エルロンド

エルロンド（Elrond、太陽たいようの時代じだい525年ねん - ）は、J・R・R・トールキンの中なかつ国くにを舞台ぶたいとした小説しょうせつ、『ホビットの冒険ぼうけん』、『指輪ゆびわ物語ものがたり』及および『シルマリルの物語ものがたり』の登場とうじょう人物じんぶつ。半はんエルフのエルロンド（Elrond the Half-elven）と呼よばれる。

父ちちは航海こうかい者しゃエアレンディル、母はははドリアスの王おうディオルの娘むすめエルウィング。双子ふたごの兄弟きょうだいにエルロス。妻つまは森もりの奥方おくがたガラドリエルの娘むすめケレブリーアン。息子むすこに双子ふたごのエルラダンとエルロヒア。娘むすめにアルウェンがいる。

裂さけ谷たにの領主りょうしゅであるかれは、中なかつ国くにの第だい三紀みきにおけるもっとも力ちからある者もののひとりであり、エルフの三みっつの指輪ゆびわの一ひとつである風ふうの指輪ゆびわヴィルヤの所有しょゆう者しゃであった。エルロンドとはエルフ語ごで「星ほしの館かん」と言いう意味いみである。

第だい一紀かずのり

シリオンの急襲きゅうしゅう

光ひかりの君きみエアレンディルは金髪きんぱつのエルウィングを娶めとり、二人ふたりの息子むすこエルロンドとエルロスを得えた。かれはシリオンの河口かこう近ちかくに住すむ、ゴンドリン残党ざんとうのエルフと、ドリアス残党ざんとうのエルフたちの領主りょうしゅとなった。エアレンディルは父ちちトゥオルと母ははイドリルの消息しょうそくを求もとめて航海こうかいに出でた。その間あいだフェアノールの息子むすこたちは、エルウィングがシルマリルとともに存命ぞんめいであることを知しり、シルマリルをかれらに引ひき渡わたすことを要求ようきゅうする書状しょじょうをだしたが、エルウィングはこの要求ようきゅうを拒否きょひした。するとフェアノールの息子むすこたちはゴンドリンとドリアスの残党ざんとうを不意ふいに襲おそい、滅ほろぼした。エルウィングはシルマリルを抱だいて海中かいちゅうに身みを投なげた。エルロンドとエルロスは捕とらえられたが、両親りょうしんの怖こわれに反はんして、凶行きょうこうを悔くやんだマイズロスとマグロールは愛情あいじょうをもってかれらを養育よういくした。

半はんエルフ

海中かいちゅうに身みを投とうじたエルウィングは、ウルモに大おおきな白しろい鳥とりの姿すがたを与あたえられた。かの女おんなはエアレンディルを求もとめて飛とび、かれを見みつけた。エアレンディルは中なかつ国くにに絶望ぜつぼうし、アマンの地ちへと航海こうかいした。

エアレンディルがアマンの地ちにて中なかつ国くにの窮状きゅうじょうをヴァラールに訴うったえた際さい、ヴァラールは、かれとその妻つまエルウィングを裁さばくため、ふたりがエルダール（エルフ）であるのかエダイン（人間にんげん）であるのか議論ぎろんした。かれらがエルフと人間にんげん、双方そうほうの血ちを引ひいていたからである。

そしてエルフと人間にんげんの血ちを引ひく四よん人にん、エアレンディル、エルウィング、エルロンド、エルロスには、二ふたつの運命うんめいのうち一ひとつを選えらぶ権利けんりを与あたえた。そのため、かれらは半はんエルフと呼よばれる。エルロスは人間にんげんの運命うんめいを選えらび、かれとかれの子孫しそんは、並なみの人間にんげんよりは長命ちょうめいではあるが、有限ゆうげんの命いのちを持もつことになった。エルロンドはエルフの運命うんめいを選えらび、かれとかれの子供こどもたちは不死ふし性せいを得えた。

四よん人にんの半はんエルフのうちエアレンディルとエルウィングは中なかつ国くにに帰かえることを許ゆるされず、エルロスはヌーメノールの王おうとして死しんだ。そのため、第だい三さん紀きにおいて「半はんエルフ」とは、エルロンドを意味いみする。

怒いかりの戦たたかい

エアレンディルの訴うったえによりはじまった「怒いかりの戦たたかい」の結果けっか、サンゴロドリムは破壊はかいされ、モルゴスは捕とらわれた。ベレリアンドのエルダールたちの多おおくは西方せいほうの地ちへと渡わたっていったが、エルロンドは中なかつ国くにに残のこることを選えらんだ。モルゴスの部下ぶかサウロンはエオンウェに対たいしヴァラールへの服従ふくじゅうを示しめした。しかしエオンウェがアマンにて裁さばきを受うけるように命めいじると恥はじ入いり、エオンウェが立たち去さるとサウロンは逃亡とうぼうした。

第だい二に紀き

エルロンドはギル＝ガラドとともにリンドンに住すんだ。エルロスはヌーメノールの王おうになった。中なかつ国くにとヌーメノールは長ながい平和へいわの時ときをもった。

エレギオンの荒廃こうはいと裂さけ谷だにの創設そうせつ

サウロンはエルフを支配しはいすることを望のぞみ、美うつくしい姿すがたを装よそおった。そしてアンナタールを名乗なのり、多おおくの助言じょげんをたずさえてエルフたちを訪たずね歩あるいた。しかしリンドンのギル＝ガラドとエルロンドはかれをあやしみ、かれの正体しょうたいを知しらぬまま、かれの入国にゅうこくを拒否きょひした。ギル＝ガラドとエルロンドは、アンナタールを避さけるよう他たのエルフたちに忠告ちゅうこくしたが、耳みみを貸かすものは少すくなかった。アンナタールの助言じょげんはほかのエルフにはよろこばれ、とくにエレギオンで歓迎かんげいされた。サウロンはエレギオンの細工ざいく師したちを主導しゅどうして、多おおくの力ちからある指輪ゆびわを作つくらせた。サウロンはその一方いっぽうで全すべての指輪ゆびわを支配しはいする一ひとつの指輪ゆびわを作つくった。しかしいったんサウロンが一ひとつの指輪ゆびわを身みに付つけるとエルフたちはかれの正体しょうたいに気きづき、かれらの指輪ゆびわをはずした。サウロンは全すべての指輪ゆびわを引ひき渡わたすよう要求ようきゅうしたが、細工ざいく師したちの長ながケレブリンボールの作つくった三みっつの指輪ゆびわは隠かくされた。サウロンは怒いかり、軍勢ぐんぜいを集あつめてエレギオンを攻せめた。ギル＝ガラドはエルロンドをエレギオンへと送おくったが、サウロンとの戦たたかいによってエレギオンは荒廃こうはいし、ケレブリンボールも殺ころされた。エルロンドは生いきのこったエルフたちを集あつめ、裂さけ谷たにの避難ひなん所しょを作つくった。サウロンはリンドンと裂さけ谷たにを包囲ほういしたが攻せめ落おとすことが出来できず、そうするうちにヌーメノールの援軍えんぐんが現あらわれ、サウロンの軍勢ぐんぜいは駆逐くちくされた。会議かいぎが開ひらかれ、エリアドールの東ひがしにおけるエルフの拠点きょてんは裂さけ谷だににおくこととなった。ギル＝ガラドはエルフの三みっつの指輪ゆびわのうち、風ふうの指輪ゆびわヴィルヤをエルロンドにあたえ、かれを副ふく摂政せっしょうとした。

最後さいごの同盟どうめいの戦たたかい

ヌーメノールの没落ぼつらくのあと、エレンディル率ひきいるドゥーネダインと、ギル＝ガラド率ひきいるエルフたちは同盟どうめいを結むすび、サウロンを打倒だとうするべく戦たたかった。エルロンドはこれをギル＝ガラドの伝令でんれいとして戦たたかった。モルドールにおいて、ギル＝ガラドとエレンディルはサウロン自身じしんと戦たたかい絶命ぜつめいし、エレンディルの剣けんナルシルはかれの体からだの下したで折おれた。しかしサウロンもまた倒たおれ、イシルドゥアは折おれたナルシルをもってサウロンの指ゆびを切きり落おとし、一ひとつの指輪ゆびわを手てに入いれた。サウロンは肉体にくたいを捨すて、逃にげ去さった。キーアダンとエルロンドは、イシルドゥアに一ひとつの指輪ゆびわを捨すてるよう勧すすめたが、イシルドゥアはそれを自分じぶんのものとした。

第だい三紀みき

イシルドゥアはあやめ野の近ちかくの野営やえい地ちでオークたちに襲おそわれて落命らくめいし、息子むすこたちと一族郎党いちぞくろうとうのほぼ全すべてもまた殺ころされた。しかしかれの妻つまと末子まっしのヴァランディルは裂さけ谷だにに留とどまっており、無事ぶじだった。これを始はじめとして、第だい三さん紀きを通つうじ、エルロンドはイシルドゥアの子孫しそんたちに助たすけと避難ひなん所しょを提供ていきょうしつづけた。

エルロンドは第だい三さん期き109年ねんに、ケレボルンとガラドリエルの娘むすめ、ケレブリーアンを妻つまとした。二人ふたりのあいだには双子ふたごの息子むすこエルラダンとエルロヒア（130年ねん）、そして娘むすめのアルウェン（241年ねん）が生うまれた。

北方ほっぽう王国おうこくの滅亡めつぼう

イシルドゥアの子孫しそんが治おさめるアルノールの王国おうこくは、エアレンドゥアの息子むすこたちの不和ふわのため、アルセダイン、ルダウア、カルドランの三さん国こくに分裂ぶんれつした。アルセダインではイシルドゥアの血筋ちすじが守まもられたが、他たの二に国こくにおいては絶たえた。かれらは土地とちをめぐって争あらそい、ドゥーネダインの衰亡すいぼうを早はやめた。第だい三さん紀きの1300年ねんごろ、アルセダインのマルヴェギル王おうの治世ちせいに、ナズグールの首領しゅりょうがエテン高地こうちの北方ほっぽうにアングマール王国おうこくを築きずいた。ルダウアはアングマールと結託けったくした邪悪じゃあくな山岳さんがく人じんの領主りょうしゅの支配しはいする国くにとなり、アングマールとともにアルセダインを攻せめた。アルセダインはカルドランのドゥーネダインや、裂さけ谷だにのエルロンド、リンドンのキーアダンの援助えんじょを受うけながら幾いく世代せだいものあいだ戦たたかったが、カルドランのドゥーネダインは絶滅ぜつめつし、アルセダインは国土こくどを失うしなった。1974年ねん、北方ほっぽう王国おうこくは滅ほろんだ。しかし翌よく1975年ねん、ゴンドールのエアルニル王おうは、息子むすこのエアルヌアを艦隊かんたいとともに北方ほっぽうへと派遣はけんし、艦隊かんたいはリンドンについた。リンドンのキーアダンはかれに従したがうものを集あつめ、その全ぜん勢力せいりょくとゴンドール軍ぐんとで、フォルノストのアングマール軍ぐんを討うった。アングマールの魔王まおうは敗残はいざん兵へいを集あつめてアングマールへと逃にげ去さろうとしたが、追おいついたエアルヌア率ひきいる騎兵きへい部隊ぶたいとグロールフィンデル率ひきいる裂さけ谷だにの軍勢ぐんぜいにはさまれ、アングマール軍ぐんは全滅ぜんめつした。その時ときアングマールの魔王まおうは黒くろい馬うまにまたがってあらわれ、遺恨いこんを晴はらすため、恐おそろしい叫さけび声ごえをあげてエアルヌアを攻せめようとした。エアルヌアは迎むかえ打うとうとしたが、彼かれの乗馬じょうばは魔王まおうの叫さけびを恐おそれて、エアルヌアを乗のせたまま遠とおくへ走はしり去さった。魔王まおうは笑わらったが、グロールフィンデルがかれを追おうと、逃走とうそうした。

1976年ねん: 王国おうこくを失うしなったドゥーネダインたちは野伏のぶせりとなり、王おうの代かわりに族長ぞくちょうをいただいた。代々だいだいの族長ぞくちょうは全すべて裂さけ谷だにで養育よういくされ、北方ほっぽう王国おうこくの宝たから、バラヒアの指輪ゆびわ、折おれたナルシル、エレンディルの星ほし、アンヌミナスの王おう笏しゃくは、裂さけ谷だにで保管ほかんされた。

サウロンの脅威きょうい

2463年ねん: いよいよ深ふかまるサウロンの脅威きょういへの対策たいさくを話はなし合あうため、裂さけ谷だにのエルロンド、ロスローリエンのガラドリエル、リンドンのキーアダンとその他たのエルフの諸侯しょこう、灰色はいいろのガンダルフ、白しろのサルマンらによって、白しろの会議かいぎが結成けっせいされた。議長ぎちょうにはサルマンが選えらばれた。
2509年ねん: エルロンドの妻つまケレブリーアンはロスローリエンへの旅たびの途中とちゅう、赤あか角かく山道さんどうにおいてオークの一団いちだんに捕とらわれた。エルラダンとエルロヒアは母ははを救出きゅうしゅつしたが、かの女おんなは拷問ごうもんを受うけ、また毒どくの傷きずをえていた。エルロンドは妻つまの肉体にくたいの傷きずを癒いやしたが、かの女おんなは二度にどと中ちゅうつ国くにに喜よろこびを見みいださなかった。翌よく2510年ねん、ケレブリーアンは海うみを渡わたり、アマンへと旅立たびだった。
2850年ねん: ガンダルフはドル・グルドゥアに入はいった。そしてサウロンがそこの主おもであり、一ひとつの指輪ゆびわとイシルドゥアの世継よつぎの消息しょうそくを求もとめていることを知しって、エルロンドに伝つたえた。
2851年ねん: 白しろの会議かいぎが招集しょうしゅうされ、ガンダルフはサウロンが一ひとつの指輪ゆびわを手てに入いれる前まえに、敵てきを征せい圧あつするため行動こうどうを起おこすよう進言しんげんしたが、サルマンはこれを却下きゃっかした。しかしエルロンドは、サウロンが指輪ゆびわを取とり戻もどし、思おもわぬ救すくいの手てが得えられぬ限かぎり第だい三さん紀きが終おわるのではないか、と不安ふあんをおぼえた。
2933年ねん: ドゥーネダインの族長ぞくちょう、アラソルン二に世せいが殺ころされる。エルロンドはアラソルンの妻つまギルラインと、その2歳さいの息子むすこアラゴルン二に世せいを裂さけ谷だにに受うけ入いれた。アラゴルンがイシルドゥアの世継よつぎであることを隠かくすため、かれの素性すじょうは本人ほんにんからも隠かくされた。エルロンドはアラゴルンを「エステル」と名付なづけた。
2942年ねん: 『ホビットの冒険ぼうけん』の年とし。ガンダルフとホビットのビルボ・バギンズ、ドワーフのトーリン･オーケンシールドと12人にんの仲間なかまが裂さけ谷たにを訪おとずれ、かれらの旅たびの疲つかれは大おおいに癒いやされた。エルロンドは一いち行ぎょうが見みつけた二に振ふりの剣けんがゴンドリン由来ゆらいのものであることを教おしえた。またドワーフたちの地図ちずの謎なぞを解とき、旅たびの助言じょげんをあたえた。; 同年どうねん白しろの会議かいぎが開ひらかれた。ガンダルフの進言しんげんをサルマンは受うけ入いれてドル・グルドゥアを攻せめることを決定けっていした。白しろの会議かいぎとその勢力せいりょくはドル・グルドゥアを急襲きゅうしゅうし、サウロンを追おい出だした。
2943年ねん: ガンダルフとビルボ・バギンズがはなれ山やまからの帰路きろ、裂さけ谷たにを訪おとずれた。ビルボはエルロンドにこまごまとした贈おくり物ものをおくった。
2951年ねん: エルロンドは20歳さいになったアラゴルンにかれの真しんの名なを呼よび、かれがイシルドゥアの世継よつぎであることを告つげた。そして折おれたナルシルと、バラヒアの指輪ゆびわを渡わたした。しかしアンヌミナスの王おう笏しゃくはひきつづき預あずかった。; そしてアラゴルンはアルウェンを愛あいするようになった。そのことを察さっしたエルロンドは苦悩くのうした。もしアルウェンがアラゴルンの妻つまとなり中ちゅうつ国くにに留とまるのならば、アルウェンは人間にんげんの運命うんめいに組くみ入いれられ、エルロンドが中なかつ国くにを去されば、二度にどと会あうことができないからである。
2980年ねん: ロスローリエンを訪おとずれたアラゴルンはアルウェンと再会さいかいし、ケリン・アムロスの丘おかで二に人にんは婚約こんやくをした。娘むすめの選択せんたくを聞きき知しると、エルロンドは深ふかく悲かなしんだ。アルウェンを花嫁はなよめとするには、「アルノールとゴンドール両国りょうこくの王おう」となることが条件じょうけんであると、のちに裂さけ谷たにを訪おとずれたアラゴルンにエルロンドは告つげた。
3002年ねん: エルロンドは裂さけ谷たにを訪おとずれたビルボを客人きゃくじんとして受うけ入いれた。ビルボの滞在たいざいは3021年ねんまで。
3009年ねん: エルロンドはロスローリエンに迎むかえを出だし、アルウェンは裂さけ谷だにに戻もどった。

大おおいなる年とし3018年ねん

ホビット庄しょうのフロド・バギンズが持もつ魔法まほうの指輪ゆびわこそが、サウロンの一ひとつの指輪ゆびわであることが判明はんめいした。バギンズの名なはサウロンの知しるところとなり、力ちからを蓄たくわえたサウロンは、中ちゅうつ国くにの各地かくちで行動こうどうを起おこし始はじめた。フロド･バギンズは3人にんの仲間なかまとともに裂さけ谷だにへと旅立たびだち、ブリー村むらでアラゴルンと出会であった。アラゴルンとホビットたちはナズグールに追おわれ、裂さけ谷だにへの道みちは困難こんなんに満みちていた。

10月

9日にち: フロド一いち行ぎょうの危機ききの知しらせを（おそらくギルドールから）受うけ、ナズグールの脅威きょういからかれらを救すくうべく、エルロンドは裂さけ谷だにのエルフのなかからナズグールに抵抗ていこうしうるものを送おくり出だした。
18日にち: ガンダルフが裂さけ谷だにについた。エルロンドが送おくり出だしたエルフのうち、街道かいどうを行おこなったグロールフィンデルは、ナズグールを退しりぞけ、フロド一いち行ぎょうと出会であった。
20日はつか: フロドを追おってブルイネンの浅瀬あさせを渡わたろうとしたナズグールたちは、エルロンドが起おこした大水おおみずにより押おし流ながされた。フロドはナズグールの傷きずがもとで倒たおれた。この日ひから23日にち夜よるまでエルロンドはフロドに治療ちりょうを施ほどこし、傷口きずぐちからモルグルの刃はの欠片かけらを取とり出だす。
24日にち: フロドが目覚めざめた。エルロンドはブルイネンの浅瀬あさせでの勝利しょうりを祝いわって宴会えんかいを催もよおした。
25日にち: エルロンドの会議かいぎがひらかれた。各地かくちに住すむ自由じゆうの民みんの代表だいひょうたちの前まえで、一ひとつの指輪ゆびわの来歴らいれきが明あきらかにされ、今後こんごの処遇しょぐうが検討けんとうされた。一ひとつの指輪ゆびわをモルドールの火ひの山やまへと運はこび破壊はかいするべし、とエルロンドは告つげた。指輪ゆびわの運はこび手しゅとしてビルボとフロドが名乗なのりを上あげ、エルロンドはフロドを運はこび手しゅに選えらぶ。さらにフロドの供きょうのものとして、サムの同行どうこうを許ゆるした。
26日にち: エルロンドは指輪ゆびわの運はこび手しゅの旅立たびだちの前まえに、周辺しゅうへんの状況じょうきょうを知しるべく斥候せっこうをだした。

12月

18日にち: エルロンドはフロドとともに旅立たびだつ「指輪ゆびわ隊たい」の総数そうすうを、ナズグールが9人にんであることから9人にんと定さだめた。フロドとサムに加くわえてガンダルフと、エルフの代表だいひょうとしてレゴラス、ドワーフの代表だいひょうとしてギムリ、人間にんげんの代表だいひょうとしてアラゴルンを選えらんだ。さらにミナス・ティリスへ帰かえるために同おなじ道どうを行いくボロミアも選えらばれた。エルロンドは、指輪ゆびわ隊たいの残のこりの2人ふたりについて裂さけ谷だにの家中いえじゅうから選えらぶことも考かんがえていたが、メリーとピピンの立候補りっこうほがあり、ガンダルフの推薦すいせんもあってそれを受うけ入いれた。
25日にち: エルロンドは指輪ゆびわ隊たいに助言じょげんをあたえ、その出発しゅっぱつを見送みおくった。

大おおいなる年とし3019年ねん

以下いかの日付ひづけはホビット庄しょう暦れき。

2月がつ: ガラドリエルからの伝言でんごんを受うけ、エルロンドはドゥーネダインを召集しょうしゅうしてかれの二人ふたりの息子むすこエルラダンとエルロヒアとともにローハンへと向むかわせた。
3月6日にち: エルロンドの息子むすことドゥーネダインの一いち行ぎょうは、アラゴルンを見みつけた。エルロンドはアラゴルンに、「死者ししゃの道みち」を行いくように伝言でんごんした。
3月25日にち: 指輪ゆびわは火ひの山やまの火口かこうに落おち、サウロンは滅ほろびた。
5月1日にち: アラゴルンはアルノールとゴンドール両国りょうこくの王おうとして戴冠たいかんした。エルロンドはアルウェンとともに裂さけ谷たにをたち、ゴンドールへと向むかった。グロールフィンデル、エレストールなど、裂さけ谷だにの家中いえじゅうのものも多おおく同道どうどうした。
5月14日にち: エルラダンとエルロヒアが、エルロンドとその一いち行ぎょうをエドラスに迎むかえた。
5月がつ20日はつか: エルロンドとアルウェンはロスローリエンに到着とうちゃく。一いち週間しゅうかん滞在たいざいする。エルロンドとともにガラドリエルとケレボルン、ロスローリエンの民みんも多おおくが同道どうどうした。
6月の一いちのライズ（夏至げしの前日ぜんじつ）: エルロンドとアルウェンはゴンドールに到着とうちゃく。
夏至げし: アラゴルンとアルウェンの結婚けっこん。
7月がつ19日にち: セオデン王おうの葬列そうれつがゴンドールを発たつ。エルロンドと裂さけ谷だにの一いち行ぎょうも同行どうこうした。
8月がつ14日にち: セオデン王おうの葬儀そうぎと追悼ついとう会かいのあと、エルロンドと裂さけ谷だにの一いち行ぎょうは旅立たびだった。アルウェンはエドラスに留とまり、これより二度にどとエルロンドと会あうことはなかった。
8月がつ22日にち: アイゼンガルドにて、エルロンドはアラゴルンと別わかれた。
9月21日にち: 裂さけ谷だにに戻もどる。ガンダルフとホビットたちは10月5日にちまで滞在たいざい。
10月5日にち: ガンダルフとホビットたちが裂さけ谷たにを発たつ。エルロンドはフロドを祝福しゅくふくして送おくり出だした。

3021年ねん

9月22日にち: エルロンドはビルボ、ガラドリエル、ギルドールらと馬うまを進すすめ、灰色はいいろ港みなとへと向むかう道中どうちゅう、末すえつ森もりにてフロド、サムと合流ごうりゅうした。
9月29日にち: 灰色はいいろ港みなとに到着とうちゃく。海うみを渡わたり、西方せいほうへと向むかった。同行どうこう者しゃはガラドリエル、ギルドールとその家中いえじゅうのエルフ、ガンダルフ、ビルボ、フロド。