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吸盤 - Wikipedia

吸盤きゅうばん(きゅうばん)とは、ゴム合成ごうせい樹脂じゅしなどのたわわせい利用りようして平滑へいかつめん吸着きゅうちゃくして内部ないぶ真空しんくうちか状態じょうたいにし気圧きあつ水圧すいあつなどの圧力あつりょく利用りようしてもの吸着きゅうちゃくする器具きぐ部品ぶひん[1]吸着きゅうちゃくばんともいう[1]接着せっちゃくざいなどとことなり一時いちじてき接着せっちゃく目的もくてきとすることがおおい。また、吸着きゅうちゃくするための動物どうぶつ器官きかん

ジョイスティック底面ていめん吸盤きゅうばん

器具きぐ部品ぶひん

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フロントガラスに吸盤きゅうばんでカメラを固定こてい

器具きぐ部品ぶひん場合ばあいたわわせいのあるゴムプラスチックでできておりさらのような形状けいじょうをしている。対象たいしょうぶつさらせるようなきでしつけ、本体ほんたいをくぼませることで吸盤きゅうばん対象たいしょうぶつとのあいだ空気くうきける一方いっぽう吸盤きゅうばん弾性だんせいによりもと形状けいじょうもどろうとする。そのため内部ないぶ気圧きあつひく状態じょうたい理想りそうてきには真空しんくう)になり、そと大気たいきあつとのしょうじてさら対象たいしょうぶつくことになる。弾性だんせいたよらずにレバーなどで動作どうささせる方式ほうしきのものもある。水中すいちゅうでは水圧すいあつ気圧きあつ同様どうよう役割やくわりつので、水中すいちゅうでも作用さようする。

空気くうきれをふせぐために吸盤きゅうばん自身じしん吸着きゅうちゃくめん対象たいしょうぶつ平滑へいかつである必要ひつようがある。対象たいしょうぶつ金属きんぞくめんやプラスチック、タイルのめんはそのてん吸盤きゅうばんけである。吸着きゅうちゃくりょく基本きほんてき吸盤きゅうばん面積めんせき比例ひれいする。

垂直すいちょくめん吸盤きゅうばん付着ふちゃくさせてものげる場合ばあい、あまりおおきな荷重かじゅうにはえられないものの、くぎピン、あるいは接着せっちゃくざいことなり、よごさないこと、なんでもはずしが簡単かんたんなことが利点りてんである。ただし、接着せっちゃくにあたり接着せっちゃくめんおよ吸盤きゅうばん付着ふちゃくする油脂ゆしやゴミはその接着せっちゃくりょくおおきなさまたげになるため、事前じぜん脱脂だっしをすることで接着せっちゃく強度きょうどたかめることができる。また、自動車じどうしゃのフロントガラスなどに使用しようする場合ばあい、その吸盤きゅうばん形状けいじょうからしゅうれん火災かさいこす可能かのうせいもある。

動物どうぶつ

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動物どうぶつではタコ一番いちばん目立めだ多数たすう吸盤きゅうばんつものである。その形状けいじょう人工じんこうのものとよくており、筋力きんりょくにより吸着きゅうちゃく動作どうさおこなう。ハゼ仲間なかまでは、はらびれが吸盤きゅうばんとなっている。くち吸盤きゅうばんにしているものには、ヤツメウナギアルジイーターヒル吸虫などがある。そうじて動物どうぶつ形成けいせいする吸盤きゅうばんは、水中すいちゅうはたらくものがおおい。これは、自然しぜんかいではガラスめんのようになめらかな表面ひょうめん存在そんざいしないので、どうしてもみず粘液ねんえきあいだはいってその境目さかいめめる必要ひつようがあるためと推測すいそくされる。空中くうちゅうれためんであれば、さほど吸盤きゅうばんかたちをしていなくても、ぬれた粘液ねんえきめんだけで吸着きゅうちゃくすることもある。腹足類ふくそくるいなどが幅広はばひろあし基盤きばん吸着きゅうちゃくするのも吸盤きゅうばん原理げんりである。

ヤモリじょう壁面へきめん生息せいそくする構成こうせいしゅとう指先ゆびさきにある構造こうぞうもかつては「吸盤きゅうばん」とわれていたが、現在げんざいでは微小びしょう突起とっき構造こうぞうによるファンデルワールスりょく利用りようしていることがあきらかになった。

吸盤きゅうばんをもつ動物どうぶつれい

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タコの吸盤きゅうばん

イカ吸盤きゅうばんはやや原理げんりことなる。

植物しょくぶつ

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ツタのつるの先端せんたんにある、壁面へきめん物体ぶったい付着ふちゃくするための構造こうぞうたいひろ一般いっぱんてきに「吸盤きゅうばん」とばれる。しかし、ツタの吸盤きゅうばん上記じょうきのものとはことなり圧力あつりょく利用りようしたものではなく、吸盤きゅうばん付着ふちゃくめんから基盤きばん凹凸おうとつたい突起とっきじょう組織そしき進出しんしゅつさせつつ、接着せっちゃくざいよう分泌ぶんぴつぶつによって隙間すきまたすことによって接着せっちゃくしている[2][3]。このため、ツタの吸盤きゅうばん一時いちじてきというより恒久こうきゅうてき接着せっちゃくちかく、平滑へいかつめんよりも凹凸おうとつのあるめんたいしてのほうつよ付着ふちゃくする。

出典しゅってん

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  1. ^ a b 意匠いしょう分類ぶんるい定義ていぎカード(M3) 特許庁とっきょちょう
  2. ^ Kim, InSun (2014). “Structural Changes of Adhesive Discs during Attachment of Boston Ivy”. Appl. Microsc. 44 (4): 111-116. doi:10.9729/AM.2014.44.4.111. 
  3. ^ 冲中, けん; 山内やまうち, けい; ぼく, ようめずらし (1991). “種々しゅじゅあらさの壁面へきめんたいするナツヅタ付着ふちゃくばん付着ふちゃく”. 千葉大学ちばだいがく園芸えんげいほう (Tech. Bull. Fac. Hort. Chiba Univ.) 44: 245-254. 

外部がいぶリンク

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