第だい2次じ若槻わかつき内閣ないかく

第だい2次じ若槻わかつき内閣ないかく（だいにじ わかつきないかく）は、貴族きぞく院いん、立憲りっけん民政みんせい党とう総裁そうさいの若槻わかつき禮次郎れいじろうが第だい28代だい内閣ないかく総理そうり大臣だいじんに任命にんめいされ、1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）4月がつ14日にちから1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）12月13日にちまで続つづいた日本にっぽんの内閣ないかく。

第だい2次じ若槻わかつき内閣ないかく
内閣ないかく総理そうり大臣だいじん	第だい28代だい 若槻わかつき禮次郎れいじろう
成立せいりつ年月日ねんがっぴ	1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）4月がつ14日にち
終了しゅうりょう年月日ねんがっぴ	1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）12月13日にち
与党よとう・支持しじ基盤きばん	立憲りっけん民政みんせい党とう
内閣ないかく閣僚かくりょう名簿めいぼ（首相しゅしょう官邸かんてい）

閣僚かくりょうの顔かおぶれ・人事じんじ

国務大臣こくむだいじん

1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）4月がつ14日にち任命にんめい。在職ざいしょく日数にっすう244日にち（第だい1次じ、2次じ通算つうさん690日にち）。

職名しょくめい	代だい	氏名しめい		出身しゅっしん等とう	特命とくめい事項じこう等とう	備考びこう
内閣ないかく総理そうり大臣だいじん	28	若槻わかつき禮次郎れいじろう		貴族きぞく院いん 立憲りっけん民政みんせい党とう	拓ひらけ務つとむ大臣だいじん兼任けんにん	立憲りっけん民政みんせい党とう総裁そうさい
外務がいむ大臣だいじん	40	幣ぬさ原はら喜重郎きじゅうろう		貴族きぞく院いん 無所属むしょぞく （同和どうわ会かい） 男爵だんしゃく		留任りゅうにん
内務ないむ大臣だいじん	41	安達あだち謙藏けんぞう		衆議院しゅうぎいん 立憲りっけん民政みんせい党とう		留任りゅうにん
大蔵おおくら大臣だいじん	30	井上いのうえ準之助じゅんのすけ		貴族きぞく院いん 立憲りっけん民政みんせい党とう		留任りゅうにん
陸軍りくぐん大臣だいじん	20	南みなみ次郎じろう		陸軍りくぐん大将たいしょう （陸りく大だい17期き）		初はつ入閣にゅうかく
海軍かいぐん大臣だいじん	14	安保あぼ清きよし種しゅ		海軍かいぐん大将たいしょう （海兵かいへい18期き） 男爵だんしゃく		留任りゅうにん
司法しほう大臣だいじん	32	渡邊わたなべ千冬ちふゆ		貴族きぞく院いん 無所属むしょぞく （研究けんきゅう会かい） 子爵ししゃく		留任りゅうにん
文部もんぶ大臣だいじん	39	田中たなか隆三りゅうぞう		衆議院しゅうぎいん 立憲りっけん民政みんせい党とう		留任りゅうにん
農林のうりん大臣だいじん	6	町田まちだ忠治ただはる		衆議院しゅうぎいん 立憲りっけん民政みんせい党とう		留任りゅうにん
商工しょうこう大臣だいじん	7	櫻内さくらうち幸雄ゆきお		衆議院しゅうぎいん 立憲りっけん民政みんせい党とう		初はつ入閣にゅうかく
逓信ていしん大臣だいじん	33	小泉こいずみ又次郎またじろう		衆議院しゅうぎいん 立憲りっけん民政みんせい党とう		留任りゅうにん
鉄道てつどう大臣だいじん	8	江木えぎ翼つばさ		貴族きぞく院いん 立憲りっけん民政みんせい党とう （同どう成なり会かい）		留任りゅうにん 1931年ねん9月がつ10日とおか免めん
	9	原はら脩おさむ次郎じろう		衆議院しゅうぎいん 立憲りっけん民政みんせい党とう		1931年ねん9月がつ10日とおか任にん
拓ひらけ務つとむ大臣だいじん	3	原はら脩おさむ次郎じろう		衆議院しゅうぎいん 立憲りっけん民政みんせい党とう		初はつ入閣にゅうかく 1931年ねん9月がつ10日とおか免めん
	4	若槻わかつき禮次郎れいじろう		貴族きぞく院いん 立憲りっけん民政みんせい党とう	内閣ないかく総理そうり大臣だいじん兼任けんにん	1931年ねん9月がつ10日とおか兼けん 立憲りっけん民政みんせい党とう総裁そうさい
辞令じれいのある留任りゅうにんは個別こべつの代だいとして記載きさいし、辞令じれいのない留任りゅうにんは記載きさいしない。 臨時りんじ代理だいりは、大臣だいじん空位くういの場合ばあいのみ記載きさいし、海外かいがい出張しゅっちょう時じ等とうの一時いちじ不在ふざい代理だいりは記載きさいしない。 代数だいすうは、臨時りんじ兼任けんにん・臨時りんじ代理だいりを数かぞえず、兼任けんにん・兼務けんむは数かぞえる。

内閣ないかく書記官しょきかん長ちょう・法制ほうせい局きょく長官ちょうかん

1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）4月がつ14日にち任命にんめい。

職名しょくめい	代だい	氏名しめい		出身しゅっしん等とう	特命とくめい事項じこう等とう	備考びこう
内閣ないかく書記官しょきかん長ちょう	30	川崎かわさき卓吉たくきち		貴族きぞく院いん 立憲りっけん民政みんせい党とう （同和どうわ会かい）
法制ほうせい局きょく長官ちょうかん	27	武内たけうち作平さくへい		衆議院しゅうぎいん 立憲りっけん民政みんせい党とう		1931年ねん11月8日にち死亡しぼう欠かけ缺かけ
	28	斎藤さいとう隆夫たかお		衆議院しゅうぎいん 立憲りっけん民政みんせい党とう		1931年ねん11月9日にち任にん
辞令じれいのある留任りゅうにんは個別こべつの代だいとして記載きさいし、辞令じれいのない留任りゅうにんは記載きさいしない。 臨時りんじ代理だいりは、大臣だいじん空位くういの場合ばあいのみ記載きさいし、海外かいがい出張しゅっちょう時じ等とうの一時いちじ不在ふざい代理だいりは記載きさいしない。 代数だいすうは、臨時りんじ兼任けんにん・臨時りんじ代理だいりを数かぞえず、兼任けんにん・兼務けんむは数かぞえる。

政務次官せいむじかん

1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）4月がつ15日にち任命にんめい。

職名しょくめい	氏名しめい	出身しゅっしん等とう	備考びこう
外務がいむ政務次官せいむじかん	矢吹やぶき省三しょうぞう	貴族きぞく院いん／無所属むしょぞく（公正こうせい会かい）／男爵だんしゃく
内務ないむ政務次官せいむじかん	古屋こや慶けい隆たかし	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
大蔵おおくら政務次官せいむじかん	田た昌あきら	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
陸軍りくぐん政務次官せいむじかん	伊東いとう二郎じろう丸まる	貴族きぞく院いん／無所属むしょぞく（研究けんきゅう会かい）／子爵ししゃく	留任りゅうにん
海軍かいぐん政務次官せいむじかん	牧山まきやま耕こう蔵ぞう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
司法しほう政務次官せいむじかん	八並やつなみ武治たけはる	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
文部もんぶ政務次官せいむじかん	横山よこやま金太郎きんたろう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
農林のうりん政務次官せいむじかん	西村にしむら丹たん治郎じろう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
商工しょうこう政務次官せいむじかん	松村まつむら義一ぎいち	貴族きぞく院いん／無所属むしょぞく（公正こうせい会かい）
逓信ていしん政務次官せいむじかん	小池こいけ仁郎じろう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
鉄道てつどう政務次官せいむじかん	末松すえまつ偕一郎いちろう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
拓ひらけ務つとむ政務次官せいむじかん	紫むらさき安あん新九郎しんくろう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう

参与さんよ官かん

1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）4月がつ15日にち任命にんめい。

職名しょくめい	氏名しめい	出身しゅっしん等とう	備考びこう
外務がいむ参与さんよ官かん	田中たなか武雄たけお	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
内務ないむ参与さんよ官かん	小山谷おやまだに蔵ぞう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
大蔵おおくら参与さんよ官かん	前田まえだ房之助ふさのすけ	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
陸軍りくぐん参与さんよ官かん	比佐ひさ昌平しょうへい	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
海軍かいぐん参与さんよ官かん	鍋島なべしま直ただし縄なわ	貴族きぞく院いん／無所属むしょぞく（研究けんきゅう会かい）／子爵ししゃく
司法しほう参与さんよ官かん	戸沢とざわ民みん十郎じゅうろう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
文部もんぶ参与さんよ官かん	工藤くどう鉄男てつお	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
農林のうりん参与さんよ官かん	岡本おかもと実みのる太郎たろう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
商工しょうこう参与さんよ官かん	桜井さくらい兵へい五ご郎ろう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
逓信ていしん参与さんよ官かん	平川ひらかわ松太郎まつたろう	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
鉄道てつどう参与さんよ官かん	中島なかじま弥わたる団だん次じ	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう
拓ひらけ務つとむ参与さんよ官かん	杉浦すぎうら武雄たけお	衆議院しゅうぎいん／立憲りっけん民政みんせい党とう

勢力せいりょく早見はやみ表ひょう

※ 内閣ないかく発足ほっそく当初とうしょ（前ぜん内閣ないかくの事務じむ引継ひきつぎは除のぞく）。

出身しゅっしん	国務大臣こくむだいじん	政務次官せいむじかん	参与さんよ官かん	その他た
りつけんみんせいとう立憲りっけん民政みんせい党とう	8	9	11	法制ほうせい局きょく長官ちょうかん
けんきゆうかい研究けんきゅう会かい	1	1	1
とうわかい同和どうわ会かい	1	0	0	内閣ないかく書記官しょきかん長ちょう
とうせいかい同どう成なり会かい	1	0	0
こうせいかい公正こうせい会かい	0	2	0
くんふ軍部ぐんぶ	2	0	0
かんりよう官僚かんりょう	0	0	0
	13	12	12

内閣ないかくの動うごき

当時とうじ首相しゅしょうであった濱口はまぐち雄幸ゆうこうの病状びょうじょう悪化あっかにより濱口はまぐち内閣ないかくが総そう辞職じしょくした後のちに若槻わかつき禮次郎れいじろうが組閣そかくした。

外交がいこうにおいては中国ちゅうごくが、日本にっぽんがロシア（当時とうじソ連それん）より獲得かくとくした満まん洲しゅう権益けんえきを返還へんかんするよう求もとめており、中村なかむら大尉たいい事件じけんや万まん宝山たからやま事件じけんが発生はっせいし国民こくみんの対たい中ちゅう感情かんじょうが悪化あっか、融和ゆうわ路線ろせんをとってきた幣ぬさ原げん外交がいこうに行いき詰づまりが見みえ始はじめていた。内政ないせいでは世界せかい恐慌きょうこうでダメージを受うけ、金きむ解禁かいきん後のちに生糸きいと価格かかくや米べい価あたいが暴落ぼうらく、前ぜん内閣ないかくから留任りゅうにんした井上いのうえ準之助じゅんのすけ蔵相ぞうしょうのもとでの緊縮きんしゅく財政ざいせい下したで大量たいりょうの失業しつぎょう者ものが発生はっせいし中小ちゅうしょう企業きぎょうや農村のうそんが窮乏きゅうぼう化かしていた。

1931年ねん（昭和しょうわ6年ねん）9月18日にちには柳やなぎ条じょう湖みずうみ事件じけんを始端したんとして満まん洲しゅう事変じへんが発生はっせい。軍ぐんの応おう急派きゅうは兵へいの検討けんとうに入はいったが、19日にち午前ごぜん10時じの閣議かくぎで陸軍りくぐん大臣だいじん南みなみ次郎じろうは関東軍かんとうぐん増援ぞうえんを提議ていぎできず、事態じたい不拡大ふかくだいの方針ほうしんが決定けっていされた。しかし、朝鮮ちょうせん軍ぐんは独断どくだんで国境こっきょうを越こえた。これに対たいして予算よさんを付つけなければ朝鮮ちょうせん軍ぐんの活動かつどうは停止ていしせざるをえなかったが、予算よさんを認みとめてしまい満まん洲しゅう事変じへんが拡大かくだいするきっかけとなった。

若槻わかつきは安達あだち謙蔵けんぞうの提案ていあんで軍部ぐんぶを抑おさえる挙国一致きょこくいっち内ない閣かくを作つくるために立憲りっけん政友せいゆう会かいとの協力きょうりょくを模索もさくさせた。その後ごの閣かく内ない相談そうだんで閣僚かくりょうは協力きょうりょく内ない閣かくに拒否きょひの意見いけんであったため中止ちゅうししようとしたが、今度こんどは安達あだち謙蔵けんぞうが離反りはん、辞職じしょくを要求ようきゅうするも拒否きょひされた。明治めいじ憲法けんぽう下したでは首相しゅしょうに閣僚かくりょうの罷免ひめん権けんがなく閣かく内ない不一致ふいっちを是正ぜせいする方法ほうほうがなかったため総そう辞職じしょくすることとなった。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• 秦はた郁いく彦編へん『日本にっぽん官僚かんりょう制せい総合そうごう事典じてん：1868 - 2000』東京大学とうきょうだいがく出版しゅっぱん会かい、2001年ねん。
• 秦はた郁いく彦編『日本にっぽん陸海りくかい軍ぐん総合そうごう事典じてん』第だい2版はん、東京とうきょう大学だいがく出版しゅっぱん会かい、2005年ねん。

関連かんれん項目こうもく

• 第だい1次じ若槻わかつき内閣ないかく
• 1931年ねんの政治せいじ

外部がいぶリンク

• 首相しゅしょう官邸かんてい - 第だい2次じ若槻わかつき内閣ないかく