(Translated by https://www.hiragana.jp/)
キリ - Wikipedia
Wikipedia

キリ

シソ目めのキリ科か Paulowniaceae
（桐きりから転送てんそう）
曖昧さ回避 この項目こうもくでは、植物しょくぶつの桐きりについて説明せつめいしています。その他たの用法ようほうについては「桐きり (曖昧あいまいさ回避かいひ)」、「きり」をご覧らんください。

キリ（桐きり[2]、学名がくめい: Paulownia tomentosa）は、シソ目めのキリ科か[注釈ちゅうしゃく 1]キリ属ぞくの落葉らくよう広葉樹こうようじゅ。別名べつめい、キリノキともよばれる[3]。中国ちゅうごく名なは毛もう泡あわ桐きりで[1]、漢語かんごの別名べつめいとして白しろ桐きり、泡あわ桐きり、榮さかえがある。初夏しょかに特徴とくちょう的てきな淡あわ紫色むらさきいろの花はなを咲さかせる花木はなのきで知しられる。日本にっぽんにおける経済けいざい的てき価値かちは高たかく、林業りんぎょうの特用とくよう樹じゅ種しゅである[4]。アメリカの国立こくりつ公園こうえんでは外来がいらい種しゅとして駆除くじょの対象たいしょう[5]。日本にっぽんでは軽かるくて狂くるいや割われも少すくない材ざいの特性とくせいを活いかして、高級こうきゅう家具かぐの桐きり箪笥だんすや、琴きん、琵琶びわが作つくられる。

キリ
キリ
キリ（愛媛えひめ県けん広見ひろみ町まち、2004年ねん5月がつ8日にち）
分類ぶんるい（APG III）
界さかい : 植物しょくぶつ界かい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ Angiosperms
階級かいきゅうなし : 真正しんしょう双そう子葉しよう類るい Eudicots
階級かいきゅうなし : コア真正しんせい双そう子葉しよう類るい Core eudicots
階級かいきゅうなし : キク類るい Asterids
階級かいきゅうなし : 真正しんしょうキク類るいI Euasterids I
目め : シソ目め Lamiales
科か : キリ科か Paulowniaceae
属ぞく : キリ属ぞく Paulownia
種たね : キリ P. tomentosa
学名がくめい
Paulownia tomentosa (Thunb.) Steud. (1841)[1]
英名えいめい
Empress tree
Princess tree
Foxglove tree
変種へんしゅ
  • P. t. var. tomentosa
  • P. t. var. tsinlingensis

属ぞく名めいはシーボルトが『日本にっぽん植物しょくぶつ誌し』（1835年ねん）においてアンナ・パヴロヴナに献けんじ名めいしたもの。ただしシーボルトが与あたえた学名がくめいはP. imperialisであり、後のちにツンベルクが1783年ねんにノウゼンカズラ科かツリガネカズラ属ぞくとしてBignonia tomentosaと命名めいめいしていたことが判明はんめいして1841年ねんに現在げんざいのものに改あらためられた[6]。

名称めいしょう

編集へんしゅう

和名わみょうキリの語源ごげんは、一説いっせつには木材もくざいとなる木きの栽培さいばい技術ぎじゅつである「台たい切ぎり」を行おこなって育そだてられるから、キリの名なが生うまれたといわれる[7]。台たい切ぎりとは、材ざいを取とるための栽培さいばい技法ぎほうのひとつで、キリの苗木なえぎを植うえてから肥料ひりょうを十分じゅうぶんに与あたえて幹みきを太ふとらせたら一度いちど根元ねもとで切きって、切きり株かぶから再ふたたび勢いきおいのある芽めを出ださせて、その部分ぶぶんを木材もくざい用ようの幹みきとして無む節ふしで育そだてることである[7]。江戸えど時代じだいに貝原かいばら益軒えきけんが編纂へんさんした本草ほんぞう書しょ『大和やまと本草ほんぞう』には「此の木き、切きれば早はやく長ちょうずる故ゆえにキリという」と書かかれている[8]。

英語えいごの「princess tree」は、属ぞく名めいの Paulownia の語源ごげんであるアンナ・パヴロヴナがロシア大公たいこう女おんなであったことに基もとづく[要よう出典しゅってん]。

似にた植物しょくぶつ

編集へんしゅう

キリの名前なまえは、他たの大おおきく横よこ広ひろの葉はを持もつ樹木じゅもくにもつけられているが、実際じっさいにはこれらは遠縁とおえんの別種べっしゅである。同おなじキリ科かの近きん縁えん種しゅは9種しゅほどしか知しられておらず日本にっぽんには分布ぶんぷもしていない。

古ふるくから知しられるアオギリ（アオイ科か）もまったく異ことなる種しゅである。中国ちゅうごくで古ふるくから両方りょうほうに「桐きり」の字じを用もちいているために混乱こんらんが生しょうじている。『斉ひとし民みん要よう術じゅつ』ではアオギリを「青桐あおぎり」、キリを「白しろ桐きり」と呼よび分わけている[9]。現在げんざいの中国ちゅうごくではアオギリを「梧桐あおぎり」、キリを「泡あわ桐きり」と呼よぶ。

この他ほかイイギリ（ヤナギ科か）、アブラギリ（トウダイグサ科かアブラギリ属ぞく）、ナンヨウアブラギリ（同どうナンヨウアブラギリ属ぞく）などもまったく別種べっしゅである。

分布ぶんぷ

編集へんしゅう

中国ちゅうごくの揚子江ようすこう流域りゅういき、韓国かんこくの鬱うつ陵りょう島とう、日本にっぽんでは大分おおいた・宮崎みやざき県境けんきょうの山岳さんがく地帯ちたいに自生じせい地ちがあるが原産地げんさんちは不明ふめいである[10]。中国ちゅうごくの中部ちゅうぶが原産げんさんとの説せつもある[7][2]。日本にっぽんにはかつて自生じせいはなかったというが、現在げんざい各地かくちで見みられるものはすべて栽培さいばいされたもので[11]、日本にっぽん各地かくちに野生やせい化かしたものがみられる[10][2]。特とくに東北とうほく地方ちほう[12]、関東かんとう北部ほくぶ、新潟にいがた県けんなどにおいて植うえ栽され[10]、中なかでも福島ふくしま県けんの会津あいづ桐きりや青森あおもり県けん[12]と岩手いわて県けんの[13]の南部なんぶ桐きりなどが有名ゆうめいである。

本州ほんしゅう中部ちゅうぶ以南いなんではテング巣す病びょうの影響えいきょうを受うけやすい[10][14]。キリてんぐ巣す病びょうと腐ふらん病びょうはキリの栽培さいばいに重要じゅうような影響えいきょうを及およぼすとされ、病原びょうげんはかつて炭疽たんそ菌きんと推定すいていされたが日本にっぽんで初はじめて1967年ねんにファイトプラズマである[4]ことが解明かいめいされた[15]。

形態けいたい・生態せいたい

編集へんしゅう

落葉らくよう広葉樹こうようじゅ[3]。高木たかぎで、成長せいちょうすると高たかさ10 - 15 m（メートル） 、幹みきの直径ちょっけいは50 cm（センチメートル）になる[10][7]。丸まるく横よこ広ひろがりの樹き形がたになり[16]、樹皮じゅひは灰白色かいはくしょく[10]、あるいは灰はい褐色かっしょくで波状はじょうに浅あさく裂さける[2]。一いち年ねん枝えだは太ふとく、緑みどり褐色かっしょくや褐色かっしょくで枝えだ先さきは枯かれることが多おおい[2]。ごく若わかい幹みきは、皮かわ目めがよく目立めだつ[2]。生長せいちょうして太ふとくなるにつれ、樹皮じゅひの色いろも変かわり、皮かわ目めは縦たてに裂さけて筋すじ状じょうになっていく[2]。日当ひあたりの良よいところを好このむ性質せいしつで、短期間たんきかんで早はやく生長せいちょうする[16]。

葉はは長ながい葉柄ようへいがついて対生たいせいし[10]、葉は身みは長ながさ10 - 20 cmほどの広こう卵たまご形がたである[3]。若木わかぎの葉はは特とくに大おおきくなる[7]。葉は縁えんは全ぜん縁えんまたは浅あさく3裂きれし、葉はの表面ひょうめんは粘ねばり気けのある毛けが密生みっせいする[3]。

花期かきは5 - 6月がつ[3]。両性りょうせい花はなで[7]、枝えだの先さきに大おおきな円錐えんすい花序かじょが直立ちょくりつし、淡あわい紫色むらさきいろの花はなを円錐えんすい状じょうにつける[10][3]。花冠かかんは長ながさ5 cmほどの筒つつ状じょう鐘かね形がたで、先さきは口唇こうしん状じょうに裂さける[3]。突然変異とつぜんへんいで生うまれたと考かんがえられている白しろい花はなを咲さかせる品種ひんしゅに、シロバナノキリ（Paulownia tomentosa f. virginea）がある[17]。

果はて期きは7月がつ - 翌年よくねん1月がつ[7]。果実かじつは割われて種子しゅしが撒布さんぷされ、枯かれ残のこった果はて序じょも、冬ふゆまでよく枝えだに残のこる[2]。

翼つばさ（よく）のついた小ちいさい種子しゅしは風ふうでよく撒布さんぷされ、発芽はつが率りつ[18]が高たかく生長せいちょうが早はやいため、随所ずいしょに野生やせい化かした個体こたいが見みられる。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは観賞かんしょう用ように輸入ゆにゅうしたものが野生やせい化かし、伐採ばっさいしても根株ねかぶを残のこすと旺盛おうせいに繁殖はんしょくする外来がいらい種しゅとして駆除くじょに手てを焼やいて農薬のうやくを用もちいる[5]。

冬芽とうがはいぼ状じょうでごく小ちいさく芽め鱗うろこ4 - 6枚まいに包つつまれており、枝えだ先さきに頂いただき芽め、枝えだには側がわ芽めが対生たいせいする[2]。花芽かがは丸まるく、茶褐色ちゃかっしょくの毛けが密生みっせいし、花序かじょにたくさんついて冬ふゆはよく目立めだつ[2]。葉は痕こんは円形えんけいや心しん形がたで大おおきく、冬芽とうがよりも目立めだち、維管束たば痕あとが輪状りんじょうに並ならぶ[2]。

人間にんげんとの関かかわり

編集へんしゅう

キリは古ふるくから良質りょうしつの木材もくざいとして重宝ちょうほうされており、下駄げたや箪笥たんす、箏そう（こと）、神楽かぐら面めんの材料ざいりょうとなる。また、伝統でんとう的てきに神聖しんせいな木きとみなされ、家紋かもん[19]や紋章もんしょうの意匠いしょうに取とり入いれられてきた。

キリの花言葉はなことばは、「高尚こうしょう」とされる[7]。

木材もくざい

編集へんしゅう

キリは日本にっぽん国内こくないでとれる木材もくざいとしては最もっとも軽かるい（比重ひじゅう0.27-0.30）[10]。また光沢こうたくが出でて[7]、材質ざいしつは広葉樹こうようじゅや針葉樹しんようじゅの繊維せんい構造こうぞうとは異ことなる独立どくりつ気泡きほう構造こうぞうをなし[20]、湿気しっけを通とおさず、割われや狂くるいが少すくないという特徴とくちょうがある[10]。日本にっぽんの建具たてぐ、家具かぐ、箪笥たんすや楽器がっき、下駄げたなどの材料ざいりょうとされてきた[10][8]が、ヨーロッパやアメリカでは用材ようざいとしての特性とくせいを活いかした利用りようは進すすんでいない[5]。

桐きり箪笥だんすを高級こうきゅう家具かぐの代名詞だいめいしとする日本にっぽんには中田なかた喜き直じき作曲さっきょく『桐きりの花はな』が描えがいている[21]ように、娘むすめが生うまれるとキリを植うえ、結婚けっこんする際さいにはそれを伐採ばっさいして作つくった箪笥たんすに着物きものを詰つめて嫁入よめいり道具どうぐに持もたせるということがよく言いわれた[7][8]。箪笥たんすとしては、キリ材ざいは軽かるくて加工かこうがしやすい上うえに、材ざいが湿気しっけや熱気ねっきを防ふせぐ性質せいしつで虫害ちゅうがいを受うけることが少すくないことが注目ちゅうもくされた[8]。湿気しっけを遮さえぎる能力のうりょくが高たかいと同時どうじに熱気ねっきを遮断しゃだんすることは、材ざいの断熱だんねつ効果こうかが高たかいことを意味いみし、火事かじに遭あっても箪笥たんすの外側そとがわだけが焦こげて、中なかの衣類いるいは損傷そんしょうを受うけなかったという事例じれいも少すくなくないという[8]。家具かぐとして仕上しあげたときの磨みがき上あげ効果こうかも高たかいことも特徴とくちょうで、白木しらきが美うつくしいことは日本にっぽんで評価ひょうかされた[22]。日本にっぽんでは江戸えど時代じだいから桐きり箪笥だんすが全国ぜんこく各地かくちで作つくられ、江戸えど時代じだい後期こうきの安政あんせいの大だい地震じしんのあとでは、キリの燃もえにくさや、洪水こうずいに遭あっても浮ういて流ながれ中身なかみを守まもってくれる特性とくせいが確たしかめられたので、桐きり箪笥だんすがよく売うれたといわれている[7]。

また桐きり材ざいを使つかい琴きんや琵琶びわなどの弦楽器げんがっきを作つくり[20][7]、軽量けいりょう性せいは釣具つりぐの浮子（うき）にも利用りようされた[10][23]。キリ材ざいは軽かるい上うえに摩滅まめつしにくいことも、材ざいとして有用ゆうような点てんとして認みとめられている[22]。箱はこや和わ机つくえにもキリが使つかわれ、木目もくめの美うつくしさと共ともに火ひに強つよい性質せいしつから火鉢ひばちにも使つかわれている[23]。羽子板はごいたの重要じゅうような材料ざいりょうにもなっている[23]。また発火はっかしづらいキリは金庫きんこの内側うちがわにも用もちいられ、金沢大学かなざわだいがくが耐火たいか性せいを実証じっしょう実験じっけんした[24][25]。

もっぱら材ざいの性質せいしつに注目ちゅうもくされ、その品種ひんしゅごとに、青桐あおぎり、赤あか桐きり、白しろ桐きり、紫むらさき桐きりなどと区分くぶんされた[23]。産地さんちとしては福島ふくしま県けん会津あいづ地方ちほうが最もっとも著名ちょめいで、良質りょうしつな材ざいが採とれるといわれる[23]。これに次つぐのは青森あおもり県けん・岩手いわて県けんの南部なんぶ地方ちほうで、日本にっぽん以外いがいの中国ちゅうごくや台湾たいわん産さんのものは材ざいが軟やわらかすぎて箪笥たんす用ようには下級かきゅう品ひんとされる[23]。日本にっぽんでは各地かくちで材ざいを採とることを目的もくてきに植うえ栽されていたが[23]、需要じゅようの高たかまりや産業さんぎょう構造こうぞうの変化へんかにより北米ほくべい、南米なんべい、中国ちゅうごく、東南とうなんアジアから輸入ゆにゅうされることも多おおい[要よう出典しゅってん]。しかし日本にっぽん以外いがいの国くにでは、もっぱら花はなを観賞かんしょうするために植うえられる[23]。

桐きり炭ずみは研磨けんま用よう、火薬かやく用よう、化粧けしょう用ようの眉墨まゆずみ（アイブロー）に利用りようされた[10]。また桐きり灰はいは古ふるくは懐炉かいろ（カイロ）にも用もちいられ、桐きり灰はい化学かがくの屋号やごうの由来ゆらいとなっている。キリから作つくった炭すみは、軟やわらかい性質せいしつで均質きんしつなものができるので、デッサン用ようや懐炉かいろ灰はい用ようには向むいていると言いわれ、最初さいしょからその目的もくてき用ようで製造せいぞうされる[11]。

桐きり花はな紋もん

編集へんしゅう
 
五ご七なな桐きり花はな紋もん
「桐きり紋もん」も参照さんしょう

日本にっぽんには白しろ桐きりをもとに意匠いしょう化かされた紋章もんしょうがいくつかある。それらを総称そうしょうして桐きり紋もん[19]もしくは桐きり花はな紋もんという。中なかでも公的こうてき機関きかんのシンボルとして多用たようされている五ご七ななの桐きりと一般いっぱん的てきに家紋かもんとして広ひろまっている五ご三さんの桐きりと呼よばれる紋もんが代表だいひょう的てきであり十じゅう大だい家紋かもんに挙あげられるほど多おおく見みられる。桐きりの紋章もんしょうは菊きくと並ならんで皇室こうしつの紋章もんしょうであり、足利あしかが家か、豊臣とよとみ家かもまた桐きりを紋章もんしょうとしている[11]。

古代こだい中国ちゅうごくでは聖王せいおうを象徴しょうちょうする鳳凰ほうおうが「梧桐あおぎりの木きに宿やどり竹ちくの実みを食くう」とされ神聖しんせい視しされた[10][注釈ちゅうしゃく 2]。日本にっぽんでもキクとともに皇室こうしつの紋章もんしょうで、キクは正せい紋もん、キリは副ふく紋もんとされる[7]。嵯峨天皇さがてんのうの頃ころから天皇てんのうの衣類いるいの刺繍ししゅうや染そめ抜ぬきに用もちいられるなど、「菊きくの御ご紋もん」に次つぐ高貴こうきな紋章もんしょうとされた。また中世ちゅうせい以降いこうは天下てんか人じんたる武家ぶけが望のぞんだ家紋かもんでもあり、足利尊氏あしかがたかうじや豊臣とよとみ秀吉ひでよしなどもこれを天皇てんのうから賜たまわっている。このため五ご七ななの桐きりは「政権せいけん担当たんとう者しゃの紋章もんしょう」という認識にんしきが定着ていちゃくすることになった。

近代きんだい以降いこうも五ご七ななの桐きりは「日本国にっぽんこく政府せいふの紋章もんしょう」として大だい礼服れいふくや勲章くんしょう（桐きり花はな章あきら、旭日きょくじつ章あきら、瑞宝章ずいほうしょう）の意匠いしょうに取とり入いれられたり、菊花きっか紋もんに準じゅんじる国くに章あきらとしてビサやパスポートなどの書類しょるいや金貨きんかの装飾そうしょくに使つかわれたり、「内閣ないかく総理そうり大臣だいじんの紋章もんしょう」として官邸かんていの備品びひんや総理そうりの演えんじ台だいに取付とりつけるプレートに使つかわれている。過去かこに存在そんざいした国鉄こくてつの紋章もんしょうも桐きり紋もんに蒸気じょうき機関きかん車しゃの動輪どうりんを組くみ合あわせたものだった。

また、皇宮警察こうぐうけいさつ本部ほんぶや法務省ほうむしょうでは「五ご三さんの桐きり」が紋章もんしょうとして使つかわれている。

花札はなふだでは12月の絵柄えがらとして、「桐きりに鳳凰ほうおう」、カス3枚まいが描えがかれる。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう
[脚注きゃくちゅうの使つかい方かた]

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ キリは以前いぜん、ゴマノハグサ科か、あるいはノウゼンカズラ科かに分類ぶんるいしていた。
  2. ^ ただし中国ちゅうごく本来ほんらいの伝説でんせつでは鳳凰ほうおうの止とまる木きはアオギリ（中なか: 梧桐あおぎり）という、キリ（中なか: 泡あわ桐きり）とはまったく異ことなる樹木じゅもくである。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ a b 米倉よねくら浩司こうじ・梶田かじた忠ただし (2003-). “Paulownia tomentosa (Thunb.) Steud.　キリ（標準ひょうじゅん）”. BG Plants 和名わみょう−学名がくめいインデックス（YList）. 2023年ねん4月がつ12日にち閲覧えつらん。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 鈴木すずき庸夫みちお・高橋たかはし冬ふゆ・安やす延のべ尚文なおふみ 2014, p. 53
  3. ^ a b c d e f g 山やま﨑 2019, p. 130.
  4. ^ a b 鈴木すずき和夫かずお（理事りじ長ちょう）. “樹き病びょう研究けんきゅう100年間ねんかんのエポック”. www.forestry.jp. 日本にっぽん森林しんりん学会がっかい100周年しゅうねん記念きねん事業じぎょう. 森林しんりん総合そうごう研究所けんきゅうじょ. 2021年ねん12月13日にち閲覧えつらん。
  5. ^ a b c “Least Wanted: Princess Tree — aulownia tomentosa (Thunb.) Sieb. & Zucc. ex Steud. Figwort family (Scrophulariaceae)” [最もっとも手強てごわい：キリ]. www.nps.gov. Plant Conservation Alliance's Alien Plant Working Group 植物しょくぶつ保全ほぜん同盟どうめい 外来がいらい植物しょくぶつ対策たいさく班はん（アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国立こくりつ公園こうえん局きょく） (2009年ねん7月がつ7日にち). 2017年ねん7月がつ16日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2021年ねん12月13日にち閲覧えつらん。 “
    • （前略ぜんりゃく）
    • ECOLOGICAL THREAT Princess tree is an aggressive ornamental tree that grows rapidly in disturbed natural areas, including forests, streambanks, and steep rocky slopes.（キリは観賞かんしょう植物しょくぶつであり繁殖はんしょく力りょくが強つよく森林しんりんや河川敷かせんしき、岩いわの多おおい斜面しゃめんなど撹乱かくらんされた自然しぜん環境かんきょうで急速きゅうそくに増ふえる。後略こうりゃく）
    • DISTRIBUTION IN THE UNITED STATES Princess tree is found in 25 states in the eastern U.S., from Maine to Texas.（アメリカ東部とうぶのメイン州しゅうからテキサス州しゅうにかけて25州しゅうに分布ぶんぷ。後略こうりゃく）
    • （中略ちゅうりゃく）
    • BACKGROUND Princess tree was introduced into the U.S. as an ornamental and landscape tree around 1840. It was first imported to Europe in the 1830's by the Dutch East India Company and brought to North America a few years later. （キリのアメリカ持もち込こみは1840年ねん前後ぜんこうで、オランダの東ひがしインド会社かいしゃが1830年代ねんだいにヨーロッパへ輸入ゆにゅうし、数すう年ねん以内いないにアメリカに入はいった。後略こうりゃく）
    ”
  6. ^ “キリ”. 小石川こいしかわ植物しょくぶつ園えんの樹木じゅもく、植物しょくぶつ名めいの由来ゆらい. 2019年ねん4月がつ22日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2021年ねん12月12日にち閲覧えつらん。
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m 田中たなか 2011, p. 48.
  8. ^ a b c d e 辻井つじい達たち一いち 1995, p. 282.
  9. ^ 賈思勰『斉ひとし民みん要よう術じゅつ』 種たね槐えんじゅ柳やなぎ楸ひさぎ梓あずさ梧柞第だい五ご十じゅう、68頁ぺーじ。https://archive.org/stream/06049859.cn#page/n68/mode/2up。 
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n “キリ”. 東京農工大学とうきょうのうこうだいがく. 2019年ねん12月18日にち閲覧えつらん。
  11. ^ a b c 辻井つじい達たち一いち 1995, p. 285.
  12. ^ a b “青森あおもり県けんの伝統でんとう工芸こうげい品ひん”. 青森あおもり県庁けんちょうホームページ. 2021年ねん12月13日にち閲覧えつらん。
  13. ^ 八重樫やえがし 良りょう暉あきら「岩手いわて県けんに生育せいいくする桐きりの種類しゅるい」（pdf）『岩手いわて県けん林業りんぎょう試験場しけんじょう成果せいか報告ほうこく』第だい13巻かん、岩手いわて県けん、1980年ねん（昭和しょうわ55年ねん）8月がつ、2021年ねん12月13日にち閲覧えつらん。 
  14. ^ 川上かわかみ 1902.
  15. ^ 土居どい 養よう二に、寺中じちゅう 理り明あきら、与良よら 清きよし、明あきら日山ひやま 秀文ひでふみ『クワ萎縮いしゅく病びょう,ジャガイモてんぐ巣す病びょう,Aster yellows感染かんせんペチュニアならびにキリてんぐ巣す病びょうの罹病りびょう茎葉けいよう篩ふるい部ぶに見出みいだされたMycoplasma様よう(あるいはPLT様さま)微生物びせいぶつについて』。doi:10.3186/jjphytopath.33.259。 別べつ題だい『Mycoplasma- or PLT Group-like Microorganisms Found in the Phloem Elements of Plants Infected with Mulberry Dwarf, Potato Witches' Broom, Aster Yellows, or Paulownia Witches' Broom』。
  16. ^ a b 山やま﨑 2019, p. 131.
  17. ^ 米倉よねくら浩司こうじ・梶田かじた忠ただし (2003-). “Paulownia tomentosa (Thunb.) Steud. f. virginea H.Ohashi　シロバナノキリ（標準ひょうじゅん）”. BG Plants 和名わみょう−学名がくめいインデックス（YList）. 2023年ねん4月がつ12日にち閲覧えつらん。
  18. ^ 戸田とだ 良吉りょうきち『キリのタネの発芽はつがに及およぼす散光さんこうの効果こうか』。doi:10.11519/jjfs1934.34.250。  別べつ題だい『Effect of diffused light on the germination of Paulownia seeds』。
  19. ^ a b “桐きり紋もんとは”. www.so-bien.com. きもの用語ようご大全たいぜん. 2021年ねん12月13日にち閲覧えつらん。
  20. ^ a b “桐きりたんす専門せんもんメーカー TOP |”. 株式会社かぶしきがいしゃ 総桐そうぎり箪笥だんす和光わこう－福岡ふくおか県けん－. 2021年ねん12月13日にち閲覧えつらん。
  21. ^ 中田なかた喜き直じき『中田なかた喜き直ちょく歌曲かきょく集しゅう = A collection of songs』カワイ楽譜がくふ、1962年ねん。注記ちゅうき：ピアノ伴奏ばんそう、日本語にほんご歌詞かし（ロろーマ字まじ付つき）。NACSIS-CATレコードID： BA87771080。
  22. ^ a b 辻井つじい達たち一いち 1995, p. 283.
  23. ^ a b c d e f g h 辻井つじい達たち一いち 1995, p. 284.
  24. ^ 尾田おだ 十じゅう八はち 金沢大学かなざわだいがく自然しぜん科学かがく研究けんきゅう科か, 教授きょうじゅ (30019749)『生物せいぶつの構造こうぞう・組織そしきの力学りきがく的てき最適さいてき性せいの評価ひょうかとその構造こうぞう・材料ざいりょう設計せっけい法ほうへの応用おうよう研究けんきゅう』金沢大学かなざわだいがく、2006年ねん。https://kaken.nii.ac.jp/report/KAKENHI-PROJECT-18206014/182060142006jisseki/。 
  25. ^ Li, P; Oda, J. (2006). “Flame Retardancy of Paulownia Wood and its Mechanism” (英語えいご). Proc. CJJCC 7: 197-205. 

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • 川上かわかみ瀧たき彌わたる『桐きり樹じゅ天狗てんぐ巣す病びょう(桐きり樹じゅ萎縮いしゅく病びょう)原論げんろん』第だい1号ごう、裳も華はな房ぼう、1902年ねん。 NCID BA45271944。 別べつ題だい『On the hexenbesen of Paulownia tomentosa』
  • 鈴木すずき庸夫みちお・高橋たかはし冬ふゆ・安やす延のべ尚文なおふみ『樹皮じゅひと冬芽とうが：四季しきを通つうじて樹木じゅもくを観察かんさつする 431種しゅ』誠まこと文ぶん堂どう新光しんこう社しゃ〈ネイチャーウォチングガイドブック〉、2014年ねん10月がつ10日とおか、53頁ぺーじ。ISBN 978-4-416-61438-9。 
  • 田中たなか潔きよし『知しっておきたい100の木き：日本にっぽんの暮くらしを支ささえる樹木じゅもくたち』主婦しゅふの友社ともしゃ〈主婦しゅふの友ともベストBOOKS〉、2011年ねん7月がつ31日にち、48頁ぺーじ。ISBN 978-4-07-278497-6。 
  • 辻井つじい達一たついち『日本にっぽんの樹木じゅもく』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ〈中公新書ちゅうこうしんしょ〉、1995年ねん4月がつ25日にち、282 - 285頁ぺーじ。ISBN 4-12-101238-0。 
  • 山やま﨑誠子こ『植うえ栽大図鑑ずかん［改訂かいてい版ばん］』エクスナレッジ、2019年ねん6月がつ7日にち、130-131頁ぺーじ。 ISBN 978-4-7678-2625-7。

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう
 
ウィキスピーシーズにキリに関かんする情報じょうほうがあります。
 
ウィキメディア・コモンズには、キリに関連かんれんするカテゴリがあります。

関連かんれん資料しりょう

編集へんしゅう

本文ほんぶんの典拠てんきょではないもの。発行はっこう年ねん順じゅん。

台湾たいわんの資料しりょう
  • Hu, Shiu-Ying. (1959). "A monograph of the genus Paulownia." Quarterly Journal of the Taiwan Museum 7(1&2):1-54.（英語えいご） 台湾たいわん博物館はくぶつかん報ほう。
  • 林はやし文鎮ぶんちん「臺灣たいわん泡あわ桐きり之の造林ぞうりん研究けんきゅう = Silvicultural studies on Taiwan Paulownia (Paulownia taiwaniana Hu et Chang) in Taiwan」『研究けんきゅう報告ほうこく = Research bulletin』第だい178号ごう、國立こくりつ中興ちゅうこう大學だいがく農學のうがく院いん森林しんりん學がく系けい、1979年ねん（中国ちゅうごく語ご）。NCID BA40929283。注記ちゅうき：中央ちゅうおう農業のうぎょう発展はってん計画けいかく補助ほじょ。
アメリカ
  • Rehder, M.A. Manual of cultivated trees and shrubs. ニューヨーク：マクミラン（MacMillan Co.）、1927年ねん（英語えいご）。栽培さいばい種しゅの樹木じゅもくや草本そうほんの管理かんり法ほう。
    • 増補ぞうほ改題かいだい Rehder, M.A.（編へん）、ポートランド：Dioscorides Press、1983年ねん。
    • （書評しょひょう）Sand, S. 1992. "The empress tree." American Horticulturist 第だい71巻かん、27-29頁ぺーじ。
  • Petrides, G.S. 1972. A field guide to trees and shrubs.（英語えいご） ボストン：ヒュートン・ミフリン（Houghton Mifflin Co.）〈ピーターソン・フィールドガイド・シリーズ〉（英語えいご）第だい2版はん。自然しぜん観察かんさつガイド。

外部がいぶリンク

編集へんしゅう


「https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=キリ&oldid=100734504」から取得しゅとく