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ロンドン地下鉄 - Wikipedia

ロンドン地下鉄ちかてつ

ロンドンの地下鉄ちかてつ

ロンドン地下鉄ちかてつ(ロンドンちかてつ、えい: London Underground[※ 1])は、イギリスだいロンドン市域しいきはし世界せかい最古さいこ地下鉄ちかてつである。最初さいしょ区間くかんメトロポリタン鉄道てつどうにより1863ねん1がつ10日とおか開業かいぎょうした。初期しょき路線ろせんだい部分ぶぶんは、ハマースミス&シティーせん一部いちぶとして使用しようされている。

ロンドン地下鉄ちかてつ
セントラル線のランカスター・ゲート駅
セントラルせんのランカスター・ゲートえき
基本きほん情報じょうほう
くに イギリスの旗 イギリス
所在地しょざいち ロンドン
種類しゅるい 地下鉄ちかてつ
開業かいぎょう 1863ねん1がつ10日とおか (161ねんまえ) (1863-01-10)
運営うんえいしゃ ロンドン交通こうつうきょく
公式こうしきサイト 公式こうしきウェブサイト
詳細しょうさい情報じょうほう
そう延長えんちょう距離きょり 402km
路線ろせんすう 11路線ろせん
えきすう 270えき
輸送ゆそう人員じんいん 10おく7,300まんにん[1]
保有ほゆう車両しゃりょうすう 4,070りょう
軌間きかん 1,435mm標準軌ひょうじゅんき
電化でんか方式ほうしき 直流ちょくりゅう630V よん軌条きじょう方式ほうしき
最高さいこう速度そくど 100km/h
通行つうこう方向ほうこう 左側ひだりがわ通行つうこう
路線ろせん
路線図
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ロンドン地下鉄ちかてつは、アメリカや日本にっぽん地下鉄ちかてつのようにSubway(サブウェイ)とはばれず、ロンドンの住民じゅうみんにはたんに "the Underground" または(よりしたしみをこめて)"the Tube"[※ 2]ばれている。後者こうしゃは、そのトンネル形状けいじょう由来ゆらいしている。"Subway" はもっぱら地下道ちかどうもちいられる。

ロンドン地下鉄ちかてつには2020ねん10がつ時点じてんで270のえき存在そんざいし、そう延長えんちょう距離きょりは400km(250マイル[※ 3]におよぶ。また、廃止はいしとなったえき、および路線ろせん数多かずおおい。2004ねん - 2005ねん統計とうけいでは、そう利用りようしゃすう年間ねんかん9おく7,600まんにんいちにちあたり267まんにんである。

2003ねんから、ロンドン地下鉄ちかてつロンドン交通こうつうきょく(Transport for London=TfL)の傘下さんかはいった[1]交通こうつうきょくほかにも、あかい2かいバスふくめた、ロンドンのバスの運行うんこう計画けいかく運行うんこう会社かいしゃへの業務ぎょうむ委託いたくおこなっている。それ以前いぜんは、ロンドン地方ちほう交通こうつうしゃ(London Regional Transport)がロンドン地下鉄ちかてつ持株もちかぶ会社かいしゃとして存在そんざいしていた[1]

 
1861ねんキングス・クロスえき付近ふきんメトロポリタン鉄道てつどう建設けんせつ工事こうじ様子ようす
 
ロンドン地下鉄ちかてつ愛称あいしょう "the Tube" はチューブたトンネルの形状けいじょう由来ゆらい。トンネルの断面だんめんわせたおおきさの車両しゃりょう運用うんようしている

ロンドン地下鉄ちかてつ最初さいしょ開通かいつう区間くかん(メトロポリタン鉄道てつどうパディントンえき - ファリンドンえきあいだ)は、世界せかいはつ都市とし内地ないち旅客りょかく鉄道てつどうである[2]。この方式ほうしき採用さいようされることとなった1854ねん以降いこう財政ざいせいじょうそのほか障害しょうがいによるおくれはあったが、1863ねん1がつ10日とおか開業かいぎょうした[2]列車れっしゃは10ふんごとに運転うんてんされ、開業かいぎょう初日しょにちにはやく4まんにん利用りようした。このメトロポリタン鉄道てつどう延伸えんしんされ、1880ねんには年間ねんかん4,000まんにん輸送ゆそうするまでに成長せいちょうした。鉄道てつどう会社かいしゃもこれを地下鉄ちかてつ事業じぎょう参入さんにゅうし、1884ねんサークルせん完成かんせいした。

これらの路線ろせんはすべて蒸気じょうき機関きかんしゃ牽引けんいん列車れっしゃであり、地上ちじょうとの換気かんきおこな必要ひつようがあった。よって煤煙ばいえんによってえきすすだらけとなり、当時とうじのホームは木造もくぞうだったためにしばしばボヤも発生はっせいするなど、評判ひょうばんかならずしも良好りょうこうではなかった。のちには電気でんき動力どうりょく方式ほうしき発展はってん、また初期しょきもちいられた開削かいさく工法こうほうから、シールド工法こうほうなどよりふかいトンネルを掘削くっさくする技術ぎじゅつ進歩しんぽしたこともあり、地下鉄ちかてつはよりふか位置いち敷設ふせつされるようになった。

ふか地下鉄ちかてつ最初さいしょれい1890ねんのシティー&サウス・ロンドン鉄道てつどうせん現在げんざいノーザンせん一部いちぶである。

20世紀せいきはいると、6つのことなった鉄道てつどう会社かいしゃ別々べつべつ地下鉄ちかてつ路線ろせん運営うんえいするようになった。しかし、路線ろせんえるにはおおくのえき地上ちじょうまである必要ひつようがあり、利用りようしゃ不便ふべんいていた。またこのような運営うんえい方式ほうしきはコストめんからも効率こうりつわるかった。

どの鉄道てつどう会社かいしゃも、より収益しゅうえきせいたか郊外こうがいへの延伸えんしん目指めざしていたが、それには資本しほんからの投資とうし必要ひつようとされた。そのなかもっと有名ゆうめい存在そんざいとされるがアメリカじんチャールズ・ヤーキスである。ヤーキスは1900ねんから1902ねんにかけて、メトロポリタン・ディストリクト鉄道てつどう完成かんせいのチャリングクロス・ユーストン・アンド・ハムステッド鉄道てつどう(のちにノーザンせん一部いちぶとなる)、グレード・ノーザン・アンド・ストランド鉄道てつどう、ブロンプトン・アンド・ピカデリー・サーカス鉄道てつどうピカデリーせん中核ちゅうかくをなす)、そしてベーカーストリート・アンド・ウォータールー鉄道てつどう(のちにベーカールーせんとなる)を次々つぎつぎ買収ばいしゅうし、1902ねん4がつ9にちにロンドン地下ちか電気でんき鉄道てつどう会社かいしゃ(Underground Electric Railways of London Company Ltd)を創設そうせつした。この会社かいしゃおおくの路面ろめん鉄道てつどう所有しょゆうし、さらにロンドン・ジェネラル・オムニバス会社かいしゃ買収ばいしゅうして、「コンバイン」としょうされる企業きぎょう組織そしきとなった。

1924ねん5がつ13にち、デイジー・ハモンドなる女性じょせいベイカールーせんエレファント&キャッスルえき出産しゅっさんした。新聞しんぶんはそのまれた女児じょじがテルマ・ウルスラ・ベアトリス・エレノア(Thelma Ursula Beatrice Eleanor=TUBE)と命名めいめいされたとほうじた。成人せいじんしたその女児じょじ2000ねんのテレビ・インタビューに出演しゅつえんし、当時とうじ地下鉄ちかてつ総裁そうさいアシュフォードきょう名付なづおやに、Mary Ashfield Eleanorと命名めいめいされたという事実じじつ判明はんめいするまで、その誤報ごほう見過みすごされていた。

1933ねん公共こうきょう機関きかんとしてロンドン旅客りょかく輸送ゆそう委員いいんかい(London Passenger Transport Board; LPTB)が創設そうせつされ、前述ぜんじゅつのロンドン地下ちか電気でんき鉄道てつどう会社かいしゃ、メトロポリタン鉄道てつどう独立どくりつのバス、路面ろめん電車でんしゃ会社かいしゃはすべてこの委員いいんかい傘下さんかはいった。現在げんざいのロンドン交通こうつうきょくおおむ共通きょうつうする業務ぎょうむ範囲はんいである。委員いいんかいは「1935ねん40新規しんき事業じぎょう計画けいかく」という路線ろせんもう拡張かくちょう計画けいかく策定さくていしたが、だい世界せかい大戦たいせん開戦かいせんにより計画けいかく凍結とうけつされた。ドイツによるロンドン空襲くうしゅう開始かいしされると、地下鉄ちかてつえき防空ぼうくうシェルターとして利用りようされるようになる。当初とうしょ一時凌いちじしのぎのための対策たいさくとしてはじまり、当局とうきょくはシェルターとしての利用りよう反対はんたいしていたが、のちには適切てきせつ寝台しんだい便所べんじょ食事しょくじ施設しせつなどもそなえられるようになった。

戦後せんご人口じんこう膨張ぼうちょうにともなう混雑こんざつ激化げきかけ、1968ねん北西ほくせい - 南東なんとう方向ほうこうむすヴィクトリアせん開通かいつうした。1977ねんにはピカデリーせんヒースロー空港くうこうまで延伸えんしんされ、また1979ねんにはジュビリーせん開通かいつうした。

2005ねん7がつ7にちおよび7がつ21にち、ロンドン地下鉄ちかてつ各所かくしょ連続れんぞく爆破ばくは発生はっせいした。これにかんしてはロンドン同時どうじ爆破ばくは事件じけん参照さんしょう

地下鉄ちかてつもちいてかん移送いそうされたのはウィリアム・グラッドストンとトーマス・ジョン・バーナード(慈善じぜん)の2人ふたりである。

2013ねん1がつ13にち、ロンドン地下鉄ちかてつ開業かいぎょう150周年しゅうねんいわ行事ぎょうじおこなわれ、メトロポリタン鉄道てつどうAクラス蒸気じょうき機関きかんしゃ牽引けんいんする列車れっしゃがモーゲートからケンジントン・オリンピアまで走行そうこうした。この列車れっしゃにはロンドン市長しちょうなども乗車じょうしゃした[2]

概要がいよう

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路線ろせん一覧いちらん

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いろ[※ 4] 路線ろせんめい 開業かいぎょうねん 区間くかん キロほど おも形式けいしき えきすう
  ベーカールーせん
(Bakerloo Line)
1906ねん ハローウ& ウィルドストーン - エレファント&キャッスル 23km シールド 25
  セントラルせん
(Central Line)
1900ねん ウェスト・ライスリップ、イーリング・ブロードウェイ - エピング、ヘインオルト、ニューブリーパーク 74km シールド 49
  サークルせん
(Circle Line)
1884ねん ハマースミス - ベーカーストリート - リヴァプール・ストリート -タワー・ヒル - ヴィクトリア - エッジウェア・ロード 22km 開削かいさく 27
  ディストリクトせん
(District Line)
1868ねん イーリング・ブロードウェイ、リッチモンド、ウィンブルドン、ケンジントン・オリンピア - アップミンスター、エッジウェア・ロード 64km 開削かいさく 60
  ハマースミス&シティーせん
(Hammersmith & City Line)
1863ねん ハマースミス - バーキング 26km 開削かいさく 28
  ジュビリーせん
(Jubilee Line)
1979ねん スタンモア - ストラトフォード 36km シールド 27
  メトロポリタンせん
(Metropolitan Line)
1863ねん アマーシャム、ワトフォード、アックスブリッジ - オールドゲート 67 km 開削かいさく 34
  ノーザンせん
(Northern Line)
1890ねん ハイ・バーネット、エッジウェア、ミル・ヒル・イースト - モーデン、バタジー・パワーステーション 58km シールド 50
  ピカデリーせん
(Piccadilly Line)
1906ねん ヒースロー・ターミナル2、 3、4、5、アックスブリッジ- コックフォスターズ 71km シールド 52
  ヴィクトリアせん
(Victoria Line)
1968ねん ブリクストン - ウォルサムストウ・セントラル 21km シールド 16
  ウォータールー&シティーせん
(Waterloo & City Line)
1898ねん ウォータールー - バンク 2km シールド 2
  エリザベスせん
(ElizabethLine)
2022ねん リーディング、ヒースローターミナル4、5、- シェルフォード、アビー・ウッド 97km 開削かいさく 41
 
  イースト・ロンドンせん
(East London Line)

現在げんざいロンドン・オーバーグラウンド

1869ねん ニュー・クロス - ホワイトチャペル 8 km 開削かいさく 8
  • イーストロンドンせんは、2007ねん12月22にち営業えいぎょう停止ていしされた。この路線ろせんは、2010ねんロンドン・オーバーグラウンド一部いちぶとして再開さいかい
 
ロンドン地下鉄ちかてつ路線ろせん(ゾーン1・2)
 
おおきさのことなる2つの車両しゃりょう
おおきいほう地下鉄ちかてつ初期しょき開設かいせつされた直径ちょっけいおおきなせんはしAけいひだり)、ちいさなほう経費けいひ削減さくげんのため直径ちょっけいちいさくして掘削くっさく費用ひよう節減せつげんして開設かいせつされたしんせん1938 Stockみぎ

路線ろせんおおきく2種類しゅるいけられる。開削かいさく工法こうほうつくられた地表ちひょう6mほどの比較的ひかくてきあさ路線ろせんと、シールド工法こうほうつくられた地表ちひょう20mほどの路線ろせんがある(うえの "the Tube" の写真しゃしん参照さんしょう)。前者ぜんしゃ比較的ひかくてき初期しょきにできた路線ろせんで、車両しゃりょう限界げんかいもイギリスの標準ひょうじゅんてきなサイズである。しかし、後者こうしゃはトンネル直径ちょっけいが3.56mしかないため、車輌しゃりょうしょう断面だんめんである。これは、建設けんせつされた20世紀せいき初頭しょとうには、だい断面だんめんシールドマシン存在そんざいしなかったためである。全般ぜんぱんてき地上ちじょう区間くかんおおく、地下ちか区間くかん全体ぜんたいの45%ほどである。

きゅうせんしんせん両者りょうしゃともにアンダーグラウンドもしくはチューブとばれており、旧来きゅうらいせんをアンダーグラウンド、しんせんをチューブとけるというのは間違まちがいである。あえてえばアンダーグラウンドが正式せいしき名称めいしょう、チューブが愛称あいしょうである。

ジュビリーせんのすべてのせん接続せつぞくする唯一ゆいいつ路線ろせんである。ディストリクトせんはこれにぐが、メトロポリタンせんにあとやく20mのところで接続せつぞくしそこなっている。

アーセナルえきはロンドンのサッカークラブから名前なまえをとった唯一ゆいいつえきである(以前いぜんはジレスピー・ロードえきしょうした)。ウェスト・ハムえきもこれにちかいが、チームめいウェストハム・ユナイテッドである。

イギリスの人気にんきテレビドラマサンダーバードでは地下ちかねむわすられた遺構いこうのような設定せっていでロンドン地下鉄ちかてつえき登場とうじょうする。廃墟はいきょしたピカデリーサーカスえきとバンクえきのプラットホームの描写びょうしゃがある。

275のえきすべてを最短さいたんしゅう記録きろくは18あいだ35ふん43びょう。これはジェフ・マーシャルとニール・ブレイクが保持ほじしている。

運賃うんちん

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オイスターカード

2015ねん1がつ2にち運賃うんちん改定かいていされた。

ロンドン地下鉄ちかてつでは、運賃うんちん体系たいけいゾーンせいおよび時間じかんたいべつ運賃うんちん採用さいようしている。ゾーンは、市内しない中心ちゅうしんからの距離きょりおうじて9つにけられていて、中心ちゅうしんゾーン1中心ちゅうしんからもっともとお外側そとがわがゾーン9とゾーン・スペシャル(Special fares apply)の2つである。ゾーン・スペシャルにはいえきは、さきのWatford Junctionえきのみである。ゾーンせいのため、コヴェント・ガーデンえき - レスター・スクウェアえきのように250mしかない区間くかんでも、ゾーン1いっぱいっても同額どうがくである。ピーク運賃うんちんは2つあり、平日へいじつの6時半じはんから9時半じはんまでと、1630ふんから19までに適用てきようされる。

かみ切符きっぷ現金げんきんにて購入こうにゅうして乗車じょうしゃする場合ばあい時間じかんたいにかかわらず4.80の均一きんいつ運賃うんちんである。

パリの地下鉄ちかてつ運賃うんちんが€1.7均一きんいつ[※ 5]であることと比較ひかくし、ロンドン地下鉄ちかてつ高額こうがくであるとわれることもある[※ 5]

オイスターカード使用しよう運賃うんちん

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オイスターカードというICカードでは、かみ切符きっぷよりやす運賃うんちん適用てきようされる。その理由りゆうは、オイスターの使用しよう促進そくしんのためにあえてかみ切符きっぷ運賃うんちんたかくしているからである。オイスターでは時間じかんべつ運賃うんちん適用てきようされる。オイスターカードで乗車じょうしゃする場合ばあいは、ゾーン1の場合ばあい£2.30に、そののゾーンの場合ばあいはその距離きょり時間じかんたいによってわるが、最低さいていでも£1.10(ゾーン1 - 9をピーク利用りようした場合ばあい)は割引わりびきされる。また、「どんな場合ばあいでもオイスターカードを利用りようするほう割安わりやすになる」原則げんそくもとづき、1にち午前ごぜん4 - よく午前ごぜん4)の利用りよう料金りょうきん合計ごうけいが、利用りようしたゾーンにおうじた上限じょうげんがく(CAP, ゾーン1、2の場合ばあい£6.30)にたっした場合ばあい、それ以上いじょうかれないようになっている。1にちようのトラベルカードよりもオイスターカードの上限じょうげんのほうが安価あんかである。

運賃うんちん
オイスターカード利用りよう 現金げんきん
ピーク オフピーク
ゾーン1をふく場合ばあい運賃うんちん
ゾーン1のみ £2.30 £2.30 £4.80
ゾーン1-2 £2.90 £2.30 £4.80
ゾーン1-3 £3.30 £2.80 £4.80
ゾーン1-4 £3.90 £2.80 £5.80
ゾーン1-5 £4.70 £3.10 £5.80
ゾーン1-9 £6.90 £4.00 £8.40
ゾーン1をふくまない場合ばあい運賃うんちん
1つから3つのゾーン £1.70 £1.50 £4.80
4つから5つのゾーン £2.80 £1.50 £5.80

トラベルカード使用しよう運賃うんちん

編集へんしゅう

トラベルカードとばれる放題ほうだい切符きっぷもあり、たとえばかみのオフピークようトラベルカード1にちけん場合ばあい、ゾーン1 - 6有効ゆうこうのものは£12、ゾーン1 - 9で有効ゆうこうなものは£12.80、複数ふくすう有効ゆうこうのものもある。このトラベルカードで有効ゆうこうなゾーンないであればバス、ナショナル・レイルDLRトラムリンクロンドン・オーバーグラウンドにも追加ついか料金りょうきんなしでることができる。また、テムズがわ航行こうこうするリバー・サービスの3ぶんの1わりひかされる。

トラベルカードまたはオイスターカード利用りよう価格かかく上限じょうげん
オイスターカード利用りよう価格かかく上限じょうげん トラベルカード
ピーク オフピーク 終日しゅうじつ利用りよう オフピーク
利用りよう範囲はんい
ゾーン1-2 £6.40 £6.40 £12.00 £12.00
ゾーン1-3 £7.50 £7.50 £12.00 £12.00
ゾーン1-4 £9.20 £9.20 £12.00 £12.00
ゾーン1-5 £10.90 £10.90 £17.00 £12.00
ゾーン1-6 £11.70 £11.70 £17.00 £12.00
ゾーン2 £6.40 £6.40 £12.00 £12.00
ゾーン2-3 £7.50 £7.50 £12.00 £12.00
ゾーン2-6 £11.70 £11.70 £17.00 £12.00

車両しゃりょう軌道きどう電化でんか方式ほうしき

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2010ねん運用うんよう開始かいしSかたち電車でんしゃ

軌間きかん(ゲージ)は標準軌ひょうじゅんき(1,435 mm)である。

ロンドン地下鉄ちかてつ電化でんか方式ほうしき世界せかいてきにもめずらしい「4レールシステム」(Four-rail system)を採用さいようしている。

通常つうじょう架線かせんあるいは、走行そうこうレールのよこにある電力でんりょく供給きょうきゅうようのレール(だいさん軌条きじょう<サードレール>)に電圧でんあつがかかっており、電圧でんあつがかかっていない走行そうこうレールに電流でんりゅうす(でん)。ロンドン地下鉄ちかてつでは、走行そうこうレールとはべつに、だいさん軌条きじょうだいよん軌条きじょう(フォースレール)という2ほん電源でんげんようレールがある。走行そうこうレール外側そとがわのレールには直流ちょくりゅう+420V電圧でんあつ走行そうこうレールのあいだのレールには直流ちょくりゅう-210Vの電圧でんあつがかけられている。それらの直流ちょくりゅう630Vで走行そうこうする。

リージェント・パークえきピカデリー・サーカスえきハイド・パーク・コーナーえきウェストミンスターえきおよびバンクえきの5えき出入でいぐち階段かいだん以外いがい一切いっさい地上ちじょう構造こうぞうぶつたない完全かんぜん地下ちかえきである。

ふるえき通路つうろは、長身ちょうしんひとかがんであるかないと天井てんじょう電灯でんとうあたまをぶつけるような、天井てんじょうひくせまいものがある。コヴェント・ガーデンえきハムステッドえきのように地上ちじょうとホームとの連絡れんらく通常つうじょうはエレベーターを使つかい、通路つうろ非常ひじょうよう限定げんていしているえきもある。各駅かくえきのエスカレータはすべてが専用せんよう設計せっけいされたものである。最長さいちょうのエスカレータはエンジェルえきのもので、ながさ60m(197フィート) 、高低こうてい27.5m(90フィート) である[※ 3]。これはヨーロッパ最長さいちょうである。エスカレータは1にち20あいだ、1ねん364にち平均へいきん稼働かどうりつ95%で1あいだあたり1まん3,000にん乗客じょうきゃくはこんでいる。エスカレータでは右側みぎがわち、ひとのために左側ひだりがわをあけることは、もともとは習慣しゅうかんてきなものだったが、いま[いつ?]ではそのように案内あんないがなされている。

ウェストミンスターえきなど、ジュビリーせん一部いちぶホームドア設置せっちしているえきもある。

ロンドンでは30える年数ねんすうしかないため、基本きほんてき地下鉄ちかてつ施設しせつ列車れっしゃには冷房れいぼう装置そうちがなかった。そのため、記録きろくてき猛暑もうしょおそわれた2006ねんなつはホームや列車れっしゃない温度おんどが50℃ちかくにたっし、大量たいりょう熱中ねっちゅうしょうによる死者ししゃ発生はっせいした。そのため、からだよわひとはできるだけ地下鉄ちかてつ使つかわないようにという通達つうたつた。2010ねん8がつからメトロポリタンせん冷房れいぼうしゃ登場とうじょうし、その、サークルせんなどに投入とうにゅう予定よていである[3]

50まんひきネズミ地下鉄ちかてつ生息せいそくしていると推測すいそくされており、しばしば線路せんろプラットフォームうえはしるのが目撃もくげきされる。テレビ・パーソナリティーのアンセア・ターナーは「ロンドンの地下鉄ちかてつネズミ」の一連いちれん童話どうわシリーズをあらわした。

ロンドン地下鉄ちかてつおよびバスの路線ろせん時刻じこくひょう駅名えきめいなどで使用しようされている書体しょたいジョンストン英語えいごばん(Johnston)は、最初さいしょ1916ねんエドワード・ジョンストンがデザインした。小文字こもじの「i(アイ)」や「j(ジェイ)」のてん菱形ひしがたで、「l(エル)」にはカギじょうのシッポがついているなど、特徴とくちょうてきなサンセリフ書体しょたいである。また、ジョンストンは1919ねんにロンドン地下鉄ちかてつロゴタイプであるブルズアイ(bullseye)もデザインしている。円形えんけいマーク(roundel)に駅名えきめいなどのラベルを交差こうささせたもので、ロンドンのいたるところでにすることができる。なお、ジョンストン・サンズ誕生たんじょう100ねんにあたる2016ねん現在げんざい、ロンドン地下鉄ちかてつ使つかわれている書体しょたいニュー・ジョンストン(New Johnston)は、1979ねんから80年代ねんだいにかけて、バンクス・アンド・マイルズしゃくわわっていた日本人にっぽんじんデザイナー河野こうの英一ひでかずがジョンストン・サンズをもとにリデザインしたものである[4]

2005ねん1がつ、ロンドン地下鉄ちかてつえき構内こうない若者わかものらされるのを防止ぼうしする目的もくてきクラシック音楽おんがくなが計画けいかく発表はっぴょうした。ニューカッスルのタイン・アンド・ウェア地下鉄ちかてつでの試行しこうでは駅員えきいんたいする暴行ぼうこう行為こういが33%減少げんしょうしたためである。

「マデレーン」という名前なまえ香水こうすいもちいて、悪臭あくしゅうただよ地下鉄ちかてつをより快適かいてきなものにするという実験じっけん2001ねん3月23にちから、セント・ジェームズ・パークえきユーストンえきピカデリー・サーカスえき開始かいしされた。実験じっけん気分きぶんわるくなる乗客じょうきゃく続出ぞくしゅつしたため、よく3月24にち中断ちゅうだんされた。

えき設備せつび一部いちぶには、日本語にほんご案内あんない提示ていじされている。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ イギリス英語えいご発音はつおん[ˈlʌndən ˌʌndəˈɡraʊnd] ンドゥン・アンダグウンドゥ (ンドゥナンダグウンドゥ)
  2. ^ イギリス英語えいご発音はつおん[tjuːb] テューブ
  3. ^ a b "Key facts”. Transport for London. 2007ねん5がつ29にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2008ねん2がつ5にち閲覧えつらん"によると、路線ろせん全長ぜんちょうは 253 mi (407 km) である。しかし、2007ねん7がつづけのにはおな路線ろせんちょうだが、よりおおえきすうしるされている。これはイーストロンドンせん全長ぜんちょうやく 7 km、休止きゅうし反映はんえい不完全ふかんぜんであるためとおもわれる。
  4. ^ いろLondon Underground Archived 2011ねん5がつ20日はつか, at WebCite参照さんしょう
  5. ^ a b 2012ねん1がつ19にち為替かわせ相場そうばによると、£1≒145えん、€1≒120えんである。ただし、1990ねんには£1=270えん、2008ねん8がつ1にちには£1=198えん、€1=160えんであり、ロンドン地下鉄ちかてつのパリ地下鉄ちかてつ比較ひかくした割高わりだかかんはよりおおきかった。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c イギリス・ロンドン - 世界せかい地下鉄ちかてつ”. 日本にっぽん地下鉄ちかてつ協会きょうかい. 2015ねん11月1にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c ロンドン地下鉄ちかてつ開業かいぎょう150周年しゅうねん”. 英国えいこくニュースダイジェスト. 2020ねん12月3にち閲覧えつらん
  3. ^ ロンドン地下鉄ちかてつに“長崎ながさきさん空調くうちょう機器きき 三菱電機みつびしでんき長崎ながさき製作所せいさくしょ製造せいぞう長崎ながさき新聞しんぶん 2010ねん9がつ1にち
  4. ^ 『ジョンストンのロンドン地下鉄ちかてつ書体しょたい』(烏有うゆう書林しょりん、2010ねんISBN 978-4-904596-01-2

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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