有限ゆうげん責任せきにんあずさ監査かんさ法人ほうじん

有限ゆうげん責任せきにん あずさ監査かんさ法人ほうじん（あずさ、英語えいご: KPMG AZSA LLC）は、2003年ねんに設立せつりつされた、日本にっぽんの大手おおて監査かんさ法人ほうじん。2010年ねんに有限ゆうげん責任せきにん制度せいど適用てきようの監査かんさ法人ほうじんに移行いこうした。

有限ゆうげん責任せきにん あずさ監査かんさ法人ほうじん
KPMG AZSA LLC

あずさセンタービル（本部ほんぶ・飯田橋いいだばし）
種類しゅるい	有限ゆうげん責任せきにん監査かんさ法人ほうじん
市場いちば情報じょうほう	非ひ上場じょうじょう
略称りゃくしょう	あずさ、AZ
本社ほんしゃ所在地しょざいち	日本にっぽん 〒162-8551 東京とうきょう都と新宿しんじゅく区く津久戸つくど町まち1番ばん2号ごう あずさセンタービル
設立せつりつ	1969年ねん7月がつ(朝日あさひ会計かいけい社しゃとして) 2003年ねん2月(あずさ監査かんさ法人ほうじんとして)
業種ぎょうしゅ	サービス業ぎょう
法人ほうじん番号ばんごう	3011105000996
代表だいひょう者しゃ	高波たかなみ博之ひろゆき（理事りじ長ちょう）
資本しほん金きん	30億おく円えん（2023年ねん6月がつ期き）
売上うりあげ高だか	1117億おく3400万まん円えん（2023年ねん6月がつ期き）
営業えいぎょう利益りえき	7億おく3800万まん円えん（2023年ねん6月がつ期き）
経常けいじょう利益りえき	10億おく6600万まん円えん（2023年ねん6月がつ期き）
純じゅん利益りえき	2億おく4900万まん円えん（2023年ねん6月がつ期き）
純資産じゅんしさん	293億おく9100万まん円えん（2023年ねん6月がつ期き）
総そう資産しさん	848億おく5100万まん円えん（2023年ねん6月がつ期き）
従業じゅうぎょう員数いんずう	社員しゃいん・特定とくてい社員しゃいん565名めい 公認こうにん会計士かいけいし職員しょくいん2,440名めい 公認こうにん会計士かいけいし試験しけん合格ごうかく者しゃ等とう1,172名めい その他ほか1,879名めい （2022年ねん3月がつ31日にち）
決算けっさん期き	6月30日にち
会計かいけい監査かんさ人じん	三さん優ゆう監査かんさ法人ほうじん
関係かんけいする人物じんぶつ	尾澤おざわ修治しゅうじ
外部がいぶリンク	公式こうしきサイト
特記とっき事項じこう：2023年ねん6月がつ期きにおける数値すうち

世界せかいの大手おおて監査かんさ法人ほうじんを指さす「Big4」の一ひとつ、KPMGのメンバーファーム。いわゆる「4大だい監査かんさ法人ほうじん」の一ひとつである。

概要がいよう

• 統轄とうかつ事務所じむしょ
  • 本部ほんぶ - 東京とうきょう都と新宿しんじゅく区く津久戸つくど町まち1-2 あずさセンタービル（飯田橋いいだばしオフィス）
  • 東京とうきょう事務所じむしょ - 東京とうきょう都と千代田ちよだ区く大手町おおてまち1-9-7 大手町おおてまちフィナンシャルシティ サウスタワー（大手町おおてまちオフィス）
  • 大阪おおさか事務所じむしょ - 大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し中央ちゅうおう区く北浜きたはま3-5-29 日本生命にほんせいめい淀屋橋よどやばしビル
  • 名古屋なごや事務所じむしょ - 愛知あいち県けん名古屋なごや市し中村なかむら区く名駅めいえき3-28-12 大だい名古屋なごやビルヂング26F
• 地域ちいき事務所じむしょ／オフィス - 19か所しょ（統轄とうかつ事務所じむしょ除のぞく）
• 人員じんいん数すう - 6,495名めい（2023年ねん3月31日にち時点じてん）
• 被ひ監査かんさ会社かいしゃ数すう - 金きむ商法しょうほう監査かんさクライアント729社しゃを含ふくむ3,472社しゃ（2023年ねん3月がつ31日にち時点じてん）

大口おおぐちクライアント

有価ゆうか証券しょうけん報告ほうこく書しょより、最近さいきんの監査かんさ報酬ほうしゅうが1億おく円えん超ちょうのクライアントを列挙れっきょ。

素材そざい・エネルギー

日本にっぽん製鉄せいてつ、神戸製鋼所こうべせいこうしょ、ブリヂストン、コスモエネルギーHD、帝人ていじん、太平洋たいへいようセメント、レンゴー、AGC、住友金属鉱山すみともきんぞくこうざん、住友ゴム工業すみともごむこうぎょう、三井金属鉱業みついきんぞくこうぎょう、東洋紡とうようぼう、TOYO TIRE、住友すみとも理工りこう、東洋製罐とうようせいかんグループHD

医療いりょう・化学かがく

武田薬品工業たけだやくひんこうぎょう、住友すみとも化学かがく、エア・ウォーター、大塚おおつかHD、第だい一いち三共さんきょう、資生堂しせいどう、日東電工にっとうでんこう、東とうソー、レゾナックHD、日本にっぽんペイントHD、中外製薬ちゅうがいせいやく、テルモ、ユニ・チャーム、住友すみともベークライト、サワイグループHD、JSR、カネカ、住友すみともファーマ、ニフコ、参天製薬さんてんせいやく、協和きょうわキリン

食品しょくひん・アグリ

キリンHD、アサヒグループHD、味あじの素もと、マルハニチロ、理研りけんビタミン、伊藤いとうハム米久よねきゅうHD

自動車じどうしゃ・機械きかい・部品ぶひん・エレクトロニクス

日本電気にほんでんき、パナソニックHD、本田技研工業ほんだぎけんこうぎょう、富士ふじフイルムHD、小松製作所こまつせいさくしょ、三菱重工業みつびしじゅうこうぎょう、住友電気工業すみともでんきこうぎょう、三菱電機みつびしでんき、TDK、川崎重工業かわさきじゅうこうぎょう、コニカミノルタ、ミネベアミツミ、マツダ、住友重機械工業すみともじゅうきかいこうぎょう、東京とうきょうエレクトロン、SUBARU、セイコーグループ、PHCHD、日立造船ひたちぞうせん、ジャパンディスプレイ、ジーエス・ユアサコーポレーション、ナブテスコ、三井みついE&S、三井みつい海洋かいよう開発かいはつ、マキタ、サトーHD、スタンレすたんれー電気でんき、品川しながわリフラクトリーズ、太陽誘電たいようゆうでん

不動産ふどうさん・建設けんせつ・レジデンス

三井不動産みついふどうさん、積水化学工業せきすいかがくこうぎょう、住友不動産すみともふどうさん、大成建設たいせいけんせつ、ミライト・ワン、日揮にっきHD、高松たかまつコンストラクショングループ

物流ぶつりゅう・インフラ

東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう、近鉄きんてつグループHD、阪急はんきゅう阪神はんしんHD、東京瓦斯とうきょうがす、中部電力ちゅうぶでんりょく、大阪瓦斯おおさかがす、日本航空にほんこうくう、名古屋鉄道なごやてつどう、東武鉄道とうぶてつどう、商船しょうせん三井みつい、相鉄そうてつHD、近鉄きんてつエクスプレス、三菱倉庫みつびしそうこ、南海電気鉄道なんかいでんきてつどう、セイノーHD、京王けいおう電鉄でんてつ、中国電力ちゅうごくでんりょく、レノバ、日本にっぽん貨物かもつ鉄道てつどう、三井倉庫みついそうこHD

生活せいかつ・サービス

日本にっぽん郵政ゆうせい、セコム、バンダイナムコHD、セガサミーHD、KNT-CTHD、パスコ、TSIHD、TREHD、コクヨ、タカラトミー、住友すみとも三井みついオートサービス、リゾートトラスト、オリエンタルランド、イトーキ

情報じょうほう・通信つうしん

日本電信電話にほんでんしんでんわ、NTTデータグループ、電通でんつうグループ、TOPPANHD、光通信ひかりつうしん、博報堂はくほうどうDYHD、SCSK、NECネッツエスアイ、TBSHD

卸売おろしうり・小売こうり・外食がいしょく

住友商事すみともしょうじ、セブン&アイHD、双そう日び、メディパルHD、ヤマダHD、H2Oリテイリング、アルフレッサHD、髙島屋や、トリドールHD、岩谷産業いわたにさんぎょう、関西かんさいフードマーケット、シップヘルスケアHD、ミツウロコグループHD

金融きんゆう・保険ほけん

三井みつい住友すみともFG、オリックス、三井住友銀行みついすみともぎんこう、MS&ADインシュアランスグループHD、三井みつい住友すみともトラストHD、大和証券だいわしょうけんグループ本社ほんしゃ、三井みつい住友信託銀行すみともしんたくぎんこう、三井みつい住友すみともファイナンス&リース、マネックスグループ、第一生命だいいちせいめいHD、三井みつい住友海上火災保険すみともかいじょうかさいほけん、ゆうちょ銀行ぎんこう、かんぽ生命せいめい保険ほけん、あいおいニッセイ同和どうわ損害そんがい保険ほけん、山口やまぐちFG、NECキャピタルソリューション、東海とうかい東京とうきょうフィナンシャルHD、ジャックス、あいちFG、ひろぎんHD、セブン銀行ぎんこう、ちゅうぎんFG、アクサHDジャパン

特徴とくちょう

法人ほうじん及およびクライアントの特徴とくちょうとして以下いかの点てんが挙あげられる。

• 朝日あさひ新和しんわ時代ときよ（1980年代ねんだいまで）は太田おおた昭和あきかずと並ならんで保守ほしゅ的てきな社風しゃふうであったが、営業えいぎょう力りょくを最さい重視じゅうしするアンダーセンとの提携ていけいによって外資がいし色しょくが急きゅうに強つよくなったといわれる。
• 上場じょうじょうクライアントの純じゅん利益りえき合計ごうけいでは、あずさより数かずの多おおい新日本しんにほん・トーマツを抑おさえてトップである。
• 企業きぎょうグループの中なかでは、創業そうぎょう者しゃの出自しゅつじから住友すみともグループ・三井みついグループに強つよい（後述こうじゅつ）。
• 住友すみともグループに関係かんけいし、昔むかしから大阪おおさか方面ほうめんに大口おおぐちクライアントを多おおく持もつ。
• 現在げんざいは名古屋なごやの企業きぎょうにも強つよい。これはみすず監査かんさ法人ほうじん解散かいさんの際さい、名古屋なごや事務所じむしょに属ぞくしていた中部電力ちゅうぶでんりょく・名古屋なごや鉄道てつどう・東邦とうほう瓦斯がすなど大半たいはんの在ざい名めいクライアント及および人員じんいんを受うけ入いれ、事務所じむしょの規模きぼを急きゅう拡大かくだいさせたからである。
• 中国ちゅうごく地方ちほうに強つよく、マツダ・中国電力ちゅうごくでんりょくをはじめ広島銀行ひろしまぎんこう・広島ひろしまガス・広島電鉄ひろしまでんてつ・大創産業だいそうさんぎょう・福山通運ふくやまつううん・青山商事あおやましょうじなど在ざい広こう企業きぎょうをほぼ独占どくせんしている。

経営けいえい成績せいせきの推移すいい

人員じんいん数すう・社員しゃいん数すうには、特定とくてい社員しゃいんを含ふくみ、公認こうにん会計士かいけいし・公認こうにん会計士かいけいし試験しけん合格ごうかく者しゃ・会計士かいけいし補ほのいずれにも該当がいとうしない職員しょくいんを含ふくまない。

決算けっさん期き	業務ぎょうむ収入しゅうにゅう	うち監査かんさ報酬ほうしゅう （1項こう業務ぎょうむ）	うち非ひ監査かんさ報酬ほうしゅう （2項こう業務ぎょうむ）	営業えいぎょう利益りえき	純じゅん利益りえき	人員じんいん数すう	うち 社員しゃいん数すう	被ひ監査かんさ会社かいしゃ数すう	うち 金きむ商法しょうほう監査かんさ
2011年ねん6月がつ期き	880億おく686万まん円えん	729億おく5068万まん円えん	150億おく5618万まん円えん	39億おく7658万まん円えん	2億おく4403万まん円えん	4527人にん	633人にん	3276社しゃ	797社しゃ
2012年ねん6月がつ期き	828億おく7171万まん円えん	686億おく3225万まん円えん	142億おく3946万まん円えん	35億おく3211万まん円えん	2億おく269万まん円えん	4465人にん	616人にん	3308社しゃ	783社しゃ
2013年ねん6月がつ期き	800億おく8193万まん円えん	677億おく5741万まん円えん	123億おく2452万まん円えん	20億おく7283万まん円えん	21億おく5224万まん円えん	4174人にん	609人にん	3245社しゃ	775社しゃ
2014年ねん6月がつ期き	807億おく3470万まん円えん	674億おく3169万まん円えん	133億おく300万まん円えん	23億おく9571万まん円えん	6億おく9578万まん円えん	4158人にん	607人にん	3265社しゃ	779社しゃ
2015年ねん6月がつ期き	831億おく5700万まん円えん	681億おく100万まん円えん	150億おく5600万まん円えん	16億おく8000万まん円えん	22億おく5200万まん円えん	4246人にん	604人にん	3325社しゃ	788社しゃ
2016年ねん6月がつ期き	898億おく9500万まん円えん	698億おく7500万まん円えん	200億おく2000万まん円えん	15億おく9500万まん円えん	7億おく1400万まん円えん	4360人にん	606人にん	3402社しゃ	806社しゃ
2017年ねん6月がつ期き	959億おく5200万まん円えん	721億おく6000万まん円えん	237億おく9200万まん円えん	47億おく8500万まん円えん	59億おく9400万まん円えん	4462人にん	614人にん	3481社しゃ	799社しゃ
2018年ねん6月がつ期き	971億おく2100万まん円えん	765億おく4900万まん円えん	205億おく7100万まん円えん	4億おく8400万まん円えん	13億おく6900万まん円えん	4472人にん	603人にん	3558社しゃ	814社しゃ
2019年ねん6月がつ期き	1004億おく9300万まん円えん	782億おく8500万まん円えん	222億おく800万まん円えん	18億おく500万まん円えん	7億おく7200万まん円えん	4440人にん	598人にん	3614社しゃ	808社しゃ
2020年ねん6月がつ期き	1059億おく7000万まん円えん	827億おく7000万まん円えん	231億おく9900万まん円えん	24億おく5200万まん円えん	9億おく8500万まん円えん	4418人にん	592人にん	3635社しゃ	819社しゃ
2021年ねん6月がつ期き	1052億おく8100万まん円えん	832億おく9600万まん円えん	219億おく8500万まん円えん	27億おく9800万まん円えん	13億おく500万まん円えん	4385人にん	595人にん	3638社しゃ	814社しゃ
2022年ねん6月がつ期き	1110億おく9800万まん円えん	854億おく3200万まん円えん	256億おく6500万まん円えん	13億おく5200万まん円えん	3億おく1100万まん円えん	4328人にん	594人にん	3482社しゃ	754社しゃ
2023年ねん6月がつ期き	1117億おく3400万まん円えん	875億おく3200万まん円えん	242億おく200万まん円えん	7億おく3800万まん円えん	2億おく4900万まん円えん	4337人にん	578人にん	3423社しゃ	714社しゃ

沿革えんかく

現在げんざいのあずさ監査かんさ法人ほうじんの母体ぼたいとも言いえる監査かんさ法人ほうじん朝日あさひ会計かいけい社しゃの創業そうぎょう者しゃ尾澤おざわ修治しゅうじは住友銀行すみともぎんこうの出身しゅっしんであり、そのため創業そうぎょう以来いらいより住友すみとも系けいのクライアントを多おおく持もち、大手おおて監査かんさ法人ほうじんの一角いっかくを占しめていた。海外かいがい提携ていけい先さきも当時とうじ「Big8」と呼よばれていた会計かいけい事務所じむしょの一ひとつ、アーサー・ヤングであった。一方いっぽう、新和しんわ監査かんさ法人ほうじんは規模きぼとしては準じゅん大手おおてであり、中堅ちゅうけんのBDOインターナショナル及およびグラントソントン・インターナショナルという2つの会計かいけい事務所じむしょと提携ていけいしていた。監査かんさ法人ほうじん朝日あさひ会計かいけい社しゃと新和しんわ監査かんさ法人ほうじんは、当時とうじの首相しゅしょう・中曽根なかそね康弘やすひろ内閣ないかくの公社こうしゃ民営みんえい化かによる設立せつりつ企業きぎょうを受うけ入いれる素地そじを整ととのえるため、1985年ねん（昭和しょうわ60年ねん）に合併がっぺい。当時とうじ、国内こくないの監査かんさ法人ほうじんは旧きゅう公社こうしゃクラスの企業きぎょうの監査かんさに対応たいおうできるほどの規模きぼを有ゆうしていなかったため、監査かんさ法人ほうじんの大小だいしょうを問とわず合併がっぺいが相次あいついでいた。中なかでも朝日あさひと新和しんわはいち早はやく合併がっぺいを成功せいこうさせ、結果けっかとしてJR東日本ひがしにっぽんやNTTをクライアントとして獲得かくとくしたが、合併がっぺい後ごの監査かんさ法人ほうじん朝日あさひ新和しんわ会計かいけい社しゃはアーサー・ヤング、BDO、グラントソントンの3つと提携ていけいすることとなった。当時とうじ、日本にっぽん企業きぎょうの海外かいがい進出しんしゅつはまだ少すくなく、逆ぎゃくに外資がいし系けい企業きぎょうの日本にっぽん進出しんしゅつが多おおかったため複数ふくすうの海外かいがい提携ていけい先さきを抱かかえても問題もんだいは生しょうじなかったと言いわれる。なお対外たいがい的てきには国際こくさい部ぶを旧きゅう朝日あさひ系けいのもの（アーサー・ヤング）に統一とういつし、旧きゅう新和しんわ系けいの国際こくさい部ぶは国内こくない部門ぶもんとの通とおし番号ばんごうを割わり当あてた。これにより国内こくないクライアントの海外かいがい活動かつどうへの対応たいおうは、アーサー・ヤングに一本いっぽん化かされていた。しかし、1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）にメイン提携ていけい先さきであったアーサー・ヤングはアーンスト・アンド・ウィニーと合併がっぺいし、アーンスト・アンド・ヤングとなった。形式けいしき上じょうは対等たいとう合併がっぺいであったが、実質じっしつ的てきには当時とうじ経営けいえい難なんに陥おちいっていたアーサー・ヤングをアーンスト・アンド・ウィニーが救済きゅうさいしたものであるため、アーサー・ヤング側がわの立場たちばは弱よわかった。ところで合併がっぺい前まえのアーンスト・アンド・ウィニーは当時とうじ太田おおた昭和あきかず監査かんさ法人ほうじんと提携ていけいしていたため、太田おおた昭和あきかずと朝日あさひ新和しんわの2法人ほうじんがアーンスト・アンド・ヤングを海外かいがい提携ていけい先さきとする構図こうずになった。すると事務所じむしょ内ないにおいて立場たちばの強つよい旧きゅうアーンスト・アンド・ウィニー側がわが、従来じゅうらいの提携ていけい先さきであった太田おおた昭和あきかずを国内こくない業務ぎょうむにおいて優先ゆうせんするようになり、朝日あさひ新和しんわ側がわに不利益ふりえきな結果けっかをもたらすこととなった。更さらに旧きゅうアーサー・ヤング側がわの人員じんいんは多おおくがリストラに遭あったため、朝日あさひ新和しんわは従前じゅうぜんの人的じんてき関係かんけいをも失うしなうこととなった。なお、この時ときに太田おおた昭和しょうわ側がわはこれを解消かいしょうすべく朝日あさひ新和しんわとの合併がっぺいを持もちかけたが、大手おおて同士どうしの合併がっぺいは寡占かせんを招まねくとして大蔵省おおくらしょう（当時とうじ）は許可きょかしなかった。

かくして、朝日あさひ新和しんわはアーンスト・アンド・ヤングとの提携ていけいを1993年ねん（平成へいせい5年ねん）に解消かいしょうし、新あらたにアーサー・アンダーセンと提携ていけいした。同時どうじにアンダーセンの国内こくない直営ちょくえい事務所じむしょであった井上いのうえ斎藤さいとう英和ひでかず監査かんさ法人ほうじんと合併がっぺいし、朝日監査法人あさひかんさほうじんとなった。アンダーセンは重複じゅうふく提携ていけいを認みとめない方針ほうしんであったため、新和しんわ監査かんさ法人ほうじんからの付つき合あいであったBDO及およびグラントソントンともここで提携ていけいを解消かいしょう。その後ごBDOは三さん優ゆう監査かんさ法人ほうじん、グラントソントンは元もと監査かんさ法人ほうじん（現げん 太陽たいよう有限ゆうげん責任せきにん監査かんさ法人ほうじん）へと提携ていけい先さきを移うつしている。その後ごアーサー・アンダーセンは2001年ねん（平成へいせい13年ねん）に起おきたエンロン事件じけんにより打撃だげきを受うけ、翌よく2002年ねん（平成へいせい14年ねん）に解散かいさんした。これにより朝日監査法人あさひかんさほうじんは海外かいがい提携ていけい先さきを喪失そうしつし、またしても新あらたな提携ていけい先さきを探さがさなければならなくなった。一方いっぽうその頃ころ、太田おおた昭和しょうわ監査かんさ法人ほうじんはKPMGと提携ていけいしていたセンチュリー監査かんさ法人ほうじんと2000年ねん（平成へいせい12年ねん）に合併がっぺい。これにより発足ほっそくした監査かんさ法人ほうじん太田おおた昭和しょうわセンチュリー（2001年ねんより新しん日本にっぽん監査かんさ法人ほうじん）はアーンスト・アンド・ヤング及およびKPMGという2つの会計かいけい事務所じむしょと提携ていけいすることとなり、前述ぜんじゅつしたアーンスト・アンド・ヤングが太田おおた昭和あきかず及および朝日あさひ新和しんわと提携ていけいしていた時ときとは逆ぎゃくの構図こうずで、KPMGに不利益ふりえきな結果けっかをもたらすこととなった。

ここに朝日監査法人あさひかんさほうじんとKPMGの利害りがい関係かんけいは一致いっちし、朝日あさひは海外かいがい提携ていけい先さきにKPMGを選定せんていした。この際さいにいったん新しん日本にっぽん監査かんさ法人ほうじんの旧きゅうセンチュリー系けいグループが独立どくりつする形かたちで設立せつりつされた（旧きゅう）あずさ監査かんさ法人ほうじんと朝日監査法人あさひかんさほうじんとが合併がっぺいする形かたちで、2004年ねん（平成へいせい16年ねん）に現在げんざいのあずさ監査かんさ法人ほうじんが設立せつりつされた（ただし存続そんぞく法人ほうじんは朝日監査法人あさひかんさほうじんである）。これにより日本にっぽんの4大だい監査かんさ法人ほうじんと海外かいがいのBig4の提携ていけい関係かんけいの「ねじれ」は解消かいしょうされることになった。なお旧きゅうセンチュリー監査かんさ法人ほうじんのクライアントには、パナソニック・三菱電機みつびしでんき・本田技研工業ほんだぎけんこうぎょうのようにあずさへ移うつったものもあれば、日立ひたちグループや雪印乳業ゆきじるしにゅうぎょう（現げん 雪印ゆきじるしメグミルク）のように新日本しんにほんにそのまま残のこったものもある。

• 1949年ねん（昭和しょうわ24年ねん） - ピート・マーウィック・ミッチェル（PMM、後ごのKPMG）日本にっぽん事務所じむしょを東京とうきょうに設立せつりつ。
• 1969年ねん（昭和しょうわ44年ねん）7月がつ - 監査かんさ法人ほうじん朝日あさひ会計かいけい社しゃ設立せつりつ。
• 1974年ねん（昭和しょうわ49年ねん） - 中央ちゅうおう共同きょうどう監査かんさ法人ほうじん設立せつりつ。
• 1974年ねん（昭和しょうわ49年ねん）12月 - 新和しんわ監査かんさ法人ほうじん設立せつりつ。
• 1976年ねん（昭和しょうわ51年ねん）12月 - 監査かんさ法人ほうじん朝日あさひ会計かいけい社しゃがアーサー・ヤングと提携ていけい。
• 1984年ねん（昭和しょうわ59年ねん）6月がつ - アーサー・アンダーセンが英和えいわ監査かんさ法人ほうじんを設立せつりつ。
• 1985年ねん（昭和しょうわ60年ねん）7月がつ - 監査かんさ法人ほうじん朝日あさひ会計かいけい社しゃと新和しんわ監査かんさ法人ほうじんが合併がっぺいし、監査かんさ法人ほうじん朝日あさひ新和しんわ会計かいけい社しゃとなる。
• 1986年ねん（昭和しょうわ61年ねん）7月がつ - 監査かんさ法人ほうじん朝日あさひ新和しんわ会計かいけい社しゃが監査かんさ法人ほうじん福岡ふくおかセンターを吸収きゅうしゅう合併がっぺい。
• 1987年ねん（昭和しょうわ62年ねん） - 中央ちゅうおう共同きょうどう監査かんさ法人ほうじんと監査かんさ法人ほうじん井上いのうえ達雄たつお事務所じむしょが合併がっぺいし、井上いのうえ斎藤さいとう監査かんさ法人ほうじんとなる。
• 1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）10月がつ - 監査かんさ法人ほうじん朝日あさひ新和しんわ会計かいけい社しゃが、札幌さっぽろ中央ちゅうおう監査かんさ法人ほうじん・監査かんさ法人ほうじん横浜よこはま関内せきうち監査かんさ事務所じむしょ・名古屋なごや第だい一いち監査かんさ法人ほうじんを吸収きゅうしゅう。
• 1989年ねん（平成へいせい元年がんねん）12月 - 海外かいがい提携ていけい先さきであったアーサー・ヤングがアーンスト・アンド・ウィニーと合併がっぺい、アーンスト・アンド・ヤングとなる。
• 1991年ねん（平成へいせい3年ねん）9月がつ - 井上いのうえ斎藤さいとう監査かんさ法人ほうじんと英和えいわ監査かんさ法人ほうじんが合併がっぺい、井上いのうえ斎藤さいとう英和ひでかず監査かんさ法人ほうじんとなる。
• 1993年ねん（平成へいせい5年ねん）10月がつ - 監査かんさ法人ほうじん朝日あさひ新和しんわ会計かいけい社しゃと井上いのうえ斎藤さいとう英和ひでかず監査かんさ法人ほうじんが合併がっぺいし、朝日監査法人あさひかんさほうじん発足ほっそく。アーンスト・アンド・ヤングとの提携ていけいを解消かいしょうし、アーサー・アンダーセンと提携ていけい。
• 2002年ねん（平成へいせい14年ねん）8月がつ - アーサー・アンダーセン解散かいさんにより、海外かいがい提携ていけいファームを失うしなう。
• 2003年ねん（平成へいせい15年ねん）2月がつ - 新しん日本にっぽん監査かんさ法人ほうじん（現げん EY新しん日本にっぽん有限ゆうげん責任せきにん監査かんさ法人ほうじん）よりKPMGの監査かんさ部門ぶもんが独立どくりつし、あずさ監査かんさ法人ほうじんを設立せつりつ。
• 2003年ねん（平成へいせい15年ねん）4月がつ - 朝日監査法人あさひかんさほうじんがKPMGのメンバーファームに正式せいしき加入かにゅう。
• 2004年ねん（平成へいせい16年ねん）1月がつ - 朝日監査法人あさひかんさほうじんとあずさ監査かんさ法人ほうじんが合併がっぺいし、法人ほうじん名めいをあずさ監査かんさ法人ほうじんとして発足ほっそく。
• 2010年ねん（平成へいせい22年ねん）7月がつ - 有限ゆうげん責任せきにん監査かんさ法人ほうじんに移行いこうし、名称めいしょうを有限ゆうげん責任せきにん あずさ監査かんさ法人ほうじんに変更へんこう。
• 2013年ねん（平成へいせい25年ねん）1月がつ - 本部ほんぶ機能きのうをあずさセンタービル（飯田橋いいだばしオフィス）に残のこしたまま、東京とうきょう事務所じむしょを大手町おおてまちフィナンシャルシティサウスタワー（大手町おおてまちオフィス）へ移転いてん。

歴代れきだい理事りじ長ちょう

代だい	氏名しめい	期間きかん	備考びこう
1	岩本いわもと繁しげる	2004年ねん1月がつ - 2004年ねん4月がつ	東京経済大学とうきょうけいざいだいがく経済学部けいざいがくぶ卒そつ、朝日監査法人あさひかんさほうじん理事りじ長ちょうから横滑よこすべり
2	佐藤さとう正ただし典てん	2004年ねん5月 - 2010年ねん5月がつ	早稲田大学わせだだいがく商学部しょうがくぶ卒そつ
3	内山うちやま英世ひでよ	2010年ねん6月がつ - 2015年ねん5月がつ	早稲田大学わせだだいがく政治せいじ経済学部けいざいがくぶ卒そつ
4	酒井さかい弘行ひろゆき	2015年ねん6月がつ - 2019年ねん6月がつ	慶応義塾大学けいおうぎじゅくだいがく経済学部けいざいがくぶ卒そつ
5	高波たかなみ博之ひろゆき	2019年ねん7月がつ - 2021年ねん6月がつ	中央大学ちゅうおうだいがく商学部しょうがくぶ卒そつ
6	森もり俊哉としや	2021年ねん7月がつ -	早稲田大学わせだだいがく法学部ほうがくぶ卒そつ、現職げんしょく

出来事できごと

NOVA不正ふせい会計かいけい事件じけん

2007年ねん4月がつに破綻はたんした英会話えいかいわ学校がっこうNOVA（当時とうじジャスダック市場いちば上場じょうじょう）の2007年ねん3月がつ決算けっさんで、係争けいそう事件じけんを「企業きぎょうの存続そんぞくに重大じゅうだいな影響えいきょうを与あたえるリスク」として開示かいじしていなかったことについて、不適切ふてきせつな情報じょうほう開示かいじとして当時とうじの担当たんとう監査かんさ法人ほうじんであったあずさ監査かんさ法人ほうじんが公認こうにん会計士かいけいし協会きょうかいの調査ちょうさを受うけている。

ユニコ・コーポレーション破綻はたん事件じけん

2006年ねん10月上場じょうじょう会社かいしゃユニコ・コーポレーションが利益りえきを優先ゆうせんし、リース資産しさんや融資ゆうしに対たいして適切てきせつな自己じこ査定さていをしていなかったとの理由りゆうで会社かいしゃに対たいしあずさ監査かんさ法人ほうじんから債務さいむ超過ちょうかの指摘してきを受うけ事実じじつ上じょう破綻はたんした。記者きしゃ会見かいけんの席上せきじょうで当時とうじの社長しゃちょうは「監査かんさ法人ほうじんの指摘してきは青天せいてんの霹靂へきれき」と批判ひはんしたが、会社かいしゃは事実じじつ上じょうのワンマン経営けいえいであり不正ふせい会計かいけいの発覚はっかくが遅延ちえんしただけとの見方みかたもある。

株価かぶか操作そうさ事件じけん

2004年ねん、キャッツの株価かぶか操作そうさ事件じけんに深ふかく関与かんよしていたとして担当たんとう会計士かいけいしが会計士かいけいし協会きょうかいから会計士かいけいし資格しかくの登録とうろく抹消まっしょうの処分しょぶんを受うけている。逮捕たいほされた会計士かいけいしが、あずさ監査かんさ法人ほうじんの業務ぎょうむ管理かんり部門ぶもんにいたこともあり、当時とうじ、新あらたに監査かんさ契約けいやくを締結ていけつしたキヤノンが事情じじょうを聞きくなど大おおきな波紋はもんを呼よんだ。

オリンパス事件じけん

詳細しょうさいは「オリンパス事件じけん」を参照さんしょう

2012年ねん7月がつ、金融きんゆう庁ちょうはあずさ監査かんさ法人ほうじんに対たいし業務ぎょうむ改善かいぜん命令めいれいを出だした。これはオリンパスによるバブル期き以来いらい長期ちょうきの1,000億おく円えん以上いじょうの損失そんしつ隠かくしがあるにもかかわらず当時とうじから2009年ねん3月がつ期きまでずっと適正てきせい意見いけんを出だし続つづけ、さらに新しん日本にっぽん監査かんさ法人ほうじんに経営けいえい上じょうの疑問ぎもん点てんを引ひき継つがなかったためである。

継続けいぞく的てき専門せんもん研修けんしゅう制度せいど（CPE）不正ふせい受講じゅこう

2020年ねん9月がつ、所属しょぞくする会計士かいけいし45人にんが、公認こうにん会計士かいけいし法ほうで義務ぎむづけられた「継続けいぞく的てき専門せんもん研修けんしゅう」（CPE）のオンライン講座こうざを、2つの講座こうざに同時どうじにログインして、2つを受講じゅこうしたと偽いつわるなどしたことが判明はんめいした。あずさは当該とうがいの会計士かいけいしたちを減給げんきゅうなどの懲戒ちょうかい処分しょぶんにすることを検討けんとうし、高波たかなみ博之ひろゆき理事りじ長ちょうら役員やくいん10人にんの報酬ほうしゅうをカットするとした。また、日本公認会計士協会にほんこうにんかいけいしきょうかいは他たの監査かんさ法人ほうじんでも同様どうようの不正ふせいが行おこなわれていないか調査ちょうさを行おこなうとした。

法人ほうじん名称めいしょうの由来ゆらい

法人ほうじん名めいの「あずさ」は、弓ゆみの材料ざいりょうに用もちいられる丈夫じょうふで弾力だんりょくのある樹木じゅもく「梓あずさ（あずさ）」にあやかり、強靱きょうじんな組織そしき力りょくと柔軟じゅうなんな創造そうぞう性せいをもって、企業きぎょう経営けいえいのA to Zをサポートしたいという願ねがいをあらわす。

脚注きゃくちゅう

外部がいぶリンク

• 有限ゆうげん責任せきにん あずさ監査かんさ法人ほうじんホームページ
• KPMG Japan
• KPMG税理士ぜいりし法人ほうじん
• KPMGジャパン (@KPMG_JP) - X（旧きゅうTwitter）