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郵便記号 - Wikipedia

郵便ゆうびん記号きごう

日本にっぽん郵便ゆうびん事業じぎょう郵便ゆうびんきょく記号きごう、シンボルマーク

郵便ゆうびん記号きごう(ゆうびんきごう、)または郵便ゆうびんマーク(ゆうびんマーク)は、日本にっぽん郵便ゆうびん事業じぎょう郵便ゆうびんきょく記号きごうシンボルマーク明治めいじ20ねん1887ねん)に逓信ていしんしょう徽章きしょうとして考案こうあん発表はっぴょうし、後身こうしん郵政省ゆうせいしょう郵政ゆうせい事業じぎょうちょう日本にっぽん郵政ゆうせい公社こうしゃへとがれ、民営みんえい日本にっぽん郵政ゆうせいグループブランドマークとなっている。

郵便ゆうびん記号きごう郵便ゆうびんマーク

郵便ゆうびん日本にっぽん郵政ゆうせいグループ)以外いがいでは、きゅう郵政省ゆうせいしょう電気でんき通信つうしん関連かんれん部門ぶもんいだ総務そうむしょう技術ぎじゅつ基準きじゅん適合てきごうマークとして使用しようされている。過去かこにはきゅう通産省つうさんしょう電気でんき用品ようひん取締とりしまりほう合格ごうかくマークとしても使用しようされた。→後述こうじゅつ

郵便ゆうびんマーク(ゆうびんマーク)とばれることがおおいが、日本にっぽん産業さんぎょう規格きかく(JIS)において「〒」は「郵便ゆうびん記号きごう」(ゆうびんきごう)と呼称こしょうされており、「郵便ゆうびんマーク」は「〠」(かお郵便ゆうびんマーク)をす。Unicode のコードポイントは、郵便ゆうびん記号きごう(〒)が U+3012、郵便ゆうびんマーク(〠)が U+3020 である。

郵便ゆうびん記号きごう(〒)は日本国にっぽんこく独自どくじのものであり、日本にっぽん国外こくがいでは郵便ゆうびん記号きごうとして利用りようすることはできない。また、郵便ゆうびん番号ばんごう表示ひょうじするときにもしばしばもちいられ、はがき封筒ふうとう郵便ゆうびん番号ばんごうあわせて郵便ゆうびん記号きごういているケースがあるが、日本にっぽん郵便ゆうびんさだめている「内国ないこく郵便ゆうびん約款やっかん[1]」では不可ふかとなっている[2]

まるいちき(明治めいじ17ねん6がつだい15ごう布達ふたつ郵便ゆうびん徽章きしょう

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まるいち

明治めいじ4ねん4がつ20日はつか1871ねん6月7にち)に日本にっぽん郵便ゆうびん事業じぎょうはじまったが、当初とうしょとくさだめられた徽章きしょうはなく、「郵便ゆうびん」の文字もじだけであった。明治めいじ10ねん1877ねんごろから、おおきな赤丸あかまる(いわゆる「まるてき徽章きしょう)にふと横線おうせんかさねたあかい「まるいち[3]郵便ゆうびんマークとしてもちいられはじめたとされている。「まるいちき」は郵便ゆうびん配達員はいたついん制帽せいぼう制服せいふく郵便ゆうびんなどにしるされており、明治めいじ17ねん1884ねん)6がつ23にち太政官だじょうかん布達ふたつだい15ごうにより、正式せいしきに「郵便ゆうびん徽章きしょう」とさだめられた。その後述こうじゅつのように明治めいじ20ねん1887ねん)に「」が逓信ていしんしょう徽章きしょうさだめられたさい、この郵便ゆうびん徽章きしょう自然しぜん消滅しょうめつぞくするとされ、新調しんちょうするまでのあいだは、そのまま使用しようできるものとした。

なお、郵便ゆうびんとう所管しょかん官庁かんちょうとして逓信ていしんしょう創設そうせつされるのは、その翌年よくねん明治めいじ18ねん1885ねん)である。

郵便ゆうびんマークの誕生たんじょうまでのいきさつ

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郵便ゆうびん記号きごう郵便ゆうびんマーク
 
ボンネットじょうに「〒」マーク表示ひょうじしたきゅう日本にっぽん郵政ゆうせい公社こうしゃげん日本にっぽん郵政ゆうせいグループ)委託いたく会社かいしゃ郵便ゆうびんしゃ
 
表面ひょうめんに「〒」マーク表示ひょうじしたきゅう日本にっぽん郵政ゆうせい公社こうしゃげん日本にっぽん郵政ゆうせいグループ)設置せっち郵便ゆうびんポスト

2がつ8にち郵便ゆうびんマークのとなっている。

明治めいじ20ねん(1887ねん2がつ8にち当時とうじ逓信ていしんしょうは「いまより (T) 字形じけいを以って本省ほんしょう全般ぜんぱん徽章きしょうとす」と告示こくじ明治めいじ20ねん2がつ8にち逓信ていしんしょう告示こくじだい11ごう)した。ところが、2がつ14にちに「」に変更へんこうし、2がつ19にち官報かんぽうで「じつは「〒」のあやまりだった」ということで訂正ていせいされてしまった。

この経緯けいいかんしては、諸説しょせつあることでられている。

  1. 「T」をだい一案いちあんとし、「テイシンショウ」の片仮名かたかなの「」を図案ずあんした「〒」をだいあんとして提出ていしゅつしたところ、だいあんの「〒」が採用さいようされた。しかし、告示こくじとき「T」とあやまってしまったために、これを訂正ていせいした、というせつ
  2. 「T」にすることで最初さいしょからまっていたものの、後日ごじつ調しらべてみると「T」は国際こくさい郵便ゆうびん取扱とりあつかいでは、郵便ゆうびん料金りょうきん不足ふそくしるしとして万国ばんこく共通きょうつう使用しようされていた。そのため、これによくたマークは適当てきとうではないということで、「〒」に訂正ていせいした、というせつ。また、この訂正ていせいでは、「テイシンショウ」の片仮名かたかなの「テ」からのせつと、単純たんじゅんに「T」のうえ一本いっぽんして「〒」とした、というせつの2つがある。
  3. ふね会社かいしゃ日本郵船にっぽんゆうせん)のファンネルマークよこほんで、同社どうしゃ社員しゃいんから、これは日本にっぽん意味いみするもので、このしたたてぼうをつけて「〒」としたせつ(NHK総合そうごうテレビで2018ねん8がつ17にち放送ほうそうされた『チコちゃんにしかられる!』でげられた[注釈ちゅうしゃく 1])。

どれが有力ゆうりょくか、ということはないが、一般いっぱんには 2. のほうがおおかたられている。また、「Tのうえぼういちほんくわえる」というアイディアは、初代しょだい逓信ていしん大臣だいじんであった榎本えのもと武揚ぶようしたともわれている[4]

なお、「T」マークの由来ゆらいにも諸説しょせつあり、漢字かんじの「ちょう」(てい)を図案ずあんしたもので、これは「甲乙こうおつへいひのと」の「ひのと」が逓信ていしん(ていしん)の「てい」のみにうからだというせつや、「逓信ていしん」をマ字まじあらわした「Teishin」の頭文字かしらもじだというせつもある。

いずれにせよ、これ以降いこうは「〒」の徽章きしょうが、郵便ゆうびん配達員はいたついんにつける帽子ぼうしまるかさ)の正面しょうめん制服せいふく上着うわぎ袖口そでぐち郵便ゆうびんはた英語えいごばん、あるいは書状しょじょうあつばこ現在げんざい郵便ゆうびんポスト)につけられるようになった。また、当初とうしょ上述じょうじゅつの「まるいちき」や封筒ふうとうをモチーフにしていた「郵便ゆうびんきょく」をしめ地図ちず記号きごうも、「〒」をまるかこんだものとさだめられた。

なお、郵便ゆうびん記号きごう縦横じゅうおうは、昭和しょうわ25ねん1950ねん)の郵政省ゆうせいしょう告示こくじだい35ごうによりはばのほうがひろたかさがひくいのがただしい記号きごうである。

  • 1887ねん2がつ8にち - 逓信ていしんしょう告示こくじだい11ごう本省ほんしょう徽章きしょうつくていス)「自今じこん (T) 字形じけいヲ以テ本省ほんしょう全般ぜんぱん徽章きしょうトス」
  • 1950ねん - 郵政省ゆうせいしょう告示こくじだい35ごう郵政省ゆうせいしょうにおいて掲揚けいようするはたあきら
  • 1968ねん7がつ1にち - 郵便ゆうびん番号ばんごう導入どうにゅう
  • 2001ねん
    • 1がつ5にち - 上記じょうきの2つの告示こくじ中央ちゅうおう省庁しょうちょうとう改革かいかくともな廃止はいし
    • 1がつ19にち - 郵政ゆうせい事業じぎょうちょう告示こくじだい1ごう「〒字形じけいをもって郵政ゆうせい事業じぎょうちょうあきらとする(平成へいせい13ねん1がつ6にちづけ)」
    • 1がつ22にち - 告示こくじで、郵政ゆうせい事業じぎょうちょうにおいて掲揚けいようするはたしょうさだめた
  • 2003ねん2がつ7にち - 日本にっぽん郵政ゆうせい公社こうしゃのシンボルマークに「〒」をつづ採用さいよう発表はっぴょう[5]
  • 2007ねん3月19にち - 郵政ゆうせい民営みんえい日本にっぽん郵政ゆうせいグループのブランドマークに「〒」をつづ採用さいよう発表はっぴょう[6]

かお郵便ゆうびんマーク

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かお郵便ゆうびんマーク(〠)は「ナンバーくん」という名前なまえで、かつては切手きってにも登場とうじょうしたことがある。しかし、1996ねんしんキャラクターの「ポストン」が登場とうじょうしたことから郵政ゆうせいでは公式こうしきには使つかわれなくなった。さらに民営みんえいにより、日本にっぽん郵政ゆうせいグループでは「撤去てっきょのぞましい」あつかいとされた。なお、ポストンはつづ使用しよう可能かのうとなっている。

郵便ゆうびん以外いがいの〒マーク

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郵便ゆうびん以外いがい利用りようされる〒マークとして、つぎのようなものが存在そんざいする。

電気でんき用品ようひん取締とりしまりほう

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家庭かていよう電気でんき製品せいひんやその電気でんき器具きぐについて、電気でんき用品ようひん取締とりしまりほうもとづく試験しけん合格ごうかくした証印しょういんとして、ぎゃく三角形さんかっけい甲種こうしゅ)や円形えんけい乙種おつしゅ)のなかに「〒」をえがいたマークが使つかわれていた。その由来ゆらいはかつて「逓信ていしんしょう電気でんき試験しけんしょ」が電気でんき製品せいひんかんする試験しけんおこなっていたためとされている。なお、逓信ていしんしょう電気でんき試験しけんしょ商工しょうこうしょう移管いかんのち電気でんき試験しけん業務ぎょうむ日本電気にほんでんき計器けいき検定けんていしょ経済けいざい産業さんぎょうしょう所管しょかん)にがれている。

なお、2001ねん平成へいせい13ねん)に電気でんき用品ようひん取締とりしまりほう電気でんき用品ようひん安全あんぜんほう改称かいしょうされ、同義どうぎのマークもひしがた円形えんけいなかに「PSE」をえがいたものに変更へんこうされ、これ以降いこう製造せいぞうされた電気でんき製品せいひんに「〒」は使つかわれていない。

電波でんぱほうおよ電気でんき通信つうしん事業じぎょうほう

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1985ねん昭和しょうわ60ねん)より電話機でんわきファックスなどの端末たんまつ機器ききについて電気でんき通信つうしん事業じぎょうほう技術ぎじゅつ基準きじゅん適合てきごう認定にんていとして、 また、1987ねん昭和しょうわ62ねん)より携帯けいたい電話でんわ端末たんまつPHS端末たんまつなどの無線むせん機器ききについて電波でんぱほう技術ぎじゅつ基準きじゅん適合てきごう証明しょうめいとして、 「〒」をもちいた円形えんけいマークをもちいていたが、1991ねん平成へいせい3ねん)に統一とういつされ、1995ねん平成へいせい7ねん)より稲妻いなづまのデザインと「〒」をわせた円形えんけいわざてきマーク使用しようされている。 なお、2010ねん平成へいせい22ねん)からは、印刷いんさつやラベル貼付ちょうふ以外いがいディスプレイ表示ひょうじさせることもみとめられた。

符号ふごう位置いち

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記号きごう Unicode JIS X 0213 文字もじ参照さんしょう 名称めいしょう
U+3012 1-2-9 〒
〒
日本にっぽんの)郵便ゆうびん記号きごう
U+3036 〶
〶
まるきの日本にっぽんの)郵便ゆうびん記号きごう
🏣 U+1F3E3 🏣
🏣
日本にっぽん郵便ゆうびんきょく

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 番組ばんぐみないでこのせつげたのち補足ほそくとして、日本郵船にっぽんゆうせんのファンネルマークの意味いみ郵便ゆうびん汽車きしゃ三菱みつびし会社かいしゃ共同きょうどう運輸うんゆ会社かいしゃの2しゃ合併がっぺいし、さらなる発展はってん目指めざ地球ちきゅう横断おうだんするという決意けついめられているためであるとの説明せつめいがされた。参照さんしょうチコちゃんにしかられる! 2018/08/17(金)きん19:30 の放送ほうそう内容ないよう ページ1 | TVでたぞうTVでたぞうワイヤーアクション (企業きぎょう)

出典しゅってん

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  1. ^ 別記べっき1「郵便ゆうびん番号ばんごう記載きさいする方法ほうほう」の1-(2)-(キ) [1]
  2. ^ 意外いがい事実じじつ 「〒マークは必要ひつようなし」日本にっぽん郵便ゆうびんいたその理由りゆう日刊にっかんゲンダイDIGITAL”. 日刊にっかんゲンダイ (2015ねん6がつ21にち). 2022ねん3がつ1にち閲覧えつらん
  3. ^ 頭文字かしらもじ(イニシャル)〒
  4. ^ 望月もちづき武司たけし敗軍はいぐんしょうかがやく』、ISBN 978-4-89115-285-7。』中西なかにし出版しゅっぱん、2013ねん、p303ぺーじ 
  5. ^ 日本にっぽん郵政ゆうせい公社こうしゃ しんロゴマーク・しんユニフォームとう 4がつ1にちより導入どうにゅう(2003ねん6がつ22にち時点じてんアーカイブ
  6. ^ 日本にっぽん郵政ゆうせいグループ 10がつ民営みんえいしんスローガン、しんロゴマーク、しんユニフォームを発表はっぴょう (PDF) (2007ねん3がつ22にち時点じてんアーカイブ

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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