クラスター（英語えいご：cluster）は集合しゅうごう体たいや塊かたまりを指さす英語えいごであるが、物質ぶっしつ科学かがくにおいては同種どうしゅの原子げんしあるいは分子ぶんしが相互そうご作用さようによって数個すうこから数すう十じゅう個こ、もしくはそれ以上いじょうの数かずが結合けつごうした物体ぶったいを指さす。それぞれの原子げんしや分子ぶんし同士どうしを結むすびつける相互そうご作用さようは、ファンデルワールス力りょくや静しずか電でん的てき相互そうご作用さよう、水素すいそ結合けつごう、金属きんぞく結合けつごう、共有きょうゆう結合けつごうなどが挙あげられている。クラスターのうち、電荷でんかを帯おびたものをクラスターイオンと呼よぶ。
代表だいひょう的てきなクラスターとして、炭素たんそ原子げんし60個こが結合けつごうしてサッカーボール状じょうの構造こうぞうを持もつC60フラーレンがある[1]。C60フラーレンは共有きょうゆう結合けつごうクラスターに分類ぶんるいされる。これらは、いわゆるバルクとも孤立こりつした原子げんし・分子ぶんしとも違ちがう状態じょうたいであり（少しょう数多すうた体系たいけい・有限ゆうげん多た体系たいけいと呼よばれる）、バルク-孤立こりつ原子げんし・分子ぶんしの間あいだの新あたらしい物質ぶっしつ相しょうであると考かんがえられている。クラスターは、そのサイズに依存いぞんした特異とくい的てき性質せいしつを示しめし、新規しんき磁性じせい・触媒しょくばい材料ざいりょうなど、応用おうよう面めんでも注目ちゅうもくされている。
複数ふくすうの遷移せんい金属きんぞく原子げんしが互たがいに金属きんぞく結合けつごうした構造こうぞうをしているときに、金属きんぞくクラスターという。昨今さっこんは、ナノ粒子りゅうしという概念がいねんも提唱ていしょうされている[2]。
有機ゆうき金属きんぞく化学かがくでは、カルボニル配はい位い子こで安定あんてい化かされた金属きんぞくクラスターは金属きんぞくカルボニルクラスターという[3]。金属きんぞくカルボニルクラスターの典型てんけい例れいとしては、ドデカカルボニルルテニウムRu3(CO)12, ドデカカルボニルオスミウムOs3(CO)12などが挙あげられ、いずれの金属きんぞくカルボニルクラスターであっても３みっつの金属きんぞく原子げんしが正三角形せいさんかっけいとなるような構造こうぞうをしている。
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