん＝山崎やまざき俊輔しゅんすけ／フィナンシャル・ウィズダム代表だいひょう）