ゴシック・ロック

ゴシック・ロック（Gothic rock、ゴスロック、ゴス）は、1970年代ねんだいに誕生たんじょうした、ポストパンクやオルタナティヴ・ロックのサブジャンルの一ひとつである。暗くらいテーマと、ゴシック・ホラーやロマンチシズム、実存じつぞん主義しゅぎ哲学てつがくやニヒリズムといった知的ちてきなものを扱あつかう。ゴシック・ロックによって、ゴス文化ぶんかは、ゴス・クラブやゴシック・ファッション、ゴス専門せんもん雑誌ざっしなどの発展はってんを見みせた。

スタイル・起源きげん

音楽おんがくジャーナリストのサイモン・レイノルズによると、標準ひょうじゅん的てきなゴシック・ロックの特徴とくちょうとして、「大鎌おおがまを振ふるようなギターの弾ひき方かた」や、「メロディの役割やくわりを奪うばうようなピッチの上あがったベースライン」、そして「悲かなしげ（dirgelike）で眠ねむたくなる、あるいは土俗どぞく的てきなアフリカのポリリズムのようなビート」を挙あげている^[1]。たとえばスージー・アンド・ザ・バンシーズはギターにフランジャーをかけることが多おおく、この効果こうかを用もちいることにより、彼女かのじょたちが影響えいきょうを受うけたサイケデリック・ロックの音楽おんがくと比くらべると不安定ふあんていで冷つめたくとげとげしい音おとになる.^[2] 。また、ゴシック・ロックのミュージシャンやバンドの中なかにはドラムマシンを用もちいて弱じゃく拍はくを弱よわくする手法しゅほうをとる者ものもいた^[3]。

典型てんけい的てきなゴシック・ロックのテーマは暗くらく、歌詞かしや音楽おんがくの雰囲気ふんいきにも表あらわれている。ゴシック・ロックの詩しの感性かんせいは、ロマン主義しゅぎ、不健全ふけんぜん性せい、実存じつぞん主義しゅぎ、宗教しゅうきょう的てきな象徴しょうちょう主義しゅぎ、さらには超ちょう自然しぜん的てきな神秘しんぴ主義しゅぎに基もとづいている^[4]。

マーク・ボラン^[5] や、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ、ドアーズ、デヴィッド・ボウイ、イギー・ポップ、セックス・ピストルズといった者ものたちが初期しょきのゴシック・ロックの美学びがくや慣例かんれいを作つくり上あげた^[6]^[7]。

カート・ローダー（英語えいご版ばん）は、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの楽曲がっきょく「オール・トゥモロウズ・パーティーズ」について、「魅了みりょうされそうなゴシックロックの名作めいさく」と評ひょうしている^[8]。一方いっぽう、レイノルズはアリス・クーパーの芝居しばいがかった言動げんどうやブラックユーモアといった観点かんてんから「罪深つみぶかきゴスのゴッドファーザー」と評ひょうしている^[5]。

ニコが1969年ねんに発表はっぴょうしたアルバム『マーブル・インデックス』は、史上しじょう初はつのゴス音楽おんがくのアルバムだとみなされることがある^[9] 。

荒涼こうりょうとした音おとと陰鬱いんうつな歌詞かし、そしてニコの見みた目めが著いちじるしく変かわったことと相あいまって、このアルバムは彼女かのじょの代表だいひょう作さくの一ひとつとなり、ゴシック・ロック・ムーブメントの視覚しかく的てきなプロトタイプの一ひとつとなった^[10]^[11] 。

ゴシック・ロックにおいてドローンが多用たようされるのはヴェルヴェット・アンダーグラウンドの影響えいきょうによるものであるほか、深ふかくドラマティックな歌うたい方かたはデヴィッド・ボウイに由来ゆらいするものである（ただし、ボウイはより低ひくいピッチで歌うたうこともあった）^[3]。

初期しょきのゴシック・ロック・グループの歌詞かしが小説しょうせつ家かJ・G・バラードの作品さくひん群ぐんから影響えいきょうを受うけていた一方いっぽう、ザ・バースデイ・パーティの歌詞かしはアルチュール・ランボーやシャルル・ボードレールといった文学ぶんがく作品さくひんからの影響えいきょうをうけていた^[12]。

1976年ねん、愛あいと伴侶はんりょを求もとめる陰鬱いんうつな吸血鬼きゅうけつきを主人公しゅじんこうとする小説しょうせつ『夜明よあけのヴァンパイア』がアン・ライスによって発表はっぴょうされた。デイブ・トンプソン（英語えいご版ばん）によると、この本ほんの存在そんざいは口くちコミでゴシック・ロックのファンたちに広ひろまっていったとされている。同おなじ年ねんにデビューを果はたしたパンク・バンドであるダムドのボーカルは元もと墓はか堀ほり人じんのデイヴ・ヴァニアンであり、彼かれは吸血鬼きゅうけつきのような衣装いしょうを着きてステージに立たっていた。当時とうじギタリストを務つとめていたブライアン・ジェイムスは、「ほかのバンドは安全あんぜんピンやボンデージのズボンを身みに着つけたり唾つばを吐はくことが多おおかったけど、ダムドは地元じもとの墓地ぼちを半分はんぶん借かりてそれをバックに歌うたうんだ」と述のべている^[13]。

音楽おんがくスタイル

マイナー・キーや暗くらい曲調きょくちょうが一般いっぱん的てきだが、メジャー・キーも使つかわれている。

クリーン系けいや、暖あたたかなオーバードライブのかかったギターサウンドはコーラスやフランジャー、アナログを用もちいたディレイによって生うみ出だされた。また、ゴシック・ロックにおけるエレキ・ギターの音おとは個性こせい的てきな奏法そうほうになっている。この奏法そうほうは、パンク・ロックにおけるダウンストロークからきていて、濃厚のうこうな和音わおんの代かわりに、尖とがったメロディーラインを強調きょうちょうするのに役立やくだっている。

歴史れきし

第だい1世代せだい（1979～1985）

初期しょきのゴシック・ロックバンドの多おおくはイギリス出身しゅっしんだが、Christian Death(ロサンゼルス)、Virgin Prunes（アイルランド）、Xmal Deutschland（ドイツ）、Pink Turns Blue（ドイツ）などイギリス出身しゅっしん以外いがいのバンドも存在そんざいする。

イギリス

ゴシック・ロックは、パンク・ロックやポスト・パンク、ニューウェイヴから派生はせいしていった。ゴスという単語たんごがシーンをあらわすのに使つかわれ始はじめたのは、1983年ねんになってからである。1970年代ねんだい後半こうはんや1980年代ねんだいのいくつかのゴシック・ロックバンドは、自分じぶんでレーベルを持もち、インディーズからCDを発表はっぴょうしていった（例れい：ベガーズ・バンケット・レコード）。

1979年ねんにゴシックと呼よばれたポスト・パンクのグループは、ジョイ・ディヴィジョン^[14]とスージー・アンド・ザ・バンシーズだった。スージー・アンド・ザ・バンシーズのデビュー・アルバム『香港ほんこん庭園ていえん』から『ノクターン』までの作品さくひんや、イアン・カーティスの自殺じさつによって短命たんめいに終おわったジョイ・ディヴィジョンの『アンノウン・プレジャーズ』、『クローサー』はゴス・シーンに影響えいきょうを与あたえた。

また、バウハウス（当初とうしょ、バウハウス1919と呼よばれていた）やザ・キュアー、キリング・ジョーク、パブリック・イメージ・リミテッドもまたゴス・シーンに影響えいきょうを与あたえた。

2006年ねんのバウハウスのコンサート

バウハウスは当初とうしょ、無地むじのジーパンにTてぃーシャツといったファッションだったが、Gloria Mundiと同おなじ番組ばんぐみに出演しゅつえんしてからは、イメージチェンジを行おこない、最終さいしゅう的てきには黒くろずくめにメーキャップといういでたちとなっていった。デヴィッド・ボウイやT・レックスといったイギリスのグラム・ロックに影響えいきょうされたバウハウスのデビューシングル「Bela Lugosi's Dead」は、本格ほんかく的てきなゴシック・ロックの幕開まくあけと呼よぶにふさわしい作品さくひんとなっている^[15]。スージー・アンド・ザ・バンシーズやザ・キュアーなどのバンドは後のちに音楽おんがくスタイルを変化へんかさせていったがバウハウスは1983年ねんの解散かいさんまで、ステージパフォーマンスや音楽おんがくスタイルにおいて、ゴシックを貫つらぬいた。

ダムドのリードボーカルであるデイヴ・ヴァニアンは、ザ・キュアーやスージー・アンド・ザ・バンシーズ、バウハウスにファッション面めんで影響えいきょうを与あたえた。

1970年代ねんだい後半こうはんに結成けっせいされたUK Decay^{[注ちゅう 1]}は、1980年代ねんだいに入はいって頭角とうかくを現あらわしつつあるゴス・シーンに影響えいきょうを与あたえた。また1980年ねんから1981年ねんにかけて、The Danse SocietyやTheatre of Hate^{[注ちゅう 2]}、The March Violets、Play Dead、シスターズ・オブ・マーシー、Gene Loves Jezebelが結成けっせい。1982年ねんまでに、Sex Gang Children、Southern Death Cult（後ごのザ・カルト）、Skeletal FamilyやSpecimen、そしてAlien Sex Fiendの出現しゅつげんによって、ゴシック・ロックはより幅広はばひろいサブカルチャーになった。1983年ねんにリリースされたSex Gang Childrenのファーストアルバム『Song and Legend』は、ポジティヴ・パンク^{[注ちゅう 3]}と呼よばれイギリスのインディー・チャートで1位いを獲得かくとくした^[16]。

ロンドンにあるSpecimenが主催しゅさいする「Batcave」は、イベントなどの開催かいさい場所ばしょを与あたえることでゴス・シーンに貢献こうけんした。ゴシック・ロックバンドのメンバーやその取とり巻まき、及およびファンは「Batcave」に集あつまり、ゴス・クラブのプロトタイプをつくっていった。1983年ねんまでイギリスの雑誌ざっしは「Batcave」や他たの類似るいじする会場かいじょうをとりあげ、ゴシック・ロックシーンを紹介しょうかいした。

ドイツ・オーストラリア

バウハウスやクリスチャン・デスが自分じぶんたちの国くにでバンドを結成けっせいさせていたその頃ころ、Geisterfahrer、Xmal Deutschland、Leningrad Sandwich、Malaria!、Belfegore、Pink Turns Blue、Girls Under Glassといったバンドがドイツで結成けっせいされていった。また毎年まいとし、ドイツのライプツィヒではダーク・ウェイヴ＆ゴシック・フェスティバルである、Wave-Gotik-Treffenが開催かいさいされた。

オーストラリアでは、ニック・ケイヴのザ・バースデイ・パーティ（1979年ねんになって活動かつどう拠点きょてんをロンドンに移転いてん）がゴス・シーンに影響えいきょうを与あたえた。

日本にっぽん

日本にっぽんでは現地げんちのパンクシーンを体験たいけんしようと渡わたり英すぐるし、バウハウス等とうのゴシックロック勢ぜいに衝撃しょうげきを受うけた元もとMARIA023のジュネが結成けっせいしたオート・モッドがいわゆる日本にっぽんのゴシック・ロックの始祖しそとなった。オート・モッドは布袋ほてい寅泰ともやす等ひとしのメンバーを擁ようしながら1985年ねんまで活動かつどうをした。また、彼かれらのシリーズギグ「時じの葬列そうれつ」においてはG-SCHMITT、Madame Edwarda、SADIE SADSなどが知しられている。他方たほうトランス・レコードにおけるASYLUMやSODOM、Z.O.Aのほか、PHAIDIA（RUINSの吉田よしだ達也たつや在籍ざいせき)などのバンドが活動かつどうした。

第だい2世代せだい

第だい2世代せだいのゴスの波なみの中なかで、そのゴスという単語たんごとスタイルが『The Face』や『NME』といったイギリスの主要しゅよう紙しに注目ちゅうもくされるようになっていった。また、ゴシック・ロックによってゴス・サブカルチャーも広ひろまっていった。1980年代ねんだいを通とおして、ヨーロッパのゴス文化ぶんかとデスロック・ムーブメントと、ニューロマンティックとの融合ゆうごうがしばしばあった。

1980年代ねんだいのオルタナティブ・ロックの幕開まくあけは、ゴシック・ロックの幕開まくあけをも意味いみし、将来しょうらいを期待きたいされていたミュージシャンにシスターズ・オブ・マーシー、Fields of the Nephilim、Rozz Williamsが脱退だったいした新生しんせいクリスチャン・デス、元もとシスターズ・オブ・マーシーのウェイン・ハッセイ（英語えいご版ばん）率ひきいるザ・ミッション（英語えいご版ばん）、Mephisto Walz、そしてクリスチャン・デスの作曲さっきょくとギターを以前いぜん担当たんとうしていたBarry Galvin（通称つうしょう・Bari-Bari）などがいた。

シスターズ・オブ・マーシーのデビュー・アルバム『マーシーの合言葉あいことば (First and Last and Always)』はイギリスの音楽おんがくチャートトップ10に入いりを果はたした。

Clan of Xymox、デッド・カン・ダンス、コクトー・ツインズといった4ADレコードのミュージシャンの楽曲がっきょくは、イギリスの大学だいがくやラジオ局きょくでオンエアされた。

デペッシュ・モードが体現たいげんした、ゴスとポップとインダストリアルの融合ゆうごうとシンセサイザーを使用しようした楽曲がっきょくは、Camouflage、Secession、Celebrate the NunやRed Flagといったシンセポップのミュージシャンに影響えいきょうを与あたえ、ついにゴシック・ミュージックはクラブ・ミュージックとつながりを持もち、シンセポップ感かんがゴシック・ロックの中なかに現あらわれ出だした。

第だい3世代せだい

2012年ねんにポーランド・ボルクフ（英語えいご版ばん）で開ひらかれたゴシックイベント「Castle Party」における火ひ吹ふきパフォーマンス

1990年代ねんだいに入はいっても、イギリスからはChildren on Stun、All Living Fear、VendemmianやRosetta Stoneといった新人しんじんバンドが現あらわれ、 The Crüxshadows、The Last Dance、Sunshine BlindやThe Shroudも活動かつどうを開始かいしした。

ドイツでは、Apocalyptic Vision、Apollyon Rekordings、Deathwish Office、Dion Fortune、Glasnost Records、Hyperium Records、Sounds Of DelightやTalitha Recordsといったレコード会社かいしゃが、Love Like Blood、Mephisto Walz、The Merry ThoughtsやTwo Witchesといったバンドの楽曲がっきょくを収録しゅうろくしたゴシック・ロックのコンピレーションアルバムをリリースした。

1990年代ねんだい半なかばから後半こうはんにかけて、大手おおてレコード会社かいしゃ（特とくにアメリカやドイツ）では、‘ゴシック・バンド’や‘インダストリアル・バンド’として、マリリン・マンソン、エヴァネッセンスやウィズイン・テンプテーションといった実際じっさいはゴシック・ロックのミュージシャンとして活動かつどうしていないハードロックやヘヴィメタルの人気にんきバンドを扱あつかいだした。またアメリカのマスコミはゴス文化ぶんかとコロンバイン高校こうこう銃じゅう乱射らんしゃ事件じけんに関連かんれん性せいがあると指摘してきし中傷ちゅうしょうした。

2000年ねんに入はいってから、一部いちぶのゴス・ロックファンが1980年代ねんだいの第だい1世代せだいのファッションや音楽おんがくをとりあげ、リバイバル・ムーブメントに参加さんかするようになる。Cinema Strange、QuidamやBlack IceといったDeathrock.comというウェブサイトに関係かんけいするバンドは第だい1世代せだいのゴシック・ロックのスタイルへの回帰かいきに貢献こうけんし、ニーナ・ハーゲンは2005年ねんにニューヨーク市しで行おこなわれたDrop Dead Festivalで大々的だいだいてきに活躍かつやくした。

チェリー・レッド・レコードがヨーロッパで初期しょきのゴス・ロックのCDを再発さいはつしている一方いっぽう、Dancing FerretやProjekt Records、Metropolis Recordsはアメリカの市場いちばでゴス・ロックの楽曲がっきょくを発表はっぴょうし、新あらたなゴシック・ミュージックがStrobelight Recordsといったヨーロッパのレコード会社かいしゃからリリースされている。

このように、2011年ねん現在げんざいはゴシック・メタルやオルタナティヴ・メタルとの交まじわりで本来ほんらいの意味合いみあいが失うしなわれつつあったゴシック・ロックであったが、ザ・ホラーズの登場とうじょうにより、再さい評価ひょうかが成なされ始はじめている。他ほかにもアリエル・ピンクズ・ハウンテッド・グラフィティやセレナ・マニッシュなど第だい一いち世代せだいのゴシック・ロックに影響えいきょうを受うけたアーティストが登場とうじょうしつつある。

ファッション

ゴシック・ロックバンドの衣装いしょうは、19世紀せいきのゴシック文学ぶんがくやホラー映画えいがの影響えいきょうをうけており、これらほどではないが、BDSM文化ぶんかからの影響えいきょうもある.^[17] 。

ゴシック・ファッションは、デスロック（英語えいご版ばん）、パンクロック、両性りょうせい具有ぐゆうといったサブカルチャーを内包ないほうしつつも、ヴィクトリア朝あさファッションやルネッサンスならびに中世ちゅうせいの服装ふくそうを基もとにしたり融合ゆうごうさせたりするファッションであり、服装ふくそうやメイクや髪かみを黒くろくすることがほとんどである^[18]。 1980年代ねんだいのゴシック・ロックの歌手かしゅは髪かみをちぢれさせることが多おおく、ファンもそれを真似まねしていた^[19]。

他たジャンルへの影響えいきょう

1990年代ねんだい、PJ ハーヴェイ^[20] やマリリン・マンソン^[21] 、マニック・ストリート・プリーチャーズ^[22] 、ナイン・インチ・ネイルズ^[23]といったゴシック要素ようそを持もちつつも、ゴシック・ロックとは無関係むかんけいのミュージシャンが多数たすう登場とうじょうした。

Rolling Stoneは「1993年ねんのPJハーヴェイの音楽おんがく性せいは、1曲きょくの間あいだにブルースからゴスからグランジへと傾かたむいていた」と評ひょうしており、マリリン・マンソンのようなアメリカのバンドがゴスとディスコの雰囲気ふんいきと、インダストリアル・ミュージックのサウンドを組くみ合あわせたと評ひょうしている^[24]^[25]。

1997年ねん、スピンは実験じっけん音楽おんがくバンド・ポーティスヘッドの2枚まい目めのアルバム『ポーティスヘッド』について、「ゴシックな雰囲気ふんいきと、死しの匂においと、くらくらするような感覚かんかくを味あじわわせる」と評ひょうした。批評ひひょう家かのバリー・ウォルターズは、デビューアルバムの『ダミー』と比くらべると、より暗くらくて深ふかく、かつ不安ふあんを感かんじさせる作品さくひんだと評ひょうした^[26]。