(Translated by https://www.hiragana.jp/)
目黒川 - Wikipedia

目黒めぐろがわ

東京とうきょうかわ

目黒めぐろがわ(めぐろがわ)は、武蔵野台むさしのだい東端ひがしばたひがしながし、東京とうきょう世田谷せたがや目黒めぐろおよび品川しながわながれて東京とうきょうわんそそ河川かせんきゅう水系すいけい本流ほんりゅうである。

目黒めぐろがわ
はる目黒めぐろがわ目黒めぐろ三田みた田道たみちきょうより)
水系すいけい きゅう水系すいけい 目黒めぐろがわ
種別しゅべつ きゅう河川かせん
延長えんちょう 7.82 km
平均へいきん流量りゅうりょう -- m³/s
流域りゅういき面積めんせき 45.8 km²
水源すいげん 武蔵野台むさしのだい世田谷せたがや
水源すいげん標高ひょうこう -- m
河口かこう合流ごうりゅうさき 東京とうきょうわん品川しながわ
流域りゅういき 東京とうきょう
テンプレートを表示ひょうじ

概要がいよう

編集へんしゅう

河口かこう付近ふきんではふるくは「品川しながわ」(しながわ)といい、古代こだいから中世ちゅうせいまで武蔵むさしこく品川しながわみなとがあった。

河口かこう地形ちけいは、砂州さす洲崎すざき)が細長ほそながし、りゅう湾曲わんきょくながれがゆるやかだったため[注釈ちゅうしゃく 1]みなと(みなと)にてきしていた。しなっていたかわであったことから、地名ちめい品川しながわ」のこりとされる。

江戸えど時代じだい絵図えずなどでは、その上流じょうりゅう下目黒しもめぐろ付近ふきんでは「こりとりかわ」としるされ、江戸えど時代じだいに「目黒めぐろがわ」としるした絵図えず確認かくにんされない。「こりとり」は「垢離こりり」ので、このかわきよめてから目黒めぐろ不動尊ふどうそん瀧泉寺たきせんじ)にもうでたことにちなむ[1]

1957ねん昭和しょうわ32ねん)には、台風たいふう22ごうによる集中しゅうちゅう豪雨ごうう氾濫はんらん発生はっせいしたことがある[2]

地理ちり生物せいぶつ

編集へんしゅう
 
目黒めぐろがわ起点きてんみぎから北沢きたざわがわが、ひだりからがらす山川やまかわ合流ごうりゅうする。
 
2014ねん年末ねんまつはつこころみで中目黒なかめぐろ付近ふきん目黒川めぐろがわ沿いの木々きぎ青色あおいろのイルミネーションがほどこされておおくのひとおとずれたが[3]、2015ねん実施じっしされなかった。[4]

東京とうきょう世田谷せたがや三宿みしゅく東仲ひがしなかきょう付近ふきん北沢きたざわがわがらす山川やまかわ合流ごうりゅうして目黒めぐろがわとなり南東なんとうながれ、品川しながわ天王てんのうしゅうアイルえき付近ふきん東京とうきょうわんそそぐ。

起点きてん北沢きたざわがわ烏山からすやまがわ合流ごうりゅうてん)から国道こくどう246ごう大橋おおはしまでの600mきょう区間くかん暗渠あんきょされ、それとあわせて地表ちひょう部分ぶぶんには人工じんこうのせせらぎをいたみどりみち目黒川めぐろがわみどりどう)が整備せいびされており、カルガモコイザリガニなど様々さまざま生物せいぶついている。大橋おおはしより下流かりゅうひらけみぞとなっている。

北沢きたざわがわがらす山川やまかわ暗渠あんきょされ下水道げすいどう転用てんようされて以降いこう水量すいりょう枯渇こかつしていたが、1995ねん平成へいせい7ねん以降いこう、「清流せいりゅう復活ふっかつ事業じぎょう」として、目黒めぐろがわながれるみずだい部分ぶぶん新宿しんじゅく東京とうきょう下水道げすいどうきょく落合おちあいみず再生さいせいセンター下水げすい高度こうど処理しょりしたものをみちびいている。これにより水量すいりょう復活ふっかつし、スミウキゴリなど魚類ぎょるいえ、東京とうきょうわんからマハゼアユボラ遡上そじょうするようになった。子供こどもたちによるイベント「いきもの発見はっけんたい」で採取さいしゅされたさかななどは12種類しゅるい(2017ねん時点じてん)であった[5]

目黒めぐろあたりではきしさくら並木なみきがあり、花見はなみ時期じきにはおおくの見物けんぶつきゃくにぎわう。

下流かりゅう地下ちかには首都高しゅとこうそく中央ちゅうおう環状かんじょうせん山手やまてトンネル建設けんせつされた。

かつての河口かこうかわどう現在げんざいしん品川しながわきょう付近ふきんよりきた湾曲わんきょくなが[注釈ちゅうしゃく 2]、その東岸とうがんきたびた細長ほそなが砂州さすで(洲崎すざき)、北品川きたしながわきょう付近ふきん河口かこうであった(品川しながわみなと)。途中とちゅうにはしなうみきょうかっていた。また、荏原えばら神社じんじゃ北側きたがわ蛇行だこうしてながれていたが、直線ちょくせんされた。

 
荏原えばら調節ちょうせつ取水しゅすいこう

下流かりゅう五反田ごたんだ一帯いったいは、地盤じばんひくいことから台風たいふう集中しゅうちゅう豪雨ごううなどによる洪水こうずい被害ひがいけやすい地区ちくで、1989ねんには浸水しんすい面積めんせき47haの甚大じんだい被害ひがいけた[6]

そのため東京とうきょうでは、豪雨ごうう目黒めぐろがわみず地下ちか一時いちじてき貯留ちょりゅうする治水ちすい施設しせつである「ふね入場にゅうじょう調節ちょうせつ」(目黒めぐろ中目黒なかめぐろいち丁目ちょうめ)および「荏原えばら調節ちょうせつ」(品川しながわ西五反田にしごたんださん丁目ちょうめ)をもうけている[6][7]

流域りゅういき自治体じちたい

編集へんしゅう

支流しりゅう

編集へんしゅう

ほとんどは暗渠あんきょされ、そのおおくはみどりどうとして整備せいびされている。また天然てんねん源流げんりゅう北端ほくたん玉川上水たまがわじょうすいちかいため、このつうすいけている地点ちてん複数ふくすう存在そんざいする。

  • 北沢きたざわがわ北沢きたざわ用水ようすい
    • 支流しりゅうのうち名前なまえいているのは、もりいわお寺川てらがわと、だいだらぼっちかわ河川かせんのみ。
  • がらす山川やまかわ烏山からすやま用水ようすい
    • 北沢きたざわがわとともに世田谷せたがやによるみどりどう整備せいび主要しゅよう対象たいしょうとなっている。
    • たまきはち沿い(蘆花ろかつね春園はるその北方ほっぽう八幡山はちまんやまアパートわき)にやく300mにわたって、2012ねん平成へいせい24ねんごろまではひらけみぞのこっていた。
    • 現在げんざい天然てんねん源流げんりゅう世田谷せたがやこうみなもといんいけとされているが、希望ヶ丘きぼうがおか団地だんち付近ふきん合流ごうりゅうする水無川みずなしがわ世田谷せたがやでの河川かせんめい)/中川なかがわ三鷹みたかでの河川かせんめい)が、目黒めぐろがわ形成けいせいする天然てんねん河川かせんではもっともおくからの源流げんりゅうで、1964ねん河川かせんほう改正かいせいまでは水無川みずなしがわ中川なかがわがらす山川やまかわ本流ほんりゅうだった。
  • そらかわ
  • 蛇崩じゃくずれがわ
  • 谷戸たにと前川まえかわ
    • 蛇崩じゃくずれがわ祐天寺ゆうてんじ支流しりゅう源流げんりゅうちかい、目黒めぐろ中町なかまち2丁目ちょうめ祐天寺ゆうてんじ丁目ちょうめ交差点こうさてん付近ふきん源流げんりゅう。ほぼ東西とうざいにまっすぐながれ、大塚山おおつかやま公園こうえん付近ふきん目黒めぐろさん丁目ちょうめ6番地ばんち付近ふきんには片側かたがわおおきながけのこる。目黒めぐろ区民くみんセンターと下目黒しもめぐろ小学校しょうがっこうあいだから目黒めぐろがわ合流ごうりゅう
  • 羅漢らかん寺川てらがわ

橋梁きょうりょう

編集へんしゅう
 
大橋おおはし国道こくどう246ごう
 
なかはし歩行ほこうしゃ専用せんよう
 
目黒めぐろがわ水門すいもん(2019ねん10がつ18にち撮影さつえい

北沢きたざわがわ烏山からすやまがわ合流ごうりゅうてんより記載きさい

 
目黒めぐろ目黒めぐろ目黒めぐろ新橋しんばしより

えがかれた目黒川めぐろがわ

編集へんしゅう

ここでは、絵画かいがなどにえがかれた目黒めぐろがわについて解説かいせつする。なお、千代ちよいけ(2)は目黒川めぐろがわ北岸ほくがんにあったいけである。

長谷川はせがわゆきだん天保てんぽう5ねん1834ねん)~天保てんぽう7ねん1836ねん刊行かんこうぼくすり
目黒めぐろがわかる石造いしづくりの太鼓橋たいこばしとその周辺しゅうへんえがいている。最寄もよりのきゅう景勝けいしょう夕日ゆうひおか」が背景はいけいられないかくであることや、はしこうの家屋かおく手前てまえ家屋かおくよりかなりひく位置いちにあることから、行人こうじんざかがわ高所こうしょがわ)から南南東なんなんとう方面ほうめんえがいたものとかんがえられる。
名所めいしょ浮世絵うきよえそろいぶつ名所めいしょ江戸えどひゃくけいだい23けい安政あんせい4ねん1857ねん刊行かんこう板元はんもと魚屋さかなや栄吉えいきちたて大判おおばん錦絵にしきえ
  • 3. 歌川うたがわ広重ひろしげ名所めいしょ江戸えどひゃくけい』より『目黒めぐろ太鼓橋たいこばし 夕日ゆうひおか(めいしょえどひゃっけい めぐろ たいこばし ゆうひのおか)』
名所めいしょ浮世絵うきよえそろいぶつ名所めいしょ江戸えどひゃくけいだい111けい安政あんせい4ねん(1857ねん刊行かんこう板元はんもと魚屋さかなや栄吉えいきちたて大判おおばん錦絵にしきえ
目黒めぐろがわ上流じょうりゅうがわから東南東とうなんとう方面ほうめんえがいている。かつては夕陽ゆうひえる木立こだち紅葉こうよううつくしいと絶賛ぜっさんされる有名ゆうめい景勝けいしょうであったが、当時とうじすでにかげくなってしまっていた「夕日ゆうひおか」を、これも有名ゆうめい目黒めぐろ太鼓橋たいこばしともえが絵師えしおおかった。広重ひろしげは、このではくらそらから牡丹雪ぼたんゆきしずかにりる雪景せっけいとしてえがいてみせた。いちめん雪景色ゆきげしきなか目黒めぐろがわ画面がめんおくへとながれている。道行みちゆ人々ひとびと男性だんせいたちかさみのにも女性じょせいかずかさにもゆきもっている。これらゆき表現ひょうげんすべ白地しろじかしてえがかれている。ここの太鼓橋たいこばし江戸えどではめずらしい石造いしづくり(石造せきぞうアーチきょう)としてだれもがるところであった。はし画面がめんひだりかえば行人こうじんざかみぎかえば目黒めぐろ不動ふどうどう目黒めぐろ不動ふどういた街道かいどう)で、左手ひだりてはここからけわしいのぼざか右手みぎてゆるやかなくだざかである。左手ひだりておくやまのような斜面しゃめんえるが、これが「夕日ゆうひおか」で、江戸えど時代じだいには熊本くまもとはん細川ほそかわ江戸えど下屋敷しもやしき敷地しきちないにあった(※現在げんざいホテル雅叙園がじょえん東京とうきょう敷地しきちないになっている)。みぎ手前てまえ屋根やねだけえているのは、しるこもち茶屋ちゃや正月しょうがつ」かもれない。20ねん以上いじょうまえ刊行かんこうされた『江戸えど名所めいしょ図会ずえ』にこの家屋かおく表側おもてがわからえがかれていて、暖簾のれんかれた屋号やごう確認かくにんできるのであるが、時期じきがかなりはなれているため、おなてん存続そんぞくしていればのはなしになる。
  • 5. 歌川うたがわ広重ひろしげ冨士ふじさんじゅうろくけい 東都とうと目黒めぐろ夕日ゆうひおか』 [8]
安政あんせい5ねん1858ねん刊行かんこう板元はんもとつた吉蔵よしぞうたて大判おおばん錦絵にしきえ

うた目黒めぐろがわ

編集へんしゅう

このかわをモチーフにした楽曲がっきょく複数ふくすう歌手かしゅ発表はっぴょうしている。

公表こうひょうねん 歌手かしゅめい 曲名きょくめい 収録しゅうろくアルバムめい
2002ねん KAB. 目黒めぐろがわ 向日葵ひまわり
2004ねん 奥井おくい亜紀あき 目黒めぐろがわ cyclong
2010ねん miwa めぐろかわ don't cry anymore

このほか2012ねん2がつ29にち発売はつばいされたFlower楽曲がっきょくSAKURAリグレット」の歌詞かしのフレーズにも目黒めぐろがわ登場とうじょうする。

2018ねん3がつ28にちに、西島にししま三重子みえこの「目黒めぐろがわ」が発売はつばいされている。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ 湾岸わんがん開発かいはつともな現在げんざい河口かこう付近ふきん直線ちょくせんてきとなっている。
  2. ^ このきゅうかわどう現在げんざいはちやまどおりとなった。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ 山本やまもと和夫かずお目黒めぐろ史跡しせき散歩さんぽ学生がくせいしゃ、1992ねん、p73
  2. ^ 「ヒヤヒヤの中小ちゅうしょう河川かせん 整備せいび計画けいかくあしぶみ 無秩序むちつじょ都市とし一因いちいん」『朝日新聞あさひしんぶん昭和しょうわ42ねん9がつ8にち夕刊ゆうかん、3はん、11めん
  3. ^ FASHION PRESS 目黒めぐろがわあお洞窟どうくつに!中目黒なかめぐろ神秘しんぴてきなクリスマスイルミネーション出現しゅつげん
  4. ^ http://nakameguro-aonodokutsu.jp/
  5. ^ 目黒めぐろがわのハゼにおおはしゃぎ”. 産経新聞さんけいしんぶん朝刊ちょうかん(東京とうきょうめん). (2017ねん5がつ30にち). https://www.sankei.com/article/20170530-5WNQDJAGONOYRI6CB6EWS5EWJQ/ 
  6. ^ a b 目黒めぐろがわ荏原えばら調節ちょうせつ建設けんせつ事業じぎょう” (PDF). 全日本ぜんにほん建設けんせつ技術ぎじゅつ協会きょうかい. 2023ねん1がつ2にち閲覧えつらん
  7. ^ ふね入場にゅうじょう調節ちょうせつ目黒めぐろがわ” (PDF). 東京とうきょう建設けんせつきょく. 2023ねん1がつ2にち閲覧えつらん
  8. ^ 10 東都とうと目黒めぐろ夕日ゆうひおか”. 浮世絵うきよえく! 江戸えど富士ふじ東海道とうかいどう木曽きそ街道かいどうめぐって(個人こじんブログ) (2015ねん9がつ10日とおか). 2019ねん4がつ15にち閲覧えつらん

外部がいぶリンク

編集へんしゅう