雲仙うんぜん温泉おんせん

雲仙うんぜん温泉おんせん
	鴛鴦えんおうノ池いけと温泉おんせん街がい
温泉おんせん情報じょうほう
所在地しょざいち	長崎ながさき県けん雲仙うんぜん市し小浜おばま町まち雲仙うんぜん
交通こうつう	車くるま : 長崎ながさき自動車じどうしゃ道どう諫早いさはやICより車くるまで60分ふん; 鉄道てつどう : 長崎本線ながさきほんせん諫早いさはや駅えきよりバスで70分ふん; 飛行機ひこうき : 長崎ながさき空港くうこうよりバスで100分ふん
泉いずみ質ただし	硫黄いおう泉いずみ
外部がいぶリンク	雲仙うんぜん温泉おんせん観光かんこう協会きょうかい
	テンプレートを表示ひょうじ

雲仙うんぜん温泉おんせん（うんぜんおんせん）は、長崎ながさき県けん雲仙うんぜん市し小浜おばま町まち雲仙うんぜん（旧きゅう国くに肥前ひぜん国こく）にある、キリシタン殉教じゅんきょう悲史の舞台ぶたいで世界せかい的てきに有名ゆうめいな温泉おんせん。日本にっぽん初はつの国立こくりつ公園こうえん（雲仙うんぜん天草てんぐさ国立こくりつ公園こうえん）に指定していされた温泉おんせん保養ほよう地ちである。

泉いずみ質ただし

硫黄いおう泉いずみ

効能こうのう

血行けっこう促進そくしん、疲労ひろう回復かいふく、リウマチ、慢性まんせい皮膚ひふ疾患しっかんなど。

※ 効能こうのうは万まん人にんに対たいしてその効果こうかを保障ほしょうするものではない。

温泉おんせん街がい

雲仙うんぜん妙見岳みょうけんだけの南西なんせい、標高ひょうこう700メートルの鴛鴦えんおうノ池いけの南側みなみがわに位置いちする。1990年ねん（平成へいせい2年ねん）に噴火ふんかした普賢岳ふげんだけとそれにより誕生たんじょうした雲仙うんぜん最高峰さいこうほうの平成へいせい新山しんやまは、妙見岳みょうけんだけを挟はさんで反対はんたい側がわに位置いちするため、温泉おんせん街がいからは直接ちょくせつ見みることはできない。雲仙うんぜん山頂さんちょうへは、島しま鉄てつバスセンターから仁田にった峠とうげまで乗のり合あいタクシー（中型ちゅうがたバス）が運行うんこうされており、仁田にった峠とうげと雲仙うんぜん妙見岳みょうけんだけ山頂さんちょうは雲仙うんぜんロープウェイで結むすばれている。道中どうちゅう、春はるはウンゼンツツジ（ミヤマキリシマ）を楽たのしむことができる。

温泉おんせん街がいは噴気ふんき帯たい「雲仙うんぜん地獄じごく」を囲かこむように存在そんざいし、その地獄じごく内ないに遊歩道ゆうほどうが整備せいびされている。

共同きょうどう浴場よくじょうは、新湯あらゆ地区ちくに新湯あらゆ温泉おんせん共同きょうどう浴場よくじょう、古湯ふるゆ地区ちくに湯ゆの里さと温泉おんせん共同きょうどう浴場よくじょう、小しょう地獄じごく温泉おんせん地区ちくに小しょう地獄じごく温泉おんせん館かんなどが存在そんざいする。

雲仙うんぜん地獄じごく

雲仙うんぜんには30に及およぶ地獄じごくがある。地獄じごくの遊歩道ゆうほどう沿ぞいには真知子まちこ岩がん、婆ばば石せき、鏡石かがみいし、キリシタン殉教じゅんきょう碑ひ、聖火せいか燃もえゆ之の碑いしぶみといった奇岩きがん・石碑せきひが点在てんざいする。地獄じごく展望てんぼう台だいや足湯あしゆ等とうも設もうけられている。

清きよ七なな地獄じごく
八はち万まん地獄じごく
雀すずめ地獄じごく
お糸いと地獄じごく
大だい叫喚地獄きょうかんじごく
邪見じゃけん地獄じごく
泥火山でいかざん

名所めいしょ・施設しせつ

湯ゆの里さと共同きょうどう浴場よくじょう
新湯あらゆ共同きょうどう浴場よくじょう
小しょう地獄じごく温泉おんせん館かん
温泉おんせん神社じんじゃ
雲仙うんぜんビードロ美術館びじゅつかん、雲仙うんぜんスパハウス
カトリック雲仙うんぜん教会きょうかい
雲仙うんぜんお山やまの情報じょうほう館かん
原生げんせい沼ぬまかきつばた公園こうえん
白雲しらくもの池いけ
絹笠山きぬがさやま

歴史れきし

長崎ながさき温泉おんせん公園こうえん（大正たいしょう）

雲仙うんぜん観光かんこうホテル（昭和しょうわ10年ねん開業かいぎょう）

開ひらき湯ゆは701年ねん（大宝たいほう元年がんねん）に、行基ぎょうきによって温泉おんせん山さん満まん明寺あけてらが建立こんりゅうされたことに始はじまる。同時どうじに四面しめん神しんを祀まつる温泉おんせん神社じんじゃも建立こんりゅうされたとされる。温泉おんせん地ちとして開発かいはつが始はじまったのは約やく350年ねん前まえ、松平まつだいら忠ただし房ぼうの命いのちにより湯ゆ守もりを勤つとめた加藤かとう善よし右みぎ衛門えもんが湯ゆ宿やど（現在げんざいの湯元ゆもとホテル）を設置せっちしたことによるとされる。

幕末ばくまつには吉田よしだ松陰しょういんが当地とうちを訪おとずれた。またシーボルトらにより海外かいがいへも紹介しょうかいされた。

明治めいじ・大正たいしょう期きには上海しゃんはい租界そかいの欧米おうべい人じんの保養ほよう地ちとして繁栄はんえいした。当時とうじ、長崎ながさきは上海しゃんはいの蒸気じょうき船せんなどに対たいする石炭せきたん供給きょうきゅう地ちであり、雲仙うんぜん温泉おんせん及およびふもとの小浜おばま温泉おんせんとともに上海しゃんはい租界そかいの後背こうはい地ちを形成けいせいしていたのである。なお、ノーベル文学ぶんがく賞しょうのパール・S・バックやヘレン・ケラーも一時いちじ滞在たいざいしている。外国がいこく人じん客きゃくが多おおく訪おとずれていたことを受うけて、昭和しょうわ初期しょきに外国がいこく人じん向むけ洋式ようしきホテル雲仙うんぜん観光かんこうホテルが建設けんせつされた。

長崎ながさきから雲仙うんぜん・小浜おばま両りょう温泉おんせんへの交通こうつう路ろは、諫早いさはやまでの鉄道てつどうから先さきは最初さいしょは船ふねによる航路こうろが開ひらかれ、次ついで島原しまばら鉄道てつどう、温泉おんせん軽便鉄道けいべんてつどう、小浜おばま地方ちほう鉄道てつどうが整備せいびされた。しかし後のち2社しゃが合併がっぺいした雲仙うんぜん鉄道てつどうはバスにシェアを奪うばわれ、ほどなく廃はい線せんとなった。

年表ねんぴょう

701年ねん（大宝たいほう元年がんねん） - 行基ぎょうきによる温泉おんせん山さん満まん明寺あけてらが建立こんりゅう。
1911年ねん（明治めいじ44年ねん） - 当地とうちと小浜おばま温泉おんせん間あいだに自動車じどうしゃ道路どうろが開通かいつう。
1920年ねん（大正たいしょう9年ねん） - 吉井よしい勇いさむ、斎藤さいとう茂吉しげよしが当地とうちを訪おとずれた。
1922年ねん（大正たいしょう11年ねん） - 当地とうちと島原しまばら間あいだに自動車じどうしゃ道路どうろが開通かいつう。当地とうちと小浜おばま温泉おんせん間あいだの路線ろせんバス開業かいぎょう。
1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）3月16日にち - 国立こくりつ公園こうえんに指定していされる。以前いぜんは「温泉おんせん」と書かいて「うんぜん」と呼よばれていたが、指定していの際さいに雲仙うんぜんと改あらためられた。
1934年ねん（昭和しょうわ9年ねん）5月6日にち - この年とし発足ほっそくした長崎ながさき県営けんえいバスにより、当地とうちと長崎ながさき間あいだの路線ろせんバス開業かいぎょう。
1935年ねん（昭和しょうわ10年ねん）10月がつ10日とおか - 雲仙うんぜん観光かんこうホテル開業かいぎょう。
1937年ねん（昭和しょうわ12年ねん） - 温泉おんせん岳だけ測候所そっこうじょが観測かんそくを開始かいし。
1956年ねん（昭和しょうわ31年ねん）6月15日にち - 国民こくみん保養ほよう温泉おんせん地ちに指定してい。
1957年ねん（昭和しょうわ32年ねん）7月がつ15日にち - 雲仙うんぜんロープウェイ開業かいぎょう。
1962年ねん（昭和しょうわ37年ねん）3月がつ10日とおか - 国民こくみん保養ほよう温泉おんせん地ちの範囲はんいを、小浜おばま温泉おんせんまで含ふくんだものに変更へんこう。
2021年ねん（令れい和わ3年ねん）- 雲仙うんぜん地獄じごくが土砂崩どしゃくずれ。一部いちぶの旅館りょかん・ホテルで温泉おんせん配管はいかん損傷そんしょう[1]。