戦略 せんりゃく のためのシェルターは、戦争 せんそう 時 どき の各種 かくしゅ 攻撃 こうげき を避 さ けて生 い き延 の びるために人間 にんげん が一時 いちじ 的 てき に利用 りよう する空間 くうかん である。その規模 きぼ は、収容 しゅうよう 人数 にんずう 数 すう 千 せん 人 にん 規模 きぼ のもの、会議 かいぎ 場 じょう などの施設 しせつ を備 そな えたもの、一般 いっぱん 家庭 かてい 用 よう の小型 こがた のものなど様々 さまざま である。多 おお くは地下 ちか に作 つく られ、第 だい 二 に 次 じ 世界 せかい 大戦 たいせん 後 のち にはNBC兵器 へいき による攻撃 こうげき を意識 いしき したものが建設 けんせつ されるようになる。特 とく に冷戦 れいせん 時 とき には、核兵器 かくへいき への恐怖 きょうふ が高 たか まり、核 かく シェルター が公的 こうてき にも私的 してき にもあいついで建造 けんぞう された。
一般 いっぱん 個人 こじん 向 む けなど家族 かぞく ・家庭 かてい での利用 りよう を想定 そうてい した小型 こがた のシェルター(特 とく に核 かく シェルター)も商品 しょうひん 化 か されており、災害 さいがい ・テロ ・戦争 せんそう に危機 きき 感 かん を抱 いだ く人々 ひとびと が自宅 じたく に設置 せっち している。
比較的 ひかくてき 安価 あんか で簡易 かんい なシェルターとしては、自宅 じたく などの一室 いっしつ を改造 かいぞう して屋内 おくない 退避 たいひ するものがある。これは、改造 かいぞう する部屋 へや から窓 まど を無 な くして(あるいは、外気 がいき を遮断 しゃだん 可能 かのう な窓 まど に改造 かいぞう して)壁 かべ 材 ざい を工夫 くふう することで部屋 へや を補強 ほきょう したうえ、ULPA 等 ひとし の濾過 ろか 装置 そうち つきの換気 かんき 口 こう と外気 がいき を遮断 しゃだん できるドアを設置 せっち するものである。有事 ゆうじ には密閉 みっぺい し、室外 しつがい と室内 しつない とのつながりを、換気 かんき 口 こう の濾過 ろか 装置 そうち のフィルタを介 かい しての換気 かんき のみとするのである。酸 さん 欠 かけ 防止 ぼうし のため、換気 かんき 装置 そうち は必須 ひっす である。このシェルターは、核 かく 戦争 せんそう や爆 ばく 撃 げき に耐 た えることはできないが、BCR(生物 せいぶつ 兵器 へいき ・化学 かがく 兵器 へいき ・放射 ほうしゃ 性 せい 降下 こうか 物 ぶつ )に対 たい しては大 おお いに有効 ゆうこう である。部屋 へや の造 つく りが強固 きょうこ になることで、強盗 ごうとう の侵入 しんにゅう などに対 たい する防犯 ぼうはん 上 じょう の利点 りてん も生 う まれる。
比較的 ひかくてき 高価 こうか で本格 ほんかく 的 てき なものとしては、地下 ちか を掘削 くっさく して、プレハブ式 しき のシェルターを組 く み立 た てる・コンテナ式 しき のシェルターを嵌 は め込 こ む・現場 げんば でコンクリートを打 う つなどの方法 ほうほう で施工 しこう する。庭 にわ やガレージ などに設 もう けたハッチか、地下 ちか 室 しつ と繋 つな がったドアをシェルターの出入 でい り口 ぐち とする。中 なか には、厚 あつ いコンクリート の防音 ぼうおん 性能 せいのう を生 い かした音楽 おんがく 室 しつ 、地下 ちか の環境 かんきょう を生 い かしたワインセラー などの機能 きのう を兼用 けんよう するなど、平時 へいじ にも有効 ゆうこう 利用 りよう できるよう工夫 くふう されることがある。建物 たてもの を新築 しんちく する際 さい にシェルターを組 く み込 こ むように施工 しこう すれば、建築 けんちく 費 ひ を削減 さくげん できる。
なお、こういったシェルターは戦争 せんそう や紛争 ふんそう といった脅威 きょうい から身 み を守 まも るだけではなく、ハリケーン や隕石 いんせき 衝突 しょうとつ といった自然 しぜん 災害 さいがい や宇宙 うちゅう 災害 さいがい から身 み を守 まも るのにも有効 ゆうこう である。このため、汎用 はんよう 型 がた の家庭 かてい 向 む けシェルターにも、核 かく や生物 せいぶつ ・化学 かがく 兵器 へいき による大気 たいき 汚染 おせん より身 み を守 まも る重 じゅう 装備 そうび のものから、半地 はんじ 下 か 式 しき で爆 ばく 撃 げき や災害 さいがい のみに対応 たいおう したものまで様々 さまざま なタイプが見 み られる。
代表 だいひょう 例 れい としてアメリカ政府 せいふ 高官 こうかん 用 よう 核 かく シェルター
編集 へんしゅう
シェルターには、防火 ぼうか ・遮蔽 しゃへい ・気密 きみつ などの機能 きのう が求 もと められる。攻撃 こうげき によって起 お こった社会 しゃかい 的 てき 混乱 こんらん から、身 み を隠 かく す意味 いみ も持 も つ。
核兵器 かくへいき を想定 そうてい するならば、一 いち 次 じ 放射線 ほうしゃせん や爆風 ばくふう を避 さ けることのほか、散 ち らばった放射 ほうしゃ 性 せい 降下 こうか 物 ぶつ や、そこから発 はっ せられる二 に 次 じ 放射線 ほうしゃせん による被曝 ひばく を避 さ けることが目的 もくてき である。放射線 ほうしゃせん 遮蔽 しゃへい 機能 きのう は、周囲 しゅうい をコンクリートで覆 おお う・地下 ちか 深 ふか いところに設置 せっち するなどでそれを実現 じつげん する。出入 でい り口 ぐち には、遮蔽 しゃへい 効果 こうか の高 たか い金属 きんぞく 製 せい の厚 あつ いドアが用 もち いられる。また、環境 かんきょう を汚染 おせん して人体 じんたい に害 がい を及 およ ぼす放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ などを内部 ないぶ に入 い れてはならないため、気密 きみつ 性 せい がもっとも重要 じゅうよう 視 し される。特 とく に出入 でい り口 ぐち はゴム パッキン などで密閉 みっぺい しなければならない。それでも利用 りよう 者 しゃ の呼吸 こきゅう のためには換気 かんき が必須 ひっす であり、換気 かんき 装置 そうち には高性能 こうせいのう な濾過 ろか 機能 きのう を持 も ったフィルタ を取 と り付 つ けて安全 あんぜん な空気 くうき を外部 がいぶ から供給 きょうきゅう する。
こういった設備 せつび を稼動 かどう させるためには電力 でんりょく の確保 かくほ も必要 ひつよう だが、外部 がいぶ からの電力 でんりょく 供給 きょうきゅう に頼 たよ っていては大 だい 規模 きぼ な攻撃 こうげき や災害 さいがい の際 さい には全 まった く役 やく にたなくなる。このため、自家 じか 発電 はつでん 設備 せつび を備 そな えるほか、それら発電 はつでん 機 き の燃料 ねんりょう などの備蓄 びちく も必要 ひつよう である。例 たと えばディーゼルエンジン なら、普段 ふだん は家屋 かおく の暖房 だんぼう に使 つか っている燃料 ねんりょう をそのまま流用 りゅうよう できるかもしれない。ただ最悪 さいあく の場合 ばあい では、これら電源 でんげん 用 よう の動力 どうりょく 源 げん が切 き れた場合 ばあい を想定 そうてい し、空気 くうき の濾過 ろか 器 き や外部 がいぶ に通 つう じる扉 とびら などには人力 じんりき で動作 どうさ させられる安全 あんぜん 装置 そうち が組 く み込 こ まれる。
シェルターの中 なか は避難 ひなん 生活 せいかつ を送 おく れるだけの環境 かんきょう が必要 ひつよう である。核 かく 災害 さいがい を想定 そうてい するならば、地上 ちじょう にばら撒 ま かれた化学 かがく 兵器 へいき の有毒 ゆうどく 成分 せいぶん が分解 ぶんかい したり放射 ほうしゃ 性 せい 物質 ぶっしつ が十分 じゅうぶん に崩壊 ほうかい し、放射線 ほうしゃせん 量 りょう が安全 あんぜん なレベルに低下 ていか するまでの期間 きかん をシェルター内 ない でやり過 す ごす必要 ひつよう がある。その備 そな えとして、非 ひ 常食 じょうしょく や水 みず 、薬品 やくひん など、最低限 さいていげん 命 いのち をつなぐための物品 ぶっぴん を置 お いておくことがある。また、放射線 ほうしゃせん 防護 ぼうご 服 ふく などいよいよ1か所 しょ に留 とど まっていられないほど危機 きき 的 てき な状況 じょうきょう に備 そな え、防護 ぼうご 措置 そち を備 そな える場合 ばあい もある。
イスラエル とスイス では、他国 たこく からの攻撃 こうげき に核兵器 かくへいき や生物 せいぶつ 化学 かがく 兵器 へいき の使用 しよう も懸念 けねん されるため、学校 がっこう や病院 びょういん 等 とう の公共 こうきょう 施設 しせつ に市民 しみん シェルターがあり、国民 こくみん には呼吸 こきゅう 用 よう の防毒 ぼうどく マスクが無料 むりょう で支給 しきゅう されている。イスラエルでは、1992年 ねん に家 いえ にも安全 あんぜん 基準 きじゅん が設 もう けられ、メルカブ・ムガン (英語 えいご 版 ばん ) という避難 ひなん 室 しつ の設置 せっち が義務付 ぎむづ けられた。スウェーデン 、フィンランド 、ノルウェー にも、公共 こうきょう の場 ば に市民 しみん シェルターの用意 ようい があり、有事 ゆうじ の際 さい には国民 こくみん の大半 たいはん を収容 しゅうよう 可能 かのう とされる。上記 じょうき の5か国 こく では、個人 こじん がシェルターを持 も つことも奨励 しょうれい されている。
イギリス とフランス では、有事 ゆうじ の際 さい に指揮 しき を執 と る政治 せいじ 家 か や政府 せいふ 高官 こうかん のためのシェルターは完備 かんび しているものの、公共 こうきょう の場 ば にシェルターはない。シェルターに入 い れない国民 こくみん には、屋内 おくない 退避 たいひ が指示 しじ されることになっている。アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく では、冷戦 れいせん 時代 じだい に政府 せいふ 存続 そんぞく 計画 けいかく を取 と りまとめ、北 きた アメリカ航空 こうくう 宇宙 うちゅう 防衛 ぼうえい 司令 しれい 部 ぶ 等 ひとし の軍事 ぐんじ 施設 しせつ や政府 せいふ 機関 きかん にはシェルターを完備 かんび している(例 れい としてホワイトハウスの大統領 だいとうりょう 危機 きき 管理 かんり センター )。冷戦 れいせん 時代 じだい には公共 こうきょう の場 ば にも市民 しみん シェルターを用意 ようい していたが、現在 げんざい ではその大半 たいはん が廃 すた れている。それでも、アメリカ戦略 せんりゃく 軍 ぐん は核 かく 戦争 せんそう をも想定 そうてい した単一 たんいつ 統合 とうごう 作戦 さくせん 計画 けいかく を堅持 けんじ し、戦略 せんりゃく 軍 ぐん の実働 じつどう 部隊 ぶたい である航空 こうくう 戦闘 せんとう 軍団 ぐんだん およびアメリカサイバー軍 ぐん はアメリカ本土 ほんど の護 まも りを万全 ばんぜん にしている。
アメリカ では、ウェストバージニア州 しゅう ホワイト・サルファー・スプリングスのホテル「グリーンブライアー」 の地下 ちか に連邦 れんぽう 議会 ぎかい の巨大 きょだい な核 かく シェルター が存在 そんざい することが明 あき らかとなっている[ 1] 。アメリカの核 かく シェルター会社 かいしゃ であるビボス社 しゃ (VIVOS社 しゃ )はアメリカ軍 ぐん の防空壕 ぼうくうごう や弾薬 だんやく 庫 こ を改造 かいぞう して堅固 けんご な核 かく シェルターを販売 はんばい している事 こと で有名 ゆうめい である。アメリカ軍 ぐん の核 かく シェルターの建設 けんせつ はテキサス州 しゅう のライジングSバンカーズ社 しゃ (Rising S Bunkers社 しゃ )が請 う け負 お っている。また、他 た にコロラド州 しゅう やユタ州 しゅう などに分譲 ぶんじょう 式 しき の核 かく シェルター販売 はんばい 会社 かいしゃ が存在 そんざい する。
既存 きそん 構造 こうぞう 物 ぶつ のシェルターとしての利用 りよう
編集 へんしゅう
地下街 ちかがい ・地下鉄 ちかてつ ・地下 ちか 駐車 ちゅうしゃ 場 じょう ・地下 ちか 通路 つうろ なども、シェルターの代 か わりとして利用 りよう することができる。地下 ちか 深 ふか く設置 せっち され、厚 あつ いコンクリートで覆 おお われ、出入 でい り口 ぐち にシャッター が設置 せっち されているなど、シェルターに必要 ひつよう な要件 ようけん を多 おお く備 そな えている施設 しせつ は日本 にっぽん の津々浦々 つつうらうら に多数 たすう 存在 そんざい する。ただし、これらは特別 とくべつ な改修 かいしゅう をされていない限 かぎ り、大量 たいりょう 破壊 はかい 兵器 へいき に対 たい しては無力 むりょく である(詳細 しょうさい は後述 こうじゅつ )。
ロンドン地下鉄 ちかてつ は第 だい 二 に 次 じ 大戦 たいせん 当時 とうじ 、ロンドン市内 しない 目掛 めが けて飛 と んでくるV1飛行 ひこう 爆 ばく 弾 だん やV2ロケット による無 む 差別 さべつ 攻撃 こうげき から避難 ひなん した市民 しみん でごった返 がえ した。ロンドン地下鉄 ちかてつ は駅 えき によっては相当 そうとう な深度 しんど にまで掘 ほ り抜 ぬ いた駅 えき もあり、避難 ひなん 所 しょ としての機能 きのう を果 は たすと考 かんが えられたのであるが、実際 じっさい には爆 ばく 撃 げき に耐 た えられず、多 おお くの犠牲 ぎせい 者 しゃ を出 だ した(詳細 しょうさい はen:Balham_station#Second World War を参照 さんしょう )。イアン・マキューアンの『贖罪 しょくざい 』やその映画 えいが 版 ばん 『つぐない 』では、この時 とき の物語 ものがたり が描 えが かれている。
ベルリン では急速 きゅうそく な都市 とし 化 か に対応 たいおう するため、1874年 ねん にクロイツベルク にガス貯蔵 ちょぞう 施設 しせつ が建設 けんせつ された。このレンガ作 づく りのドーム建築 けんちく 物 ぶつ は市内 しない の街灯 がいとう に燃料 ねんりょう ガス を供給 きょうきゅう していたが、電灯 でんとう の普及 ふきゅう によって1922年 ねん 以降 いこう は利用 りよう されなくなった。その後 ご 1940年 ねん になって防空 ぼうくう シェルターとして改造 かいぞう され、地番 ちばん (フィヒテ通 どお り)からフィヒテブンカーと呼 よ ばれた。フィヒテブンカーは1945年 ねん の敗戦 はいせん まで砲 ほう 爆撃 ばくげき に耐 た え抜 ぬ き、最大 さいだい 約 やく 3万 まん 人 にん の避難 ひなん 者 しゃ を収容 しゅうよう していた。戦後 せんご は社会 しゃかい 福祉 ふくし 施設 しせつ や倉庫 そうこ として利用 りよう されていた。2010年 ねん には最 さい 上層 じょうそう に分譲 ぶんじょう 住居 じゅうきょ が増設 ぞうせつ され、下層 かそう 部 ぶ は市内 しない 防空壕 ぼうくうごう 見学 けんがく コース(ベルリーナー・ウンターヴェルテン)の一環 いっかん として見学 けんがく が可能 かのう である。
人間 にんげん は自然 しぜん 環境 かんきょう の中 なか で、風雨 ふうう に晒 さら されるなどの要因 よういん によって体温 たいおん が極端 きょくたん に下 さ がると、低 てい 体温 たいおん 症 しょう に陥 おちい る。また、強 つよ い日光 にっこう などによって体温 たいおん が極端 きょくたん に上 あ がると、熱中 ねっちゅう 症 しょう を引 ひ き起 お こす。
墜落 ついらく や遭難 そうなん などで文明 ぶんめい 社会 しゃかい から隔絶 かくぜつ された環境 かんきょう では、救助 きゅうじょ を待 ま つ間 あいだ は十分 じゅうぶん な医療 いりょう を受 う けにくい状態 じょうたい であるため、健康 けんこう 管理 かんり は十分 じゅうぶん に注意 ちゅうい を払 はら うべき要素 ようそ である。その点 てん で風雨 ふうう や日光 にっこう を防 ふせ ぐ場所 ばしょ は体力 たいりょく を温存 おんぞん する上 じょう で重要 じゅうよう であり、例 たと えばアメリカ軍 ぐん の歩兵 ほへい が行 おこな うサバイバル訓練 くんれん では、こういったシェルターの設営 せつえい も重要 じゅうよう な科目 かもく に位置付 いちづ けられている。
最 もっと も装備 そうび が充実 じゅうじつ している場合 ばあい で、寝袋 ねぶくろ やテント を持 も っているなら色々 いろいろ な意味 いみ で生存 せいぞん に有利 ゆうり である。これらは快適 かいてき な睡眠 すいみん 環境 かんきょう を整 ととの えるための工夫 くふう が凝 こ らされており、設置 せっち 場所 ばしょ を間違 まちが えなければ様々 さまざま な意味 いみ で快適 かいてき な屋外 おくがい 生活 せいかつ が送 おく れる。しかし、テントの設置 せっち 場所 ばしょ を間違 まちが えてしまうと、そのメリットが薄 うす れるどころか、逆 ぎゃく に危険 きけん にさらされてしまう。例 たと えば、低地 ていち や河 かわ の側 がわ に設営 せつえい したために河川 かせん が氾濫 はんらん した時 とき には浸水 しんすい したり流 なが されたり、野生 やせい 動物 どうぶつ のいる環境 かんきょう ではこれら野生 やせい 動物 どうぶつ にテントを壊 こわ されたり寝床 ねどこ を奪 うば われたり、または設置 せっち 強度 きょうど が低 ひく く風 ふう で飛 と ばされたりといった問題 もんだい も発生 はっせい する。
テントがない場合 ばあい でも、身 み の回 まわ りのものを活用 かつよう してシェルターを作 つく ることは可能 かのう である。パラシュート などで航空機 こうくうき から脱出 だっしゅつ した場合 ばあい には、このパラシュートの有 あ り余 あま る布 ぬの でテントを作 つく ったり、またはパラシュートの紐 ひも (コード と呼 よ ばれる)を使 つか ってシェルターを作 つく る。この場合 ばあい はナイフ を使 つか って様々 さまざま な工作 こうさく をすることで、パラシュートからテントやシェルターのほか、食料 しょくりょう を確保 かくほ するための罠 わな の作成 さくせい 方法 ほうほう までもが、歩兵 ほへい マニュアル上 じょう などで見 み られる。アメリカ先住民 せんじゅうみん 族 ぞく のラコタ 族 ぞく が使 つか うティピー と呼 よ ばれる簡易 かんい テントは、同 おな じくらいの長 なが さの木 き の棒 ぼう 数 すう 本 ほん の一端 いったん を束 たば ねた骨組 ほねぐ みに布 ぬの か皮 かわ を巻 ま きつけた円錐 えんすい 型 がた テントだが、これもパラシュートを流用 りゅうよう して作 つく り易 やす い。
簡便 かんべん なものでは、葉 は の付 つ いたままの枝 えだ を横倒 よこだお しにした木 き に大量 たいりょう に立 た てかけて、これを簡易 かんい のシェルターとする方法 ほうほう もある。また、直射 ちょくしゃ 日光 にっこう を避 さ けるためには、単 たん に木陰 こかげ というだけでも立派 りっぱ なシェルターである。更 さら に砂漠 さばく など昼間 ひるま は酷暑 こくしょ で夜 よる は寒冷 かんれい な地帯 ちたい では、地面 じめん に溝 みぞ を掘 ほ ってその両 りょう 端 はし に土砂 どしゃ を積 つ み上 あ げ、布 ぬの を二 に 重 じゅう にして日光 にっこう と熱 ねつ をさえぎると、昼間 ひるま は一 いち 枚 まい 目 め の布 ぬの で直射 ちょくしゃ 日光 にっこう による熱 ねつ が防 ふせ がれ、二枚目 にまいめ の布 ぬの で夜間 やかん の放熱 ほうねつ が防 ふせ がれるというシェルターになる。
雪山 ゆきやま や雪原 せつげん でビバーク する必要 ひつよう が発生 はっせい した時 とき にはイグルー (押 お し固 かた めた雪 ゆき のブロックを使 つか って作 つく る、かまくら よりも堅牢 けんろう なシェルター)とまで行 い かなくとも、雪洞 せつどう (積 つ もった雪 ゆき に穴 あな を掘 ほ って内側 うちがわ から壁 かべ を押 お し固 がた めただけ)というシェルターを利用 りよう することもできる。ただし雪崩 なだれ に遭 あ わないよう設営 せつえい 場所 ばしょ には十分 じゅうぶん な注意 ちゅうい が必要 ひつよう で、奥行 おくゆ きがあるシェルターの中 なか で火 ひ を焚 た く際 さい には換気 かんき にも配慮 はいりょ しなければならない。
なお、ゲリラ 戦 せん では一種 いっしゅ のカモフラージュ をほどこしたシェルターを配 はい して待 ま ち構 かま え、敵対 てきたい 勢力 せいりょく の通過 つうか を待 ま って罠 わな に掛 か ける戦術 せんじゅつ も見 み られる。
札幌 さっぽろ 市営 しえい 地下鉄 ちかてつ 南北 なんぼく 線 せん のシェルター(澄川 すみかわ 駅 えき - 自衛隊 じえいたい 前 ぜん 駅 えき 間 あいだ )
駅 えき やバス停 ばすてい 、タクシー スタンドなどで、旅客 りょかく や貨物 かもつ を雨風 あめかぜ から守 まも るために設置 せっち される覆 おお い(上屋 うわや )のことをシェルターと呼 よ ぶことがある。ヨーロッパ の大 おお きな駅 えき では、プラットホーム と線路 せんろ 全体 ぜんたい を覆 おお う巨大 きょだい なシェルターがしばしば見 み られ、プラットホームホールなどと呼 よ ばれることもある。(トレイン・シェッド を参照 さんしょう 。)
日本 にっぽん においては、平成 へいせい 12年 ねん の移動 いどう 円滑 えんかつ 化 か の促進 そくしん に関 かん する基本 きほん 方針 ほうしん (交通 こうつう バリアフリー法 ほう )制定 せいてい 後 ご 、高齢 こうれい 者 しゃ や身体 しんたい 障害 しょうがい 者 しゃ 等 とう の公共 こうきょう 交通 こうつう 機関 きかん を利用 りよう した移動 いどう の利便 りべん 性 せい 向上 こうじょう のため、一定 いってい 規模 きぼ の駅 えき とバス停 ばすてい との間 あいだ における通路 つうろ シェルターの整備 せいび が進 すす んでいる。
また、線路 せんろ や道路 どうろ 、地下道 ちかどう 入口 いりくち を雨 あめ や風 ふう 、雪 ゆき から防護 ぼうご するために設置 せっち するシェルターもある。強風 きょうふう が頻繁 ひんぱん に吹 ふ く場所 ばしょ で防風 ぼうふう 壁 かべ を設置 せっち するのは、シェルターの一種 いっしゅ である。また、積雪 せきせつ 地 ち においては、除雪 じょせつ の手間 てま を省 はぶ き安定 あんてい した輸送 ゆそう を確保 かくほ するために全体 ぜんたい をシェルターで覆 おお うことがあり、札幌 さっぽろ 市営 しえい 地下鉄 ちかてつ 南北線 なんぼくせん の例 れい が挙 あ げられる。トンネルが連続 れんぞく する区間 くかん においては、トンネル微 ほろ 気圧 きあつ 波 は 対策 たいさく などの関係 かんけい から間 あいだ をつなぐシェルターを設置 せっち することがある。また、高速 こうそく 道路 どうろ においては騒音 そうおん 防止 ぼうし のためにある特定 とくてい の区間 くかん 内 ない に設 もう けられており、その代表 だいひょう 的 てき なものが中国 ちゅうごく 自動車 じどうしゃ 道 みち の青葉台 あおばだい シェルター や中央 ちゅうおう 自動車 じどうしゃ 道 どう の烏山 からすやま シェルター である。前者 ぜんしゃ はトンネル式 しき 、後者 こうしゃ は高架 こうか に設 もう けられている。いずれも1970年代 ねんだい 半 なか ばに作 つく られた。建設 けんせつ された背景 はいけい には当時 とうじ の車 くるま の台数 だいすう の増加 ぞうか による騒音 そうおん の激化 げきか や、開発 かいはつ 反対 はんたい の運動 うんどう を懐柔 かいじゅう させるためにとった苦肉 くにく の策 さく などが挙 あ げられる。
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