ムンバイ同時どうじ多発たはつテロ

ムンバイ同時どうじ多発たはつテロ（ムンバイどうじたはつテロ）は、2008年ねん11月26日にち夜よるから11月29日にち朝あさにかけて、インドのムンバイで外国がいこく人じん向むけのホテルや鉄道てつどう駅えきなど複数ふくすうの場所ばしょが、イスラーム過激かげき派はと見みられる勢力せいりょくに襲撃しゅうげきされ、多数たすうの犠牲ぎせい者しゃを出だしたテロ事件じけん。

ムンバイ同時どうじ多発たはつテロ
発生はっせい場所ばしょ
場所ばしょ	インド マハーラーシュトラ州しゅうムンバイ
日付ひづけ	2008年ねん11月26日にち、午後ごご9時じ20分ふん pm – 2008年ねん11月29日にち (IST, UTC +5:30)
攻撃こうげき手段しゅだん	爆破ばくは、銃撃じゅうげき、人質ひとじち立たてこもり
兵器へいき	RDX、カラシニコフ自動じどう小銃しょうじゅうAK-47と類似るいじ品ひんAK-56、手榴弾しゅりゅうだん
死亡しぼう者しゃ	172人にん（12月1日にちオーストラリアン） もしくは174人にん（11月30日にちAP）
負傷ふしょう者しゃ	239人にん（11月30日にちAP）
容疑ようぎ者しゃ	意見いけんが分わかれているが、パキスタン系けいのテロリスト集団しゅうだん、事件じけん発生はっせいまで無名むめいであった「デカン・ムジャーヒディーン」、インディアン・ムジャーヒディーン、ラシュカレトイバ、ダーウード・イブラーヒーム、アルカーイダ
攻撃こうげき側がわ人数にんずう	詳細しょうさい不ふ詳しょう。情報じょうほう源げんにより10人にんから25人にん
対処たいしょ	ムンバイ警察けいさつ、警察けいさつ対たいテロ特殊とくしゅ部隊ぶたい、海軍かいぐん特殊とくしゅ部隊ぶたい、 軍ぐん特別とくべつ治安ちあん部隊ぶたいNSG.

概要がいよう

インド西海岸にしかいがん沿ぞいに位置いちするムンバイ

2008年ねん11月26日にち夜よる、インド最大さいだいの都市としであり商業しょうぎょうの中心ちゅうしん地ちでもあるムンバイ（旧名きゅうめいボンベイ）で、同時どうじ多発たはつ的てきに発生はっせいした 10件けんのテロ立たてこもり事件じけんは、11月29日にち朝あさ、陸軍りくぐん部隊ぶたいがすべての立たてこもり拠点きょてんを制圧せいあつして終結しゅうけつした。 少すくなくとも172人にんないし174人にん（うち34人にんは外国がいこく人じん）が死亡しぼう、負傷ふしょう者しゃは239人にん にのぼることが確認かくにんされている。

テロ攻撃こうげきのうち8件けんが南みなみムンバイで起おこった。標的ひょうてきとなったのは、混雑こんざつしたチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅えき、二にカ所かしょの五いつつ星ぼしホテル（ナリーマン・ポイントにあるオベロイ・トライデントとインド門もん近ちかくのタージマハル・ホテル）、コラバ地区ちくにある旅行りょこう者しゃに人気にんきのレストラン（レオポルド・カフェ）、カマ病院びょういん、ユダヤ教きょう正統せいとう派はのナリーマン・ハウス（ムンバイ・ハバド・ハウス）、メトロ・アドラブ映画えいが館かんである。ムンバイ警察けいさつの本部ほんぶではマハーラーシュトラ州しゅう対たいテロ特殊とくしゅ部隊ぶたいの隊長たいちょうを含ふくむ、少すくなくとも3人にんの警察けいさつ幹部かんぶが銃撃じゅうげき戦せんによって死亡しぼうした。

ムンバイ港湾こうわん地区ちくのマズガーオン造船ぞうせん所しょでは爆発ばくはつがあった。10件けん目めの事件じけんとして、空港くうこうに近ちかい北きたムンバイのヴィレー・パールレー郊外こうがいにおけるタクシーの爆発ばくはつがあげられるが、南みなみムンバイの同時どうじテロとの関連かんれん性せいは不明ふめいである。

デカン・ムジャーヒディーンと名乗なのる組織そしきから、事件じけんの犯行はんこう声明せいめいを主張しゅちょうする電子でんしメールが報道ほうどう機関きかんに送おくられた。

捜査そうさによりこの電子でんしメールの発信はっしん元もとはパキスタンであることがつきとめられた。

しかし、テロ実行じっこう犯はんたちの所属しょぞく組織そしきは特定とくていされていない。インドのマンモハン・シン首相しゅしょうは、このテロ事件じけんは単独たんどくでは実行じっこう不可能ふかのうであったろうから、おそらく「外部がいぶとのつながり」があるだろうと述のべた。

警察けいさつの発表はっぴょうによると、逮捕たいほしたテロリストのうち一いち人にんが、自分じぶんたち実行じっこう犯はんはパキスタンに本拠ほんきょを置おくイスラーム主義しゅぎ組織そしきラシュカレトイバ（Lashkar-e-Taiba）に所属しょぞくしていると供述きょうじゅつしたとのことである が、このことはインド・パキスタン両国りょうこくの関係かんけいに深刻しんこくな影響えいきょうをもたらす可能かのう性せいがある。

しかし、パキスタン政府せいふはテロリスト集団しゅうだんへの支援しえんを否定ひていし、「テロリストには宗教しゅうきょうなど全まったく関係かんけいない」との考かんがえを明あきらかにした。

インディアン・ムジャーヒディーンのテロリスト集団しゅうだんは2008年ねん9月がつにも、ムンバイの市内しない複数ふくすう箇所かしょで爆破ばくは事件じけんを起おこすと犯行はんこう予告よこくを出だしていた。

いくつかのテレビ報道ほうどうによると、オベロイ・タワーで人質ひとじちを取とって立たてこもっている最中さいちゅう、テロリストの一人ひとりは、国内こくないのあるテレビチャンネルの放送ほうそうにおいて、人質ひとじち解放かいほうの条件じょうけんとしてインドで拘束こうそくされている「ムジャーヒディーン」全員ぜんいんの釈放しゃくほうを要求ようきゅうした。また、この実行じっこう犯はんは、その場ばに7人にんの仲間なかまが人質ひとじちを取とって立たてこもっている、とも述のべた。 この要求ようきゅうは、ナリーマン・ハウスの人質ひとじちの一人ひとりがニューデリーにあるイスラエル領事館りょうじかんへかけた電話でんわでなされたものと伝つたえる報道ほうどうもある。

アルカーイダがこの攻撃こうげきに関与かんよしているかどうかについては、専門せんもん家かの間あいだでも意見いけんが分わかれている。パキスタンに詳くわしい解説かいせつ者しゃの中なかには、この事件じけんの背景はいけいにはインド国内こくないのテロ勢力せいりょくがいると示唆しさする向むきもある 。

ムンバイ同時どうじテロは11月28日にち早朝そうちょうにいったん終結しゅうけつ宣言せんげんが出だされたが、直後ちょくごに撤回てっかいされた。鎮火ちんかされ、兵士へいしたちが人質ひとじちを避難ひなんさせ、犠牲ぎせい者しゃの遺体いたいを片付かたづけていた ナリーマン・ハウスとオベロイ・トライデントでは、特殊とくしゅ部隊ぶたい兵士へいしにより人質ひとじちが救出きゅうしゅつされた。ユダヤセンターでは殺害さつがいされた5人にんの人質ひとじちが発見はっけんされた。

ニュースはその後ご、タージマハル・ホテルには依然いぜん2～3人にんのテロリストが潜伏せんぷくしており、複数ふくすうの爆ばく発音はつおんが聞きこえ銃撃じゅうげき戦せんが続つづいていると報ほうじた。火災かさいがタージマハル・ホテルの一いち階かいで発生はっせいし、二に階かい部分ぶぶんからもうもうたる煙けむりが立たち上のぼった。タージマハル・ホテルの建物たてものへの損害そんがいはすさまじく、屋根やね部分ぶぶんのドームを含ふくむパレス棟とうの一部いちぶは破壊はかいされたと伝つたえられた。軍ぐん治安ちあん部隊ぶたい（NSG）によるホテル鎮圧ちんあつ作戦さくせんは完了かんりょうし、その際さいに実行じっこう犯はん3人にんが死亡しぼうしたとされている。 タージマハル・ホテルの制圧せいあつが完了かんりょうし同時どうじテロ事件じけんが本当ほんとうに終結しゅうけつしたのは、11月29日にち朝あさのことであった。

このテロ事件じけんは、インドとパキスタンの緊張きんちょう関係かんけいを一層いっそう悪化あっかさせた。 インド外務省がいむしょうは、12月1日にちにパキスタン高等こうとう弁務べんむ官かんのShahid Malikを呼よび、パキスタンの土壌どじょうから生うまれたテロをパキスタンが抑おさえ込ごめなかったことについて公式こうしきに抗議こうぎした。

場所ばしょ

場所ばしょ	攻撃こうげきの種類しゅるい
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅えき	銃撃じゅうげき、手榴弾しゅりゅうだん攻撃こうげき
コラバ地区ちくのレオポルド・カフェ	銃撃じゅうげき
タージマハル・ホテル	銃撃じゅうげき 、6回かいの爆発ばくはつ、地下ちか・1階かい・最上階さいじょうかいの火事かじ、人質ひとじち、 RDXも近ちかくで見みつかっている
オベロイ・トライデントホテル	銃撃じゅうげき、爆発ばくはつ、人質ひとじち、火事かじ
メトロ映画えいが館かん	カージャックされた警察けいさつジープからの銃撃じゅうげき
カマ病院びょういん	銃撃じゅうげき、人質ひとじち
ナリーマン・ハウス（ムンバイ・ハバド・ハウス)	立たてこもり、銃撃じゅうげき、人質ひとじち
北きたムンバイ、ヴィレー・パールレー郊外こうがい	車くるまの爆破ばくは
マズガーオン造船ぞうせん所しょ	爆発ばくはつ、船ふねの占拠せんきょ
ギルガーオン、チョウパーティー海岸かいがん	ガムデーヴィー警察けいさつ署しょのチームによりテロリスト一いち人にんが殺ころされ、一人ひとりが拘束こうそくされた

出来事できごと

インドは近年きんねん多おおくの爆ばく弾だん攻撃こうげきを受うけており、ムンバイも多おおくのテロ攻撃こうげきを受うけてきた。 今回こんかいのテロ攻撃こうげきに先立さきだち、タージマハル・ホテルのオーナーやインド沿岸えんがん警備けいび隊たいには警告けいこくが届とどいていた。アメリカもインドに対たいして、海路かいろを経由けいゆしたテロ攻撃こうげきについて警告けいこくを行おこなっていた。今回こんかいのテロに参加さんかしたテロリストの多おおくは、港みなとの外そとに停泊ていはくした船舶せんぱくからボートに乗のり移うつってムンバイに上陸じょうりくしたものと考かんがえられている。

コラバ地区ちくでテロリストを探さがす警察けいさつ

11月26日にち午後ごご8時じ10分ふん、大おおきなバッグをいくつも抱かかえた10人にんくらいのイスラーム系けいテロリストを載のせたボートがムンバイのカフ・パレード近隣きんりんの Macchimar Nagarに着岸ちゃくがんし、そこで6人にんが上陸じょうりくし、4人にんは岸きしに沿そって航海こうかいを続つづけた。 近隣きんりん住人じゅうにんがそのグループに職業しょくぎょうを尋たずねると、彼かれらは学生がくせいだと答こたえた。午後ごご8時じ30分ふん、同おなじような出来事できごとがコラバ地区ちくでもあった。ウルドゥー語ごを話はなす10人にんの男おとこが空気くうき注入ちゅうにゅう式しきの高速こうそくボートに乗のって岸きしについた。彼かれらは、マラーティー語ごを話はなす地元じもとの漁師りょうしに向むかって、余計よけいな御ご世話せわだと言いうと2方向ほうこうにわかれて去さった。この漁師りょうしは警察けいさつに報告ほうこくしたが、ほとんど反応はんのうはなかったという。

テロ攻撃こうげきは午後ごご9時じ20分ふんごろ始はじまった。このとき、AK-47自動じどう小銃しょうじゅうで武装ぶそうした2人ふたりのテロリストがチャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅えきに入はいってきて、銃じゅうを撃うち手榴弾しゅりゅうだんを投なげ、少すくなくとも10人にんが死亡しぼうした。タージマハル・ホテルでは、2人ふたりのテロリストが7人にんの外国がいこく人じんを含ふくむ15人にんの人質ひとじちをとって立たてこもった。

血ちの海うみに横よこたわる自転車じてんしゃ

CNNは午後ごご11時じに、タージマハル・ホテルの人質ひとじち事件じけんは解決かいけつしたと報ほうじ、人質ひとじちはすべて解放かいほうされたというマハーラーシュトラ州しゅう警察けいさつ長ちょうの言葉ことばを引用いんようしたが、後のちになって、ホテルにはまだ人質ひとじちが残のこっていたことが分わかった 。

オベロイ・トライデントの内部ないぶ

オベロイ・トライデントホテルでは、40人にんが人質ひとじちとなっていた。 爆発ばくはつはタージマハル・ホテルで6回かい、オベロイ・トライデントで1回かいあったと報ほうじられた。 タージマハル・ホテルは、午前ごぜん4時じ22分ふんには政府せいふに完全かんぜんに統制とうせいされたと報ほうじられ、インド人じんのコマンドがオベロイの中なかにいた二人ふたりのテロリストを殺害さつがいし、建物たてものを制圧せいあつした。

二にか所しょのホテルでは火事かじが起おき、急襲きゅうしゅう部隊ぶたいと陸軍りくぐんに包囲ほういされていた。陸軍りくぐんのコマンド400人にんと 軍ぐん治安ちあん部隊ぶたい (NSG)のコマンド300人にんと、36から100人にんのMARCOSコマンドが現場げんばに送おくられた。 テレビ局てれびきょくからのライブ映像えいぞうをテロリストが受信じゅしんしているという報告ほうこくがあり、ホテルへの配信はいしんは停止ていしされた。

タージマハル・ホテルではすべてのテロリストが排除はいじょされ、警察けいさつと消防しょうぼうが中なかに残のこされていた50人にんほどの人々ひとびとを救すくいだそうと働はたらいていた。 ヴィル・パールで小規模しょうきぼの爆発ばくはつがあり、サンタクルーズも手榴弾しゅりゅうだんで攻撃こうげきされたと報ほうじられた。南みなみムンバイの Nepean Sea Roadでも2回かいの爆発ばくはつが報ほうじられた。現地げんちの鉄道てつどうのうち、インド西部せいぶ鉄道てつどうのムンバイ郊外こうがい線せんは運行うんこうしていたが、インド中央ちゅうおう鉄道てつどうは止とまっていた。立たてこもりが続つづくオベロイではさらなる爆発ばくはつが報ほうじられた。 その間あいだ、警察けいさつはマズガーオン造船ぞうせん所しょに停泊ていはくしていた武器ぶき弾薬だんやくが満載まんさいのボートを押収おうしゅうした。

事件じけん直後ちょくごのタージマハル・ホテル（2008年ねん12月撮影さつえい）

襲おそわれたホテルには、さまざまな国くにや組織そしきの議員ぎいんなども滞在たいざいしていて、巻まき込こまれかけたり危あやうく難なんを逃のがれたりしている。 ニューヨーク・タイムズによると、テロリストはコラバ地区ちくにあるハバド・ルバヴィッチ派はのナリマン・ハウス（ムンバイ・ハバド・ハウス)でも人質ひとじちをとって立たてこもった。 11月29日にち早朝そうちょう、ラビである Gavriel Holtzberg師しとその夫人ふじんはほかの人質ひとじちとともに建物たてものの中なかで殺ころされているのが発見はっけんされたと報ほうじられた。

11月29日にち、タイムズ・オブ・インディアは、この戦たたかいは発生はっせいから60時じ間あいだ後ごにインド治安ちあん部隊ぶたいの手てで終結しゅうけつしたと報ほうじた。タージマハル・ホテルで最後さいごの作戦さくせんが完了かんりょうしたのは、11月29日にち午前ごぜん8時じのことだった。治安ちあん部隊ぶたいはオベロイ・トライデントで250人にん、タージマハル・ホテルで300人にん、ナリーマン・ハウスで12家族かぞく60人にんを救出きゅうしゅつした。11月29日にち付づけのABCニュースによると殺ころされた人ひとは計けい172人にんにのぼった

犯行はんこう声明せいめい

デカン・ムジャーヒディーンと名乗なのる組織そしきが報道ほうどう機関きかんへの電子でんしメールで 関与かんよを主張しゅちょうしている。9月には、インディアン・ムジャーヒディーンが将来しょうらい、攻撃こうげきを行おこなうと警告けいこくしていた。 目撃もくげき者しゃによると、銃じゅうをもったテロリストたちは、アメリカと英国えいこくのパスポートをもった人間にんげんをより分わけていたという。 同時どうじに、インデペンデント紙しによれば、攻撃こうげき者しゃはヒンディー語ごもしくはウルドゥー語ごを話はなす若わかい南みなみアジア系けいで、自分じぶんたちは外国がいこく人じんではなくインド武装ぶそう勢力せいりょくのメンバーであると示唆しさしていたという。

いくつかのメディアは、これらのテロ攻撃こうげきをパキスタンに本拠ほんきょを置おくイスラーム武装ぶそう勢力せいりょくラシュカレトイバによるものと報ほうじている。ニューヨーク・タイムズによれば、国際こくさい的てきなセキュリティ専門せんもん家かがデカン・ムジャーヒディーンについて何なにも発見はっけんできないとし、アナリストの一人ひとりはこれを表看板おもてかんばんと見みているという。 もしラシュカレトイバが関与かんよしているなら、このテロはアルカーイダにつながる可能かのう性せいがある が、 ラシュカレトイバは関与かんよを否定ひていしている。 テレビのSky Newsはテロリストの一人ひとりが「お前まえたちはカシミールでどれだけ多おおくの人ひとが殺ころされたか知しっているのか？お前まえたちの軍隊ぐんたいがイスラーム教徒きょうとをどのように殺ころしてきたか知しっているのか？」とパキスタン訛なまりのアクセントで叫さけんだと報ほうじた。ガーディアンは アルカーイダが関与かんよしているのではないかとの憶測おくそくについて、ミスリーディングであろうとしている。 デイリー・テレグラフによれば、セント・アンドルーズ大学だいがくのある教授きょうじゅは、アルカーイダはテロ作戦さくせんについて詳細しょうさいな計画けいかくを設定せっていするが、世界せかい各地かくちでわれわれが見みるのはその計画けいかくをコピーしたアルカーイダとは異ことなる人々ひとびと、異ことなるグループであると論ろんじる。

多おおくのアナリストが、今回こんかいの攻撃こうげきはパキスタン勢力せいりょくではなく、今年ことし一連いちれんの爆破ばくは事件じけんを起おこしたと考かんがえられているインド過激かげき派はグループによる可能かのう性せいが高たかいとみている。

インド情報じょうほう機関きかんはテロリストたちがパキスタン・カラチ港こうから貨物かもつ船せん「アルファ」号ごうで渡航とこうしてムンバイに潜入せんにゅうしたと見みていたと、いくつかのインドのニュースは伝つたえた。 このためインド海軍かいぐんと沿岸えんがん警備けいび隊たいは西海岸にしかいがんの警戒けいかいを強つよめていた。インドの英字えいじ新聞しんぶん「ザ・タイムズ・オブ・インディア」はインドの沿岸えんがん警備けいび隊たいが数日すうじつ前まえに行方ゆくえ不明ふめいになっていた船ふねを押おさえたと報ほうじた。 グジャラート州しゅうの警察けいさつは今回こんかいのテロは、2002年ねんに起おこったアークシャルダーム寺院じいん襲撃しゅうげき事件じけんに似にているとした。これらの報道ほうどうは、 インド海軍かいぐんが貨物かもつ船せん「アルファ」号ごうを調しらべて事件じけんに関与かんよしている証拠しょうこがないとしたことから退しりぞけられた が、この船ふねの調査ちょうさは続つづいている。あるインド海軍かいぐんソマリア海賊かいぞく対策たいさく担当たんとう者しゃは、攻撃こうげきがソマリア沖おきの海賊かいぞくに関係かんけいしている可能かのう性せいを排除はいじょすることはできないとしている。

死傷ししょう者しゃ

国籍こくせき	死者ししゃ	負傷ふしょう者しゃ
インド	139	256
イスラエル	7	-
アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく	6	2
ドイツ	3	3
オーストラリア	2	2
カナダ	2	2
フランス	2	-
イギリス	1	7
中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく	1	1
日本にっぽん	1	1
ヨルダン	1	1
イタリア	1	-
マレーシア	1	-
モーリシャス	1	-
メキシコ	1	-
シンガポール	1	-
タイ	1	-
スペイン	-	2
オマーン	-	2
オーストリア	-	1
フィリピン	-	1
フィンランド	-	1
ノルウェー	-	1
計けい	171	284

報道ほうどう

ムンバイ同時どうじテロでは、事件じけん報道ほうどうにおいてソーシャルメディアと市民しみんジャーナリズムの重要じゅうよう性せいが増ましていることが浮うかび上あがった。多おおくの人々ひとびとが次々つぎつぎと明あきらかになる事件じけんの状況じょうきょうをTwitterやFlickrで報ほうじ、情報じょうほうは「ムンバイ」や「攻撃こうげき」という検索けんさくタグでまとめられた。テロ攻撃こうげきの翌日よくじつ、インド政府せいふはムンバイ市民しみんに警察けいさつ活動かつどうの実況じっきょうをTwitterで流ながすのをやめるよう依頼いらいした。多おおくのインド人じんブロガーがテロ事件じけんをブログで実況じっきょうした。事件じけん発生はっせい箇所かしょがGoogle マップでピックアップされた。英語えいご版ばんウィキペディアなどもまた、既存きそんメディアより先さきんじて事件じけんの詳細しょうさいを報ほうじた。

事件じけん後ご

実行じっこう犯はんの中なかでは、パキスタン人じんのアジマル・カサブ（Ajmal Kasab）が生存せいぞんしたまま拘束こうそく・起訴きそされ、2010年ねん5月がつ6日にちに死刑しけい判決はんけつがい渡いわたされた。死刑しけいは2012年ねん11月21日にちに執行しっこうされた。インドでは、死刑しけいの執行しっこうに大おおきな制限せいげんを加くわえているだけに、事件じけんの重大じゅうだい性せいが裏付うらづけられている。

関連かんれん項目こうもく

• パレス・ダウン（英えい題だい: Taj Mahal） - タージマハル・ホテルでのテロ事件じけんを題材だいざいに描えがいた2015年ねんのフランス製せいサスペンス映画えいが。家族かぞくでムンバイを訪おとずれていた少女しょうじょが、テロリストによる襲撃しゅうげきでホテル内ないに閉とじ込こめられる。
• ホテル・ムンバイ - タージマハル・ホテルでのテロ発生はっせい時じの宿泊しゅくはく客きゃくとホテルマンたちの姿すがたを描えがいた2018年ねんの映画えいが。
• ジェノサイド・ホテル - テロ発生はっせい時じにタージマハル・ホテルにいた宿泊しゅくはく客きゃくたちの様子ようすを描えがいた2017年ねんのオーストラリア・ネパールの映画えいが。

脚注きゃくちゅう

外部がいぶリンク

• AP通信つうしん - Timeline of Mumbai Terrorist Attacks
• Tweetip - 1st Tweets Timeline
• 攻撃こうげき場所ばしょのグーグル・マップ
• 写真しゃしん：アルジャジーラ, アラビアン・ビジネス, BBCニュース, ボストン・グローブ, ロイター, Vinukumar RanganathanのFlickr写真しゃしん, Yahooニュース・フォト
• ブレイキング・ニュース・オンライン：インドの主おもなテロ事件じけん(2003 - 2008)
• ブレイキング・ニュース・オンライン：Death of Hemant Karkare, Ashok Kamte & Salaskar - The Real Story（実話じつわ：三さん人にんの警察けいさつ幹部かんぶの死し）

日本語にほんごページ

• ロイター ムンバイの同時どうじ攻撃こうげきで邦人ほうじん1人にん死亡しぼう、1人ひとり負傷ふしょう 2008年ねん11月27日にち09:11JST、写真しゃしん
• 日経にっけいNET 海上かいじょうの侵入しんにゅう路ろを重点じゅうてん捜査そうさ インド同時どうじテロ（2008年ねん11月29日にち16:55）
• 共同通信きょうどうつうしん・共同きょうどうニュース：インド内相ないしょうが引責いんせき辞任じにん テロ対策たいさくに批判ひはん集中しゅうちゅう【ムンバイ30日にち共同きょうどう】 - ウェイバックマシン（2011年ねん12月9日にちアーカイブ分ぶん）（2008年ねん11月30日にち22:25）
• 日経にっけいNET インド同時どうじテロ、パキスタン過激かげき派はの犯行はんこう 地元じもと警察けいさつが断定だんてい (2008年ねん12月1日にち10:02)
• 暗くらいニュースリンク インド・ムンバイ同時どうじ多発たはつテロ：警告けいこくはあった 2008年ねん12月1日にち
• C-NET:ムンバイ同時どうじテロ報道ほうどうに見みる、市民しみん報道ほうどうの存在そんざい感かん -- Twitterなどで情報じょうほう錯綜さくそう (2008/11/28) - 元もと記事きじ：C-NET The information flow from Mumbai, Posted by Dan Farber; November 27, 2008 6:30 AM PST
• 時事じじドットコム：ムンバイ同時どうじテロ 写真しゃしん特集とくしゅう - ウェイバックマシン（2014年ねん7月がつ16日にちアーカイブ分ぶん）
• 外務省がいむしょう・海外かいがい安全あんぜんホームページ:インド：ムンバイにおける連続れんぞくテロ事件じけん発生はっせいに伴ともなう注意ちゅうい喚起かんき （2008/11/27）