(Translated by https://www.hiragana.jp/)
気管支喘息 - Wikipedia

気管支きかんし喘息ぜんそく

呼吸こきゅう困難こんなん喘鳴ぜんめいせきなどの呼吸こきゅう症状しょうじょうをきたす症候群しょうこうぐん

気管支きかんし喘息ぜんそく(きかんしぜんそく、英語えいご: bronchial asthma)または喘息ぜんそく(ぜんそく、英語えいご: asthma)は、慢性まんせい気道きどう炎症えんしょう(2がた炎症えんしょう主体しゅたい表現ひょうげんがた典型てんけいてきであるが、それ以外いがいにも多様たよう表現ひょうげんがた存在そんざいする)、気流きりゅう制限せいげん典型てんけいれいでは、通常つうじょう可逆かぎゃくせいあり)、気道きどう過敏かびんせい亢進こうしん病態びょうたい基盤きばんゆうし、発作ほっさせいに、呼吸こきゅう困難こんなん喘鳴ぜんめい[1]せきなどの呼吸こきゅう症状しょうじょう増悪ぞうあくをきたす症候群しょうこうぐんである。なお、末梢まっしょう気道きどう病変びょうへん喘息ぜんそくかれる喘鳴ぜんめいしゅとして呼気こきせい喘鳴ぜんめい(Wheezing)である[2]

気管支きかんし喘息ぜんそく
呼気こき流量りゅうりょう最大さいだい計測けいそくするピークフローメーター
概要がいよう
診療しんりょう 呼吸こきゅうがく, 免疫めんえきがく
分類ぶんるいおよび外部がいぶ参照さんしょう情報じょうほう
ICD-10 J45
ICD-9-CM 493
OMIM 600807
DiseasesDB 1006
MedlinePlus 000141
eMedicine article/806890
Patient UK 気管支きかんし喘息ぜんそく
MeSH D001249
平常へいじょうおよび喘息ぜんそく発作ほっさ気管支きかんしのイラストレーション。発作ほっさにより粘液ねんえき(Mucus)が分泌ぶんぴつされ、気道きどうまったようになっている。

喘息ぜんそく東洋とうよう医学いがくではたけ喘としょうされる(たけ発作ほっさせい喘鳴ぜんめいともな呼吸こきゅう疾患しっかんで、喘はせりするが喘鳴ぜんめいともなわない呼吸こきゅう疾患しっかんである。双方そうほう同時どうじられることがおおいため、はっきりと区別くべつすることはむずかしい。きょしょう実証じっしょう区別くべつはされるが、昇降しょうこう出入でいり〉の失調しっちょうこる)。

なお、鬱血うっけつせい心不全しんふぜんにより喘鳴ぜんめい呼吸こきゅう困難こんなんといった喘息ぜんそく類似るいじ症状しょうじょうがみられることがあるが、喘息ぜんそくとはことなる病態びょうたいである。

喘息ぜんそくをはじめとするアレルギー関与かんよする疾患しっかん治療ちりょうかんして、欧米おうべい医師いし日本にっぽん医師いしとの認識にんしきちがいのおおきさを指摘してきし、改善かいぜん可能かのうてん多々たたのこされていると主張しゅちょうする医師いしもいる。

喘息ぜんそく英単語えいたんご asthma はギリシャの「aazein」という"するどせき"を意味いみする言葉ことば由来ゆらいする[3]。この言葉ことば紀元前きげんぜん8世紀せいきイーリアス登場とうじょうするのが最初さいしょとされている。紀元前きげんぜん4世紀せいきヒポクラテスはこの病気びょうき仕立した漁師りょうしきむ細工ざいくおおいこと、気候きこう関係かんけいしていること、遺伝いでんてき要因よういんがある可能かのうせいがあることを記載きさいした。2世紀せいきガレノス喘息ぜんそく気管支きかんし狭窄きょうさく閉塞へいそくによるものであることをしるし、基本きほん病態びょうたいについての考察こうさつはじまった。

その喘息ぜんそくについてさまざまな考察こうさつ文献ぶんけん発表はっぴょうされたが、このころまで喘息ぜんそくという言葉ことば今日きょうでいう喘息ぜんそくのみならず呼吸こきゅう困難こんなんをきたすさまざまな病気びょうきふくまれていた。今日きょうでいう喘息ぜんそくについての病態びょうたいにせまるには17世紀せいきまでたねばならない。17世紀せいきイタリアベルナルディーノ・ラマツィーニ喘息ぜんそく有機ゆうきちりとの関連かんれん指摘してきし、またイングランドジョン・フロイヤー (医師いし)英語えいごばん1698ねんA Treatise of the Asthmaにおいて気道きどう閉塞へいそく可逆かぎゃくせいについて記載きさいした。1860ねんにはイギリスのソルターは著書ちょしょOn asthma:its pathology and treatmentなか気道きどう閉塞へいそく可逆かぎゃくせい気道きどう過敏かびんせいについてべ、またその19世紀せいきすえから20世紀せいき初頭しょとうにはアドレナリンエフェドリン開発かいはつされ、気管支きかんし拡張かくちょうやく喘息ぜんそく治療ちりょうとして使用しようされるようになった。このころまで喘息ぜんそく基本きほん病態びょうたい可逆かぎゃくせいのある気管支きかんし収縮しゅうしゅくであるとかんがえられていた。

1960年代ねんだいはい喘息ぜんそく基本きほん病態びょうたい気道きどう慢性まんせい炎症えんしょうであることが指摘してきされはじめ、1990ねんにイギリス胸部きょうぶ疾患しっかん学会がっかい(BTS)の発表はっぴょうした喘息ぜんそくガイドライン、および1991ねんアメリカ国立こくりつ衛生えいせい研究所けんきゅうじょ (NIH) の発表はっぴょうした喘息ぜんそくガイドラインにおいて「喘息ぜんそく慢性まんせい気道きどう炎症えんしょうである」ことにコンセンサスがられた。これによりステロイド吸入きゅうにゅうにより気道きどう炎症えんしょうおさえ、発作ほっさ予防よぼうするという喘息ぜんそく治療ちりょう戦略せんりゃく完成かんせいし、治療ちりょう成績せいせき改善かいぜんした。しかし、吸入きゅうにゅうステロイドの普及ふきゅうりつは、くに地域ちいきによってがあり、ことに、日本にっぽん欧米おうべい先進せんしん諸国しょこくし、吸入きゅうにゅうステロイドの普及ふきゅうりつひくい。

症状しょうじょう

編集へんしゅう

けむり排気はいきガスなどの刺激しげきぶつアレルゲン気道きどう感染かんせん急激きゅうげき寒暖かんだん運動うんどうストレスなどの種々しゅじゅ刺激しげきがねとなり、気管支きかんし平滑へいかつすじ気道きどう粘膜ねんまく浮腫ふしゅ気道きどう分泌ぶんぴつ亢進こうしんなどにより気道きどう狭窄きょうさく閉塞へいそくこる。気道きどう狭窄きょうさくによって、喘鳴ぜんめい(ぜんめい:のどのゼーゼー、ヒューヒューというおと)、息切いきぎれ、せきたん(たん)などの症状しょうじょうみとめる。喘息ぜんそく発作ほっさにはこれらの症状しょうじょうはげしく発現はつげんし、呼吸こきゅう困難こんなん呼吸こきゅうさんかけ体力たいりょくはげしい消耗しょうもうなどをともない、ときにはいたることもある。

発症はっしょう因子いんし

編集へんしゅう

大気たいき汚染おせん

編集へんしゅう

けむり粒子りゅうしじょう物質ぶっしつ)への曝露ばくろつよ発症はっしょう因子いんしであることが判明はんめいしている。

ヨーロッパにおいては、大気たいき汚染おせん新生児しんせいじアレルギーかんさく増大ぞうだい関連かんれん結論けつろんされていない[9]

しょく習慣しゅうかん

編集へんしゅう

野菜やさい果物くだもの摂取せっしゅはそれぞれ、喘息ぜんそくのリスクと重症じゅうしょうげるようである[10]小児しょうに野菜やさい果物くだもの消費しょうひりょうおうじて、喘息ぜんそくのリスクががる関係かんけいられ、妊娠にんしん母親ははおや消費しょうひりょうはそののリスクに無関係むかんけいであった[11]一方いっぽう妊娠にんしん初期しょきにアブラナ野菜やさい(ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、クレソンなど)を摂取せっしゅすると幼児ようじ喘息ぜんそく症状しょうじょう発生はっせいりつ軽減けいげんするというデータもある[12]。22研究けんきゅうちゅう17が野菜やさい果物くだもの喘息ぜんそくやアレルギーの良好りょうこうにしているという関係かんけいられた[13]。20かこく29施設しせつ参加さんかした国際こくさい研究けんきゅうでも、野菜やさい果物くだもの消費しょうひりょう発症はっしょうりつ関係かんけいすることがいだされた[14]牛乳ぎゅうにゅう消費しょうひ喘息ぜんそく増加ぞうかには関連かんれんがあるが、単純たんじゅん因果いんが関係かんけいでは説明せつめいできず、一部いちぶ喘息ぜんそく人々ひとびとでは粘液ねんえきさんせいうながしている可能かのうせいがある[15]

動物どうぶつとの接触せっしょく

編集へんしゅう

ねこへの曝露ばくろは、喘息ぜんそくのリスクにたいしてわずかに予防よぼうてきぎゃくに、いぬへの曝露ばくろはリスクをわずかに増加ぞうかさせており、追加ついか研究けんきゅう必要ひつようだとされた[16]。BCGワクチンの予防よぼう接種せっしゅによる喘息ぜんそく予防よぼう効果こうか一時いちじてきである[17]

環境かんきょう緑化りょくか

編集へんしゅう

緑化りょくかについては研究けんきゅう条件じょうけんちがいすぎて評価ひょうかできなかったため、標準ひょうじゅんされた基準きじゅん必要ひつようだと結論けつろんしている[18]

分類ぶんるい

編集へんしゅう

分類ぶんるいほう複数ふくすう存在そんざいするが、代表だいひょうてきなもののひとつに、幼児ようじ発症はっしょうすることのおおいアトピーがたと40さい以上いじょう成人せいじん発症はっしょうおおくみられるアトピーがたの2がた表現ひょうげんがた分類ぶんるいする方法ほうほうがある。喘息ぜんそくはIgEがた免疫めんえき不全ふぜんしょうであるため、アトピーせい皮膚ひふえんなどと合併がっぺいしてくることがおおくみられる。

アトピーがた喘息ぜんそくアレルギあれるぎせい喘息ぜんそく

編集へんしゅう

吸入きゅうにゅうアレルゲンにたいしておそはつせい喘息ぜんそく反応はんのうこることがある。曝露ばくろ数時間すうじかんからすう日間にちかん気道きどう過敏かびんせい亢進こうしんするのだが、詳細しょうさいじょ不明ふめいである。過敏かびんせい肺炎はいえんとはことなりIがたアレルギーである。

アトピーがた喘息ぜんそく

編集へんしゅう

小児しょうに喘息ぜんそく

編集へんしゅう

小児しょうに喘息ぜんそく成長せいちょうとともに寛解かんかいする場合ばあいおおいが、成人せいじん喘息ぜんそく移行いこうする場合ばあいもある。小児しょうに喘鳴ぜんめいみとめられる場合ばあいはウイルス感染かんせん、アレルギー、異物いぶつ可能かのうせいがある。重要じゅうよう鑑別かんべつ疾患しっかんとしてはRSウイルスによるほそ気管支炎きかんしえんがあるが、ほそ気管支炎きかんしえんではいちにちちゅう喘鳴ぜんめい聴取ちょうしゅされるが、気管支きかんし喘息ぜんそくはヒューヒュー、あるいはゼイゼイとした喘鳴ぜんめい夜間やかんおおい。小児しょうに喘息ぜんそく診断しんだんには、疾患しっかん除外じょがい必要ひつようである。2さいから3さいのころ頻繁ひんぱん喘鳴ぜんめいかえ幼児ようじ小児しょうに喘息ぜんそく移行いこうするリスクがたかいとかんがえられている。

major criteria
  1. 医師いしによって診断しんだんされた両親りょうしんいずれかの喘息ぜんそく既往きおう
  2. 医師いしによって診断しんだんされたアトピーせい皮膚ひふえん
minor criteria
  1. 医師いしによって診断しんだんされたアレルギあれるぎせい鼻炎びえん
  2. 上気じょうきどう感染かんせん関連かんれんしない喘鳴ぜんめい
  3. 4%以上いじょうこうさんだま増加ぞうか

major criteriaひとつまたはminor criteria2つで小児しょうに喘息ぜんそくかくりつは76%である。ぎゃくたさなければ5%のかくりつとなる。

小児しょうに喘息ぜんそくのガイドラインとしてはJPGL2005がられている。春先はるさき秋口あきぐちなどが発作ほっさこうはつ時期じきである。3さいから5さい発症はっしょうおおい。βべーた2刺激しげきやく吸入きゅうにゅうとステロイドの全身ぜんしん投与とうよ基本きほんとなる。アミノフィリンは嘔吐おうとといった副作用ふくさようをはじめ、ちゅう濃度のうど調整ちょうせいむずかしく、安全あんぜんせい簡便かんべんせい考慮こうりょすると消極しょうきょくてきになる。吸入きゅうにゅう吸入きゅうにゅう定量ていりょう噴露吸入きゅうにゅうとドライパウダー吸入きゅうにゅう)とネブライザーによる吸入きゅうにゅうられている。吸入きゅうにゅうやくりょう小児しょうにであろうが成人せいじんであろうが変化へんかがないのが一般いっぱんてきである。これは成長せいちょうするほど上手じょうず吸入きゅうにゅうできる傾向けいこうがあるため、末梢まっしょう気道きどうたっする薬物やくぶつりょうえるためである。ネブライザー治療ちりょう影響えいきょうあたえる因子いんしとしては呼吸こきゅうパターン、くち呼吸こきゅうはな呼吸こきゅうか、気道きどう狭窄きょうさく病変びょうへん程度ていど人工じんこう気道きどう存在そんざいなどがあげられている。

小児しょうに喘息ぜんそく治療ちりょう目標もくひょうとはかるいスポーツをふくめ、日常にちじょう生活せいかつ普通ふつうおこなうこと、昼夜ちゅうやつうじて症状しょうじょうがないこと、βべーた2刺激しげきやくとみよう減少げんしょう学校がっこう欠席けっせき防止ぼうしはい機能きのう障害しょうがい予防よぼう、PEFの安定あんていとされている。

小児しょうに分野ぶんやでは年齢ねんれいにより薬剤やくざい選択せんたくことなり専門せんもんせいたか分野ぶんやであるがJPGLにてかつてよりは簡略かんりゃくされている。おおまかにべると2さい未満みまん乳児にゅうじ喘息ぜんそく、2さいから5さい、6さいから15さいという区分くぶんけられている。アトピーせいおおいためDSCGを積極せっきょくてき使つかうこと、吸入きゅうにゅう技術ぎじゅつ問題もんだい吸入きゅうにゅうステロイドの適応てきおう若干じゃっかんことなる。ラーメンやうどんがべられるようならば、原理げんりてきには吸入きゅうにゅう可能かのうであり、吸入きゅうにゅうをサポートするスペーサーも各種かくしゅ販売はんばいされている。

乳児にゅうじ喘息ぜんそくでは中等ちゅうとうでも専門医せんもんいした治療ちりょうおこなうこと、2さいから5さいでは軽症けいしょう持続じぞくがた段階だんかいではICSは考慮こうりょぎない、6さい以上いじょうでは軽症けいしょう持続じぞくがた以上いじょうならばICSが原則げんそくとなるといったがある。

日本にっぽん増加ぞうかする小児しょうに喘息ぜんそくかんしても、安全あんぜんかつ有効ゆうこう標準ひょうじゅんダニアレルゲンをもちいたげんかんさく療法りょうほうをすることで、小児しょうに喘息ぜんそく患者かんじゃはい機能きのう改善かいぜん,成長せいちょう,維持いじたすけて健康けんこう成人せいじんそだてることが厚生こうせい医療いりょう行政ぎょうせい急務きゅうむであると主張しゅちょうしている医師いしもいる。

せき喘息ぜんそく (cough variant asthma)

編集へんしゅう

せき喘息ぜんそく厳密げんみつには喘息ぜんそくとはことなる疾患しっかんとしてあつかわれる。喘息ぜんそく同様どうよう気道きどう炎症えんしょうこり、気道きどうせまくなることでせきる。おも特徴とくちょう[19][20]

  • 喘息ぜんそく特有とくゆう喘鳴ぜんめい
  • 呼吸こきゅう困難こんなん
  • たんのかわいたせきが8週間しゅうかん以上いじょうつづく(慢性まんせい咳嗽がいそう
  • よるがたぶしわり悪化あっかする

一般いっぱんてき風邪かぜやくせきめは効果こうかく、気管支きかんし喘息ぜんそくもちいる気管支きかんし拡張かくちょうやく吸入きゅうにゅうステロイドやく吸入きゅうにゅう後述こうじゅつ)が有効ゆうこうとされる。 症状しょうじょうは、慢性まんせい(8週間しゅうかん以上いじょう)に発作ほっさせいせき持続じぞくすることが特徴とくちょうてきである。交感神経こうかんしんけいβべーた2受容じゅようたい作動さどうやくβべーた2刺激しげきざい)の吸入きゅうにゅうにより臨床りんしょう症状しょうじょう改善かいぜんするため、治療ちりょうてき診断しんだんとして有用ゆうようである。典型てんけいてき喘息ぜんそくことなり、通常つうじょう胸部きょうぶ聴診ちょうしんにて狭窄きょうさくおん聴取ちょうしゅされず、閉塞へいそくせい換気かんき障害しょうがい気道きどう可逆かぎゃくせいとう異常いじょう所見しょけんみとめられないため、確定かくてい診断しんだん難渋なんじゅうし、ドクターショッピングこすこともおおい。 喘息ぜんそく同様どうよう病態びょうたい慢性まんせい気道きどう炎症えんしょう気道きどう過敏かびんせい亢進こうしんとう)が基盤きばんにあることが判明はんめいしており、これらの評価ひょうか可能かのう専門せんもん医療いりょう機関きかんとう受診じゅしんすることがのぞまれる。通常つうじょうせき喘息ぜんそくにおける気道きどう炎症えんしょう気道きどう過敏かびんせい亢進こうしん程度ていどは、喘息ぜんそく軽微けいびであることから、喘息ぜんそくぜん段階だんかいとして認識にんしきされることもあり、軽症けいしょう喘息ぜんそくにおけるコントローラーにじゅんじた定期ていきてき薬物やくぶつ療法りょうほう導入どうにゅうされることがおおいが、重症じゅうしょうせき喘息ぜんそく症例しょうれい存在そんざいし、重症じゅうしょう喘息ぜんそく同等どうとう治療ちりょうようすることもある。せき喘息ぜんそく治療ちりょう放置ほうちすると、やく3わり典型てんけいてき喘息ぜんそく移行いこうするとされる。

気管支きかんし喘息ぜんそく治療ちりょうやくは「長期ちょうき管理かんりやく」(コントローラー)と「発作ほっさ治療ちりょうやく」(リリーバー)に大別たいべつされる。発作ほっさきないように予防よぼうてき長期ちょうき管理かんりやく使用しようし、急性きゅうせい発作ほっさきたとき発作ほっさ治療ちりょうやく発作ほっさめる。発作ほっさ治療ちりょうやく使つか頻度ひんどおおいほど喘息ぜんそく状態じょうたいわるいとかんがえられ、長期ちょうき管理かんりやくをいかにもちいて発作ほっさ治療ちりょうやく使用しようりょうおさえるかということが治療ちりょうひとつの目標もくひょうとなる。

長期ちょうき管理かんりやくでは吸入きゅうにゅうステロイドくすりもっと重要じゅうよう基本きほん薬剤やくざいであり、これにより気管支きかんし喘息ぜんそく本体ほんたいである気道きどう炎症えんしょうおさえることが気管支きかんし喘息ぜんそく治療ちりょう根幹こんかんである。重症じゅうしょうおうじて吸入きゅうにゅうステロイドの増量ぞうりょう経口けいこうステロイド、長時間ちょうじかん作動さどうがたβべーた2刺激しげきやく吸入きゅうにゅうやくやく)、こうアレルギーやくこうコリンざいなどを併用へいようする。長期ちょうき管理かんりやく使用しようしても発作ほっさこった場合ばあいは、発作ほっさ治療ちりょうやく使用しようする。発作ほっさ治療ちりょうやくには短時間たんじかん作動さどうがたβべーた2刺激しげきやく、ステロイドざい点滴てんてきなどが使つかわれる。

1997ねんβべーた2刺激しげきやくであるベロテックエロゾル(におい水素すいそさんフェノテロール)の乱用らんようによる死亡しぼうしゃ増加ぞうか日本にっぽんにおいておおきな問題もんだいとなった。これはβべーた2刺激しげきやく副作用ふくさようによるものとはえず、βべーた2刺激しげきやく吸入きゅうにゅうにより一時いちじてき症状しょうじょう改善かいぜんするためにだい発作ほっさいた発作ほっさでも病院びょういん受診じゅしんおくれたことが主因しゅいんかんがえられている。

アスピリン喘息ぜんそく

編集へんしゅう

喘息ぜんそく患者かんじゃなんわりかが獲得かくとくするアセチルサリチルさん(アスピリン)などのステロイドけいこう炎症えんしょうやく (NSAIDs)、とくシクロオキシゲナーゼ阻害そがいやくおもにCOX1阻害そがいやく)にたいする過敏かびん体質たいしつであり、アレルギーによるものではない。NSAIDsの服用ふくようからすうふんから1あいだ鼻汁はなしる過多かたはな閉、喘息ぜんそく発作ほっさこる。このように症状しょうじょうが、上気じょうきどうしも気道きどうおよぶことから、近年きんねん、non-steroidal anti-inflammatory drugs exacerbated respiratory disease (NERD) と呼称こしょうされるようになった。成人せいじん女性じょせいこうはっし、小児しょうにではまれである。

アトピーがたアトピーがた喘息ぜんそく患者かんじゃのいずれにおいてもみとめられ、中等ちゅうとうしょう以上いじょう症例しょうれいおおく、急性きゅうせい増悪ぞうあくには、しばしば、重度じゅうど呼吸こきゅう症状しょうじょうをきたす。病歴びょうれきから診断しんだん可能かのうれいもあるが、確定かくてい診断しんだんのためにアスピリン負荷ふか試験しけんようすることがすくなくない。成人せいじん喘息ぜんそく患者かんじゃやく21%は誘発ゆうはつ試験しけんでアスピリン喘息ぜんそくこしたとの報告ほうこくがある[21]

COX1阻害そがいによるプロスタグランジン阻害そがいとそれにともなロイコトリエン (LT) 代謝たいしゃ経路けいろかたむくことによる代謝たいしゃ異常いじょう病態びょうたい基盤きばんにあるため、COX2阻害そがいやく投与とうよにおいては発生はっせいりつ低下ていかする。しかし、COX2阻害そがいやくのNSAIDsと同様どうよう添付てんぷ文書ぶんしょじょう喘息ぜんそく患者かんじゃには禁忌きんきとされている。

病態びょうたい特徴とくちょうひとつにロイコトリエンの過剰かじょうさんせいがあり、そのためロイコトリエン拮抗きっこうやくもちいられることがおおい。こうさんだませいふく鼻腔びこうえん合併がっぺいりつきわめてたかく、鼻茸はなたけ嗅覚きゅうかく低下ていか合併がっぺいすることがおおい。臓器ぞうきこうさんだませい疾患しっかん合併がっぺいもみられる。

アスピリン喘息ぜんそく急性きゅうせい増悪ぞうあくではコハクさんエステルがたステロイド(コハクさんヒドロコルチゾン(ソル・コーテフTM英語えいごばん、ソル・メドロール、水溶すいようせいプレドニンなど)の急速きゅうそくせいちゅう喘息ぜんそく増悪ぞうあく誘発ゆうはつすることがある(ステロイド自体じたいやコハクさんざんもと誘因ゆういんになった報告ほうこくがあり、リンさんしお安全あんぜんとされる。溶解ようかいえきちゅう安定あんていざいパラベンはしばしば誘因ゆういんになる)。1時間じかん以上いじょうかけて点滴てんてきおこなえば比較的ひかくてき安全あんぜんとされている。リンさんエステルがたステロイドやく(デカドロン、リンデロン、ハイドロコートンなど)を1時間じかん以上いじょうかけて点滴てんてき投与とうよする。

おおよそ気管支きかんし喘息ぜんそくの10%がアスピリン喘息ぜんそく(アスピリンたいしょう)ともわれ、すべての酸性さんせいNSAIDsは原則げんそくきんである。アセトアミノフェンやCOX2阻害そがいざい比較的ひかくてき安心あんしんともうが原則げんそくきん基本きほん冷罨法れいあんぽうである。アセトアミノフェンは少量しょうりょうならば使用しよう可能かのうとする意見いけんもある。塩基えんきせいNSAIDs(ソランタール®とう葛根かずらねりゅう使用しよう可能かのうとされる。症状しょうじょう発現はつげん程度ていど様々さまざますうふんでショック状態じょうたいおちいつよ発作ほっさもあれば風邪かぜがダラダラ長引ながびいてなおらないとうったえる場合ばあいもある。またその使用しようつね症状しょうじょう発現はつげんするとはかぎらないことが診断しんだんむずかしくしている。NSAIDsやβべーたブロッカーの点眼てんがんえきでも発作ほっさ出現しゅつげんすることもある。

運動うんどう誘発ゆうはつせい喘息ぜんそく

編集へんしゅう

健常けんじょうしゃでは運動うんどうによって気道きどうみち変化へんかすることはないが、喘息ぜんそく患者かんじゃ場合ばあい運動うんどうによって気管きかん収縮しゅうしゅく誘発ゆうはつされる。とくに、運動うんどうによって臨床りんしょうてき症状しょうじょう出現しゅつげんする場合ばあい運動うんどう誘発ゆうはつせい喘息ぜんそくという。運動うんどう刺激しげき因子いんしとなり、肥満ひまん細胞さいぼうからのロイコトリエンさんせい増加ぞうかする病態びょうたい基盤きばんにあるため、ロイコトリエン拮抗きっこうやく効果こうかてきである。インタール吸入きゅうにゅうにもその誘発ゆうはつ予防よぼう効果こうかがある。

病態びょうたい生理学せいりがく

編集へんしゅう

臨床りんしょうにとっては、いくつかの呼吸こきゅう症状しょうじょう喘息ぜんそく診断しんだんするための情報じょうほうとなるが、これらの臨床りんしょう症状しょうじょうかならずしも喘息ぜんそくのみに特異とくいてきではない。発作ほっさせい喘鳴ぜんめいせき息切いきぎれ、胸部きょうぶ圧迫あっぱくかん時間じかんにより程度ていど変化へんかし、気管支きかんし拡張かくちょうやくにて改善かいぜんする)などが喘息ぜんそくうたが所見しょけんとしている。

病理びょうり学者がくしゃ組織そしきがくてき定義ていぎおこなっており、こうさんだま浸潤しんじゅん気道きどうかべ肥厚ひこう、リモデリングによって特徴とくちょうづけられる持続じぞくせい炎症えんしょう喘鳴ぜんめいとしている。

生理学せいりがくしゃじょによってその都度つど定義ていぎおこなっており、おおくのことなる刺激しげき反応はんのうして、過剰かじょう気管支きかんし平滑へいかつすじ収縮しゅうしゅくこす気道きどう過敏かびんせい状態じょうたい気管支きかんし喘息ぜんそくさだめている。生理学せいりがくてき定義ていぎのうちとく重要じゅうようなのが、運動うんどう誘発ゆうはつせい喘息ぜんそく吸入きゅうにゅうアレルゲンによる喘息ぜんそくアスピリン喘息ぜんそくである。上記じょうき歴史れきしこうべられているようにいずれの定義ていぎでも再発さいはつせい気道きどう過敏かびんせい慢性まんせい炎症えんしょうといった病態びょうたい生理学せいりがく統合とうごうされるとかんがえられている。慢性まんせい気道きどう炎症えんしょうによって気道きどう過敏かびんしょうとなり、増悪ぞうあく因子いんしにより気道きどう狭窄きょうさくがおこり喘息ぜんそく症状しょうじょうこるとされている。

喘息ぜんそく患者かんじゃβべーた1受容じゅようたい選択せんたくせいたかくないβべーたブロッカーもちいる場合ばあいじゅうあつし気管支きかんし収縮しゅうしゅくこる可能かのうせいがある。

疫学えきがく

編集へんしゅう

2004ねん試算しさんぜん世界せかいに3おくにん喘息ぜんそく患者かんじゃがおり、年間ねんかん255,000にん喘息ぜんそく死亡しぼうしている[22]。また喘息ぜんそくの80%以上いじょうてい所得しょとくこくからちゅうてい所得しょとくこく発生はっせいしており、今後こんご10年間ねんかん喘息ぜんそくはさらに20%えるだろうと予測よそくされている。喘息ぜんそく有症ゆうしょうりつは1% - 18%程度ていどくにによって報告ほうこくにばらつきがあるが、多少たしょう強引ごういんにまとめると先進せんしんこくで5% - 10%程度ていど発展はってん途上とじょうこくでは1% - 4%程度ていどである。

日本にっぽんでは1996ねん統計とうけい喘息ぜんそく累積るいせき有症ゆうしょうりつげんしょう既往きおう合計ごうけい)は乳幼児にゅうようじ5.1%、小児しょうに6.4%、成人せいじん3.0%(16さいから30さいでは6.2%)である[23]。1960年代ねんだい小児しょうに成人せいじんとも有症ゆうしょうりつは1%程度ていどであったものが近年きんねん増加ぞうか傾向けいこうにあり、10ねん経過けいかで1.5ばいから2ばい程度ていど増加ぞうかしている[24]日本にっぽんにおける喘息ぜんそくによる死亡しぼうしゃすう人口じんこう10まんにんあたりの死亡しぼうりつは1995ねんには7,253にん (5.8%)、2000ねんには4,473にん (3.6%)、2001ねんには4,014にん (3.2%)、2002ねんには3,771にん (3.0%)、2003ねんには3,701にん (2.9%)、2004ねんには3,283にん (2.6%) と、年々ねんねん低下ていか傾向けいこうにある(厚生こうせい労働省ろうどうしょう人口じんこう動態どうたい統計とうけいより)。死亡しぼうしゃやく半数はんすうは、重度じゅうど発作ほっさけい発作ほっさだとおも適切てきせつ治療ちりょうおくれたあるいはされなかったこと原因げんいんであるといわれている。

理学りがく所見しょけん
とくに、急性きゅうせい増悪ぞうあくには、胸部きょうぶ聴診ちょうしんにて、呼気こき優位ゆうい狭窄きょうさくおん聴取ちょうしゅされる。狭窄きょうさくおんには、ふえ声音こわね(wheeze「ウィーズ」, piping rale)、rhonchiとうがある。急性きゅうせい増悪ぞうあくには、呼気こき延長えんちょうみとめ、さらに、進行しんこうすると、陥没かんぼつ呼吸こきゅうとう努力どりょく呼吸こきゅうていするようになり、呼吸こきゅうすうぞうえい: tachypnea)やチアノーゼともなうこともある。さい重症じゅうしょう急性きゅうせい増悪ぞうあくにおいては、意識いしき障害しょうがいや、呼吸こきゅうおんげんよわして喘鳴ぜんめい聴取ちょうしゅされなくなるsilent chestにいたることがあるが、きわめて危険きけん緊急きんきゅう処置しょちようする状態じょうたいである。理学りがく所見しょけん気候きこう時間じかんたいによる影響えいきょうける。
気道きどう可逆かぎゃくせい試験しけん
 
ピークフローメーターと交換こうかんようのアダプター
気道きどう閉塞へいそく可逆かぎゃくせい喘息ぜんそく特異とくいせいたかいが、気道きどう閉塞へいそく可逆かぎゃくせいはないとかんがえられていた慢性まんせい閉塞へいそくせいはい疾患しっかん(COPD)でも気道きどう閉塞へいそく可逆かぎゃくせい存在そんざいする症例しょうれいがあることがしめされている。米国べいこく胸部きょうぶ疾患しっかん学会がっかい基準きじゅんでは、βべーた2刺激しげきやく吸入きゅうにゅう前後ぜんこう、1びょうりょうが200ml以上いじょうかつ12%以上いじょう改善かいぜんした場合ばあい気道きどう可逆かぎゃくせいありと診断しんだんする。あるいは2週間しゅうかんから3週間しゅうかんステロイド内服ないふく吸入きゅうにゅう前後ぜんこう評価ひょうかすることも可能かのうである。ただし検査けんさ喘息ぜんそく発作ほっさきていない場合ばあい気道きどう可逆かぎゃくせい証明しょうめいできないこともあるため自宅じたくピークフローメーターってかえってもらい、ピークフローに20%以上いじょう日内ひない変動へんどうがみられた場合ばあい気道きどう可逆かぎゃくせいありと診断しんだんできる。
スパイロメトリー
スパイロメーターもちいた呼吸こきゅう機能きのう検査けんさ喘息ぜんそくでは気道きどう狭窄きょうさくにより呼気こき排出はいしゅつ速度そくど低下ていかする。(FEV1.0<75%)
広域こういき周波しゅうはオシレーションほう
音響おんきょうスピーカーなどによる工学こうがくてき空気くうき振動しんどう(オシレーション)を,安静あんせい換気かんきしている被験者ひけんしゃ伝搬でんぱんさせ,口腔こうくうない気流きりゅうあつ測定そくていする。
血液けつえきガス分析ぶんせき
発作ほっさには異常いじょうみとめないことがおおい。喘息ぜんそく発作ほっさには酸素さんそぶんあつ正常せいじょうないし低下ていか人体じんたい防御ぼうぎょ反応はんのうとして呼吸こきゅう回数かいすう上昇じょうしょうによるてい酸素さんそ状態じょうたいからの回復かいふくはかられるため、呼吸こきゅう反映はんえいして二酸化炭素にさんかたんそぶんあつ低下ていかすることがある。また、その反対はんたいに、気管支きかんし狭窄きょうさく閉塞へいそく高度こうど場合ばあいはい胞低換気かんき反映はんえいして二酸化炭素にさんかたんそぶんあつはむしろ上昇じょうしょうする。この場合ばあいてい酸素さんそ状態じょうたいともな場合ばあいおおい。
胸部きょうぶXせん写真しゃしん
とくに、喘息ぜんそく急性きゅうせい増悪ぞうあくはい膨張ぼうちょうみとめることはあるが、それ以外いがいは、異常いじょうみとめないことがおおい。喘鳴ぜんめい気道きどう狭窄きょうさくをきたすほか疾患しっかん腫瘍しゅよう肺炎はいえん慢性まんせい閉塞へいそくせいはい疾患しっかんなど)や鬱血うっけつせい心不全しんふぜん除外じょがいはい気胸ききょうたてへだたしゅなどの併発へいはつ留意りゅういすることが重要じゅうようである。
血液けつえき検査けんさ
末梢まっしょうちゅうこうさんだま増加ぞうか血清けっせいちゅう非特異ひとくいてきIgE上昇じょうしょうがみられれば、ほん疾患しっかん補助ほじょ診断しんだんとなりうる。また、アレルゲン調しらべるために、血清けっせいちゅうアレルゲン特異とくいてきIgE抗体こうたい測定そくていや、皮膚ひふテスト(プリックテストとう)がおこなわれる。
病理びょうりがくてき所見しょけん
気管支きかんしかべこうさんだま浸潤しんじゅん平滑へいかつすじ肥大ひだいみとめられる。
アスピリン喘息ぜんそくでは鼻茸はなたけなど、特異とくいてきはな粘膜ねんまく所見しょけん確認かくにんすることが、有力ゆうりょく診断しんだん補助ほじょとなる。
専門せんもんてき検査けんさ専門せんもんてき医療いりょう機関きかん以外いがいでは施行しこうされていない)
呼気こきちゅう一酸化いっさんか窒素ちっそ (NO) 濃度のうどは、気道きどう炎症えんしょう相関そうかんし、おかせかさねてきかつ簡便かんべん測定そくていすることが可能かのうである。2013ねんより、一部いちぶ測定そくてい機器ききによる呼気こきちゅうNO濃度のうど測定そくてい保険ほけん適応てきおうみとめられるようになったが、測定そくてい器具きぐ試薬しやく高価こうかであり保険ほけん点数てんすうでは採算さいさんれない検査けんさであるために、実施じっしできる医療いりょう機関きかん限定げんていされる。呼気こきちゅうNO濃度のうどは、鼻炎びえん気道きどう感染かんせん喫煙きつえんなどの要因よういんによっても影響えいきょうけることに留意りゅういすべきである。そのほか、気道きどう炎症えんしょう評価ひょうかする手法しゅほうとして、きわめてかぎられたごく一部いちぶ専門せんもん施設しせつにおいて、呼気こき凝縮ぎょうしゅくえきちゅう種々しゅじゅのバイオマーカーの測定そくてい施行しこうされている。呼気こき凝縮ぎょうしゅくえきは、おかせかさねてきに、かつ比較的ひかくてき簡便かんべん採取さいしゅすることが可能かのうである。
気道きどう過敏かびんせい亢進こうしんは、喘息ぜんそく病態びょうたい根幹こんかんし、その評価ひょうかきわめて重要じゅうようである。いくつかの評価ひょうか方法ほうほうがあるが、いずれも、被験者ひけんしゃ気道きどう刺激しげきする物質ぶっしつてい濃度のうどより吸入きゅうにゅう負荷ふか徐々じょじょ負荷ふかりょう漸増ぜんぞうして喘息ぜんそく病態びょうたいしょうじさせ、1びょうりょう呼吸こきゅう抵抗ていこうなどの指標しひょう有意ゆうい変化へんかするまでにようした負荷ふか総量そうりょうにより、気道きどう過敏かびんせい評価ひょうかする。負荷ふか物質ぶっしつとして、メサコリンが選択せんたくされることがおおい。日本にっぽんでは、おも標準ひょうじゅんほうとアストグラフほう施行しこうされており、評価ひょうかのためにもちいる指標しひょうとうことなる。

治療ちりょう

編集へんしゅう

薬物やくぶつ療法りょうほう

編集へんしゅう

こう炎症えんしょうやく

編集へんしゅう
経口けいこうステロイドやく
1950年代ねんだいにコルチコステロイドが精製せいせいされるとすぐに喘息ぜんそく治療ちりょうもちいられた経歴けいれきがある。気管支きかんし拡張かくちょうやく反応はんのうしなかった重度じゅうど喘息ぜんそくでもきわめて有効ゆうこうであったが、長期ちょうきにわたって全身ぜんしん投与とうよおこなうとおおくの有害ゆうがい副作用ふくさよう出現しゅつげんするため、緊急きんきゅう短期間たんきかん投与とうよのみがおこなわれる。例外れいがいとしてはステロイド依存いぞんせい喘息ぜんそくであり、やむをえず、長期ちょうきステロイド全身ぜんしん投与とうよおこなう。民間みんかん療法りょうほうでステロイドの有害ゆうがいせい過度かど強調きょうちょうする情報じょうほうがあるが、これらは吸入きゅうにゅうステロイドをはじめとする治療ちりょうができる以前いぜん報告ほうこくである。
吸入きゅうにゅうステロイドやく (ICS)
喘息ぜんそく長期ちょうき管理かんりやくだいいち選択せんたくとしてもちいられるが、ICS/LABAごうざいひとつであるBudesonide/Formoterolは発作ほっさ治療ちりょうやくとしても使つかわれることがある(SMART療法りょうほう)。バイオアベイラビリティ吸収きゅうしゅうされてりゅうちゅうのこり、全身ぜんしん分布ぶんぷするりょう)がひく薬剤やくざいもちいられるため、全身ぜんしんせい副作用ふくさよう高血圧こうけつあつ肥満ひまん骨粗こつそしょうしょう身長しんちょうびの抑制よくせいなど)はほとんどないとかんがえられている。薬物やくぶつりょうにおいても、全身ぜんしん投与とうよではmg単位たんい必要ひつようであるのにたいして、吸入きゅうにゅうではμみゅーg単位たんい治療ちりょう可能かのうである。しゃがれごえ口腔こうくうないカンジダなどの副作用ふくさようこりえるが、吸入きゅうにゅう直後ちょくご入念にゅうねんうがいをしてのど口腔こうくうないから薬剤やくざいあらながすことでふせぐことができる。ICSをてい用量ようりょうからこう用量ようりょう増量ぞうりょうするよりもてい用量ようりょうICSにLABAやLTRAあるいはLAMAを併用へいようしたほうがコントロールがくなる傾向けいこうがある。このような報告ほうこく吸入きゅうにゅうやく全身ぜんしん影響えいきょうすくないこともあり、ごうざい販売はんばいされるようになっている。ICS/LABAごうざいとして、アドエアシムビコートブデホルレルベアフルティフォームアテキュラがあり、ICS/LABA/LAMAごうざいにおいて、エナジアテリルジー気管支きかんし喘息ぜんそく適応てきおうがある。気管支きかんし喘息ぜんそくにおいて、これらのごうざいは、リスクをげることなく発作ほっさらすことが報告ほうこくされている[25]
吸入きゅうにゅうには定量ていりょう噴露吸入きゅうにゅう (pMDI) と自己じこ吸気きゅうきによるドライパウダー吸入きゅうにゅう (DPI) が存在そんざいする。フルタイドディスカス・ロタディスク、パルミコート・タービュヘイラー、アズマネックスツイストヘラー、アニュイティエリプタといったドライパウダー製剤せいざい、キュバール(ベクロメタゾン)、オルベスコ(シクレソニド)、フルタイド・エアーといったガス噴霧ふんむ製剤せいざいエアロゾル)がある。またドライパウダー製剤せいざい・ガス噴霧ふんむ製剤せいざいなどが上手じょうず吸入きゅうにゅうできない小児しょうになどのために、デポ・メドロール(酢酸さくさんメチルプレドニゾロン)、パルミコートにはネブライザー吸入きゅうにゅうできる吸入きゅうにゅうえきがある。ガイドラインにもとづく治療ちりょうをしている場合ばあいはLABA、LAMAと併用へいようおこな場合ばあいおおいため、ICS/LABAごうざいあるいはICS/LABA/LAMAごうざいは、携帯けいたいする薬品やくひん吸入きゅうにゅう回数かいすうることで利便りべんせいたかい。
ロイコトリエン受容じゅようたい拮抗きっこうやく(LTRA)
代表だいひょうてき経口けいこう喘息ぜんそく治療ちりょうやく軽症けいしょう吸入きゅうにゅうステロイドやく使用しよう困難こんなんである症例しょうれいにおいては単独たんどく使用しようされることがおおい。中等ちゅうとうしょう重症じゅうしょうでは一般いっぱんてきには吸入きゅうにゅうステロイドやく併用へいようやくとして使用しようされる。リモデリング予防よぼう改善かいぜん効果こうか運動うんどう誘発ゆうはつせい喘息ぜんそくアスピリン喘息ぜんそくはな閉をともなアレルギあれるぎせい鼻炎びえん月経げっけい困難こんなんしょうおよび子宮しきゅうないまくしょう合併がっぺいではとく使用しよう推奨すいしょうされている。こうさんだませい多発たはつ血管けっかんえんせい肉芽にくがしゅしょう(チャーグストラウス症候群しょうこうぐん発症はっしょうのリスクの可能かのうせい指摘してきされたが、否定ひていてき報告ほうこくもある。代表だいひょうてきなLTRAには、プランルカスト商品しょうひんめいオノンなど)、モンテルカスト商品しょうひんめいシングレアなど)がある。効果こうか発現はつげん薬剤やくざいによってことなるが、プランルカストでは2週間しゅうかん、モンテルカストでは1にち自覚じかく症状しょうじょう改善かいぜんするというデータがある。アトピーせいおお小児しょうにではこのまれる。プランルカストは小児しょうに場合ばあいは1さい以上いじょう適応てきおうがあり、カプセル (112.5mg) とドライシロップ (10%) の製剤せいざいられており7mg/Kg/dayで最大さいだいりょうは450mg/dayである。朝夕ちょうせき分服ぶんぷくする。モンテルカストはチュアブルじょう (5mg) が6さい以上いじょう15さい未満みまんほそつぶ (4mg) が1さい以上いじょう6さい未満みまん適応てきおうがあり、1にち1かい1じょう就寝しゅうしんまえ投与とうよされる。とく小児しょうにではJPGL2008ですべてのステップでだいいち推奨すいしょうされている薬剤やくざいである。ただしロイコトリエンが関与かんよしない喘息ぜんそくもあり、やく60%の患者かんじゃ効果こうかがみられる。
ケミカルメディエーター遊離ゆうり抑制よくせいやく
クロモグリクさん吸入きゅうにゅうえき(DSCG、インタールとう)は肥満ひまん細胞さいぼうだつ顆粒かりゅう抑制よくせいするくすりである。直前ちょくぜんに1かい吸入きゅうにゅうするだけで運動うんどう抗原こうげん吸入きゅうにゅうによってこされる気管支きかんし収縮しゅうしゅく軽減けいげんできる。しかし、その効果こうか吸入きゅうにゅうステロイドにおとり、また発作ほっさ治療ちりょうもちいることもできない。アトピーせいおお成人せいじん喘息ぜんそくではもちいる機会きかいはかなりすくないものの、アトピーせいおお小児しょうに喘息ぜんそくでは比較的ひかくてき効果こうかがあり有害ゆうがい副作用ふくさようがないということもあり小児科しょうにかでは非常ひじょうこのまれる薬物やくぶつである。クロモグリクさん吸入きゅうにゅうえきは (20mg/2ml) で1かい1Aでいちにち3かいから4かい電動でんどうしきネブライザーをもちいて治療ちりょうおこなう。
こうアレルギーやく
スプラタミド、ケタスなどといった化学かがく伝達でんたつ物質ぶっしつ阻害そがいざい、ケトチフェン、アゼラスチンといった抗ヒスタミン剤こうひすたみんざいなども処方しょほうされることがある。one airway one diseaseというかんがかた提唱ていしょうされており、喘息ぜんそくアレルギあれるぎせい鼻炎びえんふく鼻腔びこうえん同時どうじ治療ちりょうすると効果こうかてきかんがえられている。

気管支きかんし拡張かくちょうやく

編集へんしゅう
βべーた2刺激しげきやく
短時間たんじかん作用さようがた (SABA) の吸入きゅうにゅうやく急性きゅうせい増悪ぞうあくにリリーバーとしてもちいられる。長時間ちょうじかん作用さようがた製剤せいざい (LABA) はコントローラーとしてもちいられるが、単独たんどく使用しよう推奨すいしょうされない。前述ぜんじゅつとおり、ICS/LABAごうざいひとつであるBudesonide/Formoterolはコントローラーとしてのみならずリリーバーとしても使つかわれることがあり(SMART療法りょうほう)、GINAの喘息ぜんそく急性きゅうせい増悪ぞうあく治療ちりょうガイドラインに記載きさいされている。
短時間たんじかん作用さようがた吸入きゅうにゅうやく (SABA)
サルブタモール(サルタノール・インヘラーやベネトリンなど)、プロカテロール(メプチン・エアーなど)、フェノテロール(ベロテック・エロゾルなど)など。即効そっこうせいはあるものの、効果こうかはすぐにげんじゃくするため、コントローラーとしてはもちいられない。
長時間ちょうじかん作用さようがた吸入きゅうにゅうやく (LABA)
たんざいとして、サルメテロール(セレベント・ディスカスなど)、ICS/LABAごうざいとして、プロピオンさんフルチカゾン・サルメテロール(アドエアなど)、ブデソニド・ホルモテロール(シムビコート、ブデホル)、フランカルボンさんフルチカゾン・ビランテロール(レルベア)、プロピオンさんフルチカゾン・ホルモテロール(フルティフォーム)、モメタゾン・インダカテロール(アテキュア)、ICS/LAMA/LABAごうざいとして、モメタゾン・グリコピロニウム・インダカテロール(エナジア)、フランカルボンさんフルチカゾン・ウメクリジニウム・ビランテロール(テリルジー)がある。セレベントはいちかい25 - 50μみゅーgをいちにちかい投与とうよ一般いっぱんてきである。アドエアではいちかいにサルメテロールが50μみゅーgふくまれている。かつてはβべーた刺激しげきやく心臓しんぞう作用さよう気管支きかんし喘息ぜんそく患者かんじゃ突然とつぜん原因げんいんかんがえられていたが、ICSの普及ふきゅうによってむしろ炎症えんしょうコントロールの程度ていど突然とつぜんとかかわりあっているとかんがえられるようになった。食品しょくひん医薬品いやくひんきょく(しょくひんいやくひんきょく、FDA:Food and Drug Administration)は、喘息ぜんそく長期ちょうき管理かんり慢性まんせい治療ちりょう)における、LABAの単独たんどく使用しようけるよう警告けいこくしている。
貼付ちょうふざい内服薬ないふくやくなどのざいがたもあり、年齢ねんれい症状しょうじょうにあわせてそれぞれもちいられる。
貼付ちょうふざいとしては小児科しょうにか領域りょういきではツロブテロール製剤せいざいのホクナリンテープがよくもちいられる。0.5 - 3さい未満みまんならば0.5mg、3さいから9さい未満みまんならば1mg、9さい以上いじょうならば2mgで胸部きょうぶ背部はいぶ上腕じょうわん貼付ちょうふする。副作用ふくさよう内服薬ないふくやく同様どうよう吸入きゅうにゅうやくよりはつよい。また、効果こうか発現はつげん時間じかんきわめておそいため急性きゅうせい対応たいおうではまったやくにたないが、服薬ふくやくむずかしい小児しょうに分野ぶんやでは使つか勝手がってさから非常ひじょうこのまれる。内服薬ないふくやくではアトック(ホルモテロール)やホクナリンじょう、メプチンじょうなどおおくの製剤せいざいがある。
メチルキサンチンけい薬物やくぶつ
テオフィリン(テオロング、テオドール製剤せいざいである。テオフィリン気管支きかんし拡張かくちょう作用さようこう炎症えんしょう作用さようあわつ。かつては気管支きかんし喘息ぜんそく中心ちゅうしんとなるきわめてたよりになる薬物やくぶつであった。その薬物やくぶつ動体どうたい理解りかいして上手うま使つかえば気管支きかんし喘息ぜんそく治療ちりょうきわめて有効ゆうこう治療ちりょうやくとなっていたが、その特性とくせい理解りかいしておかないと、残念ざんねんながらそのちゅう有効ゆうこう濃度のうどいきせまくかつ脱水だっすい心不全しんふぜんかん障害しょうがい併用へいよう薬剤やくざい相互そうご作用さよう個人こじん差等さとう簡単かんたん中毒ちゅうどくいきはいってしまうために、その使用しようほうむずかしく敬遠けいえんされるようになってしまった。中毒ちゅうどく症状しょうじょう多彩たさい重度じゅうどのものは不整脈ふせいみゃく痙攣けいれん意識いしき障害しょうがいもある。かりやすいものは嘔気・嘔吐おうと動悸どうき食欲しょくよく不振ふしんとうがある。慢性まんせい難治なんじせいβべーた blocked stateでβべーた刺激しげきざい反応はんのう不良ふりょう気管支きかんし喘息ぜんそく発作ほっさでも効果こうか期待きたいできた。
錠剤じょうざいやカプセルの形態けいたいじょせい製剤せいざいとしては経口けいこう投与とうよおこない、急性きゅうせい増悪ぞうあくではテオフィリンおよびそのジエチルアミンしおであるアミノフィリン静脈じょうみゃくない投与とうよおこなうことができる。アミノフィリンせいちゅうでは急速きゅうそくせいちゅう禁止きんしであり、ゆっくり1~2ふん以上いじょうかけてしずかちゅうする。また点滴てんてきせいちゅう無難ぶなんである。急速きゅうそくせいちゅう酸素さんそ需給じゅきゅうバランスの破綻はたんによるとされる心筋しんきん障害しょうがいしょうじる。
βべーた刺激しげきやくアデニルさんシクラーゼ活性かっせいさせcAMPを上昇じょうしょうさせるのにたいして、テオフィリンはホスホジエステラーゼ阻害そがいすることでcAMPを上昇じょうしょうさせる、結果けっかはどちらもPKA活性かっせいによる気管支きかんし拡張かくちょうである。また、気管支きかんし喘息ぜんそくとCOPDにたいしてヒストンだつアセチル酵素こうそ活性かっせい増強ぞうきょう作用さようによるこう炎症えんしょう作用さよう横隔膜おうかくまく収縮しゅうしゅくりょく増強ぞうきょう呼吸こきゅう中枢ちゅうすう刺激しげき作用さよう報告ほうこくされている。じょせいテオフィリン製剤せいざい喘息ぜんそく症状しょうじょう改善かいぜんのほか、はい機能きのう改善かいぜん就寝しゅうしんまえ内服ないふく夜間やかん症状しょうじょう改善かいぜん運動うんどう誘発ゆうはつせい喘息ぜんそく予防よぼうてい濃度のうどでのこう炎症えんしょう作用さようられている。しかし治療ちりょういき非常ひじょうせまく、代謝たいしゃ個人こじんがあるため投与とうよりょう設定せってい個人こじんごとにことなり5 - 15μみゅーg/mlにちゅうモニタリングが必要ひつようである。またおおくの薬物やくぶつとの相互そうご作用さようられている。副作用ふくさようには中枢ちゅうすう神経しんけい賦活ふかつ作用さようによる痙攣けいれん悪心あくしんしきみゃくたたかえ不整脈ふせいみゃくなどがある。このような調節ちょうせつむずかしいことから長時間ちょうじかん作用さようがたβべーた刺激しげき吸入きゅうにゅうやく普及ふきゅうともない、あまりもちいられない傾向けいこうにある。テオフィリン関連かんれん痙攣けいれんばれる副作用ふくさよう報告ほうこくされ、日本にっぽんのガイドラインでは小児しょうにたいしてはその位置いちづけが後退こうたい傾向けいこうにある。この痙攣けいれん典型てんけいてき中毒ちゅうどく症状しょうじょうひとつである。テオフィリンけい心筋しんきん酸素さんそ需要じゅようたかめるので急速きゅうそくせいちゅう酸素さんそ需給じゅきゅうバランスを悪化あっかさせて不整脈ふせいみゃくとう惹起じゃっきしかねないのですうふんけてのゆっくりしずかちゅうないし点滴てんてきこのましい。
小児しょうにではこう炎症えんしょう効果こうか期待きたいしててい用量ようりょうの10mg/kg/dayから使用しよう開始かいしけつちゅう濃度のうどを10μみゅーg/ml程度ていど目安めやすにするのが一般いっぱんてきである。ちゅう濃度のうど迅速じんそくキットで測定そくてい可能かのうであるため、内服ないふくりょう不明ふめいときもERで追加ついか可能かのうである。そのためアミノフィリンは発作ほっさ治療ちりょうやくとしてしばしばもちいられている。
テオフィリン内服薬ないふくやく吸収きゅうしゅうりつやく100%と良好りょうこうなのでネオフィリンとう静脈じょうみゃく注射ちゅうしゃようやく同様どうよう注意ちゅうい必要ひつようである。たとえば脱水だっすい状態じょうたいになれば通常つうじょうりょうでも容易ようい中毒ちゅうどくいきはいってしまう。使用しようほうのノウハウは日本にっぽんでも米国べいこくでもかつて様々さまざま工夫くふうされて1970年代ねんだいまでは米国べいこくでもアミノフィリン100mgワンショットせいちゅうくと主張しゅちょうする医師いしもいた。しかし100mgせいちゅうでも急速きゅうそくおこなえば心筋しんきん障害しょうがい不整脈ふせいみゃく誘発ゆうはつしかねないし、脱水だっすいちょあかりとう全身ぜんしん状態じょうたいわるければゆっくりすうふんかけてしずかしても中毒ちゅうどく症状しょうじょうることがある。これらの臨床りんしょう薬理やくりがくてき検討けんとうは1970年代ねんだい石崎いしざき高志たかしらにより詳細しょうさい検討けんとうされて(Japanese Journal of Allergology 29(5): 203-212, 1980. 、Medicina21かん4ごう1984. https://doi.org/10.11477/mf.1402218985ひとし)、使用しようほう理解りかいされるようになったが残念ざんねんながら一般いっぱんされることなく、安易あんい使用しようでの痙攣けいれんなどの副作用ふくさよう中毒ちゅうどく症状しょうじょう)が前面ぜんめんてきて問題もんだいされ近年きんねん敬遠けいえんされるようになってきている。なお、ちゅう濃度のうど有効ゆうこういきは10-20㎍/mlとされたが、それよりてい濃度のうどでも効果こうかがあることが主張しゅちょうされるようになってからは少量しょうりょう投与とうよ使つかわれることがおおくなっている。医師いしによる全身ぜんしん状態じょうたい定期ていきてきチェックなしで漫然まんぜん使つかうのはやはりひかえたほうい。
こうコリンやく
吸入きゅうにゅうこうコリンやくβべーた2刺激しげきやくくらべ、気管支きかんし拡張かくちょう効果こうかよわく、効果こうか発現はつげんおそい。また、呼吸こきゅう粘膜ねんまくから吸収きゅうしゅうされることにより口渇こうかつかん前立腺ぜんりつせん肥大ひだいしきみゃく緑内障りょくないしょうといった副作用ふくさよう出現しゅつげんするおそれがある。アトロピンの4きゅうアンモニウムしおであるイプラトロピウム臭化物しゅうかぶつ(アトロベントとう)ではこのような副作用ふくさよう軽減けいげんされている。日本にっぽんではイプラトロピウムはMDIとしてのみ供給きょうきゅうされており、つぎのような状況じょうきょうでは有用ゆうようせいはある。βべーたブロッカーにより気管支きかんし収縮しゅうしゅくこった場合ばあい吸入きゅうにゅうβべーた刺激しげきやく反応はんのうしない急性きゅうせい増悪ぞうあくモノアミンオキシターゼ阻害そがいやく服用ふくようしている場合ばあい重度じゅうど不整脈ふせいみゃく不安定ふあんてい狭心症きょうしんしょう合併がっぺいしているため、交感神経こうかんしんけいけい刺激しげき回避かいひしたい場合ばあいなどである。作用さようじょ気道きどうふく交感神経こうかんしんけいにてトーヌスが維持いじされているため、トーヌスの維持いじ解除かいじょすることで気管支きかんし拡張かくちょうる。イプラトロピウム(アトロベントなど)、オキシトロピウム(テルシガン)は気道きどう粘液ねんえきねば稠度を増加ぞうかさせないため非常ひじょう使つかいやすいとされている。作用さよう持続じぞく時間じかんは6 - 9あいだである。
COPDにたいする定期ていき治療ちりょうやくとしてもちいられるチオトロピウムは、近年きんねん一部いちぶ喘息ぜんそく症例しょうれいにおいて、喘息ぜんそくコントローラーとしても有効ゆうこうであることが報告ほうこくされ、「スピリーバ®2.5µg レスピマット®60吸入きゅうにゅう」および「スピリーバ®1.25µg レスピマット®60吸入きゅうにゅう」は、気管支きかんし喘息ぜんそく適応てきおうとした承認しょうにん取得しゅとくしている。また、こうコリンやくひとつであるグリコピロニウムおよびウメクリジニウムは、ICS/LABA/LAMA3成分せいぶん配合はいごうざいとして、気管支きかんし喘息ぜんそく適応てきおうがある(商品しょうひんめいは、じゅんに、エナジアおよびテリルジー)。

日本にっぽん喘息ぜんそく適応てきおうゆうする生物せいぶつがくてき製剤せいざい

編集へんしゅう

日本にっぽんアレルギー学会がっかい喘息ぜんそく治療ちりょうステップガイドラインには、以下いか生物せいぶつがくてき製剤せいざいは、いずれも、治療ちりょうステップ4における長期ちょうき管理かんりやく基本きほん治療ちりょうのオプションとして記載きさいされており、全身ぜんしんせいステロイドの副作用ふくさようたいする懸念けねんから、近年きんねん経口けいこうステロイドよりも優先ゆうせんして推奨すいしょうされる傾向けいこうにある。

ゾレア(一般いっぱんめい オマリズマブ)(ノバルティス
ヌーカラ(一般いっぱんめい メポリズマブ)(グラクソ・スミスクライン
ファセンラ(一般いっぱんめい ベンラリズマブ)(アストラゼネカ
デュピクセント(一般いっぱんめい デュピルマブ)(サノフィ
テゼスパイア(一般いっぱんめい テゼペルマブ)(アストラゼネカ

これらの生物せいぶつがくてき製剤せいざいうち、デュピルマブのみが、日本にっぽんアレルギー学会がっかい喘息ぜんそく治療ちりょうステップガイドラインに、治療ちりょうステップ3における長期ちょうき管理かんりやく基本きほん治療ちりょうのオプションとしても記載きさいされている。

こうTNF抗体こうたい
近年きんねん注目ちゅうもくされている分子ぶんし標的ひょうてきやくである。
去痰きょたんざい
ムコダイン,ムコサールなどがよく処方しょほうされる。はいたんともない、気道きどう抵抗ていこうすくなくなる。
14いんたまきマクロライド
エリスロマイシンなどの少量しょうりょう長期ちょうき投与とうよおこな医師いしもいる。慢性まんせい気管支炎きかんしえんびまんせいひろしほそ気管支炎きかんしえんなどの合併がっぺいれいには有効ゆうこうである。
漢方薬かんぽうやく
あさあんずあませきしょうあおりゅうとら神秘しんぴむぎもんふゆなどを、あかしおうじて処方しょほう

気管きかん拡張かくちょうざいエフェドリンは、あさあんずあませきしょうあおりゅうなどに配合はいごうされる生薬きぐすり麻黄まおうから1885ねん明治めいじ18ねん長井ながい長義ながよしによってたんはなれ抽出ちゅうしゅつされた。

げんかんさく療法りょうほう

編集へんしゅう

ちゅう程度ていどあるいは方法ほうほう喘息ぜんそく制御せいぎょできない場合ばあいはアレルゲンをかえ注射ちゅうしゃするアレルゲン免疫めんえき療法りょうほうげんかんさく療法りょうほう)をおこな場合ばあいもある。90%以上いじょうがダニアレルゲンが原因げんいんである小児しょうに喘息ぜんそく場合ばあいはアレルゲン免疫めんえき療法りょうほう有効ゆうこうせいたかいという意見いけんもある[26]

WHOの見解けんかいしょでは、アレルゲン免疫めんえき療法りょうほうげんかんさく療法りょうほう)が喘息ぜんそく自然しぜん経過けいかえる唯一ゆいいつ根本こんぽんてき治療ちりょうほうとして記述きじゅつされている[27]

その治療ちりょう

編集へんしゅう

野菜やさい果物くだもの摂取せっしゅは、喘息ぜんそくのリスクと重症じゅうしょうげる[10]。ブロッコリー、モロヘイヤ、クレソンなどにはヒアルロニダーゼ抑制よくせい作用さようがある。ヒアルロニダーゼはアレルギーをこす原因げんいん物質ぶっしつヒスタミン放出ほうしゅつ関係かんけいしており、そのはたらきをおさえることでアレルギー症状しょうじょう軽減けいげん期待きたいされる。また、キュウリ、野沢のざわさい、クレソンなどにはヒスタミンの放出ほうしゅつ関係かんけいするだつ顆粒かりゅう抑制よくせい作用さようがある。とくクレソンたかいレベルでヒアルロニダーゼとだつ顆粒かりゅう両方りょうほう抑制よくせいする作用さようがある[28][29]妊娠にんしん初期しょきにアブラナ野菜やさい(ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、クレソンなど)を摂取せっしゅすると幼児ようじ喘息ぜんそく症状しょうじょう発生はっせいりつ軽減けいげん寄与きよする可能かのうせい示唆しさされている[12]

ふるくから水泳すいえいによって改善かいぜんするといったこともわれているが、呼吸こきゅうすじきたえたことにより病状びょうじょうくなったとかんじるため(ピークフロー上昇じょうしょう)で、炎症えんしょうおさまったわけではない。場合ばあいによってはプールの塩素えんそによってさらに悪化あっかすることもあり注意ちゅうい必要ひつようである。水泳すいえいによる疲労ひろう塩素えんそ喘息ぜんそく発病はつびょうした患者かんじゃもいる。

直接ちょくせつ治療ちりょう行為こういには該当がいとうしないが、ピークフローメーターにより日頃ひごろのピークフロー記録きろくをしておくことで自覚じかく症状しょうじょうのないかる発作ほっさ発見はっけんできたり、発作ほっさがおきやすい時期じき時間じかんたいとう把握はあくしやすくなるため、喘息ぜんそく管理かんり有効ゆうこうである。ピークフローは症状しょうじょう変化へんか先行せんこう変化へんかすることがられている。またじゅうあつし患者かんじゃほど自覚じかく症状しょうじょう出現しゅつげんしにくいためピークフローによって客観きゃっかんてき評価ひょうか必要ひつようである。ピークフローは3かい測定そくていおこない、さい高値たかね記録きろくする。

慢性まんせい呼吸こきゅう不全ふぜん患者かんじゃには在宅ざいたく酸素さんそ療法りょうほうおこなう。

長期ちょうき管理かんり

編集へんしゅう

喘息ぜんそくのガイドラインとして、国際こくさいてきもっと信頼しんらいされているのは、WHOによるThe Global Initiative for Asthma (GINA) である。Evidence-levelのたかすぐれた最新さいしん文献ぶんけんもとに、すうねんごとにアップデートされている。世界中せかいじゅうくに地域ちいきにおいて、各々おのおののローカルな喘息ぜんそくガイドラインが存在そんざいするが、おおくは、このGINAを参考さんこう作成さくせいされている。に、国際こくさいてきられている喘息ぜんそくのガイドラインとして、米国べいこく喘息ぜんそく管理かんり治療ちりょうガイドライン (EPR3) がある。日本にっぽんでは、おもに、日本にっぽんアレルギー学会がっかい作成さくせいする喘息ぜんそく予防よぼう管理かんりガイドライン2021(JGL2021)および日本にっぽん小児しょうにアレルギー学会がっかい作成さくせいする小児しょうに気管支きかんし喘息ぜんそく治療ちりょう管理かんりガイドライン2023 (JPGL2023) がもちいられる。

喘息ぜんそく特徴とくちょうてき症状しょうじょう
発作ほっさせい呼吸こきゅう困難こんなん喘鳴ぜんめい夜間やかん早朝そうちょう出現しゅつげんしやすいせき
可逆かぎゃくせい気流きりゅう制限せいげん
自然しぜんにあるいは治療ちりょうにより寛解かんかいする気流きりゅう制限せいげんみとめられる。PEF(ピークフロー)日内ひない変動へんどうが20%以上いじょうβべーた2刺激しげきやく吸入きゅうにゅうによって1びょうりつが12%以上いじょう増加ぞうか、かつ絶対ぜったいりょうで200ml以上いじょう増加ぞうかみとめられる。
気道きどう過敏かびんせい亢進こうしん
アセチルコリンヒスタミン、メサコリンにたいする気道きどう収縮しゅうしゅく反応はんのう亢進こうしんみとめられる。気道きどう過敏かびんせいみとめる疾患しっかん喘息ぜんそくだけではなく、せき喘息ぜんそくアレルギあれるぎせい鼻炎びえん慢性まんせい閉塞へいそくせいはい疾患しっかん鬱血うっけつせい心不全しんふぜん、ウイルスせい呼吸こきゅう感染かんせんなどでもみとめられる。

これらによって気管支きかんし喘息ぜんそく診断しんだんをしたら、長期ちょうき管理かんり開始かいしする。なお、発作ほっさちゅうであったら発作ほっさ治療ちりょう優先ゆうせんする。長期ちょうき管理かんり方法ほうほうはガイドラインによってわずかな差異さいがあるものの基本きほんはほとんどおなじであるためGINA2006にもとづいて説明せつめいする。なおICSは吸入きゅうにゅうステロイド、LABAは長期ちょうき作用さようがたβべーた2刺激しげきやく、LTRAはロイコトリエン受容じゅようたい拮抗きっこうやくである。

薬物やくぶつ療法りょうほう ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 ステップ5
だいいち選択せんたく なし てい用量ようりょうICS てい用量ようりょうICS+LABA こう用量ようりょうICSプラスLABA 経口けいこうステロイド
オプション なし なし こう用量ようりょうICSまたはLABAのわりにLTRA LABAのわりにLTRA なし

GINA2006では治療ちりょう目標もくひょうである良好りょうこうなコントロールにかんして問診もんしんによって評価ひょうかできるとしている。

  1. にちちゅうしゅう3かい以上いじょう症状しょうじょう出現しゅつげん
  2. 喘息ぜんそくによって日常にちじょう生活せいかつによって制限せいげんがある
  3. 夜間やかん喘息ぜんそく症状しょうじょうのために早朝そうちょうおきることがある
  4. 症状しょうじょうおさえるために気管支きかんし拡張かくちょうやくしゅうに3かい以上いじょう使用しよう
  5. ピークフローが自己じこさい高値たかねもしくは予測よそくの80%未満みまん
  6. 喘息ぜんそく増悪ぞうあく発作ほっさ過去かこ1ねんに1かい以上いじょうある

上記じょうきの6項目こうもくのうち3項目こうもく以上いじょう該当がいとうしたらコントロール不良ふりょうであり、ひとつでも該当がいとうすればコントロール不十分ふじゅうぶん、また喘息ぜんそく増悪ぞうあく発作ほっさ最近さいきんみとめられたらそれだけでコントロール不十分ふじゅうぶんとする。3ヶ月かげつごとに治療ちりょう効果こうか判定はんていおこない、コントロール良好りょうこうぐんであれば、ステップダウンし、コントロール不良ふりょうぐんであればステップアップする。コントロール不十分ふじゅうぶん持続じぞくする場合ばあいもステップアップを検討けんとうする。

JGL2006ではステップ1が症状しょうじょうによって規定きていされており、その症状しょうじょうにコントロールするようにコントローラーを決定けっていする。ステップ2のコントローラーでステップ2の症状しょうじょうみとめられればコントロール不良ふりょうでありステップ3にステップアップする。

one airway one disease

編集へんしゅう

喘息ぜんそくアレルギあれるぎせい鼻炎びえんふく鼻腔びこうえんがよく合併がっぺいすることはよくられており、これらは独立どくりつした危険きけん因子いんしであるが関連かんれんふかく「one airway one disease」[ちゅう 1]としてられ[30]同時どうじ治療ちりょうすることで治療ちりょう効果こうかたかまるとかんがえられている。とくに、アレルギあれるぎせい鼻炎びえん花粉かふんしょう合併がっぺいおおい。アレルギあれるぎせい鼻炎びえん治療ちりょう症状しょうじょうわせて選択せんたくされる。

薬剤やくざいのタイプ はな はな くしゃみ かゆみ 症状しょうじょう
経口けいこうこうヒスタミンやく ++ ± ++ ++ ++
経口けいこうこうロイコトリエンやく + ++ + + +
てんはなこうヒスタミンやく + ± + +
てんはなステロイドやく ++ ++ ++ ++ +
てんはな血管けっかん収縮しゅうしゅくやく ++
てんはなこうコリンやく ++
てんはなこう肥満ひまん細胞さいぼうやく + + + +

急性きゅうせい発作ほっさ

編集へんしゅう

初期しょき治療ちりょうとしては酸素さんそ投与とうよとリリーバー投与とうよとなるが、呼吸こきゅう困難こんなん喘鳴ぜんめい原因げんいんしん疾患しっかんなど喘息ぜんそく発作ほっさ以外いがい可能かのうせいもある。

喘息ぜんそく発作ほっさ程度ていどしょう発作ほっさ呼吸こきゅう困難こんなんはあるがよこになれうごける)、ちゅう発作ほっさ呼吸こきゅう困難こんなんよこになれないがうごける)、だい発作ほっさ呼吸こきゅう困難こんなんうごけない)に分類ぶんるいされる。

軽度けいど 中等ちゅうとう 重度じゅうど
呼吸こきゅう困難こんなん くるしいがよこになれる くるしくてよこになれない くるしくてうごけない
会話かいわ 通常つうじょう会話かいわ みじか文章ぶんしょう 単語たんごのみ
呼吸こきゅう状態じょうたい 呼吸こきゅう補助ほじょすじ使用しようなし 呼吸こきゅう補助ほじょすじ使用しようあり 胸骨きょうこつ上部じょうぶおちい凹(陥没かんぼつ呼吸こきゅう
PEF > 80% 60 - 80% <60%
SpO2 > 95% 91 - 95% <90%

発作ほっさ対処たいしょ

編集へんしゅう
初期しょき治療ちりょう
まずは初期しょき治療ちりょうとして酸素さんそ投与とうよ、および吸入きゅうにゅうβべーた2刺激しげきやく投与とうよおこなう。シムビコートタービュヘイラー吸入きゅうにゅうおこなう。
以前いぜんサルブタモール(サルタノールインヘラー)2吸入きゅうにゅう、20ふんごと3かいプロカテロール(メプチンエアー)2吸入きゅうにゅう、20ふんごと3かいなどがおこなわれていたが、作用さよう時間じかんみじかいため、反復はんぷくしての吸入きゅうにゅう患者かんじゃいられていた。ホルモテロール即効そっこうせいがあるうえ長時間ちょうじかん作用さようするためコンプライアンス向上こうじょうする。フルティフォームもホルモテロールを含有がんゆうするが、日本にっぽんにおいては発作ほっさ吸入きゅうにゅう認可にんかされていない。
また酸素さんそ飽和ほうわ (SpO2) が92%以上いじょうになるようにコントロールする。定量ていりょう噴霧ふんむしき吸入きゅうにゅう (MDI) によってうまく吸入きゅうにゅうできない高齢こうれいしゃ重度じゅうど気流きりゅう制限せいげんみとめられる場合ばあいちょう音波おんぱネブライザーもちいて吸入きゅうにゅうおこなう。
サルブタモール吸入きゅうにゅうえき(ベネトリン)0.3ml - 0.5ml (1.5mg - 2.5mg) を生理せいりしょく塩水えんすい2mlとぜて吸入きゅうにゅうおこなうことがおおい。サルブタモールと生理せいりしょく塩水えんすいりょうかんしては十分じゅうぶんりょう吸入きゅうにゅうがされていれば治療ちりょう効果こうかはないとされており、ネブライザーの形状けいじょうにあったりょうとすることが重要じゅうようである。ネブライザーでもMDIと同様どうよう、20ふんごと3かい吸入きゅうにゅうおこない、すこしでも効果こうかられたら2あいだまで20ふんごと吸入きゅうにゅうかえしてよいとされている。
初期しょき治療ちりょう改善かいぜんみとめられない場合ばあい中等ちゅうとう以上いじょう発作ほっさ、あるいは窒息ちっそくのリスクファクターがある場合ばあいはさらにステロイドの点滴てんてき追加ついかする。
メチルプレドニゾロン(ソルメドロール)40mgを生理せいりしょく塩水えんすい50mlに融解ゆうかいし30ぶん点滴てんてき投与とうよヒドロコルチゾン(ソルコーテフ)200mgを生理せいりしょく塩水えんすい50mlに融解ゆうかいし30ぶん点滴てんてき投与とうよおこなう。これらはコハクさんエステルがたのステロイドざいであるためNSAIDsにて喘息ぜんそく誘発ゆうはつされる場合ばあいはな疾患しっかん合併がっぺいがある場合ばあいベタメタゾンちゅう(リンデロン)4mg - 6mgやデキサメタゾンちゅう(デカドロン)6mgに変更へんこうしたほう安全あんぜんである(経口けいこうステロイドではこのようなことは注意ちゅういする必要ひつようはない)。
ステロイド投与とうよおこない2あいだ経過けいかしても改善かいぜんみとめられない場合ばあい入院にゅういん適応てきおうになる。
十分じゅうぶん効果こうかられず、呼吸こきゅう困難こんなん持続じぞくする場合ばあいアドレナリン(ボスミン)0.3mgの皮下ひかちゅうおこなう。どうざい適応てきおうは45さい以下いかで、高血圧こうけつあつきょせいこころ疾患しっかん不整脈ふせいみゃくしきみゃくがない場合ばあいである。20ふんごと反復はんぷく投与とうよおこなってよいが血圧けつあつ脈拍みゃくはく動悸どうきせん注意ちゅうい必要ひつようである。心拍しんぱくすうを130bpm以下いかたもつために心電図しんでんずモニタリングが必要ひつようである。アドレナリンを使用しようする症例しょうれいでは気管きかん挿管が必要ひつようとなる場合ばあいもあるため、準備じゅんびおこなう。なお、エピネアドレナリンは子宮しきゅう動脈どうみゃく収縮しゅうしゅく作用さようがあるためにん場合ばあいはテルブタリン(ブリカニール)0.2mgの皮下ひかちゅう変更へんこうする。オプションとしてけい気道きどうてき気管支きかんし拡張かくちょうやく投与とうよ不可能ふかのう場合ばあいテオフィリン製剤せいざい点滴てんてき考慮こうりょする。アミノフィリン6mg/kgを5%ブドウ糖ぶどうとうえき250mlで希釈きしゃく半量はんりょうを15ふんのこりを45ふん点滴てんてきしずかちゅうするのが一般いっぱんてきである。
軽症けいしょう中等ちゅうとうしょうでは無効むこうとされているが重症じゅうしょう喘息ぜんそくではマグネシウムを1g - 2g(マグネゾール2g/20mlまたはコンクライトMg1Aやアミサリン100mg/1ml)のせいちゅうはステロイドやSABAが使用しようされたうえでは効果こうかみとめられる。
こう療法りょうほう
発作ほっさ中等ちゅうとう以上いじょうであった場合ばあい経口けいこうプレドニゾロン15mgをいちにちかい5にちぶんほど処方しょほうし、近日きんじつちゅう専門医せんもんいやかかりつけ受診じゅしんうながす。MDIが十分じゅうぶんのこっていることを確認かくにんする。発作ほっさ中等ちゅうとうでも1時間じかん以内いない改善かいぜんした場合ばあい帰宅きたく可能かのうであるが、軽度けいどでも窒息ちっそくのリスクファクターがある場合ばあい入院にゅういん治療ちりょう必要ひつようである。
気管きかん挿管の適応てきおう
初期しょき治療ちりょうおこなったにもかかわらず、呼吸こきゅうげんじゃく呼吸こきゅう停止ていし意識いしき障害しょうがいみとめられたり、酸素さんそ投与とうよでもPaO2が50Torr以下いかやPaCO2が50Torr以上いじょうやpHが7.25以下いか不整脈ふせいみゃく頻発ひんぱつ場合ばあい気管きかんない挿管おこない、入院にゅういん治療ちりょうおこなう。
入院にゅういん適応てきおう
入院にゅういん必要ひつよう場合ばあいとしては、中等ちゅうとう以上いじょう発作ほっさであり、気管支きかんし拡張かくちょうやくやステロイド全身ぜんしん投与とうよにもかかわらず2あいだ経過けいかしても反応はんのうがない場合ばあい治療ちりょうでも酸素さんそ飽和ほうわ90%以下いかてい酸素さんそ状態じょうたい継続けいぞくする場合ばあい治療ちりょうもPEFが60%未満みまん場合ばあいや、窒息ちっそくのハイリスクグループである場合ばあいなどがあげられる。入院にゅういんでは酸素さんそ療法りょうほう継続けいぞく気管支きかんし拡張かくちょうやく吸入きゅうにゅう継続けいぞく(サルブタモール吸入きゅうにゅうえき吸入きゅうにゅうを4あいだごと、20ふん以上いじょうあけて追加ついか投与とうよ可能かのう)、そのメチルプレゾニドロン60mgを1にち3かいほど点滴てんてきしずかちゅうする。テオフィリン製剤せいざいもちいる場合ばあいもある。喘息ぜんそく治療ちりょう影響えいきょうあたえる因子いんしとしては感染かんせんしょう鼻炎びえんふく鼻腔びこうえんアレルギあれるぎせい鼻炎びえんはなポリープ、GERD薬物やくぶつβべーたブロッカーやACEI)、アレルギー、喫煙きつえん声帯せいたい機能きのう不全ふぜん夜間やかん症状しょうじょうがないのに早朝そうちょうきゅうしゃがれごえなどの症状しょうじょう出現しゅつげんする)をはじめとするしんいんせい疾患しっかんなどがありこれらも可能かのうかぎ治療ちりょうおこなっていく。コントローラーのステップアップにて症状しょうじょう安定あんていし、疾患しっかん除外じょがいができれば退院たいいんとなる。

喘息ぜんそく危険きけん因子いんし

編集へんしゅう

これらのリスクファクターがある患者かんじゃはより慎重しんちょう治療ちりょうもとめられる。

  • ステロイドやく全身ぜんしん投与とうよちゅうまたは中止ちゅうししたばかりである。
  • 過去かこいち年間ねんかん喘息ぜんそく発作ほっさによる入院にゅういんまたは救急きゅうきゅう外来がいらい受診じゅしんした。
  • 喘息ぜんそく発作ほっさ気管きかんない挿管人工じんこう呼吸こきゅう管理かんり必要ひつようとした。
  • 短時間たんじかん作用さようせいβべーた2刺激しげきやくつきに2ほん以上いじょう過剰かじょう使用しようしている。
  • 鎮静ちんせいやく使用しようしている。
  • 喘息ぜんそく治療ちりょう計画けいかくしたがわない。

気管支きかんし喘息ぜんそく鑑別かんべつようする疾患しっかん

編集へんしゅう
慢性まんせい閉塞へいそくせいはい疾患しっかん(Chronic Obstructive Pulmonary Disease:COPD)
喫煙きつえんしゃや、特異とくいてき遺伝子いでんし変異へんいをもつ若年じゃくねんしゃ発症はっしょうすることもあるが、おおくは、高齢こうれいしゃ発症はっしょうし、喫煙きつえんとの関連かんれんつよい。労作ろうさく呼吸こきゅう困難こんなん息切いきぎれ、βべーた2刺激しげきざい吸入きゅうにゅう1びょうりつが70%未満みまんであること、胸部きょうぶ画像がぞう診断しんだんにおけるしゅせい変化へんかとう重要じゅうようであるが、けい症例しょうれいでは、所見しょけんとぼしいこともある。喘息ぜんそく、COPDにおいて、典型てんけいれいでは、病態びょうたい形成けいせいする炎症えんしょうせい細胞さいぼう、サイトカイン、ケモカインなどのprofileに対照たいしょうてき特徴とくちょうみとめられるが、典型てんけいれいでは両者りょうしゃ差異さい不明瞭ふめいりょうとなり、しばしば、鑑別かんべつ困難こんなんとなる。両者りょうしゃ合併がっぺいれいすくなくなく、近年きんねん、ACO(Asthma COPD Overlap)という概念がいねん提唱ていしょうされている。喘息ぜんそく同様どうように、急性きゅうせい増悪ぞうあく喘鳴ぜんめい呼吸こきゅう困難こんなんなどの増強ぞうきょう)をきたしうる疾患しっかんであり、気道きどう感染かんせん心不全しんふぜん誘因ゆういんとなる。従来じゅうらい喘息ぜんそくよりも気管支きかんし拡張かくちょうざいたいする反応はんのうわるく、気道きどう可逆かぎゃくせい有無うむ両者りょうしゃ鑑別かんべつにおいて有用ゆうようとされてきたが、近年きんねんでは、典型てんけいてき喘息ぜんそく同様どうよう気道きどう可逆かぎゃくせいしめすCOPD症例しょうれい報告ほうこくされている。
アレルギあれるぎせい気管支きかんしはいアスペルギルスしょう(Allergic BronchoPulmonary Aspergillosis:ABPA)
気管支きかんし喘息ぜんそく患者かんじゃの1%程度ていどにみられると報告ほうこくされる。きんひとつであるアスペルギルスにたいするアレルギーによりおこり、喀痰かくたんちゅう粘液ねんえきせん中枢ちゅうすうせい気管支きかんし拡張かくちょうXせん写真しゃしんにおける肺浸潤はいしんじゅんかげなどを特徴とくちょうとする。
こうさんだませい多発たはつ血管けっかんえんせい肉芽にくがしゅしょう(チャーグストラウス症候群しょうこうぐん
気管支きかんし喘息ぜんそく患者かんじゃの5,000にん1人ひとり程度ていど発症はっしょうすると報告ほうこくされる。病気びょうき本体ほんたい全身ぜんしんしょう動脈どうみゃくほそ動脈どうみゃく炎症えんしょう血管けっかんえん)であり、発熱はつねつ手足てあしのしびれ(末梢まっしょう神経しんけいえん)、筋肉きんにくつう関節かんせつつうなど多彩たさい症状しょうじょうていする。一過いっかせい肺浸潤はいしんじゅんかげみとめられることもある。ロイコトリエン拮抗きっこうやくとの関連かんれん指摘してきされているが、否定ひていてき報告ほうこくもある。
ブロンコレア(気管支きかんし
たまご白身しろみのような外観がいかんていした喀痰かくたんを1にちに100ml以上いじょう難治なんじに喀出する病態びょうたい患者かんじゃはかなりの苦痛くつうともなうがほとんどの場合ばあい心理しんりてきなものと判断はんだんされ、診断しんだん治療ちりょうけられず難治なんじしていく。専門医せんもんいによる適切てきせつ診断しんだん専門医せんもんいしたでの治療ちりょう必要ひつよう喘息ぜんそくにブロンコレアが合併がっぺいすると難治なんじせい喘息ぜんそく移行いこうすることがおおい。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ 直訳ちょくやくではひとつの気道きどうひとつの病気びょうきがある。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ Gong, Henry (1990), Walker, H. Kenneth; Hall, W. Dallas, eds., Wheezing and Asthma (3rd ed.), Butterworths, ISBN 978-0-409-90077-4, PMID 21250199, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK358/ 2023ねん10がつ26にち閲覧えつらん 
  2. ^ 吸気きゅうきせい喘鳴ぜんめい(stridor) - 05. はい疾患しっかん”. MSDマニュアル プロフェッショナルばん. 2023ねん10がつ26にち閲覧えつらん
  3. ^ Marketos SG, Ballas CN. Bronchial asthma in the medical literature of Greek antiquity. J Asthma. 1982;19(4):263-9. PMID 6757243, doi:10.3109/02770908209104771
  4. ^ Q9-4 たばこのけむり発作ほっさこることがありますか?
  5. ^ 小田嶋おだじまひろし, 「喫煙きつえん気管支きかんし喘息ぜんそくへの影響えいきょう」『日本にっぽん小児しょうにアレルギー学会がっかい』 2005ねん 19かん 3ごう p.237-246, 日本にっぽん小児しょうにアレルギー学会がっかい, doi:10.3388/jspaci.19.237, NAID 10020563061
  6. ^ 萱場かやば広之ひろゆき, 「2 稲作いなさく地域ちいきにおける環境かんきょう因子いんし気管支きかんし喘息ぜんそく : 穀物こくもつ粉塵ふんじん野焼のやきを中心ちゅうしんに(化学かがく物質ぶっしつ過敏かびんしょう診断しんだん治療ちりょう問題もんだいてん」『アレルギー』 2004ねん 53かん 2-3ごう p.224-, 日本にっぽんアレルギー学会がっかい, doi:10.15036/arerugi.53.224_1, NAID 110002432669
  7. ^ 線香せんこうけむり吸入きゅうにゅう喘息ぜんそく悪化あっかさせる可能かのうせい示唆しさ 九州大学きゅうしゅうだいがく - 大学だいがくジャーナルオンライン — Mozilla Firefox
  8. ^ 火山かざん噴火ふんか そのときどうする?|災害さいがい列島れっとう いのちまも情報じょうほうサイト|NHK NEWS WEB — Mozilla Firefox
  9. ^ Gruzieva O, Gehring U, Aalberse R, et al. (2014). “Meta-analysis of air pollution exposure association with allergic sensitization in European birth cohorts”. J. Allergy Clin. Immunol. 133 (3): 767-76.e7. doi:10.1016/j.jaci.2013.07.048. PMID 24094547. 
  10. ^ a b Hosseini B, Berthon BS, Wark P, Wood LG (2017). “Effects of Fruit and Vegetable Consumption on Risk of Asthma, Wheezing and Immune Responses: A Systematic Review and Meta-Analysis”. Nutrients 9 (4). doi:10.3390/nu9040341. PMC 5409680. PMID 28353635. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5409680/. 
  11. ^ Seyedrezazadeh E, Moghaddam MP, Ansarin K, Vafa MR, Sharma S, Kolahdooz F (2014). “Fruit and vegetable intake and risk of wheezing and asthma: a systematic review and meta-analysis”. Nutr. Rev. 72 (7): 411-28. doi:10.1111/nure.12121. PMID 24947126. 
  12. ^ a b 国立こくりつ研究けんきゅう開発かいはつ法人ほうじん 国立こくりつ成育せいいく医療いりょう研究けんきゅうセンター
  13. ^ Nurmatov U, Devereux G, Sheikh A (2011). “Nutrients and foods for the primary prevention of asthma and allergy: systematic review and meta-analysis”. J. Allergy Clin. Immunol. 127 (3): 724-33.e1-30. doi:10.1016/j.jaci.2010.11.001. PMID 21185068. 
  14. ^ Nagel G, Weinmayr G, Kleiner A, Garcia-Marcos L, Strachan DP (2010). “Effect of diet on asthma and allergic sensitisation in the International Study on Allergies and Asthma in Childhood (ISAAC) Phase Two”. Thorax 65 (6): 516-22. doi:10.1136/thx.2009.128256. PMID 20522849. 
  15. ^ Bartley J, McGlashan SR (2010). “Does milk increase mucus production?”. Med. Hypotheses 74 (4): 732-4. doi:10.1016/j.mehy.2009.10.044. PMID 19932941. 
  16. ^ Takkouche B, González-Barcala FJ, Etminan M, Fitzgerald M (2008). “Exposure to furry pets and the risk of asthma and allergic rhinitis: a meta-analysis”. Allergy 63 (7): 857-64. doi:10.1111/j.1398-9995.2008.01732.x. PMID 18588551. 
  17. ^ Linehan MF, Nurmatov U, Frank TL, Niven RM, Baxter DN, Sheikh A (2014). “Does BCG vaccination protect against childhood asthma? Final results from the Manchester Community Asthma Study retrospective cohort study and updated systematic review and meta-analysis”. J. Allergy Clin. Immunol. 133 (3): 688-95.e14. doi:10.1016/j.jaci.2013.08.007. PMID 24084077. 
  18. ^ Lambert KA, Bowatte G, Tham R, et al. (2017). “Residential greenness and allergic respiratory diseases in children and adolescents - A systematic review and meta-analysis”. Environ. Res. 159: 212-221. doi:10.1016/j.envres.2017.08.002. PMID 28803150. 
  19. ^ 気管支きかんしぜんそく/せきぜんそく 日本医科大学にほんいかだいがく呼吸こきゅうケアクリニック
  20. ^ せき(せき)・たん・ぜんそく(気管支きかんしぜんそく)について アスゲン製薬あすげんせいやく
  21. ^ Jenkins, C; Costello, J; Hodge, L (2004), “Systematic review of prevalence of aspirin induced asthma and its implications for clinical practice”, BMJ 328: 434-439, PMID 14976098 full text
  22. ^ Beasley R. "The global burden of asthma report. Global initiative for ashma(GINA)" 2004
  23. ^ 平成へいせい8年度ねんど厚生省こうせいしょう長期ちょうき慢性まんせい疾患しっかん総合そうごう研究けんきゅう事業じぎょう
  24. ^ 日本にっぽんアレルギー学会がっかい喘息ぜんそくガイドライン専門せんもん部会ぶかい監修かんしゅう喘息ぜんそく予防よぼう管理かんりガイドライン2006』協和きょうわ企画きかく、2006ねん、22ぺーじ
  25. ^ Busse WW, and others. Combined Analysis of Asthma Safety Trials of Long-Acting βべーた2-Agonists. N Engl J Med 2018; 378:2497-2505 DOI: 10.1056/NEJMoa1716868
  26. ^ 長屋ながやひろし、「日本にっぽんのアレルギー診療しんりょうは50ねんおくれている」、メディカルトリビューンしゃISBN 978-4-89589-336-7
  27. ^ Bousquet J, Lockey R, Malling HJ. (Oct 1998). “Allergen immunotherapy: therapeutic vaccines for allergic diseases. A WHO position paper”. J Allergy Clin Immunol. 102 (4 Pt 1): pp.749-794. PMID 9802362
  28. ^ スーパークレソン
  29. ^ けんさん野菜やさい機能きのうせい評価ひょうか山梨やまなしけん (PDF)
  30. ^ One airway One disease 葛西かさいよこやま内科ないか呼吸こきゅう内科ないかクリニック 2022ねん3がつ10日とおか閲覧えつらん

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • EBMにもとづいた喘息ぜんそく治療ちりょうガイドライン2004 厚生こうせい科学かがく研究けんきゅうはんへん ISBN 4877940634Minds医療いりょう情報じょうほうサービス
  • 小児しょうに気管支きかんし喘息ぜんそく治療ちりょう管理かんりガイドライン2020 ISBN 9784877942052 一般いっぱん社団しゃだん法人ほうじん日本にっぽん小児しょうにアレルギー学会がっかい
  • アレルギー総合そうごうガイドライン2019 ISBN 9784877942069 日本にっぽんアレルギー協会きょうかい
  • 喘息ぜんそく予防よぼう管理かんりガイドライン〈2018〉ISBN 9784877941932 日本にっぽんアレルギー学会がっかい 喘息ぜんそくガイドライン専門せんもん部会ぶかい
  • レジデントのためのアレルギー疾患しっかん診療しんりょうマニュアル ISBN 4260001450
  • レジデントのための呼吸こきゅう診療しんりょうマニュアル ISBN 9784260005630
  • Dr.岡田おかだのアレルギー疾患しっかんだい原則げんそく(だい3かん) ISBN 4903331776
  • 内科ないかレジデントマニュアル だい6はん ISBN 4260001981

関連かんれん人物じんぶつ

編集へんしゅう

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう