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ネクタイ - Wikipedia

ネクタイ英語えいご: necktie和名わみょう:えりしめ、えりじめ)とは、男性だんせい洋装ようそうで、くびまわりに装飾そうしょくとしてぬのおおくの場合ばあいワイシャツえりしたとおし、のどまえむすつくってからだまえげる。くびほそほう小剣しょうけん(スモールチップ)、前方ぜんぽうげるふとほうだいけん(ブレード)という。英語えいごでは普通ふつう「タイ(tie)」と省略しょうりゃくされる。

むすんだネクタイ

制服せいふくとして女性じょせいがネクタイを着用ちゃくようする場合ばあいや、カジュアルなファッションアイテムとしてネクタイを着用ちゃくようする場合ばあいもある。

ネクタイの起源きげんについては諸説しょせつあるが、現在げんざいのネクタイの原型げんけいができたのは17世紀せいきころとされる。ネックウェアの歴史れきしふるく、着用ちゃくようれいとしてははた始皇帝しこうていりょう兵士へいしにはスカーフじょうぬのくびけているものがある[1]。また、古代こだいローマでは兵士へいしがファカールというほそぬのくびむすんでいた[1]。しかし、古代こだいのものと現代げんだいのものにはおおきなへだたりがあり、古代こだい末期まっきになるとこれらはあまりられなくなり、16世紀せいきはじめまで男性だんせいくびまわりをせる服装ふくそう主流しゅりゅうだったといわれている[1]

ルイ14せいたクラバット

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16世紀せいきなかばになり、ヨーロッパでは巨大きょだいなレースのひだえり流行りゅうこうし、その流行りゅうこうわった17世紀せいきにネクタイの原型げんけいあらわれたとされている[1]フランス語ふらんすごなどではネクタイをクラバット(Cravate)と[1]ルイ14せいやとわれたクロアチア兵士へいし (Croats (military unit)くびいていたクラバット(Cravat)がきっかけでフランスでこれがだい流行りゅうこうしたとされている[1]

クロアチアの兵士へいし無事ぶじ帰還きかんいのってつま恋人こいびとからおくられたスカーフをくびいていたが、一説いっせつによるとそれをたルイ14せい興味きょうみしめし、側近そっきんものに「あれはなにか」とたずねたところ、側近そっきんものは(スカーフについてではなく)クロアチアの兵士へいしについてたずねられたと勘違かんちがいし、「クロアチアへい(クラバット)です」とこたえたため、そのぬのをとぶようになったという逸話いつわがある。しかし、このせつには14世紀せいきにはすでにフランスでcravateというかたり使つかわれていたという反論はんろんがある。

どちらにせよ、1660ねんごろに人気にんきのあったクラバットは、たん幅広はばひろネッカチーフくびいたものにぎなかった[2]

さらに18世紀せいき男性だんせいふく歴史れきし集大成しゅうたいせいえる時代じだいとされているが、ネクタイは現代げんだいくらべるといろかたちむすかたもほぼ変化へんかがなく個性こせいてきなものはられなかった[1]

イギリスにけるタイの発展はってん

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ネッククロスのむすかた

19世紀せいき後半こうはんイギリスでクラバットのむすのみをのこしたものがつくられた。これがボウ(ちょうネクタイ)である。

アスコット競馬けいばじょうあつまるさい服装ふくそうとしてアスコットタイ、ダービー・タイがまれ、正装せいそうになったのもこのころである。

どう時期じきに、現在げんざい主流しゅりゅうとなるネクタイとおながたであるフォア・イン・ハンド・タイがまれる。ネクタイの基本きほんてきむすびかたのひとつであるプレーンノットを別名べつめいフォア・イン・ハンド(four-in-hand)というのはここからきている。フォア・イン・ハンドの発祥はっしょうについては諸説しょせつある。ひとつは、フォア・イン・ハンドは、4とうての馬車ばしゃのことであるため、御者ぎょしゃあいだでこのネクタイが使つかわれたことからひろまったというせつである。また、オスカー・ワイルドがこのネクタイを考案こうあんしたというせつもある。

また、ネッククロス(あごぬの)とばれるひもじょうのネクタイがあり、19世紀せいきはじめに、当時とうじ社交しゃこうかい伊達だてだんジョージ・ブライアン・ブランメルによってひろめられたというせつ(イギリス)がある。

フランスのタイ

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フランスではフランス革命かくめい以後いご貴族きぞくてきなものが排除はいじょされ、ネクタイも意図いとてきにくしゃくしゃにむすんだりネクタイをしないことが流行りゅうこうした[1]。しかし、王政おうせい復古ふっこ時代じだいはいナポレオン宮廷きゅうてい趣味しゅみれたことでネクタイは復活ふっかつしたが、そこでは宮廷きゅうていふくわせたレースのジャボのついたしろ大型おおがたのものと、日常にちじょうふくのアビ・デガジェにわせたしろ無地むじのスカーフじょうのものの2つにかれた[1]

19世紀せいきなかばになるとしろのネクタイが一番いちばん上品じょうひん洗練せんれんされたものとかんがえられるようになり、燕尾服えんびふくにホワイトタイの礼装れいそう原形げんけい完成かんせいした[1]

一方いっぽう、19世紀せいき7がつ王政おうせい以降いこう、フランスの男性だんせい衣料いりょうやすさなどの機能きのうせい重視じゅうしした単純たんじゅんへの傾向けいこうつよめた。階級かいきゅうあいだ服装ふくそう平準へいじゅんすすみ、だれもが一様いちようくろ帽子ぼうしくろ上下じょうげしろのシャツという「からすおとこ」とも揶揄やゆされるファッションが流行りゅうこうした[3]

そんなモードのなかで、ネクタイは男性だんせい衣料いりょうのなかで贅沢ぜいたくができる数少かずすくない場所ばしょのひとつとなった。バルザックの『お洒落しゃれ生理学せいりがく』をはじめ、おおくのネクタイろんほん出版しゅっぱんされた。当時とうじ人々ひとびとはネクタイをすることは紳士しんし最低限さいていげんつとめとかんがえ、ネクタイをればそのひと社会しゃかいてき地位ちいそだち、政治せいじてき意見いけんまでひとかるとかんがえていた[3]ダンディズムろん論客ろんかくロジェ・ケンプによれば、1830年代ねんだいにはすでに72種類しゅるいのタイのむすかた考案こうあんされていたという。ユニークで複雑ふくざつぎるネクタイは、それをむすぶことのできる時間じかんてき余裕よゆう忍耐にんたいりょくあらわす、上流じょうりゅう階級かいきゅう同士どうし相互そうご確認かくにん暗号あんごうとして機能きのうしていた[3]

1860ねんごろになりネクタイの形状けいじょうおおきく変化へんかし、しろいスカーフじょうだったタイからほそいネクタイが日常にちじょうてきけられるようになった[1]

女性じょせいファッション

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はじめてネクタイをした女性じょせいラ・ヴァリエールでルイ14せいのスタイルをれたものとされている[1]。19世紀せいきなかばには「リオンヌ」とばれるフェミニズムの女性じょせいたちがファッションにれた[1]。さらに19世紀せいきまつ流行りゅうこうしたテーラード・スーツにもレガートやラ・ヴァリエール(前述ぜんじゅつ夫人ふじん由来ゆらいする蝶結ちょうむすびのネクタイ)の形式けいしきのネクタイをわせるファッションが流行りゅうこうした[1]

女性じょせいようネクタイの流行りゅうこうは19世紀せいきまつがピークとなり、1920年代ねんだいのギャルソンヌ時代じだい多少たしょうれられたがおおきなひろがりはなく、個人こじんてきなお洒落しゃれとしてれられるアイテムとなった[1]

日本にっぽんにおける歴史れきし

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1851ねんジョン万次郎じょんまんじろう長崎ながさき奉行ぶぎょうしょ取調とりしらべをけたさい所持しょじひん記録きろくに「しろ鹿しかえりかざり三箇さんが」とあり日本人にっぽんじん最初さいしょにネクタイをけた人物じんぶつとみられている[1]。1867ねんの「西洋せいよう衣食住いしょくじゅう」(片山かたやまあつしすけちょ)には「えりしめ(ネッキタイ)」として絵入えいりで記載きさいされているが細長ほそながひもじょうのものにすぎない[1]

ネクタイの種類しゅるい

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形状けいじょう

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  • 通常つうじょうはば
    • ダービー・タイ - だいけんほどが7cm - 9cmのはばのネクタイ、おおくのひともちいられる。別名べつめい「レギュラー・タイ」
  • 通常つうじょうのフォア・イン・ハンド・タイの変形へんけい
    • タワーシェイプタイ - エッフェル塔えっふぇるとうのようなかたちをしたもの。むす部分ぶぶんちいさくさきかってとうのようにひろがっている。
    • バーシェープドタイ - 剣先けんさきまではばおなじもの。
    • ボトルシェープドタイ - ワインボトルのようなかたちのもの。なかあたりからボトルがたふくらんだもの。
  • ニットタイ - んだネクタイ、無地むじはビジネスにてきしている。ナロータイほど4 - 6cmのはばでネクタイの先端せんたんったカットタイがおおいが、通常つうじょうのダービー・タイ7cm - 9cmのはばものやネクタイの先端せんたんいているもの存在そんざいする。くろ無地むじはホテルやレストランでも着用ちゃくよう可能かのう。クール・ビズで着用ちゃくようされることもある。きぬせいおおいが、綿めんあさ存在そんざいする。
    • フレスコ(ポーラ)タイ - 凸凹おうとつかた出来できたネクタイ、ストライプがらおおい、ニットタイの一種いっしゅ
  • ほそめのもの
    • ナロー・タイ - だいけんはばが4〜6cmとせまいものを「スリム・タイ」ともぶ。
  • ふとしのもの
    • ワイド・タイ - だいけんはばが10cm以上いじょうのもの

ながさの主流しゅりゅうは、現在げんざい139cm±1cmといったところ(メーカーにより多少たしょうはある)。輸入ゆにゅうひん160cmあたりとややながくなっている。背広せびろラペルはばとワイシャツのえりはば、ネクタイのだいけんはばわせるとそろう。

  • 礼装れいそうよう
    • モーニングタイ - 白黒しろくろ縞柄しまがらぎん無地むじはばネクタイの別名べつめいひる礼装れいそうとして使用しようされる。
    • アスコット・タイ - スカーフのような幅広はばひろのタイ。ひる礼装れいそうとして使用しようされる。またばれ、ななめにられた形状けいじょうをしている。ワイシャツの襟元えりもとむすびつける。
    • しろネクタイ - しろいネクタイ、略式りゃくしき慶事けいじもちいられる、無地むじ縞柄しまがら、ペイズリーなどの模様もようがある。
    • 葬儀そうぎ法要ほうようネクタイ - くろ鈍色にびいろかちしょく無地むじ出来できたネクタイ。
  • ボウタイちょうネクタイ) - よる礼装れいそうとしてもちいる。カリフォルニア・ハイウェイパトロールではフォア・イン・ハンド・タイととも制服せいふく指定していされている(どちらをめてもよい)。
    • ピアネス・タイ(クリップ・オン、プレ・タイド) - はじめからむすがたがあって、くび側面そくめんうしがわ金具かなぐ、マジック テープなどでめる。
    • ツウ・タイ(バット・ボウ) - ながひもじょうのものを、ちょうがたむすぶ。
    • バタフライタイ - ちょうはねひろげたようなかたちのもの。フォーマルよう
    • クラブボウタイ - むすんだときに両翼りょうよく一直線いっちょくせんになるもの。
    • スクエアボウタイ - クラブボウタイのはばが3cm以下いかのもの。
    • チビタイ - クラブボウタイの非常ひじょうぶりなもの。
    • ポインテッドエンドボウタイ - 先端せんたん三角さんかくにとがったかたちのもの。パーティーよう
    • シャルマンボウタイ - 自分じぶんのサイズにわせて、ハサミでってむすぶもの。
  • その
    • アスコットスカーフ(パフタイ) - 男性だんせいようのスカーフ、アスコットタイの略式りゃくしき、アスコットタイより幅広はばひろ生地きじうす出来できている。ひょううら両面りょうめんだいけんようおおきくできている。ワイシャツのボタンをはずれるほか、ワイシャツの襟元えりもとにネクタイのようにむすびつけること出来できる。
    • クロスタイ - リボン・タイの一種いっしゅくびまわしたリボンのはしまえ交差こうささせ、まじわったところをスティック・ピン固定こていする。パーティや舞台ぶたいなどじゅん公式こうしきもちいる。いろくろ中心ちゅうしん
    • アパッシュタイ -
    • テーパータイ -
    • ツーインワン -
    • ストリングタイ -
    • リボンタイ - ちょうリボンじょうほそいもので、むすかた蝶結ちょうむすびにしりょうはしむすから 20〜30cmらす。
    • ポーラー・タイ(ポロタイ、ボロタイ、ループタイ) - 昭和しょうわ54ねんなつしょうエネ・ルックの提唱ていしょうにともない、シニアそう爆発ばくはつてきけた。ひもタイの一種いっしゅでロープ・タイともいわれる。ネクタイの略式りゃくしきもちいられた。現在げんざいはネックレスとしてもちいられている。
    • ボヘミアンタイ - チェコスロバキアにむボヘミアンじん使用しようしたのがはじまり。ボヘミアンには自由じゆう放縦ほうしょう生活せいかつをするひとという意味いみがあり、日本にっぽんでは 明治めいじ大正たいしょう時代じだい文士ぶんし芸術げいじゅつ愛用あいようされた。
    • すみタイ(スクエアエンドタイ)- 先端せんたん水平すいへいにカットされたもの。ニットのものがおおい。
      • カットタイ - ネクタイの先端せんたんぐにカットしたもの
      • ツインタイ - ネクタイの先端せんたんななめにカットしたもの5.5cm〜6cmが中心ちゅうしんとなっている。
    • ジャボ - ひだいたむねかざりのことで、袖口そでぐちおなじくレースもちいられていた。
  • むすができたネクタイ
    • クリップオンタイ英語えいごばん - クリップでワイシャツのえりけるネクタイ。
    • ワンタッチネクタイ - ひもやゴムひもくびにかけ金具かなぐ磁石じしゃくけたネクタイ。
    • スナップネクタイ - ひもくびにかけ、スナップボタンめるネクタイ。
    • ファスナーネクタイ - 小剣しょうけんのファスナーでひもはば調整ちょうせいできるネクタイ。

制服せいふく警察官けいさつかん軍人ぐんじんようのネクタイは、ネクタイをつかまれたとき、くびまることをふせぐため、むすかたちだけで、くびまわりはうしろでベルクロによってめる・またはえり金属きんぞくクリップでけるといった様式ようしきがとられることがおおい。また、こうしたむす必要ひつようのないネクタイは、ネクタイをむすぶのが苦手にがてなひとけにも販売はんばいされている。

ダービータイがおおいが、ちょうネクタイやアスコットタイ、リボンタイもあらかじむすばれた状態じょうたい商品しょうひんおおい。

ネクタイのいろには意思いし表示ひょうじ手段しゅだんとしてもちいられてきた歴史れきしがあり、フランスでは18世紀せいきまつはん革命かくめい緑色みどりいろのネクタイをけたほか、19世紀せいきはじめには政府せいふへの抗議こうぎ意味いみくろいネクタイをけた人々ひとびとがいた[1]

面接めんせつなどの目上めうえひとうときは、あおなどのひかえめないろ着用ちゃくようし、選挙せんきょなどのつよ自分じぶんをアピールしたいときはあかを、協調きょうちょうせいをアピールしたいときは黄色おうしょく着用ちゃくようするといとべているところもある。

以下いか礼服れいふくこのまれてもちいられるネクタイである。

ひとし様々さまざまいろもちいられている。

あらたまったせきではソリッドやドット、小紋こもんにつけていることがおおく、レジメンタル、あるいはストライプ、クレスト・ロイヤルクレストといったタイは、出身しゅっしんこう所属しょぞく団体だんたいをあらわすこともあるためにつけているひとすくない。小紋こもんにも意味いみふくまれていることもある。

使つかわれているいろはソリッドなら1しょく、ストライプ・レジメンタルなどの柄物がらものなら2しょくから3しょくおお使つかわれる。まれに4しょく以上いじょう使つかわれているネクタイも存在そんざいする。

  • ソリッド - 無地むじのネクタイのことである。よりフォーマルなものとされる。
  • ドット - 水玉みずたま模様もようのこと、水玉みずたまみちちいさいほどフォーマルりになる。直径ちょっけい1〜2ミリのものをピンドット、2〜3センチのものがコインドット、ちゅうあいだをポルカドットとばれる。規則きそくてきならんだものや不規則ふきそくならんだものなど多岐たきわたる。
  • 小紋こもん - ちいさいもん規則きそくてきならんだ模様もようのこと。勾玉まがたまやキャラクター、動植物どうしょくぶつふくまれる。おおきさは様々さまざまで、みちちいさいほどフォーマルなものになる。
  • クレスト - 家紋かもん紋章もんしょう校章こうしょうもちいられる。ストライプがはいったものは「ロイヤルクレスト」とう。
  • チェック(格子こうしがら) - あさ綿めんのネクタイにおおい。タータンチェック、マドラスチェック、千鳥ちどり格子こうし、グラフ(方眼ほうがん)チェック、グレンチェック、タッタソールチェック、ウインドウペーンなどがおお使つかわれる。
    • フランネルやわらかいのものから通常つうじょうのネクタイのように、はっきりとしたせんいてあるものまで多岐たきわたる。
    • ネクタイのいろとチェックのいろふくめ3しょくや4しょくおおいが,2しょく存在そんざいする。
    • いろすくないものほどフォーマルよりになる。
  • ペイズリー - 勾玉まがたま模様もようほどこされた1800ねんごろからつづ伝統でんとうてき模様もよう。プリントがおおいがジャカードも存在そんざいする。
    • ネクタイのいろとペイズリーのいろふくめ3しょくや4しょくおおいが,2しょくともしょくの1しょく存在そんざいする。
    • いろすくないものほどフォーマルよりになる。
  • ストライプ - 複数ふくすういろななめのしま模様もようになったもの。レジメンタル・タイやモーニングタイもストライプの一種いっしゅである。
    • ストライプがみぎじょうから左下ひだりしたながれる。ストライプのはばひろいものからせまいものまで多岐たきわたる。
    • ネクタイのいろとストライプのいろふくめ3しょくや4しょくおおいが,2しょく存在そんざいする。
    • いろすくないものやストライプのはばせまいほどフォーマルよりになる。
  • レジメンタル - 英語えいごで“連隊れんたいの”。17世紀せいきころから存在そんざいしており、たいごとにまった制定せいていしていた。
    • ストライプとはぎゃく左上ひだりうえからみぎながれる。レジメンタルのはばひろいものからせまいものまで多岐たきわたる。
    • ネクタイのいろとレジメンタルのいろふくめ3しょくや4しょくおおいが,2しょく存在そんざいする。
    • いろすくないものやストライプのはばせまいほどフォーマルよりになる。
  • プリント - 印刷いんさつされた。ストライプやドット、小紋こもん、ペイズリーがおおい。
  • ジャカード - おなじくソリッドや小紋こもん、ペイズリーがおおい。

そのほか、キャラクター、絵画かいが周期しゅうきひょうなどのイラストがプリントされたものがある。

きぬのものがおおいが、ポリエステルウール綿めんあさや、まれ皮革ひかく素材そざいのものもある。ニットみのぬの使用しようしたものもある。きぬのネクタイは布地ぬのじをバイアス(ななめ45)に切断せつだんすることにより、「むすけにやわらかさとゆったりとしたかんじが[5]」といわれている。

かた

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ネクタイには背広せびろやワイシャツ、靴下くつしたおなじくかたがある。おおいのはおもにこの2種類しゅるいである。

綾織あやおり
丈夫じょうぶでやや光沢こうたくがあり、無地むじはじめストライプやドット、小紋こもんなど様々さまざま使つかわれる。綾織あやおり自体じたいしま模様もようになっているのでアクセントにもなる。
平織ひらおり
丈夫じょうぶ織物おりもの模様もようがないため、綾織あやおりよりもシンプルなになる。

ネクタイのむす

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ネクタイのむすび、あるいはむすをノット(knot)とぶ。knot は、英語えいごでものをむすぶという動詞どうし、あるいはむすという意味いみ名詞めいしである。ネクタイのむすにはディンプルとばれるくぼみをつけてむすぶのがいているとされている。

むすちいさくなるプレーンノットやスモールノットはふといネクタイに、またぎゃくにウィンザーノットはほそいネクタイにてきしており、また体格たいかくによっても似合にあうノットはわってくる。儀礼ぎれいようのノットやくだけたにふさわしいノットもある。

1990年代ねんだい後半こうはんケンブリッジ大学けんぶりっじだいがくキャヴェンディッシュ研究所けんきゅうじょ2人ふたり研究けんきゅういん数学すうがくてきにネクタイをモデルし、85とおりのノットができると発表はっぴょうしている[6]筆者ひっしゃは、同書どうしょのなかで、85とおりのノットはすべてが実用じつようてきなものではないとして、13の実用じつようてきむすびかたを推奨すいしょうしている。

おもなノット

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ウインザーノットとセミウインザーノットのむすかた

よく使つかわれるノットは以下いかのものである。

  • プレーンノット - 別名べつめいフォア・イン・ハンド英語えいごばん。このかたちのネクタイのからているが、ネクタイのむすからのながさを4つぶんにすることからフォア・イン・ハンドとぶと説明せつめいするものもいる。シングルノットともばれる。左右さゆう非対称ひたいしょうになる。
  • プラットノット英語えいごばん - 全米ぜんべい商工しょうこう会議かいぎしょ英語えいごばん勤務きんむのジェリー・プラットが考案こうあんしたとされる。シェルビーノットともばれるが、この場合ばあいはTVレポーターのドン・シェルビー英語えいごばん由来ゆらいする。プレーンノットとセミウインザーノットのなかあいだ程度ていどむすおおきさで、左右さゆう対称たいしょうむすとなる[7]
  • ウィンザーノット - ボリュームのあるむすができる。ウィンザーこうエドワード8せい流行りゅうこうさせたとする俗説ぞくせつ根強ねづよいが、ウィンザーこう自身じしん回想かいそうろく家族かぞくのアルバム』でこのせつ否定ひていしている。左右さゆう対称たいしょうになる。
  • ハーフウィンザーノット - セミウインザーノット、あるいは、エスカイアノット(esquire knot)とばれる、ウィンザーノットからむすびを1かいはぶいたもので、ウィンザーノットよりすこちいさいむすができる。きれいなぎゃく三角形さんかっけいむすつくることができる。左右さゆう対称たいしょうになる。

また、以下いかのようなノットもある。

  • プレーンノット変形へんけい -
  • ダブルノット - フォア・イン・ハンドに1かいおお追加ついかしたもの。2かいくことになるためこのがある。ノットのじゅうなりがえるようにく。左右さゆう非対称ひたいしょうになる。
  • トリプルノット -プレーンノットをさんかいかえむすかたうすいネクタイにいている。左右さゆう非対称ひたいしょうになる。
  • スモールノット - 別名べつめいを「オリエンタル・タイ・ノット」スモールノット英語えいごばん。コンパクトなノット。非常ひじょう簡単かんたんむすびかたである。左右さゆう非対称ひたいしょうになる。
  • クロスノット - ノットがクロスしてえる[7]
  • ダブルクロスノット -
  • ブラインドフォールドノット - プレーン・ノットでむすんだだいけんをさらにもう一変いっぺんむすうしろからとおしてむすかくす。
  • フルウインザー - ウィンザーノットにプレーンノットをしたむすかた
  • バルーンノット -
  • ドレスダウン・プレーンノット -
  • ノンノット - ノットがないという、むすびかたである。カジュアルなパーティなどけのむすびかたである。

アスコットタイには「ノンノット」、「ブラインドフォールドノット」、「セミフォーマルノット」がてきしている。

  • オリエンタルノット - ネクタイをいちきにするむすかた
  • ニッキー -
  • ケルヴィンノット - ケルヴィンきょうウィリアム・トムソン由来ゆらいする。プレーンノットとおなじくらいのおおきさのむすだが、プレーンノットよりも左右さゆう対称たいしょうになる[7]
  • セントアンドリュー -
  • プラッツバーグ -
  • キャヴェンディッシュ -
  • グランチスター -
  • ハノーヴァー -
  • バルテュスノット - フランスの画家がかバルテュス考案こうあん。ウインザーノットよりもおおきなむす特徴とくちょう[7]

にはちょうネクタイ、スカーフにも共通きょうつうしたかた独自どくじかたがある。

ワイシャツのえりとのわせ

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ネクタイのむすふとさにったワイシャツのえりひらきをえらぶ。ネクタイのあつさ、うすさも考慮こうりょする必要ひつようがある。

  • プレーンノット、プレーンノット変形へんけい、スモールノット、バルーンノット
    レギュラーカラー、ロングポイント、ショートポイント、ナロースプレッドカラーなどのえりひらきがせまいもの、レギュラーカラー系統けいとういやすい。ミディアムスプレッドカラー(セミワイド)もいやすい。
  • ウィンザーノット、フルウィンザー、ダブルクロスノット
    ふとむす出来できるので、ワイドカラー、ワイドスプレッドカラー、フレンチカラー、ホリゾンタルカラー、ミディアムスプレッドカラー(セミワイド)などのえりひらきがおおきいものがいやすい。
  • ハーフウィンザーノット
    プレーンノットとウィンザーノットのなかあいだあたりなので、レギュラーカラー系統けいとうやワイドカラー系統けいとうでもどちらでもいやすい。

ディンプル(英語えいご: dimple)とはネクタイのむすつくくぼみのことである。慶事けいじにはディンプルをつくるが、弔事とむらいことにはつくらない。ディンプルの種類しゅるいつくかたしるす。

  • シンプルディンプル
    ディンプルを中央ちゅうおうひとつだけつくるもの。ふかいものとあさいものがあるが、現在げんざいあさいのが主流しゅりゅう
  • ダブルディンプル
    左右さゆうふたつのディンプルをつくるもの。
ディンプルのつくかた
  1. ネクタイをいちとおりゆるくむすんだら、だいけんすこげる。
  2. 人差ひとさゆび使つかい、だいけん山形やまがた(Mがた)にる。ディンプルをふかくしたいときは、むすだいけんすこす。ダブルディンプルの場合ばあいだいけん左右さゆう山形やまがたなかたにりにする(Wがた)。
  3. だいけんむすんだのちしょうけんげる。

むすかた注意ちゅういてん

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  1. ネクタイはだいけんみぎ(すなわち自分じぶん左手ひだりてがわ)に、しょうけんひだりにするのがのぞましい(自分じぶん左利ひだりきでもおなじ)。
  2. しょうけんをベルトのバックル(サスペンダーの場合ばあいはスラックスのフック)のあたりにかるかる程度ていどむすはじめると丁度ちょうどよいながさでむすべる。ただし、上半身じょうはんしんおおきさは個人こじんがあるのであくまで目安めやすである。

ネクタイのむすかた優先ゆうせん順位じゅんいは、つぎじゅんわれている。

  1. むすをきちんとめる。
    ワイシャツをり、人差ひとさゆび1ほんがやっとはいるくらいがちょうどよい。自分じぶんくびまわりの実寸じっすん+2cm。
  2. だいけんが、バックルまたはフックにかかるながさにする(ながいネクタイはとく注意ちゅうい必要ひつよう。しくじるとだいけん下腹かふくにまでび、非常ひじょう不様ぶざまえる)。
  3. だいけん小剣しょうけんながさがほぼひとしい。

ネクタイの製造せいぞう工程こうてい

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ネクタイのおも構成こうせい要素ようそ表地おもてじ芯地しんじ裏地うらじからなる。20世紀せいき初頭しょとうまでネクタイはたんなるリボンじょうぬのだったが、1920年代ねんだいにニューヨークのジェス・ランドルフが布地ぬのじをバイアスちして裏地うらじしんれてわせたネクタイを発明はつめいした[1]

  1. 生地きじはばやく50cmまたはやく70cmの生地きじをネクタイ2ほんぶんようじゃく裁断さいだんする。これを「だいち」という。
  2. ふたつの台形だいけいける。
  3. 片方かたがた台形だいけい斜辺しゃへんからじゅんに、だいけん小剣しょうけんちゅうはぎの3ピースを裁断さいだんする。
  4. だいけんちゅうはぎ小剣しょうけんをこのじゅんにはぎわせて、直線ちょくせんじょうひょうつくる。
  5. 芯地しんじ同様どうよう裁断さいだんし、だいけん、(ちゅうはぎ、)小剣しょうけんをはぎわせる。
  6. 表地おもてじりょう剣先けんさき裏地うらじ成型せいけいし、しんむポケットをつくる。
  7. しんおもて生地きじでくるみ、剣先けんさきから15〜20cmほど内側うちがわはしからはしまで1ほんあないとわせる。
  8. どんでんにかえし、剣先けんさきポケットにしんさきれる。
  9. あないとりょうはし付近ふきんに、べつあないとで「かんぬきめ」をする。
  10. だいけん裏面りめん中央ちゅうおうしょうけんどおしをける。

ネクタイの文化ぶんか

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ネクタイの

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小山こやま梅吉うめきち1884ねん10月1にちはじめてネクタイを生産せいさんしたことを記念きねんして、1971ねんに、ネクタイ業界ぎょうかい業界ぎょうかい団体だんたいである日本にっぽんネクタイ組合くみあい連合れんごうかいが、10月1にちを「ネクタイの」とさだめた[8]

ノーネクタイ

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政府せいふは、2005ねんからしょうエネルギー目的もくてきとしたクール・ビズ推進すいしん高温こうおん多湿たしつ夏季かきにネクタイをりゃくしたノーネクタイのみが提案ていあんされ、官公庁かんこうちょう中心ちゅうしん採用さいようされた[9]欧米おうべいではスーツ姿すがたでネクタイをはずれいられないなどとする否定ひていてき意見いけんもある[10]ものの、かたいイメージのある銀行ぎんこうをはじめ徐々じょじょにノーネクタイをみとめる企業きぎょう増加ぞうかしており、通年つうねんする企業きぎょうあらわれている(なお、ウォーム・ビズまとにはネクタイをするべきとされている)[11]

はんネクタイ

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ネクタイはしばしば西洋せいよう文化ぶんか象徴しょうちょうとして敬遠けいえんされることがある。イランでは、イラン革命かくめい民兵みんぺい組織そしきであるパスィージがネクタイをハサミでとすという運動うんどうがおこった[12]同国どうこく初代しょだい大統領だいとうりょうつとめたアボルハサン・バニーサドルもネクタイを着用ちゃくようしないイランじんれいである。ニュージーランド国会こっかい議員ぎいんであるラウィリ・ワイティティ英語えいごばんは、ネクタイを「植民しょくみん時代じだいなわ」とみなし議会ぎかいから追放ついほうされたが[13]議論ぎろんすえ着用ちゃくよう義務ぎむ撤廃てっぱいされた[14]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s 元井もといめぐみ「2.ネクタイ」『繊維せんい製品せいひん消費しょうひ学会がっかいだい41かんだい5ごう日本にっぽん繊維せんい製品せいひん消費しょうひ学会がっかい、2000ねん、459-465ぺーじdoi:10.11419/senshoshi1960.41.4592020ねん6がつ15にち閲覧えつらん 
  2. ^ 飯塚いいづか信夫しのぶ『ファッション探検たんけん』〈新潮しんちょう選書せんしょ〉1991ねんISBN 9784106003943 
  3. ^ a b c 北山きたやま晴一せいいち『おしゃれの社会しゃかい』<朝日あさひ選書せんしょ> 朝日新聞社あさひしんぶんしゃ 1991ねん ISBN 4022595183 pp.294-298.
  4. ^ 結婚式けっこんしきネクタイのいろしろ間違まちがい!?礼服れいふくにふさわしいえらかた”. 礼服れいふく喪服もふくレンタルの相羽あいば. aiba-rental.jp (2023ねん6がつ13にち). 2024ねん2がつ27にち閲覧えつらん
  5. ^ ハーディー・エイミス『ハーディ・エイミスのイギリスの紳士しんしふくもり秀樹ひできやく大修館書店たいしゅうかんしょてん、1997ねん、pp91-94ぺーじISBN 9784469243994 
  6. ^ トマス・フィンク、ヨン・マオ『ネクタイの数学すうがく—ケンブリッジのダンディな物理ぶつり学者がくしゃたち 男性だんせいくびいちまいぬのむすぶ85の方法ほうほう青木あおきかおるやく新潮社しんちょうしゃ新潮しんちょうOH!文庫ぶんこ〉、2001ねんISBN 9784102900970 
  7. ^ a b c d yannma (2018ねん11月22にち). “ネクタイのむすかた簡単かんたんなコツからおしゃれで綺麗きれい流行りゅうこうむすかたまで”. VOKKA. 2022ねん6がつ13にち閲覧えつらん
  8. ^ 10月1にちはネクタイのです
  9. ^ 官公庁かんこうちょうでのクールビズの期間きかん一般いっぱん企業きぎょうちが”. キャリアパーク (2016ねん11月29にち). 2019ねん12月29にち閲覧えつらん
  10. ^ スーツにノータイ? 世界せかいではあまりかけませんね”. NIKKEI STYLE (2017ねん8がつ20日はつか). 2019ねん12月29にち閲覧えつらん
  11. ^ 年中ねんじゅう「ノーネクタイ」ひろがる…クールビズの影響えいきょう”. 産経新聞さんけいしんぶん (2018ねん12月25にち). 2019ねん12月29にち閲覧えつらん
  12. ^ ネクタイは「イラン文化ぶんか相反あいはんする」、イラン関税かんぜい当局とうきょく輸入ゆにゅう禁止きんし検討けんとう”. www.afpbb.com. 2022ねん6がつ19にち閲覧えつらん
  13. ^ “Maori MP ejected from NZ parliament for refusing to wear tie” (英語えいご). BBC News. (2021ねん2がつ9にち). https://www.bbc.com/news/world-asia-55996688 2022ねん6がつ19にち閲覧えつらん 
  14. ^ staff, Guardian (2021ねん2がつ10日とおか). “New Zealand male MPs no longer have to wear ties after Māori MP ejected” (英語えいご). the Guardian. 2022ねん6がつ19にち閲覧えつらん

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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