筆画ひっかく

; 漢字かんじ
書体しょたい
	篆刻てんこく・毛筆もうひつ
	木版もくはん・活版かっぱん
	宋朝そうちょう体たい明朝体みんちょうたい楷書かいしょ体たい
字体じたい
	構成こうせい要素ようそ
	筆画ひっかく筆順ひつじゅん偏旁へんぼう六書りくしょ部首ぶしゅ
	標準ひょうじゅん字体じたい
	説せつ文ぶん解かい字じ（篆書てんしょ体たい）
	字じ様さま書しょ石経いしきょう
	康かん熙字典じてん体たい（旧きゅう字体じたい）
	新しん字体じたい新しん字形じけい
	国字こくじ標準ひょうじゅん字体じたい常つね用字ようじ字形じけい表ひょう
	漢文かんぶん教育きょういく用よう基礎きそ漢字かんじ
	通用つうよう規範きはん漢字かんじ表ひょう
	国字こくじ問題もんだい
	当用とうよう・常用漢字じょうようかんじ
	同音どうおんの漢字かんじによる書がきかえ
	繁体字はんたいじ（正体しょうたい字じ） - 簡体字かんたいじ
	漢字かんじ廃止はいし・復活ふっかつ
漢字かんじ文化ぶんか圏けん
	中なか・日ひ・朝あさ・越こし・台だい・琉・新しん
派生はせい文字もじ
	国字こくじ方言ほうげん字じ則のり天てん文字もじ
	仮名かめい古こ壮たけし字じ字じ喃女おんな書しょ
	契ちぎり丹に文字もじ女おんな真ま文字もじ西にし夏なつ文字もじ
	→字音じおん

この項目こうもくには、一部いちぶのコンピュータや閲覧えつらんソフトで表示ひょうじできない文字もじ（JIS X 0213、簡体字かんたいじ、CJK統合とうごう漢字かんじ拡張かくちょうA、拡張かくちょうB、拡張かくちょうG）が含ふくまれています（詳細しょうさい）。

筆画ひっかく（ひっかく）とは漢字かんじの字体じたいを構成こうせいする要素ようその一ひとつで、最小さいしょうの単位たんいである。点画てんかく（てんかく）ともいう。筆ふでを下おろして書かき始はじめ、再ふたたび離はなすことでできる「線せん」または「点てん」である。筆画ひっかくの数かずを画数かくすう（かくすう）といい、1画かく、2画かくと数かぞえる。また筆画ひっかくを並ならべていく順序じゅんじょを筆順ひつじゅんという。

筆画ひっかくの種類しゅるい

筆画ひっかくは、横よこ画が・縦たて画が・斜はす画が・点てんの4つに大おおきく分わけられる^[1]。

横よこ画が（おうかく）とは、水平すいへい方向ほうこう（横よこ）に書かく線せんをいう^[2]。
縦たて画が（じゅうかく）とは、垂直すいちょく方向ほうこう（縦たて）に書かく線せんをいう^[3]。
斜はす画が（しゃかく）とは、斜ななめに書かく線せんで、左ひだりはらい、右みぎはらい、左さはね、右みぎはねのことをいう^[4]。

古ふるくは永字八法えいじはっぽうという「永ひさし」の字じを使つかった書法しょほうで筆画ひっかくの基本きほんを説といていた。側がわ（ソク、点てん）、勒（ロク、横よこ画が）、努つとむ（ド、縦たて画が）、趯（テキ、左さはねの斜はす画が）、策さく（サク、短みじかい右みぎ上あがりの横よこ画が）、掠かすめ（リャク、左ひだり斜ななめはらいの斜はす画が）、啄ついばめ（タク、短みじかい左ひだり斜ななめはらいの斜はす画が）、磔はりつけ（タク、右みぎ斜ななめはらいの斜はす画が）。ただし、これはあくまでも書法しょほうの説明せつめいであって筆画ひっかくを分析ぶんせきしたものではない。

現在げんざいの中国ちゅうごくでは約やく30ほどの筆画ひっかくが設もうけられている。点てん（丶）、横よこ（一いち）、竪たて（ジュ）（丨たて）、提ひさげ（右みぎ上じょう斜ななめはね）、撇（ヘツ）（丿左ひだり斜ななめはらい）、捺（ナツ）（乀右みぎ斜ななめはらい）、鉤かぎ（コウ）（乛・亅かぎ：横よこ画がまたは竪たて画がからのはね）、折おり（┑ おれ）の8つを基本きほんとし、あとはその応用おうようで説明せつめいされる。例たとえば、「乃」の右みぎの筆画ひっかくは横よこ折折おりおり折おり鉤かぎ。筆画ひっかくを組くみ合あわせて偏旁へんぼうが作つくられる。

画像がぞう	中国ちゅうごく大陸たいりく名称めいしょう	台湾たいわん名称めいしょう	日本語にほんご	Unicode
基本きほん筆画ひっかく
	点てん diǎn	點てん diǎn	てん	CJK STROKE D: Ux31D4
	横よこ héng	橫よこ héng	よこ	CJK STROKE H: Ux31D0
	竪たて shù	豎 shù	たて	CJK STROKE S: Ux31D1
	提つつみ tí	挑 tiāo	はね	CJK STROKE T: Ux31C0
	捺 nà	捺 nà	（みぎ）はらい	CJK STROKE N: Ux31CF
	撇 piě	撇 piě	（ひだり）はらい	CJK STROKE P: Ux31D2
	鈎かぎ gōu	鉤かぎ gōu	はね、かぎ	CJK STROKE G （コードポイント無なし）
	折おり zhé	折おり zhé	おれ	CJK STROKE Z （コードポイント無なし）
加工かこう
	弯 wān	彎 wān	そり（左ひだり）	CJK STROKE W （コードポイント無なし）
	斜はす xié	曲きょく qū	そり（右みぎ）	CJK STROKE X （コードポイント無なし）

上記じょうき以外いがいの筆画ひっかくのほとんどはその応用おうようであるが、その他たの例外れいがい的てきな筆画ひっかく（ループする筆画ひっかくなど）を持もつ漢字かんじの例れいとして、次つぎのようなものが挙あげられる。

㔔・㪳・㫈・𠆭・𠇇・𠍋・𠪳・𡆢・𡦹・𡧑・𢀓・𦮙・𦹗・・

筆画ひっかくの利用りよう

筆画ひっかくを利用りようして漢字かんじの検索けんさく、コンピュータでの入力にゅうりょくなどが行おこなわれている。

四角号碼しかくごうま索引さくいん - 漢字かんじの四隅よすみの筆画ひっかくまたは筆画ひっかくの組くみ合あわせに0から9までの数字すうじに分類ぶんるいし、左上ひだりうえ、右みぎ上じょう、左下ひだりした、右みぎ下かの順じゅんで数字すうじをならべ索引さくいんできるようにしたもの。例たとえば「端はし」は左上ひだりうえが0（点てんと横よこの組くみ合あわせ）、右みぎ上じょうが2（竪たてや撇など）、左下ひだりしたが1（横よこや提ひさげなど）、右みぎ下かが2で0212である。
五ご筆ぴつ順じゅん - 筆画ひっかくの形状けいじょう（筆ふで形がた）を5種類しゅるいに大別たいべつし、それに従したがって文字もじを配列はいれつする。部首ぶしゅ・総画そうかく・発音はつおん引びきで補助ほじょ的てき手段しゅだんとしてよく用もちいられる。
五ご筆ぴつ字じ型がた入力にゅうりょく方法ほうほう - コンピュータでの中国ちゅうごく語ご入力にゅうりょく方式ほうしきの一ひとつ。キーボードに筆画ひっかくや筆画ひっかくの組くみ合あわせを割わり当あてて入力にゅうりょくする。中国ちゅうごくでタイプライターを専門せんもんとする人ひとたちはこの入力にゅうりょく法ほうを使つかうことが多おおい。
画数かくすう順じゅん - 漢字かんじを画数かくすうの少すくないものから多おおいものの順じゅんに並ならべていくこと。漢字かんじ字典じてんには、漢字かんじをまず部首ぶしゅに分わけて部首ぶしゅの画数かくすう順じゅんに配置はいちし、それぞれの部首ぶしゅとその部首ぶしゅ内ないの漢字かんじを部首ぶしゅ部分ぶぶんを除のぞいた画数かくすう順じゅんに配置はいちする方法ほうほうがある。明あきらの『字彙じい』によって確立かくりつされた方法ほうほうで、現在げんざいの日本にっぽんの漢和かんわ辞典じてんのほとんどがこの方法ほうほうによっている。現在げんざいの中国ちゅうごくの字書じしょはピンインのアルファベット順じゅんであっても同おなじ音おんの漢字かんじは画数かくすうの少すくないものを先さきにする。
総画そうかく索引さくいん - 画数かくすうで漢字かんじを検索けんさくする方法ほうほう。漢字かんじを総画そうかく数すうの同おなじものでまとめたものである。同どう画数かくすうの漢字かんじは部首ぶしゅ順じゅんにならべることが多おおい。

画数かくすう最大さいだいの文字もじ

教育きょういく漢字かんじ：議ぎ、競きそえ、護まもる（20画かく）
常用漢字じょうようかんじ：鬱うつ（29画かく）
人名じんめい用よう漢字かんじ：鷹たか、麟（24画かく）
- 異体いたい字じを含ふくめると廳ちょう（25画かく）
JIS第だい一いち水準すいじゅん漢字かんじ：欝うつ（25画かく）
「欝うつ」は初期しょきのJIS漢字かんじ（JIS C 6226-1978、通称つうしょう78JIS）の字体じたいだと1画かく多おおくて26画かくになる。
日本にっぽん漢字かんじ能力のうりょく検定けんてい準じゅん1級きゅう：鬱うつ（29画かく）
JIS第だい二に水準すいじゅん漢字かんじ：驫、鸞（30画かく）
日本にっぽん漢字かんじ能力のうりょく検定けんてい1級きゅう：麤（33画かく）
JIS第だい三さん水準すいじゅん漢字かんじ：麤（「鹿しか」を3つ並ならべた字じ）、龗（雨冠あめかんむりに「口くち」3つの下したに「龍りゅう」）（33画かく）
JIS第だい四よん水準すいじゅん漢字かんじ：（䯂）（「驫」の下したに「木き」）（34画かく）
新選しんせん漢和かんわ辞典じてん：（齉）（36画かく）
UnicodeCJK統合とうごう漢字かんじブロック (U+4E00-U+9FFF)：（龘）（48画かく）
新大しんおお字典じてん：（龘）（48画かく）
康かん熙字典じてん：（䨻、雷かみなりを4つ並ならべた字じ）（52画かく）
Unicode基本きほん多言たげん語ご面めん全体ぜんたい：（䨻、雷かみなりを4つ並ならべた字じ）（52画かく）
Unicode追加ついか漢字かんじ面めん全体ぜんたい：（𪚥、龍りゅうを4つ並ならべた字じ）、（𠡛、興きょうを4つ並ならべた字じ）（64画かく）
大だい漢和かんわ辞典じてん：（𪚥、龍りゅうを4つ並ならべた字じ）、（𠡛、興きょうを4つ並ならべた字じ）（64画かく）
- は漢語かんご大だい字典じてんでは「興きょう」の中心ちゅうしん部ぶが異ことなる字体じたいのため、60画かくとなっている。
Unicode全体ぜんたい：（𱁬）（84画かく） - たいとを参照さんしょう。
戸籍こせき統一とういつ文字もじ：（𪚥、龍りゅうを4つ並ならべた字じ）、（𠡛、興きょうを4つ並ならべた字じ）（64画かく）
国字こくじ：（84画かく） - たいとを参照さんしょう。
部首ぶしゅ（康かん煕ひろし字典じてんの分類ぶんるいによる）：龠（17画かく）