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総務 - Wikipedia

総務そうむ

組織そしき全体ぜんたいかんする事務じむあつか業務ぎょうむあるいは職務しょくむ

総務そうむ(そうむ)とは組織そしき全体ぜんたいかんする事務じむあつか業務ぎょうむ、あるいは、職務しょくむのこと。

企業きぎょう総務そうむ

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企業きぎょう総務そうむ部門ぶもんでは、およそ以下いかのようなことをおこなうとされる。

企業きぎょう総務そうむ部門ぶもんは、「総務そうむ」をはじめ、企業きぎょうごとに様々さまざま名称めいしょうばれる。中小ちゅうしょう企業きぎょうでは、総務そうむにおいて法務ほうむ人事じんじ労務ろうむねる場合ばあいおおい。総務そうむ人事じんじ労務ろうむ混同こんどうされることもあるが、狭義きょうぎ総務そうむには人事じんじ労務ろうむふくまず、人事じんじ労務ろうむ総務そうむした人事じんじ労務ろうむ)に配置はいちされることもある。日本にっぽん企業きぎょう特徴とくちょうひとつとして、「総務そうむ部門ぶもん発達はったつしていること指摘してきされる。

職種しょくしゅとしての総務そうむ

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企業きぎょうにおいて一般いっぱん事務じむかんする事務じむ担当たんとうするひと職種しょくしゅも、一般いっぱんに「総務そうむ」とばれる。企業きぎょうないにおける総務そうむ担当たんとうしゃ養成ようせいじょうきょうとしては、やく半数はんすう法務ほうむ専門せんもんしょくでないジェネラリストとして要請ようせいされ総務そうむ配属はいぞくされる、のこりの半分はんぶんじゃく法務ほうむのスペシャリストとして法務ほうむなどに配置はいちされる。

ジェネラル・スタッフ、ファシリティマネージャー、バックオフィスなどともばれる。

専門せんもんしょくとしてのあつか

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総務そうむは、日本にっぽん企業きぎょうでは一般いっぱんしょくであるあつかいをされることおおいが、グローバル企業きぎょうでは総務そうむは「専門せんもんしょく」と認識にんしきされる。総務そうむ専門せんもんしょくとみなすように変化へんかしたのは、世界せかい企業きぎょうの30ねんまえながれによる。ファシリティマネジャーや総務そうむあつか予算よさんおおきく、総務そうむ役員やくいんしつ発言はつげんできる人材じんざい、つまり、経営けいえい会議かいぎ利益りえきやバランスシートについての知識ちしき要求ようきゅうされる、経営けいえい会議かいぎ議論ぎろん参加さんかできる経営けいえい人材じんざいとしての「専門せんもんしょく」になっていく必要ひつようがある、という風潮ふうちょうまれた。そうしたながれから、昨今さっこんの、グローバル企業きぎょう総務そうむ専門せんもんしょくであり、コア業務ぎょうむとして認識にんしきされる[1]

団体だんたい内部ないぶ自治じち総務そうむ

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定款ていかん株主かぶぬし総会そうかい取締役とりしまりやくかい経営けいえい会議かいぎとう組織そしき全体ぜんたいかかわる事務じむであれば「総務そうむ」(「総務そうむ」)の仕事しごと分類ぶんるいされる。定款ていかんあん株主かぶぬしそう会議かいぎあん起案きあん想定そうてい問答もんどうしゅう作成さくせいとう事務じむきょく業務ぎょうむは、用字ようじ用語ようごやいいまわしや体裁ていさいについてのこまかいまりごとに注意ちゅういはら必要ひつようがあり法制ほうせい執務しつむ類似るいじした作業さぎょうともなため総務そうむというせん門部かとべしょ必要ひつようとされる。また、経営けいえいしゃや、だい株主かぶぬし少数しょうすう株主かぶぬし従業じゅうぎょういん社員しゃいんとうステークホルダー意見いけん反映はんえいさせる必要ひつようせいから経営けいえい参謀さんぼうたる総務そうむ適任てきにんとされる。また株主かぶぬし総会そうかい決議けつぎ法律ほうりつ争点そうてんにならず、株主かぶぬし多数決たすうけつすなわ株主かぶぬし政治せいじ経営けいえい判断はんだん争点そうてんになるからとも説明せつめいされている。株主かぶぬし総会そうかいなどの組織そしき部分ぶぶん社会しゃかい)の判断はんだんは、基本きほんてき法律ほうりつ優先ゆうせんする。日本にっぽん国内こくない裁判さいばん判例はんれいでも、団体だんたい内部ないぶ規律きりつ問題もんだいについては司法しほう審査しんさおよばない、とする法理ほうり部分ぶぶん社会しゃかいろん部分ぶぶん社会しゃかい法理ほうり)」とう理論りろん存在そんざいする。

総務そうむ株主かぶぬし総会そうかいでの一般いっぱんてき役割やくわりとは、総会そうかいをつつがなくおこない、総会そうかいでの議案ぎあん粛々しゅくしゅく成立せいりつさせ、総会そうかい成功せいこうみちびくことである。

従業じゅうぎょういん参加さんかがた経営けいえい総務そうむ

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昨今さっこん従業じゅうぎょういん参加さんかがた経営けいえい手法しゅほう注目ちゅうもくされているが、総務そうむ役割やくわりとして、社内しゃない従業じゅうぎょういん意見いけんをアンケートとう手法しゅほうあつめるボトムアップ手法しゅほうや、従業じゅうぎょういん士気しき向上こうじょうはかひとし従来じゅうらいからその役割やくわりがあること指摘してきされる。人材じんざい技術ぎじゅつ組織そしきりょく顧客こきゃくとのネットワーク、ブランドとうえない知的ちてき資産しさん経営けいえいじょう財産ざいさんかんがえる「知的ちてき資産しさん経営けいえい」などもその手法しゅほうひとつであり、総務そうむには企業きぎょう組織そしき影響えいきょうあたえ、従業じゅうぎょういんの「士気しきモチベーション)」や「組織そしきちから」や「ブランドちから」などをたかめる役割やくわりるとかんがえられている[2]

不動産ふどうさん管理かんり(ファシリティマネジメント)、備品びひん管理かんり車両しゃりょう管理かんり総務そうむ

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総務そうむ伝統でんとうてき業務ぎょうむには、不動産ふどうさん賃貸ちんたい所有しょゆう)の管理かんり什器じゅうき備品びひんとう管理かんり車両しゃりょう(リース・所有しょゆう)の管理かんりなどもある。とく昨今さっこん注目ちゅうもくされているのは、ファシリティマネジメントである。

業法ぎょうほう行政ぎょうせい法規ほうきのコンプライアンス業務ぎょうむ

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かく業界ぎょうかいまっている業法ぎょうほう行政ぎょうせい法規ほうき法令ほうれい遵守じゅんしゅ企業きぎょうコンプライアンス)の推進すいしんため業務ぎょうむ総務そうむ業務ぎょうむなかおおきな範囲はんいめる。業界ぎょうかい監督かんとくおこなっている監督かんとく官庁かんちょう官公かんこうしょ)への許認可きょにんか申請しんせいとう行政ぎょうせい手続てつづき、渉外しょうがい総務そうむ仕事しごととする企業きぎょうおおい。

れいとしては、

総務そうむ広報こうほう(PR)の業務ぎょうむ

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総務そうむは、企業きぎょうのPR活動かつどうパブリック・リレーションズ活動かつどう)を仕事しごとにしていることおおい。 松岡まつおか紀雄としおもと神奈川大学かながわだいがく名誉めいよ教授きょうじゅ)はたいべいPRろん講義こうぎで、日本にっぽん社会しゃかいとアメリカ社会しゃかいちがい、そして、企業きぎょう広報こうほうパブリック・リレーションズ活動かつどうについてろんじている。

総務そうむ最高さいこう責任せきにんしゃ

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最高さいこう知識ちしき責任せきにんしゃ (chief knowledge officer) ひとし役職やくしょくもうける企業きぎょうもある。 最高さいこう知識ちしき責任せきにんしゃ《Chief Knowledge Officer》CKO. は知識ちしき保存ほぞんによって企業きぎょう価値かち最大限さいだいげんになるよう保障ほしょうする責任せきにんがある役員やくいん。 ナレッジ・マネジメントを実施じっしする組織そしきにおいて、全社ぜんしゃてきなナレッジ管理かんり責任せきにん役職やくしょく

米国べいこく法人ほうじんえい連邦れんぽう諸国しょこく香港ほんこん会社かいしゃには、日本にっぽん一般いっぱん法人ほうじん総務そうむ管掌かんしょうするとされる、法人ほうじん登記とうきかんする事務じむ法人ほうじん社員しゃいん名簿めいぼまた株主かぶぬし名簿めいぼ管理かんり法人ほうじん社員しゃいん総会そうかいまた株主かぶぬし総会そうかいならびに理事りじかいまた取締役とりしまりやくかい手続てつづきの議事ぎじろくへの記録きろくおよび保管ほかん招集しょうしゅうかんする事務じむ議案ぎあん資料しりょう交付こうふとう事務じむ法人ほうじん公式こうしき文書ぶんしょ保管ほかんおよび管理かんり法人ほうじんしるしシール)の保管ほかんなどについて責任せきにんう、法人ほうじん書記しょきやく (secretary) 最高さいこう総務そうむ責任せきにんしゃ (chief administrative officer) ひとし役員やくいんおよび役員やくいん補佐ほさする部署ぶしょ設置せっちされるので、この部署ぶしょ総務そうむにあたる職務しょくむおこなう。

能力のうりょくとしての総務そうむ

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総務そうむ必要ひつようとされるスキルは様々さまざまある。おおむね、事務じむ処理しょり能力のうりょく財務諸表ざいむしょひょう理解りかいする簿記ぼき会計かいけい知識ちしき情報じょうほう通信つうしん知識ちしき役所やくしょ行政ぎょうせい)の手続てつづき(許認可きょにんか申請しんせいとう)の知識ちしき経験けいけん会社かいしゃほう知識ちしき株主かぶぬし総会そうかい事務じむ知識ちしき各部かくぶしょとの調整ちょうせい能力のうりょく、コミュニケーション能力のうりょくなどとわれている。

日本にっぽん国内こくない資格しかく制度せいどでは、総務そうむしょう所管しょかん資格しかくとして行政ぎょうせい書士しょし総務そうむしょう自治じち行政ぎょうせいきょく所管しょかん)がある。行政ぎょうせい書士しょし試験しけんには、政治せいじ経済けいざい社会しゃかい情報じょうほう通信つうしん会社かいしゃほう行政ぎょうせいほう個人こじん情報じょうほう保護ほごほうひとし総務そうむ必要ひつよう分野ぶんやからの出題しゅつだいがあることから、総務そうむてきした資格しかくわれている。行政ぎょうせい書士しょし業務ぎょうむ範囲はんい総務そうむ業務ぎょうむ範囲はんい重複じゅうふくする部分ぶぶんおおく、たとえば行政ぎょうせい手続てつづき(許認可きょにんか申請しんせいとう)、定款ていかん株主かぶぬし総会そうかい議事ぎじろくとう書類しょるい作成さくせい行政ぎょうせい書士しょし独占どくせん業務ぎょうむである(行政ぎょうせい書士しょしほうだいじょうの2)。したがって行政ぎょうせい書士しょし業務ぎょうむ企業きぎょう総務そうむ部門ぶもんからの外部がいぶ委託いたくアウトソーシング)であることおおい。また、すうねんまえから行政ぎょうせい書士しょし業界ぎょうかいでは中小ちゅうしょう企業きぎょうとう対象たいしょう組織そしきちから士気しきなどえない企業きぎょう特有とくゆう知的ちてき資産しさん評価ひょうかする知的ちてき資産しさん経営けいえい普及ふきゅうさせるためのシンポジウム、相談そうだんかいなどを開催かいさいしている[3]


その総務そうむしょう所管しょかん資格しかくとしては、無線むせん従事じゅうじしゃ総合そうごう無線むせん通信つうしん陸上りくじょう無線むせん技術ぎじゅつ陸上りくじょう特殊とくしゅ無線むせん技士ぎし、アマチュア無線むせん技士ぎし 電気でんき通信つうしん主任しゅにん技術ぎじゅつしゃ工事こうじ担任たんにんしゃ危険きけんぶつ取扱とりあつかいしゃ消防しょうぼう設備せつび消防しょうぼう設備せつび点検てんけん資格しかくしゃ防火ぼうか管理かんりしゃ防火ぼうか対象たいしょうぶつ点検てんけん資格しかくしゃ防災ぼうさい管理かんりしゃ防災ぼうさい管理かんり点検てんけん資格しかくしゃなども総務そうむのぞましい資格しかくになる。

情報じょうほう通信つうしん関連かんれん資格しかくとしては、基本きほん情報じょうほう技術ぎじゅつしゃひとし簿記ぼき会計かいけい資格しかくとしては簿記ぼき検定けんていひとしがある。その登記とうき専門せんもんとくした資格しかくである司法しほう書士しょし法務省ほうむしょう所管しょかん)、人事じんじ労務ろうむせんもんとしての社会しゃかい保険ほけん労務ろうむ厚生こうせい労働省ろうどうしょう所管しょかん)、特許とっきょせんもんとして弁理べんり特許庁とっきょちょう所管しょかん)が存在そんざいする。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 経営けいえい戦略せんりゃく×総務そうむ」(2016ねん9がつ10にちクレイグ・カックス-日本にっぽん企業きぎょう経営けいえいしゃは「総務そうむのプロ」をそだてよ―総務そうむのプロがかたるグローバル基準きじゅん総務そうむ姿すがた/ダイヤモンド・オンライン編集へんしゅう)より
  2. ^ 月刊げっかん総務そうむ編集へんしゅうちょうメッセージ「総務そうむわれば会社かいしゃわります。なぜなら、総務そうむ仕事しごと全社ぜんしゃ影響えいきょうあたえるからです。」「組織そしきは“ひと”。組織そしき最小さいしょう単位たんいであるひとかがやかなければ、組織そしき企業きぎょうかがやきません。ひとかがやくには、組織そしきないのコミュニケーションが活発かっぱつにされることが大切たいせつ。」より
  3. ^ 東京とうきょう行政ぎょうせい書士しょしかい知的ちてき資産しさん経営けいえいWEEK2015シンポジウムIN東京とうきょう

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