ニュースな本写真しゃしんはイメージです　Photo:PIXTA

小ちいさい頃ころからの親おやや周囲しゅういからの教育きょういくの結果けっか、多おおくの女性じょせいたちが他人たにんが敷しいたレールを歩あゆむ人生じんせいを選えらんでしまう。周囲しゅういから期待きたいされた道みちを歩あるかないという選択肢せんたくしを選えらび、本当ほんとうに自分じぶんがやりたいことをやるために必要ひつようなこととは。※本稿ほんこうは、レシュマ・サウジャニ『完璧かんぺきじゃなくていい、勇気ゆうきある女おんなになろう』（海うみと月つき社しゃ）の一部いちぶを抜粋ばっすい・編集へんしゅうしたものです。

人ひとを優先ゆうせんしてばかりいては
現実げんじつの社会しゃかいで通用つうようしない

「人生じんせいがずっと小学校しょうがっこうのままだったら、女おんなの子こが世界せかいを支配しはいするだろう」

　これはキャロル・ドゥエックの有名ゆうめいな言葉ことばだ。ドゥエックの言いうとおり、学校がっこうでは完璧かんぺきを目指めざすことがプラスにはたらくことも多おおい。でも現実げんじつの社会しゃかいでは、オールAなど存在そんざいしない。

　わたしたちはみな、大人おとなになるとルールが変かわることに気きづく。それもごく早はやいうちに。

　そして不意ふいに、これまで教おしえられてきたことがことごとく裏目うらめに出でてしまう。これまでは成果せいかのあった行動こうどう──思おもいやりをもち、物腰ものごしは柔やわらかく、愛想あいそよくするといった行動こうどうが、いきなり、とてつもない負担ふたんを強しいるものだと実感じっかんするのだ。思おもいやりがあるだけでは、昇進しょうしんもできなければ権限けんげんのあるポジションも得えられない。礼儀れいぎ正ただしく口数くちかず少すくなくしていても、ムカムカした思おもいが残のこるだけだ。

　ある会議かいぎに出席しゅっせきしたとき、ひとりの女性じょせいにこう聞きかれた。「どうやったら完璧かんぺきになろうともがかないですむんでしょうか。社会しゃかいは完璧かんぺきであることを求もとめているのに」。そのとき、わたしはこう答こたえた。

「高校こうこうや大学だいがくならそれでほめられるかもしれませんが、社会しゃかいに出でたら違ちがいます」。そう、現実げんじつの社会しゃかいで求もとめられるのは完璧かんぺきさじゃない。勇気ゆうきだ。

　完璧かんぺきを求もとめれば、安心あんしん感かんの得えられる道みちを歩あゆんでいけるかもしれない。けれど勇気ゆうきを出だせば、自分じぶんが本当ほんとうに歩あゆみたかった道みちに行いける。

　完璧かんぺきであれば、束つかの間ま気分きぶんはいいかもしれない。でも、困難こんなんに直面ちょくめんしたときや、とても乗のり越こえられないような深ふかい喪失そうしつ感かんに見舞みまわれたときに、力ちからを与あたえてくれるのは勇気ゆうきだ。完璧かんぺきではなくても、勇気ゆうきがあれば、上うわっ面つらの人生じんせいじゃなく、心しんの底そこから楽たのしいと感かんじられる、正真正銘しょうしんしょうめい自分じぶんの人生じんせいを、自分じぶんの手てでつくりあげていくことができる。

周囲しゅういから期待きたいされた道みちを
歩あるかないという選択肢せんたくし

「20代だい後半こうはんになるまで、人生じんせいに選択肢せんたくしがあるなんて思おもいもしなかったわ」とルースは言いった。