(Translated by https://www.hiragana.jp/)
地番 - Wikipedia

地番ちばん(ちばん)とは、日本にっぽんで、一筆いっぴつ土地とちごとに登記とうきしょする番号ばんごうをいう。おも不動産ふどうさん登記とうき使用しようされる。

概説がいせつ

編集へんしゅう

明治めいじ時代じだい初期しょき地番ちばん整備せいびした(→地租ちそ改正かいせい)。町村ちょうそんせい実施じっして、きゅうまちむらさかいもしくは大字だいじ範囲はんいがほぼ地番ちばん区域くいき相当そうとうし、その内部ないぶ一意いちいとなるづけばんおこなった[1]

現在げんざい地番ちばんさだめるにたっては、まちむら、またはこれにじゅんずる地域ちいきをもって地番ちばん区域くいきさだめ、この地番ちばん区域くいきごとに土地とち位置いちかりやすいものとなるようにさだめるものとされている(不動産ふどうさん登記とうき規則きそく だいきゅうじゅうななじょうだいきゅうじゅうはちじょう)。

土地とち分筆ぶんぴつした場合ばあいにおいては分筆ぶんぴつまえ地番ちばんささえごうえだばん)をしてかくふで地番ちばんさだめること、また土地とちごうひつした場合ばあいにおいてはごうひつまえ首位しゅい地番ちばんをもってその地番ちばんとすることなどが、不動産ふどうさん登記とうき事務じむ取扱とりあつかい手続てつづき準則じゅんそくだい67じょう規定きていされている。

住居じゅうきょ表示ひょうじ実施じっしされた地域ちいきでは、ところ住居じゅうきょ表示ひょうじ)と地番ちばんことなるため、住所じゅうしょ登記とうき事項じこう証明しょうめいしょ登記とうき簿謄本とうほんひとし請求せいきゅうしようとしても地番ちばんからなければ取得しゅとくすることができない。地番ちばん住居じゅうきょ表示ひょうじ実施じっしまえ住所じゅうしょ地番ちばん一致いっちする場合ばあいおおいため、きゅう住所じゅうしょ調しらべれば地番ちばんあきらかにすることができる(ただし、住居じゅうきょ表示ひょうじ実施じっしにともなって町名ちょうめい変更へんこうがされているときは不動産ふどうさん所在地しょざいちあたらしい町名ちょうめいによる)。住居じゅうきょ表示ひょうじ地番ちばん対照たいしょう住宅じゅうたく地図ちず(ブルーマップ、住宅じゅうたく明細めいさい地籍ちせきばんとう)をてもよい。

番地ばんち

編集へんしゅう

国有こくゆう

編集へんしゅう

明治めいじ以来いらい一貫いっかんして国有こくゆうである土地とちは、登記とうきされたことがないため地番ちばんされない。たとえば皇居こうきょ宮内庁くないちょうには住居じゅうきょ表示ひょうじはあるが地番ちばんはなく、京都大学きょうとだいがく本部ほんぶ国立こくりつ大学だいがく法人ほうじんされるまで地番ちばんがなかった(所在地しょざいちは「京都きょうと左京さきょう吉田本よしたほんまち」)。この場合ばあいもっとちかい「地番ちばんのついた」土地とち番号ばんごうもちいて「○○まち××番地ばんちさき国有無番地こくゆうむばんち」とする。明治めいじ以来いらい一貫いっかんして国有こくゆうである土地とちじょう建物たてもの所在しょざい住所じゅうしょ)は、すべて「国有無番地こくゆうむばんち」である(れい国立こくりつ館山たてやま海上かいじょう技術ぎじゅつ学校がっこう所在地しょざいちは「館山たてやま大賀おおが番地ばんち」)。番外地ばんがいちという表現ひょうげんも、国有こくゆう地番ちばんされないことに起因きいんするものである。

その番地ばんち

編集へんしゅう

私有地しゆうちふく土地とちであっても、離島りとうなどで地籍ちせき調査ちょうさ困難こんなん場所ばしょについては地番ちばん付与ふよされていない場合ばあいがある。代表だいひょうれい東京とうきょう青ヶ島あおがしまむらで、2024ねん現在げんざいしま全体ぜんたい番地ばんちというあつかいである[2]青ヶ島あおがしま場合ばあい登記とうき実務じつむじょうおおくの土地とちについて平成へいせい年代ねんだい登記とうきしょ職権しょっけんにより地番ちばん付与ふよ表題ひょうだい登記とうきおこなわれているが[3]確定かくていにはいたっていない模様もようである。

地番ちばん表現ひょうげん

編集へんしゅう
  • 地番ちばんは、○○まち××ばんという形式けいしき表現ひょうげんされる。
れい山田やまだ富士見ふじみまち1234ばん
  • えだばんがある場合ばあいえだばんうしろにける。
れい山田やまだ富士見ふじみまち1234ばん1
  • 住居じゅうきょ表示ひょうじ実施じっししていない地域ちいきおおくは地番ちばん住所じゅうしょとしてあつかうが、そのさい地番ちばんではなく住所じゅうしょあらわしていることをしめすため、××番地ばんち表現ひょうげんする。
れい山田やまだ富士見ふじみまち1234番地ばんち
れい山田やまだ富士見ふじみまち1234番地ばんち1

以前いぜん番地ばんちえだばんあいだを「の」でつなげていたが、現在げんざいは「の」を廃止はいしした自治体じちたいおおい。

れい
山田やまだ富士見ふじみまち1234番地ばんちの1・・・旧来きゅうらい表現ひょうげん方法ほうほう[4]
山田やまだ富士見ふじみまち1234番地ばんち1・・・近年きんねん採用さいようれいおお表現ひょうげん方法ほうほう

地番ちばん整理せいり

編集へんしゅう

市街地しがいち区画くかく整理せいりみの住宅じゅうたく地域ちいきなどでまとまった区域くいきごとに地番ちばんなおし、これにえだばん併用へいようして土地とち所有しょゆうしゃ区分くぶん明確めいかくさせるという手段しゅだんられることがある。これを地番ちばん整理せいりという。

日本にっぽんにおける地番ちばん整理せいりは、道路どうろ鉄道てつどう河川かせんなどでかこまれた広範こうはん土地とち区画くかくまち)ごとに地番ちばんあたえ、さらに所有しょゆうしゃ区分くぶんごとにえだばんける方法ほうほうのものが主流しゅりゅうである。そのてん住居じゅうきょ表示ひょうじとの類似るいじせいがあるが、住居じゅうきょ表示ひょうじ実施じっしみの地域ちいきとはことなり「登記とうきじょう地番ちばん区域くいき表記ひょうきと、一般いっぱんてき住所じゅうしょ表記ひょうきとの統一とういつこらない」という利点りてんがある。

しかしその半面はんめん地番ちばん整理せいり導入どうにゅう地区ちくには町名ちょうめい地番ちばん表示ひょうじぶつ(「住居じゅうきょ表示ひょうじかんする法律ほうりつ」におけるまち案内あんないまち表示ひょうじばん住居じゅうきょ番号ばんごうばんるい)の設置せっち義務ぎむがないため、地域ちいきによっては「市販しはん地図ちずなどを参照さんしょうしないかぎり、地域ちいきがいものがすぐに目的もくてきへたどりけない」といった問題もんだいかかえる。これを解消かいしょうするため、住居じゅうきょ番号ばんごうばんおな様式ようしき地番ちばんえだばん表示ひょうじばん自治体じちたい独自どくじ設置せっちしたれい愛媛えひめけん今治いまばり)がある。

たとえば東京とうきょう調布ちょうふ場合ばあいは、市内しないのほぼ全域ぜんいき地番ちばん整理せいり導入どうにゅうしている(住居じゅうきょ表示ひょうじ実施じっし[5]一方いっぽうで、前述ぜんじゅつ今治いまばり東京とうきょう新宿しんじゅく香川かがわけん高松たかまつなどのように、1つの自治体じちたいなかに、住居じゅうきょ表示ひょうじ整備せいびみでありなおかつ地番ちばん整理せいり導入どうにゅうした地域ちいきと、住居じゅうきょ表示ひょうじ整備せいびみであるが地番ちばん整理せいりおこなっていない地域ちいき混在こんざいしているところおおい。

地番ちばん重複じゅうふく

編集へんしゅう

上述じょうじゅつのように、1つの地番ちばん区域くいきではおな地番ちばん存在そんざいしないのが原則げんそくであるが、手続てつづきのあやまりで同一どういつ地番ちばんあたえられているれいがある[6]ほか、地域ちいきによっては同一どういつ大字だいじ耕地こうち山地さんちのそれぞれに1から地番ちばんったれい存在そんざいする[7]

耕地こうち山地さんち重複じゅうふく地番ちばんった場合ばあい、それぞれ耕地こうちばん山地さんちばんけられてきたが、登記とうき事項じこうのシステムにあたっては「やま/こう」の識別しきべつ情報じょうほう付与ふよせねばならず[8]、オンライン申請しんせい障害しょうがいとなるばかりでなく、家宅かたく捜索そうさくさい重複じゅうふくした地番ちばん無関係むかんけい住民じゅうみんたいして捜索そうさくおこなってしまう[9]など、各種かくしゅのトラブルの原因げんいんともなったことから、山地さんちばん一定いっていして重複じゅうふくしない番号ばんごうとするかたちでの解消かいしょうすすめられている[8]

さとどう水路すいろ

編集へんしゅう

おおやけ作成さくせいされた当時とうじに、みち水路すいろだった土地とちたいして、現在げんざいは「みち」・「みず」と表示ひょうじされる。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
  1. ^ 齊藤さいとう忠光ただみつ大字だいじまち丁目ちょうめ区域くいきちにかんする考察こうさつ」『地図ちずだい37かんSupplement、日本にっぽん地図ちず学会がっかい、1999ねん、18-19ぺーじCRID 1390001204490414976doi:10.11212/jjca1963.37.supplement_18ISSN 0009-48972024ねん1がつ9にち閲覧えつらん 
  2. ^ 広報こうほうあおがしま 2024ねん3がつごう p.2
  3. ^ 青ヶ島あおがしまむら番地ばんち」と土地とち登記とうき
  4. ^ 住所じゅうしょ表示ひょうじについて”. 東京とうきょう府中ふちゅう (2017ねん11月17にち). 2021ねん10がつ26にち閲覧えつらん
  5. ^ 調布ちょうふでは町名ちょうめい地番ちばん制度せいど採用さいよう 調布ちょうふ公式こうしきサイト、2002ねん4がつ24にち、2020ねん1がつ27にち閲覧えつらん
  6. ^ 宮崎みやざきにちにち新聞しんぶん「くらしの相談そうだん」(平成へいせい 30ねん 8がつ 27にち掲載けいさい (PDF) 総務そうむしょう、2022ねん3がつ15にち閲覧えつらん
  7. ^ 重複じゅうふく地番ちばん解消かいしょう作業さぎょう実施じっしします(広島ひろしま法務局ほうむきょくからのおらせ) 安芸あき高田たかだ、2022ねん3がつ15にち閲覧えつらん
  8. ^ a b 山地さんちばん耕地こうちばんかんする質疑しつぎ応答おうとうしゅう 山口やまぐち地方ちほう法務局ほうむきょく、2018ねん7がつ23にち(2022ねん3がつ15にち閲覧えつらん)。
  9. ^ 大阪おおさか府警ふけい無関係むかんけい女性じょせいたく捜索そうさく 地番ちばん重複じゅうふく誤認ごにん 日本経済新聞社にほんけいざいしんぶんしゃ、2013ねん7がつ1にち(2022ねん3がつ15にち閲覧えつらん)。

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう