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種名 - Wikipedia

たねめい(しゅめい)は、生物せいぶつたねあらわ名前なまえのこと。日本語にほんごである和名わみょう標準ひょうじゅん和名わみょう)と、学術がくじゅつ分野ぶんや使つかわれるラテン語らてんご学名がくめいのいずれにも、たね階級かいきゅうタクソン分類ぶんるいぐん)をあらわ名前なまえたいして使つかわれる。

同様どうように、たねより分類ぶんるい階級かいきゅう上位じょういぞくたいしては「ぞくめい」「めい」が、下位かい亜種あしゅ変種へんしゅ品種ひんしゅには「亜種あしゅめい」「変種へんしゅめい」「品種ひんしゅめい」の言葉ことばがある。

学名がくめい

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学名がくめいではめいほうもちいており、動植物どうしょくぶつではぞくめいたね小名しょうみょうが、細菌さいきんではぞくめいたね形容けいようたねめいである。たね小名しょうみょうまたたね形容けいようラテン語らてんごあるいはラテン語らてんごした形容詞けいようし名詞めいしもちいることになっている。たね小名しょうみょうまたたね形容けいよう部分ぶぶんのみをしてたねめいというのはあやまりである。

和名わみょう

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和名わみょう学名がくめいことなり、めいほう採用さいようしていないので、ぞくめいたね小名しょうみょう区別くべつ存在そんざいしない。形容けいようてき接頭せっとうをつけたものもおおいが、かならずしもきんえんしゅとはかぎらない。いちれいげるとバラビワたいするクワイヌビワイチジクおなぞく)は、果実かじつ形態けいたいという表面ひょうめんてき形態けいたい類似るいじしているが、べつぞくしており系統けいとうとおい。

和名わみょう形容けいようてきもちいられるかたりれい

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アカ(あか)、キ()、クロ(くろ)、シロ(しろ)、などいろあらわかたり
接頭せっとうで、からだしょくにそのいろつよ傾向けいこうられることをしめす。
アメリカ(亜米利加あめりか)、チョウセン(朝鮮ちょうせん)、タイワン(台湾たいわん)、エゾ(蝦夷えぞ)、リュウキュウ(琉球りゅうきゅう)などの地名ちめい
接頭せっとう。アメリカは新大陸しんたいりくさんしゅ、チョウセンはおおくは朝鮮半島ちょうせんはんとう特産とくさんしゅではなく、ユーラシア大陸たいりくさんしゅであり、タイワンも同様どうようおおくの場合ばあい東南とうなんアジアさんしゅであることをしめす。これはだい世界せかい大戦たいせん以前いぜん朝鮮半島ちょうせんはんとう台湾たいわん日本にっぽんりょうであったことの名残なごりである(日本にっぽん旧領きゅうりょうではそこにのみしていたことを意味いみする)。ブラキストンせん関係かんけいから、エゾのたねもかなりがユーラシア大陸たいりくさんしゅである。そのはその地方ちほう特産とくさんしゅであることをしめす。琉球りゅうきゅう列島れっとうかんしては、リュウキュウ以外いがいにヤク(屋久やく)、アマミ(奄美あまみ)、ヤンバル(山原やまはら)、ヤエヤマ(八重山やえやま)、サキシマ(さきとう)といった接頭せっとうがある。
イエ(いえ)、ノ()
接頭せっとう。イエは人家じんかくう性質せいしつがあることをしめし、ノは栽培さいばい植物しょくぶつ農作物のうさくもつではない野生やせいの、といった意味いみがある。イエはもっぱら動物どうぶつで、ノはもっぱら植物しょくぶつ使つかわれるが、野生やせいした家畜かちくとう場合ばあい動物どうぶつにも使用しようされる(ノネコノヤギなど)。
イソ(いそ)、ウミ(うみ)、ハマ(はま)、オキ(おき)
接頭せっとうで、海洋かいようせい沿岸えんがんせいであることをしめすが、ウミの場合ばあいはまったく系統けいとうはなれた海産かいさん生物せいぶつ(ウミウサギウミケムシなど)であることも多々たたある。オキはもっぱら海産かいさん生物せいぶつにのみもちいられる。
イヌ(いぬ)
接頭せっとうもちいられ、なる、のがあり、この用法ようほうでは植物しょくぶつもちいられる。基準きじゅんとなる対象たいしょうしゅ薬草やくそう栽培さいばい植物しょくぶつとしてひとやく場合ばあい、イヌがいたそれにはまったひとやくにたない、といった否定ひていてきニュアンスがふくまれる。ただし、イヌサフランのような例外れいがいもある。動物どうぶつもちいられる場合ばあいは、たとえばイヌノミ場合ばあいよせぬし(イヌ寄生きせいする)をしめす。
オオ(だい)、オニ(おに)、ダイオウ(大王だいおう)、オオサマ(王様おうさま)、トノサマ(殿様とのさま)
接頭せっとうで、基準きじゅんとなる対象たいしょうしゅよりサイズがおおきいことをしめす。オオとオニがことなるたね場合ばあいはオニのほうがよりずっとおおきいのが一般いっぱんてきである。それら以上いじょうおおきい場合ばあいにトノサマ、オオサマ、ダイオウが使用しようされる。この場合ばあい順位じゅんいダイオウ>オオサマ>トノサマ>オニ>オオ、となるのが一般いっぱんてきである。
オニについては生物せいぶつたい全体ぜんたいてきにゴツゴツしている印象いんしょうがあったりとか、とげおおわれている、といった意味いみしめ場合ばあいもある。
クサ(におい)、ニオイ(におい)
接頭せっとうかおりがするしめす。基本きほん前者ぜんしゃ悪臭あくしゅう後者こうしゃ芳香ほうこうがすることをしめすが、後者こうしゃ使つかわれていても悪臭あくしゅう場合ばあいがある。ただし、クサくさ意味いみであるれいすくなくない。クサギにおいクサカゲロウにおい蜉蝣かげろうだが、クサイは「におい」ではなくくさである。クサスギカズラも「くさかずら」ではない。
クマ(くま)、ケ()
接頭せっとう多毛たもうせいである、体毛たいもうえているといったしめす。
コ(しょう)、ショウ(しょう)、スズメノ(すずめ)、チビ、ヒナ(ひな)、ヒメ(ひめ)、マメ(まめ)、ケシ(芥子からし)、ツブ(つぶ)、コナ(こな)、ミジン(微塵みじん)
接頭せっとうとしてもちいられ、基準きじゅんとなる対象たいしょうしゅよりサイズがちいさいことをしめす。同属どうぞくないなどで混在こんざいする場合ばあい関係かんけいまたショウ>ヒメ>チビ>ヒナ一般いっぱんてきであるが、たねすうおお昆虫こんちゅうなどの場合ばあいまたコガタまたショウ>ヒメ>マメ>ケシ>ツブ>チビ>チビケシ>コナ>ミジンがずらりとならぶことがあり、実際じっさいゲンゴロウではチビケシまで命名めいめいんでいる。スズメノは植物しょくぶつにのみもちいられる。
タカネ(高嶺たかね)、ミヤマ(深山ふかやま)、ヤマ(やま)
接頭せっとうとしてもちいられる。山地さんちさんする意味いみで、タカネはとく高山こうざんせいであることをしめす。ミヤマについてはかならずしも山地さんちせいではない場合ばあいがかなりある。
ダマシ(かた)、ニセ(にせ)、モドキ(なずらえ)
ニセは接頭せっとうとして、モドキ、ダマシは接尾せつび使つかわれる。いずれも基準きじゅんとなる対象たいしょうしゅなる、ので、学名がくめいにもたような接尾せつび使つかわれる同義どうぎギリシャ -psis や、接頭せっとう使つかわれる同義どうぎのギリシャpseudo-といったかたりがある。昆虫こんちゅう魚類ぎょるいなどたねすうおお生物せいぶつぐんには同属どうぞくないでモドキ、ダマシ、ニセがそれぞれ別種べっしゅ[1]として命名めいめいされたものがあり、混乱こんらんするので近年きんねんはあまりもちいられない。モドキはここからてんじて罵倒ばとうとしても使つかわれるようになった。
ナミ(なみ)、ホン(ほん)、マ(しん)
接頭せっとう。もっとも頻繁ひんぱん観察かんさつできるありふれたたねや、基準きじゅんとなる対象たいしょうしゅしめす。
メクラ(めくら)、メナシ()
接頭せっとう洞窟どうくつせい完全かんぜん退化たいかしている様子ようすし、魚類ぎょるい甲殻こうかくるい爬虫類はちゅうるいおおい。命名めいめいされた当時とうじまった問題もんだいなく長年ながねんしたしまれてきたが、近年きんねんになって差別さべつてきとの指摘してきがされている。

表記ひょうき

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学名がくめい和名わみょうぶんことなった書体しょたいもちいる。

学名がくめい
通常つうじょうイタリックで、タイプライター手書てがきなどでは下線かせんしめされる。ウィキペディアでは通常つうじょうイタリックで表示ひょうじされる「よわ強調きょうちょう」(編集へんしゅう画面がめんではシングルクオーテーションマーク2''でかこまれる)を使つかうのが一般いっぱんてきである。
和名わみょう
ぶんひらがななので、カタカナもちいることになっている。漢字かんじやひらがなでくのはあやまりとされる。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 身近みぢかれいではマツタケ(松茸まつたけ)がげられる。 同属どうぞくないにニセマツタケとマツタケモドキが各々おのおの別種べっしゅとして存在そんざいする。 学名がくめいはそれぞれ、
    マツタケ Tricholoma matsutake
    マツタケモドキ T. robustum
    ニセマツタケ T. fulvocastaneum
    である。

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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