外傷 がいしょう は開放 かいほう 性 せい と閉鎖 へいさ 性 せい に分 わ けられ、いずれも部位 ぶい によって頭皮 とうひ 、頭蓋骨 ずがいこつ 、頭蓋 とうがい 内 ない に分 わ けられるが、頭蓋 とうがい 内 ない 、特 とく に脳 のう に対 たい する損傷 そんしょう の程度 ていど が最 もっと も重視 じゅうし される。外力 がいりょく が脳 のう に与 あた える損傷 そんしょう の成立 せいりつ 機 き 序 じょ には様々 さまざま なものがあり、代表 だいひょう 的 てき なものとしては以下 いか の通 とお りである。
前 ぜん 頭部 とうぶ に衝撃 しょうげき を受 う けた場合 ばあい 。直下 ちょっか の前 ぜん 頭部 とうぶ には陽 ひ 圧 あつ による直撃 ちょくげき 損傷 そんしょう が発生 はっせい し、反対 はんたい 側 がわ の後頭部 こうとうぶ では陰 かげ 圧 あつ を生 しょう じて骨 ほね と脳 のう の間 あいだ が空洞 くうどう 化 か 、気胞 きほう の形成 けいせい と崩壊 ほうかい により反 はん 衝損傷 そんしょう が発生 はっせい する。一方 いっぽう 、これらの中 なか 間 あいだ 部位 ぶい では外力 がいりょく が不 ふ 均一 きんいつ に伝 つた わることにより剪断損傷 そんしょう が発生 はっせい する
打撃 だげき 部位 ぶい において骨 ほね は撓 たわ み inbending を生 しょう じ、脳 のう を圧迫 あっぱく 損傷 そんしょう する。特 とく に小児 しょうに では骨 ほね が軟 やわ らかいので inbending injury を生 しょう じやすい。また骨 ほね と脳 のう 実質 じっしつ では硬 かた さが異 こと なるために、骨 ほね 内面 ないめん は脳 のう を打撃 だげき する。このような状況 じょうきょう で衝撃 しょうげき 部位 ぶい の直下 ちょっか に生 しょう じる脳 のう 挫傷 ざしょう を直撃 ちょくげき 損傷 そんしょう (直接 ちょくせつ 損傷 そんしょう )coup injury という。
前 ぜん 頭部 とうぶ に外力 がいりょく が作用 さよう した場合 ばあい には直撃 ちょくげき 損傷 そんしょう による同 どう 側 がわ 挫傷 ざしょう が生 しょう じやすく、主 おも に前頭葉 ぜんとうよう 底面 ていめん 、他 た に側 がわ 頭 あたま 葉 は 前部 ぜんぶ などが損傷 そんしょう を受 う ける。また、側 がわ 頭部 とうぶ もしくは頭頂 とうちょう 部 ぶ に外力 がいりょく が作用 さよう した場合 ばあい にも、直撃 ちょくげき 損傷 そんしょう により同 どう 側 がわ の側 がわ 頭 あたま 葉 は 外側 そとがわ 下面 かめん が損傷 そんしょう されることが多 おお い。
反 はん 衝損傷 そんしょう contrecoup injury は、反動 はんどう 損傷 そんしょう (英 えい :counter blow、独 どく :Gegenstoß, Gegenschlag)ともいい、間接 かんせつ 性 せい 振盪 しんとう のことである。頭蓋 とうがい 、胃 い 、膀胱 ぼうこう など、液体 えきたい を含 ふく む器官 きかん に様々 さまざま な外力 がいりょく による衝撃 しょうげき が作用 さよう した場合 ばあい 、直接 ちょくせつ 外力 がいりょく が加 くわ わった部 ぶ とは反対 はんたい 側 がわ の部 ぶ が損傷 そんしょう を受 う けることをいう。頭部 とうぶ に強 つよ い外力 がいりょく が加 くわ わると、脳 のう は強 つよ い力 ちから で一方 いっぽう へ進行 しんこう し、頭蓋骨 ずがいこつ 内面 ないめん に衝突 しょうとつ 、その反動 はんどう により反対 はんたい 方向 ほうこう へ引 ひ き戻 もど され、対 たい 側 がわ の頭蓋骨 ずがいこつ に衝突 しょうとつ して損傷 そんしょう を受 う ける。外力 がいりょく による直接的 ちょくせつてき 脳 のう 損傷 そんしょう (直撃 ちょくげき 損傷 そんしょう )に加 くわ え、加速 かそく された外力 がいりょく が頭部 とうぶ に加 くわ わると、外力 がいりょく と反対 はんたい 側 がわ の頭蓋骨 ずがいこつ と脳 のう との間 あいだ に間隙 かんげき を生 しょう じ、陰 かげ 圧 あつ が起 お こることにより脳 のう 組織 そしき に損傷 そんしょう が生 しょう じる。そのため反 はん 衝 contre-coup による損傷 そんしょう は、直撃 ちょくげき coup による損傷 そんしょう より大 おお きくなるとされる。
脳 のう 室 しつ は脳 のう 脊髄 せきずい 液 えき で満 み たされているため、衝撃 しょうげき を受 う けた瞬間 しゅんかん に脳 のう 実質 じっしつ は頭蓋骨 ずがいこつ が移動 いどう する速度 そくど に遅 おく れて移動 いどう し、打撃 だげき 部位 ぶい と反対 はんたい 側 がわ には陰 かげ 圧 あつ が生 しょう じる。外力 がいりょく を受 う けた部位 ぶい の直下 ちょっか 周辺 しゅうへん では圧縮 あっしゅく 、陽 ひ 圧 あつ により損傷 そんしょう が生 しょう じるのに対 たい し、対 たい 側 がわ では伸展 しんてん 、陰 かげ 圧 あつ により頭蓋骨 ずがいこつ と脳 のう との間 あいだ に空洞 くうどう 化 か 現象 げんしょう が生 しょう じ、瞬間 しゅんかん 的 てき に真空 しんくう に近 ちか い状態 じょうたい になる。この陰 かげ 圧 あつ が気胞 きほう cavity を形成 けいせい するが、元 もと の圧 あつ に戻 もど り、気胞 きほう が崩壊 ほうかい する時 とき に脳 のう 挫傷 ざしょう が生 しょう じる(cavitation theory; Gross)。このような状況 じょうきょう で衝撃 しょうげき 部 ぶ の反対 はんたい 側 がわ に生 しょう じる脳 のう 挫傷 ざしょう が反 はん 衝損傷 そんしょう である。
後頭部 こうとうぶ に外力 がいりょく が作用 さよう した場合 ばあい には、受傷 じゅしょう 直下 ちょっか に直撃 ちょくげき 損傷 そんしょう が生 しょう じることは少 すく なく、反 はん 衝損傷 そんしょう による対 たい 側 がわ 挫傷 ざしょう が生 しょう じやすい。主 おも に前頭葉 ぜんとうよう 底面 ていめん 、他 た に側 がわ 頭 あたま 葉 は 前部 ぜんぶ などが反 はん 衝損傷 そんしょう を受 う ける。
頭蓋 とうがい 内 ない は均一 きんいつ な構造 こうぞう ではなく、骨 ほね 、硬 かた 膜 まく 、灰 はい 白 しろ 質 しつ 、白 はく 質 ただし 、脳 のう 室 しつ 、大脳 だいのう 鎌 がま など不連続 ふれんぞく であり、脳 のう 実質 じっしつ 内 ない も一様 いちよう ではない。これにより衝撃 しょうげき に対 たい して各 かく 部分 ぶぶん の相対 そうたい 的 てき 運動 うんどう の間 あいだ にずれ作用 さよう shearing が生 しょう じる。直撃 ちょくげき 部位 ぶい と反 はん 衝部位 い との間 あいだ では、脳 のう に対 たい する外力 がいりょく の伝 つた わり方 かた の違 ちが いにより一種 いっしゅ のねじれの力 ちから 、剪断力 りょく が作用 さよう して構築 こうちく のずれが起 お こり、神経 しんけい 軸 じく 索 さく が伸長 しんちょう もしくは断 だん 裂 きれ する瀰漫 びまん 性 せい 軸 じく 索 さく 損傷 そんしょう Diffuse Axonal Injury (DAI)、また剪断変形 へんけい などが生 しょう じる。一般 いっぱん に脳 のう は頭蓋 とうがい 内 ない 圧 あつ の均一 きんいつ な上昇 じょうしょう にはかなりの程度 ていど 耐 た えうるが、shearing に対 たい しては非常 ひじょう に弱 よわ いとされている。この状況 じょうきょう 下 か で生 しょう じる脳 のう 挫傷 ざしょう を剪断損傷 そんしょう shearing injury という。
外力 がいりょく の加 くわ わった脳 のう 表 ひょう の毛細血管 もうさいけっかん は血管 けっかん 麻痺 まひ vasoparalysis と呼 よ ばれる血管 けっかん 運動 うんどう 神経 しんけい の麻痺 まひ 状態 じょうたい に陥 おちい ると、血 ち 流 りゅう の停滞 ていたい 、血管 けっかん 外 そと 漏出 ろうしゅつ を起 お こし、これが脳 のう 内 ない 点 てん 状 じょう 出血 しゅっけつ 、小 しょう 出血 しゅっけつ の原因 げんいん になるとされる。さらに、打撃 だげき の瞬間 しゅんかん に生 しょう じる脳幹 のうかん 部 ぶ と脳 のう 底 そこ 動脈 どうみゃく 穿 ほじ 通 どおり 枝 えだ とのずれ neurovascular friction を点 てん 状 じょう 出血 しゅっけつ 、小 しょう 出血 しゅっけつ の原因 げんいん とする考 かんが えもある。この他 ほか 、頭蓋骨 ずがいこつ の構造 こうぞう 、解剖 かいぼう 学 がく 的 てき な特徴 とくちょう から、前頭葉 ぜんとうよう 底面 ていめん や側 がわ 頭 あたま 葉 は 尖端 せんたん 面 めん には局所 きょくしょ 的 てき な損傷 そんしょう が生 しょう じやすい。
頭部 とうぶ 外傷 がいしょう が発生 はっせい したときには全身 ぜんしん 状態 じょうたい と頭部 とうぶ 損傷 そんしょう の程度 ていど を把握 はあく し、重症 じゅうしょう の症例 しょうれい では呼吸 こきゅう 管理 かんり 、静脈 じょうみゃく 確保 かくほ の後 のち 、意識 いしき 障害 しょうがい の把握 はあく を行 おこな う。その程度 ていど を示 しめ す基準 きじゅん として国際 こくさい 的 てき にGlasgow Coma Scale (GCS)が用 もち いられ、日本 にっぽん では主 おも にJapan Coma Scale (JCS)が用 もち いられている。
外傷 がいしょう の受 う け方 かた によっては、次 つぎ のようなものを発生 はっせい することがある。
頭部 とうぶ 外傷 がいしょう の臨床 りんしょう 的 てき 分類 ぶんるい としては荒木 あらき の分類 ぶんるい Araki's clinical classification of head injury が広 ひろ く用 もち いられる。これは1954年 ねん に荒木 あらき 千里 せんり が発表 はっぴょう したもので、頭部 とうぶ 外傷 がいしょう を臨床 りんしょう 症状 しょうじょう のみにより以下 いか の4つに分 わ けた簡便 かんべん で実用 じつよう 的 てき な分類 ぶんるい 法 ほう である。
第 だい 1型 がた (単純 たんじゅん 型 がた )
意識 いしき 障害 しょうがい 、神経 しんけい 症候 しょうこう など脳 のう の症状 しょうじょう を全 まった く伴 ともな わない。
第 だい 2型 がた (脳震盪 のうしんとう 型 かた )
意識 いしき 障害 しょうがい が一過 いっか 性 せい のものとして起 お こり、受傷 じゅしょう 後 ご 6時間 じかん 以内 いない (多 おお くは2時間 じかん 以内 いない )に消失 しょうしつ する。脳 のう の局所 きょくしょ 症状 しょうじょう はないが、頭痛 ずつう 、嘔吐 おうと 、めまい などは短時日 たんじじつ 続 つづ くことがある。
第 だい 3型 がた (脳 のう 挫傷 ざしょう 型 がた )
意識 いしき 障害 しょうがい が受傷 じゅしょう 後 ご 6時間 じかん 以上 いじょう 持続 じぞく する。もしくは脳 のう の損傷 そんしょう を示 しめ す局所 きょくしょ 症候 しょうこう がある。
第 だい 4型 がた (頭蓋 とうがい 内 ない 出血 しゅっけつ 型 かた )
意識 いしき 清明 せいめい 期 き を経 へ て意識 いしき 障害 しょうがい が急激 きゅうげき に増悪 ぞうあく する。もしくは意識 いしき 障害 しょうがい が進行 しんこう して脳 のう 圧迫 あっぱく の神経症 しんけいしょう 状 じょう が出現 しゅつげん 憎悪 ぞうお し、脳 のう ヘルニア の徴候 ちょうこう を示 しめ す。
頭部 とうぶ 外傷 がいしょう を受 う けた後 のち 、3週間 しゅうかん 以上 いじょう を経過 けいか した慢性 まんせい 期 き に入 はい ってから発症 はっしょう 、もしくは3週間 しゅうかん 以上 いじょう 経 た っても残 のこ る症候 しょうこう を頭部 とうぶ 外傷 がいしょう 後遺症 こういしょう (英 えい :posttraumatic cerebral symptom、独 どく :posttraumatisches Hirnsymptom)という。
通常 つうじょう は狭義 きょうぎ に、器質 きしつ 的 てき 変化 へんか が明確 めいかく でなく自覚 じかく 症状 しょうじょう のみのものを指 さ す。この場合 ばあい の頭部 とうぶ 外傷 がいしょう 後遺症 こういしょう の症状 しょうじょう は、次 つぎ のように分類 ぶんるい される。
このうち神経症 しんけいしょう とされるもの以外 いがい では軽度 けいど の脳 のう 萎縮 いしゅく 、特 とく に間 あいだ 脳 のう の萎縮 いしゅく が認 みと められることがあるが、症状 しょうじょう との直接 ちょくせつ の関 かか わりについては結論 けつろん できないことが多 おお い。
頭部 とうぶ 外傷 がいしょう 後遺症 こういしょう としての外傷 がいしょう 性 せい てんかんの30年間 ねんかん 累積 るいせき 発生 はっせい 率 りつ 。重症 じゅうしょう 度 ど に応 おう じて3つのグループに分 わ けられ、右 みぎ へ向 む けて、より深刻 しんこく 度 ど の高 たか い病態 びょうたい の発生 はっせい 値 ち を示 しめ す (2006年 ねん 、動物 どうぶつ モデル)[ 1]
一方 いっぽう 、広義 こうぎ には肉眼 にくがん 的 てき に病変 びょうへん の明 あき らかな器質 きしつ 的 てき 疾患 しっかん を含 ふく めることもある。その場合 ばあい 、器質 きしつ 的 てき 変化 へんか が明 あき らかなものとしては、頭蓋骨 ずがいこつ 骨折 こっせつ (陥没 かんぼつ 骨折 こっせつ 、進行 しんこう 性 せい 頭蓋 とうがい 骨折 こっせつ など)、髄 ずい 液 えき 漏 も 、気 き 脳症 のうしょう 、骨髄 こつづい 炎 えん 、硬 かた 膜 まく 外 がい 膿瘍 のうよう 、硬 かた 膜 まく 下 か 膿瘍 のうよう 、脳 のう 膿瘍 のうよう 、髄 ずい 膜 まく 炎 えん 、頸動脈 みゃく 海綿 かいめん 静脈 じょうみゃく 洞 ほら 瘻、外傷 がいしょう 性 せい 動脈 どうみゃく 瘤 こぶ 、外傷 がいしょう 性 せい 動静 どうせい 脈 みゃく 瘻、頭蓋 とうがい 内外 ないがい 血管 けっかん 閉塞 へいそく 症 しょう 、頭 あたま 血腫 けっしゅ 、慢性 まんせい 硬 かた 膜 まく 下 か 血腫 けっしゅ 、脳神経 のうしんけい 障害 しょうがい 、脳 のう 挫傷 ざしょう 後 ご の精神 せいしん 障害 しょうがい 、知能 ちのう 障害 しょうがい 、外傷 がいしょう 性 せい てんかん などがある。
外傷 がいしょう 性 せい てんかん(英 えい :traumatic epilepsy 、独 どく :traumatische Epilepsie)は、頭部 とうぶ 外傷 がいしょう が後 のち にてんかん発作 ほっさ を引 ひ き起 お こすものである。通常 つうじょう 、てんかん発作 ほっさ の国際 こくさい 分類 ぶんるい (International League Against Epilepsy, ILAE、1981年 ねん )でいう「部分 ぶぶん (焦点 しょうてん 、局所 きょくしょ )発作 ほっさ 」が現 あらわ れる。外傷 がいしょう の部位 ぶい や程度 ていど により異 こと なるが、閉鎖 へいさ 性 せい 外傷 がいしょう の場合 ばあい には3 - 5%、開放 かいほう 性 せい 外傷 がいしょう の場合 ばあい には30 - 50%が後 のち にてんかん発作 ほっさ を起 お こすとされ、このうち1年 ねん 目 め までに約 やく 半分 はんぶん が、2年 ねん 目 め までに4分 ぶん の3が発症 はっしょう する。発症 はっしょう 後 ご の脳波 のうは 検査 けんさ では90%に焦点 しょうてん 性 せい 異常 いじょう が認 みと められるが、外傷 がいしょう 後 ご の予測 よそく 段階 だんかい の脳波 のうは 所見 しょけん では、全般 ぜんぱん 性 せい 徐 じょ 波 なみ を示 しめ す場合 ばあい には2%、全般 ぜんぱん 性 せい 棘 とげ 波 は を示 しめ す場合 ばあい には30%の割合 わりあい で、てんかん発作 ほっさ 発現 はつげん の可能 かのう 性 せい があるとされる。
閉鎖 へいさ 性 せい 頭部 とうぶ 外傷 がいしょう によって視神経 ししんけい が損傷 そんしょう されることがあり、これを外傷 がいしょう 性 せい 視神経 ししんけい 損傷 そんしょう optic nerve injury, traumatic optic nerve injury という。この場合 ばあい の受傷 じゅしょう 部位 ぶい はほぼ例外 れいがい なく眼窩 がんか 上 うえ 外側 そとがわ 縁 えん である。実験 じっけん 的 てき 研究 けんきゅう では、この部位 ぶい に衝撃 しょうげき を加 くわ えると視神経 ししんけい 管 かん 上 じょう 壁 かべ に強 つよ いひずみを生 しょう じ、このひずみが視神経 ししんけい に挫傷 ざしょう を起 お こすとされる。視神経 ししんけい 管 かん 上 じょう 壁 かべ は薄 うす い骨 ほね で形成 けいせい されているため、視神経 ししんけい 管 かん 骨折 こっせつ (視 み 束 たば 管 かん 骨折 こっせつ )optic canal fracture を伴 ともな うことも多 おお いが必発ではない。視神経 ししんけい 管 かん 上 じょう 壁 かべ の骨 ほね が骨折 こっせつ によって偏 へん 位 い したことにより視野 しや 欠損 けっそん を生 しょう じている場合 ばあい には、視神経 ししんけい 管 かん 開放 かいほう 術 じゅつ を行 おこな うと改善 かいぜん することもあるが、視力 しりょく 障害 しょうがい が顕著 けんちょ な場合 ばあい には効果 こうか は望 のぞ みにくい。このような例 れい では受傷 じゅしょう 時 じ の挫傷 ざしょう の程度 ていど によって予 よ 後 ご が決 き まる。
視神経 ししんけい 損傷 そんしょう による視力 しりょく 低下 ていか を、視神経 ししんけい 管 かん 骨折 こっせつ が存在 そんざい するためととらえるならば早期 そうき に視神経 ししんけい 管 かん 開放 かいほう 術 じゅつ を行 おこな うが、これとは別 べつ に介 かい 達 たち 性 せい 外力 がいりょく 、浮腫 ふしゅ 、出血 しゅっけつ を主 おも 因子 いんし ととらえるならば消炎 しょうえん 療法 りょうほう が主体 しゅたい となる。3週間 しゅうかん 程度 ていど の経過 けいか 観察 かんさつ において改善 かいぜん がなければ開放 かいほう 術 じゅつ を行 おこな うという考 かんが えもあり、視神経 ししんけい 管 かん 骨折 こっせつ に対 たい する視神経 ししんけい 管 かん 開放 かいほう 術 じゅつ の適応 てきおう 、時期 じき に関 かん しての統一 とういつ 的 てき な見解 けんかい はない。
手術 しゅじゅつ 以外 いがい の治療 ちりょう 法 ほう としては、受傷 じゅしょう 早期 そうき にステロイド を使用 しよう し、後 のち に血行 けっこう 改善 かいぜん の目的 もくてき で同 どう 側 がわ の星 ほし 状 じょう 神経 しんけい 節 せつ ブロック 、高 こう 単位 たんい のビタミンBの投与 とうよ などが試 こころ みられる。
視神経 ししんけい 管 かん 開放 かいほう 術 じゅつ (英 えい :unroofing of optic canal、独 どく :Entdechung des Optikuskanals)は、視神経 ししんけい 管内 かんない の視神経 ししんけい に対 たい する圧迫 あっぱく 解除 かいじょ 、視神経 ししんけい の浮腫 ふしゅ 、腫瘍 しゅよう などに対 たい する減圧 げんあつ を目的 もくてき とする視神経 ししんけい 管 かん 管 かん 壁 かべ の除去 じょきょ 手術 しゅじゅつ である。経 けい 前頭 まえがしら 開 ひらき 頭 あたま 術 じゅつ により前 ぜん 頭蓋 とうがい 窩を経 へ て視神経 ししんけい 管 かん 上 じょう 壁 かべ を除去 じょきょ 、開放 かいほう する方法 ほうほう と、鼻 はな 外 がい もしくは経 けい 鼻 はな 的 てき に篩 ふるい 骨 こつ 洞 ほら を経 へ て視神経 ししんけい 管内 かんない 下 か 壁 かべ を除去 じょきょ する方法 ほうほう とがある。
0. 『南山 みなみやま 堂 どう 医学 いがく 大 だい 辞典 じてん 』 南山 みなみやま 堂 どう 2006年 ねん 3月 がつ 10日 とおか 発行 はっこう ISBN 978-4-525-01029-4
^ Asla Pitkänen, Tracy K. Mcintosh(February 1, 2006). "Animal Models of Post-Traumatic Epilepsy" Journal of Neurotrauma 23(2): 241-261; doi :10.1089/neu.2006.23.241 A Population-Based Study of Seizures after Traumatic Brain Injuries John F. Annegers, Ph.D., W. Allen Hauser, M.D., Sharon P. Coan, M.S., and Walter A. Rocca, M.D., M.P.H. NEJM . Volume 338. January 1, 1998. Number 1.