(Translated by https://www.hiragana.jp/)
米 - Wikipedia

べい

いね果実かじつであるもみから外皮がいひった粒状りゅうじょう穀物こくもつ

べい(こめ)は、いね果実かじつであるもみから外皮がいひった粒状りゅうじょう穀物こくもつである。穀物こくもつ一種いっしゅとして米穀べいこく(べいこく)ともぶ。食用しょくようとする場合ばあい系統けいとう品種ひんしゅ性質せいしつによっては調理ちょうりほうことなるため注意ちゅうい必要ひつよう(イネの系統けいとうべい、および、種類しゅるい参照さんしょう)。

江戸えど時代じだい農業のうぎょう百科ひゃっか事典じてん成形せいけい図説ずせつ』のイラスト(1804ねん

日本にっぽんでは主食しゅしょくひとつであり[1]日本語にほんごでは「いね」「べい」「めし」といった、植物しょくぶつとしての全体ぜんたい収穫しゅうかくまえ収穫しゅうかくさらに調理ちょうりぜんなどにより使つかけられる多様たよう語彙ごいがある。日本にっぽんふくひがしアジアおよび東南とうなんアジアみなみアジア以外いがいでは一般いっぱんてき主食しゅしょくとして特別とくべつすることが希薄きはくであり、こうした区別くべつがない言語げんご多数たすうある。たとえば英語えいごけんではすべriceという同一どういつ単語たんごあつかわれる(反対はんたいに、日本にっぽんでは「大麦おおむぎ」「小麦こむぎ」「エンむぎ」などがあま区別くべつされず「むぎ」という総称そうしょうわれる)。また、日本語にほんごで「めし」は食事しょくじ全般ぜんぱんすため、「あさ御飯ごはんはパンをべた」という表現ひょうげんごく一般いっぱんてきである。

たんつぶしゅ玄米げんまい
成熟せいじゅくイネ長粒種ちょうりゅうしゅ
形態けいたい 部位ぶいめい
A もみ (1) 籾殻もみがら
B 玄米げんまい (2) ぬか
C 胚芽はいがまい (3) 残留ざんりゅうぬか
D 白米はくまい (4) 胚芽はいが
E 洗米せんまい (5) 胚乳はいにゅう

イネの系統けいとうべい

編集へんしゅう
 
国際こくさいいね研究所けんきゅうじょ(IRRI)によるべい種子しゅし収集しゅうしゅう

イネ植物しょくぶつにはイネのほかにも、コムギオオムギトウモロコシなど、人間にんげんにとって重要じゅうよう食用しょくよう作物さくもつふくまれる。イネはトウモロコシ、コムギとともに世界せかいさんだい穀物こくもつばれている[2]

イネイネぞく植物しょくぶつには22しゅられている[2]。このうち野生やせいイネが20しゅ栽培さいばいイネは2しゅのみである[2]栽培さいばいイネはおおきくアジアイネ(アジアしゅ、サティバしゅOryza sativa L.)とアフリカイネ(アフリカしゅ、グラベリマしゅOryza glaberrima Steud.)にけられる[2][3][4]。また、両者りょうしゃたねあいだ雑種ざっしゅから育成いくせいされたネリカがある。

アジアイネと系統けいとう

編集へんしゅう

イネは狭義きょうぎにはアジアイネ (Oryza sativa) を[3]。アジアイネにはジャポニカしゅとインディカしゅの2つの系統けいとうがあり[3]、これらの両者りょうしゃ交雑こうざつによってしょうじたなかあいだてき品種ひんしゅぐん数多かずおお存在そんざいする[3]。アジアイネ(アジアしゅ、サティバしゅ)のべいは、ジャポニカしゅ日本にっぽんがたまい、ジャポニカ・タイプ)、インディカしゅ(インドがたまい、インディカ・タイプ)、そして、その中間ちゅうかんジャバニカしゅ(ジャワがたまい、ジャバニカ・タイプ)に分類ぶんるいされている[4][5]。それぞれのべいにはつぎのような特徴とくちょうがある。

ジャポニカしゅ日本にっぽんがたたんつぶしゅたんつぶまい
つぶがたまるみがあるえんつぶで、加熱かねつねば弾性だんせいねばり)がたか[2][6]日本にっぽんでの生産せいさんは、ほぼ全量ぜんりょうがジャポニカしゅで、いたときにねばりともちもちかんがあるのが特徴とくちょう[7]おも調理ちょうりほうは、くかふかす。たねくら格段かくだんたい寒冷かんれい特性とくせいしめし、日本にっぽんほかでは朝鮮半島ちょうせんはんとう中国ちゅうごく東北とうほく生産せいさんされている。
インディカしゅ(インドがた長粒種ちょうりゅうしゅちょうつぶまい
つぶがた細長ほそながちょうつぶで、加熱かねつねば弾性だんせいねばり)はひく[6]。「タイべい」ともよばれ、くとパラパラした米飯べいはんになる[8]世界せかいてきにはジャポニカしゅよりもインディカしゅ生産せいさんりょうおおい。おも調理ちょうりほうる()。
日本にっぽんのジャポニカしゅ中国ちゅうごく大陸たいりく江南えなから伝搬でんぱんしたとせつ有力ゆうりょくであるが、江南こうなん地域ちいき自体じたいは、10世紀せいきごろインドシナ半島いんどしなはんとう経由けいゆして流入りゅうにゅうしたインディカしゅ一種いっしゅであるうらないじょういねチャンパべい)が、旱害かんがいつよく、早稲わせしゅ二期作にきさく容易よういなどの理由りゆうから普及ふきゅうし、江南こうなんをはじめとした中国ちゅうごく大陸たいりく南部なんぶはインディカしゅ生産せいさん地域ちいきとなっている。
ジャバニカしゅ(ジャワがた大粒おおつぶしゅ
ながさとはばともにおおきい大粒おおつぶであり、ねばりはインディカしゅちかい。東南とうなんアジア島嶼とうしょおも生産せいさんされるほか、イタリアブラジルなどでも生産せいさんされる。

なお、日本にっぽんがたとインドがた分類ぶんるいしたうえで、このうちの日本にっぽんがた温帯おんたい日本にっぽんがた熱帯ねったい日本にっぽんがた(ジャバニカしゅ)として分類ぶんるいする場合ばあいもある[2][9]

品種ひんしゅ銘柄めいがら

編集へんしゅう

日本にっぽんにおいては、農産物のうさんぶつ規格きかく規程きていに、品位ひんい規格きかくと、「産地さんち品種ひんしゅ銘柄めいがら」として都道府県とどうふけんごといくつかのいね品種ひんしゅあらかじさだめられている。玄米げんまいは、米穀べいこく検査けんさで、品位ひんい規格きかく合格ごうかくすると、その品種ひんしゅ産地さんち産年さんねん証明しょうめいける。輸入ゆにゅうひん輸出ゆしゅつくにによる証明しょうめいける。

日本にっぽん国内こくないでのべい銘柄めいがら品種ひんしゅ)の包装ほうそうへの表示ひょうじは、玄米げんまいおよ精米せいまい品質ひんしつ表示ひょうじ基準きじゅんさだめられている。

  • 原料げんりょう玄米げんまい産地さんち品種ひんしゅ産年さんねん同一どういつ証明しょうめいけている単一たんいつ銘柄米めいがらまいは、それらと、「使用しよう割合わりあい100%」を表示ひょうじする
  • ブレンド米ぶれんどまいは「複数ふくすう原料げんりょうまい」などと表示ひょうじし、原産げんさんこくごと使用しよう割合わりあい表示ひょうじし(日本にっぽんさん国内産こくないさん表示ひょうじ)、証明しょうめいけている原料げんりょう玄米げんまいについて、使用しよう割合わりあいおおじゅんに、産地さんち品種ひんしゅ産年さんねん使用しよう割合わりあい表示ひょうじできる

証明しょうめいけていない原料げんりょう玄米げんまいについては「検査けんさまい」などと表示ひょうじし、品種ひんしゅ表示ひょうじできない。情報じょうほう公開こうかいより偽装ぎそう防止ぼうし優先ゆうせんしているともいえる。

主食しゅしょくである日本にっぽんでは、べい生産せいさん販売はんばいかんする規制きせい緩和かんわされ、かく地域ちいき食味しょくみ栽培さいばいしやすさを改善かいぜんした品種ひんしゅ開発かいはつ販売はんばいちかられる「ブランドまい競争きょうそうはげしくなっている。日本にっぽんべい品種ひんしゅは800をえる[10]

種類しゅるい

編集へんしゅう
 
インドネシアべいなら多種たしゅ多様たようのコメ

べい各種かくしゅ観点かんてんから以下いかのように分類ぶんるいされる。

なお、日本にっぽんでは農産物のうさんぶつ検査けんさほうによる公示こうじの『農産物のうさんぶつ規格きかく規程きてい』や、JASほうもとづいた告示こくじの「玄米げんまいおよ精米せいまい品質ひんしつ表示ひょうじ基準きじゅん[11]一定いっていさだめがある。

水稲すいとう陸稲おかぼ

編集へんしゅう

水田すいでん栽培さいばいするイネを水稲すいとう(すいとう)、たいひでりせいたいびょうせいつよはたけ栽培さいばいするイネを陸稲おかぼ(りくとう、おかぼ)という[5][6]水稲すいとう陸稲おかぼ性質せいしつちがいがあるが、おなしゅ連続れんぞくてき変異へんいかんがえられている。

一般いっぱんてき圃場ほじょう整備せいびについては水稲すいとうほうがコストがかかる一方いっぽうで、面積めんせきたりの収量しゅうりょうおおく、連作れんさく障害しょうがいほとん[12]などのメリットと、全国ぜんこくてき水田すいでん整備せいびわたったことから、現在げんざい日本にっぽん稲作いなさくでは、ほとんどが水稲すいとうである。水稲すいとう収穫しゅうかくりょうは798まん6000t陸稲おかぼ収穫しゅうかくりょうは2700t(2015ねん見込みこみ)おおよそ水稲すいとう陸稲おかぼの2957ばいとなっている。また、栽培さいばい面積めんせきにおいても水稲すいとうが99.9%以上いじょうめている。

日本にっぽんでは水稲すいとう陸稲おかぼ区分くぶん農産物のうさんぶつ規格きかく規程きていにおいても規定きていされている。日本にっぽんでは水稲すいとう陸稲おかぼ明確めいかく区別くべつされているが、くにでは明確めいかくには区別くべつされていない[2]世界せかいてきると水稲すいとうといっても灌漑かんがいいね天水てんすいいね深水ふかみいね、浮稲のように栽培さいばい環境かんきょうおおきくことなっている[13])。

粳米うるちまい糯米もちごめ

編集へんしゅう

べいのぬかそうのぞいた中心ちゅうしん部分ぶぶん胚乳はいにゅう)のデンプン性質せいしつもちうるちせい)のちがいにより、うるちせいのものをうるちしゅあるいは粳米うるちまい(うるちまい、うるごめ、あるいはたんうるち〈うるち、うる〉)、もちせいのものをもちしゅあるいは糯米もちごめ(もちまい、もちごめ)にけられる[5][9][7]

日本にっぽんでは玄米げんまいおよ精米せいまい品質ひんしつ表示ひょうじ基準きじゅんで、「うるち」と「もち」にけられている。

粳米うるちまい(うるちまい)
デンプン分子ぶんしちょくくさりアミロースやく20%とぶんえだくさりアミロペクチンやく80%からこめ。もちまいよりねばすくない[4]粳米うるちまい通常つうじょう米飯べいはんもちいられる。販売はんばいで「うるち」を省略しょうりゃくされることがみとめられていて、「もち」とことわりがければ「うるち」である。団子だんごなどの材料ざいりょうとする上新かみしんは、粳米うるちまい粉末ふんまつ加工かこうしたものである。
糯米もちごめ(もちごめ)
デンプンにアミロースをふくまず、アミロペクチンだけがふくまれるこめ[14][15]。モチせい品種ひんしゅのデンプンは調理ちょうりつよ粘性ねんせいしょうじるという特性とくせい[16]透明とうめいかんがない乳白色にゅうはくしょく特徴とくちょうで、もち[7]強飯こわいい赤飯せきはんもちいられる。白玉しらたま材料ざいりょうとする白玉粉しらたまこ和菓子わがし材料ざいりょうとする寒梅かんばいは、糯米もちごめ粉末ふんまつ加工かこうしたものである。

アジアイネではジャポニカしゅだけでなくインディカしゅにも糯米もちごめ存在そんざいするが[4]、アフリカイネについてはもちせいのものはられていない[3]

日本にっぽんでは、もち以外いがいの「ごはん」ではアミロースがすくなく、ねばりやあまみがあるべい品種ひんしゅこのまれてきた。現代げんだいではパラパラしたしょくかんがるこうアミロースまい開発かいはつされている(秋田あきたけんの「あきたぱらり」、福井ふくいけんの「こしリゾット」など)。チャーハンパエリアくほか、一般いっぱんてきにアミロース含有がんゆうりつたかいほど食後しょくご血糖けっとう上昇じょうしょうゆるやかになることなどが理由りゆうである[14]

なお、もちうるちせいのある植物しょくぶつとしては、イネのほか、トウモロコシ、オオムギ、アワキビモロコシアマランサスなどがある[17]

軟質なんしつまい硬質こうしつまい

編集へんしゅう

べい軟質なんしつまい硬質こうしつまいけられる[6]軟質なんしつまい食味しょくみてんすぐれるが貯蔵ちょぞうせいてんではおと[6]

めしようまい酒造しゅぞうまい

編集へんしゅう

醸造じょうぞうよう酒造しゅぞうまい酒造しゅぞうようまいさけまい)はめしようまい区分くぶんされる[6][9]農産物のうさんぶつ規格きかく規程きていには、「うるち」と「もち」にくわえて醸造じょうぞうようさだめられている。酒造しゅぞう酒税しゅぜいほう規制きせいされているため個人こじんようにはられていない。

新米しんまい古米こまい

編集へんしゅう

べい新米しんまい古米こまい区分くぶんされる[6]。「新米しんまい古米こまい」を参照さんしょう

有色ゆうしょくまい

編集へんしゅう

黒米くろごめあかまいみどりまいなどを総称そうしょうして有色ゆうしょくまいという[4]野生やせいしゅちかこめである[4]古代こだいから栽培さいばいしていた品種ひんしゅあるいは古代こだい野生やせいしゅ形質けいしつのこした品種ひんしゅ総称そうしょうとして古代こだいまいばれることもある。ブータンではあかまい一種いっしゅであるブータンあかまい主食しゅしょくとしてひろしょくされている。

また、べいではなくくきみどり以外いがいいろむらさきあかとう)にまるいねして有色ゆうしょくまいという場合ばあいもあるが、などが着色ちゃくしょくするからといってかならずしも玄米げんまい着色ちゃくしょくするわけではない。たとえば「むらさききみ」は玄米げんまい黒米くろごめとなるが葉色はいろみどりである。そのようないね活用かつよう事例じれいとして有名ゆうめいなものに青森あおもりけん田舎館いなかだてむらが1993ねんよりむらおこしで、ことなるいねけてえがんぼアートおこなっている。また、それらの品種ひんしゅをさらに改良かいりょうした観賞かんしょうよういね開発かいはつ青森あおもりけん秋田あきたけんおこなわれている。

  • あかまい(あかまい) - 日本にっぽんべいのルーツといわれ、「古代こだいまい」ともいわれ、白米はくまいよりもビタミンが豊富ほうふ[8]炊飯すいはんするときは、白米はくまいすこぜてながめに浸水しんすいしてから[8]
  • 黒米くろごめ(くろまい) - アントシアニン色素しきそふくんでいるのが特徴とくちょうで、白米はくまいよりもビタミンやミネラルが豊富ほうふ[8]炊飯すいはんするときは、白米はくまいすこぜてながめに浸水しんすいしてから[8]

かおまい

編集へんしゅう

つよかおりを品種ひんしゅかおまいという。東南とうなんアジア、みなみアジア、西にしアジアなど、地域ちいきによってはかおりのすくない品種ひんしゅよりもこのまれる。インドバスマティなどが有名ゆうめい日本にっぽんでも北海道ほっかいどう宮城みやぎけん高知こうちけん鳥取とっとりけん宮崎みやざきけんなど各地かくち独自どくじかおまいつくっていて、生産せいさん増加ぞうか傾向けいこうにある。

生産せいさん流通りゅうつう

編集へんしゅう

べい生産せいさん

編集へんしゅう
べい生産せいさんだか トップ20ヶ国かこく
(2017ねんひゃくまんトン、FAO統計とうけい)[18]
  中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく 212.6
  インド 168.5
  インドネシア 81.1
  バングラデシュ 54.1
  ベトナム 42.8
  タイ 32.7
  ミャンマー 25.6
  フィリピン 19.3
  ブラジル 12.5
  パキスタン 11.2
  カンボジア 10.4
  日本にっぽん 9.8
  アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 8.1
  ナイジェリア 6.6
  韓国かんこく 5.3
  ネパール 5.2
  エジプト 5.0
  ラオス 4.0
  マダガスカル 3.6
  スリランカ 2.4

年間ねんかん生産せいさんりょうは7おく5674まんトンをえる(もみ以下いかいずれも農林水産省のうりんすいさんしょう海外かいがい統計とうけい情報じょうほう』より、「FAOSTAT」の2020ねん統計とうけい[19])。べい小麦こむぎ年間ねんかん生産せいさんりょう7おく6092まんトン)、トウモロコシ年間ねんかん生産せいさんりょうやく11おく6235まんトン)とともに世界せかいさんだい穀物こくもつといわれる。1980年代ねんだい生産せいさんりょうは4おく5000まんトン前後ぜんこうであったため大幅おおはば増産ぞうさんされていることが理解りかいされる。

生産せいさんりょう増加ぞうか基調きちょうだが、在庫ざいこりょう需要じゅようびを背景はいけいに2000ねんをピークに減少げんしょうしている。在庫ざいこりつは2006ねんには20%をんだ[20]べいの9わりちかくはアジアけん生産せいさんされ、消費しょうひされる。最大さいだい生産せいさんこく中国ちゅうごくで、インドインドネシアつづく。

 
世界せかいべい生産せいさんりょう(2000ねん

日本にっぽんにおける生産せいさんじょうきょう

編集へんしゅう

日本にっぽん農業のうぎょうにおいて、べいさい重要じゅうよう農産物のうさんぶつであり、農産物のうさんぶつ全体ぜんたいめる生産せいさんがく割合わりあいは、2021ねんれい元年がんねん)においても農業のうぎょうそう産出さんしゅつがく8ちょう8,938おくえんちゅう1ちょう7,426おくえんと19.6%をめ、だい2であるにくよううしの7,880おくえんおおきくはな[21]など単一たんいつさくとしては最大さいだいでありつづけている。しかしながら、近年きんねん一貫いっかんしてその比率ひりつとし、1960年代ねんだいは50%前後ぜんごだったものが、現況げんきょう割合わりあいにまで縮小しゅくしょうしている。生産せいさんがくは、1984ねん昭和しょうわ59ねん)の3ちょう9,300おくえん年間ねんかん生産せいさんりょうやく1180まんトン)をピークとして、2014ねん平成へいせい26ねん)には1ちょう4,343おくえん年間ねんかん生産せいさんりょうやく844まんトン)程度ていどまで減少げんしょう[注釈ちゅうしゃく 1]べい野菜やさいべい果物くだもののぞこうしゅ)、畜産ちくさんぶつ果物くだもの分類ぶんるいにおいては、2000ねん前後ぜんこうには畜産ちくさんぶつに、2005ねん前後ぜんこうには野菜やさいかれ、日本にっぽん産業さんぎょうとしての農業のうぎょうにおける地位ちい年々ねんねん低下ていかしている[22]

べい貿易ぼうえき

編集へんしゅう
べい輸出入ゆしゅつにゅう トップ10ヶ国かこく
(2017ねんひゃくまんトン、FAO統計とうけい)[23][24]
輸出ゆしゅつ 輸入ゆにゅう
  インド 12.0   中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく 3.9
  タイ 11.6   ベナン 1.9
  ベトナム 5.8   バングラデシュ 1.6
  アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 3.2   コートジボワール 1.3
  パキスタン 3.9   イラン 1.3
  中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく 1.2   サウジアラビア 1.2
  ミャンマー 1.1   みなみアフリカ共和きょうわこく 1.1
  ウルグアイ 1.0   フィリピン 0.9
  イタリア 0.7   メキシコ 0.9
  ブラジル 0.6   イラク 0.9

べい穀物こくもつくらべ、生産せいさんりょうたいして貿易ぼうえきりょうすくない(生産せいさんりょうやく7%、なお、小麦こむぎやく20%、トウモロコシはやく12%が生産せいさんりょうたいする貿易ぼうえきりょうとなっている)。これは、べい基礎きそ食料しょくりょうとして国内こくない消費しょうひされる傾向けいこうつよいため、生産せいさんりょうめる貿易ぼうえきりょう割合わりあいひくくなっているためである[20]。そのため、小麦こむぎやトウモロコシとことなり、国際こくさいてきだい規模きぼ商品しょうひん先物さきもの取引とりひき対象たいしょう商品しょうひんとなっていない。国際こくさい取引とりひき指標しひょうは、タイこく貿易ぼうえき取引とりひき委員いいんかい (BOT) の長粒種ちょうりゅうしゅ輸出ゆしゅつ価格かかくとなっている。

しかしながら、べい貿易ぼうえきりょうは、増加ぞうか傾向けいこう推移すいいしている。主要しゅよう輸出ゆしゅつこくインドタイベトナムアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくパキスタンで、この5カ国かこく世界せかい輸出ゆしゅつ総量そうりょうの8わりきょうめる。一方いっぽう輸入ゆにゅうこく中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくベナンバングラデシュコートジボワールイランなどで各国かっこく100まん〜200まんトンを輸入ゆにゅうしているが、作況さっきょうにより取引とりひきりょう増減ぞうげんおおきい。

日本にっぽんかんしては、太平洋戦争たいへいようせんそうべい農業のうぎょう政策せいさく根幹こんかんであったため、昭和しょうわ40年代ねんだい(1965ねん - 1974ねん初頭しょとうべい自給じきゅう実現じつげんできるようになって以降いこう原則げんそくとして輸入ゆにゅうがなされなかった。が、ウルグアイ・ラウンドにおいて、関税かんぜい延期えんきする代償だいしょうとしてコメにおいては品目ひんもくよりもきびしい輸入ゆにゅうわくミニマム・アクセス)をれ、1993ねん平成へいせい5ねん以降いこう年間ねんかん77まんトンの輸入ゆにゅうおこなっている[25]。なお、年間ねんかんまんトン程度ていど輸出ゆしゅつおこなっている[26]

現代げんだい日本にっぽんにおける市場いちば取引とりひき

編集へんしゅう

コメの取引とりひきは、生産せいさんしゃやJA、おろし小売こうり業者ぎょうしゃらのあいだおこなわれる相対そうたい取引とりひき中心ちゅうしんで、ひろひらかれた市場いちばがないため、公平こうへい透明とうめい価格かかく形成けいせいおこなわれていないと指摘してきされている[27]いまはJAグループが農家のうかから集荷しゅうかするさい支払しはら仮払金かりばらいきん(「概算がいさんきん」とばれる)がコメ相場そうば左右さゆうしており、需要じゅようっても概算がいさんきんがれば取引とりひき価格かかく値上ねあがりするという消費しょうひしゃかられば納得なっとくしにくい相場そうばになっている[28][29]

かつては、近代きんだいてき先物さきもの取引とりひき市場いちばとして[注釈ちゅうしゃく 2]、2011ねん8がつ8にちより東京とうきょう穀物こくもつ商品しょうひん取引とりひきしょ関西かんさい商品しょうひん取引とりひきしょで「コメ先物さきもの」として商品しょうひん先物さきもの取引とりひき試験しけん上場じょうじょう開始かいし。2013ねん2がつ12にち名称めいしょう関西かんさい商品しょうひん取引とりひきしょから改名かいめいした「大阪おおさか堂島どうじま商品しょうひん取引とりひきしょげん堂島どうじま取引とりひきしょ)」が、東京とうきょう穀物こくもつ商品しょうひん取引とりひきしょ閉所にともない、同所どうしょからコメ先物さきもの取引とりひき東京とうきょうコメ)をいだ。なお、現物げんぶつ決済けっさい標準ひょうじゅんひんは、「東京とうきょうコメ」については茨城いばらきけんさん栃木とちぎけんさんおよび千葉ちばけんさんコシヒカリ、「大阪おおさかコメ」は石川いしかわけんさんおよび福井ふくいけんさんのコシヒカリとなっていた。しかしながら、大阪おおさか堂島どうじま商品しょうひん取引とりひきしょは2021ねん8がつ6にち、コメ先物さきもの取引とりひきほん上場じょうじょうへの移行いこうが、生産せいさんしゃ参加さんかおおきくはえておらず生産せいさん流通りゅうつう円滑えんかつにする観点かんてんから不十分ふじゅうぶんとの理由りゆうにより農林水産省のうりんすいさんしょう認可にんかされなかったむね発表はっぴょう、すでに成立せいりつしている取引とりひきわる2022ねん6がつ以降いこうはコメ先物さきものあつかえなくなった[30][31]

コメ先物さきもの上場じょうじょう廃止はいし価格かかく指標しひょう消滅しょうめつしたが、だい規模きぼコメ農家のうかやJA、コメおろしなどは価格かかく指標しひょう必要ひつようとの認識にんしき一致いっちしている[29]。このため、自民党じみんとう農林水産省のうりんすいさんしょう現物げんぶつ市場いちば創設そうせつもとめていた[27]農林水産省のうりんすいさんしょうは、「べい現物げんぶつ市場いちば検討けんとうかい[32]設置せっちし、需給じゅきゅう実態じったいった価格かかく指標しひょう提供ていきょうする現物げんぶつ市場いちば制度せいど設計せっけいおこなった。2022ねん3がつには、市場いちば制度せいど設計せっけいりまとめがおこなわれ、JAなど集荷しゅうか業者ぎょうしゃ卸売おろしうり業者ぎょうしゃあいだの「大口おおぐち取引とりひき」と生産せいさんしゃ卸売おろしうり業者ぎょうしゃ実需じつじゅしゃあいだの「小口こぐち取引とりひき」の2本立ほんだてとする方針ほうしんしめされた[27]現物げんぶつ市場いちばマッチングとなり、代表だいひょうてき産地さんち品種ひんしゅ銘柄めいがらかんする⾼値たいもっと取引とりひき価格かかくたか価格かかくたい)・中値なかねたいもっと取引とりひきりょうおお価格かかくたい)・安値やすねたい中値なかね未満みまんもっと取引とりひきりょうおお価格かかくたい) 、およびこれらの価格かかくたい対応たいおうした取引とりひきりょうをリアルタイムで公表こうひょうする[33][34]

農林水産省のうりんすいさんしょうは、2022ねん11月25にちひらかれた自民党じみんとう会合かいごうで、コメの現物げんぶつ市場いちばを2023ねんあきにも開設かいせつできるようにする方針ほうしんしめした[27][34][35]シンクタンクである「公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん流通りゅうつう経済けいざい研究所けんきゅうじょ」(東京とうきょう千代田ちよだ)が現物げんぶつ市場いちば開設かいせつ運営うんえいする意向いこうしめしており、どう研究所けんきゅうじょのマッチングシステム「アグリーチ」を使つかって農林のうりん⽔産ぶつの⽣産しゃ卸売おろしうり業者ぎょうしゃ実需じつじゅしゃをマッチングすることをあきらかにした[27][34][35]

11月29にち閣議かくぎ記者きしゃ会見かいけんで、野村のむら哲郎てつろう農相のうしょうは、現物げんぶつ市場いちば消費しょうひしゃへの影響えいきょうわれ、「がわがわ両者りょうしゃはいっているなかで検討けんとうされるので透明とうめいせい公平こうへいせいがあり、消費しょうひしゃにとって納得なっとくのいく価格かかく設定せっていされるのではないか」と期待きたいかたった[36]

農水省のうすいしょうは、2023ねん3がつ24にちひらかれた自民党じみんとう総合そうごう農林のうりん政策せいさく調査ちょうさかい農林のうりん部会ぶかい合同ごうどう会議かいぎでコメの現物げんぶつ市場いちばについて報告ほうこくし、水稲すいとう野菜やさい栽培さいばいがける農業のうぎょう法人ほうじんの「ぶった農産のうさん」(石川いしかわけん野々市ののいち)があらたに開設かいせつ意向いこうしめしたと発表はっぴょうした[29][37]。「みらいまい市場いちば」を運営うんえいする流通りゅうつう経済けいざい研究所けんきゅうじょと「グリーンフードテックマーケット」を運営うんえいするぶった農産のうさんが、それぞれ具体ぐたいてき事業じぎょう運営うんえい⽅法や価格かかく指標しひょう公表こうひょう方法ほうほうひらけ⽰した[29][37]

農水省のうすいしょうは、現物げんぶつ市場いちば創設そうせつけて、べい生産せいさんしゃ集荷しゅうか団体だんたい卸売おろしうり業者ぎょうしゃによる「情報じょうほう共有きょうゆう」として「べい産業さんぎょう活性かっせいのための意見いけん交換こうかん」を開始かいしした[38]。また、将来しょうらい米価べいか把握はあくするための方法ほうほうについて、生産せいさんしゃ集荷しゅうか業者ぎょうしゃ卸売おろしうり業者ぎょうしゃ実需じつじゅしゃ目線めせん勉強べんきょうする「べい将来しょうらい価格かかくかんする実務じつむしゃ勉強べんきょうかい」を開始かいしした[39]。2023ねん8がつ2にちだい1かいべい将来しょうらい価格かかくかんする実務じつむしゃ勉強べんきょうかい[39]と8がつ9にちだい3かいべい産業さんぎょう活性かっせいのための意見いけん交換こうかん[38]では、ぶった農産のうさん佛田ぶつでん利弘としひろ社長しゃちょうが「グリーンフードテックマーケット」[40]について、流通りゅうつう経済けいざい研究所けんきゅうじょ折笠おりかさ俊輔しゅんすけ主席しゅせき研究けんきゅういん[41]が「みらいまい市場いちば[42]について、それぞれ説明せつめいした。

大手おおてコメおろし神明しんめい東京とうきょう中央ちゅうおう)、東京とうきょう商品しょうひん取引とりひきしょ堂島どうじま取引とりひきしょSBIホールディングスなど16しゃ出資しゅっしけ、流通りゅうつう経済けいざい研究所けんきゅうじょは「みらいまい市場いちば」を運営うんえいする「みらいまい市場いちば株式会社かぶしきがいしゃ」(東京とうきょう新宿しんじゅく)を2023ねんがつ10日とおか設立せつりつ[43][44][45][46][47]、10月16にち市場いちば開設かいせつした[45][47][48]最大さいだいとしてホクレン農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい連合れんごうかい北海道ほっかいどう札幌さっぽろ)が参加さんか[44][48]、10月18にちにオンライン市場いちば出品しゅっぴんする道内どうないの11生産せいさん部会ぶかいとコメ15種類しゅるい公表こうひょうした[49]

また、ぶった農産のうさん田仲たなか農場のうじょう茨城いばらきけん稲敷いなしき)は、「グリーンフードテックマーケット」の運営うんえい会社かいしゃとして「農場のうじょう(のうば)」(石川いしかわけん野々市ののいち)を10月12にち設立せつりつし、12月以降いこう取引とりひきはじめると発表はっぴょうした[50][51][52]

コメ現物げんぶつ市場いちば取引とりひき活発かっぱつになれば、天候てんこうなどによる価格かかく変動へんどうリスクをヘッジできる先物さきもの取引とりひきのニーズがたかまることが予想よそうされる。このため、コメ先物さきものさい上場じょうじょう目指めざ堂島どうじま取引とりひきしょは、独自どくじに「コメ先物さきもの市場いちば開設かいせつかか有識者ゆうしきしゃ会議かいぎ」を開催かいさいし、11月28にちはつ会合かいごうにプレゼンターとして「みらいまい市場いちば」の折笠おりかさ社長しゃちょうまねいた[53]とう業者ぎょうしゃ意見いけんれた商品しょうひん設計せっけいおこなってほん上場じょうじょう申請しんせいする準備じゅんびはじめた[53]

農水省のうすいしょうは、2024ねん1がつ30にちに「コメの将来しょうらい価格かかくかんする実務じつむしゃ勉強べんきょうかい」のとりまとめ[54]公表こうひょうした[53]勉強べんきょうかいでは、国産こくさんまい安定あんていてき取引とりひき持続じぞくするためには、需要じゅようおうじた生産せいさん事前じぜん契約けいやく拡大かくだい継続けいぞくしてみ、供給きょうきゅうがわさい生産せいさん可能かのう米価べいか確保かくほする重要じゅうようせい指摘してきされた[54]将来しょうらい価格かかくあらかじめることは、さき見通みとおした経営けいえい需要じゅようおうじた生産せいさん実現じつげん寄与きよする[54]あらかじ取引とりひき価格かかくめられる取引とりひき形態けいたいは3種類しゅるいあり、現時点げんじてんおこなわれている「現物げんぶつさきわたり相対そうたい取引とりひき」(事前じぜん契約けいやく取引とりひき)と現時点げんじてんではおこなわれていない「現物げんぶつ市場いちばさきわたり取引とりひきおよび「先物さきもの市場いちば取引とりひき」がある[54]。これらの取引とりひき形態けいたいわせて活用かつようすれば、かく事業じぎょうしゃ将来しょうらい価格かかく変動へんどうたいするリスク抑制よくせいおこな場合ばあい選択肢せんたくしひろがることが期待きたいされるとしるしている[53][54]あらたな現物げんぶつ市場いちばとして「みらいまい市場いちば」や「グリーンフードテックマーケット」が開設かいせつされ、市場いちば取引とりひき拡大かくだいしている[54]今後こんご将来しょうらい価格かかくめることができる取引とりひき選択肢せんたくしえ、関係かんけいしゃがそれぞれの事情じじょうおう活用かつようするようになることが重要じゅうようであるとまとめている[54]

堂島どうじま取引とりひきしょは、2024ねん2がつ3にちまでに株主かぶぬしたいして臨時りんじ株主かぶぬし総会そうかい開催かいさいするむね通知つうちした[55][56]市場いちば価格かかくから算出さんしゅつする米価べいか指数しすう先物さきもの上場じょうじょうけ、2がつ下旬げじゅんにも農林水産省のうりんすいさんしょう経済けいざい産業さんぎょうしょう認可にんか申請しんせいする方針ほうしんかためたことがあきらかになった[55][56]みとめられれば8がつにも取引とりひき開始かいしする[56]指数しすう算出さんしゅつ手法しゅほう有識者ゆうしきしゃによる検討けんとう委員いいんかいめており、3がつまつまでにまとめる方針ほうしんだとほうじられた[56]

べい生産せいさん稲作いなさく)には病害虫びょうがいちゅう防除ぼうじょいね生長せいちょうのため、殺菌さっきんざい殺虫さっちゅうざい除草じょそうざいなど各種かくしゅ農薬のうやく使用しようされる。農薬のうやくについては玄米げんまいちゅうへの残留ざんりゅう農薬のうやく基準きじゅんがある。

  • プロクロラズ(殺菌さっきんざい
  • ヒドロキシィソキサゾール(殺菌さっきんざい[57][58]
  • フィプロニル(殺虫さっちゅうざい
  • ベンスルフロンメチル(殺菌さっきんざい
  • メフェナセット(除草じょそうざい
  • ベンタゾン(除草じょそうざい
  • ピロキロン(殺菌さっきんざい
  • ジノテフラン(殺虫さっちゅうざい
  • エトフェンプロックス(殺虫さっちゅうざい

いねは、原産地げんさんちである中国ちゅうごく大陸たいりくなか南部なんぶから北部ほくぶみなみアジアに、そして日本にっぽんへとつたわった。むぎ一定いってい面積めんせきあたり収穫しゅうかくりょうが1haあたりやく3.5tであるのにたいして、べいやく5tとおお[59]地域ちいきくらべてアジアの稲作いなさく地域ちいきでの人口じんこう増大ぞうだい可能かのうにした。

日本にっぽん

編集へんしゅう
 
葛飾かつしか北斎ほくさい富嶽ふがくさんじゅうろくけい』にえがかれるべい仲買人なかがいにん
 
葛飾かつしか北斎ほくさい富嶽ふがくさんじゅうろくけい』にえがかれる水車みずぐるまながすいこめ農夫のうふ

稲作いなさく日本にっぽんにおいては、縄文じょうもん時代じだい後期こうきからおこなわれはじめたといわれる[7]。これはプラント・オパールや、炭化たんかしたもみべい縄文じょうもん土器どきのこ痕跡こんせきなどからかる。大々的だいだいてき水稲すいとう栽培さいばいおこなわれはじめたのは、縄文じょうもん時代じだい晩期ばんきから弥生やよい時代じだい早期そうきにかけてで、各地かくち水田すいでん遺構いこう存在そんざいする。

弥生やよいではいちつぶたりから生産せいさんできるりょうは400つぶほどだったが(それでもむぎいちつぶたり150 - 170つぶ生産せいさんりょうであることをかんがえれば、たか生産せいさんりょうといえる)、品種ひんしゅ改良かいりょう水田すいでん開発かいはつすすんだ現在げんざいではいちつぶたり2せんつぶやく5ばい)まで生産せいさんりょうがっている[60]

べいは、食料しょくりょうとして重要じゅうようである一方いっぽうで、比較的ひかくてき長期ちょうき保存ほぞんができるという特徴とくちょうから、マダガスカルメリナじんタイにおけるサクディナーせいなど、米食べいしょく文化ぶんかにおいては経済けいざいてき特殊とくしゅ意味いみち、これは日本にっぽんでも同様どうようであった。

ながらく租税そぜい・あるいは年貢ねんぐ)として、また、石高こくだかせい代表だいひょうされるように、ある地域ちいき領主りょうしゅや、あるいはたんいえ勢力せいりょくしめ指標しひょうとしても使つかわれた。貨幣かへい経済けいざい発達はったつすると、それとの調和ちょうわはかるべく、札差ふださしごう発達はったつべい切手きって発生はっせい堂島どうじまべい会所かいしょ代表だいひょうされる近代きんだいてき商品しょうひん取引とりひきシステムの生成せいせいられ、江戸えど時代じだいには政治せいじ経済けいざい中心ちゅうしんべいかれていた。そのため日本人にっぽんじんべいたいするおもれはつよく、べいもっと重要じゅうようものとされ、主食しゅしょくとされてきた。天皇てんのう新米しんまいふく五穀ごこくかみささげて収穫しゅうかく感謝かんしゃする新嘗祭にいなめさいのように、神道しんとうなど信仰しんこう民俗みんぞく文化ぶんかともふかかかわりをつ(ふし#文化ぶんか」で詳述しょうじゅつ)。

しかし、階級かいきゅう貧富ひんぷ地域ちいきなどによっておおきなちがいがあり、戦後せんご高度こうど経済けいざい成長せいちょう以前いぜん雑穀ざっこくいもなどを実際じっさい主食しゅしょくにしていたひとたちもおおく、関東かんとう地方ちほう畑作はたさく地帯ちたいなどではむぎが7わりから8わりめし常食じょうしょくとしていた[61]現在げんざい住宅じゅうたくになっている東京とうきょう杉並すぎなみでは大正たいしょう時代じだいからすこしずつ野菜やさい栽培さいばい増加ぞうかし、都市とし近郊きんこう野菜やさい栽培さいばい農家のうか転換てんかんしたが、それ以前いぜんひえなどの穀物こくもつ栽培さいばいし、日常にちじょうしょくひえむぎこめすこれるだけだった[62]。その一方いっぽう明治めいじはじ秋田あきたけんけんれいしま義勇よしたけ政府せいふへの報告ほうこくしょのなかに、「県民けんみん山間さんかん僻地へきちでも白米はくまいくえしている……」とあり、藩政はんせい時代じだいから白米はくまいめしべている地域ちいきもあった。秋田あきた日本にっぽん有数ゆうすう穀倉こくそう地帯ちたいであり、雑穀ざっこく生産せいさんすくないこともあって、農民のうみん雑穀ざっこくべるよう強要きょうようしたほか地域ちいきとはちがい、為政者いせいしゃけが然程さほどではなかったことにもよる[62]

秋田あきたけんとなり宮城みやぎけん仙台せんだいはん時代じだいからべい生産せいさんさかんで正月しょうがつ以外いがいにももちべる習慣しゅうかんがありもち料理りょうり発達はったつした一方いっぽうだい世界せかい大戦たいせんまえにはせきへい精麦せいばく米穀べいこくえさりょうおろし精麦せいばく多額たがく利益りえきているなど、むぎ需要じゅようおおかった地域ちいきでもある。これは仙台せんだいはんこめ江戸えどへの輸出ゆしゅつよう換金かんきん作物さくもつ)としてあつかい、庶民しょみん嗜好しこうひんとしてとらえていた名残なごりとされる。なお戦後せんごむぎ需要じゅよう減少げんしょうゆるやかであったため、せきへい精麦せいばく余力よりょくのこしたまま不動産ふどうさんぎょうへの転換てんかん成功せいこうしている。

越後えちご長岡ながおかはん武士ぶしによるとされる、文化ぶんか2ねん1805ねん刊行かんこうの『粒粒辛苦りゅうりゅうしんくろく』は、農民のうみんのきわめてきびしい食生活しょくせいかつえがいている。これにたいし、おな越後えちご長岡ながおかはん庄屋しょうやだい平家へいけ天保てんぽう6ねん1835ねん)にあらわした『農家のうか年中ねんじゅう行事ぎょうじ』は、しばしば行事ぎょうじもよおされ食物しょくもつさけがふるまわれ、小作こさくじんふくめて自由じゆうしょくたのしんでいた様子ようすうかがえる。最近さいきんかく地域ちいきのこされたいえ文書ぶんしょ研究けんきゅうすすみ、きびしい制限せいげんした雑穀ざっこく中心ちゅうしんとした食生活しょくせいかついられたまずしい農民のうみんぞうかならずしも実態じったいしめすものではないとするせつあらわれた[63]農民のうみんがわ記録きろく分析ぶんせきしたところ近世きんせい農民のうみんは、1にちに4ごう程度ていどこめ麦飯むぎめしあるいは雑穀ざっこくなどとかてめし雑炊ぞうすいにした食事しょくじ日常にちじょうてきっていたという[64]

明治めいじ以降いこう日本にっぽん急激きゅうげき人口じんこう増加ぞうか生活せいかつ向上こうじょうともなってべい需要じゅようたかまったが、当時とうじ日本にっぽん国内こくない生産せいさんりょくはその需要じゅよう対応たいおうしきれず不足ふそくぶん恒常こうじょうてき輸入ゆにゅうする一方いっぽうで、べい通常つうじょう物資ぶっしおなじく市場いちば経済けいざいもとづき取引とりひきされており、相場そうば商品しょうひん投機とうき対象たいしょうとして流通りゅうつう不安ふあんきたすこともあり、しばしば社会しゃかい問題もんだいとなった(べい騒動そうどうとく1918ねんまい騒動そうどう参照さんしょう)。1921ねん大正たいしょう10ねん米穀べいこくほう施行しこうされ政府せいふ備蓄びちくまいによる価格かかく統制とうせい輸入ゆにゅうまい関税かんぜい統制とうせいおこなわれるようになった。また、1920年代ねんだいには、植民しょくみんした朝鮮半島ちょうせんはんとうにおいて、農業のうぎょう近代きんだいによるべい増産ぞうさん計画けいかく朝鮮ちょうせんさんまい増殖ぞうしょく計画けいかく)が実施じっしされるなどした。しかしながら、安定あんていてき供給きょうきゅうまでにはいたらず、1933ねん昭和しょうわ8ねん米穀べいこく統制とうせいほう1936ねん昭和しょうわ11ねん米穀べいこく自治じち管理かんりほう施行しこうされ、べい生産せいさん流通りゅうつう統制とうせい強化きょうかされた。さらに、太平洋戦争たいへいようせんそう開戦かいせんけての戦時せんじ体制たいせい整備せいび一環いっかんとして、1939ねん昭和しょうわ14ねん)4がつ米穀べいこく配給はいきゅう統制とうせいほう制定せいていされ、べい流通りゅうつう政府せいふにより管理かんりされるようになった。なお、同年どうねん9がつには戦時せんじ物資ぶっし不足ふそくかんが興亜こうあ奉公ほうこう設定せっていされ、まる弁当べんとう奨励しょうれいされたものの白米はくまい禁止きんしされず、この時点じてんではまだべい不足ふそくひどくはなかった。だが12月にはきびしさを米穀べいこく搗精とう制限せいげんれいされ、七分搗しちぶづ以上いじょう白米はくまい流通りゅうつうすことは禁止きんし、1940ねん昭和しょうわ15ねん)の正月しょうがつもちすら白米はくまいゆるされなかった。べい不足ふそく深刻しんこくとなり、このとしから中国ちゅうごく東南とうなんアジアからの輸入ゆにゅうまい(いわゆる外米がいまい)を国産こくさんまいぜて販売はんばいすることが義務付ぎむづけられた。

1940ねん6月1にち以降いこうは、こめ筆頭ひっとう生活せいかつ必需ひつじゅひん10品目ひんもくについて配給はいきゅう切符きっぷせい導入どうにゅう[65]さらに、日米にちべい開戦かいせんの2ヶ月かげつの1942ねん昭和しょうわ17ねん)2がつには食糧しょくりょう管理かんりほう制定せいていされ食糧しょくりょう管理かんり制度せいど確立かくりつべい流通りゅうつう完全かんぜん政府せいふ掌握しょうあくするようになった[66]べいだけでなく、魚介ぎょかいるい野菜やさい果物くだもの配給はいきゅうせいになり、国民こくみん栄養えいよう状態じょうたい極度きょくど悪化あっかしていった。こうした食糧難しょくりょうなんたいして、江戸えど時代じだいかてもの研究けんきゅうかえって、食用しょくよう野草やそう昆虫こんちゅうしょくなど常食じょうしょく工夫くふうさかんにこころみられた[67]一方いっぽう米食べいしょく習慣しゅうかんがなかった地域ちいき家庭かていでは、配給はいきゅうせいになったことでこめべる機会きかいて、そのことが戦後せんご食生活しょくせいかつ変革へんかく一因いちいんとなったとする指摘してきもある[66]

1945ねん昭和しょうわ20ねん)にだい世界せかい大戦たいせん終結しゅうけつ戦後せんご食糧難しょくりょうなん深刻しんこくきわめたが、べいつづ食糧しょくりょう管理かんりほうによる政府せいふ固定こてい価格かかくでのげだったため闇米やみごめ横行おうこう闇米やみごめ拒否きょひした東京とうきょう地裁ちさい判事はんじ山口やまぐち良忠よしただ餓死がしするという事件じけんきている[67]べい生産せいさん拡大かくだいのための基盤きばん整備せいび事業じぎょう国内こくない各地かくちおこなわれ、肥料ひりょう投入とうにゅう農業のうぎょう機械きかい導入どうにゅう品種ひんしゅ改良かいりょうなどによる生産せいさん技術ぎじゅつ向上こうじょうから生産せいさんりょう増加ぞうかしたものの、すくなくとも昭和しょうわ30年代ねんだい(1955ねん-1964ねん)までは、大半たいはん日本人にっぽんじん米飯べいはん常食じょうしょくとすることはできなかった[61]。そのようななかで、ガリオアエロア資金しきん援助えんじょメリケン粉めりけんこ大量たいりょう輸入ゆにゅうされ、アメリカの小麦こむぎ戦略せんりゃくにより、学校がっこう給食きゅうしょくメリケン粉めりけんこ使つかったパンきょうされ、1952ねん昭和しょうわ27ねん)には栄養えいよう改善かいぜんほう施行しこうされ慶應義塾大学けいおうぎじゅくだいがく医学部いがくぶ教授きょうじゅはやしあらわした『頭脳ずのう』(光文社こうぶんしゃ、1958ねん)が評判ひょうばんとなり、「こめうと馬鹿ばかになる」というせつ流布るふされ、頭脳ずのうパンなるものが出現しゅつげんするなどし、日本人にっぽんじん食事しょくじ欧風おうふう進行しんこうした[68]

米食べいしょく悲願ひがん民族みんぞく[69][70] といわれる日本人にっぽんじんにとって、こめ実際じっさい主食しゅしょくとすることは有史ゆうし以来いらい宿願しゅくがんであったが、昭和しょうわ40年代ねんだい(1965ねん-1974ねん初頭しょとうには、ようやくべい自給じきゅう実現じつげんでき、名実めいじつともに主食しゅしょくとなった。しかし、そのときすで戦勝せんしょうこくとして日本にっぽん占領せんりょうしたアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく小麦こむぎ戦略せんりゃく見事みごと成功せいこうをおさめ[68]学校がっこうのパン給食きゅうしょく厚生省こうせいしょうはじめた栄養えいよう改善かいぜん運動うんどう手伝てつだって、日本人にっぽんじん食事しょくじ欧風おうふう進行しんこうし、べいばなれに拍車はくしゃがかかっていた[67]。このため全国ぜんこくべいあま現象げんしょうき、食糧しょくりょう管理かんりほうにおけるコメ政策せいさく見直みなおしを余儀よぎなくされるようになり、1970ねん昭和しょうわ45ねん以降いこう減反げんたん政策せいさくといわれる生産せいさん調整ちょうせい政策せいさく新規しんき開田かいだ禁止きんし政府せいふまいかいにゅう限度げんど設定せってい転作てんさく奨励しょうれいきん設定せっていなど)がとられた。その結果けっか水稲すいとう作付さくづ面積めんせきは 1969ねん昭和しょうわ44ねん)の 317まんヘクタールをピークに、1975ねん昭和しょうわ50ねん)には 272まんヘクタール、1985ねん昭和しょうわ60ねん)には 232まんヘクタールに減少げんしょう生産せいさんりょうも1967ねん昭和しょうわ42ねん)の 1426まんトンをピークに、1975ねん昭和しょうわ50ねん)には 1309まんトン、1985ねん昭和しょうわ60ねん)には 1161まんトンに減少げんしょうした。

生産せいさん減少げんしょうしたものの、べいばなれに歯止はどめがかからず、政府せいふ備蓄びちくまいなどに古米こまい古米こまい不良ふりょう在庫ざいこおお発生はっせいべい消費しょうひ拡大かくだいのために、それまで主食しゅしょくはパンだけであった学校がっこう給食きゅうしょく米飯べいはんべい加工かこうひんがとりいれられるようになったり、古米こまいをアフリカなどの政府せいふ援助えんじょ使用しようしたり、その家畜かちく飼料しりょうにしたりして処分しょぶんするなど、在庫ざいこ調整ちょうせい腐心ふしんするようになった。そのような状況じょうきょうした流通りゅうつうめんにおいては、縁故えんこまい拡大かくだいから自主じしゅ流通りゅうつうまい承認しょうにんなどにより、食糧しょくりょう管理かんり制度せいど逸脱いつだつみとめるようになった。しかしながら、根本こんぽんてき解決かいけつにはいたらなかったため、食管しょっかん赤字あかじ収束しゅうそくせず、生産せいさんしゃ米価べいかよりも消費しょうひしゃ米価べいかやすぎゃくザヤだったため、歳入さいにゅう不足ふそく赤字あかじ食管しょっかん赤字あかじ)が拡大かくだい、1980年代ねんだいには、国鉄こくてつ健康けんこう保険ほけんとともに、日本にっぽん政府せいふ巨額きょがく赤字あかじ構成こうせいする「3K赤字あかじ」とばれるようになり、行政ぎょうせい改革かいかくにおける重要じゅうようなテーマとなった。

供給きょうきゅうにおいても、1983ねん昭和しょうわ58ねん)の不作ふさくには、政府せいふ放出ほうしゅつしようとした1978ねん昭和しょうわ53ねんさんちょう古米こまい規定きてい以上いじょう臭素しゅうそ検出けんしゅつされ安全あんぜんせい問題もんだいがあるとされたため、よく1984ねん昭和しょうわ59ねん)に韓国かんこくからこめ15まんトンの緊急きんきゅう輸入ゆにゅうおこなわれたり、1993ねん平成へいせい5ねん)の全国ぜんこくてきべい不作ふさくによる平成へいせいべい騒動そうどうにおいては、タイなどからべい緊急きんきゅう輸入ゆにゅうおこなわれるなどした。なお、べい消費しょうひりょうは、ピークの1962ねん昭和しょうわ37ねん)には、日本人にっぽんじんいちにんあたり年間ねんかん118.3キログラム消費しょうひしていたものが、その一本いっぽん調子ちょうし減少げんしょう、1990年代ねんだい後半こうはんには、ひところ半分はんぶんの60キログラムだいんだ。家計かけい支出ししゅつめるべいるい支払しはらいの割合わりあいは、10%きょうだったものが 1.1 - 1.3% と 110 になり、べい地位ちい低下ていかはなはだしい[71]

一方いっぽうで1993ねん平成へいせい5ねん)、ウルグアイ・ラウンド農業のうぎょう合意ごういにより、べい義務ぎむてき輸入ゆにゅうミニマム・アクセス)をせられるようになり、食糧しょくりょう管理かんり制度せいど本格ほんかくてき見直みなおしをせまられた。1995ねん平成へいせい7ねん)、主要しゅよう食糧しょくりょう需給じゅきゅうおよ価格かかく安定あんていかんする法律ほうりついわゆる食糧しょくりょうほう)が施行しこうされ、これにともな食糧しょくりょう管理かんりほう廃止はいしとなり、政府せいふ管理かんりゆるめられた。水稲すいとう作付さくづ面積めんせき生産せいさんりょうかんしては、その減少げんしょうし、1995ねん平成へいせい7ねん)には作付さくづ面積めんせき 211まんヘクタール、生産せいさんりょう 1072まんトンに、2000ねん平成へいせい12ねん以降いこうは、作付さくづ面積めんせき 170まんヘクタール、生産せいさんりょう 900まんトン程度ていどとなり、作付さくづ面積めんせき半減はんげん生産せいさんりょうは60%程度ていど推移すいいしている。また、食糧しょくりょうほうは、2004ねん平成へいせい16ねん)に大幅おおはば改正かいせいされ、さらに政府せいふ関与かんよらしている。

中国ちゅうごく

編集へんしゅう

1アジアまい原産地げんさんちはインドアッサム地方ちほうから中国ちゅうごく雲南うんなんしょうというものが有力ゆうりょくせつであり、15000ねんまえには長江ながえちゅう流域りゅういき稲作いなさく形跡けいせきられるなど世界せかい最古さいこ稲作いなさく歴史れきしゆうする。確実かくじつ稲作いなさくおこなわれていたとみなされる痕跡こんせきは、紀元前きげんぜん7500ねんごろ - 紀元前きげんぜん6100ねんころしん石器せっき時代じだい彭頭やま文化ぶんかぞくする彭頭やま遺跡いせきはちじゅう遺跡いせきにおいて発見はっけんされている。日本にっぽん稲作いなさくもこの地域ちいきからつたわったものとかんがえられている。

伝統でんとうてき農業のうぎょう地理ちり理解りかいでは、はたみね・淮河せん以南いなん稲作いなさく地域ちいきとされており、水源すいげん土地とちめぐまれた長江ながえちゅう流域りゅういきにおいてさかんであり、ここで生産せいさんされたべいは、だい運河うんがなどをつうじて華北かほく地域ちいきまではこばれしょくになった。元々もともとは、ジャポニカしゅであったが、みなみそう時代じだいに、インドシナ半島いんどしなはんとうからインディカしゅ一種いっしゅであるうらないじょういね流入りゅうにゅうすると、旱害かんがいつよ早稲わせしゅ二期作にきさく可能かのうであるという理由りゆうから一気いっき普及ふきゅうしこの地域ちいきでの主要しゅようなイネのたねとなった。この時代じだい、「じゅくすれば天下てんかる」「こう浙熟すれば天下てんかる」(長江ちょうこう流域りゅういき; こう=ほぼ現在げんざい江蘇ちぁんすーしょう、浙=ほぼ現在げんざい浙江せっこうしょう)とわれ、くだってあきらきよしだいには、稲作いなさく中心ちゅうしん長江ながえちゅう流域りゅういきである現在げんざい湖南こなんしょう湖北こほくしょううつ[注釈ちゅうしゃく 3]、「みずうみこうじゅくすれば天下てんかる」とわれ、くに穀倉こくそうとして認識にんしきされたことがうかがえる。

一方いっぽうで、はたみね・淮河せん以北いほく稲作いなさく不適ふてき地域ちいき認識にんしきされていたが、1900ねんころ以降いこう日本にっぽん進出しんしゅつともなきゅう満州まんしゅう地域ちいきである中国ちゅうごく東北とうほく寒冷かんれいつよいジャポニカしゅ定着ていちゃくさせ、その農業のうぎょう技術ぎじゅつ発展はってんから、この地域ちいきにおいても稲作いなさく大々的だいだいてき展開てんかいされている。

2000年代ねんだい後半こうはん時点じてん世界せかい最大さいだいべい生産せいさん消費しょうひこくである。生産せいさんは、やく7わりインディカしゅやく3わりジャポニカしゅとなっている[20]

インディカしゅくらべ、ジャポニカしゅは、手間てまがかかり、土地とちあたりの収量しゅうりょうすくなく、高価こうかなものとなるが、中国ちゅうごく経済けいざい発展はってんによる所得しょとく向上こうじょうのほか、地方ちほう都市としあいだ人口じんこう移動いどうによるあらたな消費しょうひそう発生はっせいなどを背景はいけいに、中国ちゅうごくにおけるジャポニカしゅ消費しょうひりょう増加ぞうか傾向けいこうにある[72]一方いっぽうで、1990年代ねんだい後半こうはん豊作ほうさくだったことから作付さくづ面積めんせき減少げんしょう中国ちゅうごく政府せいふは2004ねん援助えんじょ政策せいさくしている[20]

中国ちゅうごく政府せいふ寒冷かんれいへの稲作いなさく拡大かくだいだけでなく、収量しゅうりょうやすための栽培さいばい技術ぎじゅつ品種ひんしゅ改良かいりょうにもちかられている。中国ちゅうごく工程こうていいん袁隆ひらたらのチームが開発かいはつしたハイブリッドまい英語えいごばん「湘両ゆう900(ちょうゆうせんごう)」は2017ねん河北かほくしょう試験しけん圃場ほじょうで1ヘクタールたり17.2トンとべいとしては世界せかい最高さいこう収量しゅうりょう記録きろくした[73]。これは日本にっぽん平均へいきんの3ばいちか[74][75]よく2018ねんには18トンちょうと、記録きろく更新こうしんした[76]

一方いっぽうで、2004ねん韓国かんこく輸出ゆしゅつされた中国ちゅうごくせいまい菓子かしなどからホルムアルデヒドスルホキシルさんナトリウムが検出けんしゅつされ、韓国かんこく政府せいふ輸入ゆにゅう停止ていしするなど、安全あんぜんせい問題もんだい発生はっせいしている。(中国ちゅうごくさん食品しょくひん安全あんぜんせい

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく

編集へんしゅう

アメリカ大陸あめりかたいりくべい栽培さいばいされるようになったのは西洋せいようじんとの接触せっしょく以降いこうのことであり、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおける稲作いなさく歴史れきしはアジアにくらべるとみじかいが、2009ねん生産せいさんりょうは1000まんトンにたっしており、うち440まんトンが輸出ゆしゅつされている[77]:6。アメリカ国内こくないでの用途ようととしてはそのまま使用しようするのが56%、加工かこうようが18%、酒造しゅぞうようが12.2%、ペットようが12%などとなっている[77]:6

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくにおけるべい産地さんち南東なんとうルイジアナしゅうミズーリしゅうミシシッピしゅうアーカンソーしゅうテキサスしゅうフロリダしゅう、および南西なんせいカリフォルニアしゅうサクラメント・バレーがある[77]:6

すでに17世紀せいきはじめにいまバージニアしゅうでイネの栽培さいばいはじまっていたが、1694ねんマダガスカルから稲作いなさくサウスカロライナしゅうにもたらされ、南部なんぶもろしゅうひろまった[77]:3。これらの土地とち栽培さいばいされたのはバスマティライスジャスミンライス代表だいひょうされるアミロースのおお長粒種ちょうりゅうしゅのインディカまいだった。

一方いっぽうカリフォルニアでは19世紀せいき後半こうはん鉱山こうざん鉄道てつどう建設けんせつ労働ろうどうしゃとして中国ちゅうごく日本にっぽんからの移民いみん増加ぞうかしてべい需要じゅよう発生はっせいしたが、長粒種ちょうりゅうしゅ栽培さいばいには成功せいこうしなかった。1908ねんにW.W. Mackieという土壌どじょう学者がくしゃがサクラメント・バレーのビッグズで日本にっぽんのイネの栽培さいばいにはじめて成功せいこうし、1912ねんにビッグズにはカリフォルニアまい試験場しけんじょうつくられた[77]:3-4。カリフォルニアまいアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくほか地域ちいきべいことなり、たんつぶしゅまたは中粒種ちゅうりゅうしゅのジャポニカまいだい部分ぶぶんめている[77]:4。カリフォルニアで公式こうしきみとめられている品種ひんしゅは17種類しゅるいがあるが、中粒種ちゅうりゅうしゅカルローズたんつぶしゅコシヒカリあきたこまちがもっとも成功せいこうしている[77]:4アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくではべいつぶながさがはばの2ばい未満みまんのものをたんつぶしゅ、2ばい以上いじょう4ばい未満みまん中粒種ちゅうりゅうしゅ、4ばい以上いじょう長粒種ちょうりゅうしゅ定義ていぎしている[77]:50)。なかでも1948ねん開発かいはつされたカルローズはカリフォルニアまい全体ぜんたいの85%以上いじょうめる[77]:17一方いっぽう国府田こうだたかし三郎さぶろう農場のうじょうでは、カルローズ開発かいはつしゃのひとりであるヒューズ・ウィリアムズを雇用こようし、1950年代ねんだいにカルローズを中東ちゅうとうのイネと交配こうはいしてKR55という品質ひんしつたか中粒種ちゅうりゅうしゅ (premium medium grain) を開発かいはつし、国宝こくほうローズの販売はんばいした。おな品種ひんしゅはJFC (JFC Internationalの「にしき」にも使つかわれている[78]

クリミアでは、コメが60まんトン程度ていど生産せいさんされた[79]

べい利用りよう

編集へんしゅう
 
がまいたべい
 
年間ねんかんいちにんたりコメ供給きょうきゅうりょう(2019ねん

べいは、世界中せかいじゅう食用しょくようされている。利用りようれいは、以下いかとおり。

べい調製ちょうせい調理ちょうり加工かこう

編集へんしゅう

イネ植物しょくぶつしょう種子しゅし穎果)をそのまま食用しょくようとはせずに、精製せいせいおこなって食用しょくようとするのが基本きほんである。べいにおいても精製せいせいのプロセスを食用しょくようとし(一般いっぱんにこの作業さぎょう調製ちょうせいという)、それらは一般いっぱん以下いかのとおり。穎果は1つぶちいさく、それら1つ1つに調製ちょうせいおこな必要ひつようがあるため、効率こうりつよく調製ちょうせいするための技術ぎじゅつ開発かいはつ太古たいこからおこなわれてきた。

  1. パーボイル - インド・パキスタンでは、かおまい以外いがいべい収穫しゅうかく直後ちょくごみずけ、るもしくはして、ふたた乾燥かんそうさせたのち脱穀だっこくする。
  2. 脱穀だっこく(だっこく) - 稲穂いなほからもみ(もみ)をはずす。先進せんしんこく機械きかい農業のうぎょうでは、コンバインにより稲刈いねか同時どうじおこなわれるのが主流しゅりゅう
  3. ふるい - 脱穀だっこくしたもみ籾殻もみがらいねわらなどからもみ選別せんべつするためにふるい(ふるい)にかける。
  4. 乾燥かんそう - 収穫しゅうかくされたばかりのもみ水分すいぶんおおいので、保存ほぞんせいため乾燥かんそうする。銘柄めいがらなどが表示ひょうじできる証明しょうめいまいは、水分すいぶんりつ上限じょうげんさだめられている。質量しつりょう取引とりひきなので乾燥かんそう金銭きんせんてきそんになる。
  5. 籾摺もみすり(もみすり) - 籾殻もみがらをむいて玄米げんまいとする。
  6. ふうせん(ふうせん) - もみから籾殻もみがらしいな(しいな)のぞく。
  7. 選別せんべつ(せんべつ) - 玄米げんまいをふるいにかけ、標準ひょうじゅん以下いかおおきさの玄米げんまい(くずまい)をのぞく。
  8. 貯蔵ちょぞう - 保存ほぞんせいから玄米げんまいもみ貯蔵ちょぞうされる。日本にっぽんでは、もみ貯蔵ちょぞうする地域ちいき鹿児島かごしま宮崎みやざきなど)と、玄米げんまい貯蔵ちょぞうする地域ちいきがある。
  9. 精白せいはく(せいはく) - 玄米げんまいぬかそう胚芽はいがけずり、白米はくまい精白せいはくまい)とする。この作業さぎょうをすることを「精米せいまい」(せいまい)あるいは「搗精」(とうせい、「こめを搗(つ)く」)ともいう。包装ほうそうに「精米せいまい年月日ねんがっぴ」がしるされる。詳細しょうさい下記かき#精製せいせい参照さんしょう
  10. 精選せいせん(せいせん) - 精白せいはくべいからさらに選別せんべつおこなう。

精製せいせい

編集へんしゅう

イネ果実かじつである穎果はあつ外皮がいひもみ)におおわれており、脱穀だっこくによりまずこの籾殻もみがら除去じょきょする。除去じょきょしたべい場合ばあいは「玄米げんまい」とばれ、胚乳はいにゅう(92%)、胚芽はいが(3%)、果皮かひ(5%)からっている。むぎくらべて吸水きゅうすいせいいため、むぎのようにこなじょうにせずにつぶまいのまま食用しょくようにするが、さらに胚乳はいにゅうのデンプンしつ加熱かねつによりのりすることで栄養えいようたかくなる[注釈ちゅうしゃく 4]。しかし、果皮かひによって加熱かねつ不良ふりょうになりやすいため果皮かひ除去じょきょする必要ひつようがある。玄米げんまい表面ひょうめんおおぬかそう(ぬかそう、しゅとして果皮かひのりこなそう)をることを精白せいはく精米せいまい、搗精〈とうせい〉)という。ぬかそう胚芽はいがったこめ白米はくまい精白せいはくまい精米せいまい)といい、ぬか除去じょきょしたものを精米せいまい白米はくまいという。このときぬか同時どうじ胚芽はいがのぞかれてしまうため、栄養えいようバランスはぎゃくわるくなる。

ふるくは丈夫じょうぶうす玄米げんまいれ、うえからきねたたくようにしてぬかのぞいていた。日本にっぽんではこの作業さぎょうを「搗(つ)く」「うす(つ)く[注釈ちゅうしゃく 5]」、白米はくまいにすることを「毇(しら)ぐ」「ぐ」とい、られた精米せいまいを「うすまい(つきしね、しょうまい)」とった。古代こだい日本にっぽんでは朝廷ちょうてい豪族ごうぞく部民ぶみんせんもん職業しょくぎょう集団しゅうだん)として「舂米つきよね(つきしねべ)」をいていた。られた精米せいまいのちうすにはぬかとともに粒食りゅうしょくてきさないさらにちいさいべいれたべいこなのこったが、これらもみず食材しょくざいわせて調理ちょうりすることで食用しょくようとした。日本にっぽんではいわゆる「もち」とはことなるもちとして独自どくじ発展はってんげている[81]

加工かこうによる分類ぶんるい

編集へんしゅう
 
ひだりから、白米はくまい胚芽はいがまい玄米げんまい

精白せいはくなどの加工かこうによる分類ぶんるい玄米げんまいおよ精米せいまい品質ひんしつ表示ひょうじ基準きじゅんでは、玄米げんまい精米せいまい胚芽はいが精米せいまいけられている。

玄米げんまい
もみ籾摺もみすりして、外皮がいひ籾殻もみがらだけをのぞいたべいぜんつぶ穀物こくもつ[8]下記かきほかべい原料げんりょうぬかそうには発芽はつが必要ひつようビタミンるい脂肪しぼうぶんなどをふくんでおり栄養えいようたか[8]ぬかそう胚乳はいにゅうくらかたく、また脂肪しぼうぶん影響えいきょう疎水そすいせいもあるため、白米はくまいよう炊飯すいはんくとアルファ不完全ふかんぜんとなり消化しょうかわる[8]しょくかんわるくぼそぼそになる。圧力あつりょくがま玄米げんまい対応たいおう炊飯すいはんくことで、消化しょうかあじわいがゆたかになる。ぬか胚芽はいがには脂肪しぼうぶんふくまれるため、常温じょうおん保存ほぞんでは精白せいはくまいくら劣化れっかしやすい。
発芽はつが玄米げんまい
わずかに発芽はつがさせた玄米げんまいスプラウト一種いっしゅかんがえられ、玄米げんまいよりも栄養えいようたかい。また、玄米げんまいより消化しょうかあじともにく、白米はくまいよう炊飯すいはんくのに比較的ひかくてきてきしている。加工かこうまいよりこうコストで高価こうか市販しはんのものは発芽はつが進行しんこう休眠きゅうみんさせているものもある。
ぶんまい
玄米げんまいからぬかそう一定いってい割合わりあいでとった精米せいまい。とった割合わりあいにより3ふんまい、5ふんまい、7ふんまいという[7]栄養えいよう玄米げんまい胚芽はいがまいあいだとなるが、残留ざんりゅうするぬかそうりょうによってことなる。
胚芽はいが精米せいまい胚芽はいがまい
玄米げんまいからぬかそうのみをって胚芽はいがのこるように精白せいはくしたべい[82]一般いっぱんには胚芽はいがまいばれるほうおおい。白米はくまい同様どうようぬかそうのぞかれて精白せいはくされており、胚芽はいがだけがのこっている。胚芽はいが精米せいまい品位ひんい基準きじゅんによると、重量じゅうりょう胚芽はいがを80%以上いじょうのこしたものとされており、この基準きじゅんたしたものが「胚芽はいが精米せいまい」と表示ひょうじ出来できる。胚芽はいが精米せいまい調製ちょうせいするには、一般いっぱん家庭かていよう精米せいまいでは現在げんざいところ技術ぎじゅつてき困難こんなんとされており、専用せんよう大型おおがた精米せいまい使つか必要ひつようがある。最近さいきん家庭かていよう精米せいまいなかには、胚芽はいがおおのこすための「胚芽はいがモード」といった機能きのうそなえたものが出回でまわっているが、胚芽はいが精米せいまい品質ひんしつ基準きじゅんたすことを保証ほしょうしているわけではない。栄養えいよう玄米げんまい白米はくまいなかあいだ程度ていど玄米げんまいより消化しょうかく、白米はくまいよう炊飯すいはんける。一般いっぱん白米はくまいより高価こうか
白米はくまい精白せいはくまい精米せいまい
玄米げんまい精白せいはくしてぬかそう胚芽はいがのぞいたべい[8]日本にっぽんもっとべられている主食しゅしょくだが、胚乳はいにゅうのみのため栄養えいようバランスがわる副食ふくしょく必須ひっす日本にっぽんではおも洗米せんまいしてからいて米飯べいはんとする。そのため、一般いっぱん市販しはんされている炊飯すいはん通常つうじょう白米はくまいおも対象たいしょうとしている。消化しょうかく、あじ淡白たんぱく色々いろいろ料理りょうりわせやすい[7]精米せいまいは、時間じかん経過けいかとともに酸化さんかすすむため、精米せいまいしたてのものをべるほうが食味しょくみ[7]
洗米せんまい
精白せいはくした白米はくまい表面ひょうめん付着ふちゃくしているぬかこなった精米せいまい洗米せんまいすると栄養えいようすので、洗米せんまい不要ふよう節水せっすいにもなる。それにより白米はくまいよりは当然とうぜん単価たんかたかいものの、洗米せんまい水道すいどうだい考慮こうりょした場合ばあい総合そうごうてきなコストが白米はくまいよりひくくなる場合ばあいがある。
はやまい
短時間たんじかん炊飯すいはんできるようにこめ加熱かねつし、あらかじめ細胞さいぼうかべ破壊はかいしデンプンをのりさせておき、みず浸透しんとうやすくさせるためにべいつぶ表面ひょうめん亀裂きれつれ、最終さいしゅうてき乾燥かんそうさせたもの。

栄養えいよう

編集へんしゅう

べい主成分しゅせいぶんデンプンで、活動かつどうのエネルギーげんとなる栄養素えいようそである[7]少量しょうりょうながらタンパク質たんぱくしつふくまれており、胚芽はいがやぬかにはビタミンBぐんミネラル食物しょくもつ繊維せんいふくまれる[7]精白せいはくまいよりも胚芽はいがやぬかそうのこした玄米げんまいのほうが栄養えいよう食物しょくもつ繊維せんい豊富ほうふになり、食品しょくひん成分せいぶんひょうしょく100 gあたり)によれば、カリウムやく3ばいカルシウムやく2ばいビタミンB1ビタミンB6は8 - 10ばい食物しょくもつ繊維せんいやく4ばいおおふくまれる[7]

こめいたのちにある程度ていどやすことで、レジスタントスターチなん消化しょうかせいでんぷん)に変化へんかせいちょう作用さようはたらくようになる。[よう出典しゅってん]調理ちょうり加熱かねつ条件じょうけんなどにおうじて、冷却れいきゃく生成せいせいりょう変化へんかする[83]

調理ちょうり

編集へんしゅう

べいおも水分すいぶんくわえて加熱かねつ調理ちょうりする。ひがしアジアでは一般いっぱんみずだけで調理ちょうりするが、マレーシアインドネシアなどの東南とうなんアジアではココナッツミルクくわえることがおおく、また、地中海ちちゅうかい地方ちほうなどべい常食じょうしょくではない地域ちいきでは、にくさかなストックバタースパイスなどみず以外いがいなにかをくわえることがおおい。ひろ主食しゅしょくようとされめしにされるのは、粳米うるちまい白米はくまいであり、玄米げんまい胚芽はいがまいめし主食しゅしょくとすることは、あまりおおくない。調理ちょうりするときにぬかとぎとすことを洗米せんまいという。たんつぶしゅ白米はくまいは、日本にっぽんなどでは、ぬかあらながした(洗米せんまいとか「こめぐ」という)のち、調理ちょうりする。粳米うるちまいいてめしとし、糯米もちごめして強飯こわいい(こわいい)としたり、もちとしてきょうされる。中国ちゅうごくなどでは、粳米うるちまいふか場合ばあいもある。インドでは多量たりょうみずでコメをて、おおむとおったところで余分よぶんみずててにする。

こめくことを炊飯すいはん(すいはん)、あるいは炊爨すいさん(すいさん)という。「めし」を、つよ(おこわ)、あるいは強飯こわいい(こわいい)ともぶ。これは、しためしいためしよりも「こわい」(「かたい」のふるいいいかた)ことに由来ゆらいする。 長粒種ちょうりゅうしゅ粳米うるちまいは、る(ことおおい。

ふるくから、めし乾燥かんそうさせたものを「めし」(ほしいい)、あるいは「ほしい」(ほしい)といい、携帯けいたい保存ほぞんしょくとしてもちいた。現在げんざいでは、このめしおなぶつアルファまい加水かすい加熱かねつしてのり(アルファ)させたべい)といい、おなじく携帯けいたい保存ほぞんしょく常食じょうしょくなどとしてもちいる。めし食材しょくざい日本にっぽん以外いがいにもられ、みなみアジアではポハやチウラとばれるつぶしてから乾燥かんそうさせた加工かこうまいしょくされている。

めしとしてくときよりも多目おおめみずくわえて、こめ料理りょうりかゆという。このときくわえるみずりょうにより、ぜんかゆべい1にたいしてみず5から6)、ななふんかゆふんかゆさんふんかゆべい1にたいしてみず15から20)などとばれる。また、かゆから固形こけいべいつぶのぞいたのりじょうみず重湯おもゆ(おもゆ)とび、病人びょうにんしょく乳児にゅうじ離乳食りにゅうしょくもちいられる。

栄養分えいようぶんをそぎとさないように、胚芽はいが部分ぶぶんのこした胚芽はいがまいぶんまい玄米げんまいをそのままいてべる場合ばあいもある。最近さいきんでは発芽はつが玄米げんまいべられている。胚芽はいが部分ぶぶんには脚気かっけ予防よぼうするビタミンB1が豊富ほうふふくまれる。

籾殻もみがらまえに、みずながくつけ、げてから籾摺もみすりをしたものをもちいる地域ちいきもある。タイマレーシアシンガポールなどのくにのほか、日本にっぽんでは和歌山わかやまけんなどでこの習慣しゅうかんがあった。めしのように、あつちゃをかけてやわらかくすることができるほか、ってべる場合ばあいもある。

黒米くろごめあかまいは、白米はくまいぜてくことがおおい。みがいだ白米はくまいたいして3〜10%程度ていどこのみにわせて分量ぶんりょう調節ちょうせつ)をあらわないでそのままれてく。

もち(もち)については、「もち」の項目こうもく参照さんしょう

調理ちょうり用具ようぐ

編集へんしゅう

べい調理ちょうりにはつぎのようなものが利用りようされる(汎用はんよう加熱かねつ器具きぐのぞく): こしきがまなべ電気でんき炊飯すいはん・ガス炊飯すいはん蒸篭せいろう

加工かこうひん

編集へんしゅう

東南とうなんアジア中心ちゅうしんとして粉食ふんしょく一般いっぱんてきで、ライスヌードル麺類めんるい)としてもひろ食用しょくようにされる。

上新かみしん
うるちの精白せいはくまい粉末ふんまつにしたもの。料理りょうり団子だんご煎餅せんべいなどの和菓子わがし中華ちゅうか菓子かしなどの原料げんりょうとなる。粒子りゅうしあらいため洋菓子ようがしにはてきさなかったが、最近さいきんではリ・ファリーヌばれる、小麦粉こむぎこなみこまかさのものが製粉せいふん会社かいしゃ各社かくしゃ開発かいはつされており、それらは洋菓子ようがしパンなどの材料ざいりょう使用しよう可能かのうである。べいからつくったパン(べいパン)の外見がいけん食味しょくみ小麦粉こむぎこからつくったものにおとらず、もちもちとしたしょくかんになる。
白玉粉しらたまこ
もちまい粉末ふんまつにしたもの。みず粉砕ふんさいをしているため、粒子りゅうしこまかくなめらかなしょくかん特徴とくちょうである。
道明寺どうみょうじ
みずひたしてしたもちまいしてあらめにいたもの。用途ようとうえの2種類しゅるいこなくらはばせばめである。おも上方かみがた近畿きんきふう桜餅さくらもち材料ざいりょう使つかわれる。
αあるふぁまい
加工かこうまい一種いっしゅほしいなど。キャンプ・アウトドアや防災ぼうさい備蓄びちくようとして製品せいひんされ、つね温水おんすい投入とうにゅうすることでしょくすることができ、5ねんもの長期間ちょうきかん保存ほぞんすることができる。
ちゃくまい
たけのエキスなど、成分せいぶん人為じんいてきかおをつけたもの

酒造しゅぞう

編集へんしゅう

こめアルコール発酵はっこうさせて日本酒にほんしゅをはじめとする醸造じょうぞうしゅライスワイン)がひろつくられているほか焼酎しょうちゅうなどの蒸留酒じょうりゅうしゅにおいても、単独たんどくまた原材料げんざいりょう混合こんごうしたもろみとして原料げんりょうとなっている。

べい料理りょうり

編集へんしゅう

アジアの料理りょうり

編集へんしゅう
  アフガニスタン
チャラウピラウカーブリーバタ
  アルメニア
ガパマ - 甘味あまみほどこしてある料理りょうりで、おも慶事けいじ祭日さいじつときつくられる
  イラク
ムジャッダラ - この料理りょうりにはまめるい脱穀だっこくした穀物こくもつもちいられるが、一般いっぱんてきにコメを使つかうことがおお
  イラン
ベレンジ ドゥーディーチェロウポロウゼレシュク・ボロウ
  インド近辺きんぺん
プラーオービリヤニキールドーサイドリ
  インドネシア
ナシゴレンナシウドゥッナシクニンブブル
  ウズベキスタンならび中央ちゅうおうアジア一帯いったい
プロフ(ポロ)、パラオ(オシ)
  韓国かんこく  北朝鮮きたちょうせん
クッパ (料理りょうり)ビビンバトックトッポッキポック炒飯ちゃーはん)、キムパプサムゲタン
  サウジアラビア
カブサ
  シンガポール
海南かいなんにわとりめし
  タイ
パッタイカオニャオカーオパッ炒飯ちゃーはん)、カオマンガイカオ・パット・サパロットカオ・ニャオ・マムアンガパオライス
  台湾たいわん
あぶらめしはいこつめし魯肉めしつつまいめしちまき雞肉めし雞肉めしべい
  中国ちゅうごく  香港ほんこん  マカオ
チャーハンビーフン海南かいなんにわとりめしちまき料理りょうり
  トルコ
ピラヴビベル・ドルマス
  日本にっぽん
和食わしょく - おこわ強飯こわいい)、赤飯せきはんひめめしかゆ重湯おもゆ雑炊ぞうすい寿司すし稲荷いなり寿司ずし寿司ずしあか寿司ずしさけ寿司ずしおにぎり茶漬ちゃづみごはん桜飯さくらめしそばめしめしにわとりめし菜飯なめし干葉ひばめし茶飯ちゃめし丼物どんぶりもの釜飯かまめしたまごかけごめし納豆なっとうかけごめしもちちまき灰汁あく烏賊いかめし
洋食ようしょく - カレーライスハヤシライスチキンライスオムライスドリアピラフタコライストルコライスハントンライスボルガライスシシリアンライスエスカロップライスバーガーかつめしえびめし
  ネパール
ダルバートタルカリ
  パキスタン
バルティ - 形式けいしきとしてはカレーライスのようなスタイルでされることがおお
  バングラデシュ
ダール・カレー
  フィリピン
パンシット・ログログ
  ベトナム
フォーライスペーパー(バインチャン)、なま春巻はるま(ゴイクオン)、バインチュン
  マレーシア
ナシゴレンナシレマッナシアヤムラクサ
  ミャンマー
シャン・タミン・チン
  ラオス
カオソーイ
  レバノン
マクルーベ

アフリカの料理りょうり

編集へんしゅう
  セネガル
チェブジェン
  ガーナならび西にしアフリカ一帯いったい
ジョロフライス
  エジプト
コシャリマハシ

アメリカしゅう料理りょうり

編集へんしゅう
  カナダ
ブリティッシュコロンビアロール
  アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
ジャンバラヤロコモコカリフォルニアロール
  キューバ
アロス・コングリ
  メキシコ
アロス・ア・ラ・メヒカーナ
  ボリビア
シルパンチョ
  ブラジル
アホス・コン・フェイジャオン(バイオン)、ピッキーライス
  ペルー
アロス・コン・マリスコスセコ・デ・ポージョ
  パナマならび中南米ちゅうなんべい一帯いったい
アロス・コン・ポヨ
  ベリーズ
ライス・アンド・ビーンズ

ヨーロッパの料理りょうり

編集へんしゅう
  ギリシャ
ドルマダキア
  イタリア
リゾット
  フランス
サラド・ド・リ (Salade de Riz)
  スペイン
パエリアアロス・コン・ポーヨ
  イギリス
ケージャリー
 
南米なんべいのアロス・コン・レチェ
 
アロス・コン・レチェ
 
スリランカのキリバット
 
シナモン砂糖さとうえたミルヒライス

こめ牛乳ぎゅうにゅう煮込にこんだプディングは、ひがしみなみアジアから西にし西にしヨーロッパまでひろられるデザートである。

たとえばドイツでは(主食しゅしょく料理りょうりあつかいだが)ミルヒライスといい、英語えいごけんではライスプディングフランス語ふらんすごけんではリオレスペインけんではアロス・コン・レチェまたはアロス・デ・クレマばれる。インドにはキールトルコにはストラッチばれるミルク・ライス・プディングがある。トルコのムハッレビべい牛乳ぎゅうにゅうのプディングである。ブラン・マンジェべいつくることがある。

東南とうなんアジアでは、こめマンゴーささげ緑豆りょくとう里芋さといもスイートコーンなどと煮込にこんだかゆじょうのデザートがあり、ココナッツミルクをかけてべる。ベトナムには、バインコムという、もちまいあお未熟みじゅくまい緑豆りょくとうあんからつく餅菓子もちがしがある。また、タイには、カオマオ・トードというバナナともちまいあお未熟みじゅくまいとココナッツを使つかった菓子かしがあり、カオニャオ・マムアンという砂糖さとうりココナツミルクでいた(カットしたマンゴーもえた)デザートもある。

日本にっぽんには、もちまいしていた餅菓子もちがし白玉しらたま団子だんごういろう(小麦粉こむぎこワラビでんぷんつくったものもある)、ぼたもちあくまききりせんしょゆべしなどがある。けいあつもののようにうるちまいべいにしてもちいるものもある。

中国ちゅうごく朝鮮半島ちょうせんはんとうには、くすりしょくのようにもちまいした菓子かししばあさだまシルトックなど上新かみしん白玉粉しらたまこからつく餅菓子もちがしがある。インドのモーダカべい生地きじココナッツ黒砂糖くろざとうのフィリングをつつんだ菓子かしである。

ロシアでは、一口ひとくちだいにカットしたキウイフルーツいちごバナナつぶしごはんでロールし、練乳れんにゅうココナッツパウダーやストロベリーソースでトッピングした寿司ずしふうデザート「スイートロール」が人気にんきはくしており、どう国内こくない寿司すし業界ぎょうかいにて普及ふきゅうひろまっている。

空手からて挌闘かくとうアンディ・フグ生前せいぜん日本にっぽん滞在たいざいちゅうみずか考案こうあんしたストロベリーヨーグルト米飯べいはんバナナをトッピング)をとてもり、頻繁ひんぱんつくってはよろこんでべていたというエピソードがある[84]

にせべい

編集へんしゅう

おもジャガイモサツマイモ小麦粉こむぎこなどを原材料げんざいりょうとして、べいかたち成形せいけいしたものだい世界せかい大戦たいせんちゅう食糧難しょくりょうなん日本にっぽん代用だいようしょくとして開発かいはつされた。これらの材料ざいりょう加熱かねつしてつぶしてちいさな粒状りゅうじょうにして、それをかくとして、表面ひょうめんにデンプンをまぶしてふか工程こうていすうかいかえし、べいじょうおおきさになったら、乾燥かんそうさせて水分すいぶん含有がんゆうりょうらして保存ほぞん可能かのうにする。べるとき普通ふつうく。製法せいほう形状けいじょう粒状りゅうじょうパスタである「クスクス」に類似るいじしている。

戦後せんご食糧難しょくりょうなん時代じだいには政府せいふ生産せいさん奨励しょうれいしたが、その食糧しょくりょう事情じじょう好転こうてんしたこともあり、また、製造せいぞう非常ひじょう手間てま時間じかんがかかることと、食味しょくみちがい、すなわち所詮しょせん代用だいようしょくなため、昭和しょうわ29ねんをピークに急速きゅうそく姿すがたし、本物ほんものべいあまっている現在げんざい日本にっぽんではつくられていない。

現在げんざい食糧難しょくりょうなん北朝鮮きたちょうせんでも代用だいようしょくとして、トウモロコシやサツマイモやジャガイモからにせまい開発かいはつ製造せいぞうされているとわれている。

こうしたべい不足ふそくによるだい用品ようひんとはことなり、ダイエット炭水化物たんすいかぶつ摂取せっしゅりょうおさえるために、野菜やさいしらたきおからなどを加工かこうして米飯べいはんちかごたえをようとする食品しょくひん料理りょうり現代げんだい日本にっぽんにある。

信仰しんこう民俗みんぞく

編集へんしゅう

日本にっぽん文化ぶんかにおいては、たんなる食糧しょくりょうひんまらず、神道しんとう神道しんとうにおける稲作いなさく信仰しんこう起因きいんするれいてき価値かちゆうする穀物こくもつである。地鎮祭じちんさい上棟じょうとうしき農林のうりん水産すいさん職業しょくぎょうてき神事しんじ、また日本にっぽん各地かくちまつで、御神酒おみきしおなどとならび供物くもつとして奉納ほうのうされる。天皇てんのう五穀ごこく中心ちゅうしんとなるものはコメ)の収穫しゅうかくいわ新嘗祭にいなめさい(「勤労感謝きんろうかんしゃ」として国民こくみん祝日しゅくじつとなっている)は宮中きゅうちゅうにおけるもっと重要じゅうよう祭祀さいしであり、天皇てんのう即位そくい最初さいしょ新嘗祭にいなめさいである大嘗祭だいじょうさいは、実質じっしつてき践祚せんそ儀式ぎしき認識にんしきされている。

べい」の分解ぶんかいするとはちじゅうはちともめることから、付会ふかいしてはちじゅうはちぎょうほどつくられる、はちじゅうはちかみ宿やどる、また「はちじゅうはちにんはたらきをて、はじめてべい食卓しょくたくにのぼるのであるから、食事しょくじのたび感謝かんしゃ反省はんせいしなくてはならない」など、道徳どうとく教育きょういくのための様々さまざま訓話くんわ構成こうせいされた。

日本にっぽんのみならず、ひがしアジアにおいてはイネを精霊せいれい宿やど神聖しんせい作物さくもつとみなし、これに不敬ふけい行為こういおこなうと食物しょくもつより滋養じようられず、また田畑たはたいても凶作きょうさくぶといいつたえられている。伏見ふしみ稲荷いなり大社たいしゃでは、はた長者ちょうじゃもちまとにしてたところ、もちしろとりとなってやまほうにとまったため、かれとりをイネの精霊せいれいづいてそこに神社じんじゃてこれをまつったことが起源きげんとされている。なお、異説いせつでは精霊せいれいまつったはた長者ちょうじゃには不毛ふもうおとずれなかったが、ただもちただけの富裕ふゆうしゃ天罰てんばつ没落ぼつらくしたともいわれる[85]

べい貴重きちょうだったむかし黒瀧くろたきてら徳島とくしまけん周辺しゅうへんには「べい養生ようじょう」という習慣しゅうかんがあった。重病じゅうびょうじん枕元まくらもとで、なままいたけつつれてったおとかせるとなおるという俗信ぞくしんである[86]

風習ふうしゅう

編集へんしゅう

沖縄おきなわけんでは、お中元ちゅうげんまたはお歳暮せいぼ真空しんくうパックされたおこめ親戚しんせきわた風習ふうしゅうがある。

べいかんするかたり

編集へんしゅう

ふるくはイネ植物しょくぶつ穀物こくもつについてひろく「べい」という単語たんごもちいられていた。古来こらいいね生産せいさんされていなかった華北かほく漢字かんじ発祥はっしょう)では、ながアワあわ)にたいしてもちいられていた。中国ちゅうごくこうかんもとまきあらわした漢字かんじ解説かいせつしょせつぶんかい』において、「べいあわじつ也。ぞう禾實かたち」(禾=あわ)とかれ、べいすなわちアワのであると解説かいせつされている。現在げんざい中国ちゅうごくでは、イネ植物しょくぶつにとどまらず、べいつぶのような形状けいじょうをしたものもべいれいおおい。たとえば、「うみまいえびまい」はしたエビ、「ちゃまい」は烏龍茶うーろんちゃなどの粒状りゅうじょうちゃなどをす。

べい」という漢字かんじ自体じたいは、穀物こくもつつぶえがいた象形しょうけい文字もじである[87][88]。しかし、楷書かいしょたい字形じけいが「はちじゅうはち」に分解ぶんかいできることから、米寿べいじゅなどの言葉ことば利用りようされている。また、日本にっぽんでは水稲すいとうつくさい手間てまおおさを「もみからそだててべられるようにするまでにはちじゅうはち手間てまがかかる」とたとえられている。また、「八木はちぼく」と分解ぶんかいすることも可能かのうであることから、「八木やぎ(はちぼく/はちもく)」がべい異称いしょうとしてもちいられた。

岩波いわなみ 古語こご辞典じてん』は、「うるしね」(「しね」は“いね”の古語こご)のこうで、“べい”をあらわ日本語にほんご「うる(ち)」(うるち)、マレー 'bəras',アミ 'fərats'; 'vərats',古代こだいペルシア 'vrīzi',古典こてんギリシャ 'oryza',イタリア 'riso',英語えいご 'rice' などを、すべてサンスクリット 'vrīhih' にさかのぼるものとしている。

なお、新聞しんぶんやテレビのニュースにおいては、米国べいこく(アメリカ)のりゃくである「べい(べい)」との混同こんどうけるため、「コメ」とカタカナで表記ひょうきするのが一般いっぱんてきになっている。

べいかかわる語彙ごい

編集へんしゅう
しいなしいな(しいな)
みのり不良ふりょうのこもみのこと。中身なかみがなくかるいため、脱穀だっこくしたもみふうわせたりすいひたしたりして選別せんべつする。
糴(テキ かいよね)/ せり(チョウ うりよね)
中国ちゅうごく日本にっぽんべい備蓄びちく価格かかく安定あんてい目的もくてきとして政府せいふなどが過剰かじょうにはげ、不足ふそくはらった制度せいどつねひらくらくらなど)において、備蓄びちくすることを「糴」、備蓄びちくまいはらうことを「せり」といった。
舎利しゃり(しゃり)
サンスクリットこめ意味いみするシャーリ(サンスクリット: शालि, śāli)と、おな仏教ぶっきょうかたりとして遺骨いこつ意味いみするシャリーラ(śarīra身体しんたい仏舎利ぶっしゃり参照さんしょう)がどちらも「舎利しゃり」とおとうつされた結果けっか両者りょうしゃ混同こんどうされて「べいこまかいほねていることから舎利しゃりともばれる」とかんがえられるようになった。白米はくまいめずらしかった時代じだいには、玄米げんまい区別くべつする意味いみ白米はくまいぎんシャリともった。現在げんざいではおも寿司すし隠語いんごめしことす。
餉(かれい、げ)
「かれいい」の転化てんか。「ほしい」(ほしい)と同義どうぎこめふかすかいてめしにしたもの乾燥かんそうして保存ほぞんしょく携帯けいたいしょくにし、みずひたしてべた。朝餉あさげ(あさげ)、うま餉(ひるげ)、夕餉ゆうげ(ゆうげ)はここからきたもの。
糗(はったい)
こめってこなにした食材しょくざい糖化とうかしてかおりがつため「こうまい」ともばれる。べい以外いがいのイネ穀類こくるいからつくられたものも糗とばれ、はったいとしてられる。
しとぎ(しとぎ)[89]
べいやもちまいからつくる、こめこなじょうにしてみずっただけの加熱かねつしないもちのこと。地方ちほうによっては「しろもち」「からこ」「おはたき」「なまこ」などとばれる。こめしょくするもっとふる方法ほうほうの1つだったとされ、のちには常食じょうしょく炊飯すいはんとはことなり神饌しんせんとしてほうじられた。
糈(奠稲、供米きょうまい、くましね)
精米せいまいしたうすまい(つきしね)を神前しんぜんささげるためにあらきよめたこめ。そのままほうじる場合ばあいは「しとぎ」と同様どうように「しとぎ」とった。「かしよね」「おくま」とも。
こめかみ
あたま両側りょうがわがわ頭骨とうこつならびがわあたますじ箇所かしょこめときにこの部分ぶぶんうごくことからそのけられた。
コメツキバッタ
こめよう動作どうさをすること語源ごげんとなった。てんじてペコペコあたまげる様子ようすあらわす。
コメツキムシ
仰向あおむけにすると、みずかねてもともど能力のうりょくがあり、その動作どうさこめ動作どうさていること名前なまえ語源ごげんとなっている。

神社じんじゃ祝詞のりとでは、白米はくまいいね(にぎしね)。玄米げんまいあらいね(あらしね)とぶことがある[90]

べいかんすることわざ

編集へんしゅう
  • べいたわらいちひょうには7にん神様かみさまっている。
  • こめいちつぶ無駄むだにするとひとつぶれる。
  • 年貢ねんぐおさ

派生はせいした俗語ぞくご

編集へんしゅう

大相撲おおずもう隠語いんごで、かねのこと。相撲すもう部屋へやにおいて将来しょうらい有望ゆうぼう力士りきしを「こめびつ」ともいう。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ その価格かかく安定あんてい生産せいさんがくは、2018ねん平成へいせい30ねん)には1ちょう7,416おくえん年間ねんかん生産せいさんりょうやく778まんトン)程度ていどまで回復かいふく
  2. ^ 歴史れきしてきなものについては、歴史れきし日本にっぽんふし江戸えど時代じだい部分ぶぶん参照さんしょう
  3. ^ 理由りゆうとして、この地域ちいき圃場ほじょう開発かいはつすすんだこともあるが、こう地域ちいき綿花めんか養蚕ようさんようくわなど商品しょうひん作物さくもつ栽培さいばい転換てんかんしたこともおおきい。
  4. ^ デンプン糖類とうるい結合けつごうしたきょ大分おおいたでそのままでは栄養えいようとして吸収きゅうしゅうできない。みず一緒いっしょ加熱かねつすることでちいさなとう分解ぶんかいされ、栄養えいようとして吸収きゅうしゅうされやすくなり、しょくかんもよくなる。
  5. ^ うすずく」のは「はる」とはことなる。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ 日本人にっぽんじんはなぜおこめ主食しゅしょくとしているのですか。 農林水産省のうりんすいさんしょう(2020ねん12がつ20日はつか閲覧えつらん
  2. ^ a b c d e f g 農業のうぎょう生物せいぶつけい特定とくてい産業さんぎょう技術ぎじゅつ研究けんきゅう機構きこうへん最新さいしん農業のうぎょう技術ぎじゅつ事典じてん』(のうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい、2006ねん)p.105
  3. ^ a b c d e 日本にっぽん作物さくもつ学会がっかいへん作物さくもつがく用語ようご事典じてん』(のうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい、2010ねん)p.218
  4. ^ a b c d e f 料理りょうり食材しょくざいだい事典じてん』(主婦しゅふ友社ともしゃ、2006ねん)p.307
  5. ^ a b c 丸善まるぜん食品しょくひん総合そうごう辞典じてん』(丸善まるぜん、1998ねん)p.411
  6. ^ a b c d e f g 杉田すぎた浩一こういちへん日本にっぽん食品しょくひんだい事典じてん』(医歯薬出版いしやくしゅっぱん、2008ねん)p.11
  7. ^ a b c d e f g h i j 猪股いのまた慶子けいこ監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん 2012, p. 144.
  8. ^ a b c d e f g h i 猪股いのまた慶子けいこ監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん 2012, p. 145.
  9. ^ a b c 杉田すぎた浩一こういちへん日本にっぽん食品しょくひんだい事典じてん』(医歯薬出版いしやくしゅっぱん、2008ねん)p.9
  10. ^ 銘柄めいがら800ちょう 激化げきかする「ブランドまい競争きょうそうくためには…産経新聞さんけいしんぶんニュース(2019ねん12月19にち)2020ねん12がつ20日はつか閲覧えつらん
  11. ^ 玄米げんまいおよ精米せいまい品質ひんしつ表示ひょうじ基準きじゅん最終さいしゅう改正かいせい 平成へいせい23ねん7がつ1にち消費しょうひしゃちょう告示こくじだい 6ごう (PDF)
  12. ^ 黒田くろだ治之はるゆきわがくに果樹かじゅ栽培さいばい技術ぎじゅつ課題かだい展望てんぼう」『日本にっぽん調理ちょうり学会がっかい』1999ねん 32かん 2ごう p.151-160, doi:10.11402/cookeryscience1995.32.2_151
  13. ^ 日本にっぽん作物さくもつ学会がっかいへん作物さくもつがく用語ようご事典じてん』(のうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい、2010ねん)p.220
  14. ^ a b パラパラのコメ あえて開発かいはつ福井ふくい秋田あきたで「こうアミロースまい洋食ようしょく照準しょうじゅん/「血糖けっとう抑制よくせい」うたう『日経にっけいMJ』2020ねん12月13にち(フードめん
  15. ^ 平成へいせい18ねん11がつ 農林水産省のうりんすいさんしょう総合そうごう食料しょくりょうきょく総務そうむ発行はっこう資料しりょうより。
  16. ^ 農業のうぎょう生物せいぶつけい特定とくてい産業さんぎょう技術ぎじゅつ研究けんきゅう機構きこうへん最新さいしん農業のうぎょう技術ぎじゅつ事典じてん』(のうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい、2006ねん)p.1126
  17. ^ 農業のうぎょう生物せいぶつけい特定とくてい産業さんぎょう技術ぎじゅつ研究けんきゅう機構きこうへん最新さいしん農業のうぎょう技術ぎじゅつ事典じてん』(のうやま漁村ぎょそん文化ぶんか協会きょうかい、2006ねん)p.1525ねん
  18. ^ fao.org (FAOSTAT). “Countries by commodity (Rice, paddy)”. 2021ねん9がつ7にち閲覧えつらん
  19. ^ 農林水産省のうりんすいさんしょう海外かいがい統計とうけい情報じょうほう, FAOSTAT
  20. ^ a b c d 柴田しばた明夫あきお食料しょくりょう争奪そうだつ日本経済新聞にほんけいざいしんぶん出版しゅっぱんしゃ 2007ねん
  21. ^ れい元年がんねん 農業のうぎょうそう産出さんしゅつがくおよ生産せいさん農業のうぎょう所得しょとく全国ぜんこく”. 農林水産省のうりんすいさんしょう (2021ねん3がつ12にち). 2021ねん9がつ4にち閲覧えつらん
  22. ^ 農林水産省のうりんすいさんしょう生産せいさん農業のうぎょう所得しょとく統計とうけいとう
  23. ^ fao.org (FAOSTAT). “Countries by commodity imports (Rice, paddy)”. 2021ねん9がつ5にち閲覧えつらん
  24. ^ fao.org (FAOSTAT). “Countries by commodity exports (Rice, paddy)”. 2021ねん9がつ5にち閲覧えつらん
  25. ^ 農林水産省のうりんすいさんしょう食料しょくりょう農業のうぎょう農村のうそん政策せいさく審議しんぎかい食糧しょくりょう部会ぶかい 資料しりょう(30ねん7がつ27にち開催かいさい (PDF)
  26. ^ 農林水産省のうりんすいさんしょうべい輸出ゆしゅつについて
  27. ^ a b c d e コメ現物げんぶつ市場いちば来秋らいしゅうにも開設かいせつへ、農水省のうすいしょう方針ほうしん もとめられる価格かかく透明とうめいせい朝日新聞あさひしんぶんデジタル”. 朝日新聞あさひしんぶんデジタル (2022ねん11月25にち). 2023ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  28. ^ コメ現物げんぶつ取引とりひき市場いちば、23ねんあき開設かいせつあん透明とうめい米価べいか」なるか”. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん (2022ねん11月25にち). 2023ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  29. ^ a b c d べい現物げんぶつ市場いちばについて(報告ほうこく)(れい5ねん3がつ”. 農林水産省のうりんすいさんしょう 大臣だいじん官房かんぼう しん事業じぎょう食品しょくひん産業さんぎょう農産のうさんきょく. 2023ねん3がつ25にち閲覧えつらん
  30. ^ コメ先物さきもの廃止はいしへ 農水省のうすいしょう堂島どうじましょうほん上場じょうじょうみとめず」『日本経済新聞にほんけいざいしんぶん』2021ねん8がつ6にち2021ねん9がつ4にち閲覧えつらん
  31. ^ 姿すがたす”コメの先物さきもの取引とりひき背後はいごなにが?”. NHK (2021ねん8がつ6にち). 2021ねん9がつ4にち閲覧えつらん
  32. ^ べい現物げんぶつ市場いちば農林水産省のうりんすいさんしょう”. www.maff.go.jp. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  33. ^ べい現物げんぶつ市場いちば 制度せいど設計せっけいれい4ねん3がつりまとめ)”. 農林水産省のうりんすいさんしょう 大臣だいじん官房かんぼう しん事業じぎょう食品しょくひん産業さんぎょう 商品しょうひん取引とりひきグループ. 2023ねん2がつ18にち閲覧えつらん
  34. ^ a b c べい現物げんぶつ市場いちば検討けんとうじょうきょうについて(経過けいか報告ほうこく)(れい4ねん11月)”. 農林水産省のうりんすいさんしょう ⼤⾂官房かんぼうしん事業じぎょう・⾷品産業さんぎょう農産のうさんきょく. 2023ねん2がつ18にち閲覧えつらん
  35. ^ a b コメ現物げんぶつ市場いちば東京とうきょう公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん開設かいせつ意向いこう”. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん (2022ねん11月24にち). 2023ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  36. ^ コメ現物げんぶつ市場いちば、23ねんあき開始かいし農相のうしょう需要じゅよう動向どうこう反映はんえい期待きたい」(写真しゃしん=共同きょうどう”. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん (2022ねん11月29にち). 2023ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  37. ^ a b コメ現物げんぶつ2市場いちば開設かいせつへ 23ねんあき石川いしかわ農業のうぎょう法人ほうじん参入さんにゅう - 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん”. www.nikkei.com. 2023ねん3がつ25にち閲覧えつらん
  38. ^ a b べい産業さんぎょう活性かっせいのための意見いけん交換こうかん農林水産省のうりんすいさんしょう”. www.maff.go.jp. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  39. ^ a b べい将来しょうらい価格かかくかんする実務じつむしゃ勉強べんきょうかい農林水産省のうりんすいさんしょう”. www.maff.go.jp. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  40. ^ 株式会社かぶしきがいしゃぶった農産のうさん 代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょう 佛田ぶつでん利弘としひろ (2023ねん8がつ9にち). “農業のうぎょうしゃ起点きてんあらたなコメ現物げんぶつ市場いちば創設そうせつ -CO₂、肥料ひりょう農薬のうやくとう削減さくげんする「グリーンイノベーション」ファーミングの実現じつげん”. 農林水産省のうりんすいさんしょう 大臣だいじん官房かんぼう しん事業じぎょう食品しょくひん産業さんぎょう 商品しょうひん取引とりひきグループ. 2024ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  41. ^ 研究けんきゅういん紹介しょうかい 研究所けんきゅうじょ案内あんない | 流通りゅうつう経済けいざい研究所けんきゅうじょ”. www.dei.or.jp. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  42. ^ 公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん 流通りゅうつう経済けいざい研究所けんきゅうじょ 折笠おりかさ俊輔しゅんすけ (2023ねん8がつ9にち). “べい現物げんぶつ市場いちば 「みらいまい市場いちば事業じぎょう計画けいかく”. 農林水産省のうりんすいさんしょう 大臣だいじん官房かんぼう しん事業じぎょう食品しょくひん産業さんぎょう 商品しょうひん取引とりひきグループ. 2024ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  43. ^ 会社かいしゃ概要がいよう”. rice-market.jp. みらいまい市場いちば株式会社かぶしきがいしゃ. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  44. ^ a b 「みらいまい市場いちば」10がつ取引とりひき開始かいし 神明しんめいなど16しゃ出資しゅっし”. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん (2023ねん9がつ26にち). 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  45. ^ a b 日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい (2023ねん10がつ16にち). “コメのき「現物げんぶつ市場いちば開設かいせつ 価格かかく決定けってい透明とうめいせい期待きたい | NHK”. NHKニュース. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  46. ^ ふるくてあたらしいこめ現物げんぶつ市場いちば「みらいまい市場いちば」がスタート”. AGRI JOURNAL (2023ねん10がつ24にち). 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  47. ^ a b 生産せいさんしゃ価格かかく提示ていじ まい現物げんぶつ市場いちば「みらいまい市場いちば」 10がつ16にち開設かいせつ”. べい. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  48. ^ a b コメの市場いちばがあるメリットとは?その15「みらいまい市場いちば可能かのうせい」【熊野くまの孝文たかふみべいマーケット情報じょうほう”. コラム. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  49. ^ コメ現物げんぶつ市場いちば参加さんかのホクレン 環境かんきょう配慮はいりょ前面ぜんめんに 11生産せいさん部会ぶかいが15種類しゅるい出品しゅっぴん北海道新聞ほっかいどうしんぶんデジタル”. 北海道新聞ほっかいどうしんぶんデジタル. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  50. ^ コメ現物げんぶつ市場いちば12がつにも開始かいし ぶった農産のうさん少量しょうりょう取引とりひき対応たいおう”. 日本経済新聞にほんけいざいしんぶん (2023ねん10がつ12にち). 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  51. ^ 石川いしかわ】コメ現物げんぶつ市場いちば 開設かいせつ農家のうか努力どりょく 価格かかく反映はんえいみち北陸ほくりく中日新聞ちゅうにちしんぶんWeb”. 中日新聞ちゅうにちしんぶんWeb. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  52. ^ INC, SANKEI DIGITAL (2023ねん10がつ12にち). “コメ現物げんぶつ市場いちば12月じゅうにがつ以降いこう開始かいし 石川いしかわの「ぶった農産のうさん」など、開設かいせつれい”. 産経さんけいニュース. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  53. ^ a b c d 堂島どうじまがコメ先物さきものほん上場じょうじょうさい起動きどう熊野くまの孝文たかふみべいマーケット情報じょうほう”. コラム. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  54. ^ a b c d e f g べい将来しょうらい価格かかくかんする実務じつむしゃ勉強べんきょうかいとりまとめ”. 農林水産省のうりんすいさんしょう 大臣だいじん官房かんぼう しん事業じぎょう食品しょくひん産業さんぎょう 商品しょうひん取引とりひきグループ (2024ねん1がつ30にち). 2024ねん2がつ17にち閲覧えつらん
  55. ^ a b 日本にっぽんべい総合そうごう米価べいか先物さきもの市場いちばほん上場じょうじょうする堂島どうじま熊野くまの孝文たかふみべいマーケット情報じょうほう”. コラム. 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  56. ^ a b c d コメ指数しすう先物さきもの上場じょうじょう申請しんせい今月こんげつ下旬げじゅんにも―堂島どうじま取引とりひきしょ時事じじドットコム”. 時事じじドットコム (2024ねん2がつ3にち). 2024ねん2がつ16にち閲覧えつらん
  57. ^ ヒドロキシ-5-メチルィソキサゾールの作物さくもつ生育せいいく調節ちょうせつ作用さようかんする研究けんきゅう (PDF) (2012ねん1がつ14にち時点じてんアーカイブ
  58. ^ 小川おがわ正巳まさみ太田おおた保夫やすお3-ヒドロキシ-5-メチルイソキサゾールの作物さくもつ生育せいいく調節ちょうせつ作用さようかんする研究けんきゅう だい1ほう Japanese Journal of Crop Science 42(4), 499-505, 1973-12-30, NAID 110001727446
  59. ^ 関東かんとう農政のうせいきょくHP
  60. ^ 原田はらだ信男のぶお和食わしょくとはなにか うまみの文化ぶんかをさぐる』(角川かどかわソフィア文庫ぶんこ、2014ねん)p.21
  61. ^ a b 新谷しんたに 尚紀なおき 民俗みんぞくしょう事典じてん しょく』(吉川弘文館よしかわこうぶんかん、2013ねんISBN 978-4-642-08087-3)26-28ぺーじ
  62. ^ a b 増田ますだ 昭子あきこ雑穀ざっこく社会しゃかい』(吉川弘文館よしかわこうぶんかん, 2001ねん, ISBN 4-642-07545-3)40, 46, 79ぺーじ
  63. ^ 江原えばら 絢子あやこ 日本にっぽん食物しょくもつ』(吉川弘文館よしかわこうぶんかん, 2009ねん, ISBN 978-4-642-08023-1)188-190ぺーじ
  64. ^ ゆうその正一郎しょういちろう近世きんせい庶民しょみん常食じょうしょく百姓ひゃくしょうこめべられなかったか』(うみあおしゃ、2007ねんISBN 9784860992316だい2しょう
  65. ^ 香田こうだ徹也てつや昭和しょうわ15ねん(1940ねん林政りんせい民有みんゆうりん」『日本にっぽん近代きんだい林政りんせい年表ねんぴょう 1867-2009』(日本にっぽん林業りんぎょう調査ちょうさかい 2011ねん)p420 全国ぜんこく書誌しょし番号ばんごう:22018608
  66. ^ a b 江原えばら 絢子あやこ 日本にっぽん食物しょくもつ』(吉川弘文館よしかわこうぶんかん, 2009ねん, ISBN 978-4-642-08023-1)265-284ぺーじ
  67. ^ a b c 原田はらだ 信男のぶお和食わしょく日本にっぽん文化ぶんか』(小学館しょうがくかん、2005ねんISBN 4-09-387609-6)200,201,204ぺーじ
  68. ^ a b 「アメリカ小麦こむぎ戦略せんりゃく」と日本人にっぽんじん食生活しょくせいかつ
  69. ^ 渡部わたなべ忠世ただよいね大地だいち』(小学館しょうがくかん、1993ねんISBN 4-09-626178-5)17-18ぺーじ
  70. ^ 磯辺いそべ俊彦としひこ「《書評しょひょう池上いけがみきのえはじめ岩崎いわさき正弥まさや原山はらやまひろしかい藤原ふじわらたつしょく共同きょうどうたい動員どういんから連帯れんたいへ』」『村落そんらく社会しゃかい研究けんきゅうジャーナル』だい17かんだい2ごう、2011ねん、43-44ぺーじdoi:10.9747/jars.17.2_43ISSN 1882-4560 
  71. ^ 藤岡ふじおか みききょう 農業のうぎょう食料しょくりょうのしくみ』(日本にっぽん実業じつぎょう出版しゅっぱんしゃ、2007ねんISBN 978-4-534-04286-6)126ぺーじ
  72. ^ 平成へいせい25年度ねんど海外かいがい農業のうぎょう貿易ぼうえき事情じじょう調査ちょうさ分析ぶんせき事業じぎょう (アジア・大洋たいようしゅう)「中国ちゅうごくのコメ生産せいさん消費しょうひ輸出ゆしゅつじょうきょうとう(ジャポニカまい中心ちゅうしんに)」” (PDF). 農林水産省のうりんすいさんしょう (2014ねん4がつ). 2021ねん4がつ17にち閲覧えつらん
  73. ^ 中国ちゅうごくのスーパーハイブリッドいね生産せいさんりょう世界せかいしん記録きろく樹立じゅりつ」『人民日報じんみんにっぽう日本語にほんごばん2017ねん10がつ16にち(2018ねん2がつ10日とおか閲覧えつらん
  74. ^ 米寿べいじゅ直前ちょくぜん研究けんきゅうしゃ日本にっぽん平均へいきんの3ばいおさむべい開発かいはつばくしょく中国ちゅうごく主食しゅしょく自給じきゅう希望きぼう日経にっけいヴェリタス』2018ねん2がつ4にち(アジアめん
  75. ^ 日本にっぽん水稲すいとう10aたり収量しゅうりょうは、れい3年度ねんどで539kg。 農業のうぎょう生産せいさんかんする統計とうけい(2) べい生産せいさんりょう”. 農林水産省のうりんすいさんしょう. 2022ねん7がつ3にち閲覧えつらん
  76. ^ 【グローバルViews】中国ちゅうごくコメ収量しゅうりょう 日本にっぽんの3ばい人口じんこう膨大ぼうだい食料しょくりょう 輸入ゆにゅうたよれず『日経にっけい産業さんぎょう新聞しんぶん』2018ねん12月4にち(グローバルめん
  77. ^ a b c d e f g h i (PDF) California Rice 101, California Rice Commission, https://calrice.org/pdf/crc101guide_mw_06.pdf 
  78. ^ Heirloom Kokuho Rose® Rice is NOT Generic, Commodity-grade Calrose, Koda Farms, https://www.kodafarms.com/heirloom-kokuho-rose/ 
  79. ^ “「欧州おうしゅうのパンかご」ウクライナ侵攻しんこう日本にっぽん食料しょくりょうはどうなる”. (2022ねん3がつ1にち). https://wedge.ismedia.jp/articles/-/25902 2022ねん8がつ13にち閲覧えつらん 
  80. ^ 世界せかいてきなコメ危機きき実態じったい 背後はいごひそ問題もんだいてんとはなにか」『日経にっけいビジネスオンライン』日経にっけいBP、2008ねん5がつ14にちづけ配信はいしん
  81. ^ 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ(ニッポニカ)』 - 「もち”. コトバンク. 2023ねん1がつ2にち閲覧えつらん
  82. ^ 五明ごみょうおさむはる胚芽はいがまいのすべて」女子栄養大学じょしえいようだいがく、2023ねん1がつ2にち閲覧えつらん
  83. ^ 亀井かめいあや, ゆみなり炊飯すいはん加熱かねつ方法ほうほうちがいによる米飯べいはんちゅうのレジスタントスターチりょうについて」『宮城教育大学みやぎきょういくだいがく紀要きようだい54かん宮城教育大学みやぎきょういくだいがく、2020ねん1がつ、309-314ぺーじCRID 1050002212667093504 
  84. ^ 調理ちょうり再現さいげんHP
  85. ^ 石毛いしげ直道なおみち世界せかいべもの しょく文化ぶんか地理ちり』(講談社こうだんしゃ学術がくじゅつ文庫ぶんこ)p145
  86. ^ 渡辺わたなべ昭五しょうご日本人にっぽんじん秘境ひきょう』(さんむくい、1973ねん)115p
  87. ^ あさひのぼる (2014), せつぶんしんあかし, 台北たいぺい: 芸文げいぶんしるししょかん, pp. 579–580, ISBN 978-957-520-168-5 
  88. ^ はやしこころざしきょうとう (2017), ぶんげん評注ひょうちゅう, 北京ぺきん: 中国ちゅうごく社会しゃかい科学かがく出版しゅっぱんしゃ, p. 33, ISBN 978-7-5203-0419-1 
  89. ^ コトバンク『世界せかいだい百科ひゃっか事典じてん だい2はん』 -「しとぎ
  90. ^ 出雲いずも大社たいしゃきょう布教ふきょう養成ようせい講習こうしゅうかい』(出雲いずも大社たいしゃきょう教務きょうむ本庁ほんちょう 平成へいせい元年がんねん9がつぜん427ぺーじちゅう167ぺーじ

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
  • 猪股いのまた慶子けいこ監修かんしゅう 成美せいびどう出版しゅっぱん編集へんしゅうへん『かしこくえらぶ・おいしくべる 野菜やさいまるごと事典じてん成美せいびどう出版しゅっぱん、2012ねん7がつ10日とおか、144 - 145ぺーじISBN 978-4-415-30997-2 
  • 原田はらだ信男のぶお『コメをえらんだ日本にっぽん歴史れきし 』(文春ぶんしゅん新書しんしょ 文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう 外国がいこくべいづくISBN 4166605054
  • 『「べい」で総合そうごう学習がくしゅうみんなで調しらべてそだててべよう!〈2〉図解ずかい まいなんでも情報じょうほう」』(かねほししゃ
  • Harold McGee ちょ香西こうざいみどり やく『マギー キッチンサイエンス』共立きょうりつ出版しゅっぱん、2008ねんISBN 9784320061606 

関連かんれん文献ぶんけん

編集へんしゅう

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう
  • べい」ではじまるページの一覧いちらん
  • タイトルに「べい」をふくむページの一覧いちらん
  • 外部がいぶリンク

    編集へんしゅう