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全身麻酔 - Wikipedia

全身ぜんしん麻酔ますい

いち種類しゅるい以上いじょう全身ぜんしん麻酔ますいやく投与とうよにより、生命せいめい維持いじ必要ひつよう反射はんしゃ喪失そうしつともなう、医学いがくてき誘発ゆうはつされた昏睡こんすい状態じょうたい
麻酔ますい > 全身ぜんしん麻酔ますい

全身ぜんしん麻酔ますい(ぜんしんますい、えい: General anesthesia)は、痛覚つうかく刺激しげきあたえても患者かんじゃ覚醒かくせいしないように、人為じんいてき誘発ゆうはつされる意識いしき喪失そうしつである[1]。この効果こうかは、静脈じょうみゃくうちまたは吸入きゅうにゅう全身ぜんしん麻酔ますいやく投与とうよすることでられ、しばしば鎮痛ちんつうざいおよび神経しんけいすじ遮断しゃだんやく併用へいようされる。手術しゅじゅつちゅう自発じはつ呼吸こきゅう十分じゅうぶんでないことがおおく、気道きどう保護ほごするための介入かいにゅう必要ひつようとなることがおお[1]全身ぜんしん麻酔ますい一般いっぱん手術しゅじゅつしつでは患者かんじゃにとってがたいたみをともな外科げか手術しゅじゅつ可能かのうにするために、集中しゅうちゅう治療ちりょうしつ救急きゅうきゅう外来がいらいでは重症じゅうしょう患者かんじゃ気管きかん挿管機械きかい換気かんき容易よういにするために実施じっしされる。

全身ぜんしん麻酔ますい
全身ぜんしん麻酔ますいにて使つかわれる器具きぐいちれい
MeSH D000768
MedlinePlus 007410

日本にっぽんでは、全身ぜんしん麻酔ますい目標もくひょうは「麻酔ますいの3要素ようそ」、すなわち鎮静ちんせい鎮痛ちんつうすじ弛緩しかんとされることがおお[2][3][4]有害ゆうがい反射はんしゃ抑制よくせいくわえて麻酔ますいの4要素ようそとされることもある[5][6]が、これはもとはWoodbridgeらが1957ねん提唱ていしょうした麻酔ますい深度しんど概念がいねんさかのぼることができる[7][8]英語えいごけんでは、意識いしき消失しょうしつ健忘けんぼう鎮痛ちんつう自律じりつ神経しんけいけい反射はんしゃ消失しょうしつ場合ばあいによっては骨格こっかくすじ麻痺まひ達成たっせいすることが全体ぜんたい目標もくひょうとされることもある。すなわち、4要素ようそないしは5要素ようそとなっており、鎮静ちんせいにおいて意識いしき消失しょうしつ健忘けんぼう別個べっこ評価ひょうか項目こうもくとなっていることによる。

患者かんじゃ処置しょち最適さいてき麻酔ますいやくわせは、麻酔ますい患者かんじゃ外科医げかい歯科しか医師いし、または手術しゅじゅつ処置しょちおこなほか施術しじゅつしゃ相談そうだんしながら選択せんたくする[9]

現在げんざいでは多様たよう気道きどう確保かくほ器具きぐ存在そんざいするが、かつては全身ぜんしん麻酔ますい気道きどう確保かくほは、麻酔ますいマスクないしは気管きかん挿管にかぎられ、麻酔ますいやく吸入きゅうにゅう麻酔ますいやくおもであったことから、後者こうしゃ気管きかんない麻酔ますいほう(intratracheal anesthesia)[10][11][12][13]ばれていたが、現在げんざいはこの名称めいしょうは、ほぼもちいられない[注釈ちゅうしゃく 1]

全身ぜんしん麻酔ますいこころみは、古代こだいシュメールひと[14]バビロニアひと[15]アッシリアじん[16]エジプトじん[17]ギリシャじんローマじんインドじん[18]中国人ちゅうごくじん[19]書物しょもつから、歴史れきしてきにたどることができる。2世紀せいきから3世紀せいきかれた『三国志さんごくし』には、中国ちゅうごくこうかん末期まっきはなが「あさにえ」という麻酔ますいやくもちいて手術しゅじゅつおこなったと記載きさいされている[20]。この「あさにえ」は全身ぜんしん麻酔ますいやくであろうとかんがえられているが、どのようなものであったかはあきらかではない[21]

中世ちゅうせいには、東洋とうようにおいてもヨーロッパにおいても科学かがく医学いがくてきおおきな進歩しんぽげた。

ルネッサンスには、解剖かいぼうがく外科げかがくおおきな進歩しんぽがあった。しかし、このような進歩しんぽにもかかわらず、手術しゅじゅつ依然いぜんとして最後さいご治療ちりょうほうであった。手術しゅじゅついたともなうため、おおくの患者かんじゃ手術しゅじゅつけるよりもえらんだ。全身ぜんしん麻酔ますい発見はっけんについては、だれもっと功績こうせきのこしたかについて定説ていせついが、18世紀せいき後半こうはんから19世紀せいき初頭しょとうにかけてのいくつかの科学かがくてき発見はっけんが、近代きんだいてき麻酔ますい技術ぎじゅつ導入どうにゅう発展はってん不可欠ふかけつであった[22]とく薬剤やくざい投与とうよ経路けいろとしての気体きたい吸入きゅうにゅう開発かいはつ重要じゅうようであった[23]

正確せいかく確認かくにんできる全身ぜんしん麻酔ますい記録きろくとしては、文化ぶんか元年がんねん10がつ13にち(1804ねん11月14にち)にはなおかあおしゅうおこなった乳癌にゅうがん手術しゅじゅつ初出しょしゅつである[24]。このときもちいられた経口けいこう麻酔ますいやくつうせん」はチョウセンアサガオトリカブトトウキなどを配合はいごうした薬品やくひんであった。西洋せいようでは、1846ねんアメリカウィリアム・T・G・モートンおこなったジエチルエーテル吸入きゅうにゅうによる手術しゅじゅつはつ全身ぜんしん麻酔ますい手術しゅじゅつとなる[25]。エーテルは引火いんかせい問題もんだいであり、すぐにクロロホルムってわられたが[26]、クロロホルムも毒性どくせいのために死者ししゃ相次あいつぎ、使つかわれなくなるのに時間じかんはかからなかった[26]

19世紀せいき後半こうはんには、近代きんだい外科げかがくへの移行いこう可能かのうにするふたつのおおきな飛躍ひやくがあった。病原菌びょうげんきん発見はっけん麻酔ますいである。病気びょうき病原びょうげんからだせつ理解りかいにより、外科げか手術しゅじゅつにおける感染かんせん予防よぼう技術ぎじゅつ開発かいはつ応用おうよう急速きゅうそくすすんだのである[27][28]防腐ぼうふほう(英語えいご: antisepsis)はやがて無菌むきんほう(英語えいご: asepsis)にわり、外科げか手術しゅじゅつ合併症がっぺいしょう死亡しぼうりつは、以前いぜん時代じだいよりはるかにひくくなった[28]

一方いっぽう、この時期じきはエーテルなどの単一たんいつ揮発きはつせい麻酔ますいやくもちいて、麻酔ますいの4要素ようそすべてを達成たっせいする努力どりょくがなされたが、麻酔ますいをかけるのに時間じかんようし、手術しゅじゅつ必要ひつようすじ弛緩しかんるにはこう濃度のうど麻酔ますいやく必要ひつようであった[29]。また、この吸入きゅうにゅう自体じたい麻酔ますいやく臭気しゅうきのためもあり、一部いちぶ患者かんじゃにとっては不快ふかい経験けいけんであり、投与とうよ経路けいろたとえば直腸ちょくちょう静脈じょうみゃくから投与とうよできる薬剤やくざい試行錯誤しこうさくごつづいた[30]

1934ねんに、アメリカのアーネスト・ヴォルワイラー英語えいごばんによって開発かいはつされた静脈じょうみゃく麻酔ますいやくチオペンタールは、現在げんざいいたるまで全身ぜんしん麻酔ますいやくとして使用しようされており[31]WHOの必須ひっす医薬品いやくひんリストにも指定していされている[32]。チオペンタールなどの静脈じょうみゃく麻酔ますいやくによって、麻酔ますいをかけるのにようする時間じかん短縮たんしゅくされたが、これらは呼吸こきゅう抑制よくせいつよ循環じゅんかん抑制よくせいつよかったため、依然いぜん死亡しぼうリスクがたかかった[29]

20世紀せいきには、気管きかん挿管やその高度こうど気道きどう確保かくほ技術ぎじゅつ日常にちじょうてき使用しようし、局所きょくしょ麻酔ますい複数ふくすう麻酔ますいやくわせるバランス麻酔ますい英語えいごばん概念がいねん提唱ていしょうされ、全身ぜんしん麻酔ますい安全あんぜんせい有効ゆうこうせい改善かいぜんされた[33]。また、モニタリング大幅おおはば進歩しんぽや、薬物やくぶつ動態どうたいがくてきおよびくすり力学りきがくてき特性とくせい改善かいぜんされたあたらしい麻酔ますいやくも、この傾向けいこう貢献こうけんした[34]

目的もくてき

編集へんしゅう

麻酔ますい目的もくてきは、つぎの4つの基本きほんてき要素ようそまたはエンドポイント臨床りんしょう評価ひょうか項目こうもく)に集約しゅうやくされる[35][36]一方いっぽう麻酔ますいの3要素ようそえい: Triad of Anesthesia)として、意識いしき消失しょうしつ鎮痛ちんつうすじ弛緩しかん[2][3][4]、これに自律じりつ神経しんけい反射はんしゃ抑制よくせいくわえた4要素ようそ単純たんじゅんしたかんがかたふるくから存在そんざいする[5][6][37]

  1. 鎮痛ちんつう(Analgesia): 感覚かんかく喪失そうしつ自律じりつ神経しんけい反射はんしゃなまらせる。不十分ふじゅうぶん鎮痛ちんつうしきみゃく高血圧こうけつあつこす[38]
  2. 不動ふどう(Immobilization): すじ弛緩しかんともばれ、しゅとして神経しんけいすじ遮断しゃだんやくによる。神経しんけいすじ遮断しゃだんやく神経しんけいすじ接合せつごう作用さようしてすじ弛緩しかん作用さよう発現はつげんする[39]
  3. 健忘けんぼう(Amnesia):術中じゅっちゅう記憶きおく喪失そうしつ
  4. 意識いしき消失しょうしつ(Unconsciousness): 一時いちじてき意識いしきうしなうことであり、鎮静ちんせい(Sedation)ないしは催眠さいみん(Hypnosis)ともしょうされる。しかしながら、鎮静ちんせい麻酔ますい目的もくてきのみならず、麻酔ますい方法ほうほうそのものを意味いみすることがあり、催眠さいみん催眠さいみんじゅつのように、意識いしきがある状態じょうたいなんらかの暗示あんじにかかることをも意味いみする。

生化学せいかがくてき作用さようじょ

編集へんしゅう
 
あみさまたいあお矢印やじるし

全身ぜんしん麻酔ますいやく生化学せいかがくてき作用さようじょ英語えいごばんはよくかっていない[40]が、種類しゅるいにより、作用さようじょおおきくことなる。

植物しょくぶつ動物どうぶつ同様どうよう麻酔ますいやくによる作用さようをうけることはかっている[41]意識いしきうしなわせるために、麻酔ますいやく無数むすう作用さよう部位ぶいち、中枢ちゅうすう神経しんけいけい(CNS)に複数ふくすうのレベルで作用さようする。全身ぜんしん麻酔ますいは、大脳皮質だいのうひしつ視床ししょうあみさまたい賦活ふかつけい脊髄せきずいふく中枢ちゅうすう神経しんけいけい構成こうせい要素ようそ機能きのう抑制よくせい変化へんかさせるのが一般いっぱんてきである。麻酔ますい状態じょうたいかんする現在げんざい理論りろんでは、中枢ちゅうすう神経しんけいけいにおける標的ひょうてき部位ぶいだけでなく、無意識むいしき関連かんれんした神経しんけいネットワーク英語えいごばん覚醒かくせい回路かいろ特定とくていされており、一部いちぶ麻酔ますいやく特定とくてい睡眠すいみん活性かっせい部位ぶい活性かっせいする可能かのうせいがあることがかっている[42]全身ぜんしん麻酔ますいもちいられる薬剤やくざいのうち、オピオイドベンゾジアゼピン結合けつごうする受容じゅようたい特定とくていされ、作用さようじょ判明はんめいしているが、薬剤やくざい解明かいめい部分ぶぶんのこっている[43]

全身ぜんしん麻酔ますいは、神経しんけい信号しんごう抑制よくせいせい伝達でんたつ増強ぞうきょうするか、あるいは興奮こうふんせい伝達でんたつ減少げんしょうさせるという仮説かせつてられた[44]全身ぜんしん麻酔ますいやく主要しゅよう分子ぶんし薬理やくりがくてき標的ひょうてきは、GABAANMDAグルタミン酸ぐるたみんさん受容じゅようたいであるとかんがえられている[44]。ほとんどの吸入きゅうにゅう麻酔ますいやくGABAAアゴニストであることが判明はんめいしているが、受容じゅようたいへの作用さよう部位ぶい不明ふめいなままである[45]ケタミン競合きょうごうてきNMDA受容じゅようたい拮抗きっこうやく英語えいごばんである[46]吸入きゅうにゅう麻酔ますいやく静脈じょうみゃく麻酔ますいやくプロポフォールバルビツールけい)は、麻酔ますい作用さよう発揮はっきするには、オピオイドやベンゾジアゼピンのすうじゅうばいから1000ばい組織そしきない濃度のうど必要ひつようとする[47]。このことは、これらの麻酔ますいやく作用さようじょ特定とくてい受容じゅようたいへの結合けつごうだけでは説明せつめいできない傍証ぼうしょうとなっている[48]

 
細胞さいぼうまく脂質ししつラフト

吸入きゅうにゅう麻酔ますいやくは、化学かがく構造こうぞう特性とくせいから、細胞さいぼうまく標的ひょうてきとすることも示唆しさされているが、その正確せいかくなメカニズムは100ねん以上いじょうなぞのままであった。2020ねん研究けんきゅうでは、吸入きゅうにゅう麻酔ますいやくクロロホルムイソフルラン)が脂質ししつラフトへのホスホリパーゼD2英語えいごばん局在きょくざいみだし、シグナル伝達でんたつ分子ぶんしであるホスファチジンさんさんせいにつながることが実証じっしょうされた。シグナル伝達でんたつ分子ぶんしカスケード反応はんのう英語えいごばんこし、最終さいしゅうてきにはTWIK関連かんれんK+チャネル(TREK-1)を活性かっせいさせる。ホスホリパーゼD2遺伝子いでんし欠損けっそん (PLDnull)ミバエは麻酔ますい抵抗ていこうせいであることがしめされており、この結果けっかにより、吸入きゅうにゅう麻酔ますいやく標的ひょうてき細胞さいぼうまく介在かいざいせいであることが確立かくりつされた[49][50]

じゅつぜん評価ひょうか

編集へんしゅう
 
手術しゅじゅつ予定よてい子供こどもくちおおきくけさせて、麻酔ますい気道きどう評価ひょうかおこなっている。

予定よてい手術しゅじゅつまえに、麻酔ますいはカルテを調しらべたり、患者かんじゃ問診もんしんをしたりして、病歴びょうれきかんする情報じょうほう入手にゅうしゅし、しゅうじゅつのリスクを判断はんだんする。問診もんしんもとづき、麻酔ますい麻酔ますい計画けいかくて、手術しゅじゅつ最適さいてき薬剤やくざいわせと投与とうよりょう決定けっていする。また、安全あんぜん効果こうかてき手術しゅじゅつおこなうために、モニタリング機器きき追加ついかする必要ひつようがある場合ばあいもある。この評価ひょうか重要じゅうようなのは、患者かんじゃ年齢ねんれい性別せいべつボディマス指数しすう(BMI)、病歴びょうれき手術しゅじゅつれき現在げんざい服用ふくようしているくすり絶食ぜっしょく時間じかんなどである[51][52]じゅつまえ徹底的てっていてきかつ正確せいかく評価ひょうかは、麻酔ますい計画けいかく効果こうかてき安全あんぜんせい確保かくほするためにきわめて重要じゅうようである。たとえば、アルコールやレクリエーショナルドラッグ英語えいごばん大量たいりょう摂取せっしゅしている患者かんじゃが、その事実じじつ開示かいじしなかった場合ばあい手術しゅじゅつちゅう薬物やくぶつ投与とうよりょう不足ふそくし、術中じゅっちゅう覚醒かくせい術中じゅっちゅう高血圧こうけつあつ原因げんいんとなる可能かのうせいがある[53][54]。また、一般いっぱんてき使用しようされている薬剤やくざい麻酔ますいやく相互そうご作用さようする可能かのうせいがあり、そのような使用しようじょうきょう開示かいじしないと、手術しゅじゅつちゅうのリスクがたかまる可能かのうせいがある。また、最後さいご食事しょくじからある程度ていど時間じかん経過けいかしていないと、食物しょくもつあやまえん危険きけんせいたかまり、じゅうあつし合併症がっぺいしょうにつながる可能かのうせいがある[55]

麻酔ますいまえ評価ひょうか重要じゅうようなのは、開口かいこう状況じょうきょう確認かくにん咽頭いんとうの軟部組織そしき観察かんさつふく患者かんじゃ気道きどう評価ひょうかである[56]状態じょうたいかんむり位置いち確認かくにんし、頸部の柔軟じゅうなんせい伸展しんてんせい観察かんさつする[57][58]もっと一般いっぱんてきおこなわれている気道きどう評価ひょうかマランパチ分類ぶんるいで、くちけてしたした状態じょうたい軟口蓋なんこうがい構造こうぞうることができるかどうかで気道きどう評価ひょうかするものである。マランパチテストだけでは精度せいどひくいため、マランパチテストにくわえ、開口かいこう甲状こうじょう頤間距離きょり、頸部可動かどういきしも顎骨がっこつ突出とっしゅつなどの評価ひょうか日常にちじょうてきおこなわれている。また、気道きどう形態けいたい異常いじょううたがわれる患者かんじゃには、内視鏡ないしきょう検査けんさちょう音波おんぱ検査けんさ気道きどう評価ひょうかおこなったうえで、気道きどう確保かくほ計画けいかくすることもある[59]

アメリカ麻酔ますい学会がっかい英語えいごばんでは全身ぜんしん状態じょうたいを6つに分類ぶんるいしており、ASA-PS(ASA physical status)とんでいる。手術しゅじゅつまえASA-PS相関そうかんする。

予定よてい手術しゅじゅつであれば十分じゅうぶん時間じかんをかけたじゅつぜん評価ひょうか可能かのうだが、緊急きんきゅう手術しゅじゅつじゅつぜん評価ひょうか時間じかんてき制限せいげんおおい。

ぜん投薬とうやく

編集へんしゅう
 
ぜん投薬とうやく頻用ひんようされるミダゾラム注射ちゅうしゃえきバイアル

全身ぜんしん麻酔ますいおこなまえに、麻酔ますい麻酔ますいしち安全あんぜんせいおぎなったり向上こうじょうさせたりするために、1種類しゅるい以上いじょう薬剤やくざい投与とうよすることがある。これをぜん投薬とうやくという。ぜん投薬とうやくおおくにはよわ鎮静ちんせい効果こうかがあり、手術しゅじゅつちゅう使用しようする麻酔ますいやくりょうらすことができる場合ばあいおお[60]

海外かいがいでよく使つかわれるぜん投薬とうやくαあるふぁ2アドレナリン作動さどうやく英語えいごばんであるクロニジンがある[61][62]術後じゅつごシバリング英語えいごばん[63]術後じゅつご悪心あくしん嘔吐おうと[64]覚醒かくせいせんもう軽減けいげんする[65]。2021ねん作為さくい比較ひかく試験しけんでは、クロニジンは就学しゅうがくまえどもにはこう不安ふあん作用さようすくなく、鎮静ちんせい作用さようつよいことが実証じっしょうされた。経口けいこうクロニジンは最大さいだい効果こうか発現はつげんには45ふんほどかかる[66]。クロニジンの欠点けってんてい血圧けつあつじょみゃくであるが、高血圧こうけつあつしきみゃく患者かんじゃには有利ゆうりはたら可能かのうせいがある[67]。もうひとつのαあるふぁ-2アドレナリン作動さどうやくであるデクスメデトミジンは、短期間たんきかん鎮静ちんせい効果こうか(24時間じかん以内いない)のためによく使用しようされる。デクスメデトミジンとあるしゅ定型ていけいこう精神病せいしんびょうやくは、協力きょうりょくてき子供こどもにも使用しようされることがある[68]日本にっぽんでは2023ねん現在げんざい、クロニジン[69]もデクスメデトミジン[70]ぜん投薬とうやくとしては適応てきおうがい使用しようとなる。

ベンゾジアゼピンけいぜん投薬とうやくとしてよく使用しようされる薬物やくぶつである。ベンゾジアゼピンけいもっともよく使用しようされるのはミダゾラムであり、速効そっこうせい短時間たんじかん作用さよう特徴とくちょうである。ミダゾラムは、小児しょうに分離ぶんり不安ふあんなどじゅつぜん不安ふあん軽減けいげん効果こうかてきである[71]。また、術後じゅつご悪心あくしん嘔吐おうと軽減けいげん軽度けいど鎮静ちんせい交感神経こうかんしんけい抑制よくせいぜん向性こうせい健忘けんぼうをもたらす[72]

メラトニンは、催眠さいみん作用さようこう不安ふあん作用さよう鎮静ちんせい作用さよう鎮痛ちんつう作用さようこうけいれん作用さようがあるため、成人せいじんおよび小児しょうに麻酔ますいぜん投薬とうやくとして有効ゆうこうであることが判明はんめいしている。メラトニンのぜん投薬とうやくは、ミダゾラムよりも回復かいふくはやく、術後じゅつご興奮こうふん英語えいごばんせんもう発生はっせいりつ減少げんしょうする[73]。メラトニンは、ベンゾジアゼピンと比較ひかくして、成人せいじん患者かんじゃしゅうじゅつ不安ふあん軽減けいげん同様どうよう効果こうかがあることがしめされている[74]。メラトニンも日本にっぽんではぜん投薬とうやく適応てきおうがい使用しようとなる。

麻酔ますいぜん投薬とうやくのもうひとつのれいとして、βべーたアドレナリン拮抗きっこうやくじゅつぜん投与とうよがあり、これは心臓しんぞう手術しゅじゅつしきみゃくせい不整脈ふせいみゃく軽減けいげんすることがしめされている[75]。しかし、心臓しんぞう以外いがい手術しゅじゅつでは、βべーた遮断しゃだんやくによる有害ゆうがい事象じしょう増加ぞうかとの関連かんれん指摘してきされている。麻酔ますいは、術後じゅつご悪心あくしん嘔吐おうとふせぐために、オンダンセトロンドロペリドールデキサメタゾンなどのせい吐剤とざいすくなくとも1種類しゅるい投与とうよすることがある[76]NSAIDs鎮痛ちんつうぜん投薬とうやくとしてもちいられることがあり、フェンタニルなどのオピオイド必要ひつようせいをしばしば減少げんしょうさせる。また、メトクロプラミドのような消化しょうかかん運動うんどう促進そくしんざいファモチジンのようなヒスタミン拮抗きっこうざい使用しようされる[76]

薬物やくぶつてき麻酔ますいぜん介入かいにゅうとしては、認知にんち行動こうどう療法りょうほう音楽おんがく療法りょうほうアロマセラピー催眠さいみんマッサージじゅつぜん説明せつめいビデオ、誘導ゆうどうイメージによるリラックス療法りょうほうなどがある[77]。これらの手法しゅほうは、とく小児しょうに知的ちてき障害しょうがいのある患者かんじゃ有効ゆうこうである。ビデオゲームによって、感覚かんかく刺激しげき最小限さいしょうげんおさえたり、気晴きばらしをすることは、全身ぜんしん麻酔ますい導入どうにゅうまえまたは導入どうにゅうちゅう不安ふあん軽減けいげん役立やくだつとかんがえられる。しかし、このたね不安ふあん軽減けいげんもっと効果こうかてき薬物やくぶつがくてきアプローチを確認かくにんするためには、よりだい規模きぼしつたか研究けんきゅう必要ひつようである[78]麻酔ますい導入どうにゅう両親りょうしん同席どうせきは、小児しょうに不安ふあん軽減けいげんすることがしめされていない。同席どうせき希望きぼうするおや積極せっきょくてき阻止そしすべきではなく、同席どうせき希望きぼうしないおや無理強むりじいすべきではないことは、示唆しさされている[78]

麻酔ますい深度しんど

編集へんしゅう

ゲーデルの分類ぶんるいは、1937ねんにアメリカの麻酔ますいアーサー・アーネスト・ゲデル英語えいごばん発表はっぴょうしたもので[79]以下いかの、麻酔ますいの4つの段階だんかいあらわしている。あたらしい麻酔ますいやく麻酔ますい導入どうにゅう技術ぎじゅつにより、これらの麻酔ますい段階だんかいすうびょう経過けいかするようになり、ゲーデルの分類ぶんるいによる麻酔ますい深度しんど判定はんてい今日きょうでは困難こんなんとなっている[80]。かわりに、バイスペクトラルインデックスなどの脳波のうはによるモニターがもちいられるようになっている。

1
1は、導入どうにゅうともばれ、導入どうにゅうざい投与とうよしてから意識いしきうしなうまでの期間きかんである。この段階だんかいで、患者かんじゃ記憶きおく喪失そうしつともなわない鎮痛ちんつう状態じょうたいから記憶きおく喪失そうしつともな鎮痛ちんつう状態じょうたいへと進行しんこうする。このとき患者かんじゃ会話かいわつづけることができ、視覚しかく障害しょうがいうったえることがある。
2
だい2は、興奮こうふんまたはせんもうともばれ、意識いしきうしなったのち興奮こうふん状態じょうたいやせんもう状態じょうたい顕著けんちょになる時期じきである。この段階だんかいでは、患者かんじゃ呼吸こきゅう心拍しんぱく不規則ふきそくになることがある。さらに、随意ずいい運動うんどう嘔吐おうと呼吸こきゅう中断ちゅうだん瞳孔どうこう散大さんだいがみられることもある。痙性運動うんどう嘔吐おうと不規則ふきそく呼吸こきゅうわせは患者かんじゃ気道きどうそこなう可能かのうせいがあるため、この段階だんかい時間じかん最小限さいしょうげんおさえ、できるだけはやだい3到達とうたつするためには、速効そっこうせい薬剤やくざいもちいる。
3
だい3外科げかてき麻酔ますいともばれ、骨格こっかくすじ弛緩しかんし、嘔吐おうと停止ていしする。呼吸こきゅう抑制よくせい眼球がんきゅう運動うんどう停止ていしがこの段階だんかい特徴とくちょうである。患者かんじゃ意識いしきうしない、手術しゅじゅつができる状態じょうたいになる。この段階だんかいは4つの局面きょくめんけられる。
  1. 眼球がんきゅううえころがし、その固定こていされ、眼瞼がんけん反射はんしゃ嚥下えんか反射はんしゃうしなわれる。まだ規則きそくてき自発じはつ呼吸こきゅうがある。
  2. 角膜かくまく反射はんしゃ喉頭こうとう反射はんしゃうしなわれる。
  3. 瞳孔どうこう反射はんしゃ消失しょうしつし、腹筋ふっきん肋間ろっかんすじ完全かんぜん弛緩しかんみとめられる。ほとんどの手術しゅじゅつ対応たいおうできる理想りそうてき麻酔ますいレベル。
  4. 横隔膜おうかくまく完全かんぜん麻痺まひ不規則ふきそくあさ腹式呼吸ふくしきこきゅうこる[81]
4
だい4は、昏睡こんすいともばれ、手術しゅじゅつ刺激しげきりょうたいして麻酔ますいやく投与とうよりょうおおすぎる場合ばあいこり、患者かんじゃ重度じゅうど脳幹のうかんまたは延髄えんずい抑制よくせいけ、呼吸こきゅう停止ていしし、こころ血管けっかん虚脱きょだつしょうじる可能かのうせいがある。この段階だんかいは、こころ血管けっかんけい呼吸こきゅうけいのサポートがなければ致死ちしてきである[79]

麻酔ますい導入どうにゅう

編集へんしゅう

麻酔ますい科学かがくにおいてよくもちいられる用語ようごの「導入どうにゅう」とは、麻酔ますいやく投与とうよから気道きどう確保かくほ完了かんりょうして、手術しゅじゅつ可能かのう状態じょうたいとなるまでの全身ぜんしん麻酔ますい初期しょき段階だんかいのことをす。全身ぜんしん麻酔ますいは、通常つうじょう手術しゅじゅつしつまたは手術しゅじゅつしつ隣接りんせつする麻酔ますい専用せんようしつおこなわれる。に、内視鏡ないしきょうしつ集中しゅうちゅう治療ちりょうしつ放射線ほうしゃせん循環じゅんかん救急きゅうきゅう外来がいらい救急きゅうきゅうしゃなどでもおこなわれる。このような麻酔ますい手術しゅじゅつしつ麻酔ますいNon Operating Room Anesthesia: NORA)とばれ、ニーズが拡大かくだいしている[82]災害さいがい現場げんばなど、患者かんじゃ救出きゅうしゅつ不可能ふかのうまたは現実げんじつてき場所ばしょでもおこなわれることがある。

麻酔ますいやくは、吸入きゅうにゅう注射ちゅうしゃ静脈じょうみゃくない筋肉きんにくない皮下ひか英語えいごばん)、経口けいこう直腸ちょくちょうなど、さまざまな経路けいろ投与とうよされることがある。麻酔ますいやく循環じゅんかんけいはいると、中枢ちゅうすう神経しんけいけいおよび自律じりつ神経しんけいけいにある生化学せいかがくてき活性かっせい部位ぶい到達とうたつする。

ほとんどの全身ぜんしん麻酔ますいは、静脈じょうみゃくうちまたは吸入きゅうにゅうにより導入どうにゅうされる。一般いっぱんてき使用しようされる静脈じょうみゃくない導入どうにゅうざいには、プロポフォールチオペンタールナトリウムエトミデートメトヘキシタール英語えいごばんケタミンなどがある。吸入きゅうにゅう麻酔ますいは、静脈じょうみゃくない投与とうよ困難こんなん場合ばあいれい小児しょうに)、気道きどう確保かくほ困難こんなん予想よそうされる場合ばあい、または患者かんじゃ希望きぼうする場合ばあい選択せんたくされることがある。セボフルランは、薬剤やくざいくらべて気管きかん気管支きかんしへの刺激しげきすくないため、吸入きゅうにゅう麻酔ますいでの導入どうにゅうもっともよく使用しようされる薬剤やくざいである[83]

導入どうにゅうもちいる薬剤やくざい投与とうよ順序じゅんじょいちれい

  1. 挿管ちゅう呼吸こきゅう時間じかんながくなっても、ちゅう酸素さんそ濃度のうど影響えいきょうあたえないようにするために、はいを100%酸素さんそたすためにおこな麻酔ますいまえ酸素さんそ吸入きゅうにゅうぜん酸素さんそしょうする。だつ窒素ちっそともいう)。
  2. 挿管鎮痛ちんつうのためのレミフェンタニル
  3. 気管きかん挿管のための鎮静ちんせいざいとしてのプロポフォール
  4. 開口かいこう喉頭こうとうきょう操作そうさ容易よういにするためのすじ弛緩しかんやくとして、ロクロニウム
  5. 挿管が完了かんりょうしたら、酸素さんそから酸素さんそ吸入きゅうにゅう麻酔ますいやく混合こんごう気体きたい変更へんこうする

喉頭こうとう展開てんかいと挿管は、どちらも非常ひじょう刺激しげきつよいものである。上記じょうき導入どうにゅう過程かていでは、これらの操作そうさたいする血圧けつあつ上昇じょうしょうなどの反応はんのう抑制よくせいすると同時どうじに、挿管のあいだ意識いしきがある、というようなこといよう、昏睡こんすいちか状態じょうたい誘導ゆうどうする。

導入どうにゅう方法ほうほう

編集へんしゅう
 
全身ぜんしん麻酔ますい導入どうにゅうちゅう麻酔ますいしたあごきょじょうによる気道きどう確保かくほ麻酔ますいマスク患者かんじゃかおへの密着みっちゃくおこなっている。

以下いかの4種類しゅるい方法ほうほう大別たいべつされる[84][85][注釈ちゅうしゃく 2]。いずれの場合ばあいも、挿管いた刺激しげきによる血圧けつあつ上昇じょうしょうしきみゃく抑制よくせいするためにオピオイド併用へいようされることがおおい。

1. 急速きゅうそく導入どうにゅう(Rapid Induction)

編集へんしゅう
静脈じょうみゃく麻酔ますいやくもちいていれねむらさせたのちすじ弛緩しかんやく投与とうよし、すじ弛緩しかんやく効果こうか発現はつげんまでマスク換気かんきおこなってから挿管する[87]もっと頻用ひんようされている麻酔ますい導入どうにゅう方法ほうほうである[88]

2. 緩徐かんじょ導入どうにゅう(Slow Induction)

編集へんしゅう
吸入きゅうにゅう麻酔ますいやくによりマスク換気かんきいれねむらさせ、麻酔ますいふかくしたあと、静脈じょうみゃく確保かくほおこなってからすじ弛緩しかんやく投与とうよし、すじ弛緩しかんやく効果こうか発現はつげんまでマスク換気かんきおこなってから挿管する[89]覚醒かくせい状態じょうたい末梢まっしょう静脈じょうみゃくカテーテル確保かくほ困難こんなん小児しょうになどにもちいる[90][89]。エーテルやクロロホルムがもちいられていた時代じだいは、もっぱらこの導入どうにゅう方法ほうほうであり、歴史れきしてきにはもっとふるい。

3. 迅速じんそく導入どうにゅう(Rapid sequence induction)

編集へんしゅう
以前いぜんはCrash Inductionともばれた。緊急きんきゅう手術しゅじゅつなどで、内容ないようぶつおおく(フルストマック)、あやまえん危険きけんせいたか状況じょうきょうおこなわれる導入どうにゅう方法ほうほうで、十分じゅうぶんぜん酸素さんそのあと、静脈じょうみゃく麻酔ますいやくすじ弛緩しかんやくいち投与とうよし、マスク換気かんきおこなわずに気管きかん挿管をおこな方法ほうほう[85]。挿管前後ぜんこう輪状りんじょう軟骨なんこつ圧迫あっぱくして食道しょくどう閉鎖へいさして内容ないようぶつ逆流ぎゃくりゅうふせ[91][85]

4. 意識いしき挿管

編集へんしゅう

意識いしき挿管(えい: awake intubation)は、上記じょうきの3種類しゅるい導入どうにゅうことなり、気管きかん挿管をおこなってから麻酔ますい導入どうにゅうおこなうものである。気道きどう確保かくほまえ麻酔ますいやくすじ弛緩しかんやく使用しようリスクがたか場合ばあいたとえば、ショック状態じょうたい、フルストマック、挿管困難こんなん予想よそう症例しょうれい対象たいしょうとなる[85]

生理学せいりがくてきモニタリング

編集へんしゅう
 
モニター一体いったいがた麻酔ますい

モニタリング機器ききにより、全身ぜんしん麻酔ますい導入どうにゅう維持いじ、そして覚醒かくせいをコントロールすることができる。麻酔ますい基本きほんてきなモニタリングの基準きじゅんは、アメリカ麻酔ますい学会がっかい英語えいごばん発表はっぴょうしたガイドラインで、麻酔ますいちゅう患者かんじゃ酸素さんそ換気かんき循環じゅんかん体温たいおん継続けいぞくてき評価ひょうかする必要ひつようがあると記述きじゅつされている[92]

  • 連続れんぞく心電図しんでんずモニタ(ECGまたはEKG): 電極でんきょく患者かんじゃ皮膚ひふけて、心拍しんぱくすう心拍しんぱくリズムを監視かんしする。これは、麻酔ますい心臓しんぞうきょ初期しょき徴候ちょうこう識別しきべつするのに役立やくだ場合ばあいがある。通常つうじょう不整脈ふせいみゃくはⅡ誘導ゆうどう心筋しんきんきょはⅤ5誘導ゆうどうでモニターする。
  • 血圧けつあつモニタリング: 患者かんじゃ血圧けつあつ測定そくていする方法ほうほうは2つある。まず、もっと一般いっぱんてきなのは、おかせかさねてき血圧けつあつ(NIBP)モニタリングである。これは、患者かんじゃうで前腕ぜんわん、またはあし血圧けつあつけい装着そうちゃくするものである。手術しゅじゅつちゅうは、あらかじめ設定せっていされた一定いってい間隔かんかくで、機械きかい血圧けつあつ測定そくていする。2つ方法ほうほうは、おかせかさねてき血圧けつあつ(IBP)モニタリングで、血圧けつあついちはくごとのモニタリングが可能かのうである。この方法ほうほうは、重症じゅうしょう心臓しんぞう疾患しっかんはい疾患しっかんのある患者かんじゃ心臓しんぞう手術しゅじゅつ移植いしょく手術しゅじゅつなどのおおきな手術しゅじゅつける患者かんじゃ大量たいりょう出血しゅっけつ予想よそうされる患者かんじゃかぎられる。この方法ほうほうでは、通常つうじょう手首てくび橈骨動脈どうみゃく)または鼠径そけい大腿だいたい動脈どうみゃく)の動脈どうみゃくに、特殊とくしゅなプラスチックせいのカニューレを挿入そうにゅうする。術中じゅっちゅう平均へいきん動脈どうみゃくあつが60~70mmHg未満みまんであると、心臓しんぞう以外いがい手術しゅじゅつけた成人せいじんでは心筋しんきん障害しょうがい急性きゅうせいじん障害しょうがい死亡しぼう関連かんれんしていたため、術中じゅっちゅうてい血圧けつあつ平均へいきん動脈どうみゃくあつ<65mmHg未満みまん定義ていぎ頻繁ひんぱん使用しようされ、臨床りんしょうにおける一般いっぱんてき介入かいにゅう閾値となっている[93]。しかし、ベースラインの血圧けつあつ自己じこ調節ちょうせつ下限かげんにはかなりの個人こじんがあるため、すべての患者かんじゃにおいてしゅうじゅつてい血圧けつあつ定義ていぎする単一たんいつ血圧けつあつ閾値が存在そんざいするわけではない[93]
  • 薬剤やくざい濃度のうど測定そくてい麻酔ますいには通常つうじょう吸入きゅうにゅう麻酔ますいやく使用しよう割合わりあい呼気こき濃度のうど測定そくていするためのモニターがある。これらのモニターには、酸素さんそ二酸化炭素にさんかたんそ、および吸入きゅうにゅう麻酔ますいやく酸化さんか窒素ちっそセボフルランなど)の測定そくていふくまれる。
  • 酸素さんそ濃度のうどけい: ほとんどすべての麻酔ますい回路かいろには、患者かんじゃへの酸素さんそ供給きょうきゅうそこなわれた場合ばあいそなえてアラームが搭載とうさいされている。アラームは、吸入きゅうにゅう酸素さんそ割合わりあい設定せっていされた閾値を下回したまわると作動さどうする。
  • 回路かいろはずれアラーム(または低圧ていあつアラーム): 機械きかい換気かんきなか麻酔ますい回路かいろないあつが、正常せいじょうあつ換気かんきおこなわれていれば到達とうたつするはずの圧力あつりょくたっしないことをしめす。
  • カプノグラフィー: 患者かんじゃ呼気こき二酸化炭素にさんかたんそりょうをパーセントまたはmmHgで表示ひょうじし、麻酔ますい換気かんき適切てきせつさを評価ひょうかできるようにするものである。通常つうじょう麻酔ますいはより繊細せんさい変化へんか確認かくにんするためにmmHgを使用しようする。
 
気管きかん挿管されている患者かんじゃ

気道きどう管理かんり

編集へんしゅう

麻酔ますいちゅう患者かんじゃは、麻酔ますいやくオピオイドすじ弛緩しかんざい影響えいきょうにより、気道きどう保護ほご反射はんしゃせきなど)、気道きどうひらきそんせいときには規則きそくてき呼吸こきゅうパターンが消失しょうしつする。気道きどう確保かくほし、呼吸こきゅう調節ちょうせつするために、患者かんじゃ意識いしきうしなったのちなんらかの呼吸こきゅうチューブ挿入そうにゅうされる。機械きかい換気かんき可能かのうにするために、気管きかんチューブがしばしば使用しようされるが、麻酔ますいマスクラリンジアルマスクなど、呼吸こきゅう補助ほじょできるべつ器具きぐ存在そんざいする。一般いっぱんに、完全かんぜん機械きかい換気かんきは、おかせかさねたか処置しょちのために非常ひじょうふか全身ぜんしん麻酔ますい状態じょうたいこす場合ばあい、および/または重症じゅうしょう患者かんじゃ負傷ふしょうした患者かんじゃたいしてのみ使用しようされる。とはいえ、全身ぜんしん麻酔ますい導入どうにゅうすると、通常つうじょう呼吸こきゅうになり、薬物やくぶつれて自発じはつ呼吸こきゅうはじまるまで換気かんき必要ひつようとなる。つまり、全身ぜんしん麻酔ますい導入どうにゅう維持いじ両方りょうほう換気かんき必要ひつよう場合ばあいと、導入どうにゅうだけに換気かんき必要ひつよう場合ばあいがある。しかし、人工じんこう呼吸こきゅうによる機械きかい換気かんきは、自発じはつ呼吸こきゅうあいだ十分じゅうぶんなガス交換こうかん確保かくほするための換気かんき補助ほじょおこなうこともできる。

全身ぜんしん麻酔ますいは、患者かんじゃ自発じはつてき呼吸こきゅうしている状態じょうたいでもおこなうことができ、その結果けっか患者かんじゃ自身じしん酸素さんそ濃度のうど維持いじすることができる。よって、自発じはつ呼吸こきゅう維持いじ特殊とくしゅ状況じょうきょうれい気道きどう確保かくほ困難こんなん挿管手術しゅじゅつ)において有益ゆうえきとなることがある。自発じはつ呼吸こきゅう従来じゅうらい吸入きゅうにゅうざいハロタンセボフルランなど)で維持いじされてきたが、静脈じょうみゃく麻酔ますいやくれい:プロポフォール)を使用しようして自発じはつ呼吸こきゅう維持いじすることも可能かのうである。自発じはつ呼吸こきゅう維持いじするための静脈じょうみゃく麻酔ますいは、吸入きゅうにゅう麻酔ますいやくくらべて一定いってい利点りてん喉頭こうとう反射はんしゃ抑制よくせいなど)があるが、慎重しんちょうしずくじょうする必要ひつようがある。静脈じょうみゃく麻酔ますいこう流量りゅうりょう鼻腔びこう酸素さんそもちいた自発じはつ呼吸こきゅう(STRIVE HiTM)は、困難こんなん気道きどう閉塞へいそくしている場合ばあい使用しようされてきた技術ぎじゅつである[94]

眼球がんきゅう保護ほご

編集へんしゅう

全身ぜんしん麻酔ますいすじ緊張きんちょうせい収縮しゅうしゅく低下ていかさせ、59%のひとうさぎ不完全ふかんぜんな閉眼)をこす[95]。さらに、なみださんせいなみだえきまく安定あんていせい低下ていかし、角膜かくまく上皮じょうひ乾燥かんそうこり、リソゾームによる保護ほご低下ていかする。また、ベル現象げんしょう睡眠すいみんちゅう眼球がんきゅううえき、角膜かくまく保護ほごする現象げんしょう)による保護ほごうしなわれてしまう。全身ぜんしん麻酔ますいちゅう眼球がんきゅう損傷そんしょう英語えいごばん可能かのうせいらすために、慎重しんちょう管理かんり必要ひつようである[96]全身ぜんしん麻酔ますいちゅう損傷そんしょうふせ方法ほうほうとしては、まぶたをテープでじる、軟膏なんこう使用しようする、特殊とくしゅなデザインの眼球がんきゅう保護ほごゴーグルを使用しようする、などがある。

神経しんけいすじ遮断しゃだん

編集へんしゅう
 
全身ぜんしん麻酔ますい手術しゅじゅつ使用しよう予定よてい薬剤やくざい調製ちょうせいされた注射ちゅうしゃ: プロポフォール鎮静ちんせいやく)- エフェドリン昇圧しょうあつやく)- フェンタニル鎮痛ちんつうやく)- アトラクリウム神経しんけいすじ遮断しゃだんやく)- においグリコピロニウム商品しょうひんめい:ロビノール、分泌ぶんぴつぶつ減少げんしょう

神経しんけいすじ遮断しゃだんやくによる麻痺まひ、すなわち一時いちじてきすじ弛緩しかんは、現代げんだい麻酔ますい不可欠ふかけつ要素ようそである。この目的もくてき最初さいしょ使用しようされた薬剤やくざいは1940年代ねんだい導入どうにゅうされたクラーレであったが、現在げんざいでは副作用ふくさようすくなく、一般いっぱん作用さよう時間じかんみじか薬剤やくざいってわられている。すじ弛緩しかんによって、腹部ふくぶ胸部きょうぶなどの主要しゅよう体腔たいこううち手術しゅじゅつを、ふか麻酔ますい循環じゅんかんけいなどへの悪影響あくえいきょうつよい)を必要ひつようとせずにおこなうことが可能かのうとなり、また気管きかん挿管も容易よういとなる。

アセチルコリンは、神経しんけいすじ接合せつごう存在そんざいする天然てんねん神経しんけい伝達でんたつ物質ぶっしつで、神経しんけいまつはしから放出ほうしゅつされると筋肉きんにく収縮しゅうしゅくさせる作用さようがある。すじ弛緩しかんざいは、アセチルコリンが受容じゅようたい結合けつごうするのを阻害そがいすることによって作用さようする。呼吸こきゅうすじ横隔膜おうかくまくむね肋間ろっかんすじ英語えいごばん)が麻痺まひすると、なんらかの人工じんこう呼吸こきゅう必要ひつようとなる。喉頭こうとうすじ麻痺まひしているため、通常つうじょう気管きかんチューブをもちいて気道きどう確保かくほする必要ひつようがある[97]

運動うんどう麻痺まひもっと簡単かんたんにモニターできるのは、すじ弛緩しかんモニタである。この装置そうちは、末梢まっしょう神経しんけい皮膚ひふからみじか電気でんきパルスを断続だんぞくてきおくりながら、その神経しんけい支配しはいされている筋肉きんにく収縮しゅうしゅく観察かんさつするものある。すじ弛緩しかんざい効果こうかは、手術しゅじゅつ終了しゅうりょうコリンエステラーゼ阻害そがいやくによってもともどされる[注釈ちゅうしゃく 3]ことがおおく、副作用ふくさよう最小限さいしょうげんおさえるためにムスカリンけいこうコリンやく併用へいよう投与とうよされる。現在げんざい使用しようされている骨格こっかくすじ弛緩しかんやくれいとしては、パンクロニウムロクロニウムベクロニウムシスアトラクリウムアトラクリウムミバクリウムサクシニルコリンがある。スガマデクスのようなあたらしい神経しんけいすじ遮断しゃだん回復かいふくざい使用しようできる;これはすじ弛緩しかんやく直接ちょくせつ結合けつごうして神経しんけいすじ接合せつごうからそれをのぞくことで効果こうか発揮はっきする。スガマデクスは2015ねん米国べいこく使用しよう承認しょうにんされ、急速きゅうそく普及ふきゅうすすんだ。2022ねん研究けんきゅうでは、スガマデクスとネオスチグミン頻用ひんようされているアセチルコリンエステラーゼ阻害そがいざい)は、神経しんけいすじ遮断しゃだんから回復かいふく作用さようにおいて同様どうよう安全あんぜんである可能かのうせいたかいことがしめされている[98]

麻酔ますい維持いじ

編集へんしゅう

静脈じょうみゃくない導入どうにゅうざい作用さよう時間じかん一般いっぱんに5~10ふんで、その自然しぜん意識いしき回復かいふくする[99]手術しゅじゅつあいだ意識いしき消失しょうしつ持続じぞくさせるためには、麻酔ますい維持いじする必要ひつようがある。そのためには、酸素さんそ揮発きはつせい麻酔ますいやく混合こんごうガスを注意深ちゅういぶかくコントロールして患者かんじゃ吸入きゅうにゅうさせるか、静脈じょうみゃくない投与とうよおこなう(通常つうじょうプロポフォール)。吸入きゅうにゅう麻酔ますいやくは、オピオイド通常つうじょうフェンタニルまたはフェンタニル誘導体ゆうどうたいけい静脈じょうみゃくない鎮痛ちんつうざい鎮静ちんせいざい通常つうじょうプロポフォールまたはミダゾラム)などによってよく補完ほかんされる。プロポフォールはぜん静脈じょうみゃく麻酔ますい(TIVA)に使用しようできるため、吸入きゅうにゅうやくによる補完ほかん必要ひつようない[100]

麻酔ますい維持いじもちいる薬剤やくざい独自どくじ略号りゃくごう麻酔ますい記録きろくもちいられている。たとえば、"GOS"はG: Gas(笑気しょうき)、O: Oxygen(酸素さんそ)、S: Sevoflurane(セボフルラン)である[101]。2023ねん現在げんざい日本にっぽん麻酔ますい維持いじ保険ほけん適応てきおうがあるのはプロポフォールレミマゾラムである。全身ぜんしん麻酔ますい通常つうじょう安全あんぜんであるとかんがえられているが、局所きょくしょ麻酔ますいやくによる味覚みかくおよび/または嗅覚きゅうかく変調へんちょう全身ぜんしん麻酔ますい副作用ふくさようとして脳卒中のうそっちゅう神経しんけい損傷そんしょうしょうじた患者かんじゃ報告ほうこくれいがある[102]

手術しゅじゅつわると、麻酔ますいやく投与とうよ中止ちゅうしされる。のうない麻酔ますいやく濃度のうど一定いってい以下いかになると、意識いしき回復かいふくする(手術しゅじゅつ時間じかんにもよるが、通常つうじょう1~30ふん以内いない回復かいふくする)[103]

1990年代ねんだい、スコットランドのグラスゴーで、麻酔ますい維持いじするあたらしい方法ほうほう開発かいはつされた[104]標的ひょうてき制御せいぎょ注入ちゅうにゅう (TCI)とばれるこの方法ほうほうは、コンピュータ制御せいぎょシリンジポンプもちいて、手術しゅじゅつちゅう持続じぞくてきにプロポフォールを注入ちゅうにゅうし、揮発きはつせい麻酔ますいやく必要ひつようとせず、薬理やくりがく理論りろんによりのぞましい薬剤やくざい濃度のうど設定せっていして、投与とうよりょうをより正確せいかく指定していすることができるものである[104]利点りてんとしては、麻酔ますいからの回復かいふくはやい、術後じゅつご悪心あくしん嘔吐おうと発生はっせいすくない、悪性あくせい高熱こうねつしょう誘因ゆういんがない、などがげられる[104]現在げんざい米国べいこくではTCIはみとめられていないが、わりに一定いっていりょう薬剤やくざい供給きょうきゅうするシリンジポンプが一般いっぱんてき使用しようされている[105]日本にっぽんではプロポフォールのTCIのみ、みとめられている。

副作用ふくさよう治療ちりょう合併症がっぺいしょう予防よぼうのために、薬剤やくざい使用しようされることもある。高血圧こうけつあつ治療ちりょうには降圧こうあつざいてい血圧けつあつ治療ちりょうにはエフェドリンフェニレフリン喘息ぜんそく喉頭こうとう痙攣けいれん気管支きかんし痙攣けいれん治療ちりょうにはサルブタモール、アレルギー反応はんのう治療ちりょうにはエピネフリン[106]ジフェンヒドラミン[107]などが使用しようされる。炎症えんしょう感染かんせんふせぐために、グルココルチコイド抗生こうせい物質ぶっしつがそれぞれ投与とうよされることもある[108][109]

麻酔ますいちゅう体温たいおん管理かんり

編集へんしゅう

麻酔ますいちゅうねつ喪失そうしつ増大ぞうだいねつさんせい低下ていか、および体温たいおん調節ちょうせつ機構きこう閾値低下ていかによりてい体温たいおんしょうになりやすい。しゅうじゅつにおけるてい体温たいおんはよくみられる症状しょうじょうであるが、36℃以下いかになると、出血しゅっけつりょう輸液りょう増加ぞうか止血しけつ凝固ぎょうこけい異常いじょうじゅつ創部そうぶ感染かんせんりつ増加ぞうか免疫めんえきのう低下ていか)、心筋しんきんきょ発生はっせいりつ有意ゆうい増加ぞうかなどをもたらす[110]。また、体温たいおんをモニターすることで、悪性あくせい高熱こうねつしょう発症はっしょうした場合ばあい迅速じんそく処置しょちできる。

体温たいおん管理かんりほう

編集へんしゅう
  • 室温しつおん維持いじ:30℃以上いじょうにすると、体温たいおん低下ていか予防よぼう効果こうかてきだが、執刀しっとう不快ふかいかん増大ぞうだいすることによる手術しゅじゅつ行為こうい中断ちゅうだん失敗しっぱい誘因ゆういんになる可能かのうせいがあるため、限界げんかいがある[111]
  • 輸液輸血ゆけつあつし大量たいりょうかつ急速きゅうそく投与とうよする必要ひつようがある場合ばあい有効ゆうこうである。
  • ブランケット: 温水おんすいブランケットと温風おんぷうブランケットがあり、前者ぜんしゃ身体しんたいしたくものであり、仰臥ぎょうがでは有効ゆうこうだが手術しゅじゅつ体位たいいでは有効ゆうこうせいひく[111]現在げんざい温風おんぷうブランケットがおおもちいられている。
  • 呼吸こきゅうガスゆたか加湿かしつ: 人工じんこうはなもちいられている[111]
  • 体外たいがい循環じゅんかん体温たいおん急速きゅうそく変化へんかさせることができるが[111]心臓しんぞう外科げか手術しゅじゅつかぎられ、おかせかさねおおきい。
  • アミノ酸あみのさん輸液:異化いか亢進こうしんふせぎ、ねつさんせいうなが[111]

測定そくてい部位ぶい

編集へんしゅう

中枢ちゅうすう神経しんけい重要じゅうよう臓器ぞうき温度おんど中枢ちゅうすうあつし)は、からだ中心ちゅうしんから血液けつえき導体どうたいとしてはこばれ、さまざまな部位ぶい温度おんど変化へんか観察かんさつできる。いずれの部位ぶい臓器ぞうき温度おんど以外いがいにさまざまな影響えいきょうがある。

  • 血液けつえきあつし正確せいかく感度かんどがよいが、はい動脈どうみゃくカテーテル挿入そうにゅう必要ひつようで、挿入そうにゅう高度こうど技術ぎじゅつ要求ようきゅうされる[110]
  • 食道しょくどうあつし食道しょくどう下部かぶ3ぶんの1に留置りゅうちすることで、心臓しんぞう温度おんど血液けつえきあつし)ときわめてたか相関そうかんしめ[110]
  • 鼓膜こまくあつし接触せっしょくがたプローブによりおかせかさねてきかつ衛生えいせいてきに、連続れんぞく測定そくてい可能かのうであるが、プローブと装着そうちゃく部位ぶい隙間すきまがあると、ひく測定そくていされてしまう[110]
  • 膀胱ぼうこうあつしサーミスタつき膀胱ぼうこうカテーテル測定そくていする[110]
  • 直腸ちょくちょうあつし排便はいべん影響えいきょう中枢ちゅうすうゆたかよりもひく測定そくていされる場合ばあいがある。事前じぜん絶食ぜっしょくおこなっていれば、その影響えいきょうちいさい[110]
  • 口腔こうくうあつし唾液だえき影響えいきょう中枢ちゅうすうゆたかよりもひく測定そくていされる場合ばあいがある[110]
  • まえがく深部しんぶあつしりゅう豊富ほうふ頭部とうぶ衛生えいせいてき測定そくていできるが、特殊とくしゅなモニター機器きき必要ひつようである[110]
  • 腋窩えきかあつし腋窩えきかを3ふん以上いじょう閉鎖へいさ腔として測定そくていする必要ひつようがある[110]

覚醒かくせい・抜管

編集へんしゅう

麻酔ますいにおける覚醒かくせい (えい: emergence)とは、全身ぜんしん麻酔ますい終了しゅうりょう、すべての器官きかんけいもと生理せいりてき機能きのうもどることである。この段階だんかいでは、覚醒かくせいせんもう急性きゅうせい精神せいしん錯乱さくらん)、失語しつご会話かいわ発声はっせいまたは理解りかい障害しょうがい)、感覚かんかくまたは運動うんどう機能きのう症状しょうじょうなどの一時いちじてき神経しんけいがくてき症状しょうじょう[112]ともなうことがある。血圧けつあつ上昇じょうしょう低下ていかしきみゃく、そのこころ不整脈ふせいみゃくなどのしん血管けっかんけいイベントも、呼吸こきゅう困難こんなんなどの呼吸こきゅうけい症状しょうじょう同様どうように、全身ぜんしん麻酔ますいからの覚醒かくせいこりやすい。

麻酔ますいやくめ、意識いしき回復かいふくし、すじ弛緩しかん作用さようからの回復かいふく十分じゅうぶんで、一回いっかい換気かんきりょう呼吸こきゅう回数かいすう指示しじしたがう、などの条件じょうけんたせば気管きかんチューブをくことができる。これを抜管(ばっかん)という。言葉ことばによる指示しじ反応はんのうし、したがうことは、患者かんじゃの抜管準備じゅんび評価ひょうかによく利用りようされる基準きじゅんである[113]。ただし、この状態じょうたいでもすじ弛緩しかんやく効果こうかはある程度ていどのこっているため、アセチルコリンエステラーゼ阻害そがいやくであるネオスチグミンと、ムスカリン作用さよう(ネオスチグミンによるじょみゃく分泌ぶんぴつぶつ増加ぞうかなどのふく交感神経こうかんしんけい刺激しげき作用さよう)を抑制よくせいするための硫酸りゅうさんアトロピン投与とうよし、すじ弛緩しかんやくのリバース(拮抗きっこう)をおこな[114]近年きんねんでは選択せんたくてきすじ弛緩しかんやく結合けつごうやくであるスガマデクスもちいられることおおい。リバースをおこな場合ばあいすじ弛緩しかんやくがある程度ていど自然しぜんきえ退ずさしていないと、さいすじ弛緩しかんえい: recurarization[注釈ちゅうしゃく 4]発生はっせいするため危険きけんである[115]。抜管患者かんじゃ観察かんさつ問題もんだいなければ手術しゅじゅつしつから術後じゅつご回復かいふくしつまた病棟びょうとうしつさせる。

予想よそうされる濃度のうど時間じかんえて意識いしき反応はんのう回復かいふくしない状態じょうたい覚醒かくせい遅延ちえん(delayed emergence from anesthesia)という[116]

術後じゅつご管理かんり

編集へんしゅう
 
麻酔ますい回復かいふくしつ患者かんじゃ

術後じゅつごいたみは、麻酔ますい回復かいふくしつ英語えいごばん(PACU)で区域くいき麻酔ますい経口けいこうやく管理かんりされる。患者かんじゃオピオイドのほか、ステロイドせいこう炎症えんしょうやくアセトアミノフェンなどの薬剤やくざい投与とうよされることもある[117]。また、患者かんじゃ管理かんり鎮痛ちんつう (PCA)とばれるシステムをもちいて、患者かんじゃ自身じしんがオピオイドを投与とうよすることもある[118]患者かんじゃがPCAのボタンをすと、注射ちゅうしゃ作動さどうし、通常つうじょうモルヒネフェンタニルオキシコドンなどのつよオピオイドれい:フェンタニル10µg)の初期しょき設定せっていりょうの「ボーラスりょう」を投与とうよされる。PCA装置そうちはその薬物やくぶつ効果こうか発揮はっきし、また患者かんじゃ過剰かじょう摂取せっしゅするのをふせぐために、あらかじめ設定せっていされた期間きかん「ロックアウト」すなわちボタン操作そうさ不能ふのうとなる。患者かんじゃねむくなりすぎたり、鎮静ちんせい状態じょうたいになると、それ以上いじょう鎮痛ちんつうざい要求ようきゅうしなくなる。このように、持続じぞく注入ちゅうにゅうほうにはないフェイルセーフ側面そくめんがある。これらの薬物やくぶつ療法りょうほう効果こうかてきいたみをおさえることができない場合ばあいは、神経しんけいブロックばれる方法ほうほう神経しんけい直接ちょくせつ局所きょくしょ麻酔ますいやく注入ちゅうにゅうすることがある[119][120]

回復かいふくしつでは、酸素さんそ飽和ほうわ[121][122]心拍しんぱく呼吸こきゅう[121][123]血圧けつあつ[121]中枢ちゅうすうぬる英語えいごばんなど、おおくのバイタルサインをモニターする。

術後じゅつごシバリング英語えいごばんはよくられる。提唱ていしょうされているじょは、脊髄せきずいのうよりもはや速度そくど回復かいふくするという観察かんさつもとづいている。この結果けっか間代まだいせい活動かつどうふるえ)としてあらわれる脊髄せきずい反射はんしゃ抑制よくせいされなくなる。この理論りろんは、中枢ちゅうすう神経しんけい刺激しげきざいであるドキサプラム術後じゅつごのシバリングを消失しょうしつさせるのに幾分いくぶん有効ゆうこうであるという事実じじつからも支持しじされる[124]。シバリングは、不快ふかいかんいたみの悪化あっかのほか、酸素さんそ消費しょうひりょう増加ぞうかカテコールアミン放出ほうしゅつてい体温たいおんのリスク、乳酸にゅうさんアシドーシスを誘発ゆうはつすることがかっている[125]。シバリングを軽減けいげんするために、あたたかい毛布もうふ[126][127]や、温風おんぷうゆたか装置そうち英語えいごばんばれるあたためられた空気くうき循環じゅんかんさせるシートで患者かんじゃつつむなど、様々さまざま手法しゅほうもちいられる[128][129]外部がいぶゆたか装置そうちでシバリングを軽減けいげんできない場合ばあいは、デクスメデトミジンなどの薬剤やくざい[130][131]、またはそのαあるふぁ2-アゴニスト、こうコリンざい中枢ちゅうすう神経しんけい刺激しげきざい、または副腎ふくじん皮質ひしつステロイドをもちいてもよい[117][132]

おおくの症例しょうれいにおいて、腹部ふくぶ以外いがい手術しゅじゅつすら、しゅうじゅつもちいるオピオイドが術後じゅつごイレウス一因いちいんとなりる。アルビモパン英語えいごばんなどのμみゅーオピオイド英語えいごばん拮抗きっこうやく術後じゅつごすぐに投与とうよすれば、退院たいいん時期じきはやめることができるが、麻痺まひせいイレウスの発症はっしょうおさえることはできない[133]

Enhanced Recover After Surgery (ERAS、イーラス) は、ケアの継続けいぞくせい確保かくほし、回復かいふくしゅうじゅつケア改善かいぜんするための最新さいしんのガイドラインとコンセンサスを提供ていきょうする学会がっかいである[134]。パスウェイとガイドラインの遵守じゅんしゅは、術後じゅつご転帰てんき改善かいぜん医療いりょうシステムのコスト削減さくげんにつながることがしめされている[135]

しゅうじゅつ死亡しぼう

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しゅうじゅつ死亡しぼう英語えいごばんのほとんどは、出血しゅっけつ敗血症はいけつしょう重要じゅうよう臓器ぞうき機能きのう不全ふぜんなど、手術しゅじゅつによる合併症がっぺいしょう起因きいんする。過去かこすうじゅうねんあいだに、投与とうよされた麻酔ますいやく麻酔ますい関連かんれん死亡しぼうりつ全体ぜんたい大幅おおはば改善かいぜんされた。監視かんし装置そうち麻酔ますいやく進歩しんぽしゅうじゅつ安全あんぜんせいたいする関心かんしんたかまりなどが、しゅうじゅつ死亡しぼうりつ低下ていか理由りゆうである。米国べいこくでは、現在げんざい推定すいていされる麻酔ますい関連かんれん死亡しぼうりつは、人口じんこう100まんにんあたり年間ねんかんやく1.1人ひとりである。死亡しぼうりつもっとたかいのは、老年ろうねん人口じんこうとくに85さい以上いじょう高齢こうれいしゃであった[136]。2018ねんのレビューでは、しゅうじゅつ麻酔ますい介入かいにゅう麻酔ますい関連かんれん死亡しぼうりつへの影響えいきょうについて検討けんとうされた。死亡しぼうりつ低下ていかさせることが判明はんめいした介入かいにゅうは、薬物やくぶつ療法りょうほう換気かんき輸血ゆけつ栄養えいよう血糖けっとうコントロール、透析とうせき医療いりょう機器ききなどである[137]医師いしからべつ医師いしへの引継ひきつぎと、患者かんじゃ死亡しぼうりつとの関連かんれんには従来じゅうらいから議論ぎろんがあったが、2022ねん作為さくい比較ひかく試験しけんでは、ぐん対照たいしょうぐん比較ひかくして死亡しぼうりつ有意ゆういがないことがしめされた[138]

麻酔ますい管理かんり直接ちょくせつ関連かんれんする死亡しぼうれい非常ひじょうまれであるが、内容ないようぶつはいあやまえん[139]窒息ちっそく[140]アナフィラキシー原因げんいんとなることがある[141]。これらは、麻酔ますい関連かんれん機器きき英語えいごばん故障こしょうや、より一般いっぱんてきにはヒューマンエラーによってこる可能かのうせいがある。1984ねん米国べいこく放送ほうそうされた麻酔ますい事故じこのテレビ番組ばんぐみをきっかけに、米国べいこく麻酔ますいEllison C. Pierceは、米国べいこく麻酔ますい学会がっかい英語えいごばんうち麻酔ますい患者かんじゃ安全あんぜん・リスク管理かんり委員いいんかい設置せっちした[142]。この委員いいんかいは、麻酔ますい関連かんれんする罹患りかんりつ死亡しぼうりつ原因げんいんめ、低減ていげんさせることを任務にんむとしていた[142]。この委員いいんかいからまれた「麻酔ますい患者かんじゃ安全あんぜん財団ざいだん」(英語えいご: Anesthesia Patient Safety Foundation (APSF))は、「いかなる患者かんじゃ麻酔ますいによってがいされることのないように」という目標もくひょうかかげ、1985ねん独立どくりつ営利えいり法人ほうじんとして設立せつりつされた[143]

まれではあるが、重大じゅうだい全身ぜんしん麻酔ますい合併症がっぺいしょうには悪性あくせい高熱こうねつがある[144][145]基幹きかん病院びょういんでは、この潜在せんざいてき合併症がっぺいしょうのために、手術しゅじゅつしつちかくに緊急きんきゅうよう薬剤やくざいダントロレン)を常備じょうびすべきとされる[146]

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 医学いがく中央ちゅうおう雑誌ざっしでの2023ねん時点じてんでの直近ちょっきん5ねんの「気管きかんない麻酔ますい]の用例ようれい医学いがくかんするものをのぞいて3けんである。
  2. ^ 英語えいごばんからの訳者やくしゃちゅう下記かき日本語にほんご麻酔ますい科学かがくなりしょにおける一般いっぱんてき麻酔ますい導入どうにゅうほう分類ぶんるいである、急速きゅうそく導入どうにゅう緩徐かんじょ導入どうにゅうについて、英語えいごばんには明確めいかく記載きさいかったために英語えいご翻訳ほんやくばんからの改稿かいこうに、この記載きさいのこしている。吸入きゅうにゅう麻酔ますいやくもちいれば緩徐かんじょ導入どうにゅう静脈じょうみゃく麻酔ますいやくもちいれば急速きゅうそく導入どうにゅうというのがすくなくとも日本にっぽんにおける一般いっぱんてき麻酔ますい導入どうにゅうほう区分くぶんであるが、投与とうよ速度そくど調節ちょうせつすれば、緩徐かんじょ導入どうにゅうよりも時間じかんのかかる急速きゅうそく導入どうにゅう可能かのうである。そういう意味いみ旧来きゅうらいのこの分類ぶんるい不適切ふてきせつかもれない。なお、英語えいごけんにおいてもっと定評ていひょうのある麻酔ますい科学かがく教科書きょうかしょ、Miller's Anesthesiaの2023ねん現在げんざい最新さいしんばんには緩徐かんじょ導入どうにゅう"Slow induction"に該当がいとうする記載きさいあたらない[86]
  3. ^ ここでは、「もともどされる」とやくしたが、英語えいごけんではreversalと表現ひょうげんされることがおおい。日本にっぽん麻酔ますい関連かんれん専門せんもんしょ学術がくじゅつ論文ろんぶんでは、「拮抗きっこう」と表現ひょうげんされることがおおい。だが、拮抗きっこうとは分野ぶんやたとえば薬理やくりがく生理学せいりがくではantagonize、すなわち受容じゅようたい結合けつごうして受容じゅようたい起点きてんとする細胞さいぼうない信号しんごう伝達でんたつかつすることを一般いっぱんてきす。ネオスチグミン作用さようコリンエステラーゼたいしてであって、受容じゅようたいではないため、すくなくとも薬理やくり学的がくてきには拮抗きっこうやくとはがたい。外来がいらいでリバースと麻酔ますい専門せんもんしょでは記載きさいされることもあり、専門せんもんてきにはもっともこれが適切てきせつかとおもわれる。
  4. ^ 語義ごぎさいクラーレ、すなわちかつて、すじ弛緩しかんやくとしてもちいられたクラーレ作用さようがいったん消失しょうしつふたた出現しゅつげんすること意味いみする。

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外部がいぶリンク

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