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光子 - Wikipedia

光子こうしこうし記号きごう: γがんま[ちゅう 1])またはフォトン英語えいご: photon)とは、ひかり粒子りゅうしである。物理ぶつりがくにおける素粒子そりゅうしひとつであり、ひかりふくすべての電磁波でんじは量子りょうしかつ電磁でんじりょく媒介ばいかい粒子りゅうし英語えいごばんである。光量子こうりょうしこうりょうし英語えいご: light quantum)ともばれる[ちゅう 2]

光子こうし
レーザーからのコヒーレントビームで放出ほうしゅつされる光子こうし
組成そせい 素粒子そりゅうし
グループ ゲージ粒子りゅうし
相互そうご作用さよう 電磁でんじりょく
理論りろん アルベルト・アインシュタイン
記号きごう γがんま, hνにゅー または ħωおめが
質量しつりょう 0
<1×10−18 eV/c2[1]
平均へいきん寿命じゅみょう Stable[1]
電荷でんか 0
<1×10−35 e[1]
スピン 1
パリティ −1[1]
Cパリティ −1[1]
凝縮ぎょうしゅく対称たいしょうせい I(JPC)=0,1(1−−)[1]
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概要がいよう

編集へんしゅう

古代こだいから、ひかり本性ほんしょうについては「ひかり波動はどうせつ」と「ひかり粒子りゅうしせつ」の2つが存在そんざいし、ながあいだにわたって対立たいりつしていた。19世紀せいきまつごろに電磁場でんじばたいするマックスウェルの理論りろんハインリヒ・ヘルツによって検証けんしょうされ、ひかり波動はどうせつ確立かくりつされた。しかし、ひかり波動はどうせいくろたい放射ほうしゃのエネルギー分布ぶんぷ説明せつめいすることができなかった。そのため、マックス・プランク物質ぶっしつのエネルギー吸収きゅうしゅう放出ほうしゅつ性質せいしつとしてエネルギー量子りょうし概念がいねん発表はっぴょうした。

ドイツの物理ぶつり学者がくしゃアルベルト・アインシュタインは、ひかり波動はどうせつ支持しじしつつ、あたらしいひかり粒子りゅうしせつ光量子こうりょうし仮説かせつ)を主張しゅちょうした[2]

アメリカの物理ぶつり化学かがくしゃギルバート・ニュートン・ルイス古典こてんてきひかり粒子りゅうしせつ採用さいようしたうえで、アインシュタインと同種どうしゅ領域りょういき内容ないようてきことなる具体ぐたいてき研究けんきゅう成果せいか上記じょうき研究けんきゅうに1ねんおくれて発表はっぴょうした。

それぞれ微妙びみょうことなるひかり本性ほんしょうかんする研究けんきゅう平行へいこうしていたが、だいいち世界せかい大戦たいせんた1920年代ねんだいはいると、アーサー・コンプトンによるコンプトン効果こうか研究けんきゅうはしはっして、1926ねんから1927ねんごろにかけて、それらふたつの系統けいとう光子こうし(photon)という名称めいしょう一応いちおう統一とういつがなされた[ちゅう 3][ちゅう 4]

量子りょうしろんでは光子こうしは「ボース粒子りゅうし」とばれる分類ぶんるい量子りょうしである。

物理ぶつりてき性質せいしつ

編集へんしゅう

マイケルソン・モーリーの実験じっけんによれば、真空しんくうちゅう光速こうそくは c である。電磁波でんじは放射ほうしゃあつは、単位たんい時間じかん単位たんい面積めんせきたりの光子こうし運動うんどうりょう転移てんい由来ゆらいする[3]

光子こうしつね真空しんくうちゅうひかり速度そくどおな速度そくどうごく。

光線こうせんちゅう振動しんどうすう νにゅー光子こうしたいして、以下いかのようにエネルギー εいぷしろん運動うんどうりょう p を定義ていぎすることができる。これは、外部がいぶこうでん効果こうかコンプトン効果こうか実験じっけん結果けっかにより確認かくにんされている。

 

またルイスによれば、光子こうし静止せいし質量しつりょう mrestは0である。

素粒子そりゅうしろんにおける物理ぶつりてき性質せいしつ

光子こうし電荷でんかたない[4]質量しつりょうはゼロであり、寿命じゅみょうい。光子こうしは2次元じげんへんこう状態じょうたいつ。波数はすうベクトル成分せいぶんは、波長はちょうλらむだとその伝播でんぱ方向ほうこう決定けっていする。光子こうし電磁気でんじきゲージ粒子りゅうしであり[5]、そのため光子こうしのその量子りょうしすうレプトンすうバリオンすうフレーバー量子りょうしすう)はゼロである[6]

光子こうし様々さまざま自然しぜん過程かてい放出ほうしゅつされる。たとえば、あらゆる物体ぶったいねつ放射ほうしゃにより、つね光子こうし放出ほうしゅつつづけている。また、電荷でんか加速かそくされるとシンクロトロン放射ほうしゃはっする。分子ぶんし原子げんし原子核げんしかくひくエネルギーじゅん遷移せんいすると、赤外線せきがいせんからガンマ線がんませんまで様々さまざまなエネルギーの光子こうし放出ほうしゅつされる。粒子りゅうしとそのはん粒子りゅうしたい消滅しょうめつするときにも光子こうし発生はっせいする(たとえば電子でんし-陽電子ようでんしたい消滅しょうめつ)。

光子こうしは、周波数しゅうはすうとは独立どくりつスピンかく運動うんどうりょうはこ[7]。スピンのおおきさは で、運動うんどう方向ほうこう沿って測定そくていされる成分せいぶんであるヘリシティーは±ħである。ふたつのヘリシティーのみぎき、左巻ひだりまきとばれ、光子こうしの2つのえんへんこう状態じょうたい対応たいおうする[8]

空間くうかん粒子りゅうしはん粒子りゅうしたい消滅しょうめつすると、すくなくともふたつの光子こうし生成せいせいされる[ちゅう 5]べつ見方みかたをした場合ばあい光子こうし自身じしんはん粒子りゅうしかんがえることもできる。ぎゃく過程かていたい生成せいせいは、ガンマ線がんませんとうこうエネルギーの光子こうし物質ぶっしつなかすすあいだにエネルギーをうしな過程かていである[9]。この過程かていは、原子核げんしかく電磁場でんじばで「ひとつの光子こうしたい消滅しょうめつ」のぎゃく過程かていである。

光子こうし質量しつりょうかんする仮説かせつ

編集へんしゅう

光子こうしは、現在げんざいでは厳密げんみつ質量しつりょうゼロと理解りかいされているが、ごくわずかな質量しつりょうをもつ可能かのうせいのこされている。もし光子こうし質量しつりょう厳密げんみつにゼロでなければ、ひかりはやさは光速こうそくcよりもすこしだけおそくなるはずである。この場合ばあい光速こうそくcは、すべての物体ぶったい理論りろんてきえられないさい高速度こうそくどということになるが、相対性理論そうたいせいりろん影響えいきょうされない[10]

光子こうし質量しつりょうがあると仮定かていすると、クーロンの法則ほうそく修正しゅうせいされ、電磁場でんじば余分よぶん物理ぶつりがくてき自由じゆうつことになる。クーロンの法則ほうそく完全かんぜんしんでなければ、外部がいぶ電磁場でんじばさらされる中空なかぞら導体どうたい内部ないぶ電磁場でんじば発生はっせいすることになる[11]。ただし、クーロンの法則ほうそく非常ひじょうたか確度かくどつことが確認かくにんされており、もし光子こうし質量しつりょうがあるとしても、その上限じょうげんm10−14 eV/c2範囲はんいである[12]

銀河ぎんが磁位ベクトルの効果こうか検出けんしゅつすることで、さらに精度せいど上限じょうげんることができる。銀河ぎんが磁場じば非常ひじょうとおくまでとどくため、その磁位ベクトルは巨大きょだいであるが、光子こうし質量しつりょうがゼロであれば磁場じばのみが観測かんそくされる。もし光子こうし質量しつりょうてば、質量しつりょうこう銀河ぎんがのプラズマに影響えいきょうあたえるはずである。そのような効果こうか検出けんしゅつされていないことから、光子こうし質量しつりょう上限じょうげんm < 3×10−27 eV/c2示唆しさされる[13]銀河ぎんがの磁位ベクトルは、帯磁たいじたまきのトルクを測定そくていすることで直接ちょくせつ検出けんしゅつすることが可能かのうである[14]。そのような方法ほうほうもちいて、パーティクルデータグループにより10−18 eV/c2原子げんし質量しつりょう単位たんいの1.07×10-27ばい相当そうとう)という上限じょうげんられた[15]

銀河ぎんがの磁位ベクトルをもちいた質量しつりょう上限じょうげん推定すいていは、モデルに依存いぞんすることがしめされている[16]光子こうし質量しつりょうヒッグス機構きこうによってされる場合ばあいは、クーロンの法則ほうそく正当せいとうされ、上限じょうげんm10−14 eV/c2となる。

ちょう伝導でんどうたいなか光子こうしは、ゼロではない有効ゆうこう質量しつりょうち、その結果けっか電磁でんじりょくとど範囲はんいちょう伝導でんどうたいちゅうみじか範囲はんいになる[17]

歴史れきしてき発展はってん

編集へんしゅう
 
1805ねんおこなわれたトーマス・ヤングのじゅうスリット実験じっけんは、こうとしてうことをしめし、初期しょきひかり粒子りゅうしせつ打破だはした。

古代こだい中世ちゅうせいとおしてひかり哲学てつがくしゃ自然しぜん研究けんきゅうする学者がくしゃにとって関心かんしんてきであった。ひかり本性ほんしょうについての研究けんきゅうは、おおきく「ひかり波動はどうせつ」と「ひかり粒子りゅうしせつ」のふたつが存在そんざいしておりそれぞれ歴史れきしてき対立たいりつをしていた。

ニュートン力学りきがく完成かんせいさせたアイザック・ニュートンなどは粒子りゅうしせつもとづくモデルを提案ていあんしていたことから、18世紀せいきまではひかり粒子りゅうしせつ優勢ゆうせいっていた。ところが、19世紀せいき初頭しょとうトーマス・ヤングオーギュスタン・ジャン・フレネルひかり干渉かんしょう回折かいせつ明確めいかくしめしたことから、19世紀せいき中頃なかごろにはひかり波動はどうせつ優勢ゆうせいつこととなった[18]。さらに、1865ねんには、ジェームズ・クラーク・マクスウェルひかり電磁波でんじは一種いっしゅであると予測よそくし、それを1888ねんハインリヒ・ヘルツ実験じっけんてきたしかめたことから、ひかり本性ほんしょうとしてのひかり波動はどうせつ確定かくていされたかのようにみなされた。

 
1900ねんひかり電磁波でんじは振動しんどうかんがえるマクスウェルのひかりのモデルの理論りろん完成かんせいしたようにえた。しかし、なみのモデルでは説明せつめいできないいくつかの現象げんしょう観測かんそくされ、ひかりエネルギーを量子りょうしすることによる説明せつめいつながった。レーザー実験じっけんは、これらの光量子こうりょうし運動うんどうりょうはこび、粒子りゅうしとしてもかんがえられることをしめした。これにより「光子こうし」という概念がいねんまれ、電磁場でんじば自体じたい理解りかいつながった。

ところが、19世紀せいきまつごろになると、くろたい輻射ふくしゃのエネルギー分布ぶんぷしき理論りろんてきもとめるにあたって、ひかり波動はどうせつ代表だいひょうするマックスウェル方程式ほうていしきなどでは説明せつめいしきれないことが問題もんだいとなりはじめた。

1900ねんマックス・プランクくろたい輻射ふくしゃのエネルギー分布ぶんぷしき問題もんだいてん[19]解決かいけつするにあたって、物質ぶっしつ放出ほうしゅつまたは吸収きゅうしゅうするエネルギーは連続れんぞくりょうとするのではなく振動しんどうすう νにゅー比例ひれいした有限ゆうげんおおきさ E =hνにゅー をもつかたまりかんがえるとうまく実験じっけん結果けっかうと発表はっぴょう[20][21]、この最小さいしょうエネルギー単位たんいをエネルギー要素ようそ(energy element)とんだ[20]。これはあくまでひかり波動はどうせつったもので、あくまで物質ぶっしつてき制約せいやくだとかんがえられた。

1905ねんアルベルト・アインシュタインは、電磁波でんじはひろがるさいのエネルギー配分はいぶん空間くうかんてき連続れんぞくてきおこなわれないと主張しゅちょう[ちゅう 6]、そのエネルギー量子りょうしおおきさはその振動しんどうすう比例ひれいすると仮定かていすると[ちゅう 7]、(外部がいぶひかりでん効果こうか[ちゅう 8]などをうまく説明せつめいすることができることをしめした[22][23]。アインシュタインはこれを光量子こうりょうし(light quantum)と[ちゅう 9]、さらにプランクが導入どうにゅうした仮説かせつ光量子こうりょうし仮説かせつ名付なづけた[24]

  (h : プランク定数ていすうνにゅー : ひかり振動しんどうすうεいぷしろん : 振動しんどうすう νにゅーひかりなか光量子こうりょうしのエネルギー)

1908ねん、アメリカの物理ぶつり化学かがくしゃギルバート・ニュートン・ルイスは、アインシュタインの1905ねん発表はっぴょうした特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろん論文ろんぶん参照さんしょうしてはいるものの特殊とくしゅ相対性原理そうたいせいげんり無視むしして、わりに光量子こうりょうし仮説かせつともことなる完全かんぜんひかり粒子りゅうしせつひかり粒子りゅうし光速こうそく運動うんどうするとき、エネルギー、質量しつりょうそして運動うんどうりょうをもつ)を前提ぜんていとし、物体ぶったい質量しつりょうはその速度そくど依存いぞんするという公理こうりニュートン力学りきがく体系たいけい発表はっぴょうした(ルイスのニュートン力学りきがく[25][26]。この体系たいけいによれば、静止せいし質量しつりょう(rest mass)とばれる質量しつりょう概念がいねん定義ていぎしたうえで、ひかり粒子りゅうしはもし光速こうそくよりもわずかにおそくなったとするとその質量しつりょうは0になると結論けつろんした[ちゅう 10]

  (mrest : ひかり粒子りゅうし静止せいし質量しつりょう

1909ねん、アインシュタインはひかり波動はどうせつ前提ぜんていであるエーテル概念がいねん放棄ほうきうえひかり波動はどうせつひかり粒子りゅうしせつ融合ゆうごうさせることが必要ひつようであると主張しゅちょうした[27]

1916ねん、アインシュタインは輻射ふくしゃによる吸収きゅうしゅう放出ほうしゅつさいには運動うんどうりょう付与ふよこると[28]光量子こうりょうし仮説かせつ実質じっしつてき変更へんこうくわえられた(光量子こうりょうし仮説かせつはエネルギーにかんするもので、1909ねん論文ろんぶんでわずかにれてはいたものの[27]運動うんどうりょうについてはなにべていなかった)。

1918ねんごろから現在げんざいコンプトン効果こうかばれる現象げんしょうに、古典こてんてき理論りろん説明せつめいあたえることにんでいたアーサー・コンプトンは、1922ねんいたって古典こてんてき理論りろんではこの現象げんしょう説明せつめいできないと結論けつろんし、光量子こうりょうし仮説かせつとルイスらの理論りろんわせるようにXせんはエネルギー hνにゅー運動うんどうりょう hνにゅー/c をもつ粒子りゅうしとみなしたうえで、「ひかり粒子りゅうし自由じゆう電子でんし弾性だんせい衝突しょうとつする」というモデルでコンプトン効果こうか説明せつめいし、このときのアインシュタインの光量子こうりょうし仮説かせつ正当せいとうせい立証りっしょうするかたちで1923ねんはる最終さいしゅうてき報告ほうこく提出ていしゅつした[ちゅう 11][29][30]。この影響えいきょうけるようなかたちで、1922ねん11月に、ひかりでん効果こうか法則ほうそく発見はっけんによって、変則へんそくてきいちねんさかのぼって1921ねんぶんのノーベル物理ぶつりがくしょうがアインシュタインにあたえられることが決定けっていした[31][32]

 νにゅー : ひかり振動しんどうすう、 p : 振動しんどうすう νにゅーひかりなか光量子こうりょうし運動うんどうりょう

1926ねん、もともとひかり粒子りゅうし運動うんどうりょうつということを主張しゅちょうしていたギルバート・ルイスは、ギリシアで「ひかり」を意味いみするφふぁいῶςを由来ゆらいにこのひかり粒子りゅうしphoton(フォトン、光子こうし)と名付なづけた[33][ちゅう 12]よく1927ねん10がつには、コンプトンの提案ていあん[34]開催かいさいされただいかいソルベー会議かいぎでは主題しゅだいが"Electrons et photons (電子でんし光子こうし)"と、早速さっそく "photon" の用語ようごれられることとなった[ちゅう 13]同年どうねん1927ねんにはアーサー・コンプトンコンプトン効果こうか研究けんきゅうノーベル物理ぶつりがくしょう受賞じゅしょうすると、おおくの科学かがくしゃひかり量子りょうし正当せいとうせいれ、光量子こうりょうしあらわすルイスのphotonという用語ようごれた。

量子りょうしろんでは、光子こうしボース粒子りゅうしであり、標準ひょうじゅん模型もけいではさらにゲージ粒子りゅうし分類ぶんるいされている。電荷でんか質量しつりょうスピンかく運動うんどうりょうひとし光子こうし固有こゆう性質せいしつゲージ理論りろんから決定けっていされる。光子こうし概念がいねんは、レーザーボーズ・アインシュタイン凝縮ぎょうしゅく量子りょうしじょう理論りろん量子力学りょうしりきがくかくりつ振幅しんぷくひとし実験じっけん物理ぶつりがくおよ理論りろん物理ぶつりがく重大じゅうだい進歩しんぽをもたらし、光化学こうかがく2光子こうし励起れいき顕微鏡けんびきょう蛍光けいこう共鳴きょうめいエネルギー移動いどうひとしといった応用おうようがある。また、ひかりコンピューティングや、量子りょうしコンピュータ提案ていあんのうちのいくつかは光子こうし利用りようする。

湯川ゆかわ秀樹ひできは、この電磁気でんじきりょく媒介ばいかい粒子りゅうしとしての光子こうしのモデルを根拠こんきょに、原子げんし安定あんていせいをもたらす原子核げんしかく構成こうせいするちからかくりょく)の媒介ばいかい粒子りゅうしとして中間子ちゅうかんしばれる粒子りゅうし存在そんざいする、という理論りろん1935ねん昭和しょうわ10ねん)に提出ていしゅつした(中間子ちゅうかんしろん[35][ちゅう 14]。これは現代げんだい素粒子そりゅうしろん契機けいきとなった。

そのすべての素粒子そりゅうし同様どうように、現在げんざいのところ光子こうし量子力学りょうしりきがくもっと説明せつめいされ、粒子りゅうし波動はどうじゅうせいしめす。たとえば、ひとつの光子こうしレンズ屈折くっせつし、また自身じしん干渉かんしょうするが、位置いち明確めいかく測定そくていできるひとし粒子りゅうしとしての振舞ふるま[36]せる。

初期しょき反対はんたいろん

編集へんしゅう
 
1923ねんまで、ほとんどの物理ぶつり学者がくしゃひかり自体じたい量子りょうしされるというかんがかたれなかった。そのわり、かれらは光子こうし振舞ふるまいを、ここにしめした水素すいそ原子げんしボーア模型もけいのように物質ぶっしつのみの量子りょうし説明せつめいしようとした。このようなはん古典こてんてきモデルはいち近似きんじであったが、量子力学りょうしりきがくつながった。

アインシュタインの1905ねん予測よそくは、ロバート・ミリカンのノーベル・レクチャーでもくわしくかたられたように、20世紀せいき最初さいしょの20年間ねんかん様々さまざま実験じっけんによって実証じっしょうされた[37]。しかし、1922ねんにコンプトンの実験じっけん[29]光子こうし波数はすう比例ひれいしたかく運動うんどうりょうはこぶことがしめされるまでは、ほとんどの物理ぶつり学者がくしゃ電磁でんじ放射ほうしゃ自体じたい粒子りゅうしであることをしんじられなかった(たとえば、ヴィルヘルム・ヴィーン[19]、マックス・プランク[21]、ミリカン[37]のノーベルレクチャー)。そのわり、エネルギーの量子りょうし物質ぶっしつ未知みち制約せいやく由来ゆらいするというかんがえがひろしんじられた。しかし、量子りょうしひかり自身じしんさなければ解釈かいしゃくむずかしいコンプトン効果こうか実験じっけんとうで、徐々じょじょ態度たいどわっていった[38]

コンプトンの実験じっけんのちでも、ニールス・ボーアヘンリク・アンソニー・クラマースジョン・クラーク・スレイターらは、マクスウェルの連続れんぞく電磁場でんじばモデル、いわゆるBKSモデルを最後さいごまでまもつづけた[39]当時とうじられていたデータを説明せつめいするため、2つの過激かげき仮説かせつつくされた。

  1. エネルギーと運動うんどうりょうは、物質ぶっしつ放射ほうしゃ相互そうご作用さよう平均へいきんでしか保存ほぞんされず、吸収きゅうしゅう放出ほうしゅつのような本質ほんしつてき過程かていでは保存ほぞんされない。
  2. 因果律いんがりつ放棄ほうきする。

しかし、改良かいりょうされたコンプトン効果こうか実験じっけんで、エネルギー-運動うんどうりょう非常ひじょう保存ほぞんされることがしめされ、またコンプトン散乱さんらんにおける電子でんし振動しんどうあたらしい光子こうし生成せいせいは、10ピコびょう以内いない因果律いんがりつしたがった。その結果けっか、ボーアらはかれらのモデルに「できるだけ立派りっぱ葬式そうしき」をげることにした[40]。BKSモデルは頓挫とんざしたものの、ヴェルナー・ハイゼンベルク行列ぎょうれつ力学りきがく着想ちゃくそうあたえることとなった[41]

それでも少数しょうすう物理ぶつり学者がくしゃは、電磁でんじ放射ほうしゃ量子りょうしせず、物質ぶっしつのみが量子力学りょうしりきがく法則ほうそくしたがうというはん古典こてんてきモデルを発展はってんさせることに固執こしつした[42]。1970年代ねんだいには化学かがく実験じっけん物理ぶつり実験じっけんから光子こうし存在そんざい証拠しょうこ圧倒的あっとうてきになるものの、ひかり物質ぶっしつ相互そうご作用さようっていたために、完全かんぜん決定的けっていてきなものとはなされなかった。1970年代ねんだいから1980年代ねんだいには、すべてのはん古典こてんてき理論りろん決定的けっていてき否定ひていされ、量子りょうしひかり自体じたい性質せいしつだとするアインシュタインの仮説かせつ証明しょうめいされたとみなされた。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ この記号きごうはおそらくガンマ線がんません由来ゆらいする。なお、化学かがくひかり工学こうがくでは、光子こうし通常つうじょうhνにゅー記号きごう光子こうしのエネルギーとしてあらわされる。ここで、hプランク定数ていすうνにゅー周波数しゅうはすうである。またまれ周波数しゅうはすうfとしてhfあらわされることもある。
  2. ^ 波動はどう側面そくめん強調きょうちょうする場合ばあい現代げんだいでも光量子こうりょうし用語ようご使つかうことがある。水島みずしま(1994) pp.32-33
  3. ^ 2人ふたり研究けんきゅう成果せいかたがいにおぎなうものようなものであり、ひかり本性ほんしょう研究けんきゅうたいする貢献こうけんおおきさとしてはどちらに帰属きぞくするかどうかは確定かくていむずかしいものである。
  4. ^ なお、アインシュタインののこりの人生じんせい大半たいはんめた統一とういつじょう理論りろん探求たんきゅう目的もくてきは、如何いかにしてマクスウェルのなみ理論りろん実験じっけん観測かんそくされる粒子りゅうしとしての性質せいしつ統合とうごうするかであったとわれる。Pais, A. (1982). Subtle is the Lord: The Science and the Life of Albert Einstein. Oxford University Press. ISBN 0-19-853907-X. http://www.questia.com/PM.qst?a=o&d=74596612 
  5. ^ なぜならば、基準きじゅんけい重心じゅうしんでは、衝突しょうとつしたはん粒子りゅうし正味しょうみ運動うんどうりょうたないのにたいして単一たんいつ光子こうしは(周波数しゅうはすう波長はちょうがゼロにはならないため)つね運動うんどうりょうつ。そのため、運動うんどうりょう保存ほぞんそくたすために、正味しょうみ運動うんどうりょうがゼロとなるすくなくともふたつの光子こうし生成せいせいされる必要ひつようがある(ただし、陽電子ようでんし原子核げんしかくちゅう陽子ようしたい消滅しょうめつする場合ばあいとうけいべつ粒子りゅうし相互そうご作用さようしている場合ばあいは、クーロンりょく並進へいしん対称たいしょうせいやぶるため、ひとつの光子こうし生成せいせいすることが可能かのうである)。ふたつの光子こうしのエネルギー(周波数しゅうはすう)は、運動うんどうりょう保存ほぞんそく決定けっていされる。
  6. ^ マクスウェル方程式ほうていしき電磁波でんじは可能かのうなすべてのエネルギーを対象たいしょうとするものであったので、ほとんどの物理ぶつり学者がくしゃ当初とうしょ、プランクのエネルギーの量子りょうしは、放射ほうしゃ吸収きゅうしゅう放出ほうしゅつする物質ぶっしつ未知みち制約せいやく由来ゆらいするとかんがえていた。しかし、アインシュタインはこのときはじめて、エネルギーの量子りょうし電磁でんじ放射ほうしゃ自体じたい性質せいしつとして提案ていあんした。
  7. ^ とく光子こうしモデルではひかりエネルギー周波数しゅうはすう依存いぞんするとし、物質ぶっしつ放射ほうしゃとしての振舞ふるまいをねつ平衡へいこう説明せつめいする。また、マックス・プランクはん古典こてんモデルで説明せつめいしようとしたくろたい放射ほうしゃ性質せいしつ説明せつめいできる。はん古典こてんモデルは量子力学りょうしりきがく発展はってん貢献こうけんした。Kimble, H.J.; Dagenais, M.; Mandel, L. (1977). “Photon Anti-bunching in Resonance Fluorescence”. Physical Review Letters 39 (11): 691-695. Bibcode1977PhRvL..39..691K. doi:10.1103/PhysRevLett.39.691. 
  8. ^ ひかりでん効果こうかは、1887ねんヘルツおよよく1888ねんにドイツの物理ぶつり学者がくしゃヴィルヘルム・ハルヴァックス(Wilhelm Hallwachs)によって発見はっけんされた 。
  9. ^ quanta量子りょうし)という用語ようごは1900ねん以前いぜんから、電気でんきふく離散りさんりょうあらわ用語ようごとして使つかわれていたことから、これは次第しだいにエネルギー量子りょうし(energy quantum)とばれるようになっていた。
  10. ^ ほかにもアインシュタインが近似きんじしきとしてしかていなかった公式こうしき E=mc2精確せいかく結果けっかとして導出どうしゅつすることができた。
  11. ^ なお、"輻射ふくしゃ量子りょうしがエネルギーとともに方向ほうこうをもった運動うんどうりょうはこぶことをきわめて説得せっとくてきしめす"というコンプトンの結論けつろんたいして、当初とうしょつよ反対はんたいがあったが、1924ねんには完全かんぜんれられるようになったということである。
    物理ぶつりがくII(1968) pp.183-184
  12. ^ ただし、ルイスのひかり粒子りゅうし概念がいねん生成せいせい破壊はかいもされないひかり原子げんし相当そうとうするもので、アインシュタインの光量子こうりょうし概念がいねんとはことなっていた。
  13. ^ この定式ていしきされたばかりの量子力学りょうしりきがく議論ぎろんされたこのだいかいはソルベー会議かいぎ全体ぜんたいなかでももっとも有名ゆうめい会議かいぎである。しかしながら、主題しゅだいにあげられた光子こうし(photon)の命名めいめい前年ぜんねんったばかりのルイス自身じしん会議かいぎ招待しょうたいされなかった。わりにルイス=ラングミュアの原理げんりられるアメリカの物理ぶつり化学かがくしゃアーヴィング・ラングミュアが、主題しゅだい量子力学りょうしりきがくへの貢献こうけんなにもないのになぜか招待しょうたいされた。
    Coffey(2008) p.188
  14. ^ 現代げんだい物理ぶつりがくにおいて、原子げんしたいしてどのような操作そうさくわえても変化へんかせず安定あんていてきである根拠こんきょは、この湯川ゆかわ中間子ちゅうかんしろんもとめられる。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d e f Amsler, C. et al. (Particle Data Group) (2008 +2009 partial update). “Review of Particle Physics: Gauge and Higgs bosons”. Physics Letters B 667: 1. Bibcode2008PhLB..667....1P. doi:10.1016/j.physletb.2008.07.018. http://pdg.lbl.gov/2009/tables/rpp2009-sum-gauge-higgs-bosons.pdf. 
  2. ^ C・ロヴェッリ『すごい物理ぶつりがく講義こうぎ河出かわで文庫ぶんこ、2019ねん、148ぺーじ 
  3. ^ E.g., Appendix XXXII in Born, M. (1962). Atomic Physics. Blackie & Son. ISBN 0-486-65984-4 
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    なお、アインシュタインはこの決定けっていを、たまたま旅行りょこうちゅうふねうえいたとわれる。
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  34. ^ :"At Compton's suggestion, the Fifth Solvey Conference on Physics in 1927 adopted Lewis's term "photon" for the particle that carried radiation, but as used it did not signify Lewis's atom of radiation but rather Einstein's quantum."
    Coffey(2008) pp.182-183から引用いんよう。なおコンプトン兄弟きょうだいアーサー・コンプトンカール・コンプトン)のうちどちらの提案ていあんであるかは記載きさいがない。
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参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
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