市し

市し（し、英えい: city）は、行政ぎょうせい区分くぶんのひとつで、通常つうじょうは人口じんこうが多おおく密集みっしゅうした自治体じちたいにあてられる。行政ぎょうせい上うえの区分くぶんとしてあるかどうかに関かかわらず、人口じんこう密集みっしゅう地ちをより一般いっぱん的てきにとらえる場合ばあいには、都市としということが比較的ひかくてき多おおい。

日本にっぽんにおける市し

日本にっぽんの市しの地図ちず（2021年ねん4月がつ1日にち現在げんざい）

  緑みどり:政令せいれい指定してい都市とし

  黄き:中核ちゅうかく市し

  青あお:施行しこう時じ特例とくれい市し

  桃もも:一般いっぱん市し

  黄き緑みどり:特別とくべつ区く（東京とうきょう23区くのみ）

市制しせいの市し

近世きんせいまでの日本にっぽんでは、商工しょうこう業者ぎょうしゃが住すむ人口じんこう密集みっしゅう地ちを町まち、農民のうみんが住すむ集落しゅうらくを村むらとして区分くぶんし、市しという行政ぎょうせい単位たんいはなかった。

明治めいじ時代じだいになると、まず1878年ねん（明治めいじ11年ねん）7月がつに郡こおり区く町村ちょうそん編制へんせい法ほうが公布こうふされ、大おおきな人口じんこう密集みっしゅう地ちに区くを置おいた。ついで1888年ねん（明治めいじ21年ねん）4月がつ公布こうふの市制しせいによって、区くにかわって市しが置おかれることになった。市制しせいは町村ちょうそん制せいと同時どうじに、しかし別個べっこの法ほうとして設置せっちされた。個々ここの市しへの実際じっさいの施行しこうは1889年ねん（明治めいじ22年ねん）4月がつが最初さいしょである。

地方ちほう自治じち法ほうの市し

1947年ねん（昭和しょうわ22年ねん）に地方ちほう自治じち法ほうが制定せいていされると、市町村しちょうそんはこの法律ほうりつに従したがって置おかれた。

地方ちほう自治じち法ほうでは、市しは都道府県とどうふけんに次つぐ規模きぼの普通ふつう地方ちほう公共こうきょう団体だんたいである。市しとなるべき普通ふつう地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの要件ようけん（市制しせい要件ようけん）は地方ちほう自治じち法ほう第だい8条じょうに以下いかが示しめされている。

• 原則げんそくとして人口じんこう5万まん人にん以上いじょう- 基準きじゅんとする人口じんこうは国勢調査こくせいちょうさを基もととする。
• 中心ちゅうしん市街地しがいちの戸数こすうが全ぜん戸数こすうの6割わり以上いじょう
• 商しょう工業こうぎょう等とうの都市とし的てき業態ぎょうたいに従事じゅうじする世帯せたい人口じんこうが全ぜん人口じんこうの6割わり以上いじょう
• 他たに当該とうがい都道府県とどうふけんの条例じょうれいで定さだめる要件ようけんを満みたしていること

だが一いち度ど、市しになると人口じんこう減少げんしょうなどにより市しの条件じょうけんを満みたせないようになっても、市しのままでいることができる。まだ日本にっぽんで、市しになった都市としが町村ちょうそんになったことはない。ただし分立ぶんりつにより町村ちょうそんになったケースはある。なお、市しであっても広ひろさや市街地しがいちの配置はいちなどによっては山間さんかん部ぶや農村のうそん部ぶが面積めんせきの大半たいはんを占しめている場合ばあいもあり、必かならずしも町村ちょうそんより人口じんこう密度みつどが高たかいというわけではない。

町まち、村むらから市しへの移行いこう手続てつづきは地方ちほう自治じち法ほう第だい7条じょうに定さだめられており、関係かんけい市町村しちょうそんの申請しんせいに基もとづき、都道府県とどうふけん知事ちじがあらかじめ総務そうむ大臣だいじんに協議きょうぎし、その同意どういを得えた上うえで当該とうがい都道府県とどうふけんの議会ぎかいの議決ぎけつを経へてこれを定さだめ、直ただちにその旨むねを総務そうむ大臣だいじんに届とどけ出でることとなっている。（町まち〈村むら〉を市しとする処分しょぶん）

しかし実際じっさいには、総務そうむ大臣だいじんとの協議きょうぎの際さいに、地方ちほう自治じち法ほう第だい8条じょうの市制しせい要件ようけんの他ほか、市制しせい施行しこう協議きょうぎ基準きじゅん（昭和しょうわ28年ねん3月9日にち付づけ 自じ乙おつ発はつ第だい14号ごう 自治じち庁ちょう次長じちょう通知つうち）も満みたすことが求もとめられるため、多おおくの町村ちょうそんにとって市制しせいへの移行いこうは容易よういなものではない。

市制しせいへの移行いこうの例れいとしては東京とうきょう都と千代田ちよだ区くのように、特別とくべつ区くからの移行いこうを目指めざしているものもある（千代田ちよだ市し構想こうそう）。

また1995年ねん（平成へいせい7年ねん）に改正かいせいされた市町村しちょうそんの合併がっぺいの特例とくれいに関かんする法律ほうりつ（合併がっぺい特例とくれい法ほう）など市町村しちょうそん合併がっぺいを促進そくしんする法ほう整備せいびがなされ、市町村しちょうそん合併がっぺいの際さいにおける市制しせい要件ようけんが人口じんこう3万まん人にん以上いじょうに緩和かんわされその他たの要件ようけんを満みたす必要ひつようがなくなるなどしたため、町村ちょうそん合併がっぺいにより市制しせいを目指めざす例れいも多おおく見みられた。なお、この合併がっぺい特例とくれい法ほうは2005年ねん（平成へいせい17年ねん）3月がつに失効しっこうしたが、4月がつからは市町村しちょうそんの合併がっぺいの特例とくれい等とうに関かんする法律ほうりつが施行しこうされた。

市しの名称めいしょう

新あたらしく市しとなる普通ふつう地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの名称めいしょうについては、以前いぜんは特とくに規定きていもなく、福岡ふくおか県けん遠賀おんが郡ぐん若松わかまつ町まちが旧きゅう市制しせいの下したにおいて市制しせい施行しこうする際さいには福島ふくしま県けん若松わかまつ市し（1899年ねん（明治めいじ32年ねん）4月がつ1日にち市制しせい施行しこう）との重複じゅうふくは特とくに問題もんだいにならず、1914年ねん（大正たいしょう3年ねん）4月がつ1日にちに福岡ふくおか県けん若松わかまつ市し（現げん北九州きたきゅうしゅう市し若松わかまつ区く）が成立せいりつした。

しかし、1942年ねん（昭和しょうわ17年ねん）4月がつ1日にち市制しせい施行しこうの大阪おおさか府ふ泉大津いずみおおつ市しを嚆矢こうしに、1948年ねん（昭和しょうわ23年ねん）1月がつ1日にちに奈良なら県けん大和高田やまとたかだ市し、4月がつ1日にちに大阪おおさか府ふ泉佐野いずみさの市し、1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）1月がつ1日にちに奈良なら県けん大和郡山やまとこおりやま市し、3月31日にちに滋賀しが県けん近江八幡おうみはちまん市し、4月がつ1日にちに岐阜ぎふ県けん美濃加茂みのかも市しおよび大阪おおさか府ふ河内長野かわちながの市し、5月31日にちに大分おおいた県けん豊後高田ぶんごたかだ市しと、市しの名称めいしょうの重複じゅうふくに配慮はいりょした事例じれいが続つづき、半なかば慣行かんこう化かしていた。

その最中さいちゅう、東京とうきょう都と府中ふちゅう市し（1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）4月がつ1日にち市制しせい施行しこう）が市制しせい施行しこうを申請しんせいしたあとに、広島ひろしま県けん府中ふちゅう市しが「1954年ねん、（昭和しょうわ29年ねん）3月がつ31日にち」と一いち日にち早はやい市制しせい施行しこう日びを申請しんせいするという、ある種しゅの競争きょうそうが発生はっせいし、市しの名称めいしょうの重複じゅうふくが問題もんだい視しされるようになった。若松わかまつ市しの事例じれいと異ことなり、府中ふちゅう市しの事例じれいは重複じゅうふくに配慮はいりょすべき相手あいて先さきの市しがまだ存在そんざいしない時点じてんにおける競争きょうそうが理由りゆうの重複じゅうふくであったが、1954年ねん（昭和しょうわ29年ねん）7月がつ1日にちに埼玉さいたま県けん比企ひき郡ぐん松山まつやま町まちほか4村むらが合併がっぺいした際さいに市し名めいとして申請しんせいした松山まつやま市しは愛媛えひめ県けん松山まつやま市しとの重複じゅうふくを理由りゆうに認可にんかされず、東松山ひがしまつやま市しとなった。また、同どう一いち名称めいしょう市しの最初さいしょの事例じれいである若松わかまつ市しでも先さきに市制しせい施行しこうをした福島ふくしま県けん若松わかまつ市しが周辺しゅうへん町村ちょうそんの編入へんにゅうを期きに1955年ねん（昭和しょうわ30年ねん）1月がつ1日にち、会津若松あいづわかまつ市しに改称かいしょうした。

こうしたことを踏ふまえ、1970年ねん（昭和しょうわ45年ねん）に各かく都道府県とどうふけん知事ちじあてに出だされた「地方ちほう自治じち法ほうの一部いちぶを改正かいせいする法律ほうりつの施行しこうについて」（昭和しょうわ45年ねん3月がつ12日にち自治じち振ふ第だい32号ごう）という自治じち事務次官じむじかん通知つうちによって、「市しの設置せっち若もしくは町まちを市しとする処分しょぶんを行おこなう場合ばあいにおいて、当該とうがい処分しょぶんにより、新あらたに市しとなる普通ふつう地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの名称めいしょうについては、既存きそんの市しの名称めいしょうと同一どういつとなり、又または類似るいじすることとならないよう十じゅう分ふん配慮はいりょすること。」とされるようになった。

これ以後いご、既すでに存在そんざいする市しの（表記ひょうき上じょうの）名称めいしょうと同一どういつの名称めいしょうを使用しようすることができないとされ、既存きそんの市しと同一どういつ名称めいしょうの町まちが市制しせい施行しこうをする際さいには、方角ほうがく等とうを頭あたまに付ふす（北海道ほっかいどう北広島きたひろしま市し、埼玉さいたま県けん上福岡かみふくおか市し〈現げんふじみ野の市し〉、東京とうきょう都と東大和ひがしやまと市し、山口やまぐち県けん新南陽しんなんよう市し〈現げん周しゅう南市みなみいち〉など）、旧きゅう国名こくめいや都道府県とどうふけん名めい・郡ぐん名めいなどの広域こういき地名ちめいを付ふす（岩手いわて県けん陸前高田りくぜんたかた市し、茨城いばらき県けん常陸太田ひたちおおた市し、常陸ひたち大宮おおみや市し、京都きょうと府ふ京田辺きょうたなべ市し、大阪おおさか府ふ大阪おおさか狭山さやま市し、広島ひろしま県けん安芸あき高田たかだ市しなど）、地域ちいきを象徴しょうちょうする名詞めいし等とうを後うしろに付ふす（京都きょうと府ふ長岡京ながおかきょう市し、福岡ふくおか県けん大野城おおのじょう市しなど）、旧きゅう国名こくめいにする（大阪おおさか府ふ摂津せっつ市し<三島みしま町まちが市制しせい施行しこう>、高知こうち県けん土佐とさ市し<高岡たかおか町まちが市制しせい施行しこう>等とう）、広域こういき地名ちめいをそのまま使用しようする（福岡ふくおか県けん八女やめ市し〈福島ふくしま町まちが市制しせい施行しこう〉など）、瑞祥ずいしょう地名ちめいに変更へんこうする（埼玉さいたま県けん和光わこう市し〈大和やまと町まちが市制しせい施行しこう〉など）等とう、様々さまざまな方法ほうほうで市制しせい施行しこうにあたって重複じゅうふくを避さけている。

しかし、平成へいせいの大だい合併がっぺいが行おこなわれるなかで、歴史れきし的てきに共通きょうつうした項目こうもくがあるなどの合理ごうり的てきな理由りゆうによって既すでに存在そんざいする市し側がわが了承りょうしょうすれば、同一どういつの名称めいしょうを使用しようすることができるようになり、福島ふくしま県けん伊達だて郡ぐん伊達だて町まちほか4町まちが申請しんせいした伊達だて市しが北海道ほっかいどう伊達だて市しと同どう一いち名称めいしょうであるにもかかわらず認みとめられた。。

2017年ねん（平成へいせい29年ねん）現在げんざい、同どう一いち名称めいしょうの市しとしては前述ぜんじゅつの府中ふちゅう市しと伊達だて市しの2組くみが存在そんざいするのみとなっている。

また、「守山もりやま市し」と「八幡やはた市し」は、それぞれ愛知あいち県けんと福岡ふくおか県けんにあったが、いずれも合併がっぺいで消滅しょうめつした（守山もりやま市し→名古屋なごや市し守山もりやま区く、八幡やはた市し→北九州きたきゅうしゅう市し八幡やはた区く→北九州きたきゅうしゅう市し八幡西やはたにし区く・八幡東やはたひがし区く）ため、消滅しょうめつ後ごに市制しせい施行しこうした滋賀しが県けん守山もりやま市しや京都きょうと府ふ八幡やはた市しは支障ししょうなく市制しせい施行しこうしている。

なお、字じが違ちがうが同おなじ読よみの市しは、出水いずみ市しと和泉いずみ市し（いずみ）、鹿島かしま市しと鹿嶋かしま市し（かしま）、江南えな市しと香南こうなん市し（こうなん）、古河ふるかわ市しと古賀こが市し（こが）、堺さかい市しと坂井さかい市し（さかい）、さくら市しと佐倉さくら市し、津島つしま市しと対馬つしま市し（つしま）、北きた杜もり市しと北斗ほくと市し（ほくと）、三次みつぎ市しと三好みよし市しとみよし市し（みよし）、山形やまがた市しと山県やまがた市し（やまがた）の10組くみが存在そんざいする。このうち鹿嶋かしま市しとみよし市しは、市制しせい施行しこう時じに既存きそんの市し（鹿島かしま市し・三好みよし市し）と同一どういつ表記ひょうきとなることを避さけるために別べつの文字もじ（異体いたい字じ・平仮名ひらがな）を用もちいた例れいである。

都市とし制度せいど

一定いってい以上いじょうの規模きぼや地域ちいきでの役割やくわりをもつ市しは、政令せいれいで指定していされることによって、より多おおくの行政ぎょうせいサービスを行おこなう権限けんげんを持もつ、中核ちゅうかく市し、政令せいれい指定してい都市としに移行いこうできる。

日本にっぽん以外いがいの国くににおける市し

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく

「中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの行政ぎょうせい区分くぶん」も参照さんしょう

伝統でんとう的てきに中国ちゅうごくでは町まちのことを「城市じょうし」と呼よぶことはあったが、「市し」という行政ぎょうせい単位たんいは存在そんざいせず、現行げんこうの市制しせいは日本にっぽんにならったものである。1920年ねん、広東かんとん省しょうを掌握しょうあくした陳ちん炯明は同年どうねん12月がつに「広州こうしゅう市し暫行条例じょうれい」を公布こうふし、翌年よくねん施行しこうされた。これが中国ちゅうごくに市しが置おかれたはじめである。1921年ねん7月がつには徐じょ世よ昌あきらによって「市し自治じち制せい」が公布こうふされ、県けんの下したに市しと郷さとが置おかれた。

国民こくみん革命かくめい後のちには「市し組織そしき法ほう」を制定せいていし、直轄ちょっかつ市しと省しょうの下したに置おかれる省しょう轄市を置おいた。中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくでも同様どうようだったが（ただし直轄ちょっかつ市しの数かずは減へらされた）、一部いちぶの市しが周辺しゅうへんの農村のうそん部ぶを合併がっぺいするなどして巨大きょだい化かし、また一部いちぶの県けんが都市とし化かして市しと変かわらなくなってきた。そのため、1983年ねんに省はぶけ轄市を地ち級きゅう市しと県けん級きゅう市しに分わけた。現在げんざいの中国ちゅうごくでは直轄ちょっかつ市し、地ち級きゅう市し、県けん級きゅう市しの3つに「市し」が使つかわれる。

• 4つの直轄ちょっかつ市し（北京ぺきん市し、重慶たーちん市し、上海しゃんはい市し、天津てんしん市し）は、省しょうに属ぞくさず独立どくりつして自治じちを行おこなっている。
• 地ち級きゅう市し（地区ちく級きゅうの市し）は省しょうの下したに置おかれる。
• 県けん級きゅう市しはそれより下したの行政ぎょうせい区分くぶんで、ある地ち級きゅう市しの中なかに県けん級きゅう市しが存在そんざいすることもある。

中華民国ちゅうかみんこく（台湾たいわん）

詳細しょうさいは「直轄ちょっかつ市し (中華民国ちゅうかみんこく)」、「市し (中華民国ちゅうかみんこく)」、および「県けん轄市」を参照さんしょう

中華民国ちゅうかみんこくの市しは、行政ぎょうせい院いんが管轄かんかつする直轄ちょっかつ市し、省しょうの下したに設置せっちされる市し、省しょうの下したの各かく県けんに属ぞくする県けん轄市の3種類しゅるいがある。 2015年ねん現在げんざい、6つの直轄ちょっかつ市し (台北たいぺい市し、新北しんきた市し、台たい中ちゅう市し、台たい南市みなみいち、高こう雄市ゆういち、桃園ももぞの市し) 、3つの市し (基もと隆たかし市し、新しん竹市たけいち、嘉よしみ義よし市し)、14の県けん轄市 (竹たけ北市きたいち、苗なえ栗くり市し、頭あたま份市、彰あきら化か市し、員いん林はやし市し、南みなみ投とう市し、斗と六ろく市し、太ふとし保ほ市し、朴ほお子こ市し、屏へい東ひがし市し、宜むべ蘭あららぎ市し、花はな蓮はちす市し、台東たいとう市し、馬うま公こう市し) が存在そんざいする。

日本にっぽん統治とうち時代じだいの台湾たいわんの市制しせいについては日本にっぽん統治とうち時代じだいの台湾たいわん行政ぎょうせい区分くぶんを参照さんしょう。

韓国かんこく

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん後ごの1946年ねんにソウルが特別とくべつ市しとして成立せいりつした。朝鮮民主主義人民共和国ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこくと大韓民国だいかんみんこくの成立せいりつ後ご、それぞれの国くにで府ふを市しに改あらためた。大韓民国だいかんみんこくでは1949年ねん8月がつ15日にちに領土りょうど内ないの19の府ふをすべて市しに改あらためた（開城かいじょう市しを含ふくむ）。

大韓民国だいかんみんこくでは日本にっぽんと同様どうようの基礎きそ的てき自治体じちたいである一般いっぱん市しと、その中なかで人口じんこうが多おおい（50万まん人にん以上いじょう）の大都市だいとし（水原みずはら市しなど15市し）に「市し」が使つかわれる。このほか、日本にっぽんの都道府県とどうふけんに相当そうとうする広域こういき自治体じちたいである道みちの所属しょぞくから独立どくりつし、同等どうとうの広域こういき自治体じちたいとして自治じちを行おこなうソウル特別とくべつ市し、世よ宗むね特別とくべつ自治じち市し、釜山ぷさん・大邱たいきゅう・仁川にがわ・光州こうしゅう・大田おおた・蔚山うるさんの6つの広域こういき市しがあり、これらは公式こうしきには「特別とくべつ市し」「特別とくべつ自治じち市し」「広域こういき市し」を名乗なのる。ただし一般いっぱん的てきには単たんに「ソウル市し」「世よ宗むね市し」「釜山ぷさん市し」などと呼よぶことも多おおい。

ベトナム

「ベトナムの地方ちほう行政ぎょうせい区画くかく」を参照さんしょう

ベトナムの都市としは、「城しろ庯」（thành phố）と呼よばれ、第だい一いち級きゅうには中央ちゅうおう直轄ちょっかつ市し（Thành phố trực thuộc Trung ương, 城しろ庯直屬ちょくぞく中央ちゅうおう）として、第だい二に級きゅうには省しょう轄市（thành phố thuộc tỉnh, 城しろ庯屬省しょう）として存在そんざいする。第だい二に級きゅうには、ほかに「市し社しゃ（thị xã）」と呼よばれる市しもある。

脚注きゃくちゅう

関連かんれん項目こうもく

• 日本にっぽんの地方ちほう公共こうきょう団体だんたい一覧いちらん
• 日本にっぽんの市しの人口じんこう順位じゅんい
• 日本にっぽんの市しの面積めんせき一覧いちらん
• 同どう一いち名称めいしょうの市区しく町村ちょうそん一覧いちらん
• 単独たんどく市制しせい
• 市町村しちょうそん
• 町まち丁ひのと
• プロジェクト:日本にっぽんの市町村しちょうそん
• 中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくの行政ぎょうせい区分くぶん
• 台湾たいわんの行政ぎょうせい区分くぶん

外部がいぶリンク

• 都道府県とどうふけん市区しく町村ちょうそん - Wikipedia同様どうよう、有志ゆうしによって作つくられる日本にっぽんの地方自治体ちほうじちたいのデータ集しゅう
• 行政ぎょうせい区画くかく変遷へんせん一覧いちらん表ひょう（更さらに充実じゅうじつ「地名ちめい&消印けしいん」サイト）