フロントガラスに吸盤 きゅうばん でカメラを固定 こてい
器具 きぐ ・部品 ぶひん の場合 ばあい 、可 か 撓 たわわ 性 せい のあるゴム やプラスチック でできており皿 さら のような形状 けいじょう をしている。対象 たいしょう 物 ぶつ に皿 さら を伏 ふ せるような向 む きで押 お しつけ、本体 ほんたい をくぼませることで吸盤 きゅうばん と対象 たいしょう 物 ぶつ との間 あいだ の空気 くうき が抜 ぬ ける一方 いっぽう 、吸盤 きゅうばん の弾性 だんせい により元 もと の形状 けいじょう に戻 もど ろうとする。そのため内部 ないぶ は気圧 きあつ の低 ひく い状態 じょうたい (理想 りそう 的 てき には真空 しんくう )になり、外 そと の大気 たいき 圧 あつ との差 さ が生 しょう じて皿 さら が対象 たいしょう 物 ぶつ に張 は り付 つ くことになる。弾性 だんせい に頼 たよ らずにレバーなどで動作 どうさ させる方式 ほうしき のものもある。水中 すいちゅう では水圧 すいあつ が気圧 きあつ と同様 どうよう な役割 やくわり を持 も つので、水中 すいちゅう でも作用 さよう する。
空気 くうき 漏 も れを防 ふせ ぐために吸盤 きゅうばん 自身 じしん の吸着 きゅうちゃく 面 めん と対象 たいしょう 物 ぶつ は平滑 へいかつ である必要 ひつよう がある。対象 たいしょう 物 ぶつ で金属 きんぞく 面 めん やプラスチック、タイルの面 めん はその点 てん で吸盤 きゅうばん 向 む けである。吸着 きゅうちゃく 力 りょく は基本 きほん 的 てき に吸盤 きゅうばん の面積 めんせき に比例 ひれい する。
垂直 すいちょく 面 めん に吸盤 きゅうばん を付着 ふちゃく させて物 もの を吊 つ り下 さ げる場合 ばあい 、あまり大 おお きな荷重 かじゅう には耐 た えられないものの、釘 くぎ やピン 、あるいは接着 せっちゃく 剤 ざい と異 こと なり、後 ご を汚 よご さないこと、何 なん 度 ど でも着 つ け外 はず しが簡単 かんたん なことが利点 りてん である。ただし、接着 せっちゃく にあたり接着 せっちゃく 面 めん 及 およ び吸盤 きゅうばん に付着 ふちゃく する油脂 ゆし やゴミはその接着 せっちゃく 力 りょく の大 おお きな妨 さまた げになるため、事前 じぜん に脱脂 だっし をすることで接着 せっちゃく 強度 きょうど を高 たか めることができる。また、自動車 じどうしゃ のフロントガラスなどに使用 しよう する場合 ばあい 、その吸盤 きゅうばん の形状 けいじょう から収 しゅう れん火災 かさい を起 お こす可能 かのう 性 せい もある。
動物 どうぶつ ではタコ が一番 いちばん 目立 めだ つ多数 たすう の吸盤 きゅうばん を持 も つものである。その形状 けいじょう は人工 じんこう のものとよく似 に ており、筋力 きんりょく により吸着 きゅうちゃく 動作 どうさ を行 おこな う。ハゼ の仲間 なかま では、腹 はら びれが吸盤 きゅうばん となっている。口 くち を吸盤 きゅうばん にしているものには、ヤツメウナギ ・アルジイーター ・ヒル ・吸虫 などがある。総 そう じて動物 どうぶつ の形成 けいせい する吸盤 きゅうばん は、水中 すいちゅう で働 はたら くものが多 おお い。これは、自然 しぜん 界 かい ではガラス面 めん のようになめらかな表面 ひょうめん は存在 そんざい しないので、どうしても水 みず や粘液 ねんえき が間 あいだ に入 はい ってその境目 さかいめ を埋 う める必要 ひつよう があるためと推測 すいそく される。空中 くうちゅう の濡 ぬ れた面 めん であれば、さほど吸盤 きゅうばん の形 かたち をしていなくても、ぬれた粘液 ねんえき 面 めん だけで吸着 きゅうちゃく することもある。腹足類 ふくそくるい などが幅広 はばひろ い足 あし で基盤 きばん に吸着 きゅうちゃく するのも吸盤 きゅうばん の原理 げんり である。
ヤモリ科 か の樹 き 上 じょう や壁面 へきめん に生息 せいそく する構成 こうせい 種 しゅ 等 とう の指先 ゆびさき にある構造 こうぞう もかつては「吸盤 きゅうばん 」と言 い われていたが、現在 げんざい では微小 びしょう な突起 とっき 構造 こうぞう によるファンデルワールス力 りょく を利用 りよう していることが明 あき らかになった。
タコの吸盤 きゅうばん
イカ の吸盤 きゅうばん はやや原理 げんり が異 こと なる。
ツタ のつるの先端 せんたん にある、壁面 へきめん や他 た の物体 ぶったい に付着 ふちゃく するための構造 こうぞう 体 たい も広 ひろ く一般 いっぱん 的 てき に「吸盤 きゅうばん 」と呼 よ ばれる。しかし、ツタの吸盤 きゅうばん は上記 じょうき のものとは異 こと なり圧力 あつりょく 差 さ を利用 りよう したものではなく、吸盤 きゅうばん の付着 ふちゃく 面 めん から基盤 きばん の凹凸 おうとつ に対 たい し突起 とっき 状 じょう の組織 そしき を進出 しんしゅつ させつつ、接着 せっちゃく 剤 ざい 様 よう の分泌 ぶんぴつ 物 ぶつ によって隙間 すきま を満 み たすことによって接着 せっちゃく している[2] [3] 。このため、ツタの吸盤 きゅうばん は一時 いちじ 的 てき というより恒久 こうきゅう 的 てき な接着 せっちゃく に近 ちか く、平滑 へいかつ な面 めん よりも凹凸 おうとつ のある面 めん に対 たい しての方 ほう が強 つよ く付着 ふちゃく する。
^ a b 意匠 いしょう 分類 ぶんるい 定義 ていぎ カード(M3) 特許庁 とっきょちょう
^ Kim, InSun (2014). “Structural Changes of Adhesive Discs during Attachment of Boston Ivy”. Appl. Microsc. 44 (4): 111-116. doi :10.9729/AM.2014.44.4.111 .
^ 冲中, 健 けん ; 山内 やまうち , 啓 けい 治 ち ; 朴 ぼく , 容 よう 珍 めずらし (1991). “種々 しゅじゅ の粗 あら さの壁面 へきめん に対 たい するナツヅタ付着 ふちゃく 盤 ばん の付着 ふちゃく ”. 千葉大学 ちばだいがく 園芸 えんげい 報 ほう (Tech. Bull. Fac. Hort. Chiba Univ.) 44 : 245-254.