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接尾辞 - Wikipedia

接尾せつび

接辞せつじのうち、かたりもとうしろにくもの
接尾せつびから転送てんそう

接尾せつび(せつびじ)、サフィックスえい: suffix)とは、接辞せつじのうち、かたりもとうしろにくもの。接尾せつび(せつびご)ともうが、接尾せつびかたりではない。対義語たいぎご接頭せっとうまたは接頭せっとう

日本語にほんご接尾せつび

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日本語にほんご接尾せつびを、活用かつよう語尾ごび助詞じょし形態素けいたいそ・いわゆるおわり助詞じょしなどについて、いくつかのれいしめす。

活用かつよう語尾ごび

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  • 〜ない(動詞どうし語幹ごかん接続せつぞくして否定ひていけし意味いみ形容詞けいようしつくる。「-na-」「-ana-」 とも表記ひょうきされる)
    • る + 〜な → ない
    • く + 〜な → かない

用例ようれい:「ぬふり」「かぬたねえぬ」

  • 動詞どうし語幹ごかん接続せつぞくして否定ひていけし意味いみの「な」「に」に接続せつぞくするかたちあるいはぶん終止しゅうしするかたち形容動詞けいようどうしか?)[よう校閲こうえつ]つくる)
    • る + 〜ず →
    • く + 〜ず → かず

用例ようれい:「らず」「まずわず」

用例ようれい:「からんやつ

とりたて

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  • 〜は(名詞めいし話題わだい中心ちゅうしんしめすわけではなく、それほど重要じゅうようでないことをしめす。よわいとりたて)
    • わたし + 〜は → わたし

用例ようれい:「はるは、あけぼの」

  • 〜が(名詞めいし話題わだい中心ちゅうしんしめすことを強調きょうちょうし、重要じゅうようであることをしめす。つよいとりたて)
    • わたし + 〜が → わたし

用例ようれい:「おれがおれが」

かく助詞じょし

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  • 〜まで

種類しゅるい用法ようほうがある。

がつななにち午後ごごまで」とった場合ばあい、「がつななにち」は範囲はんいではあるが、午後ごごからの一時いちじあいだふくまれない。したがって、「がつななにちまでにいれひん」とわれた場合ばあい、「がつななにち午前ごぜんれいまで」なのか、「がつはちにち午前ごぜんれいまで」なのかは曖昧あいまいである。

  • 〜から

出発しゅっぱつかくかく助詞じょし

  • 〜より

出発しゅっぱつかくかく助詞じょし

  • 〜へ

方向ほうこうかく、あるいは到達とうたつかくかく助詞じょし

形態素けいたいそ

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  • 使役しえき可能かのう尊敬そんけい受動じゅどう
    • く + 〜使役しえきかせる
    • く + 〜可能かのうける
    • く + 〜尊敬そんけい受動じゅどうかれる

使役しえきには「-ase-」「-as-」のふたつがあり、「-as-」は丁寧ていねいではないとされるが、その可能かのう尊敬そんけい受動じゅどう表現ひょうげんつづ場合ばあいは「-as-」が使つかわれる。使役しえきの「かせる」はせいで「かす」はぞくだが、使役しえき+受動じゅどうである場合ばあいは「かせられる」は使用しようされることがすくなく、「かされる」が一般いっぱんてきである。

  • 形容詞けいようし語幹ごかん接続せつぞくして名詞めいしする)
    • あかるい + 〜さ → あかるさ
    • ふかい + 〜さ → ふか
    • いたい + 〜さ → やめ

しぶみ」は「しぶあじ」ともく。「ふかみ」「たかみ」などはべつなので、辞書じしょてき網羅もうらしたほうが実際じっさいてきである。

  • 〜っぽい(名詞めいし接続せつぞくして形容詞けいようしする)
    • おんな + 〜っぽい → おんなっぽい
    • やすい + 〜っぽい → やすっぽい
  • さん
    • 鈴木すずき + 〜さん → 鈴木すずきさん
    • 佐藤さとう + 〜さん → 佐藤さとうさん

「お医者いしゃさん」「お相撲すもうさん」「おまわりさん」「お魚屋さかなやさん」などのれいがある。

  • 〜がる(形容詞けいようし語幹ごかん接続せつぞくして表出ひょうしゅつ意味いみする動詞どうしつくる)
    • うれしい + 〜がる → うれしがる
    • しい + 〜がる → しがる

あくまで表出ひょうしゅつである。「生意気なまいき後輩こうはい体育たいいく倉庫そうこうら可愛かわいがってやった」では、発話はつわしゃ後輩こうはいを「可愛かわいい」とはおもってはいない。

「な」に接続せつぞくするのが一般いっぱんてきだが、「の」に接続せつぞくするれいもある。[よう出典しゅってん]

  • じょう
  • ちから
    • 読解どっかい + 〜ちから読解どっかいりょく

1998ねん赤瀬あかせ川原平かわらたいちょ老人ろうじんりょく」のヒット以降いこう、「○○ちから」の造語ぞうごおおられる。[独自どくじ研究けんきゅう?]

  • けい
    • 草食そうしょく + 〜けい草食そうしょくけい

草食そうしょくけい男子だんしという言葉ことば流行りゅうこうしたのは2008ねんから2009ねんにかけて。対義語たいぎごとして肉食にくしょくけい女性じょせいクーガーおんなあるいはピューマおんなぶ。[よう出典しゅってん]

英語えいご接尾せつび

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英語えいご接尾せつびをいくつかげる。

上記じょうきの、派生はせいもちいられる接尾せつび派生はせい接尾せつびばれるのにたいし、動詞どうし時制じせいたい変化へんかさせる -ed-en-ing屈折くっせつ接尾せつびばれ、活用かつよう語尾ごび構成こうせいする。

コンピュータ

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コンピュータ関連かんれん分野ぶんやでは、文字もじれつやデータれつ末尾まつび付加ふかされ、なんらかの意味いみあらわ要素ようそ[1]

コンピュータプログラミングでは、ソースコードじょう識別子しきべつし命名めいめいにおいて、特定とくてい接尾せつび使つか命名めいめい規則きそく採用さいようしているライブラリやフレームワークもある。たとえば.NETのタスク非同期ひどうきプログラミングでは、C#async修飾しゅうしょくともな非同期ひどうきメソッドは、名前なまえAsync接尾せつびける慣習かんしゅうとなっている[2]

プログラミング言語げんごなどでは、ソースコードじょうリテラルたいして、末尾まつび特定とくてい文字もじ記号きごう付加ふかすることで、データがたなどを指定していする仕組しくみが用意よういされていることがある。

たとえばC言語げんごC++では、100という表記ひょうき符号ふごうひろし整数せいすうがたintのリテラルをあらわすが、intかたリテラルの範囲はんいINT_MINからINT_MAX制限せいげんされる。このリテラルに接尾せつびけることによって、以下いかのようにかた変化へんかする。接尾せつび大文字おおもじ小文字こもじ区別くべつされない。

  • 100Lという表記ひょうき符号ふごうちょう整数せいすうがたlongのリテラルをあらわす。リテラルの範囲はんいLONG_MINからLONG_MAX制限せいげんされる。
  • 100Uという表記ひょうき符号ふごうひろし整数せいすうがたunsigned intのリテラルをあらわす。リテラルの範囲はんい0UからUINT_MAX制限せいげんされる。
  • 100ULという表記ひょうき符号ふごうちょう整数せいすうがたunsigned longのリテラルをあらわす。リテラルの範囲はんい0ULからULONG_MAX制限せいげんされる。
  • 100.0という表記ひょうき倍精度ばいせいど浮動ふどう小数点しょうすうてんすうかたdoubleのリテラルをあらわす。
  • 100.0fという表記ひょうき単精度たんせいど浮動ふどう小数点しょうすうてんすうかたfloatのリテラルをあらわす。

このようなリテラルは、変数へんすう初期しょき右辺うへんといった任意にんいしきなか使用しようされるが、かたによって表現ひょうげん可能かのう範囲はんい精度せいどことなるため、使つかけが必要ひつようとなる。また、かた推論すいろんによって右辺うへんから変数へんすう定数ていすうかた決定けっていさせるさいには、かたキャストもしくは接尾せつびによってリテラルのかた明示めいじする必要ひつようがある。C/C++のように、ことなるかたのリテラルや変数へんすうしきなか混在こんざいする場合ばあい暗黙あんもく変換へんかん許可きょかするようなゆる言語げんごおおいが、F#のように、かたおうじてリテラルの接尾せつびこまかく用意よういされており、暗黙あんもく変換へんかん許可きょかしない厳密げんみつ言語げんごもある[3]

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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日本語にほんご

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英語えいごの「かたりのう」をつくる接頭せっとう接尾せつび完全かんぜんガイド』 酒井さかい玲子れいこ国際こくさい語学ごがくしゃ2009ねんISBN 9784877314620

関連かんれん項目こうもく

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