手術 しゅじゅつ とは、用 よう 手 しゅ 的 てき に創傷 そうしょう あるいは疾患 しっかん を制御 せいぎょ する治療 ちりょう 法 ほう であり、生体 せいたい に侵 おかせ 襲 かさね を加 くわ えるものをいう。手術 しゅじゅつ は外科 げか 医師 いし が担当 たんとう することが多 おお い。体調 たいちょう 不良 ふりょう で内科 ないか を受診 じゅしん した際 さい に手術 しゅじゅつ が必要 ひつよう になった場合 ばあい 、今後 こんご の受診 じゅしん は外科 げか に引 ひ き継 つ がれる。
手術 しゅじゅつ の目的 もくてき は、病態 びょうたい の制御 せいぎょ および失 うしな われた機能 きのう の回復 かいふく である。直接的 ちょくせつてき ではなく間接 かんせつ 的 てき に治療 ちりょう に繋 つな がる手術 しゅじゅつ もある。
拡大 かくだい 手術 しゅじゅつ と縮小 しゅくしょう 手術 しゅじゅつ
外科医 げかい らは「治療 ちりょう 成績 せいせき の向上 こうじょう 」などと主張 しゅちょう して侵 おかせ 襲 かさね の大 おお きい手術 しゅじゅつ を拡大 かくだい させ続 つづ けた歴史 れきし がある。しかし1990年代 ねんだい 前後 ぜんこう あたりから根拠 こんきょ に基 もと づく医療 いりょう (EBM) の重要 じゅうよう 性 せい が広 ひろ く認識 にんしき されるようになり、予 よ 後 ご 、手術 しゅじゅつ 後 ご の結果 けっか を疫学 えきがく 的 てき に(大 だい 人数 にんずう を対象 たいしょう に、客観 きゃっかん 的 てき に、統計 とうけい 的 てき ・科学 かがく 的 てき に)調査 ちょうさ してみると、実際 じっさい には拡大 かくだい 手術 しゅじゅつ が治療 ちりょう 成績 せいせき の向上 こうじょう に寄与 きよ していないことや、反対 はんたい に身体 しんたい に害 がい を与 あた えていることも多 おお いことが明 あき らかになり、拡大 かくだい 手術 しゅじゅつ に対 たい する反省 はんせい の声 こえ が挙 あ がった。またQOL が重視 じゅうし されるようになったことや、患者 かんじゃ 側 がわ の意識 いしき の高 たか まりもあり、2004年 ねん 現在 げんざい では手術 しゅじゅつ は全体 ぜんたい として縮小 しゅくしょう 化 か の流 なが れにある。
低 てい 侵 おかせ 襲 かさね 手術 しゅじゅつ
内視鏡 ないしきょう 手術 しゅじゅつ や血管 けっかん 内 ない 手術 しゅじゅつ など、従来 じゅうらい よりも侵 おかせ 襲 かさね の少 すく ない手術 しゅじゅつ のこと。手術 しゅじゅつ 用 よう 器械 きかい の技術 ぎじゅつ 的 てき 改良 かいりょう の進歩 しんぽ により、従来 じゅうらい より安全 あんぜん に手術 しゅじゅつ が行 おこな えるようになった。特 とく に心臓 しんぞう 病 びょう ではカテーテル治療 ちりょう の飛躍 ひやく 的 てき な進歩 しんぽ により、開 ひらき 胸 むね 手術 しゅじゅつ を回避 かいひ しての救命 きゅうめい 術 じゅつ が一般 いっぱん 的 てき となっている。例 たと えばカテーテル で装着 そうちゃく する補助 ほじょ 人工 じんこう 心臓 しんぞう である「Abiomed Impella(以下 いか インペラ)」が2016年 ねん に認可 にんか され日本 にっぽん でも2017年 ねん 9月 がつ に保険 ほけん 収載 しゅうさい された。2018年 ねん 1月 がつ 現在 げんざい 、全国 ぜんこく 31施設 しせつ でインペラを用 もち いた治療 ちりょう が可能 かのう となり、国立 こくりつ 循環 じゅんかん 器 き 病 びょう 研究 けんきゅう センター の救急 きゅうきゅう 救命 きゅうめい 率 りつ は急性 きゅうせい 心筋梗塞 しんきんこうそく の場合 ばあい で95%以上 いじょう にまで引 ひ き上 あ げられた[ 2] 。また心房 しんぼう 細 ほそ 動 どう に対 たい するカテーテルアブレーション治療 ちりょう は、1998年 ねん 、高橋 たかはし 淳 あつし が日本 にっぽん に初 はじ めて導入 どうにゅう し、2006年 ねん から2017年 ねん までの12年間 ねんかん のカテーテルアブレーション総数 そうすう は横須賀共済病院 よこすかきょうさいびょういん だけでもすでに1万 まん 件 けん を超 こ えている[ 3] 。
またコンピュータを手術 しゅじゅつ 中 ちゅう に活用 かつよう するコンピュータ支援 しえん 外科 げか も一部 いちぶ で使 つか われるようになった。鏡 かがみ 視 し 下 か 手術 しゅじゅつ に関 かん しては、体 からだ 表 ひょう の切開 せっかい 創 そう こそ小 ちい さいものの、手術 しゅじゅつ の内容 ないよう 自体 じたい は従来 じゅうらい の手術 しゅじゅつ とほぼ変 か わらないため、本当 ほんとう に低 てい 侵 おかせ 襲 かさね であるかどうかは議論 ぎろん のあるところである。また(すべての手術 しゅじゅつ に言 い えることではあるが)たとえ比較的 ひかくてき 安全 あんぜん な機器 きき や技法 ぎほう が開発 かいはつ されたとしても、それを使 つか う医師 いし がそれに習熟 しゅうじゅく していなければ安全 あんぜん な手術 しゅじゅつ ができるはずもないわけであり、未熟 みじゅく な執刀 しっとう 医 い による医療 いりょう 事故 じこ も発生 はっせい している。
ポリープ切除 せつじょ 術 じゅつ (ポリペクトミー)
ポリペクトミー は、内視鏡 ないしきょう 手術 しゅじゅつ の一 ひと つ。胃 い や大腸 だいちょう などの太 ふと い内視鏡 ないしきょう が入 はい る消化 しょうか 管 かん にできるポリープ 等 ひとし の隆起 りゅうき 性 せい 病変 びょうへん を、内視鏡 ないしきょう 下 か に切除 せつじょ する手術 しゅじゅつ である。
姑息 こそく 的 てき 手術 しゅじゅつ
根治 こんじ が望 のぞ めない病態 びょうたい において、症状 しょうじょう の緩和 かんわ もしくは延命 えんめい を目的 もくてき として行 おこな う手術 しゅじゅつ を姑息 こそく 的 てき 手術 しゅじゅつ という。腹腔 ふくこう 内 ない のがん による腸閉塞 ちょうへいそく に対 たい し、食物 しょくもつ が通過 つうか できるように行 おこな うバイパス術 じゅつ などがこれに当 あ たる。
単 たん 開 ひらき 胸 むね 術 じゅつ 、単 たん 開腹 かいふく 術 じゅつ
治療 ちりょう 目的 もくてき で開 ひらけ 胸 むね または開腹 かいふく したものの、病変 びょうへん が思 おも いの外 ほか 進行 しんこう しており手術 しゅじゅつ 適応 てきおう がないと判断 はんだん されたなど、外科 げか 的 てき 治療 ちりょう を実施 じっし することなく手術 しゅじゅつ を終了 しゅうりょう したものをいう。
試験 しけん 的 てき 開 ひらき 胸 むね 術 じゅつ
そもそも治療 ちりょう 目的 もくてき でなく、診断 しんだん を確定 かくてい するために開 ひらけ 胸 むね ・開腹 かいふく する手術 しゅじゅつ は試験 しけん 的 てき 開 ひらき 胸 むね 術 じゅつ 、開腹 かいふく 術 じゅつ という。直接的 ちょくせつてき にはまったく治療 ちりょう 目的 もくてき はなく、外科 げか 的 てき 治療 ちりょう を行 おこな うことなく手術 しゅじゅつ を終了 しゅうりょう することもある。
大 おお きな病院 びょういん では、個々 ここ の患者 かんじゃ に対 たい する治療 ちりょう 戦略 せんりゃく は、関連 かんれん 分野 ぶんや の専門 せんもん 家 か が参加 さんか するカンファレンス で合議 ごうぎ 的 てき に検討 けんとう される。手術 しゅじゅつ は侵 おかせ 襲 かさね とリスクを伴 ともな うため、それに見合 みあ った治療 ちりょう 効果 こうか が見込 みこ めない場合 ばあい は他 た の治療 ちりょう 法 ほう が推奨 すいしょう される。数 かず 十 じゅう 年 ねん 前 まえ はひとりの外科 げか 医師 いし が独断 どくだん で判断 はんだん を下 くだ すなどということが行 おこな われていた時代 じだい もあったが、こうしたやりかたは問題 もんだい を生 しょう じさせがちなので次第 しだい に減 へ ってきた。
術 じゅつ 前 ぜん 診断 しんだん は妥当 だとう かどうか
手術 しゅじゅつ によって病態 びょうたい が制御 せいぎょ できるかどうか
患者 かんじゃ の全身 ぜんしん 状態 じょうたい は手術 しゅじゅつ によく耐 た えられるかどうか
手術 しゅじゅつ 以外 いがい の治療 ちりょう 法 ほう との効果 こうか やリスクの比較 ひかく
どのような手術 しゅじゅつ が適 てき しているか
主 おも に以上 いじょう の点 てん をもとに手術 しゅじゅつ の妥当 だとう 性 せい が検討 けんとう される。
医師 いし の患者 かんじゃ への説明 せつめい と患者 かんじゃ 側 がわ の判断 はんだん
編集 へんしゅう
検討 けんとう 結果 けっか は原則 げんそく としてすべて患者 かんじゃ 本人 ほんにん に伝 つた えられる。患者 かんじゃ はその情報 じょうほう をもとに、どのような手術 しゅじゅつ を受 う けるのか、あるいは別 べつ の治療 ちりょう 法 ほう を希望 きぼう するのか、自 みずか らの意志 いし で選択 せんたく することが求 もと められる。近年 きんねん 日本 にっぽん でもインフォームド・コンセント が必要 ひつよう だとの理解 りかい が普及 ふきゅう し、医師 いし がじっくり説明 せつめい をし、患者 かんじゃ 十 じゅう 分 ふん に理解 りかい できた上 うえ で、手術 しゅじゅつ を受 う けるのか あるいは 受 う けないのか、原則 げんそく 的 てき に自 みずか らの意志 いし で最終 さいしゅう 決断 けつだん を下 くだ すべきだとされている。またひとつの病院 びょういん による説明 せつめい だけでは偏 かたよ りや判断 はんだん ミスが入 はい っている可能 かのう 性 せい もあるので、念 ねん のため他 た の医師 いし の説明 せつめい や意見 いけん も聞 き くこと、つまりセカンド・オピニオン を求 もと めることも一般 いっぱん 的 てき になりつつある。
手術 しゅじゅつ に際 さい しては安全 あんぜん 性 せい を高 たか めるため、可能 かのう な限 かぎ り全身 ぜんしん 状態 じょうたい を良好 りょうこう に保 たも つことが必要 ひつよう である。原則 げんそく 的 まと には手術 しゅじゅつ 前 まえ に入院 にゅういん のうえ全身 ぜんしん 状態 じょうたい の管理 かんり を行 おこな ったうえで手術 しゅじゅつ を行 おこな うが、これには例外 れいがい もあり、近年 きんねん 白内障 はくないしょう 手術 しゅじゅつ や腹腔 ふくこう 鏡 きょう 下 か 胆嚢 たんのう 摘出 てきしゅつ 術 じゅつ など比較的 ひかくてき 侵 おかせ 襲 かさね の小 ちい さい手術 しゅじゅつ (低 てい 侵 おかせ 襲 かさね 手術 しゅじゅつ )については日帰 ひがえ り手術 しゅじゅつ が行 おこな われている。
手術 しゅじゅつ 侵 おかせ 襲 かさね に耐 た えられる全身 ぜんしん 状態 じょうたい を維持 いじ
自己 じこ 血 ち の貯血(手術 しゅじゅつ 時 じ に輸血 ゆけつ が必要 ひつよう なことが予 あらかじ めわかっている場合 ばあい 、手術 しゅじゅつ の2 - 3週 しゅう 前 まえ に患者 かんじゃ 自身 じしん の血液 けつえき を採取 さいしゅ し、輸血 ゆけつ 用 よう 血液 けつえき として使用 しよう することがある。自己 じこ 血 ち 輸血 ゆけつ を参照 さんしょう 。)
手術 しゅじゅつ に悪影響 あくえいきょう を及 およ ぼす薬 くすり の一時 いちじ 中止 ちゅうし (休 きゅう 薬 やく )、他 た 剤 ざい への変更 へんこう
アレルギーの確認 かくにん ・評価 ひょうか
口腔 こうくう ケア
手術 しゅじゅつ を行 おこな う医師 いし 、術中 じゅっちゅう 全身 ぜんしん 管理 かんり を行 おこな う麻酔 ますい 科 か の医師 いし 、手術 しゅじゅつ に関 かか わる看護 かんご 師 し らによって患者 かんじゃ と手術 しゅじゅつ に対 たい する評価 ひょうか が行 おこな われ、周 しゅう 術 じゅつ 期 き 管理 かんり 計画 けいかく が立 た てられる。
全身 ぜんしん 麻酔 ますい が予定 よてい されている場合 ばあい は、麻酔 ますい 導入 どうにゅう 時 じ の誤 あやま 嚥 えん を予防 よぼう するため、手術 しゅじゅつ 前 まえ の一定 いってい 期間 きかん は絶 ぜっ 飲食 いんしょく となる。また腹腔 ふくこう 内 ない の手術 しゅじゅつ などでは腸管 ちょうかん 内 ない の清浄 せいじょう 化 か を目的 もくてき に下剤 げざい が投与 とうよ される。手術 しゅじゅつ 部位 ぶい の剃 そ 毛 け がかつては行 おこな われていたが、剃 そ 毛 け により皮膚 ひふ 感染 かんせん が増加 ぞうか することが明 あき らかになり、一部 いちぶ の例外 れいがい を除 のぞ いて現在 げんざい では行 おこな われていない。手術 しゅじゅつ 室 しつ へ入 はい る直前 ちょくぜん に、気道 きどう 分泌 ぶんぴつ の抑制 よくせい 、鎮痛 ちんつう 、手術 しゅじゅつ に対 たい する緊張 きんちょう の緩和 かんわ を目的 もくてき に、抗 こう コリン薬 やく 、鎮痛 ちんつう 薬 やく 、鎮静 ちんせい 薬 やく が投与 とうよ される(これらを前 ぜん 投薬 とうやく と呼 よ ぶ)場合 ばあい があったが、最近 さいきん ではなるべく行 おこな わない方向 ほうこう へと進 すす んでいる。
手術 しゅじゅつ を行 おこな うための部屋 へや を手術 しゅじゅつ 室 しつ と言 い う。
なお手術 しゅじゅつ 室 しつ のことをアメリカ英語 えいご で operating room と呼 よ ぶことから、その省略 しょうりゃく 形 かたち であるOR (オー・アール)、あるいは、日本語 にほんご との混交 こんこう で「オペ室 しつ 」と呼 よ ぶ場合 ばあい がある。
欧米 おうべい の病院 びょういん では、一般 いっぱん に、それぞれの診療 しんりょう 科 か に手術 しゅじゅつ 室 しつ のセクションがある。
日本 にっぽん の病院 びょういん では、一般 いっぱん に、手術 しゅじゅつ 室 しつ は中央 ちゅうおう 集中 しゅうちゅう 型 がた であり中央 ちゅうおう 手術 しゅじゅつ 部 ぶ として一 いち カ所 かしょ にまとめられている。
手術 しゅじゅつ 室 しつ を含 ふく む手術 しゅじゅつ エリアは清潔 せいけつ 区域 くいき のため、入室 にゅうしつ する際 さい は外来 がいらい 菌 きん をなるべく少 すく なくする目的 もくてき から、スタッフは術 じゅつ 衣 ころも に着替 きが え、靴 くつ を履 は き替 か え、帽子 ぼうし とサージカルマスクを着用 ちゃくよう する。術 じゅつ 衣 ころも の色 いろ は術 じゅつ 野 の の赤色 あかいろ ばかりを見 み て色 いろ 残像 ざんぞう が生 しょう じることを考慮 こうりょ して一般 いっぱん に「緑 みどり 」ないしは「青 あお 」がほとんどである。
患者 かんじゃ は病棟 びょうとう のストレッチャー(担架 たんか )から手術 しゅじゅつ 室 しつ 内 ない のストレッチャーへ移 うつ し変 か えられる。症状 しょうじょう によっては歩行 ほこう で入室 にゅうしつ 可能 かのう な場合 ばあい もある。
執刀 しっとう に先立 さきだ って麻酔 ますい が施行 しこう される。麻酔 ますい の主 おも な目的 もくてき は、有害 ゆうがい な反射 はんしゃ の抑制 よくせい と疼痛 とうつう のコントロールであり、麻酔 ますい 担当 たんとう の医師 いし が術 じゅつ 者 しゃ とは別 べつ に付 つ くのが原則 げんそく である(局所 きょくしょ 麻酔 ますい の手術 しゅじゅつ では術 じゅつ 者 しゃ が麻酔 ますい 管理 かんり を兼 か ねることもある)。手術 しゅじゅつ において麻酔 ますい 担当 たんとう 医 い は患者 かんじゃ の全身 ぜんしん 状態 じょうたい を管理 かんり しており、呼吸 こきゅう ・循環 じゅんかん の管理 かんり から体温 たいおん の調節 ちょうせつ 、薬剤 やくざい 投与 とうよ 、輸液 の調節 ちょうせつ 、出血 しゅっけつ 量 りょう の監視 かんし 、輸血 ゆけつ に至 いた るまであらゆる処置 しょち を一 いち 手 て に担 にな う。また必要 ひつよう に応 おう じて術 じゅつ 者 しゃ にもこれらの情報 じょうほう を提供 ていきょう し、安全 あんぜん な手術 しゅじゅつ が行 おこな えるようサポートする。
麻酔 ますい には局所 きょくしょ 麻酔 ますい (浸潤 しんじゅん 麻酔 ますい ・脊椎 せきつい 麻酔 ますい ・硬 かた 膜 まく 外 がい 麻酔 ますい )と全身 ぜんしん 麻酔 ますい があり、目的 もくてき により選択 せんたく される。
局所 きょくしょ 麻酔 ますい :体 からだ のある部分 ぶぶん のみに効 き く麻酔 ますい 。通常 つうじょう は神経 しんけい の伝達 でんたつ を遮断 しゃだん する薬剤 やくざい が注射 ちゅうしゃ される。目的 もくてき の部位 ぶい に直接 ちょくせつ 麻酔 ますい 薬 やく を注射 ちゅうしゃ する(浸潤 しんじゅん 麻酔 ますい )こともあれば、目的 もくてき の部位 ぶい を支配 しはい する神経 しんけい に麻酔 ますい 薬 やく を効 き かせる(伝達 でんたつ 麻酔 ますい )こともある。
全身 ぜんしん 麻酔 ますい :全身 ぜんしん に効 き く=意識 いしき がなくなる麻酔 ますい 。通常 つうじょう は鎮痛 ちんつう ・鎮静 ちんせい ・筋 すじ 弛緩 しかん の3つを得 え る麻酔 ますい を指 さ す。麻酔 ますい をかけられるとまず意識 いしき がなくなり、やがて自発 じはつ 呼吸 こきゅう も止 と まる。すると麻酔 ますい 担当 たんとう 医 い によって気管 きかん 内 ない 挿管され、人工 じんこう 呼吸 こきゅう 器 き に接続 せつぞく される。手術 しゅじゅつ 中 ちゅう は継続 けいぞく 的 てき に薬剤 やくざい が投与 とうよ され、麻酔 ますい が維持 いじ される。
外来 がいらい 菌 きん による感染 かんせん を防 ふせ ぐため、手術 しゅじゅつ は無菌 むきん の領域 りょういき (清潔 せいけつ 野 の )を形成 けいせい して行 おこな われる。手術 しゅじゅつ 操作 そうさ に関 かか わるスタッフも清潔 せいけつ 野 の に触 ふ れる部分 ぶぶん (上肢 じょうし ・前 ぜん 胸部 きょうぶ ・腹部 ふくぶ )は無菌 むきん でなければならない。そのため、術 じゅつ 者 しゃ である医師 いし 、助手 じょしゅ を務 つと める医師 いし 、内回 うちまわ り(器械 きかい 出 だ し)の看護 かんご 師 し 等 ひとし 全員 ぜんいん が、手 て ないし腕 うで の洗浄 せんじょう を行 おこな い、滅菌 めっきん ガウンを着用 ちゃくよう し、滅菌 めっきん 手袋 てぶくろ を装着 そうちゃく する。
手術 しゅじゅつ 用 よう 手洗 てあら いはまず、指先 ゆびさき から肘 ひじ に至 いた るまでを滅菌 めっきん 水 すい と消毒 しょうどく 液 えき を用 もち いて念入 ねんい りに洗浄 せんじょう する。手術 しゅじゅつ 用 よう 手洗 てあら いの目的 もくてき は、手指 しゅし に付着 ふちゃく している病原菌 びょうげんきん の除去 じょきょ である。手術 しゅじゅつ 用 よう 手洗 てあら いの仕方 しかた は各 かく 施設 しせつ ごとに若干 じゃっかん 個性 こせい があり、古典 こてん 的 てき には滅菌 めっきん ブラシを用 もち いた擦 こす り洗 あら いであるが、皮膚 ひふ 保護 ほご などを理由 りゆう に簡便 かんべん な揉 も み手 で 洗 あら いを行 おこな っている施設 しせつ もある。
手術 しゅじゅつ 用 よう 手洗 てあら いの後 のち 、滅菌 めっきん されたガウンを着 き る。手術 しゅじゅつ 用 よう 手洗 てあら いを行 おこな った手 て が再 ふたた び汚染 おせん されないように、介助 かいじょ 者 しゃ の手 て を借 か りて着用 ちゃくよう する。その後 ご に滅菌 めっきん 手袋 てぶくろ を装着 そうちゃく する。手袋 てぶくろ には一般 いっぱん 手袋 てぶくろ とヨード 配合 はいごう の抗菌 こうきん 手袋 てぶくろ が存在 そんざい する。また、手袋 てぶくろ に生 しょう じた穿孔 せんこう による手術 しゅじゅつ 部位 ぶい 感染 かんせん を低減 ていげん するため、手袋 てぶくろ の二重化 にじゅうか (二 に 重 じゅう 手袋 てぶくろ )を行 おこな う事例 じれい もある[ 4] 。
麻酔 ますい 管理 かんり の医師 いし や、外回 そとまわ りの看護 かんご 師 し 、ME(臨床 りんしょう 工学 こうがく 技士 ぎし )等 とう 、清潔 せいけつ 野 の に直接 ちょくせつ 関 かか わらない者 もの は手洗 てあら いは行 おこな わない。
切開 せっかい を行 おこな う部位 ぶい を中心 ちゅうしん に、ポビドンヨード ないしはアルコール による十分 じゅうぶん な消毒 しょうどく が行 おこな われる。消毒 しょうどく が終 お わると、消毒 しょうどく した部分 ぶぶん の周囲 しゅうい を滅菌 めっきん されたシーツ(ドレープ)で覆 おお い、清潔 せいけつ 野 の を形成 けいせい する。
こうして手術 しゅじゅつ を行 おこな う環境 かんきょう が整 ととの ったら執刀 しっとう が開始 かいし される。執刀 しっとう に参加 さんか する医師 いし は、例 たと えば一般 いっぱん 的 てき な開腹 かいふく や開 ひらき 胸 むね 手術 しゅじゅつ の場合 ばあい は3 - 4人 にん 程度 ていど である。大学 だいがく 病院 びょういん や大 だい 病院 びょういん であると4人 にん - 5人 にん 程度 ていど 、人手 ひとで の少 すく ない病院 びょういん だと2人 ふたり で行 おこな うこともある。また手術 しゅじゅつ 介助 かいじょ の看護 かんご 師 し が参加 さんか する。
まず術 じゅつ 者 しゃ (執刀 しっとう 医師 いし )によって皮膚 ひふ にメスが入 い れられる。術 じゅつ 者 しゃ は術 じゅつ 前 まえ の計画 けいかく に沿 そ って手術 しゅじゅつ を進行 しんこう する。実際 じっさい の所見 しょけん が術 じゅつ 前 まえ の予想 よそう と異 こと なる場合 ばあい (例 れい :予想 よそう より進行 しんこう していた、腫瘍 しゅよう の癒着 ゆちゃく が強固 きょうこ )があり、術中 じゅっちゅう の判断 はんだん で計画 けいかく (術 じゅつ 式 しき )が変更 へんこう 、追加 ついか されることもある。ただしこの術中 じゅっちゅう の計画 けいかく 変更 へんこう 、追加 ついか については患者 かんじゃ にあらかじめ可能 かのう 性 せい として説明 せつめい されていることが望 のぞ ましい。術中 じゅっちゅう に偶然 ぐうぜん 発見 はっけん された全 ぜん く別 べつ の疾患 しっかん については、たとえ医学 いがく 的 てき に妥当 だとう 性 せい があったとしても、本人 ほんにん (もしくは代理人 だいりにん )の同意 どうい なしには治療 ちりょう を行 おこな うべきでないというのが2021年 ねん 現在 げんざい 主流 しゅりゅう の考 かんが え方 かた である。しかし、一般 いっぱん 的 てき には多 おお く行 おこな われ、事後 じご 同意 どうい という形式 けいしき を取 と っている場合 ばあい も多 おお い。
手術 しゅじゅつ 操作 そうさ 終了 しゅうりょう 後 ご 、術後 じゅつご の癒着 ゆちゃく 防止 ぼうし 、細菌 さいきん や遺 のこ 残 ざん 癌 がん 細胞 さいぼう の除去 じょきょ などを目的 もくてき に、温 あたた めた生理 せいり 食 しょく 塩水 えんすい による術 じゅつ 野 の の洗浄 せんじょう が行 おこな われる。また切開 せっかい 創 そう の直下 ちょっか は術後 じゅつご 高 だか 頻度 ひんど に癒着 ゆちゃく を起 お こすが、主 おも に繰 く り返 かえ し開腹 かいふく を行 おこな う可能 かのう 性 せい がある帝王切開 ていおうせっかい などで癒着 ゆちゃく 防止 ぼうし のシート材 ざい が使用 しよう されている。創 そう を閉鎖 へいさ する前 まえ には、手術 しゅじゅつ で使 つか われた器具 きぐ やガーゼ、針 はり などの体内 たいない 遺 のこ 残 ざん を防 ふせ ぐため、主 おも に手術 しゅじゅつ 補助 ほじょ の看護 かんご 師 し によって入念 にゅうねん な数 かず 合 あ わせが行 おこな われる。これが合 あ わない場合 ばあい は創 そう を閉鎖 へいさ せず、体内 たいない に遺 のこ 残物 ざんぶつ がないと確認 かくにん できるまで探 さが し続 つづ けるのが原則 げんそく である。また人的 じんてき ミスも考慮 こうりょ して、術後 じゅつご すぐに手術 しゅじゅつ 部分 ぶぶん のX線 せん 写真 しゃしん を撮影 さつえい し、遺 のこ 残物 ざんぶつ がないか確認 かくにん することも多 おお い。
創 そう 閉鎖 へいさ 後 ご 、滅菌 めっきん シーツ(ドレープ )が取 と り外 はず され、麻酔 ますい 薬 やく の投与 とうよ が中止 ちゅうし され、患者 かんじゃ は麻酔 ますい から回復 かいふく する。
手術 しゅじゅつ 後 ご に最終 さいしゅう 術 じゅつ 式 しき がどうなったか判断 はんだん され、記録 きろく される。
術後 じゅつご 、手術 しゅじゅつ のダメージから回復 かいふく するまで治療 ちりょう は継続 けいぞく される。手術 しゅじゅつ 創 そう の処置 しょち が行 おこな われ、点滴 てんてき や投薬 とうやく で全身 ぜんしん 状態 じょうたい の改善 かいぜん が図 はか られる。術後 じゅつご 合併症 がっぺいしょう の予防 よぼう には細心 さいしん の注意 ちゅうい が払 はら われるが、不幸 ふこう にも発症 はっしょう した場合 ばあい には対症療法 たいしょうりょうほう が行 おこな われる。
旧 きゅう 日本 にっぽん 軍 ぐん の軍医 ぐんい の手術 しゅじゅつ 用具 ようぐ 入 い れ
手術 しゅじゅつ 器具 きぐ は診療 しんりょう 科 か により、施設 しせつ により、さらには術 じゅつ 者 しゃ により多彩 たさい を極 きわ め、その呼 よ び名 な も様々 さまざま である。ここでは最 もっと も基本 きほん 的 てき な器具 きぐ につき解説 かいせつ する。
メス :「手術 しゅじゅつ といえばメス」というほど認知 にんち 度 ど が高 たか い手術 しゅじゅつ 器具 きぐ だが、皮膚 ひふ を切開 せっかい する際 さい に用 もち いる程度 ていど である。大小 だいしょう 様々 さまざま な形状 けいじょう のメスがあり、術 じゅつ 者 しゃ (医師 いし )の好 この みにより使 つか い分 わ けられる。刃先 はさき の尖 とが ったメスを尖 とんが 刃 は 刀 がたな と呼 よ び、刃先 はさき の丸 まる いメスを円 えん 刃 は 刀 がたな と呼 よ ぶ。
電気 でんき メス :高周波 こうしゅうは 電流 でんりゅう により組織 そしき を焼 や き切 き る機器 きき 。止血 しけつ と切開 せっかい が同時 どうじ にできるので最 もっと も頻繁 ひんぱん に使 つか われる機器 きき である。そのほか、刃先 はさき の微 ほろ 振動 しんどう で切 き る超 ちょう 音波 おんぱ メスや、医療 いりょう 用 よう レーザで焼 や き切 き るレーザメスなどがある。
剪刀 ( せんとう ) :はさみのこと。刃先 はさき の曲 ま がった曲 きょく 剪刀が好 この んで使 つか われる。切 き るだけでなく、組織 そしき をはがしていく剥離 はくり 操作 そうさ にも活躍 かつやく する。代表 だいひょう 的 てき なものはクーパー剪刀、メーヨー剪刀、メッツェンバウム剪刀など。
鑷子 ( せっし ) :ピンセットのこと。把持 はじ する組織 そしき に合 あ わせて様々 さまざま な形状 けいじょう の鑷子があり、呼称 こしょう も様々 さまざま である。スウェーデン鑷子、ドゥベーキー鑷子、アドソン鑷子、マッカンドー鑷子など。
鉗子 ( かんし ) :組織 そしき を把持 はじ する器具 きぐ 。はさみのような外見 がいけん で、手元 てもと にストッパー(ラチェット)がついており挟 はさ んだままにできる。挟 はさ む、牽引 けんいん する、つぶす、開 ひら く、すくう、遮断 しゃだん する、など様々 さまざま な用途 ようと に用 もち いられる。コッヘル鉗子、ペアン鉗子、ケリー鉗子、モスキート鉗子、アリス鉗子など。
針 はり :糸 いと をつけて縫合 ほうごう に用 もち いる。通常 つうじょう は弯曲のついた曲 きょく 針 はり が用 もち いられる。縫 ぬ う組織 そしき によって大 おお きさ、太 ふと さ、弯曲具合 ぐあい 、断面 だんめん の形状 けいじょう が異 こと なる。一般 いっぱん に腸管 ちょうかん 等 とう の組織 そしき 結合 けつごう には丸 まる 針 はり 、皮膚 ひふ 縫合 ほうごう には角 かく 針 はり を用 もち いる。裁縫 さいほう の縫 ぬ い針 ばり のように糸 いと を通 とお して使 つか うものや、針 はり のうしろに糸 いと が付 つ いている針 はり 付 つ き縫合 ほうごう 糸 いと がある。
持 もち 針 はり 器 き ( じしんき ) :針 はり を持 も つ器具 きぐ 。組織 そしき を縫 ぬ い合 あ わせる時 とき に用 もち いる。マッチュー持 じ 針 はり 器 き 、ヘガール持 じ 針 はり 器 き など。
鉤 かぎ ( こう ) : 先 さき がカギ状 じょう に曲 ま がっている器具 きぐ 。組織 そしき を引 ひ っかけて牽引 けんいん するのに用 もち いられる。筋 すじ 鉤 かぎ 、神経 しんけい 鉤 かぎ 、腹壁 ふくへき 鉤 かぎ (ザッテル)、肝臓 かんぞう 鉤 かぎ など。
自動 じどう 縫合 ほうごう ・吻合 ふんごう 器 き :自動 じどう で縫合 ほうごう 、吻合 ふんごう する器械 きかい 。縫合 ほうごう 糸 いと に替 か わり自動的 じどうてき かつ均一 きんいつ な縫合 ほうごう が可能 かのう で、同時 どうじ に吻合 ふんごう もでき、手技 しゅぎ の発展 はってん とQOL向上 こうじょう が期待 きたい される。リニアステープラー、サーキュラーステープラーなど。
開 ひらき 創 そう 器 き ( かいそうき ) :手術 しゅじゅつ 創 そう を広 ひろ げておく器械 きかい 。
手術 しゅじゅつ の合併症 がっぺいしょう の主 おも なものは、創 そう 感染 かんせん 、感染 かんせん 症 しょう 、痛 いた みなど[ 5] 。合併症 がっぺいしょう は手術 しゅじゅつ をする部位 ぶい によってさまざまである[ 5] 。これらは医師 いし から事前 じぜん に説明 せつめい があり、患者 かんじゃ が同意 どうい 書 しょ に署名 しょめい した上 うえ で手術 しゅじゅつ が行 おこな われる。
創 そう 感染 かんせん とは手術 しゅじゅつ の創 そう を縫 ぬ った部分 ぶぶん (縫合 ほうごう 部 ぶ )で細菌 さいきん などによる感染 かんせん が起 お きることであり[ 5] 、縫 ぬ ったあたりが赤 あか く腫 は れて膿 うみ が出 で たり、痛 いた んだり、発熱 はつねつ などの症状 しょうじょう が出 で る[ 5] 。もし創 そう 感染 かんせん が起 お きたら、抜糸 ばっし 、皮膚 ひふ 切開 せっかい で膿 うみ を出 だ す、抗生 こうせい 物質 ぶっしつ の投与 とうよ などが行 おこな われる[ 5] 。
患者 かんじゃ は手術 しゅじゅつ 後 ご は寝 ね ていることが多 おお く痛 いた みもあり肺 はい の奥 おく の痰 たん を思 おも うように出 だ せなくなることがあるが、痰 たん を出 だ せずにいると、本来 ほんらい なら痰 たん とともに体外 たいがい に出 だ されるはずの菌 きん が肺 はい にとどまり、肺炎 はいえん を起 お こしてしまうことがある[ 5] 。手術 しゅじゅつ 後 ご は意識 いしき 的 てき に痰 たん を出 だ すことが大切 たいせつ である[ 5] 。
手術 しゅじゅつ 中 ちゅう は痛 いた み止 と め と麻酔 ますい のおかげで痛 いた みは無 な いが、手術 しゅじゅつ 後 ご に麻酔 ますい が切 き れると創 そう (切 き った箇所 かしょ )が痛 いた むことはある[ 5] 。痛 いた くなった場合 ばあい は、痛 いた み止 ど めの薬 くすり が処方 しょほう される[ 5] 。患者 かんじゃ は痛 いた みをがまんする必要 ひつよう はなく、看護 かんご 師 し や医師 いし に痛 いた いことを伝 つた え、痛 いた み止 と めを処方 しょほう してもらえばよい[ 5] 。
英国 えいこく での大 だい 規模 きぼ な後 うし ろ向 む き研究 けんきゅう で、平日 へいじつ の手術 しゅじゅつ と週末 しゅうまつ の手術 しゅじゅつ の死亡 しぼう 率 りつ に大 おお きな差異 さい が出 で ることが分 わ かっており、これを「週末 しゅうまつ 効果 こうか (weekend effect)」と呼 よ んでいる。さらに平日 へいじつ の中 なか でも週末 しゅうまつ に向 む かうほど手術 しゅじゅつ での死亡 しぼう 率 りつ は高 たか くなる「平日 へいじつ 効果 こうか (weekday effect)」(英 えい インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆 こうしゅう 衛生 えいせい 学部 がくぶ のP. Aylinらが、2013年 ねん 5月 がつ 28日 にち 発行 はっこう の英 えい 医学 いがく 誌 し 「BMJ」に発表 はっぴょう )が知 し られている。手術 しゅじゅつ を受 う けた曜日 ようび による死亡 しぼう リスクを、月曜日 げつようび を基準 きじゅん にして、火曜日 かようび が7%増 ぞう に対 たい して金曜日 きんようび は44%増 ぞう 、土曜 どよう ・日曜日 にちようび は82%増 ぞう と、週末 しゅうまつ に向 む かうほど上昇 じょうしょう していた。特 とく に死亡 しぼう リスクが高 たか い5つの術 じゅつ 式 しき (食道 しょくどう ・胃 い 切除 せつじょ 術 じゅつ 、直腸 ちょくちょう ・結腸 けっちょう 切除 せつじょ 術 じゅつ 、冠動脈 かんどうみゃく バイパス術 じゅつ 、腹部 ふくぶ 大動脈 だいどうみゃく 瘤 こぶ )では腹部 ふくぶ 大動脈 だいどうみゃく 瘤 こぶ に対 たい するステントグラフト術 じゅつ 以外 いがい の4術 じゅつ 式 しき で、週末 しゅうまつ に向 む かうほどリスク が増大 ぞうだい 。土曜 どよう ・日曜日 にちようび は月曜日 げつようび の2-3倍 ばい になった。一方 いっぽう 、死亡 しぼう リスクが低 ひく い術 じゅつ 式 しき では「平日 へいじつ 効果 こうか 」は見 み られなかった[ 6] [ 7] 。
日本 にっぽん でも広島大学 ひろしまだいがく の今岡 いまおか 洸 こう 輝 てる らは、StageI~III大腸 だいちょう がん の待機 たいき 的 てき 手術 しゅじゅつ を対象 たいしょう とした多 た 施設 しせつ 共同 きょうどう による後 うし ろ向 む き解析 かいせき で、手術 しゅじゅつ を金曜日 きんようび に受 う けた患者 かんじゃ は金曜日 きんようび 以外 いがい に受 う けた患者 かんじゃ より術後 じゅつご 合併症 がっぺいしょう の発生 はっせい 率 りつ が高 たか く、術後 じゅつご 入院 にゅういん 期間 きかん も長 なが いことがわかった。この研究 けんきゅう 結果 けっか は、Journal of Surgical Research誌 し 2024年 ねん 4月 がつ 号 ごう に掲載 けいさい された[ 7] 。
多 おお くの医者 いしゃ が手術 しゅじゅつ 中 ちゅう に音楽 おんがく を聴 き いているとされる[ 8] [ 9] 。
割合 わりあい としては、2011年 ねん のイギリスでの調査 ちょうさ では、90%のイギリス人 じん 医師 いし が手術 しゅじゅつ 中 ちゅう に音楽 おんがく を聴 き いている[ 10] 。2021年 ねん の医学 いがく 系 けい SNSのFigure 1 (英語 えいご 版 ばん ) と音楽 おんがく 配信 はいしん アプリSpotify の共同 きょうどう 調査 ちょうさ では、外科医 げかい と外科 げか 研修 けんしゅう 医 い の90%が手術 しゅじゅつ 中 ちゅう に音楽 おんがく を聴 き いており、ロックとポップスが最 もっと も人気 にんき が高 たか く、「音楽 おんがく が手術 しゅじゅつ 室 しつ の緊張 きんちょう を和 やわ らげ、外科 げか チーム全体 ぜんたい をリラックスさせることで集中 しゅうちゅう 力 りょく を高 たか めるのに役立 やくだ った」とコメントしている[ 11] 。
ジャンルについては、2018年 ねん にハイデルベルク大学 だいがく 医学部 いがくぶ の学生 がくせい 82人 にん に行 い った腹腔 ふくこう 鏡 きょう 検査 けんさ などの外科 げか 手術 しゅじゅつ のパフォーマンスに音楽 おんがく ジャンルが与 あた える影響 えいきょう が見 み られたが、音楽 おんがく を聴 き いている状態 じょうたい の方 ほう がパフォーマンスが優位 ゆうい に高 たか く、ラジオのミックス音楽 おんがく やロックなどと比 くら べてクラシック音楽 おんがく やヒップホップを聴 き いている状態 じょうたい が高 たか いパフォーマンスを発揮 はっき したとされた[ 12] 。
2009年 ねん から2018年 ねん までの英語 えいご の論文 ろんぶん を横断 おうだん 的 てき に調査 ちょうさ した結果 けっか では、ルーチン作業 さぎょう において注意 ちゅうい 散漫 さんまん になる悪影響 あくえいきょう があるものの、患者 かんじゃ や医療 いりょう チームのストレス緩和 かんわ などの良 よ い影響 えいきょう の方 ほう が有意 ゆうい に高 たか いとしている。この調査 ちょうさ した結果 けっか では、クラシック音楽 おんがく を低音 ていおん 量 りょう から中音 ちゅうおん 量 りょう で流 なが すと、正確 せいかく 性 せい とスピードの両方 りょうほう が向上 こうじょう したとされている[ 13] 。
^ 広辞苑 こうじえん 第 だい 五 ご 版 はん 【手術 しゅじゅつ 】
^ “ここまで進 すす んだ心臓 しんぞう 病 びょう の低 てい 侵 おかせ 襲 かさね 医療 いりょう 国立 こくりつ 循環 じゅんかん 器 き 病 びょう 研究 けんきゅう センター ”. 2024年 ねん 4月 がつ 21日 にち 閲覧 えつらん 。
^ “治療 ちりょう 実績 じっせき 当 とう 院 いん におけるカテーテルアブレーション件数 けんすう の推移 すいい ”. 2024年 ねん 4月 がつ 21日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 2重 じゅう 手袋 てぶくろ で術中 じゅっちゅう 感染 かんせん を防 ふせ ぐ その手袋 てぶくろ 、穴 あな が開 ひら いていませんか? 日経 にっけい メディカルオンライン 2016/1/26
^ a b c d e f g h i j がん情報 じょうほう 、手術 しゅじゅつ (外科 げか 治療 ちりょう )
^ “手術 しゅじゅつ を受 う けるなら月曜日 げつようび ? 曜日 ようび で異 こと なる死亡 しぼう リスク ”. Medical tribune (2013年 ねん 6月 がつ 3日 にち ). 2024年 ねん 4月 がつ 19日 にち 閲覧 えつらん 。
^ a b “日本 にっぽん での大腸 だいちょう がん手術 しゅじゅつ の転帰 てんき 、月 つき ~木曜日 もくようび vs.金曜日 きんようび ”. Care Net. 2024年 ねん 4月 がつ 19日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 奈々 なな , 仲 なか (2024年 ねん 3月 がつ 10日 とおか ). “「ほとんどの先生 せんせい が手術 しゅじゅつ 中 ちゅう に音楽 おんがく をかける」あの国民 こくみん 的 てき バンドが医者 いしゃ に大人気 だいにんき …元 もと オペ看護 かんご 師 し が語 かた る、手術 しゅじゅつ 室 しつ の“知 し られざる裏側 うらがわ ” ”. 文春 ぶんしゅん オンライン . 2024年 ねん 10月 がつ 6日 にち 閲覧 えつらん 。
^ 手術 しゅじゅつ 室 しつ でどんな音楽 おんがく を流 なが していますか? 日経 にっけい メディカル 更新 こうしん 日 び :2011/02/04、著 ちょ :昭和大 しょうわだい 元 もと 教授 きょうじゅ 手取 てどり 屋 や 岳夫 たけお
^ Henley, Jon (2011年 ねん 9月 がつ 26日 にち ). “Music for surgery ” (英語 えいご ). The Guardian . 2024年 ねん 10月 がつ 6日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Figure 1 (2021年 ねん 7月 がつ 27日 にち ). “Spotify and Figure 1 Team Up to Hear What Surgeons are Playing in the OR ” (英語 えいご ). Figure 1 . 2024年 ねん 10月 がつ 6日 にち 閲覧 えつらん 。
^ Nees, Lisa Katharina; Grozinger, Philipp; Orthmann, Natalie; Rippinger, Nathalie; Hennigs, André; Sohn, Christof; Domschke, Christoph; Wallwiener, Markus et al. (2021-09-01). “The Influence of Different Genres of Music on the Performance of Medical Students on Standardized Laparoscopic Exercises” . Journal of Surgical Education 78 (5): 1709–1716. doi :10.1016/j.jsurg.2021.03.008 . ISSN 1931-7204 . https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1931720421000611 .
^ El Boghdady, Michael; Ewalds-Kvist, Beatrice Marianne (2020-01-01). “The influence of music on the surgical task performance: A systematic review” . International Journal of Surgery 73 : 101–112. doi :10.1016/j.ijsu.2019.11.012 . ISSN 1743-9191 . https://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1743919119303334 .