ウィルオウィスプ

水面すいめん上じょうで木きを燃もやして人工じんこう的てきに作つくられたウィル・オー・ザ・ウィスプ。火ひの色いろは編集へんしゅう時じに青あおっぽく変更へんこうされている

ウィルオウィスプ、あるいは、ウィル・オー・ザ・ウィスプ（英えい: will-o'-the-wisp）は、世界せかい各地かくちに存在そんざいする、鬼火おにび伝承でんしょうの名なの一ひとつ。

概要がいよう

青白あおじろい光ひかりを放はなち浮遊ふゆうする球体きゅうたい、あるいは火ひの玉たま。イグニス・ファトゥウス（愚者ぐしゃ火ひ、Ignis fatuus）とも呼よばれる。他ほかにも別名べつめいが多数たすうあり、地域ちいきや国くにによって様々さまざまな呼称こしょうがある。 夜よるの湖沼こしょう付近ふきんや墓場はかばなどに出没しゅつぼつする。近ちかくを通とおる旅人たびびとの前まえに現あらわれ、道みちに迷まよわせたり、底そこなし沼ぬまに誘さそい込こませるなど危険きけんな道みちへと誘さそうとされる。

その正体しょうたいは、生前せいぜん罪ざいを犯おかした為ために昇天しょうてんしきれず現世げんせいを彷徨ほうこうう魂たましい、洗礼せんれいを受うけずに死しんだ子供こどもの魂たましい、拠よりどころを求もとめて彷徨ほうこうっている死者ししゃの魂たましい、ゴブリン達いたるや妖精ようせいの変身へんしんした姿すがた等とうであると言いわれている。

伝承でんしょう

その名なは「一いち掴つかみの藁わらのウィリアム（松明たいまつ持もちのウィリアム）」の意い。それを裏付うらづける伝承でんしょうが下記かきのものである。

死後しごの国くにへ向むかわずに現世げんせいを彷徨うろつい続つづける、ウィル（ウィリアム）という名なの男おとこの魂たましいだという。

生前せいぜんは極悪ごくあく人じんで、遺恨いこんにより殺ころされた後のち、霊界れいかいで聖せいペテロに地獄じごく行いきをい渡いわたされそうになった所ところを、言葉ことば巧たくみに彼かれを説得せっとくし、再ふたたび人間にんげん界かいに生うまれ変かわる。

しかし、第だい二にの人生じんせいもウィルは悪行あくぎょう三昧ざんまいで、また死しんだとき死者ししゃの門もんで、聖せいペテロに「お前まえはもはや天国てんごくへ行いくことも、地獄じごくへ行いくこともまかりならん」と煉獄れんごくの中なかを漂ただようことになる。それを見みて哀あわれんだ悪魔あくまが、地獄じごくの劫火ごうかから、轟々ごうごうと燃もえる石炭せきたんを一ひとつ、ウィルに明あかりとして渡わたした。この時ときにウィルは、この石炭せきたんの燃もえさしを手てに入いれる。そして、その石炭せきたんの光ひかりは人々ひとびとに鬼火おにびとして恐おそれられるようになった。

実態じったい

球たま電でん（自然しぜん現象げんしょう）と言いう稲妻いなづまの一種いっしゅ、あるいは湖沼こしょうや地中ちちゅうから噴ふき出だすリン化合かごう物ぶつやメタンガスなどに引火いんかしたものであるとされる。

関連かんれん項目こうもく

• ジャック・オー・ランタン
• セントエルモの火ひ
• 不知火しらぬひ
• 狐火きつねび
• 鬼火おにび