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マイレージサービス - Wikipedia

マイレージサービス

航空こうくう会社かいしゃおこな顧客こきゃくへのポイントサービス
マイレージから転送てんそう

マイレージサービス(またはマイレージプログラムえい: frequent flyer programFFP)とは、航空こうくう会社かいしゃおこな顧客こきゃくへのポイントサービスのことである。

ユナイテッド航空こうくう マイレージ・プラス会員かいいんカードなど

概要がいよう

編集へんしゅう

おもなマイレージサービスは、会員かいいん旅客りょかくたいして搭乗とうじょう距離きょり比例ひれいしたポイントを付加ふかし、そのポイントにおうじた無料むりょう航空こうくうけん割引わりびき航空こうくうけん座席ざせきグレードアップなどのサービス提供ていきょうである。 ポイントの単位たんいとして「マイル」のかたりもちいる。 また、最近さいきんでは航空こうくう会社かいしゃ関係かんけいなくとも「継続けいぞくてき顧客こきゃくへの付加ふかサービス」を提供ていきょうするためのポイント集計しゅうけいシステムにたいして「マイレージ」という呼称こしょう使用しようすることもえている。

なお、各国かっこくもちいられているサービスの呼称こしょう「フリークエントフライヤープログラム」は、日本語にほんごとしては一般いっぱんてきではない[注釈ちゅうしゃく 1]

マイレージは国際こくさいマイル (=1.609344 km)ではかった距離きょりであり、うみさと(= 1.852 km)による距離きょりではない。また、国際こくさいマイル計測けいそくした運行うんこう距離きょり1マイルたりにつき、ポイント1マイルがまるわけではない。搭乗とうじょう距離きょりだけでは付与ふよポイントはまらない。TPM基本きほん区間くかんマイル)に積算せきさんりつたりしてまる。

距離きょり実際じっさいのマイレージのれい

編集へんしゅう

日本航空にほんこうくう(JAL)と全日本空輸ぜんにほんくうゆ(ANA)がさだめている『東京とうきょう』(都市としコード:TYO)からのマイレージすう[1] [2] [3] [4]都市としあいだ距離きょり(km)はつぎのようになっている。2022ねん1がつ現在げんざいのものである。

東京とうきょう』からの距離きょり(km)、マイレージ距離きょり(mile)の比較ひかく
都市としめい 都市としコード 距離きょり

(km)

マイルすう

(JAL,ANA)

マイルすう

kmに換算かんさん

割合わりあい(%)
秋田あきた AXT 448.7 279 449 +0.0
青森あおもり AOJ 577.3 358 576 −0.2
札幌さっぽろ SPK 831.0 510 821 −1.3
宮崎みやざき KMI 872.3 561 903 +3.5
福岡ふくおか FUK 880.6 567 912 +3.6
『ソウル』 SEL 1,160 758 1,220 +5.1
沖縄おきなわ OKA 1,553.6 984 1,583 +1.9
北京ぺきん BJS 2,104 1,313 2,113 +0.4
『マニラ』 MNL 2,997 1,880 3,025 +0.9
『ハノイ』 HAN 3,675 2,294 3,691 +0.4
『バンコク』 BKK 4,610 2,869 4,616 +0.1
『シンガポール』 SIN 5,317 3,312 5,329 +0.2
『ジャカルタ』 JKT 5,776 3,612 5,812 +0.6
『デリー』 DEL 5,857 3,656 5,883 +0.4
『モスクワ』 MOW 7,502 4,664 7,504 +0.0
『ロンドン』 LON 9,585 6,214 9,998 +4.3
『パリ』 PAR 9,738 6,194 9,966 +2.3
『マドリード』 MAD 10,789 6,795 10,933 +1.3
『ワシントン』 WAS 10,925 6,762 10,880 −0.4
『メキシコシティ』 MEX 11,319 7,003 11,268 −0.5

ちゅう1)都市としあいだ距離きょり(km)は、理科りか年表ねんぴょう2020ねん、pp.664-665(日本にっぽん国内こくない都市とし)、pp.666-667(日本にっぽん国外こくがい都市とし)。

ちゅう2)1マイル=国際こくさいマイル 1.609344 km で換算かんさん

ちゅう3)マイルすうは、国際こくさい航空こうくう運送うんそう協会きょうかい(IATA)がさだめたTPM(Ticketed Point Mileage基本きほん区間くかんマイル)をもとに、かく航空こうくう会社かいしゃさだめたもの。「東京とうきょう」(都市としコード:TYO)にある空港くうこう羽田空港はねだくうこう空港くうこうコード:HND)または成田空港なりたくうこう空港くうこうコード:NRT)をす。情報じょうほうげんについては[1]参照さんしょう。マイルすうはJAL、ANAともおなじである。

世界せかいはじめて、マイレージサービスを導入どうにゅうしたのはアメリカン航空こうくうで、1981ねん5月1にちからサービスをはじめた「AAdvantage」(アドバンテージ・プログラム)である。当時とうじのアメリカン航空こうくうは、1970年代ねんだい後半こうはんジミー・カーター大統領だいとうりょうによる航空こうくう自由じゆう政策せいさく(ディレギュレーション)により低迷ていめいした業績ぎょうせき改善かいぜん急務きゅうむであった。窮余きゅうよ一策いっさくとして顧客こきゃくかこみサービスである「アドバンテージ・プログラム」を開始かいしし、1年間ねんかんで100まんにん会員かいいん獲得かくとくして成功せいこうおさめた。

そのおおくの北米ほくべい航空こうくう会社かいしゃきそってマイレージサービスの導入どうにゅう開始かいしした。1990年代ねんだいはいると、競争きょうそう激化げきかによるコスト削減さくげん一環いっかんとして欧米おうべい、アジアけん航空こうくう会社かいしゃとの航空こうくう会社かいしゃ同士どうし連合れんごう(アライアンス)締結ていけつ提携ていけい活発かっぱつし、運航うんこう機材きざい共用きょうようコードシェア便びん導入どうにゅうなどが相次あいついだ。これにあわせて、マイレージサービスを共通きょうつうするうごきがられるようになった。さらにマイレージサービスへの入会にゅうかいのマイル付与ふよ(ウェルカムマイル)や、レンタカー利用りようホテル宿泊しゅくはく食事しょくじもの提携ていけいクレジットカードでの支払しはら使用しようでもマイルを付与ふよするなど多角たかくてきなサービスへと変貌へんぼうしてきた。提携ていけい会社かいしゃあいだ相互そうごにポイントを交換こうかんする仕組しくみもあらわれている。


日本にっぽんにおけるマイレージサービスの本格ほんかくてき導入どうにゅう当時とうじ航空こうくう大手おおて3しゃ日本航空にほんこうくう(JAL)・全日本空輸ぜんにほんくうゆ(ANA)・日本にほんエアシステム(JAS))とも1997ねん平成へいせい9ねん)である。これに先立さきだち、ふるくから国際こくさい路線ろせんゆうしていた日本航空にほんこうくうは、1983ねん昭和しょうわ58ねん)に米国べいこくで「JALマイレージバンクUSA」を発足ほっそくさせ、1993ねんから北米ほくべい地区ちくで「JALスカイプラス」として、さらに1996ねん平成へいせい8ねん)10がつから、日本にっぽん地区ちくにおいて国際線こくさいせんへのマイル付与ふよおこなってきた[5]。なお、つね顧客こきゃく組織そしきとしては、日本航空にほんこうくうがすでに1970ねん昭和しょうわ45ねん)から、自社じしゃクレジットカードへの加入かにゅう条件じょうけんとなる「JALグローバルクラブ」を組織そしきし、サービスを提供ていきょうしてきたが、マイレージサービスは加入かにゅうしゃ限定げんていおこなわない顧客こきゃくサービスであるため、日本にっぽん国内こくないでのマイレージサービスは後発こうはつえる。

日本にっぽんでの事例じれい

編集へんしゅう

現在げんざい大手おおて航空こうくう会社かいしゃのマイレージサービスとして、

も、独自どくじのマイレージサービスを導入どうにゅうしている(AIRDOとソラシドエアは会員かいいんカードを発行はっこうせず、スターフライヤーも2018ねんにカード発行はっこう終了しゅうりょうし、ネットじょう登録とうろくのみの制度せいどとなっている)。

かつては、

なども提供ていきょうされていた。

マーケティング

編集へんしゅう
 
日本にっぽん航空こうくう会社かいしゃ発行はっこうする上得意じょうとくいきゃくへのFFPカード(日本航空にほんこうくう全日空ぜんにっくう、2007ねん撮影さつえい

マイレージサービスは、マーケティングにおいては元々もともと呼称こしょう同様どうよう FFP(優良ゆうりょう搭乗とうじょうしゃプログラム)とばれ、顧客こきゃく関係かんけい管理かんりいち手法しゅほう分類ぶんるいされる。FFPでは、「2わり固定こてい顧客こきゃくが8わり利益りえきあたえる」というパレートの法則ほうそくもとに、この2わり固定こてい顧客こきゃくをマイレージサービスにより自社じしゃかこもうという戦略せんりゃくである。そのため、マイレージサービスは、航空こうくう会社かいしゃ上得意じょうとくいきゃくへのサービスと密接みっせつ関係かんけいがあることが普通ふつうである。

サービスの概要がいよう

編集へんしゅう

マイレージサービスの会員かいいん登録とうろく通常つうじょう入会にゅうかい無料むりょう)をおこなうと、会員かいいん番号ばんごうられたカードが発行はっこうされる。会員かいいんカードを作成さくせいしておけば、航空こうくうけん購入こうにゅう搭乗とうじょう手続てつづ都度つど住所じゅうしょ氏名しめいとう個人こじん情報じょうほう一々いちいち登録とうろくする手間てまはぶけるので、マイル(ポイント)をめるつもりがなくても、入会にゅうかいしておけば便利べんりである。クレジット機能きのうづけカードつく場合ばあい会費かいひ有料ゆうりょうとなる。

一般いっぱんてきなポイントサービスの場合ばあい同様どうよう、マイレージサービスにおいてもポイントが累積るいせきされるが、通常つうじょうそのポイントのことをマイレージサービス (FFP)では「マイル」とぶ。したがって、ポイント加算かさんのことを「マイルをめる」、ポイント使用しようのことを「マイルを使つか」とい、航空こうくう会社かいしゃとうでも、このいいかた共通きょうつうである。

マイルをめる(ポイント加算かさん

編集へんしゅう

搭乗とうじょう手続てつづさいにカード提示ていじおこなうか、予約よやく顧客こきゃく番号ばんごうつたえることにより、顧客こきゃく搭乗とうじょう確認かくにんする。また、搭乗とうじょうにカードを提示ていじしなかった場合ばあいでも、搭乗とうじょう確認かくにんできる書類しょるい(ほとんどは搭乗とうじょうけんはんけん原本げんぽん航空こうくうけん番号ばんごううつし)をマイレージサービス提供ていきょうもと送付そうふすることで事後じご登録とうろくができる。 実際じっさい搭乗とうじょう確認かくにんできると、その空路くうろ飛行ひこう距離きょりおうじたマイルを付与ふよするのが基本きほん発券はっけん座席ざせきクラスや適用てきよう運賃うんちんおうじてさらに増減ぞうげんがある。航空こうくう会社かいしゃによってルールはことなるが、エコノミークラス普通ふつう運賃うんちん基準きじゅんとすると、ビジネスクラスファーストクラスには25 - 200%のマイルすう追加ついか加算かさんされる。ぎゃく団体だんたい格安かくやす航空こうくうけんによる搭乗とうじょうかんしては標準ひょうじゅんよりすくないマイルすうれい: 70%など)になったり、そもそもマイルがつかないこともある。閑散かんさんどう路線ろせんへの他社たしゃ参入さんにゅう期間きかん限定げんていでマイルが追加ついかされるキャンペーンもおこなわれる。

べいけい大手おおて航空こうくう会社かいしゃ(アメリカン航空こうくう・デルタ航空こうくう・ユナイテッド航空こうくう)では近年きんねん自社じしゃ便びん利用りようについてはマイレージの加算かさん飛行ひこう距離きょりではなく航空こうくうけん支払しはら金額きんがくおうじてマイルを加算かさんする方式ほうしき変化へんかしている。なお、提携ていけい航空こうくう会社かいしゃでマイルをめる場合ばあいれい: 日本航空にほんこうくう利用りようするさいに、アメリカン航空こうくうのマイルをめる場合ばあい)と、提携ていけい航空こうくう会社かいしゃのマイルをめる場合ばあいれい: デルタ航空こうくう利用りようするさい大韓航空だいかんこうくうのマイルをめる場合ばあい)、ツアーなど公示こうじ運賃うんちん場合ばあい従来じゅうらいどお飛行ひこう距離きょりおうじてマイルを付与ふよできる。

バニラエアのように一部いちぶ格安かくやす航空こうくう会社かいしゃでも支払しはらい金額きんがくおうじたポイントサービスを実施じっししている会社かいしゃ存在そんざいする。同社どうしゃについては、あくまでも航空こうくうけん支払しはらいにのみ利用りようできるポイントであり、家電かでん量販りょうはんてんやスーパー、コンビニエンスストアで導入どうにゅうされているポイントサービスと性質せいしつてきには同一どういつである。

さらに、航空こうくう会社かいしゃ責任せきにんにより、搭乗とうじょう予定よてい航空機こうくうきのシート配置はいち変更へんこう装備そうび故障こしょうなどにより、本来ほんらいられるサービスがられなくなった場合ばあいたとえばダウングレードや代替だいたいへの変更へんこう座席ざせきオーディオシステムの故障こしょうなど)や、オーバーブッキングにより本来ほんらい搭乗とうじょうする予定よてい便びん搭乗とうじょうできなかった場合ばあい(オーバーブッキング発生はっせいともない、自主じしゅてき航空こうくう会社かいしゃ申告しんこくほか便びん変更へんこうした場合ばあいふくむ)も、現金げんきん・クーポンによるはらもどしでなくマイルの加算かさんによる補償ほしょうおこなわれることもある。

またいち暦年れきねん搭乗とうじょう距離きょり回数かいすうおおかった顧客こきゃくたいしては、よく年度ねんどにかけて「上級じょうきゅう会員かいいん」として様々さまざま優遇ゆうぐうおこなわれる。(れい:ボーナスマイルの追加ついか加算かさん空席くうせきち/チェックイン/保安ほあん検査けんさじょう/搭乗とうじょう/手荷物てにもつ引渡の優先ゆうせんあつかい、手荷物てにもつ重量じゅうりょう優遇ゆうぐうせきのアップグレード、空港くうこうラウンジ利用りようなど)

なお、搭乗とうじょうした航空こうくう会社かいしゃことなる航空こうくう会社かいしゃへのマイル加算かさん(Aしゃ便びん搭乗とうじょうし、そのマイルをBしゃのマイルへ加算かさんすること)が可能かのうなこともある。可否かひやマイル換算かんさんりつ航空こうくう会社かいしゃ搭乗とうじょうクラス・区間くかん正規せいき運賃うんちんかどうかなどによってことなり、事前じぜん航空こうくう会社かいしゃわせるのが確実かくじつである。手続てつづきはチェックインもうる(Bしゃのカードを提示ていじするなど)程度ていどであるが、加算かさんには通常つうじょうすうヶ月かげつかかる。

マイルを使つかう(ポイント使用しよう

編集へんしゅう

マイルを使用しようする手段しゅだんは、おもに「無料むりょう航空こうくうけんとのえ」か「座席ざせきクラスの1クラスアップグレード」である。航空こうくうけん取得しゅとくのための基準きじゅんマイルは、地域ちいきあいだまっている。地域ちいきは、日本にっぽん国内こくないひがしアジアときたアメリカあいだきたアメリカないなどおおまかな区分くぶんになっている場合ばあいおおい。

通常つうじょう、マイルえによる航空こうくうけん予約よやくには座席ざせきすう制限せいげんがある。そのためマイルとのえは通常つうじょう有償ゆうしょう予約よやくよりてられる座席ざせきすう優先ゆうせん順位じゅんいひくいため、とく混雑こんざつ時期じき路線ろせんでは予約よやくれにくい。そこで通常つうじょうよりマイルを追加ついかすることで、有償ゆうしょう予約よやく同等どうとう比較的ひかくてき座席ざせきすう制限せいげんをうけにくい、優先ゆうせん順位じゅんいたか予約よやく可能かのうとするシステムを実施じっししている航空こうくう会社かいしゃもある。また、購入こうにゅうしたエコノミークラスをビジネスクラス、または購入こうにゅうしたビジネスクラスをファーストクラスへと座席ざせきクラスのアップグレードのみするマイル使用しようもある。

購入こうにゅうしたエコノミークラスからファーストクラスへのアップグレードは出来できない。なお、無料むりょう航空こうくうけん発券はっけんさいして、発券はっけん手数料てすうりょう諸税しょぜい空港くうこう利用りようりょうなど)や燃油ねんゆサーチャージ支払しはらうことが必要ひつよう場合ばあいもあり、無料むりょう航空こうくうけん場合ばあいでもなんらかの支払しはらいをともな場合ばあいがある(とく国際線こくさいせん)。

航空こうくうけんとの交換こうかんいたらないまでも、低額ていがく商品しょうひんやサービスチケットとマイルとの交換こうかん選択せんたくできるケースもえている。

マイルの交換こうかん(ポイント交換こうかん

編集へんしゅう

クレジットカードとのマイル交換こうかんふるくからあり、小売こうりてんやホテル、レンタカー、タクシーひとし航空こうくう運輸うんゆ関係かんけいふか業種ぎょうしゅとのポイント交換こうかんサービスがおおい。さらには銀行ぎんこう証券しょうけん会社かいしゃなどの金融きんゆう携帯けいたい電話でんわインターネットサービスプロバイダなどの通信つうしんなどとも交換こうかんサービスをおこなうものがえた。とく近年きんねんインターネット普及ふきゅうにより手軽てがるにポイント交換こうかんできる仕組しくみがひろまった。

クレジットカードなどのポイント交換こうかんさきにおいて航空こうくう会社かいしゃのマイレージはもっと人気にんきがあるもののひとつである。そのため、航空こうくう会社かいしゃ各社かくしゃはクレジットカード会社かいしゃなどのポイントサービスをあつか会社かいしゃにマイレージを販売はんばいしている。マイレージは航空こうくうけん交換こうかんされるケースがおおいため、空席くうせき特典とくてん航空こうくうけんとして提供ていきょうしている航空こうくう会社かいしゃにとって、負担ふたん増加ぞうかにつながりにくいために非常ひじょう都合つごうめんがある。一部いちぶ北米ほくべい欧州おうしゅうけい航空こうくう会社かいしゃでは、はしすう調整ちょうせいという顧客こきゃくサービス目的もくてき一般いっぱん顧客こきゃくにも販売はんばいしている。

交換こうかんレートはポイントサービス提供ていきょう会社かいしゃとのちから関係かんけい双方そうほう思惑おもわくまるが、大体だいたい1マイルたり2えんから5えんわれている。この販売はんばいレートは、航空こうくう会社かいしゃでの社内しゃないにおけるマイレージ判断はんだん価格かかくよりも割高わりだかであるため、マイレージ販売はんばい事業じぎょう非常ひじょう収益しゅうえきせいたか事業じぎょうともえる。一部いちぶ北米ほくべいけい航空こうくう会社かいしゃなどでは会社かいしゃ収益しゅうえきがほとんどマイレージの他社たしゃへの販売はんばいからているとビジネス雑誌ざっしなどで指摘してきされている。マイレージで提供ていきょうするせきは、閑散かんさんせきてをやせば収益しゅうえき向上こうじょうするが、繁忙はんぼうとの格差かくさによってせきれないと悪評あくひょう顧客こきゃく流出りゅうしゅつつながる[6][7]。またマイルを蓄積ちくせきするとビジネスクラスやファーストクラスとうのより高価こうかせきや、長距離ちょうきょり路線ろせん特典とくてん航空こうくうけんへの交換こうかん可能かのうになり、後々あとあと経営けいえいへの重石おもしになる。

一方いっぽうパンアメリカン航空こうくうはマイレージようせきてをやしすぎて提携ていけい会社かいしゃのアメリカン航空こうくうからの大量たいりょうのマイレージ特典とくてんせき取得しゅとくしゃ流入りゅうにゅうまねき、その結果けっか有料ゆうりょうきゃく減少げんしょうまねいて会社かいしゃ経営けいえいにとどめをさす一因いちいんとなったケースもあり、マイレージで交換こうかんできるせきかず設定せってい非常ひじょう注意ちゅういようする事項じこうとなっている。

べいけい航空こうくう会社かいしゃでは、マイレージの利用りようりょうを2ばいにすることで、繁忙はんぼうでもほぼ確実かくじつせき手配てはい可能かのうになるサービスを実施じっししている。日本航空にほんこうくうにおいてもJMBダイヤモンド会員かいいんについては、国内線こくないせんのみ同種どうしゅのサービスを実施じっししている[8]

そののサービス

編集へんしゅう

そもそも航空こうくうぎょうは、顧客こきゃく利用りよう実績じっせき座席ざせきグレード(=支払しはら料金りょうきん)などによって、サービスに露骨ろこつ格差かくさしめ業界ぎょうかいであり、マイレージ会員かいいん取得しゅとくマイルすうは、会員かいいんの「忠誠ちゅうせい」あるいは「上客じょうきゃくかどうか」を判断はんだんするための的確てきかく指標しひょうになる。ほとんどのマイレージプログラムは、会員かいいんのグレードを前年度ぜんねんど搭乗とうじょう実績じっせき生涯しょうがい搭乗とうじょうマイルすうなどで、「一般いっぱん」「プレミア」「1K」などに区別くべつしており、上級じょうきゅうグレードの会員かいいんほど、より価値かちのある有形ゆうけい無形むけい無償むしょうサービスをけられる。

下記かきはこのようなサービスのれいである。

  • 上級じょうきゅう会員かいいん専用せんよう搭乗とうじょう手続てつづチェックインカウンター(上級じょうきゅう会員かいいんになると普通ふつうせき利用りようでもファーストクラス・ビジネスクラスチェックインカウンターが利用りようできる)。
  • 一般いっぱん搭乗とうじょうきゃく無料むりょうあずかり荷物にもつは、1てん50ポンド (22.7 kg)までだが、最上級さいじょうきゅう会員かいいんは3てんかく70ポンド (31.8 kg)まで無料むりょう
  • 上級じょうきゅう会員かいいん専用せんよう保安ほあん検査けんさじょう混雑こんざつでもれつみじかちがすくない。ただし、保安ほあん検査けんさける内容ないよう一般いっぱん乗客じょうきゃくおなじだが、全体ぜんたいてき丁寧ていねい検査けんさになる。主要しゅよう空港くうこうなど、一部いちぶ空港くうこうのみ設置せっち)。
  • 搭乗とうじょうこうでの優先ゆうせん搭乗とうじょう(クラスシートにかかわらず、すなわちエコノミー利用りようであっても、上級じょうきゅう会員かいいんよりさき搭乗とうじょう案内あんないされる)。
  • 上級じょうきゅう会員かいいん専用せんよう空港くうこうラウンジただし、上級じょうきゅう会員かいいんでも、ビジネスクラス・ファーストクラスの旅客りょかくはラウンジ利用りよう可能かのう
  • ボーナスマイル(マイル積算せきさん可能かのう運賃うんちん上級じょうきゅう会員かいいんがもらえるマイルのおおむね30%から130%がボーナスとしてもらえる。上級じょうきゅう座席ざせき(ファースト・ビジネス)の場合ばあいはさらにボーナスされる)。
  • 上位じょういグレード座席ざせきへの優先ゆうせんアップグレード(上級じょうきゅう会員かいいんほどアップグレードが優先ゆうせんてきおこなわれる)。
  • 優先ゆうせん空席くうせきち(空席くうせき場合ばあいはたとえ上級じょうきゅう会員かいいんさき予約よやくをしていてもから上級じょうきゅう会員かいいんさい優先ゆうせん空席くうせき案内あんないできる)。
  • 同日どうじつ別便べつびんへの変更へんこう無料むりょうあるいは割引わりびき
  • 電話でんわ予約よやくによる手数料てすうりょう通常つうじょう有料ゆうりょう)の無料むりょう
  • 最上級さいじょうきゅう会員かいいん専用せんよう予約よやくよう電話でんわ番号ばんごう最上級さいじょうきゅう会員かいいん以外いがいには開示かいじ)。

有効ゆうこう期限きげん

編集へんしゅう

マイレージサービスはつね顧客こきゃく確保かくほ利用りよう促進そくしん目的もくてきとしているサービスであることから、一定いってい有効ゆうこう期限きげん設定せっていしていることが一般いっぱんてきである。現在げんざい日本にっぽん航空こうくう会社かいしゃでは加算かさんから3ねんつきまつまで(以前いぜん加算かさんされたとし翌々年よくよくねんまつまで)有効ゆうこうで、それ以降いこう失効しっこうになる。また、3年間ねんかん積算せきさん実績じっせきがないと、会員かいいん資格しかくそのものが失効しっこうになる。このようなことから、頻繁ひんぱん利用りようしないと無料むりょう航空こうくうけん交換こうかんマイルに到達とうたつするのがむずかしい。

なお、ユナイテッド航空こうくうマイレージ・プラスように18ヶ月かげつあいだいちでも搭乗とうじょう提携ていけいホテルの宿泊しゅくはく新規しんきマイルを獲得かくとくしたり、あるいはマイルを使用しよう寄付きふ購入こうにゅうなどの行為こういでとにかく口座こうざなんらかのうごきがありさえすればそれまでのぜんポイントが保全ほぜんされされるシステム(休眠きゅうみん口座こうざあつかいになって失効しっこうしても手数料てすうりょうはらうと復活ふっかつ可能かのう)や、デルタ航空こうくうのスカイマイルのようにめたマイルは期限きげん有効ゆうこうという航空こうくう会社かいしゃもある。国内こくない航空こうくう会社かいしゃでも上位じょういつね顧客こきゃくたいしてはマイルの有効ゆうこう期限きげん期限きげんとしている場合ばあいがある(JALマイレージバンク・ダイヤモンド、JALグローバルクラブ・プレミア、ANAダイヤモンドサービスとう)。

運用うんようにおける課題かだい

編集へんしゅう

サービスの取得しゅとく是非ぜひ課税かぜい

編集へんしゅう

マイレージサービスにおいては、マイルを時点じてんでサービスをるのではなく、マイルを使用しようする時点じてん相応そうおう利益りえき(サービス)をることになる。したがって、一般いっぱんてき値引ねびきサービスとはことなる。これはマイレージサービスだけの問題もんだいではなく、小売こうりぎょう発行はっこうするポイントカードでもおな現象げんしょう発生はっせいする(たとえば、業務ぎょうむによる出張しゅっちょう経費けいひ個人こじんのクレジットカードで立替払たてかえばらいし、ポイントサービスを場合ばあいとう)。

日本にっぽん場合ばあい、2001ねん7がつ3にち発行はっこう納税のうぜい通信つうしんによれば、納税のうぜい主務しゅむ官庁かんちょうである国税庁こくぜいちょうが「マイルはしょう市民しみんてきよろこびや景品けいひん一種いっしゅかんがえるのが適当てきとう。おかね出所しゅっしょ会社かいしゃということからもマイルは課税かぜい対象たいしょうにならない」という見解けんかいしめしていたが、2003ねん所得しょとくぜい関係かんけい質疑しつぎ応答おうとう事例じれいしゅう[9][10]によれば、「業務ぎょうむによる出張しゅっちょう発生はっせいしたポイントを利用りようしゃである従業じゅうぎょういん名義めいぎ獲得かくとくした場合ばあい、それは実質じっしつてき出張しゅっちょうめいじた企業きぎょうから従業じゅうぎょういんへの贈与ぞうよによる一時いちじ所得しょとくになる」という見解けんかいわった(ただし、所得しょとくぜい一時いちじ所得しょとくには50まんえん特別とくべつ控除こうじょがあるため、一時いちじ所得しょとく加算かさんして特別とくべつ控除こうじょがくえる場合ばあい所得しょとくぜい課税かぜいされることになる)[11]

このように出張しゅっちょうめいじる会社かいしゃには明示めいじてき負担ふたんをかけないかたちで利用りようしゃ個人こじん利便りべんあたえることで、かこ効果こうかねらったのがマイレージサービスであるが、海外かいがいにおいても対応たいおうことなっており、カナダでは課税かぜい対象たいしょうとしているが、米国べいこくでは、多数たすうにわたる業務ぎょうむ出張しゅっちょうたいする個人こじんへの補償ほしょうとらえている企業きぎょうおおいとわれている。

ただし、業務ぎょうむ倫理りんりわれることのおお公務員こうむいんぞくする政府せいふ機関きかん官公庁かんこうちょうにおいては、英国えいこくなどマイルのあつかいにおける倫理りんり規程きていさだめているケースがある。日本にっぽんでも、会計検査院かいけいけんさいん法務省ほうむしょう個人こじん名義めいぎでのマイル取得しゅとくきんじている。このような倫理りんりてき観点かんてんからマイルの「私用しよう」をきんじている企業きぎょう一部いちぶには存在そんざいしている。

出張しゅっちょうしゃおお大手おおて企業きぎょうなかには、航空こうくう会社かいしゃ直接ちょくせつ契約けいやくして、自社じしゃ出張しゅっちょうにかかるフライトについてはマイレージサービスの提供ていきょう不要ふようとするわりに明示めいじてきなディスカウントをもとめるれいがあるとの報道ほうどうもある。

一方いっぽう航空こうくう各社かくしゃ法人ほうじん対応たいおうのマイレージサービスをおこなっている。このような場合ばあい蓄積ちくせきされたマイルは法人ほうじん所有しょゆうとなり、個人こじんたいする利益りえき供与きょうよにはならない。ただし、航空こうくう会社かいしゃからの利益りえき還元かんげんといういちめんもあり、その利益りえきについては税法ぜいほうじょう一時いちじ所得しょとくになるとされている。ただし、実際じっさいにこの運用うんようおこなっているかについては、不明ふめいてんおおいとされる。

運営うんえい航空こうくう会社かいしゃ経営けいえい破綻はたんたいするリスク

編集へんしゅう

マイレージサービスのマイレージは、航空こうくう会社かいしゃ顧客こきゃくたいして未来みらいにおける値引ねびきや、金券きんけん品物しなもの、サービスとうとの交換こうかん約束やくそくしたものである。したがって航空こうくう会社かいしゃ経営けいえいからみると債務さいむとなり、その運営うんえい航空こうくう会社かいしゃ破産はさんした場合ばあい保護ほごされない。実際じっさいアンセット・オーストラリア航空こうくうが2001ねん経営けいえい破綻はたんしたさいや、エア・ベルリンが2017ねん経営けいえい破綻はたんしたさい両社りょうしゃ運営うんえいしていたマイレージサービスで取得しゅとくしていたマイルはすべ失効しっこうになり、なんらの救済きゅうさい措置そちもなかった。

なお、経営けいえい破綻はたん運航うんこう停止ていしとなった航空こうくう会社かいしゃ搭乗とうじょうぶん提携ていけいさき航空こうくう会社かいしゃたいしマイレージを加算かさんする場合ばあいについては、提携ていけいさき指定していするまでマイルを加算かさんできる事例じれいがある。[注釈ちゅうしゃく 2]。なお、提携ていけいさきにマイレージを加算かさんした場合ばあい経営けいえい破綻はたん運航うんこう停止ていしになった航空こうくう会社かいしゃ搭乗とうじょうぶんであっても、提携ていけいさき航空こうくう会社かいしゃ規約きやくもとづいて通常つうじょうどお利用りよう可能かのうである。

経営けいえい破綻はたんした場合ばあいアンセット航空あんせっとこうくうやエア・ベルリンのよう最悪さいあく場合ばあいマイルが失効しっこうしてしまうため、顧客こきゃくがわはマイレージを必要ひつようまず、極力きょくりょくこまめに使用しようするなどの防衛ぼうえい手段しゅだん以外いがいない。

イギリスの新聞しんぶん『エコノミスト』によると、2005ねんぜん世界せかい使用しようマイレージはやく14ちょうマイルであり、平均へいきん交換こうかんレートが1マイル=やく5セントと計算けいさんできるため、その総額そうがくやく7,000おくあめりかドルと試算しさんできるとしている[12]

一方いっぽう航空こうくう会社かいしゃがわからマイルを電子でんしマネー金券きんけん交換こうかん可能かのうなサービスも存在そんざいすることから、すくなくともマイルの提供ていきょうもとである航空こうくう会社かいしゃにとって、マイレージサービスにかかる履行りこう債務さいむをどのように評価ひょうかし、財務諸表ざいむしょひょう計上けいじょうするかは、財務ざいむじょう課題かだいとなる。通常つうじょう会計かいけいじょう負債ふさい計上けいじょうされ、もし使用しようのまま期限切きげんぎれになり失効しっこうした場合ばあい利益りえきになる。

2001ねん9月11にち発生はっせいしたアメリカ同時どうじ多発たはつテロ以降いこう、アメリカ大手おおてのユナイテッド航空こうくう・ノースウェスト航空こうくうげん: デルタ航空こうくう)など、おおくの航空こうくう会社かいしゃ連邦れんぽう倒産とうさんほうだい11しょうれ、倒産とうさん日本にっぽん法律ほうりつでは民事みんじ再生さいせいほう適用てきようにあたる)。2010ねん1がつには日本航空にほんこうくう民事みんじ再生さいせいほう申請しんせいし、経営けいえい破綻はたんした。これらの航空こうくう会社かいしゃでは企業きぎょう再生さいせいおこなっているが、マイレージサービスについては全面ぜんめんてき保護ほごされた。

そもそもこう頻度ひんど顧客こきゃくをつなぎとめるための制度せいどとしてマイレージサービスが成立せいりつしている以上いじょう、この債務さいむ解消かいしょうは、そのままこう頻度ひんど顧客こきゃく流出りゅうしゅつ直結ちょっけつしかねないために、経営けいえい危機ききおちいっても簡単かんたんにはせないという経営けいえいじょうのリスクも存在そんざいする[注釈ちゅうしゃく 3]

一方いっぽうで、マイレージの蓄積ちくせき解消かいしょうするために閑散かんさんにはマイレージの変換へんかんレートをげたり、少額しょうがくからの交換こうかん特典とくてん用意よういし、マイレージの蓄積ちくせき減少げんしょうさせるこころみをおこなっている航空こうくう会社かいしゃがある。近年きんねん全日本空輸ぜんにほんくうゆのように1マイルから利用りようできる特典とくてん用意よういしたり、日本航空にほんこうくうのように自社じしゃのマイレージだけではなく、外部がいぶ企業きぎょうのポイントサービスへ加算かさんすることを選択せんたく可能かのうとすることで、早期そうきにマイレージサービスにかかる履行りこう債務さいむ解消かいしょうするこころみをおこなっている航空こうくう会社かいしゃ存在そんざいする。

日本にっぽんでは、全日本空輸ぜんにほんくうゆが1ポイント=1えんから自社じしゃ航空こうくうけん購入こうにゅうなどに使用しようできる「ANA SKYコイン」か「ANAショッピング A-style」で利用りようできる「ANAショッピングポイント」への交換こうかんが1マイルから可能かのう特典とくてん用意よういしたりするなど、少額しょうがくからマイレージの交換こうかんができる。日本航空にほんこうくうではマイレージのかわりにPonta (ポンタ)をめることが選択せんたくできるサービスもある[14]

運営うんえい航空こうくう会社かいしゃ経営けいえい統合とうごう企業きぎょう買収ばいしゅうがあった場合ばあいあつか

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日本航空にほんこうくう(JAL)と日本にほんエアシステム(JAS)とが経営けいえい統合とうごうしたさいにそれぞれがおこなっていたマイレージサービスについては、それまでのマイル加算かさん基準きじゅんおよび特典とくてん交換こうかん基準きじゅん相違そういにかかわらず、JASマイレッジサービスは、JALマイレージバンク移行いこう(会員かいいん番号ばんごうは、JALの桁数けたすうにあわせて、これまでの番号ばんごうあたまに2けたないし1けた数字すうじ追加ついかして、そろえる措置そちをとった)し、マイルは等価とうか交換こうかんされた (JMB会員かいいんにもなっていた場合ばあいは、もとからのJMB会員かいいん番号ばんごうがわ統合とうごうする措置そちった)。

日本航空にほんこうくうは2010ねん経営けいえいたんにともない、同社どうしゃ子会社こがいしゃである北海道ほっかいどうエアシステム (HAC)を2011ねん3がつから保有ほゆうする株式かぶしき北海道ほっかいどう道内どうない財界ざいかいかく企業きぎょう売却ばいきゃくして連結れんけつ対象たいしょうからはずした。連結れんけつ対象たいしょうからはずしたのちも2013ねん6がつまではJALマイレージバンクのマイル積算せきさん対象たいしょうとなっていた。2013ねん7がつからは日本航空にほんこうくうとコードシェアを実施じっしすることとなったため、同社どうしゃ便びんめいでの搭乗とうじょうかぎ同社どうしゃのマイル積算せきさん対象たいしょうとなり、HAC便びんめいでの搭乗とうじょうについては「HACフライトポイント」という独自どくじサービスとなった。HACフライトポイントは一般いっぱんてきなマイレージサービスと特典とくてん交換こうかん仕組しくみがおおきくことなり、搭乗とうじょう回数かいすう特典とくてん航空こうくうけん商品しょうひん交換こうかんできる特典とくてんけられる形態けいたいである。その日本航空にほんこうくう業績ぎょうせき回復かいふくしたことにより、2014ねん10がつ北海道ほっかいどう道内どうない財界ざいかいかく企業きぎょう売却ばいきゃくしていたHAC株式かぶしきもど再度さいど子会社こがいしゃした。マイレージサービスのあつかいはさい子会社こがいしゃしばら変化へんかがなかったが、2016ねん10がつからはHAC運航うんこう便びんがJAL便びんめいでの運航うんこう一本いっぽんされることとなり、HACフライトポイントは廃止はいしされることになった。廃止はいしまでの経過けいか措置そちとしてHACフライトポイントからJALマイレージバンクへ移行いこうできる特典とくてん用意よういされるが、それまでのマイル (JAL)・ポイント (HAC)の加算かさん基準きじゅんおよび特典とくてん交換こうかん基準きじゅん相違そういにかかわらず、12ポイント(12かい搭乗とうじょう)が2000マイル、24ポイント(24かい搭乗とうじょう)が4000マイル、40ポイント(40かい搭乗とうじょう)が8000マイルとなっていた。

システムの複雑ふくざつ

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マイルの加算かさん利用りようにおける多数たすう各種かくしゅサービスの提携ていけい・マイル交換こうかんにより、システムが複雑ふくざつしてしまい、ルールのみち盲点もうてんをついたマイル獲得かくとく方法ほうほう航空こうくう関連かんれん会社かいしゃ想定そうていしていないマイル獲得かくとく方法ほうほうなどが存在そんざいしてしまうことがある。 航空機こうくうき利用りようにおいてのマイル獲得かくとくのため、すくない費用ひようおおくのマイルが獲得かくとくできる路線ろせん航空こうくうけん利用りようする利用りようしゃがいる。

ポイント交換こうかんれいにおいて、Aしゃのポイントは航空こうくう会社かいしゃCしゃのマイルに直接ちょくせつ交換こうかんすることは提携ていけいしていないため不可ふかであるが、BしゃはAしゃとCしゃとポイント・マイル交換こうかん提携ていけいしており、AしゃのポイントをBしゃのポイントへ交換こうかんし、さらにBしゃのポイントをCしゃのマイルに交換こうかんできるような事例じれいもある。同様どうように、航空こうくう会社かいしゃDしゃ競合きょうごうする航空こうくう会社かいしゃEしゃのマイルは交換こうかんすることはできないが、Dしゃとポイント交換こうかん提携ていけいしているFしゃおよびEしゃとポイント交換こうかん提携ていけいしているGしゃ相互そうごにポイント交換こうかん提携ていけいしており、Dしゃ→Fしゃ→Gしゃ→Eしゃじゅんにポイント交換こうかんをすることでことなる航空こうくう会社かいしゃのマイレージへ最終さいしゅうてき移行いこうできるようなケースも存在そんざいする。

このようなポイント加算かさん様々さまざまられており、約款やっかんきんじられていないかぎ不正ふせいではない。航空こうくう関連かんれん会社かいしゃやポイントサービスを運営うんえいしている事業じぎょうしゃがこのような行為こうい問題もんだい判断はんだんした場合ばあい、その都度つどシステムの改修かいしゅうやルールの変更へんこうがなされるが、改修かいしゅうやルールの変更へんこうされるまではしばらく期間きかんがかかるため、あなをついて利用りようされてしまうこともある。

三越みつこし伊勢丹いせたんグループのカードである「エムアイカード[15]東急とうきゅうグループのカードであるTOKYU CARD[16]JR九州きゅうしゅうJQ CARDように、JAL・ANAの航空こうくう会社かいしゃ両社りょうしゃどもにポイント交換こうかん提携ていけいしている場合ばあいは、ポイント交換こうかんかえすことやどういち名義めいぎふくすうまいのカードを保有ほゆう[注釈ちゅうしゃく 4]することにより、間接かんせつてきにJALからANA(ぎゃくふくむ)へのマイル交換こうかんするのを防止ぼうしするため、ポイントおよびマイルの交換こうかん制限せいげんもうけている事例じれい存在そんざいする。エムアイカードの場合ばあい一度いちどマイルからポイントへ交換こうかんした時点じてん[15]、TOKYU CARDとJQ CARD場合ばあいはJAL・ANA提携ていけいのカードを保有ほゆうした場合ばあい[16]にポイントからのマイルへの交換こうかん制限せいげんく。エムアイカードの場合ばあいはJAL・ANA両社りょうしゃのマイルをポイントへ交換こうかんした場合ばあい[15]、TOKYU CARDの場合ばあいはJAL・ANA提携ていけいのカードをどういち名義めいぎ両方りょうほう保有ほゆうするとマイルへの交換こうかん今後こんご一切いっさいできなくなる[16]。JQ CARDの場合ばあいはJAL提携ていけいイオンクレジットサービス発行はっこう)・ANA提携ていけいJCB発行はっこう)のカードをどういち名義めいぎ両方りょうほう保有ほゆうした場合ばあい、JQ CARDのポイントをまとめることは可能かのうであるが、他方たほうのカードで取得しゅとくしたポイントからのマイルへの交換こうかん制限せいげんく(れい…JAL提携ていけいのカードで取得しゅとくしたポイントのぶんは、JALへは移行いこうできるがANAへは移行いこうできない)。

また、システム改修かいしゅうやルールの変更へんこうにかかる費用ひよう高額こうがくとなり、放置ほうちしたままのほう結果けっかてきていコストの場合ばあい改修かいしゅうせず放置ほうちることもある。その場合ばあい次回じかい運賃うんちん改定かいていなどのシステム改修かいしゅうのついでに改修かいしゅうすることがおおい。また、チケット利用りようにおいてこのような行為こうい発覚はっかくしたとき航空こうくう会社かいしゃから搭乗とうじょうやマイル加算かさん拒否きょひされる場合ばあいがある。

マイル返還へんかん問題もんだい

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マイルを使用しようして旅行りょこうなどのもうみをした場合ばあいかりなんらかの事情じじょうもうみをキャンセルした場合ばあいでも、使用しようしたマイルが返却へんきゃくされないことがほとんどである。これについて、兵庫ひょうごけんNPO・『ひょうご消費しょうひしゃネット』が、日本航空にほんこうくう子会社こがいしゃ・ジャルツアーズにたいし、キャンセルした旅行りょこう使用しようしたマイルを返還へんかんしないのは消費しょうひしゃ契約けいやくほう違反いはんするなどとして、2009ねん3月18にちに、同社どうしゃたい消費しょうひしゃ団体だんたい訴訟そしょう神戸こうべ地裁ちさいこしたが[17]、1しん、2しんとも棄却ききゃくされた[18][19]

マイルを積極せっきょくてき加算かさんしているひとは、「マイラー」とばれている。このかたは、JALやANAなどの航空こうくう会社かいしゃのホームページ、書籍しょせきタイトルなどでも使つかわれ、インターネットじょうでも普及ふきゅうしている表現ひょうげんである。

りくマイラー

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航空こうくう会社かいしゃクレジットカードホテルレンタカー通信つうしん販売はんばいなど業種ぎょうしゅ提携ていけいし、提携ていけいしている店舗てんぽとう利用りようするとマイルが加算かさんされるサービスをしている。これらのサービスを利用りようし、飛行機ひこうきには搭乗とうじょうせずにマイルをめるひとたちは、りくマイラー(りくマイラー、もしくは、おかマイラー)とばれている。

Edy提携ていけいクレジットカードでチャージし、その請求せいきゅうがくをEdyで支払しはらうという自転車じてんしゃ操業そうぎょうてき行為こういおこなわれている(オンラインチャージの問題もんだい)。また、換金かんきんせいたか商品しょうひん新幹線しんかんせん回数かいすうけんなど)を提携ていけいクレジットカードで購入こうにゅうし、金券きんけんショップ現金げんきんをしてマイル加算かさんをする行為こういもある。

ただし、日本にっぽん大手おおて航空こうくう会社かいしゃもうけているマイレージサービスの上級じょうきゅう会員かいいん制度せいどは、マイルとはべつ有償ゆうしょうでの搭乗とうじょう実績じっせきおうじたポイントを付与ふよし、このポイントにおうじたサービスステイタスをあたえており、旅客機りょかくき有償ゆうしょうでの搭乗とうじょう実績じっせきがないと、ラウンジ利用りよう荷物にもつ優先ゆうせんわたとう、サービスがあたえられる上級じょうきゅう会員かいいんにはなることはできない。

また、最近さいきん電子でんしマネーにクレジットカードでチャージした場合ばあいなどは、クレジットカードのポイントの対象たいしょうとしないクレジットカード会社かいしゃえるなど、ぎた行為こういについては制限せいげんするうごきもている。

1999ねんに、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく食品しょくひん会社かいしゃ冷凍れいとう食品しょくひん販促はんそくとして、同社どうしゃ製品せいひんについているUPC(バーコード)10まいにつき1,000マイルをおくるというキャンペーンをおこなった。25セントプディングにバーコードがついていることにをつけたカリフォルニア在住ざいじゅう技術ぎじゅつしゃデヴィッド・フィリップスが、3,140あめりかドルで1まん2,150プディング購入こうにゅうし、125まん3,000マイルを獲得かくとくするということがあった[20]

マイル修行しゅぎょう

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マイル加算かさん目的もくてきとして搭乗とうじょうする行為こういマイル修行しゅぎょうばれることがある。

航空こうくう会社かいしゃ以外いがいのマイレージ

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関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 1997ねん平成へいせい9ねん)、日本にっぽん国内こくない国内外こくないがい航空こうくう各社かくしゃがFFPを開始かいししたさいに、この名称めいしょう採用さいようせずに、当時とうじから「マイレージプログラム」または「マイレージサービス」と呼称こしょうした。日本にっぽん国内こくないではトル法とるほうによるキロメートル (km)表記ひょうき普及ふきゅうしているにもかかわらず、これらの呼称こしょう普及ふきゅうしている。
  2. ^ ワンワールド加盟かめいである日本航空にほんこうくう場合ばあいは、エア・ベルリンの運航うんこう最終さいしゅうとなる2017ねん10がつ27にちまでの搭乗とうじょうぶん通常つうじょうどおりJALマイレージバンクのマイレージ加算かさん対象たいしょうとしていた。エアベルリン (AB/HG) - JALホームページ
  3. ^ 実際じっさい当時とうじ経営けいえいなんおちいっていた日本航空にほんこうくう2009ねん10月29にち企業きぎょう再生さいせい支援しえん機構きこうへの支援しえん依頼いらいしたが、そのさいに「マイレージサービスとう債権さいけん買取かいととう対象たいしょうとならない」、すなわち権利けんりうしなうことはないむね強調きょうちょうしていた。[13]
  4. ^ TOKYU CARDとJQ CARDはカード種別しゅべつまたは発行はっこう会社かいしゃえることで、どういち名義めいぎふくすうまいのカードを保有ほゆう可能かのうである。ふくすうまいのカードを保有ほゆうすること自体じたいについては、とくきんじられているわけではない。

出典しゅってん

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  1. ^ a b JAL国内線こくないせん区間くかんマイルひょう 日本航空にほんこうくう(JAL))
  2. ^ JAL国際線こくさいせん区間くかんマイルひょう
  3. ^ マイレージチャート | ANA国内線こくないせん全日本空輸ぜんにほんくうゆ(ANA))
  4. ^ マイレージチャート | ANA国際線こくさいせん
  5. ^ 日本航空にほんこうくうプレスリリース 2003ねん9がつ8にち
  6. ^ 航空こうくう会社かいしゃの「マイレージ商法しょうほう」に批判ひはん続出ぞくしゅつうえ)(朝鮮日報ちょうせんにっぽう)
  7. ^ 航空こうくう会社かいしゃの「マイレージ商法しょうほう」に批判ひはん続出ぞくしゅつした)(朝鮮日報ちょうせんにっぽう)
  8. ^ JMBダイヤモンド
  9. ^ マイレージと課税かぜい
  10. ^ マイレージの経済けいざいてき利益りえき (名古屋なごやみどり加藤かとうあつし税理士ぜいりし事務所じむしょ)
  11. ^ 住宅じゅうたくローンでマイル加算かさん
  12. ^ マイレージ、ポイントとう安易あんいなキャンペーンが企業きぎょう経営けいえいあたえるリスク
  13. ^ JALマイレージバンク - その キャンペーン&おらせ”. 日本航空にほんこうくう. 2010ねん3がつ30にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2023ねん5がつ17にち閲覧えつらん
  14. ^ JMB×PONTA会員かいいん登録とうろくJAL 2020ねん2がつ28にち閲覧えつらん
  15. ^ a b c [1]
  16. ^ a b c [2]
  17. ^ マイル返還へんかんでJAL子会社こがいしゃ提訴ていそ NPOが神戸こうべ地裁ちさい 47NEWS共同通信きょうどうつうしん) 2009ねん3がつ18にち
  18. ^ 神戸こうべ地方裁判所ちほうさいばんしょ判決はんけつぶん 2010ねん12月8にち
  19. ^ 大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょ判決はんけつぶん 2010ねん6がつ7にち
  20. ^ Holder, Kathleen (2000ねん2がつ4にち). “Engineer finds sweet travel deal in cups of pudding”. Dateline UC Davis. オリジナルの2007ねん6がつ18にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070618115627/http://www-dateline.ucdavis.edu/020400/DL_pudding.html 2007ねん6がつ12にち閲覧えつらん